JP7722697B2 - 化合物、組成物、ホスト材料および有機発光素子 - Google Patents
化合物、組成物、ホスト材料および有機発光素子Info
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Description
XはOまたはSを表し、
R1~R6は各々独立に水素原子、重水素原子、重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、
Z1およびZ2の少なくとも一方は、各々独立に置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。
Z1は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基であってもよく、
Z2は、置換もしくは無置換のジベンゾフリル基、または置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基であってもよい。
前記カルバゾリル基、前記ベンゾフロカルバゾリル基および前記ベンゾチエノカルバゾリル基は、それぞれカルバゾール環を構成する窒素原子で結合する基である。]
[2] Z1が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基である、[1]に記載の化合物。
[3] Z1が置換もしくは無置換のカルバゾリル基である、[1]に記載の化合物。
[4] Z2が置換もしくは無置換のジベンゾフリル基である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の化合物。
[5] Z2が置換もしくは無置換のジベンゾフラン-2-イル基である、[4]に記載の化合物。
[6] Z2が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の化合物。
[7] Z1が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基であり、Z2が置換もしくは無置換のジベンゾフリル基、または置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基である、[1]、[2]、[4]または[5]に記載の化合物。
[8] Z1およびZ2が、各々独立に置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である、[1]または[2]に記載の化合物。
[9] Z1が置換もしくは無置換のカルバゾリル基であり、Z2が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である、[1]または[6]に記載の化合物。
[10] R1~R6が水素原子である、[1]~[9]のいずれか1項に記載の化合物。
[11] [1]~[10]のいずれか1つに記載の化合物を含むホスト材料。
[12] 遅延蛍光材料とともに用いるための[10]に記載のホスト材料。
[13] [1]~[10]のいずれか1つに記載の化合物に遅延蛍光材料をドープした組成物。
[14] 膜状である、[13]に記載の組成物。
[15] 前記遅延蛍光材料が、ベンゼン環に置換しているシアノ基の数が1つであるシアノベンゼン構造を有する化合物である、[13]または[14]に記載の組成物。
[16] 前記遅延蛍光材料が、ベンゼン環に前記シアノ基の他に2種以上の置換もしくは無置換のカルバゾリル基が結合している、[15]に記載の組成物。
[17] 前記ホスト材料および前記遅延蛍光材料よりも最低励起一重項エネルギーが低い蛍光性化合物をさらに含む、[13]~[16]のいずれか1つに記載の組成物。
[18] [13]~[17]のいずれか1つに記載の組成物からなる層を有する有機発光素子。
[19] 前記層が、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ホウ素原子およびハロゲン原子からなる群より選択される原子のみからなる、[18]に記載の有機発光素子。
[20] 前記層が、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子のみからなる、[19]に記載の有機発光素子。
[21] 有機エレクトロルミネッセンス素子である、[18]~[20]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[22] 前記組成物が前記蛍光性化合物を含んでおらず、前記素子からの発光の最大成分は前記遅延蛍光材料からの発光である、[18]~[21]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
[23] 前記組成物が前記蛍光性化合物を含んでおり、前記素子からの発光の最大成分は前記蛍光性化合物からの発光である、[18]~[21]のいずれか1つに記載の有機発光素子。
本発明では、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
好ましいベンゾフロカルバゾリル基として、下記のいずれかの構造を有する基を挙げることができ、下記構造中の水素原子は置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。ただし、下記の構造にさらに他の環が縮合していることはない。波線は結合位置を表す。
好ましいベンゾチエノカルバゾリル基として、下記のいずれかの構造を有する基を挙げることができ、下記構造中の水素原子は置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。ただし、下記の構造にさらに他の環が縮合していることはない。波線は結合位置を表す。
本願における「重水素化されていてもよいアルキル基」は、アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子に置換されていてもよいことを意味する。アルキル基の水素原子はすべてが重水素原子に置換されていてもよい。例えば、重水素化されていてもよいメチル基には、CH3、CDH2、CD2H、CD3が含まれる。「重水素化されていてもよいアルキル基」は、まったく重水素化されていないアルキル基か、すべての水素原子が重水素原子に置換されているアルキル基であることが好ましい。本発明の一態様では、「重水素化されていてもよいアルキル基」として、まったく重水素化されていないアルキル基を選択する。本発明の一態様では、「重水素化されていてもよいアルキル基」として、すべての水素原子が重水素原子に置換されているアルキル基を選択する。本発明の一態様では、「重水素化されていてもよいアルキル基」は、重水素化されていないメチル基[-CH3]、重水素化されていないエチル基[-CH2CH3]、重水素化されていないイソプロピル基[-CH(CH3)2]、重水素化されていないtert-ブチル基[-C(CH3) 3]またはすべての水素原子が重水素化されたメチル基[-CD3]である。本発明の一態様では、「重水素化されていてもよいアルキル基」は、重水素化されていないメチル基[-CH3]またはすべての水素原子が重水素化されたメチル基[-CD3]である。本発明の一態様では、一般式(1)で表される分子内に、少なくとも1個の水素原子が重水素原子で置換されたアルキル基が少なくとも1個存在する。
アリール基を構成する環の具体例として、ベンゼン環、ナフタレン環を挙げることができる。アリール基の具体例として、フェニル基、ナフタレン-1-イル基、ナフタレン-2-イル基を挙げることができる。具体例として挙げたこれらの基は、置換されていてもよい。また、アリール基は、重水素化されていてもよいアリール基である。
本願における「重水素化されていてもよいアリール基」は、アリール基の水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子に置換されていてもよいことを意味する。アリール基の水素原子はすべてが重水素原子に置換されていてもよい。例えば、重水素化されていてもよいフェニル基には、C6H5、C6H4D、C6H3D2、C6H2D3、C6HD4、C6D5が含まれる。「重水素化されていてもよいアルキル基」は、まったく重水素化されていないアリール基か、すべての水素原子が重水素原子に置換されているアリール基であることが好ましい。本発明の一態様では、「重水素化されていてもよいアリール基」として、まったく重水素化されていないアリール基を選択する。本発明の一態様では、「重水素化されていてもよいアリール基」として、すべての水素原子が重水素原子に置換されているアリール基を選択する。本発明の一態様では、「重水素化されていてもよいアリール基」は、重水素化されていないフェニル基[-C6H5]、重水素化されていないナフチル基[-C10H7]、すべての水素原子が重水素化されたフェニル基[-C6D5]、すべての水素原子が重水素化されたナフチル基[-C10D7]である。
以下において、置換されていてもよいアリール基の具体例を挙げる。ただし、本発明で採用することができるアリール基は以下の具体例によって限定的に解釈されることはない。以下の具体例において、*は結合位置を示す。また、メチル基は表示を省略している。このため、Ar2~Ar7はメチル基で置換された構造を表している。
本発明の一態様では、Z2だけが置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。
本発明の一態様では、Z1とZ2がともに置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1とZ2は同一である。本発明の一態様では、Z1とZ2は異なる。
本発明の一態様では、Z1とZ2の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1とZ2の少なくとも1つは、置換ベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1とZ2の少なくとも1つは、無置換のベンゾフロカルバゾリル基である。
