JP7724092B2 - 土木建築用コーティング樹脂組成物、硬化膜、土木建築構造物のコーティング方法、タイルの剥落防止方法、及び構造体 - Google Patents

土木建築用コーティング樹脂組成物、硬化膜、土木建築構造物のコーティング方法、タイルの剥落防止方法、及び構造体

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Description

本発明は、土木建築用コーティング樹脂組成物、硬化膜、土木建築構造物のコーティング方法、タイルの剥落防止方法、及び構造体に関する。特に、外壁がタイル張りで構成されている構造物からタイルが剥落するのを防止するための外壁表面保護工法に関するものである。
近年、外壁面にタイルを張り付けた建築等の構造物において、経年劣化等によってタイルが剥落することが問題となっている。また、トンネルの内壁、高速道路橋脚、鉄道橋脚、橋梁等のコンクリート構造物からのコンクリート片の落下も発生している。
タイルの剥落等は種々の要因によって引き起こされることが知られている。このような要因としては、例えば、施工不良によるもの、地震、衝突事故等の衝撃によるタイル又は下地モルタルの損傷、タイル目地の外壁表面より劣化因子が浸入することによる下地モルタルの劣化、躯体に対する収縮率の差に起因するモルタル剥離等が知られている。剥落事故の規模は、陶片浮きによるタイルの落下のような小規模なものから、下地モルタル毎の剥落のような大規模に至るものまでが知られている。
このようなタイルの剥落を防止するために、外壁面にタイルを張り付けた建築物等において、種々の方法が知られているが、例えば、タイル仕上げの外観を維持するため、外壁表面に透明樹脂層を設ける工法が知られている。このような工法として、特許文献1には、構造物の外壁表面に有機溶剤系樹脂組成物を塗布して透明樹脂層を設けることが記載されている。しかしながら、有機溶剤系樹脂組成物を用いる場合、火災又は作業者が有機溶剤を吸引するといった安全性の面で好ましくなく、特にマンション等の住居者からの臭気に対するクレームが多発する傾向にある。
上記の理由から、外壁表面保護に有機溶剤系樹脂組成物を用いるのではなく、水系樹脂組成物を用いることが要望されている。特許文献2には、構造物の外壁表面に水系樹脂組成物を塗布することが記載されている。
特開2011-069160号公報 特開2019-035240号公報
ところで、特許文献2に記載の水系樹脂組成物は、硬化膜の充分な引張伸度を得るために架橋剤として金属系架橋剤を用いている。このような水系樹脂組成物から得られる硬化膜を、特に日照時において、高温かつ湿潤条件にさらされる可能性がある外壁に使用するには、耐水白化性の面で充分でない場合がある。
また、従来の水系樹脂組成物は、良好な塗工性を得るため、必要な粘度に調整しようとすると、水系樹脂組成物中の成分に由来して、水系樹脂組成物を塗布して得られる塗膜又は硬化膜の白化が進行する場合がある。そのため、従来の水系樹脂組成物では、特に、外観保持において高い機能が求められるタイル剥落防止用途において、施工性と満足な性能とを有する工法は限られているのが現状である。
本発明は、良好な施工性を有するとともに、良好な透明性及び耐水白化性を有する硬化物を形成することが可能な土木建築コーティング用樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、このような土木建築コーティング用樹脂組成物を用いた、硬化膜、土木建築構造物のコーティング方法、タイルの剥落防止方法、及び構造体を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、土木建築用コーティング樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という場合がある。)に関する。当該樹脂組成物は、ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)(以下、単に「ポリウレタン樹脂(a)」という場合がある。)と、水系媒体(b)と、酸性基又はその塩と反応性を有する架橋剤(c)(以下、単に「架橋剤(c)」という場合がある。)を含む。当該樹脂組成物は、下記の条件A及び条件Bのうち、少なくとも一方を満たす。
条件A:樹脂組成物中の不揮発分の酸価が5~17mgKOH/gである。
条件B:ポリウレタン樹脂(a)の酸価が5~22mgKOH/gである。
上記の樹脂組成物は、例えば、常温で乾燥し、水系分散媒を含む低沸成分を蒸発させることで、硬化物を形成することができる。その際に、ポリウレタン樹脂(a)と架橋剤(c)とが反応することによって、硬化物中に架橋を形成し強靭化するとともに、酸価が低下することで、耐水性に優れた硬化物を与えることができる。また、上記の樹脂組成物は、樹脂組成物中の不揮発分の酸価及びポリウレタン樹脂(a)の酸価のうち、少なくとも一方が所定の範囲にあることによって、硬化膜の白化を抑制することができる。また、上記の樹脂組成物は、2液材料のような可使時間による制限及び配合比のずれによる硬化不良の危険性がなく、充分な可使時間を有し得ることから、基材(例えば、コンクリート等)の表面における凹凸部分又は角部分等の種々の形状に対して好適に使用できる。
樹脂組成物の好ましい態様を以下に示す。これらの好ましい態様は、複数組み合わせることができる。
(1)条件A及び条件Bの両方を満たすこと。
(2)ポリウレタン樹脂(a)が酸性基を有すること。
(3)ポリウレタン樹脂(a)が、ポリウレタン樹脂(a)中のポリカーボネート構造中に、直鎖脂肪族ジオール由来の構造を有すること。
(4)ポリウレタン樹脂(a)が、ポリウレタン樹脂(a)中に脂肪族ポリイソシアネート由来の構造を有すること。
(5)架橋剤(c)が、カルボジイミド基を有する化合物を含むこと。
(6)揺変性付与剤(e)をさらに含み、揺変性付与剤(e)の含有量が、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、20質量%以下であること。
(7)樹脂組成物を、JIS-Z8803:2011(液体の粘度測定方法)に従い、E型粘度計を用いて、3°×R9.7のコーンローターを用い、5rpmの回転速度、23℃において測定した粘度が、6.0~60Pa・sであること。
(8)樹脂組成物を塗工して、ASTM D4400に基づいて垂れ試験を行い、流れ込みが無い土木建築用コーティング樹脂組成物の塗工厚さが0.75mm以上であること。
(9)樹脂組成物から形成される塗膜を、23℃、50%RHの標準状態で7日間養生して硬化膜を形成したとき、膜厚0.3mmの硬化膜で測定される、JIS A 6021:2011に基づく、23℃における掴み間伸度が150%以上であること。
(10)樹脂組成物から形成される塗膜を、23℃、50%RHの標準状態で7日間養生して硬化膜を形成したとき、膜厚0.3mmの硬化膜で測定される、全光線光透過率が10%以上であること。
(11)タイルの剥落防止、建築物の防水、コンクリート構造物の剥落防止、コンクリート構造物の保護、又はコンクリート床版の床版防水に用いられること。
本発明の他の一側面は、硬化膜に関する。当該硬化膜は、上記の樹脂組成物の硬化物を含む。
硬化膜の好ましい態様を以下に示す。これらの好ましい態様は、複数組み合わせることができる。
(1)膜厚0.3mmで測定される、JIS A 6021:2011に基づく、23℃における掴み間伸度が150%以上であること。
(2)膜厚0.3mmで測定される、全光線光透過率が10%以上であること。
(3)膜厚0.3mmで測定される、ヘーズが70%以下であること。
本発明の他の一側面は、土木建築構造物のコーティング方法に関する。当該コーティング方法は、上記の樹脂組成物を土木建築構造物に塗工する工程を備える。
本発明の他の一側面は、タイルの剥落防止方法に関する。当該タイルの剥落防止方法は、既設タイル張り仕上げ外壁表面を金属製アンカーで固定するとともに、外壁表面をコーティング層で覆う工程を備える。コーティング層は、上記の樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する。
本発明の他の一側面は、構造体に関する。当該構造体は、タイルを含む外壁構造と、外壁構造上に設けられたコーティング層とを備える。
コーティング層の一態様は、上記の樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する態様である。コーティング層の他の一態様は、第1の層と、第2の層とを外壁構造からこの順に含む態様である。ここで、第1の層は、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又は酢酸ビニル樹脂のいずれかの樹脂層である。第2の層は、上記の樹脂組成物の硬化物を含む層である。この態様において、コーティング層は、第3の層として、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、又はアクリルシリコン樹脂のいずれかの樹脂層を第2の層上で第1の層とは反対側にさらに含んでいてもよい。コーティング層の他の一態様は、第2の層と、第3の層とを外壁構造からこの順に含む態様である。
構造体は、外壁構造に含まれるタイル、及び/又は、コーティング層を保持する金属製アンカーをさらに備えていてもよい。
