JP7721974B2 - 車両用主電動機 - Google Patents

車両用主電動機

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Description

本発明は、鉄道車両を駆動する車両用主電動機に関する。
鉄道車両では、車体の床下に配置された台車に車輪を駆動する主電動機が取り付けられている。
例えば特許文献1に記載の車両用主電動機は、ステータと、ステータの内周側で回転軸に同軸に固定されたロータと、ステータ及びロータを内包する円筒形状のフレームと、フレームの一端開口を閉塞するように配置されて回転軸を支持するブラケットと、ロータよりブラケット側に寄った位置で回転軸に同軸に固定された冷却ファンと、を備えている。
フレームの外周には、一端側から他端側に連通する複数の出側流路が周方向に複数形成されている。冷却ファンは、ステータ及びロータの空間とブラケット側の空間を仕切る主板と、主板のブラケットに対向する面に形成され、周方向に間隔をあけて放射状に延在する複数の羽と、主板と平行に配置されて複数の羽を間に挟んで固定している帯リング形状のガイドと、を備えている。
ブラケットには、周方向に所定間隔をあけて複数の吸気口が形成されており、これら吸気口は、ブラケット内部の入側流路に配置した冷却ファンのガイドがブラケットに向って投影してなる領域内に位置している。
そして、回転軸の回転とともにロータ及び冷却ファンの複数の羽が回転すると、ブラケットの吸気口から入側流路に流入した冷却空気が、複数の羽の間を通過してブラケット及び主板の外周側に流れ、フレームの出側流路を通過して外部に排出されることで、回転子が冷却されるようになっている。
国際公開2015/118660号
ところで、特許文献1の吸気口から流入した冷却空気が、入側流路、冷却ファンの複数の羽が回転する空間、及び出側流路まで流れる流路(以下、空気流路と称する)を、両端が開口した直管と仮定すると、この空気流路の音響モードは、流路内部で音波が反射することで、振幅が極大となる複数の腹部と、振幅が極小となる複数の節部とを有するモードとなる。
そして、冷却空気が空気流路の冷却ファンの複数の羽に衝突すると風切り音が発生するが、複数の羽が音響モードの腹部に位置していると、風切り音の振幅が増大し騒音の要因となるおそれがある。
そこで、本発明は、冷却ファンの複数の羽(音源)を音響モードの節部の位置に配置することで、風切り音の振幅の増大を抑制して騒音を低減することができる車両用主電動機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る車両用主電動機は、円筒形状のハウジングと、ハウジングのハウジング周壁に固定されたステータと、ステータの内部に配置され、回転軸に固定されたロータと、回転軸を支持してステータ及びロータを外側から覆って吸気口を形成したカバー側壁と、ハウジング周壁の外側から覆って端部に排気口を有する出側流路を形成したカバー周壁と、カバー側壁とステータ及びロータとの間を仕切って回転軸の一端側に固定された主板と、主板の外周側のカバー側壁に対向する面に放射状に固定した複数の羽とを有し、回転軸に固定された冷却ファンと、カバー側壁と主板との間に形成されて吸気口に連通する入側空間と、を備えている。そして、吸気口から、入側空間、複数の羽が配置されている空間、出側流路及び排気口までの冷却空気が流れる空気流路を、両端が開口した直管と仮定したときの音響モードの節部に、複数の羽を位置させる節部設定手段を設けた。
本発明に係る車両用主電動機によれば、冷却ファンの複数の羽(音源)を音響モードの節部の位置に配置することで、冷却空気が冷却ファンの複数の羽に衝突することで発生する風切り音の振幅の増大を抑制して騒音を低減することができる。
本発明に係る第1実施形態の車両用主電動機を示す軸方向断面図である。 第1実施形態の車両用主電動機を構成する冷却ファンを示すものであり、(a)は軸方向から示し、(b)は(a)のA-A線矢視図である。 第1実施形態のエアガイドの形状を示す斜視図である。 第1実施形態の車両用主電動機において吸気口から入側流路、ファン収納空間及び出側流路に冷却空気が流れる状態を示した図である。 第1実施形態の冷却空気が流れる空気流路の音響モードと、音響モードの節部に音源を位置させることを示すものである。 本発明に係る第2実施形態の車両用主電動機を示す軸方向断面図である。 第2実施形態の冷却空気が流れる空気流路の音響モードと、音響モードの節部に音源を位置させることを示すものである。 本発明に係る第3実施形態の車両用主電動機を示す軸方向断面図である。 第3実施形態の冷却空気が流れる空気流路の音響モードと、音響モードの節部に音源を位置させることを示すものである。