本発明の一態様では、Z1とZ2の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1とZ2の少なくとも1つは、置換ベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1とZ2の少なくとも1つは、無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。
Z1が採りうるカルバゾリル基は、置換されていてもよい。無置換であっても構わない。置換されている場合の置換基は、下記置換基群Aから選択されるものであってもよいし、下記置換基群Bから選択されるものであってもよいし、下記置換基群Cから選択されるものであってもよいし、下記置換基群Dから選択されるものであってもよいし、下記置換基群Eから選択されるものであってもよい。好ましいのは、置換基群Eから選択される置換基である。例えばアルキル基だけで置換されていてもよいし、アリール基だけで置換されていてもよいし、アルキル基とアリール基の両方で置換されていてもよい。アルキル基、アリール基の説明と好ましい範囲については、ベンゾフロカルバゾリル基とベンゾチエノカルバゾリル基の置換基であるアルキル基とアリール基の説明と好ましい範囲を参照することができる。
本発明の一態様では、Z1は、無置換のカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1は、置換カルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1は、アルキル置換カルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1は、アリール置換カルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1は、フェニル置換カルバゾリル基である。
本発明の一態様では、Z2は、無置換のジベンゾフリル基である。本発明の一態様では、Z2は、置換ジベンゾフリル基である。本発明の一態様では、Z2は、アルキル置換ジベンゾフリル基である。本発明の一態様では、Z2は、アリール置換ジベンゾフリル基である。本発明の一態様では、Z2は、フェニル置換ジベンゾフリル基である。本発明の一態様では、Z2は、無置換のジベンゾチエニル基である。本発明の一態様では、Z2は、置換ジベンゾチエニル基である。本発明の一態様では、Z2は、アルキル置換ジベンゾチエニル基である。本発明の一態様では、Z2は、アリール置換ジベンゾチエニル基である。本発明の一態様では、Z2は、フェニル置換ジベンゾチエニル基である。
本発明の一態様では、R1~R6は水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、R1~R6は水素原子である。本発明の一態様では、R1~R6の少なくとも1つは置換もしくは無置換のアルキル基である。本発明の一態様では、R1~R6の少なくとも1つは無置換のアルキル基である。本発明の一態様では、R1~R6の少なくとも1つは置換もしくは無置換のアリール基である。本発明の一態様では、R1~R6の少なくとも1つは無置換のアリール基である。本発明の一態様では、R1が水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、R1が重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。本発明の一態様では、R2が水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、R2が重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。本発明の一態様では、R3が水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、R3が重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。本発明の一態様では、R4が水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、R4が重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。本発明の一態様では、R5が水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、R5が重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。本発明の一態様では、R6が水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、R6が重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。
本発明の一態様では、Z1およびZ2が、各々独立に置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1およびZ2が、互いに異なるベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1およびZ2が、同じベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1およびZ2が、互いに異なるベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1およびZ2が、同じベンゾチエノカルバゾリル基である。
本発明の一態様では、Z1が置換もしくは無置換のカルバゾリル基であり、Z2が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が置換もしくは無置換のカルバゾリル基であり、Z2が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が無置換のカルバゾリル基であり、Z2が無置換のベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が無置換のカルバゾリル基であり、Z2が置換ベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が置換カルバゾリル基であり、Z2が無置換のベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が置換カルバゾリル基であり、Z2が置換のベンゾフロカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が置換もしくは無置換のカルバゾリル基であり、Z2が置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が無置換のカルバゾリル基であり、Z2が無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が無置換のカルバゾリル基であり、Z2が置換ベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が置換カルバゾリル基であり、Z2が無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。本発明の一態様では、Z1が置換カルバゾリル基であり、Z2が置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。
本明細書において「置換基群B」とは、重水素原子、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ジアリールアミノアミノ基(例えば炭素原子数0~20)からなる群より選択される1つまたは2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基群C」とは、重水素原子、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリール基(例えば炭素数6~22)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~20)、ジアリールアミノ基(例えば炭素原子数12~20)からなる群より選択される1つまたは2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基群D」とは、重水素原子、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリール基(例えば炭素数6~22)およびヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~20)からなる群より選択される1つまたは2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本明細書において「置換基群E」とは、重水素原子、アルキル基(例えば炭素数1~20)およびアリール基(例えば炭素数6~22)からなる群より選択される1つまたは2つ以上を組み合わせた基を意味する。
本発明の一態様では、化合物1~7360の中から化合物を選択する。
本発明の一態様では、化合物7361~41216の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物7361~11040の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物11041~14720の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物14721~18400の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物18401~22080の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物22081~25760の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物25761~29440の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物29441~33120の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物33121~36800の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物36801~41216の中から化合物を選択する。