本発明によれば、良好な施工性を有するとともに、良好な透明性及び耐水白化性を有する硬化物を形成することが可能な土木建築コーティング用樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、土木建築コーティング用樹脂組成物を用いた、硬化膜、土木建築構造物のコーティング方法、タイルの剥落防止方法、及び構造体が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、土木建築用コーティング樹脂組成物の「土木建築用」とは、当該コーティング樹脂組成物が、例えば、橋、高架道路、ダム、トンネル、道路、土地造成等の土木分野;ビル、マンション、住宅等の建築分野などで使用されることを意味する。本明細書において、「土木建築用コーティング樹脂組成物」は、例えば、コーティング、塗料(上塗り塗料、中塗り塗料、及び下塗り塗料等)、プライマー、トップコート、ペンキ、スプレー、ワニス等に用いることができる。
<土木建築用コーティング樹脂組成物>
一実施形態の土木建築用コーティング樹脂組成物(樹脂組成物)は、ポリウレタン樹脂(a)と、水系媒体(b)と、架橋剤(c)とを含む。当該樹脂組成物は、下記の条件A及び条件Bのうち、少なくとも一方を満たし、条件A及び条件Bの両方を満たすことが好ましい。
条件A:樹脂組成物中の不揮発分の酸価が5~17mgKOH/gである。
条件B:ポリウレタン樹脂(a)の酸価が5~22mgKOH/gである。
[ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)]
ポリウレタン樹脂(a)は、ポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造とを有し、酸性基(酸性基の構造)を有していることが好ましい。ポリウレタン樹脂(a)が、所定の酸価となるような酸性基を有することで、良好な施工性を有するとともに、良好な透明性及び耐水白化性を有する硬化物を形成することが可能な樹脂組成物を得られ易い傾向にある。
ポリウレタン樹脂(a)は、ポリカーボネート構造を有するものであれば、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリウレタン樹脂(a)を2種以上組み合わせて用いる場合、ポリウレタン樹脂(a)全体で、条件Bにおける酸価の要件を満たせばよく、単独では条件Bにおける酸価の要件を満たさないもの(酸価5mgKOH/g未満又は酸価22mgKOH/g超のポリウレタン樹脂)を併用することができる。
ポリウレタン樹脂(a)は、例えば、ポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造と、酸性基含有ポリオールとを有していてもよい。
(ポリオール由来の構造)
本実施形態において、ポリウレタン樹脂(a)におけるポリオール由来の構造とは、ポリオールの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。ポリオール由来の構造は、ポリカーボネートポリオール由来の構造を有していてもよい。ポリオール由来の構造は、酸性基非含有ポリオール由来の構造であり得る。
ポリカーボネートポリオール由来の構造とは、ポリカーボネートポリオールの分子構造のうち、ウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを意味する。ポリウレタン樹脂(a)の構造中には、ポリカーボネートポリオールについて、複数種のポリオール由来の構造を有していてもよい。
ポリカーボネートポリオール由来の構造をポリウレタン樹脂(a)に導入するポリカーボネートポリオールとしては、例えば、直鎖脂肪族ジオール、分枝脂肪族ジオール、又は脂環式ジオールのポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールが挙げられる。直鎖脂肪族ジオール、分枝脂肪族ジオール、又は脂環式ジオールのポリオール由来の構造とは、直鎖脂肪族ジオール、分枝脂肪族ジオール、又は脂環式ジオールのポリオール分子のうち、カーボネート化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。
直鎖脂肪族ジオールとしては、例えば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール等が挙げられる。直鎖脂肪族ジオールは、好ましくは炭素原子数4~9、より好ましくは炭素原子数6の直鎖脂肪族ジオールである。
分枝脂肪族ジオールとしては、例えば、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,9-ノナンジオール等が挙げられる。
脂環式脂肪族ジオールとしては、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘプタンジオール等が挙げられる。
これらの中でも、直鎖脂肪族ジオールは、3級炭素が存在しないため、光照射等でのC-H結合開裂によるラジカルの発生が少ない傾向にある。また、直鎖脂肪族ジオールは、ポリウレタン樹脂(a)のガラス転移温度を低下させ、常温乾燥時の造膜性が向上する傾向にある。これらより、ポリカーボネートポリオールは、好ましくは直鎖脂肪族ジオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールであり、より好ましくは炭素原子数4~9の直鎖脂肪族ジオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールであり、さらに好ましくは炭素原子数6の直鎖脂肪族ジオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールである。
ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、目的に応じて適宜調整できるが、好ましくは200~5,000であり、より好ましくは200~4,000であり、さらに好ましくは300~3,000である。ポリカーボネートポリオールの数平均分子量をこのような範囲とすることによって、ポリカーボネートポリオールの取り扱いが容易になるとともに、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタン樹脂の低温特性が良好となる傾向にある。なお、数平均分子量は、JIS K 1557-1:2007に準拠して測定される、水酸基価に基づいて算出される数平均分子量を意味する。具体的には、ポリカーボネートポリオールの水酸基価を測定し、末端基定量法により、(56.1×1000×価数)/水酸基価を用いて算出する。当該式において、水酸基価の単位は[mgKOH/g]であり、価数は1分子中の水酸基の数である。
ポリオール由来の構造は、ポリカーボネートポリオール由来の構造に加えて、ポリカーボネートポリオール以外のポリオール由来の構造を有していてもよい。ポリカーボネートポリオール以外のポリオールとしては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数が2から10の脂肪族ポリオール、炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリエステルポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテル・ポリエステルポリオール、ポリ(メタ)アクリル系ポリオール、(水添)ポリブタジエン系ポリオール等が挙げられる。
(ポリイソシアネート由来の構造)
本実施形態において、ポリウレタン樹脂(a)におけるポリイソシアネート由来の構造とは、ポリイソシアネートの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを意味する。
ポリイソシアネート由来の構造をポリウレタン樹脂(a)に導入するためのポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-ジクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネーネート等の脂環式構造を有する脂肪族ポリシアネート;1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアネトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、m-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族構造を有する芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリイソシアネート由来の構造は、光照射による黄変が少ないことから、好ましくは脂肪族ポリイソシアネート由来の構造である。ポリイソシアネート由来の構造は、ポリウレタン樹脂(a)の結晶化を妨げ、長期的に安定した物性を示すことから、好ましくは脂環式構造を有する脂肪族ポリシアネート由来の構造であり、より好ましくは非対称構造を有するポリイソシアネート由来の構造であり、さらに好ましくはイソホロンジイソシアネート由来の構造である。
(酸性基含有ポリオール由来の構造)
本実施形態において、酸性基含有ポリオール由来の構造とは、酸性基含有ポリオールの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを意味する。酸性基含有ポリオール由来の構造をポリウレタンに導入するポリオールとしては、酸性基を少なくとも1個分子内に有するポリオール化合物が挙げられる。酸性基は、特に制限されないが、カルボキシ基、スルホニル基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。酸性基含有ポリオール由来の構造は、好ましくはカルボン酸基含有ポリオール由来の構造である。