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態の車両用主電動機を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
なお、以下の説明で記載されている「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、添付図面の方向を参照して用いられている。
[第1実施形態の車両用主電動機]
図1から図5により本発明に係る第1実施形態の車両用主電動機1について説明する。
図1は、鉄道車両の台車に取付けられて車輪を駆動する第1実施形態の車両用主電動機1を示す軸方向断面図である。
車両用主電動機1は、金属材料で形成したハウジング2と、ハウジング2のハウジング周壁2aの内周面に固定したステータ3と、ステータ3の内側に配置されて回転軸4に同軸に固定したロータ5と、ハウジング2の一端側を閉塞するように配置され、回転軸4の一端4a側に固定した冷却ファン6と、冷却ファン6及びハウジング周壁2aを外側から覆うカバー7とを備えている。
ハウジング2は、円筒形状のハウジング周壁2aと、ハウジング周壁2aの一端側開口部の周縁に形成したリング形状の第1ハウジング側壁2bと、ハウジング周壁2aの他端開口部を閉塞して形成した第2ハウジング側壁2cとを備えている。
第2ハウジング側壁2cの中心位置には、ベアリング21cを介して回転軸4の他端4bを支持する軸受け部材21aが配置されている。第2ハウジング側壁2cの内側には、軸受け部材21bの外周との間に通気空間2dを設けて円盤形状の内壁2eが配置されており、内壁2eの外径部は第2ハウジング側壁2cに設けた開口部2fに摺動自在に接触し、内壁2eの内径部は回転軸4に固定されている。軸受け部材21bには、外部と通気空間2dとを連通する通気孔2gが周方向に所定間隔をあけて形成されている。そして、内壁2eの通気空間2d側には、周方向に所定間隔をあけて複数の羽2hが配置されている。
ステータ3は、ステータコア9と、ステータコイル10とを備えている。ステータコア9は、環状の磁性鋼板が軸方向に複数枚積層されることで、軸方向に沿うように延びる筒状に形成されている。ステータコア9の内周部分には、径方向の内側に向かって突出する複数のティース(不図示)が周方向に間隔をあけて形成されている。ティース間に複数のスロット(不図示)が形成され、これらスロットにステータコイル10が巻回されている。
ロータ5は、環状の磁性鋼板が軸方向に沿って複数枚積層されることで筒状に形成されている。
冷却ファン6は、図2(a)に示すように、円盤形状の主板11と、主板11の外周側で対向して配置されている帯リング形状のガイド板12と、主板11及びガイド板12の対向面の間に周方向に間隔をあけて放射状に形成した複数の羽13とを備えている。主板11は、図2(b)に示すように、嵌入穴14を中心位置に形成した円板部15と、円板部15の外周縁から軸方向の一方に延在する円筒部16と、円筒部16の端部から径方向外方に延在し、ガイド板12に略平行に配置されている羽形成板17とを備えている。
冷却ファン6は、図1に示すように、複数の羽13及びガイド板12をステータ3及びロータ5に対向しないハウジング2の外側に向けた状態で配置され、円板部15の嵌入穴14に回転軸4を嵌入し、ハウジング2の第1ハウジング側壁2bの内周面に羽形成板17の外周面を合わせることで、第1ハウジング側壁2bの開口部を閉塞しながら回転軸4に同軸に固定されている。
カバー7は、図1に示すように、冷却ファン6を外側(図1の左側)から覆って回転軸4の軸心に直交する方向に延在している円板形状のカバー側壁18と、カバー側壁18の外周端から回転軸4の軸心に沿う方向(図1の左右方向)に延在してハウジング周壁2aの外周面を覆っている円筒形状のカバー周壁19とを備えている。カバー側壁18の中心位置には回転軸4が挿通する軸挿通穴20が形成されているとともに、軸挿通穴20の内部と回転軸4の間には軸受け部材21bが配置されている。
カバー側壁18で冷却ファン6の複数の羽13及びガイド板12が覆われている空間をファン収納空間27と称し、ハウジング周壁2aの外周面とカバー周壁19の内周面との間に設けられており、外気に連通する排気口28aを設けた空間を出側流路28と称する。