本発明の一態様では、化合物41217~42320の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物41217~41400の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物41401~41584の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物41585~41768の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物41769~41952の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物41953~42136の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物42137~42320の中から化合物を選択する。
一般式(1)で表される化合物は、キャリア障壁材料としても有用であり、例えば電子障壁材料として有用である。有機エレクトロルミネッセンス素子などの有機発光素子において障壁層(例えば電子障壁層)に効果的に用いることができる。
一般式(1)で表される化合物は、遅延蛍光材料とともに用いるためのホスト材料として有用である。
ここでいう「遅延蛍光材料」とは、励起状態において、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じ、その励起一重項状態から基底状態へ戻る際に遅延蛍光を放射する有機化合物である。本発明では、蛍光寿命測定システム(浜松ホトニクス社製ストリークカメラシステム等)により発光寿命を測定したとき、発光寿命が100ns(ナノ秒)以上の蛍光が観測されるものを遅延蛍光材料と言う。
一般式(1)で表される化合物と遅延蛍光材料を組み合わせて用いたとき、遅延蛍光材料は、励起一重項状態の一般式(1)で表される化合物からエネルギーを受け取って励起一重項状態に遷移する。また、遅延蛍光材料は、励起三重項状態の一般式(1)で表される化合物からエネルギーを受け取って励起三重項状態に遷移してもよい。遅延蛍光材料は励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーの差(ΔEST)が小さいことから、励起三重項状態の遅延蛍光材料は励起一重項状態の遅延蛍光材料へ逆項間交差しやすい。これらの経路により生じた励起一重項状態の遅延蛍光材料が発光に寄与する。
ΔESTが小さければ、熱エネルギーの吸収によって励起一重項状態から励起三重項状態に逆項間交差しやすいため、熱活性化型の遅延蛍光材料として機能する。熱活性化型の遅延蛍光材料は、デバイスが発する熱を吸収して励起三重項状態から励起一重項へ比較的容易に逆項間交差し、その励起三重項エネルギーを効率よく発光に寄与させることができる。
(1)最低励起一重項エネルギー(ES1)
測定対象化合物の薄膜もしくはトルエン溶液(濃度10-5mol/L)を調製して試料とする。常温(300K)でこの試料の蛍光スペクトルを測定する。蛍光スペクトルは、縦軸を発光、横軸を波長とする。この発光スペクトルの短波側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値 λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をES1とする。
換算式:ES1[eV]=1239.85/λedge
後述の実施例における発光スペクトルの測定は、励起光源にLED光源(Thorlabs社製、M300L4)を用いて検出器(浜松ホトニクス社製、PMA-12マルチチャンネル分光器 C10027-01)により行った。
(2)最低励起三重項エネルギー(ET1)
最低励起一重項エネルギー(ES1)の測定で用いたのと同じ試料を、液体窒素によって77[K]に冷却し、励起光(300nm)を燐光測定用試料に照射し、検出器を用いて燐光を測定する。励起光照射後から100ミリ秒以降の発光を燐光スペクトルとする。この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をET1とする。
換算式:ET1[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の10%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
本発明の一態様では、一般式(5)におけるR31およびR32は各々独立に、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、アルケニル基(例えば炭素数1~40)およびアルキニル基(例えば炭素数1~40)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基である(以下においてこれらの基を「置換基群Aの基」という)。本発明の好ましい一態様では、R31およびR32は各々独立に、置換もしくは無置換のアリール基(例えば炭素数6~30)であり、アリール基の置換基としては置換基群Aの基を挙げることができる。本発明の好ましい一態様では、R31およびR32は同一である。
本発明の一態様では、一般式(6)におけるR33およびR34は各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基(例えば炭素数1~40)、置換もしくは無置換のアルケニル基(例えば炭素数1~40)、置換もしくは無置換のアリール基(例えば炭素数6~30)、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基(例えば炭素数5~30)を表す。ここでいうアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基の置換基としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アルキルチオ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、アリールチオ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールチオ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、アシル基(例えば炭素数1~40)、アルケニル基(例えば炭素数1~40)、アルキニル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、アリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、ヘテロアリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、シリル基(例えば炭素数1~40のトリアルキルシリル基)、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を挙げることができる(以下においてこれらの基を「置換基群Bの基」という)。
R33とR34は、互いに単結合または連結基を介して結合して環状構造を形成してもよい。特にR33とR34がアリール基である場合は、互いに単結合または連結基を介して結合して環状構造を形成することが好ましい。ここでいう連結基としては-O-、-S-、-N(R35)-、-C(R36)(R37)-、-C(=O)-を挙げることができ、-O-、-S-、-N(R35)-、-C(R36)(R37)-が好ましく、-O-、-S-、-N(R35)-がより好ましい。R35~R37は各々独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては、上記置換基群Aの基を選択したり、下記置換基群Bの基を選択したりすることができ、好ましくは炭素数1~10のアルキル基および炭素数6~14のアリール基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基である。
一般式(7)のR41~R48は各々独立に水素原子または置換基を表す。R41とR42、R42とR43、R43とR44、R44とR45、R45とR46、R46とR47、R47とR48は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。互いに結合して形成する環状構造は芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さらに環状構造は2環以上の縮合環であってもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成される環状構造の例として、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イミダゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンタエン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプタエン環、フラン環、チオフェン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノリン環などを挙げることができる。例えばフェナントレン環やトリフェニレン環のように多数の環が縮合した環を形成してもよい。一般式(7)で表される基に含まれる環の数は3~5の範囲内から選択してもよく、5~7の範囲内から選択してもよい。