酸性基含有ポリオールの種類は、特に制限されないが、具体的には、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸、N,N-ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N-ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4-ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6-ジヒドロキシ-2-トルエンスルホン酸等が挙げられる。この中でも入手容易性の観点から、2個のメチロール基を含む炭素原子数4~12のアルカン酸(ジメチロールアルカン酸)が挙げられる。これらの中でも、酸性基含有ポリオールは、架橋剤との反応性に優れることから、好ましくはジメチロールアルカン酸であり、より好ましくは2,2-ジメチロールプロピオン酸又は2,2-ジメチロールブタン酸であり、さらに好ましくは2,2-ジメチロールプロピオン酸である。ポリウレタン樹脂(a)の構造中には、酸性基含有ポリオールについて、複数種の酸性基含有ポリオール由来の構造を有していてもよい。
(ポリウレタン樹脂(a)の特性)
本実施形態のポリウレタン樹脂(a)は、ポリウレタン樹脂(a)中のウレタン結合及びウレア結合の合計が、ポリウレタン樹脂(a)の全量基準として、好ましくは20~40質量%であり、より好ましくは20~30質量%であり、さらに好ましくは20~26質量%である。このような範囲にあると、樹脂組成物から形成される塗膜(又は硬化膜)と基材の密着性がより高くなり、また、樹脂組成物から誘導される硬化膜の弾性率、応力等の力学特性がより優れたものとなる傾向にある。
ウレタン結合及びウレア結合の合計の含有割合は、ポリイソシアネート、ポリオール、酸性基含有ポリオール、鎖延長剤のそれぞれの分子量、1分子中における水酸基、イソシアナト基、アミノ基の数、及びポリウレタン樹脂(a)での各原料の使用割合によって制御することができる。
ポリウレタン樹脂(a)の酸価(mgKOH/g)は、JIS K5601:1999 酸価(滴定法)にて求めることができる。当該分析方法では、樹脂組成物中の成分に応じて、滴定液、溶媒等は適宜選択することができる。また、ポリウレタン樹脂(a)の酸価は、当該分析方法に代替して、下記式に基づき計算して求めてもよい。
ポリウレタン樹脂(a)の酸価(mgKOH/g)=ポリウレタン樹脂(a)中の酸性基(カルボン酸基)モル量(mmol)÷ポリウレタン樹脂(a)(g)×56.1
ポリウレタン樹脂(a)の酸価は5~22mgKOH/gであり得る(条件B)。なお、ポリウレタン樹脂(a)を2種以上混合して用いる場合、ポリウレタン樹脂(a)の酸価は、ポリウレタン樹脂(a)全体での酸価を意味する。ポリウレタン樹脂(a)の酸価が5mgKOH/g以上であると、ポリウレタン樹脂(a)を水系媒体に分散させ易くなる傾向にある。ポリウレタン樹脂(a)の酸価が22mgKOH/g以下であると、耐水性が向上する傾向にある。ポリウレタン樹脂(a)の酸価が22mgKOH/gを超える場合、酸性基の導入に低分子ジオールを用いることが一般的であることから、ハードセグメント量が多くなり、樹脂が硬くなって伸度が低下して面外曲げ性能が低下する傾向にある。ポリウレタン樹脂(a)の酸価は、好ましくは7~22mgKOH/gであり、より好ましくは10~20mgKOH/gである。
ポリウレタン樹脂(a)の酸価は、例えば、酸性基の導入量を調整する、酸価の異なるポリウレタン樹脂(a)を組み合わせる等によって調整することができる。
ポリウレタン樹脂(a)の重量平均分子量は、好ましくは25,000~10,000,000であり、より好ましくは50,000~5,000,000であり、さらに100,000~1,000,000である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるものであり、予め作成した標準ポリスチレンの検量線から求めた換算値を使用することができる。重量平均分子量が25,000以上であると、得られるポリウレタン樹脂(a)を含む樹脂組成物の乾燥により、良好な塗膜を得ることができる傾向にある。重量平均分子量が10,000,000以下であると、樹脂組成物の乾燥性を高めることができる傾向にある。
ポリウレタン樹脂(a)の含有量は、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、好ましくは10~99質量%であり、より好ましくは30~90質量%である。なお、本明細書において、樹脂組成物の不揮発分は、公知の方法で求めることができ、例えば、JIS K5601-1-2:2008に示す加熱残分の方法で求めることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂(a)以外に、ポリカーボネート構造を有しないポリウレタン樹脂(a’)(以下、単に「ポリウレタン樹脂(a’)」という場合がある。)を含んでいてもよい。ポリウレタン樹脂(a’)は、上記のポリウレタン樹脂(a)とはポリオール由来の構造が異なるものであり、ポリオール由来の構造がポリカーボネートポリオール由来の構造を有していないものである。ポリウレタン樹脂(a’)において、このようなポリオール由来の構造を導入するためのポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリエステルポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテル・ポリエステルポリオール、ポリ(メタ)アクリル系ポリオール、(水添)ポリブタジエン系ポリオール等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(a’)の含有量は、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、好ましくは0~90質量%であり、より好ましくは0~50質量%である。
[水系媒体(b)]
水系媒体(b)としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。これらの中でも、水系媒体(b)は、入手の容易さ及び塩の影響によって粒子の不安定化抑制の観点から、好ましくはイオン交換水である。また、水系媒体(b)は、水と、水と混合する有機溶剤とを混合して用いてもよい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル溶剤;N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン等のラクタム溶剤などが挙げられる。なお、水系媒体(b)は、複数種を併用してもよい。
水系媒体(b)の含有量は、ポリウレタン樹脂(a)及び水系媒体(b)の全量を基準として、好ましくは10~90質量%であり、より好ましくは20質量%~80質量%である。
(水性ポリウレタン樹脂分散体)
本実施形態のポリウレタン樹脂(a)は、ポリウレタン樹脂(a)を微粒子状態で水系媒体(b)に分散させたエマルション又はディスパーションの形態のもの(以下、「水性ポリウレタン樹脂分散体」という場合があり、「PUD」という場合もある。)を好適に用いることができる。このような水性ポリウレタン樹脂分散体を用いる場合、樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂(a)及び水系媒体(b)を含む水性ポリウレタン樹脂分散体と、架橋剤(c)とを含むものということができる。
ポリウレタン樹脂(a)を水系媒体(b)に分散させる方法としては、ポリウレタン樹脂(a)に酸性基含有ポリオール由来の構造を導入し、アミン等で中和させる自己乳化型、又は、外部乳化剤を用いる強制乳化型の方法が挙げられる。これらは、酸性基の極性によって、カチオン型、アニオン型、又はノニオン型に分類される。ポリウレタン樹脂(a)を水系媒体(b)に分散させる方法は、低分子の乳化剤によるブリードアウトの懸念が少ないことから、好ましくは自己乳化型の方法である。また、アニオン型、特にカルボキシ基を用いたものが、後述の架橋剤(c)によりカルボニル基の濃度(酸価)を低下させることができ、硬化膜中の親水性基量を低減させて耐水性を向上させることができることから好ましい。
(水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法)
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂分散体は、上記ポリオール由来の構造と、上記ポリイソシアネート由来の構造と、上記酸性基含有ポリオール由来の構造とを有するポリウレタン樹脂(a)と、ポリウレタン樹脂(a)を分散させるための水系媒体(b)とを含む。
水性ポリウレタン樹脂分散体は、例えば、
上記ポリオール、上記ポリイソシアネート、及び上記酸性基含有ポリオールを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)と、
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和する工程(β)と、
中和されたポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(γ)と、
ポリウレタンプレポリマーのイソシアナト基と鎖延長剤とを反応させて水性ポリウレタン樹脂を得る工程(δ)と、
を含む方法により製造することができる。
上記工程(α)は、少なくとも1種類以上の水性有機溶媒を反応系中に加えて行うことが好ましい。水性有機溶媒の種類としては、水に対して溶解性があり、ウレタン化反応を阻害しない液体であれば特に制限されない。具体例としては、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のポリアルキレングリコールのアルキルエーテル溶剤、N-エチルピロリドン等のラクタム類が挙げられる。