図1に示すように、カバー側壁18には、周方向に所定間隔をあけて形成され、冷却ファン6の主板11に向けて連通する複数の吸気口22が設けられている。そして、吸気口22より内部側には、ファン収納空間27に連通する入側空間23が設けられている。
入側空間23は、吸気口22の外径側縁部22aと同一径方向寸法であるカバー側壁18に形成したカバー内周壁24と、吸気口22の外径側縁部22aより径方向内方に凹んで形成した環状のカバー段差部25とで囲まれた空間である。
入側空間23には、エアガイド26が配置されている。エアガイド26は、図3に示すように、帯リング部26aと、帯リング部26aの内径端部から直交方向に延在する筒部26bとを備えた断面L字形状の金属部材である。
本実施形態のエアガイド26は、図1に示すように、帯リング部26aの外周端がカバー側壁18のカバー内周壁24に固定されており、帯リング部26aが回転軸4の軸心に直交する方向に延在し、筒部26bが、回転軸4の軸心に沿う方向に延在して配置されている。
車両用主電動機1の冷却ファン6は、回転軸4から回転力が伝達されて複数の羽13が回転することで、複数の吸気口22から入側空間23に冷却空気が流入する。吸気口22から流入した冷却空気は、図4に示すように、エアガイド26の帯リング部26aに衝突することで整流されながら回転軸4側に向かう方向に流れが変更され、次いで、カバー段差部25に衝突してエアガイド26の筒部26bの内周に沿う方向に流れが変更される。次いで、冷却空気は、主板11の円板部15に衝突して回転軸4から離間する方向に流れが変更され、さらに、主板11の円筒部16に衝突することで筒部26bの外周に沿う方向に流れが変更された後、複数の羽13が配置されているファン収納空間27に向かって流れていく。そして、冷却空気は、ファン収納空間27に連通する出側流路28に送り出され排気口28aから外気に放出される。ハウジング周壁2aに伝導されたステータ3のステータコア9の熱は、出側流路28を通過する冷却空気が奪って排気口28aから外部に放出される。
ここで、図5は、本実施形態の吸気口22から入側空間23、エアガイド26の帯リング部26a及び筒部26bの周囲に沿って流れる流路、ファン収納空間27、出側流路28及び排気口28aまでの冷却空気が流れる流路(以下、空気流路と称する)を、両端が開口した流路長さL1の直管と仮定したときの空気流路の音響モードと音源となる羽13の位置とを示すものである。
直管の音響モードは、開口端部で音波が反射することで作り出される音波(圧力波)の腹(圧力波の振幅が極大となる部分)と節(圧力波の振幅が極小となる部分)とを有する。基本共鳴周波数fは、おおよそf=v/(2×L)となる。vは音速であり、Lは直管の長さである。
図5に示す空気流路の音響モードは、空気流路の長さがL1の場合であって、基本共鳴周波数f1の3倍の周波数を対象とした音波(圧力波)の振動を示している。この音響モードは、圧力波の振幅が極大となる3つの腹部と、圧力波の振幅が極小となる4つの節部とを有する。
本実施形態は、空気流路の音響モードの吸気口22に寄った節部に複数の羽13が位置するように、エアガイド26の帯リング部26aの径方向寸法H1(図3参照)と、筒部26bの軸方向寸法H2(図3参照)とを所定値に設定している。エアガイド26は、特許請求の範囲に記載の「節部設定手段」の一例である。
次に、第1実施形態の車両用主電動機1の動作及び効果について説明する。
車両用主電動機1の駆動時には、ステータコア9、ステータコイル10およびロータ5が発熱部となる。
車両用主電動機1の冷却ファン6は、回転軸4から回転力が伝達されて複数の羽13が回転することで、複数の吸気口22から入側空間23に流入した冷却空気が、エアガイド26の帯リング部26a及び筒部26bの周囲に沿って流れ、ファン収納空間27、出側流路28を通過して排気口28aから放出される。そして、ハウジング周壁2aに伝導されたステータ3のステータコア9の熱は、出側流路28を通過する冷却空気に奪われて排気口28aから外部に放出される。
ここで、冷却空気が複数の羽13(音源)に衝突すると風切り音が発生し、この風切り音は出側流路28の排気口28aと吸気口22から外部に放出される。
図5で示したように、本実施形態の空気流路の音響モードは、エアガイド26の帯リング部26aの径方向寸法H1と、筒部26bの軸方向寸法H2とを所定値に設定することで、吸気口22に寄った節部に、音源(風切り音が発生する複数の羽13)を位置させている。このように、空気流路の音響モードの節部に音源(複数の羽13)を位置させることで、音源から放射される音(風切り音)のうち基本共鳴周波数f1の3倍の周波数に対して振幅の増大を抑制し、冷却ファン6に起因した騒音を低減することができる。