R41~R48が採りうる置換基として、上記の置換基群Bの基を挙げることができ、好ましくは炭素数1~10の無置換のアルキル基、または炭素数1~10の無置換のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6~10のアリール基である。本発明の好ましい一態様では、R41~R48は水素原子または炭素数1~10の無置換のアルキル基である。本発明の好ましい一態様では、R41~R48は水素原子または炭素数6~10の無置換のアリール基である。本発明の好ましい一態様では、R41~R48はすべてが水素原子である。
一般式(7)において、*は結合位置を表す。
一般式(8)において、Z1~Z3は、各々独立に水素原子または置換基を表すが、少なくとも1つはドナー性の置換基である。ドナー性の置換基は、ハメットのσp値が負の基を意味する。好ましくは、Z1~Z3の少なくとも1つは、ジアリールアミノ構造(窒素原子に結合する2つのアリール基は互いに結合していてもよい)を含む基であり、より好ましくは上記一般式(6)で表される基であり、例えば上記一般式(7)で表される基である。本発明の一態様では、Z1~Z3の1つだけが一般式(6)または(7)で表される基である。本発明の一態様では、Z1~Z3の2つだけが各々独立に一般式(6)または(7)で表される基である。本発明の一態様では、Z1~Z3のすべてが各々独立に一般式(6)または(7)で表される基である。一般式(6)および一般式(7)の詳細と好ましい範囲については、上記の対応する記載を参照することができる。一般式(6)および一般式(7)で表される基ではない、残りのZ1~Z3は、置換もしくは無置換のアリール基(例えば炭素数6~40、好ましくは6~20)であることが好ましく、ここでいうアリール基の置換基としては、アリール基(例えば炭素数6~20、好ましくは6~14)およびアルキル基(例えば炭素数1~20、好ましくは1~6)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を例示することができる。本発明の一態様では、一般式(8)はシアノ基を含まない。
遅延蛍光材料として、WO2013/154064号公報の段落0008~0048および0095~0133、WO2013/011954号公報の段落0007~0047および0073~0085、WO2013/011955号公報の段落0007~0033および0059~0066、WO2013/081088号公報の段落0008~0071および0118~0133、特開2013-256490号公報の段落0009~0046および0093~0134、特開2013-116975号公報の段落0008~0020および0038~0040、WO2013/133359号公報の段落0007~0032および0079~0084、WO2013/161437号公報の段落0008~0054および0101~0121、特開2014-9352号公報の段落0007~0041および0060~0069、特開2014-9224号公報の段落0008~0048および0067~0076、特開2017-119663号公報の段落0013~0025、特開2017-119664号公報の段落0013~0026、特開2017-222623号公報の段落0012~0025、特開2017-226838号公報の段落0010~0050、特開2018-100411号公報の段落0012~0043、WO2018/047853号公報の段落0016~0044に記載される一般式に包含される化合物、特に例示化合物であって、遅延蛍光を放射するものを挙げることができる。また、特開2013-253121号公報、WO2013/133359号公報、WO2014/034535号公報、WO2014/115743号公報、WO2014/122895号公報、WO2014/126200号公報、WO2014/136758号公報、WO2014/133121号公報、WO2014/136860号公報、WO2014/196585号公報、WO2014/189122号公報、WO2014/168101号公報、WO2015/008580号公報、WO2014/203840号公報、WO2015/002213号公報、WO2015/016200号公報、WO2015/019725号公報、WO2015/072470号公報、WO2015/108049号公報、WO2015/080182号公報、WO2015/072537号公報、WO2015/080183号公報、特開2015-129240号公報、WO2015/129714号公報、WO2015/129715号公報、WO2015/133501号公報、WO2015/136880号公報、WO2015/137244号公報、WO2015/137202号公報、WO2015/137136号公報、WO2015/146541号公報、WO2015/159541号公報に記載される発光材料であって、遅延蛍光を放射するものを採用することもできる。なお、この段落に記載される上記の公報は、本明細書の一部としてここに引用している。
「アルキル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルキル基の炭素数は、例えば1以上、2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デカニル基、イソデカニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。置換基たるアルキル基は、さらにアリール基で置換されていてもよい。「アルコキシ基」、「アルキルチオ基」、「アシル基」および「アルコキシカルボニル基」のアルキル部分についても、ここでいう「アルキル基」の説明を参照することができる。
「アルケニル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルケニル基の炭素数は、例えば2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルケニル基の具体例として、エテニル基、n-プロペニル基、イソプロペニル基、n-ブテニル基、イソブテニル基、n-ペンテニル基、イソペンテニル基、n-ヘキセニル基、イソヘキセニル基、2-エチルヘキセニル基を挙げることができる。置換基たるアルケニル基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
「アリール基」および「ヘテロアリール基」は、単環であってもよいし、2つ以上の環が縮合した縮合環であってもよい。縮合環である場合、縮合している環の数は2~6であることが好ましく、例えば2~4の中から選択することができる。環の具体例として、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、キノリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ナフチリジン環を挙げることができる。アリール基またはヘテロアリール基の具体例として、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基を挙げることができる。「アリーレン基」および「ヘテロアリール基」は、アリール基およびヘテロアリール基の説明における価数を1から2へ読み替えたものとすることができる。「アリールオキシ基」、「アリールチオ基」および「アリールオキシカルボニル基」のアリール部分についても、ここでいう「アリール基」の説明を参照することができる。「ヘテロアリールオキシ基」、「ヘテロアリールチオ基」および「ヘテロアリールオキシカルボニル基」のヘテロアリール部分についても、ここでいう「ヘテロアリール基」の説明を参照することができる。
本発明の組成物は、一般式(1)で表される化合物と遅延蛍光材料を含む。本発明の一態様では、組成物は、1種以上の一般式(1)で表される化合物と、1種以上の遅延蛍光材料だけで構成される。本発明の一態様では、組成物は、1種の一般式(1)で表される化合物と、1種の遅延蛍光材料だけで構成される。本発明の一態様では、組成物は一般式(1)で表される化合物と遅延蛍光材料以外に第3の成分を含む。ここでいう第3の成分は、一般式(1)で表される化合物ではなく、また、遅延蛍光材料でもない。第3の成分は1種のみ含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。組成物における第3の成分の含有量は、30重量%以下の範囲内で選択してもよいし、10重量%以下の範囲内で選択してもよいし、1重量%以下の範囲内で選択してもよいし、0.1重量%以下の範囲内で選択してもよい。本発明の一態様では、第3成分は発光しない。本発明の一態様では、第3成分は蛍光を発光する。本発明の好ましい一態様では、本発明組成物からの発光の最大成分は蛍光(遅延蛍光を含む)である。
本発明の組成物において、一般式(1)で表される化合物は遅延蛍光材料よりも重量基準の含有量が多い。一般式(1)で表される化合物の含有量は、遅延蛍光材料の含有量の3重量倍以上の範囲内で選択してもよいし、10重量倍以上の範囲内で選択してもよいし、100重量倍以上の範囲内で選択してもよいし、1000重量倍以上の範囲内で選択してもよく、また、例えば10000重量倍以下の範囲内で選択してもよい。
本発明の組成物では、一般式(1)で表される化合物の励起一重項エネルギーよりも小さい励起一重項エネルギーを有する遅延蛍光材料を選択することが好ましい。励起一重項エネルギーの差は、0.1eV以上としたり、0.3eV以上としたり、0.5eV以上としたりしてもよく、2eV以下としたり、1.5eV以下としたり、1.0eV以下としたりしてもよい。
本発明の組成物は、金属元素を含まないことが好ましい。本発明の一態様では、本発明の組成物は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ホウ素原子およびハロゲン原子からなる群より選択される原子のみからなる。本発明の一態様では、本発明の組成物は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子のみからなる。