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和する工程(β)と、ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(γ)は同時に行ってもよく、また、ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(γ)と、鎖延長剤と反応させて水性ポリウレタン樹脂を得る工程(δ)は同時に行ってもよい。
工程(γ)におけるポリウレタンプレポリマーの水系媒体(b)への分散の方法は、特に制限されないが、ホモミキサー又はホモジナイザーによって水系媒体(b)を撹拌しながらポリウレタンプレポリマー又はポリウレタンプレポリマー溶液を添加することによって得ることができる。また、ポリウレタンプレポリマー溶液に水系媒体を添加して分散してもよい。この際、ポリウレタンプレポリマーの割合は、ポリウレタンプレポリマー及び水系媒体の全量を基準として、好ましくは5~60質量%であり、より好ましくは20~50質量%である。
(ポリウレタンプレポリマー)
本実施形態のポリウレタンプレポリマーは、上記ポリオール、上記ポリイソシアネート、及び上記酸性基含有ポリオールを反応させて得られるものである。ポリオール及び酸性基含有ポリオールの合計の水酸基のモル数に対するポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数の比は、好ましくは1.1~2.5であり、より好ましくは1.2~2.2であり、さらに好ましくは1.3~2.0である。
ポリオール及び酸性基含有ポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを得る際には、触媒を用いることもできる。
触媒は、特に制限されないが、例えば、スズ系触媒(トリメチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレート等)、鉛系触媒(オクチル酸鉛等)等の金属と有機酸又は無機酸との塩;有機金属誘導体;アミン系触媒(トリエチルアミン、N-エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等);ジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。これらの中でも、触媒は、反応性の観点から、好ましくはジブチルスズジラウレートである。
ポリオール及び酸性基含有ポリオールと、ポリイソシアネートとの反応は、無溶剤で行ってもよく、有機溶剤を加えて行なってもよい。有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、酢酸エチル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらのうち、アセトン、メチルエチルケトン、又は酢酸エチルを有機溶剤として用いると、ポリウレタンプレポリマーを水に分散し、さらに鎖伸長反応に付した後に、加熱減圧により除去できるので好ましい。また、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、又はジプロピレングリコールモノメチルエーテルは、得られる水性ポリウレタン樹脂分散体の塗膜を作製する際に造膜助剤として働くため好ましい。
(中和剤)
ポリウレタンプレポリマーを水中に分散するために、塩基性成分をポリウレタンプレポリマー溶液に添加し、ポリウレタンプレポリマーに含まれる酸性基含有ポリオール由来の酸性基を中和することができる。
中和に用いることができる塩基性成分としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、アンモニアなどが挙げられる。これらの中でも、塩基性成分は好ましくは有機アミンであり、有機アミンの中でも好ましくはトリエチルアミンである。
塩基性成分の添加方法は、ポリウレタンプレポリマー溶液に、塩基性成分を、直接又は水溶液として添加する方法が好ましい。その添加量は、ポリウレタンプレポリマー中の酸性基に対して0.5~2倍当量であってよく、好ましくは0.7~1.5倍当量であり、より好ましくは0.85~1.3倍当量である。なお、これらの中和剤は、複数種を併用してもよい。
水性ポリウレタン樹脂分散体における水系媒体(b)の含有量は、ポリウレタン樹脂(a)及び水系媒体(b)の全量を基準として、好ましくは10~90質量%であり、より好ましくは20質量%~80質量%である。
(鎖延長剤)
水性ポリウレタン樹脂分散体の製造では、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。
使用する鎖延長剤としては、目的又は用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、水;エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10-デカンジオール、1,1-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p-ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン等の低分子ポリオール;ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等の高分子ポリオール;エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンなどが挙げられる。
鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC、1985年)を参照することができ、高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフォーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。
鎖延長剤は、複数種を併用してもよく、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤との反応の温度は、0~50℃、好ましくは0~40℃であり、反応時間は、反応温度にもよるが、例えば0.1~5時間、好ましくは0.2~3時間である。
鎖延長剤の添加量は、得られるウレタンポリマー中の鎖延長起点となるイソシアナト基の当量以下であることが好ましい。鎖延長剤の添加量が、イソシアナト基の当量以下であれば、鎖延長して得られるウレタンポリマーの分子量が低下して硬化膜の強度が低下することを避けることができる。鎖延長剤の添加は、ポリウレタンプレポリマーの水系媒体への分散後でもよく、分散中でもよい。鎖延長は水によっても行なうこともできる。この場合は水系媒体としての水が鎖延長剤を兼ねることになる。
[酸性基又はその塩と反応性を有する架橋剤(c)]
本実施形態の樹脂組成物は、架橋剤(c)を含む。これにより、樹脂組成物の硬化物が形成され、硬化物を含む硬化膜の耐水性を向上させることができる。
架橋剤(c)としては、ポリウレタン樹脂(a)の酸性基(好ましくはカルボン酸基)又はその塩と反応性する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、カルボジイミド基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、アミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、メラミン樹脂、多価金属錯体等が挙げられる。これらの中でも、架橋剤(c)は、常温でのカルボン酸との反応性に優れ、水系媒体存在下で反応せず、1液化が容易であることから、カルボジイミド基を有する化合物、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、又は多価金属錯体である。架橋剤(c)は、耐水白化性に優れることから、より好ましくはカルボジイミド基を有する化合物である。
カルボジイミド基を有する化合物は、例えば、一分子中に複数個のNCN基を有する有機化合物であってよい。通常、1個のNCN基に1個のカルボニル基が結合することから、複数個のNCN基を有することにより、ポリウレタン樹脂(a)に複数の分子が結合して架橋するものとなり得る。一分子中に複数個のNCN基を有する有機化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
式(1)中、R、R、及びRは有機基を示し、nは2以上の整数を示す。有機基は、好ましくは親水性有機基である。
ポリウレタン樹脂(a)が酸価を有し、架橋剤(c)が、カルボジイミド基を有する化合物である場合、樹脂組成物は、下記式(B)で計算される、土木建築用コーティング樹脂組成物中の酸価に対する架橋剤中のカルボジイミド基の当量比は、好ましくは0.1以上2.0未満であり、より好ましくは0.1以上1.2未満であり、さらに好ましくは0.3以上1.2未満である。
当量比=土木建築用コーティング樹脂組成物中の架橋剤(c)濃度(質量%)÷架橋剤(c)のカルボジイミド基当量(g/mol)÷土木建築用コーティング樹脂組成物中の不揮発分の濃度(質量%)÷酸価(mgKOH/g)×56.1×1000 (式(B))