[第2実施形態の車両用主電動機]
次に、図6及び図7は、本発明に係る第2実施形態の車両用主電動機30を示すものである。なお、図1から図5で示した第1実施形態の構成と同一部分は、同一符号を付して説明は省略する。
図6に示す第2実施形態の車両用主電動機30は、第1実施形態の車両用主電動機1で使用したエアガイド26を配置されていないが、冷却空気の整流作用のために入側空間23に配置してもよい。
本実施形態の車両用主電動機30の特徴は、カバー7のカバー周壁19aの軸方向長さを、ハウジング2のハウジング周壁2aの軸方向長さより短く形成したことで、第1実施形態の出側流路28より軸方向長さが短い出側流路31が形成され、ハウジング周壁2aの外周を臨む位置で出側流路31の排気口31aが開口していることである。
図7は、第2実施形態の吸気口22から入側空間23、ファン収納空間27、出側流路31及び排気口31aまで冷却空気が流れる空気流路を、両端が開口した流路長さL2の直管と仮定したときの空気流路における基本共鳴周波数の3倍の周波数の音響モードと音源となる羽13の位置とを示すものである。この空気流路の基本共鳴周波数はf2である。
本実施形態は、空気流路の音響モードの吸気口22に寄った節部に複数の羽13が位置するように、出側流路31の軸方向長さを短く形成している。
次に、第2実施形態の車両用主電動機30の動作及び効果について説明する。
本実施形態の車両用主電動機30の冷却ファン6は、回転軸4から回転力が伝達されて複数の羽13が回転することで、複数の吸気口22から入側空間23に流入した冷却空気が、ファン収納空間27、出側流路31を通過して排気口31aから放出され、ハウジング周壁2aに伝導されたステータ3のステータコア9の熱は、出側流路31を通過する冷却空気が奪って排気口31aから外部に放出される。
冷却空気が複数の羽13(音源)に衝突すると風切り音が発生し、この風切り音は出側流路31の排気口31aから外部に放出されるが、図7で示したように、本実施形態の空気流路の音響モードは、出側流路31の軸方向長さを短く形成することで、吸気口22に寄った節部に、音源(風切り音が発生する複数の羽13)を位置させている。このように、空気流路の音響モードの節部に音源(複数の羽13)を位置させることで、音源から放射される音(風切り音)のうち基本共鳴周波数f2の3倍の周波数に対して振幅の増大を抑制し、冷却ファン6に起因した騒音を低減することができる。
一方、回転軸4とともに内壁2e及び複数の羽2hが回転すると、軸受け部材21aに設けた通気孔2gから流れ込んだ冷却空気が通気空間2dを通過して内壁2eの外径側から外部に排出される。このため、回転軸4の他端4bを支持するベアリング21c、ロータ5、ステータコア9、ステータコイル10などで発生する熱は、通気空間2dを通過する冷却空気が奪って外気に放出する。
ここで、本実施形態では、ハウジング周壁2aの外周を臨む位置で出側流路31の排気口31aが開口していることから、排気口31aから放出されるステータコア9の熱を奪った冷却空気は、ハウジング周壁2aに沿って流れていき、第2ハウジング側壁2cの中央側には流れ難くなる。このため、軸受け部材21aの周囲に設けた通気空間2dには排気口31aから放出された冷却空気(ステータコア9の熱を奪った冷却空気)が流れ込まないので、軸受け部材21aに配置したベアリング21cや、ロータ5、ステータコア9、ステータコイル10などの冷却を確実に行うことができる。
[第3実施形態の車両用主電動機]
次に、図8及び図9は、本発明に係る第3実施形態の車両用主電動機32を示すものである。
図8に示す第2実施形態の車両用主電動機32も、第1実施形態の車両用主電動機1で使用したエアガイド26を配置されていないが、冷却空気の整流作用のために入側空間23に配置してもよい。
本実施形態の車両用主電動機32の特徴は、第2ハウジング側壁2cより軸方向外側(図8の右側)に突出するハウジング周壁2iが形成されているとともに、ハウジング周壁2iの端部から回転軸4に直交し、回転軸4から離間する方向に延在するリング形状のハウジング端壁2jが形成されていることである。なお、ハウジング端壁2jは、ハウジング周壁2iの端部から回転軸4に対して傾斜していてもよい。