蛍光性化合物としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、クリセン誘導体、ルブレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、スチルベン誘導体、フルオレン誘導体、アントリル誘導体、ピロメテン誘導体、ターフェニル誘導体、ターフェニレン誘導体、フルオランテン誘導体、アミン誘導体、キナクリドン誘導体、オキサジアゾール誘導体、マロノニトリル誘導体、ピラン誘導体、カルバゾール誘導体、ジュロリジン誘導体、チアゾール誘導体、金属(Al,Zn)を有する誘導体、ジアザボラナフトアントラセン等の含ホウ素多環芳香族骨格を持つ化合物等の多重共鳴効果を有する化合物等を用いることが可能である。これらの例示骨格には置換基を有してもよいし、置換基を有していなくてもよい。また、これらの例示骨格どうしを組み合わせてもよい。
以下に、一般式(1)で表される化合物とともに用いられる第二のホスト材料として用いることができる好ましい化合物を挙げるが、本発明で用いることができる第二のホスト材料はこれらの具体例により限定的に解釈されることはない。
湿式工程では、本発明の組成物を溶解した溶液を面に塗布し、溶媒の除去後に発光層を形成する。湿式工程として、スピンコート法、スリットコート法、インクジェット法(スプレー法)、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。湿式工程では、本発明の組成物を溶解することができる適切な有機溶媒を選択して用いる。ある実施形態では、本発明の組成物に含まれる化合物に、有機溶媒に対する溶解性を上げる置換基(例えばアルキル基)を導入することができる。
乾式工程としては真空蒸着法を好ましく採用することができる。真空蒸着法を採用する場合は、本発明の組成物を構成する各化合物を個別の蒸着源から共蒸着させてもよいし、全化合物を混合した単一の蒸着源から共蒸着させてもよい。単一の蒸着源を用いる場合は、全化合物の粉末を混合した混合粉を用いてもよいし、その混合粉を圧縮した圧縮成形体を用いてもよいし、各化合物を加熱溶融して混合した後に冷却した混合物を用いてもよい。ある実施形態では、単一の蒸着源に含まれる複数の化合物の蒸着速度(重量減少速度)が一致ないしほぼ一致する条件で共蒸着を行うことにより、蒸着源に含まれる複数の化合物の組成比に対応する組成比の膜を形成することができる。形成される膜の組成比と同じ組成比で複数の化合物を混合して蒸着源とすれば、所望の組成比を有する膜を簡便に形成することができる。ある実施形態では、共蒸着される各化合物が同じ重量減少率になる温度を特定して、その温度を共蒸着時の温度として採用することができる。膜を蒸着法により製膜する場合は、組成物を構成する各化合物の分子量は1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、900以下であることがさらにより好ましい。分子量の下限値は、例えば450であったり、500であったり、600であったりしてもよい。
本発明の組成物からなる発光層を形成することにより、有機フォトルミネッセンス素子(有機PL素子)や有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの優れた有機発光素子を提供することができる。本発明の有機発光素子は蛍光発光素子であり、素子からの発光の最大成分は蛍光である(ここでいう蛍光には遅延蛍光が含まれる)。
発光層の厚さは例えば1~15nmとしたり、2~10nmとしたり、3~7nmとすることができる。
有機フォトルミネッセンス素子は、基材上に少なくとも発光層を形成した構造を有する。また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも陽極、陰極、および陽極と陰極の間に有機層を形成した構造を有する。有機層は、少なくとも発光層を含むものであり、発光層のみからなるものであってもよいし、発光層の他に1層以上の有機層を有するものであってもよい。そのような他の有機層として、正孔輸送層、正孔注入層、電子障壁層、正孔障壁層、電子注入層、電子輸送層、励起子障壁層などを挙げることができる。正孔輸送層は正孔注入機能を有した正孔注入輸送層でもよく、電子輸送層は電子注入機能を有した電子注入輸送層でもよい。
本発明の有機発光素子が多波長発光型の有機発光素子であるとき、最も短波長な発光が遅延蛍光を含むものとすることができる。また、最も短波長な発光が遅延蛍光を含まないものとすることもできる。
本発明の組成物を用いた有機発光素子は、熱的または電子的手段で励起されるとき、紫外領域、可視スペクトルのうち青色、緑色、黄色、オレンジ色、赤色領域(例えば420~500nm、500~600nmまたは600~700nm)または近赤外線領域で光を発することができる。例えば有機発光素子は赤色またはオレンジ色領域(例えば620~780nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子はオレンジ色または黄色領域(例えば570~620nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は緑色領域(例えば490~575nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は青色領域(例えば400~490nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は紫外スペクトル領域(例えば280~400nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は赤外スペクトル領域(例えば780nm~2μm)で光を発することができる。
本発明の組成物を用いた有機発光素子からの発光の最大成分は、本発明の組成物に含まれる遅延蛍光材料からの発光であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物からの発光は、有機発光素子からの発光の10%未満であることが好ましく、例えば1%未満、0.1%未満、0.01%未満、検出限界以下であってもよい。遅延蛍光材料からの発光は、有機発光素子からの発光の例えば50%超、90%超、99%超であってもよい。本発明の組成物を含む層(発光層)が第3成分として蛍光材料を含む場合は、有機発光素子からの発光の最大成分はその蛍光材料からの発光であってもよい。その場合は、発光材料からの発光は有機発光素子からの発光の例えば50%超、90%超、99%超であってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は基材により保持され、当該基材は特に限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子で一般的に用いられる、例えばガラス、透明プラスチック、クォーツおよびシリコンにより形成されたいずれかの材料を用いればよい。
いくつかの実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス装置の陽極は、金属、合金、導電性化合物またはそれらの組み合わせから製造される。いくつかの実施形態では、前記の金属、合金または導電性化合物は高い仕事関数(4eV以上)を有する。いくつかの実施形態では、前記金属はAuである。いくつかの実施形態では、導電性の透明材料は、CuI、酸化インジウム・スズ(ITO)、SnO2およびZnOから選択される。いくつかの実施形態では、IDIXO(In2O3-ZnO)などの、透明な導電性フィルムを形成できるアモルファス材料を使用する。いくつかの実施形態では、前記陽極は薄膜である。いくつかの実施形態では、前記薄膜は蒸着またはスパッタリングにより作製される。いくつかの実施形態では、前記フィルムはフォトリソグラフィー方法によりパターン化される。いくつかの実施形態では、パターンが高精度である必要がない(例えば約100μm以上)場合、当該パターンは、電極材料への蒸着またはスパッタリングに好適な形状のマスクを用いて形成してもよい。いくつかの実施形態では、有機導電性化合物などのコーティング材料を塗布しうるとき、プリント法やコーティング法などの湿式フィルム形成方法が用いられる。いくつかの実施形態では、放射光が陽極を通過するとき、陽極は10%超の透過度を有し、当該陽極は、単位面積あたり数百オーム以下のシート抵抗を有する。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは10~1,000nmである。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは10~200nmである。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは用いる材料に応じて変動する。
いくつかの実施形態では、前記陰極は、低い仕事関数を有する金属(4eV以下)(電子注入金属と称される)、合金、導電性化合物またはその組み合わせなどの電極材料で作製される。いくつかの実施形態では、前記電極材料は、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム-銅混合物、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム-アルミニウム混合物および希土類元素から選択される。いくつかの実施形態では、電子注入金属と、電子注入金属より高い仕事関数を有する安定な金属である第2の金属との混合物が用いられる。いくつかの実施形態では、前記混合物は、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム-アルミニウム混合物およびアルミニウムから選択される。いくつかの実施形態では、前記混合物は電子注入特性および酸化に対する耐性を向上させる。いくつかの実施形態では、陰極は、蒸着またはスパッタリングにより電極材料を薄膜として形成させることによって製造される。いくつかの実施形態では、前記陰極は単位面積当たり数百オーム以下のシート抵抗を有する。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は10nm~5μmである。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は50~200nmである。いくつかの実施形態では、放射光を透過させるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極のいずれか1つは透明または半透明である。いくつかの実施形態では、透明または半透明のエレクトロルミネッセンス素子は光放射輝度を向上させる。