カルボジイミド基を含有する化合物の市販品としては、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。具体的な商品名としては、例えば、水溶性タイプの「SV-02」、「V-02」、「V-02-L2」、「V-04」;エマルションタイプの「E-01」、「E-02」、「E-05」;有機溶液タイプの「V-01」、「V-03」、「V-07」、「V-09」;無溶剤タイプの「V-05」等が挙げられる。これらの中でも、長期貯蔵安定性に優れる「E-05」を使用することが好ましい。
オキサゾリン基を有する化合物は、一般に2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを重合させることにより得られる。オキサゾリン基を有する化合物には、必要に応じて、他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基を有する化合物を得るための重合方法は、特に限定されず、公知の重合方法を採用することができる。オキサゾリン基を有する化合物の市販品としては、株式会社日本触媒製のエポクロスシリーズ等が挙げられる。具体的な商品名としては、例えば、水溶性タイプの「WS-500」、「WS-700」;エマルションタイプの「K-1010E」、「K-1020E」、「K-1030E」、「K-2010E」、「K-2020E」、「K-2030E」等が挙げられる。
アミノ樹脂としては、例えば、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる部分又は完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、1分子中に2個以上のイソシアナト基を有する化合物が挙げられ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネートとしては、上記のポリイソシアネートのイソシアナト基にブロック剤を付加することによって得られるものが挙げられる。ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール等のフェノール系、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール系、マロン酸ジメチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系、アセトアニリド、酢酸アミド等の酸アミド系、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム等のラクタム系、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム系、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミン等のアミン系などのブロック化剤が挙げられる。
メラミン樹脂としては、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン等のメチロールメラミン;これらのメチロールメラミンのアルキルエーテル化物又は縮合物;メチロールメラミンのアルキルエーテル化物の縮合物が挙げられる。
多価金属錯体としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の2価以上の金属イオンに、アンモニウムイオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、酢酸イオン、酒石酸イオン又はリンゴ酸イオン等の配位子が1種又は2種以上結合している錯体が挙げられる。
架橋剤(c)の含有量は、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、好ましくは0.1~50質量%であり、好ましくは2.0~10質量%である。
本実施形態の樹脂組成物は、耐候性付与剤(d)、揺変性付与剤(e)、増粘剤、ポリウレタン樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(a’)以外の樹脂、その他成分等をさらに含んでもよい。
耐候性付与剤(d)は、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体及びヒンダードアミン系誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。樹脂組成物が、耐候性付与剤(d)をさらに含むことによって、硬化膜の機械的強度及び耐候性をより高い水準で両立することができる。
ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体は、太陽光中の紫外線を吸収することで、硬化物の耐候性を向上させることができる。ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体は、一般的なベンゾフェノン型紫外線吸収剤、及びベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤等に比べて、硬化物からブリードアウトし難い性質があるため、長期間に渡って硬化物の耐候性を維持することができる。
ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体としては、例えば、2-[4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシロキシ-プロピル)オキシ-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-[ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン及び2-[4-(2-ヒドロキシ-3-トリデシロキシ-プロピル)オキシ-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-[ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンの混合物(BASFジャパン株式会社製、商品名:TINUVIN400)、2-[4-(オクチル-2-メチルエタノエート)オキシ-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-[ビス(2,4-ジメチルフェニル)]-1,3,5-トリアジン(BASFジャパン株式会社製、商品名:TINUVIN479)、トリス[2,4,6-[2-{4-(オクチル-2-メチルエタノエート)オキシ-2-ヒドロキシフェニル}]-1,3,5-トリアジン(BASFジャパン株式会社製、商品名:TINUVIN777)、TINUVIN477等が挙げられる。ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体は、硬化物の耐候性に優れることから、好ましくはTINUVIN400又はTINUVIN477であり、より好ましくはTINUVIN400である。
ヒンダードアミン系誘導体は、4位に置換基を有する、2,2,6,6-テトラアルキルピペリジン誘導体である。4位の置換基としては、例えば、アルキル基、エステル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、その他種々の置換基等が挙げられる。ヒンダードアミン系誘導体は、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体との組み合わせて用いることで、硬化物の耐候性がより優れることから、4位の置換基としてエステル基、N位の置換基としてアルキル基であるものが好ましい。また、N位は、アルキル基、オキシラジカル等で置換されていてもよい。
ヒンダードアミン系誘導体としては、例えば、TINUVIN292、TINUVIN123、TINUVIN144、TINUVIN765、チマソルブ119FL、チマソルブ2020FDL、チマソルブ944、チマソルブ622LD等(BASFジャパン株式会社製、商品名);スミソルブ577等(住友化学株式会社製、商品名);アデカスタブLA-52、アデカスタブLA-57、アデカスタブLA-62、アデカスタブLA-67、アデカスタブLA-63P、アデカスタブLA-68LD、アデカスタブLA-82、アデカスタブLA-87、アデカスタブLA-503、アデカスタブLA-601等(株式会社ADEKA製、商品名);サノールLS-2626、サノールLS-744、サノールLS-440等(三共株式会社製、商品名)などが挙げられる。ヒンダードアミン系誘導体は、長期間に渡って硬化物の耐候性に優れることから、好ましくはTINUVIN292又はTINUVIN123であり、より好ましくはTINUVIN123である。
耐候性付与剤(d)として、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体及びヒンダードアミン系誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の水分散体を使用することもできる。このような水分散体としては、例えば、TINUVIN123-DW(N)、TINUVIN400-DW(N)、TINUVIN477-DW(N)、TINUVIN5333-DW(N)(BASFジャパン株式会社製、商品名)等が挙げられる。水分散体は、好ましくはTINUVIN123-DW(N)又はTINUVIN400-DW(N)である。
耐候性付与剤(d)の含有量は、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、好ましくは0.01~20質量%であり、より好ましくは0.05~10質量%である。耐候性付与剤(d)の含有量が0.01質量%以上であると、硬化物の耐候性をより向上させることができる傾向にある。耐候性付与剤(d)の含有量が20質量%以下であると、硬化物から耐候性付与剤(d)がブリードアウトすることを充分に抑制することができ、耐候性付与剤による硬化物の変色を抑制することができる傾向にある。また、耐候性付与剤(d)の含有量が上記範囲内であると、硬化物に対する耐候性付与の効果と経済性とのバランスの点で優れる傾向にある。