本実施形態のカバー7は、第2ハウジング側壁2cより軸方向外側に突出してハウジング端壁2jに近接する位置まで延在するカバー周壁19bを形成したことで、第1実施形態の出側流路28より軸方向長さが長い出側流路33が形成されているとともに、カバー周壁19bには、ハウジング端壁2jの端部の間で開口する出側流路33の排気口33aが設けられている。
図9は、第3実施形態の吸気口22から入側空間23、ファン収納空間27、出側流路33及び排気口33aまで冷却空気が流れる空気流路を、両端が開口した流路長さL3の直管と仮定したときの空気流路における基本共鳴周波数の3倍の周波数の音響モードと音源となる羽13の位置とを示すものである。この空気流路の基本共鳴周波数はf3である。
本実施形態は、空気流路の音響モードの吸気口22に寄った節部に複数の羽13が位置するように、出側流路33の軸方向長さを長く形成している。
次に、第3実施形態の車両用主電動機32の動作及び効果について説明する。
本実施形態の車両用主電動機32の冷却ファン6は、回転軸4から回転力が伝達されて複数の羽13が回転することで、複数の吸気口22から入側空間23に流入した冷却空気が、ファン収納空間27、出側流路33を通過して排気口33aから放出され、ハウジング周壁2iに伝導されたステータ3のステータコア9の熱は、出側流路33を通過する冷却空気が奪って排気口33aから外部に放出される。
冷却空気が複数の羽13(音源)に衝突すると風切り音が発生し、この風切り音は出側流路33の排気口33aから外部に放出されるが、図9で示したように、本実施形態の空気流路の音響モードは、出側流路33の軸方向長さを長く形成することで、吸気口22に寄った節部に、音源(風切り音が発生する複数の羽13)を位置させている。このように、空気流路の音響モードの節部に音源(複数の羽13)を位置させることで、音源から放射される音(風切り音)のうち基本共鳴周波数f3の3倍の周波数に対して振幅の増大を抑制し、冷却ファン6に起因した騒音を低減することができる。
また、回転軸4とともに内壁2e及び複数の羽2hが回転すると、軸受け部材21aに設けた通気孔2gから流れ込んだ冷却空気が通気空間2dを通過して内壁2eの外径側から外部に排出される。このため、回転軸4の他端4bを支持するベアリング21c、ロータ5、ステータコア9、ステータコイル10などで発生するは、通気空間2dを通過する冷却空気が奪って外気に放出する。
また、本実施形態は、カバー周壁19bの端部で開口する出側流路33の排気口33aが設けられていることから、排気口33aから放出されるステータコア9の熱を奪った冷却空気は、第2ハウジング側壁2cの中央側には流れ難くなる。このため、軸受け部材21aの周囲に設けた通気空間2dには排気口31aから放出された冷却空気(ステータコア9の熱を奪った冷却空気)が流れ込まないので、軸受け部材21aに配置したベアリング21cや、ロータ5、ステータコア9、ステータコイル10などの冷却を確実に行うことができる。
なお、上述した第1~第3実施形態では、空気流路内に配置された冷却ファン6に起因して発生する騒音のうち基本共鳴周波数の3倍の周波数の音を低減する例を示したが、本発明はこれに限られない。冷却ファン6に起因して発生する騒音のうち基本共鳴周波数の3倍以外の整数倍の周波数の音を低減する場合は、対象となる周波数の音響モードの節部に音源となる複数の羽13が位置するように、エアガイド26の帯リング部26aの径方向寸法H1と、筒部26bの軸方向寸法H2とを調整することができ、空気流路の流路長Lを調整してもよい。
また、基本共鳴周波数の整数倍の周波数に近い周波数においても空気流路内に圧力波の振幅が極小となる節部が存在し、このような周波数の騒音を、基本共鳴周波数の整数倍の周波数の音と同様、複数の羽13を音響モードの節部に位置させることにより、低減することができる。
また、上述した第1~第3本実施形態では、騒音を低減するために音響モードの節部に音源となる複数の羽13を配置する例を示した。ここでいう節部とは、完全に節部に一致するだけでなく、節部近傍も含む。節部近傍とは、たとえば正弦波の音響モードにおいて-10°~+10°の範囲であってよい。音響モードの節部近傍に音源となる複数の羽13が配置されることで、騒音を低減する効果を発揮することができる。なお、近傍の範囲は、騒音低減効果に応じて適宜変更されてよい。