いくつかの実施形態では、前記陰極を、前記陽極に関して前述した導電性の透明な材料で形成されることにより、透明または半透明の陰極が形成される。いくつかの実施形態では、素子は陽極と陰極とを含むが、いずれも透明または半透明である。
注入層は、電極と有機層との間の層である。いくつかの実施形態では、前記注入層は駆動電圧を減少させ、光放射輝度を増強する。いくつかの実施形態では、前記注入層は、正孔注入層と電子注入層とを含む。前記注入層は、陽極と発光層または正孔輸送層との間、並びに陰極と発光層または電子輸送層との間に配置することがきる。いくつかの実施形態では、注入層が存在する。いくつかの実施形態では、注入層が存在しない。
以下に、正孔注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
障壁層は、発光層に存在する電荷(電子または正孔)および/または励起子が、発光層の外側に拡散することを阻止できる層である。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、発光層と正孔輸送層との間に存在し、電子が発光層を通過して正孔輸送層へ至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、正孔障壁層は、発光層と電子輸送層との間に存在し、正孔が発光層を通過して電子輸送層へ至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、障壁層は、励起子が発光層の外側に拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、電子障壁層および正孔障壁層は励起子障壁層を構成する。本明細書で用いる用語「電子障壁層」または「励起子障壁層」には、電子障壁層の、および励起子障壁層の機能の両方を有する層が含まれる。
正孔障壁層は、電子輸送層として機能する。いくつかの実施形態では、電子の輸送の間、正孔障壁層は正孔が電子輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、正孔障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。正孔障壁層に用いる材料は、電子輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。
以下に、正孔障壁層に用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
電子障壁層は、正孔を輸送する。いくつかの実施形態では、正孔の輸送の間、電子障壁層は電子が正孔輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。電子障壁層に用いる材料は、正孔輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。
以下に電子障壁材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
励起子障壁層は、発光層における正孔と電子との再結合を通じて生じた励起子が電荷輸送層まで拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、発光層における励起子の有効な閉じ込め(confinement)を可能にする。いくつかの実施形態では、装置の光放射効率が向上する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、陽極の側と陰極の側のいずれかで、およびその両側の発光層に隣接する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層が陽極側に存在するとき、当該層は、正孔輸送層と発光層との間に存在し、当該発光層に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、励起子障壁層が陰極側に存在するとき、当該層は、発光層と陰極との間に存在し、当該発光層に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、正孔注入層、電子障壁層または同様の層は、陽極と、陽極側の発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。いくつかの実施形態では、正孔注入層、電子障壁層、正孔障壁層または同様の層は、陰極と、陰極側の発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーを含み、その少なくとも1つが、それぞれ、発光材料の励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーより高い。
正孔輸送層は、正孔輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は単層である。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は、正孔の注入または輸送特性および電子の障壁特性のうちの1つの特性を有する。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は有機材料である。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は無機材料である。本発明で使用できる公知の正孔輸送材料の例としては、限定されないが、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導剤、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導剤、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリルアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導剤、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリンコポリマーおよび導電性ポリマーオリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、またはその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料はポルフィリン化合物、芳香族三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物から選択される。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は芳香族三級アミン化合物である。以下に正孔輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
電子輸送層は、電子輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、電子輸送層は単層である。いくつかの実施形態では、電子輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、電子輸送材料は、陰極から注入された電子を発光層に輸送する機能さえあればよい。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はまた、正孔障壁材料としても機能する。本発明で使用できる電子輸送層の例としては、限定されないが、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アゾール誘導体、アジン誘導体またはその組合せ、またはそのポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はチアジアゾール誘導剤またはキノキサリン誘導体である。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はポリマー材料である。以下に電子輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
いくつかの実施形態では、発光層はデバイス中に組み込まれる。例えば、デバイスには、OLEDバルブ、OLEDランプ、テレビ用ディスプレイ、コンピューター用モニター、携帯電話およびタブレットが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を有するOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、本願明細書に記載の構成物は、OLEDまたは光電子デバイスなどの、様々な感光性または光活性化デバイスに組み込まれうる。いくつかの実施形態では、前記構成物はデバイス内の電荷移動またはエネルギー移動の促進に、および/または正孔輸送材料として有用でありうる。前記デバイスとしては、例えば有機発光ダイオード(OLED)、有機集積回線(OIC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検出装置、有機光受容体、有機磁場クエンチ(field-quench)装置(O-FQD)、発光燃料電池(LEC)または有機レーザダイオード(O-レーザー)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を含むOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは色彩の異なるOLEDを含む。いくつかの実施形態では、デバイスはOLEDの組合せを含むアレイを含む。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、3色の組合せ(例えばRGB)である。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、赤色でも緑色でも青色でもない色(例えばオレンジ色および黄緑色)の組合せである。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、2色、4色またはそれ以上の色の組合せである。