樹脂組成物は、揺変性付与剤(e)をさらに含むことにより、ローラー等での塗装性を維持しながら、斜面及び垂直面へ塗布する場合のタレを抑制することができる。揺変性付与剤(e)は、例えば、微粉状シリカであってよい。微粉状シリカは、親水性微粉状シリカであってよく、疎水化処理されたものであってもよい。疎水化処理は、例えば、アルキルシリル化合物を用いて処理することによって行うことができる。アルキルシリル化合物は、好ましくはジメチルシリル又はトリメチルシリルである。
微粉状シリカは、ポリヒドロキシカルボン酸エステル誘導体、ポリカルボン酸アマイド誘導体等と組み合わせて使用することでき、微粉状シリカの添加量を低減することができる。ポリヒドロキシカルボン酸エステル誘導体としては、例えば、BYK-R 606(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名)等を使用することができる。ポリカルボン酸アマイド誘導体としては、例えば、BYK-405、及びBYK-R 605等(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名)等を使用することができる。
揺変性付与剤(e)の含有量は、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、好ましくは0~20質量%である。本実施形態の樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂(a)の酸価が所定の範囲にあること又は樹脂組成物中の不揮発分の酸価が所定の範囲にあることから、例えば、揺変性付与剤(e)の含有量が20質量%以下であっても増粘して充分な粘度を維持することができる。また、揺変性付与剤(e)の含有量を低くできることから、硬化膜の透明性が向上する傾向にある。揺変性付与剤(e)の含有量は、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、より好ましくは1.0~15質量%であり、さらに好ましくは3.0~10質量%である。
樹脂組成物は、増粘剤を含むことにより、樹脂組成物全体の粘度を上げることができ、斜面及び垂直面へ塗布する場合のタレを抑制することができる。このような増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル共重合体等のアクリル増粘剤;ウレタン会合型増粘剤;アルカリ膨潤型増粘剤;変性ポリオキシエチレン・ウレタンブロックコポリマー等のコポリマー増粘剤;メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、疎水性基変性ヒドロキシセルロース等のセルロース増粘剤;ポリエチレングリコールエーテル、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤;アルギン酸塩、グアガム、マンナンなどの多糖類;ボリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂などが挙げられる。増粘剤は、好ましくはウレタン会合型増粘剤である。
増粘剤の含有量は、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、好ましくは0~20質量%であり、より好ましくは0.1~10質量%であり、さらに好ましくは0.5~2.0質量%である。
ポリウレタン樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(a’)以外の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。他の樹脂は、1種以上の親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ポリエチレングリコール基等が挙げられる。他の樹脂は、好ましくは、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及びポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
アクリル樹脂としては、好ましくは水酸基含有アクリル樹脂である。水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとを、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法等の既知の方法によって共重合させることにより製造できる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に、水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素原子数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物;これらのモノエステル化物のε-カプロラクトン変性体;N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン等の多官能重合性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
水酸基含有アクリル樹脂は、アニオン性官能基を有することが好ましい。アニオン性官能基を有する水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、重合性不飽和モノマーの1種として、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性官能基を有する重合性不飽和モノマーを用いることにより製造することができる。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、樹脂組成物の貯蔵安定性及び硬化膜の耐水性の観点から、好ましくは1~200mgKOH/gであり、より好ましくは2~100mgKOH/gであり、さらに好ましくは3~60mgKOH/gである。
また、水酸基含有アクリル樹脂がカルボキシ基等の酸性基を有する場合、水酸基含有アクリル樹脂の酸価は、硬化膜の耐水性の観点から、好ましくは1~200mgKOH/gであり、より好ましくは2~150mgKOH/gであり、さらに好ましくは5~100mgKOH/gである。
アクリルシリコン樹脂は、例えば、アクリルシリコンモノマーをその他の重合性不飽和単量体と共に重合したものであれば特に制限されない。アクリルシリコン樹脂は、好ましくは、水分散アクリルシリコン樹脂エマルションである。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等が挙げられる。ビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFが挙げられる。
アルキド樹脂としては、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の多塩基酸と多価アルコールに、更に油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと通常の重合法に従って重合又は共重合することにより得られるポリオレフィン樹脂を、乳化剤を用いて水分散する、又は、オレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと共に乳化重合することにより得られる樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、塩素化されたいわゆる塩素化ポリオレフィン変性樹脂であってよい。
オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-ヘキセン、1-デセン、1-ドデセン等のα-オレフィン;ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、スチレン類等の共役ジエン又は非共役ジエンが挙げられる。これらのモノマーは、複数種を併用してもよい。
オレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸が挙げられる。これらのモノマーは、複数種を併用してもよい。
フッ素樹脂は、例えば、フッ素を含むオレフィンを適宜他のモノマーと重合したものであれば特に制限されない。フッ素樹脂は、好ましくは、水分散型のフッ素樹脂エマルションである。
ポリウレタン樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(a’)以外の樹脂の含有量は、樹脂組成物の全量を基準として、樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、好ましくは0~90質量%であり、より好ましくは0~50質量%である。
その他の成分としては、造膜助剤、消泡剤、湿潤分散剤、界面活性剤、顔料、染料、無機充填剤、酸化防止剤、硬化性調整剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、滑剤、防蟻剤、防かび剤等の添加剤を使用することができる。