また、上述した第1~第3本実施形態では、騒音を低減するために音響モードの節部に音源となる複数の羽13を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。騒音は複数の羽13の先端部あるいは中央部などの特定部で起こる冷却空気の剥離によって発生する。したがって、複数の羽13において音源となる部位を特定し、音源として特定された部位を音響モードの節部近傍に位置するようにエアガイド26の帯リング部26aの径方向寸法H1と、筒部26bの軸方向寸法H2とを調整することができ、空気流路の流路長Lを調整してもよい。音響モードの節部近傍に音源となる部位が配置されれば、より高い騒音低減効果を発揮することができる。
さらに、第1実施形態では、エアガイド26を「節部設定手段」として説明したが、本発明はこれに限られない。「節部設定手段」は、エアガイド26以外の部材であってよく、空気流路内に配置される他の部材であってよく、空気流路の長さを調整することができる空気流路の構成部材であってよい。
1,30,32 車両用主電動機
2 ハウジング
2a ハウジング周壁
2b 第1ハウジング側壁
2c 第2ハウジング側壁(ハウジング側壁)
2d 通気空間
2e 内壁
2f 開口部
2g 通気孔
2h 羽
2i ハウジング周壁
2j ハウジング端壁
3 ステータ
4 回転軸
4a 一端
4b 他端
5 ロータ
6 冷却ファン
7 カバー
9 ステータコア
10 ステータコイル
11 主板
12 ガイド板
13 羽
14 嵌入穴
15 円板部
16 円筒部
17 羽形成板
18 カバー側壁
19,19a,19b カバー周壁
20 軸挿通穴
21a 軸受け部材
21b 軸受け部材
21c ベアリング
22 吸気口
22a 外径側縁部
22b 内径側縁部
23 入側空間
24 カバー内周壁
25 カバー段差部
26 エアガイド
26a 帯リング部
26b 筒部
27 ファン収納空間
28 出側流路
28a 排気口
29 空気流路
31 出側流路
31a 排気口
33 出側流路
33a 排気口
L1,L2,L3 冷却空気の軸方向長さ

Claims (3)

  1. 円筒形状のハウジングと、
    前記ハウジングのハウジング周壁に固定されたステータと、
    前記ステータの内部に配置され、回転軸に固定されたロータと、
    前記回転軸を支持して前記ステータ及び前記ロータを外側から覆って吸気口を形成したカバー側壁と、
    前記ハウジング周壁の外側から覆って端部に排気口を有する出側流路を形成したカバー周壁と、
    前記カバー側壁と前記ステータ及び前記ロータとの間を仕切って前記回転軸の一端側に固定された主板と、前記主板の外周側の前記カバー側壁に対向する面に放射状に固定した複数の羽とを有し、前記回転軸に固定された冷却ファンと、
    前記カバー側壁と前記主板との間に形成されて前記吸気口に連通する入側空間と、を備え、
    前記吸気口から、前記入側空間、前記複数の羽が配置されている空間、前記出側流路及び前記排気口までの冷却空気が流れる空気流路を、両端が開口した直管と仮定したときの音響モードの節部に、前記複数の羽を位置させる節部設定手段を設け
    前記節部設定手段は、前記回転軸に直交する方向に延在して前記吸気口から流入した前記冷却空気が衝突することで整流させる帯リング部と、前記帯リング部の内径端部から前記回転軸に沿って延在して前記複数の羽が配置されている空間に前記冷却空気の流れを変更する筒部と、を備えたエアガイドであり、前記入側空間において前記エアガイドの周囲を流れる前記冷却空気の流路長を調整することで前記音響モードの節部に前記複数の羽を位置させることを特徴とする車両用主電動機。
  2. 前記回転軸の他端側に、前記ハウジングの内部を閉塞するハウジング側壁が固定されており、
    前記節部設定手段は、前記ハウジング側壁より軸方向外側に延在して形成した前記ハウジング周壁及び前記カバー周壁であり、当該ハウジング周壁及び当該カバー周壁で形成した前記出側流路の流路長を長く調整することで前記音響モードの節部に前記複数の羽を位置させることを特徴とする請求項記載の車両用主電動機。
  3. 前記ハウジング側壁は、軸受け部材を介して前記回転軸の他端側に配置され、前記軸受け部材の近傍の前記ハウジング側壁に、前記軸受け部材の周囲に冷却空気を送り込む通気穴が形成されているとともに、
    前記ハウジング周壁及びカバー周壁の端部の前記回転軸に対向しない位置に、前記排気口が形成されていることを特徴とする請求項記載の車両用主電動機。
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