いくつかの実施形態では、デバイスは、
取り付け面を有する第1面とそれと反対の第2面とを有し、少なくとも1つの開口部を画定する回路基板と、
前記取り付け面上の少なくとも1つのOLEDであって、当該少なくとも1つのOLEDが、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を含む、発光する構成を有する少なくとも1つのOLEDと、
回路基板用のハウジングと、
前記ハウジングの端部に配置された少なくとも1つのコネクターであって、前記ハウジングおよび前記コネクターが照明設備への取付けに適するパッケージを画定する、少なくとも1つのコネクターと、を備えるOLEDライトである。
いくつかの実施形態では、前記OLEDライトは、複数の方向に光が放射されるように回路基板に取り付けられた複数のOLEDを有する。いくつかの実施形態では、第1方向に発せられた一部の光は偏光されて第2方向に放射される。いくつかの実施形態では、反射器を用いて第1方向に発せられた光を偏光する。
いくつかの実施形態では、本発明の発光層はスクリーンまたはディスプレイにおいて使用できる。いくつかの実施形態では、本発明に係る化合物は、限定されないが真空蒸発、堆積、蒸着または化学蒸着(CVD)などの工程を用いて基材上へ堆積させる。いくつかの実施形態では、前記基材は、独特のアスペクト比のピクセルを提供する2面エッチングにおいて有用なフォトプレート構造である。前記スクリーン(またマスクとも呼ばれる)は、OLEDディスプレイの製造工程で用いられる。対応するアートワークパターンの設計により、垂直方向ではピクセルの間の非常に急な狭いタイバーの、並びに水平方向では大きな広範囲の斜角開口部の配置を可能にする。これにより、TFTバックプレーン上への化学蒸着を最適化しつつ、高解像度ディスプレイに必要とされるピクセルの微細なパターン構成が可能となる。
ピクセルの内部パターニングにより、水平および垂直方向での様々なアスペクト比の三次元ピクセル開口部を構成することが可能となる。更に、ピクセル領域中の画像化された「ストライプ」またはハーフトーン円の使用は、これらの特定のパターンをアンダーカットし基材から除くまで、特定の領域におけるエッチングが保護される。その時、全てのピクセル領域は同様のエッチング速度で処理されるが、その深さはハーフトーンパターンにより変化する。ハーフトーンパターンのサイズおよび間隔を変更することにより、ピクセル内での保護率が様々異なるエッチングが可能となり、急な垂直斜角を形成するのに必要な局在化された深いエッチングが可能となる。
蒸着マスク用の好ましい材料はインバーである。インバーは、製鉄所で長い薄型シート状に冷延された金属合金である。インバーは、ニッケルマスクとしてスピンマンドレル上へ電着することができない。蒸着用マスク内に開口領域を形成するための適切かつ低コストの方法は、湿式化学エッチングによる方法である。
いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、基材上のピクセルマトリックスである。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、リソグラフィー(例えばフォトリソグラフィーおよびeビームリソグラフィー)を使用して加工される。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、湿式化学エッチングを使用して加工される。更なる実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、プラズマエッチングを使用して加工される。
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断することにより形成される。
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断することにより形成される。
マザーパネルのベース基材上に障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上に、セルパネル単位で複数のディスプレイユニットを形成する工程と、
前記セルパネルのディスプレイユニットのそれぞれの上にカプセル化層を形成する工程と、
前記セルパネル間のインタフェース部に有機フィルムを塗布する工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、障壁層は、例えばSiNxで形成された無機フィルムであり、障壁層の端部はポリイミドまたはアクリルで形成された有機フィルムで被覆される。いくつかの実施形態では、有機フィルムは、マザーパネルがセルパネル単位で軟らかく切断されるように補助する。
いくつかの実施形態では、薄膜トランジスタ(TFT)層は、発光層と、ゲート電極と、ソース/ドレイン電極と、を有する。複数のディスプレイユニットの各々は、薄膜トランジスタ(TFT)層と、TFT層上に形成された平坦化フィルムと、平坦化フィルム上に形成された発光ユニットと、を有してもよく、前記インタフェース部に塗布された有機フィルムは、前記平坦化フィルムの材料と同じ材料で形成され、前記平坦化フィルムの形成と同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記発光ユニットは、不動態化層と、その間の平坦化フィルムと、発光ユニットを被覆し保護するカプセル化層と、によりTFT層と連結される。前記製造方法のいくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、ディスプレイユニットにもカプセル化層にも連結されない。
いくつかの実施形態では、前記不動態化層は、TFT層の被覆のためにTFT層上に配置された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルムは、不動態化層上に形成された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルムは、障壁層の端部に形成された有機フィルムと同様、ポリイミドまたはアクリルで形成される。いくつかの実施形態では、OLEDディスプレイの製造の際、前記平坦化フィルムおよび有機フィルムは同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、障壁層の端部に形成されてもよく、それにより、当該有機フィルムの一部が直接ベース基材と接触し、当該有機フィルムの残りの部分が、障壁層の端部を囲みつつ、障壁層と接触する。
いくつかの実施形態では、TFT層を通じてピクセル電極に電圧が印加されるとき、ピクセル電極と対電極との間に適切な電圧が形成され、それにより有機発光層が光を放射し、それにより画像が形成される。以下、TFT層と発光ユニットとを有する画像形成ユニットを、ディスプレイユニットと称する。
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットを被覆し、外部の水分の浸透を防止するカプセル化層は、有機フィルムと無機フィルムとが交互に積層する薄膜状のカプセル化構造に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、前記カプセル化層は、複数の薄膜が積層した薄膜状カプセル化構造を有する。いくつかの実施形態では、インタフェース部に塗布される有機フィルムは、複数のディスプレイユニットの各々と間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、一部の有機フィルムが直接ベース基材と接触し、有機フィルムの残りの部分が障壁層の端部を囲む一方で障壁層と接触する態様で形成される。
いくつかの実施形態では、障壁層は、キャリア基材の反対側のベース基材の表面に形成される。一実施形態では、前記障壁層は、各セルパネルのサイズに従いパターン化される。例えば、ベース基材がマザーパネルの全ての表面上に形成される一方で、障壁層が各セルパネルのサイズに従い形成され、それにより、セルパネルの障壁層の間のインタフェース部に溝が形成される。各セルパネルは、前記溝に沿って切断できる。
いくつかの実施形態では、マザーパネルは、セルパネル単位で切断される。いくつかの実施形態では、マザーパネルは、カッターを用いてセルパネル間のインタフェース部に沿って切断される。いくつかの実施形態では、マザーパネルが沿って切断されるインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されているため、切断の間、当該有機フィルムが衝撃を吸収する。いくつかの実施形態では、切断の間、障壁層でひびが生じるのを防止できる。
いくつかの実施形態では、前記方法は製品の不良率を減少させ、その品質を安定させる。
他の態様は、ベース基材上に形成された障壁層と、障壁層上に形成されたディスプレイユニットと、ディスプレイユニット上に形成されたカプセル化層と、障壁層の端部に塗布された有機フィルムと、を有するOLEDディスプレイである。
以下の合成例において、一般式(1)に含まれる化合物を合成した。
MS (ASAP): 502.83 (M+H+). Calcd for C30H16BrNO2: 501.04.