その他の成分の含有量は、樹脂組成物の全量を基準として、好ましくは0~90質量%であり、より好ましくは0~50質量%である。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂(a)(水性ポリウレタン樹脂分散体)及び架橋剤(c)、並びに、必要に応じて、耐候性付与剤(d)、揺変性付与剤(e)、ポリウレタン樹脂(a)及びポリウレタン樹脂(a’)以外の樹脂、その他成分等を、例えば、ディスパー、ボールミル、S.G.ミル、ロールミル、プラネタリーミキサー等で混合することによって得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物中の不揮発分の酸価は、5~17mgKOH/gであり得る(条件A)。樹脂組成物中の不揮発分の酸価が5mgKOH/g以上であると、エマルション粒子の反発力により粒子同士の凝集・沈殿を防ぐことができ、貯蔵安定性を確保できる傾向にある。樹脂組成物中の不揮発分の酸価が17mgKOH/g以下であると、硬化物の再乳化又は水膨潤を抑制することができ、耐水性を確保できる傾向にある。さらに、樹脂組成物中の不揮発分の酸価が上記範囲にあることにより、揺変性付与剤(d)の含有量を増やさなくとも、充分な粘度を維持することができ、垂れ抵抗性を付与することができる傾向にある。また、揺変性付与剤(d)の含有量を増やさなくとも上記効果を奏するため、硬化物の透明性の確保がより容易となる傾向にある。樹脂組成物中の不揮発分の酸価は、好ましくは7~17mgKOH/gであり、より好ましくは10~17mgKOH/gであり、さらに好ましくは13~16mgKOH/gである。なお、本明細書において、樹脂組成物中の不揮発分の酸価は、JIS K5601:1999 酸価(滴定法)によって好適に求めることができる。当該分析方法では、樹脂組成物中の成分に応じて、滴定液、溶媒等は適宜選択することができる。
本実施形態の樹脂組成物の5rpmの粘度は、0.05Pa・s以上、0.1Pa・s以上、1.0Pa・s以上、6.0Pa・s以上、又は10Pa・s以上であってよい。樹脂組成物の粘度がこのような範囲にあると、ローラー又はスプレーでの塗工でダレが発生し難くなる傾向にある。樹脂組成物の5rpmの粘度は、100Pa・s以下、60Pa・s以下、又は30Pa・s以下であってよい。樹脂組成物の粘度がこのような範囲にあると、ローラー又はスプレーでの塗工で、糸引き等が発生し難く、施工性に優れる傾向にある。なお、粘度は、JIS-Z8803:2011(液体の粘度測定方法)に従い、E型粘度計を用いて、3°×R9.7のコーンローターを用い、5rpmの回転速度、23℃において測定した粘度を意味する。
本実施形態の樹脂組成物の50rpmの粘度は、0.01Pa・s以上、0.5Pa・s以上、1.0Pa・s以上、又は3.0Pa・s以上であってよい。樹脂組成物の粘度がこのような範囲にあると、ローラー又はスプレーでの塗工でダレが発生し難くなる傾向にある。樹脂組成物の50rpmの粘度は、50Pa・s以下、30Pa・s以下、又は10Pa・s以下であってよい。樹脂組成物の粘度がこのような範囲にあると、ローラー又はスプレーでの塗工で、糸引き等が発生し難く、施工性に優れる傾向にある。なお、50rpmの粘度は、5rpmの粘度の測定条件を、5rpmの回転速度から50rpmの回転速度に変更した粘度を意味する。
本実施形態の樹脂組成物のチキソトロピーインデックス(TI)(5rpmの粘度/50rpmの粘度)は、1.0以上、2.0以上、又は3.0以上であってよい。樹脂組成物のTIがこのような範囲にあると、樹脂組成物に揺変性(チキソ性)をより充分に付与することができ、コーティングの際に、液タレが発生することをより抑制することができ、かつ適度なレベリング性を有し、ローラー塗装の際にも乾燥後の塗膜にローラーパターンが残らず、平滑な塗膜を形成することが容易となる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物を塗工して、ASTM D4400に基づいて垂れ試験を行い、樹脂組成物の流れ込みが無い塗工厚さは、0.75mm以上、1.0mm以上、又は1.5mm以上であってよい。塗工厚さがこのような範囲にあると、天井面及び垂直面への施工がより容易になる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物のタックフリー時間は、72時間未満、24時間未満、又は6時間未満であってよい。タックフリー時間がこのような範囲にあると、例えば、樹脂組成物を用いて形成したコーティングに、さらにトップコートを設ける場合において、トップコートを塗布できるようになるまでの時間をより短縮できる傾向にある。タックフリー時間は、JIS A1439:2010「建築用シーリング材の試験方法」の「5.19 タックフリー試験」に準拠して測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物から形成される塗膜を、23℃、50%RHの標準状態で7日間養生して硬化膜を形成したとき、膜厚0.3mmの硬化膜で測定される、23℃における掴み間伸度は、150%以上、200%以上、又は250%以上であってよい。硬化膜の掴み間伸度がこのような範囲にあると、面外曲げ耐性により優れる傾向にある。掴み間伸度は、JIS A 6021:2011に基づいて測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物から形成される塗膜を、23℃、50%RHの標準状態で7日間養生して硬化膜を形成したとき、膜厚0.3mmの硬化膜で測定される、全光線光透過率は、10%以上、30%以上、50%以上、60%以上、又は80%以上であってよい。全光線光透過率は、JIS K 7375:2008「プラスチック-全光線光透過率及び全光線反射率の求め方」に準拠して測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物から形成される塗膜を、23℃、50%RHの標準状態で7日間養生して硬化膜を形成したとき、膜厚0.3mmの硬化膜で測定されるヘーズは、70%以下、50%以下、30%以下、又は20%以下であってよい。ヘーズは、JIS K 7136:2000「プラスチック-透明材料のヘーズの求め方」に準拠して測定することができる。
上記のとおりに測定される全光線光透過率及びヘーズが上記の範囲内にあることを同時に満たすことで、本実施形態の樹脂組成物から形成される硬化膜は透明性の点で優れる。
<土木建築用コーティング樹脂組成物の用途>
本実施形態の樹脂組成物は、タイルの剥落防止、建築物の防水、コンクリート構造物の剥落防止、コンクリート構造物の保護、コンクリート床版の床版防水等に好適に用いることができる。
タイルの剥落防止用樹脂組成物は、例えば、上記の樹脂組成物をタイルの剥落防止に用いるものである。タイルの剥落防止用樹脂組成物は、上記の樹脂組成物を用いることから、作業時の安全性及び施工性に優れ、施工時の湿度の影響を低減できる。また、タイルの剥落防止用樹脂組成物を用いる場合、積層数が少ないことから、工期が長期化することを抑制できる。また、タイルの剥落防止用樹脂組成物は、耐候性に優れ、透明の高強度硬化膜を好適に得ることができる。
建築物の防水用樹脂組成物は、例えば、上記の樹脂組成物を建築物の防水に用いるものである。建築物の防水用樹脂組成物は、上記の樹脂組成物を用いることから、作業時の安全性及び施工性に優れ、施工時の湿度の影響を低減できる。また、建築物の防水用樹脂組成物は、積層数が少ないことから、工期が長期化することを抑制できる。また、建築物の防水用樹脂組成物は、耐候性に優れ、透明の高強度硬化膜を好適に得られる。建築物の防水用樹脂組成物は、上記の樹脂組成物を用いることから、従来のウレタン防水材に比べ、高強度硬化膜となることから、建築物の屋上の防水材として用いた場合、屋上の耐久性を向上させることができ、屋上をさまざまな用途に利用できるようになる。
コンクリート構造物の剥落防止用樹脂組成物は、例えば、上記の樹脂組成物をコンクリート構造物の剥落防止に用いるものである。コンクリート構造物の剥落防止用樹脂組成物は、上記の樹脂組成物を用いることから、作業時の安全性及び施工性に優れ、施工時の湿度の影響を低減できる。また、上記コンクリート構造物の剥落防止用樹脂組成物を用いる場合、積層数が少ないことから、従来のコーティング樹脂組成物を使用する場合と比較して、工期が長期化することを抑制できる。また、コンクリート構造物の剥落防止用樹脂組成物は、耐候性及び強度に優れ、かつ透明な硬化膜を得ることができる。コンクリート構造物の剥落防止用樹脂組成物は、コンクリート構造物の表面に塗布され、構造物の劣化によるコンクリート片の剥落を抑制できる硬化膜を形成することができる。
コンクリート構造物の剥落防止用樹脂組成物は、例えば、土木学会 コンクリート片の剥落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法(JSCE-K 533-2013)、又は、構造物施工管理要領(平成29年7月、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)の剥落防止対策に記載される性能を有するものである。
コンクリート構造物の保護用樹脂組成物は、例えば、上記の樹脂組成物をコンクリート構造物の保護に用いるものである。コンクリート構造物の保護用樹脂組成物は、上記の樹脂組成物を用いることから、作業時の安全性及び施工性に優れ、施工時の湿度の影響を低減できる。また、コンクリート構造物の保護用樹脂組成物を用いる場合、積層数が少ないことから、工期が長期化することを抑制できる。また、コンクリート構造物の保護用樹脂組成物は、耐候性及び強度に優れ、かつ透明な硬化膜を好適に得ることができる。コンクリート構造物の保護用樹脂組成物は、硬化膜の外観、コンクリートとの接着性、劣化因子遮断性(遮塩性、酸素透過阻止性、水蒸気透過阻止性、中性化阻止性)等のコンクリート構造物の保護性能に優れる傾向にある。