1H NMR (400MHz, CDCl3, δ): 8.35 (s, 1H), 8.28 -8.22 (m, 3H), 8.19 (d, J= 8 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.02-7.99 (m, 1H), 7.91 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.80-7.76 (m, 2H), 7.72 -7.61 (m, 4H), 7.54-7.37 (m, 5H), 7.34-7.24 (m, 4H).
MS (ASAP): 589.93 (M+H+). Calcd. for C42H23NO3: 589.17.
MS (ASAP): 679.38 (M+H+). Calcd for C48H26N2O3: 678.19.
MS (ASAP): 503.00 (M+H+). Calcd for C30H16BrNO2: 501.04.
1H NMR (400MHz, CDCl3, δ): 8.26-8.18 (m, 5H), 8.03 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.74-7.68 (m, 2H), 7.62-7.35 (m, 10H), 7.31-7.19 (m, 3H), 6.73 (t, J = 8 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 8 Hz, 1H).
MS (ASAP): 589.30 (M+H+). Calcd for C42H24N2O2: 588.18.
膜厚100nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基材上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度1×10-5Paで積層した。まず、ITO上にHATCNを10nmの厚さに形成し、その上にNPDを30nmの厚さに形成した。次いで、その上にTrisPCzを10nmの厚さに形成した。次に、化合物369、TADF2(4CzTPN)、E35を異なる蒸着源からそれぞれ64.5質量%、35.0質量%、0.5質量%で共蒸着し、40nmの厚さの発光層を形成した。その上に、SF3TRZを10nmの厚さに形成し、さらにその上にSF3TRZとLiqを異なる蒸着源からそれぞれ30質量%、70質量%で共蒸着して30nmの厚さに形成した。さらに、Liqを2nmの厚さに形成し、次いでアルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着することにより陰極を形成した。以上の手順により、実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(比較例1)比較用有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
実施例1で用いた化合物369の代わりに比較化合物1を用いた点だけを変更して、実施例1と同じ手順により比較例1の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(評価)
実施例1と比較例1の各有機エレクトロルミネッセンス素子を15.4mA/cm2で通電したときの駆動電圧を測定した。その結果、比較例1に比べて実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子は、駆動電圧が0.2eV低かった。
化合物7546、TADF2、E35を異なる蒸着源からそれぞれ69.5質量%、30.0質量%、0.5質量%で共蒸着し、40nmの厚さの発光層を形成した点だけを変更して、実施例1と同じ手順により実施例2の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(比較例2)
実施例2で用いた化合物7546の代わりに比較化合物2を用いた点だけを変更して、実施例2と同じ手順により比較例2の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(評価)
実施例2と比較例2の各有機エレクトロルミネッセンス素子を6.3mA/cm2で通電したときの駆動電圧を測定した。その結果、比較例2に比べて実施例2の有機エレクトロルミネッセンス素子は、駆動電圧が0.2eV低かった。
実施例2で用いた化合物7546の代わりに化合物41218を用いた点だけを変更して、実施例2と同じ手順により比較例3の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
Claims (23)
- 下記一般式(1)で表される化合物。
[一般式(1)において、
XはOまたはSを表し、
R1~R6は各々独立に水素原子、重水素原子、重水素化されていてもよいアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、
Z1およびZ2の少なくとも一方は、各々独立に置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。
Z1は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基であってもよく、
Z2は、置換もしくは無置換のジベンゾフリル基、または置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基であってもよい。
前記カルバゾリル基、前記ベンゾフロカルバゾリル基および前記ベンゾチエノカルバゾリル基は、それぞれカルバゾール環を構成する窒素原子で結合する基である。
ただし、一般式(1)は、下記(A)~(C)のいずれかの条件を満たす。
(A)Z1が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基であり、Z2が置換もしくは無置換のジベンゾフリル基、または置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基である(ただし、以下の化合物は除く)。
(B)Z1およびZ2が、各々独立に置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。
(C)Z1が置換もしくは無置換のカルバゾリル基であり、Z2が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基、または置換もしくは無置換のベンゾチエノカルバゾリル基である。] - Z1が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基である、請求項1に記載の化合物。
- Z1が置換もしくは無置換のカルバゾリル基である、請求項1に記載の化合物。
- Z2が置換もしくは無置換のジベンゾフリル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
- Z2が置換もしくは無置換のジベンゾフラン-2-イル基である、請求項4に記載の化合物。
- Z2が置換もしくは無置換のベンゾフロカルバゾリル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記(A)を満たす、請求項1に記載の化合物(ただし、以下の化合物は除く)。
- 前記(B)を満たす、請求項1に記載の化合物。
- 前記(C)を満たす、請求項1に記載の化合物。
- R1~R6が水素原子である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物を含むホスト材料。
- 遅延蛍光材料とともに用いるための請求項11に記載のホスト材料。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物に遅延蛍光材料をドープした組成物。
- 膜状である、請求項13に記載の組成物。
- 前記遅延蛍光材料が、ベンゼン環に置換しているシアノ基の数が1つであるシアノベンゼン構造を有する化合物である、請求項13または14に記載の組成物。
- 前記遅延蛍光材料が、ベンゼン環に前記シアノ基の他に2種以上の置換もしくは無置換のカルバゾリル基が結合している、請求項15に記載の組成物。
- 前記化合物および前記遅延蛍光材料よりも最低励起一重項エネルギーが低い蛍光性化合物をさらに含む、請求項13~16のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項13~17のいずれか1項に記載の組成物からなる層を有する有機発光素子。
- 前記層が、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ホウ素原子およびハロゲン原子からなる群より選択される原子のみからなる、請求項18に記載の有機発光素子。
- 前記層が、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子のみからなる、請求項19に記載の有機発光素子。
- 有機エレクトロルミネッセンス素子である、請求項18~20のいずれか1項に記載の有機発光素子。
- 前記層が、請求項13~16のいずれか1項に記載の組成物からなる層であり、
前記組成物が、前記遅延蛍光材料よりも最低励起一重項エネルギーが低い蛍光性化合物を含んでおらず、前記素子からの発光の最大成分は前記遅延蛍光材料からの発光である、請求項18~21のいずれか1項に記載の有機発光素子。 - 前記組成物が、前記遅延蛍光材料よりも最低励起一重項エネルギーが低い蛍光性化合物を含んでおり、前記素子からの発光の最大成分は前記蛍光性化合物からの発光である、請求項18~21のいずれか1項に記載の有機発光素子。
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