コンクリート床版の床版防水用樹脂組成物は、例えば、上記の樹脂組成物をコンクリート床版の床版防水用樹脂組成物(例えば、床版防水層(NEXCO床版防水グレードI)、床版防水層(NEXCO床版防水グレードII)、端部保護材等)に用いるものである。コンクリート床版の床版防水用樹脂組成物は、上記の樹脂組成物を用いることから、作業時の安全性及び施工性に優れ、施工時の湿度の影響を低減できる。また、コンクリート床版の床版防水用樹脂組成物は、積層数が少ないことから、工期の長期化を抑制できる。コンクリート床版の床版防水用樹脂組成物は、上記の樹脂組成物を用いることから、耐候性に優れ、高強度の硬化膜を好適に得ることができる。
コンクリート床版の床版防水用樹脂組成物は、従来の床版防水に比べて、より高強度の硬化膜を形成することができる。コンクリート床版の床版防水用樹脂組成物は、耐候性にも優れることから、床版防水層(NEXCO床版防水グレードII)として用いた場合、床版防水をそのまま床版防水の端部保護材として用いることができる。また、床版防水用樹脂組成物を用いることにより、床版防水材と端部保護材がシームレス構造となり、防水の信頼性に優れる構造を提供できる。
コンクリート床版の床版防水用樹脂組成物(床版防水層(NEXCO床版防水グレードI)、床版防水層(NEXCO床版防水グレードII)、端部保護材)は、構造物施工管理要領(平成29年7月、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)の床版防水に記載される性能を有するものである。
<硬化膜>
一実施形態の硬化膜は、上記樹脂組成物の硬化物(樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物)を含む。硬化膜は、コーティング膜ということもできる。
本実施形態の硬化膜は、例えば、上記樹脂組成物を基板等に塗布し、得られる塗膜を23℃、50%RHの標準状態で、7日間以上養生することによって得ることができる。なお、硬化膜の物性を測定する際の硬化膜を作製する条件は、例えば、実施例に記載の作製条件であってよい。
本実施形態の硬化膜の厚さは、0.1mm以上、0.2mm以上、又は0.3mm以上であってよく、5.0mm以下、3.0mm以下、2.0mm以下であってよい。硬化膜の厚さがこのような範囲にあると、剥落防止効果がより充分になる傾向にある。
本実施形態の硬化膜は、わずかに着色又はわずかな濁りがあってもよいが、好ましくは透明性に優れていることが好ましい。本実施形態の硬化膜において、膜厚0.3mmで測定されるヘーズは、70%以下、50%以下、30%以下、又は20%以下であってよい。また、硬化膜のヘーズ値は、ぎらつき等の外観を改善する目的で、適宜添加剤等で調整することができる。ヘーズは、JIS K 7136:2000「プラスチック-透明材料のヘーズの求め方」に準拠して測定することができる。
本実施形態の硬化膜において、膜厚0.3mmで測定される全光線光透過率は、10%以上、30%以上、50%以上、60%以上、又は80%以上であってよい。硬化膜の全光線光透過率がこのような範囲にあると、硬化膜を形成した後であっても、硬化膜下のひび割れ等の異常を目視により容易に確認できる傾向にある。全光線光透過率は、JIS K 7375:2008「プラスチック-全光線光透過率及び全光線反射率の求め方」に準拠して測定することができる。
本実施形態の硬化膜において、膜厚0.3mmで測定される23℃における掴み間伸度は、150%以上、200%以上、又は250%以上であってよい。硬化膜の掴み間伸度がこのような範囲にあると、面外曲げ耐性により優れる傾向にある。本明細書において、掴み間伸度は、JIS A 6021:2011に基づいて測定することができる。
本実施形態の硬化膜において、膜厚0.3mmで測定される23℃における標線間伸度は、150%以上、200%以上、又は250%以上であってよい。硬化膜の23℃における標線間伸度がこのような範囲にあると、面外曲げ耐性により優れる傾向にある。掴み間伸度は、JIS A 6021:2011に基づいて測定することができる。
本実施形態の硬化膜において、膜厚0.3mmで測定される23℃における破断応力は、15MPa以上、25MPa以上、30MPa以上、又は40MPa以上であってよい。硬化膜の破断応力がこのような範囲にあると、面外曲げ耐性により優れる傾向にある。破断応力は、JIS A 6021:2011に基づいて測定することができる。
本実施形態の硬化膜において、膜厚0.3mmで測定される23℃における引張弾性率は、1~500MPaであってよく、好ましくは10~300MPa、より好ましくは50~250MPaである。引張弾性率は、JIS A 6021:2011に基づいて測定することができる。
本実施形態の硬化膜において、動的粘弾性測定よって測定される損失正接(tanδ)は、-10~30℃の温度域に極大値を有していなくてもよい。このような温度域内に損失正接の極大値を有しないことで、上記温度範囲(損失正接が極大値を有しない温度域)における破断応力及び標線間伸度の変化が小さいため、寒冷地及び高温地等の環境下においても靭性及び耐荷力の信頼性に優れる。動的粘弾性測定は、実施例に記載の方法によって測定できる。損失正接の極大値は、動的粘弾性測定によって測定される損失弾性率(E’’)と貯蔵弾性率(E’)との比(損失弾性率の値を貯蔵弾性率の値で割った値:E’’/E’)の温度依存性を示すグラフから求められる。
本実施形態の硬化膜の促進暴露試験の前後における破断応力保持率は、60%以上、80%以上、又は90%以上であってよい。硬化膜の促進暴露試験の前後における標線間伸度保持率は、60%以上、80%以上、又は90%以上であってよい。なお、促進暴露試験は、JIS B 7753:2007に規定するサンシャインウェザオメーターを用いて、試験時間は2500時間として行われる耐候性試験である。
硬化膜の促進暴露試験後の色差(ΔE)は、15以下、5以下、又は3以下であってよい。なお、色差はJIS K5600-4-6:1999「塗料一般試験方法の測色(SCE)に準拠し、促進暴露試験前後の試験片を測定して求めることができる。
硬化膜の促進暴露試験の前後における光沢保持率は、60%以上、又は80%以上であってよい。なお、光沢保持率は、JIS K5600-4-7:1999「塗料一般試験方法の鏡面光沢度(60°)に準拠し、促進暴露試験前後の試験片を測定して求めることができる。
硬化膜の柔軟性(ひび割れ追従性)に関して、硬化膜の伸びは、3mm以上、10mm以上、又は20mm以上であってよい。なお、前記のコンクリート表面保護の性能は、構造物施工管理要領(平成29年7月、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)のコンクリート表面保護の性能照査に従って、求められるものである。
<土木建築構造物のコーティング方法(塗工方法)>
一実施形態の土木建築構造物のコーティング方法は、上記の樹脂組成物を土木建築構造物に塗工する工程を含む。本実施形態のコーティング方法は、例えば、対象となる土木建築構造物上に上記の樹脂組成物を塗工して塗膜(樹脂層)を形成する工程と、当該塗膜を硬化させて硬化膜(硬化物層)を形成する工程とを含んでいてもよい。本実施形態のコーティング方法では、例えば、上記の樹脂組成物を土木建築構造物に塗工する前に、土木建築構造物の表面にプライマー、不陸調整材、ガスバリア塗料、補強用塗料、及びパテからなる群より選ばれる少なくとも1種を塗工する工程を含んでいてもよい。また、本実施形態のコーティング方法は、補強メッシュ又は短繊維を施工する工程(例えば、上記樹脂組成物をメッシュ又は短繊維に含浸させる工程)を含んでいてもよい。なお、「土木建築構造物」は、例えば、橋、高架道路、ダム、トンネル、道路、土地造成等の土木構築物;ビル、マンション、住宅等の建築物などを意味する。
上記の樹脂組成物を、土木建築構造物へ塗工する方法(例えば、塗膜を形成する方法)としては、例えば、塗装、塗布等を挙げることができる。上記の樹脂組成物は、可使時間が充分に長いことから、スプレー、コテ、ヘラ、ハケ、ローラー等を用いて手作業で塗装することもできる。手作業で樹脂組成物を塗工することで、屋外において所望の膜厚の塗膜を形成することができる。
不陸調整材及びパテは、土木建築構造物の表面に凹凸が存在する場合に使用することが好ましい。不陸調整材及びパテを土木建築構造物の表面に塗工することで、上記の樹脂組成物の塗工がより容易になる。不陸調整材は、コンクリート構造物の表面にプライマーを塗布してから塗工してもよい。
本実施形態のコーティング方法において、塗膜の厚さは、硬化後の厚さ(硬化膜(硬化物層)の厚さ)に応じて調整することができ、例えば、0.1mm以上、0.2mm以上、又は0.3mm以上であってよく、5.0mm以下、3.0mm以下、又は2.0mm以下であってよい。塗膜の厚さがこのような範囲内にあると、剥落防止効果の点でより優れる傾向にある。本実施形態のコーティング方法においては、上記の樹脂組成物を複数回に分けて塗工してもよい。
本実施形態のコーティング方法において、硬化膜(硬化物層)と土木建築構造物の表面との密着性を高めるため、第1の層として、下塗り材からなる樹脂層を設けてもよい。第1の層としての樹脂層を構成する樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又は酢酸ビニル樹脂のいずれかであってよい。下塗り材は、臭気及び環境負荷の観点から、好ましくは無溶剤材料又は水性材料である。また、下塗り材は、好ましくは1液材料である。第1の層の厚さは、硬化膜(硬化物層)の厚さに応じて調整することができ、例えば、0.01mm以上、0.05mm以上、又は0.1mm以上であってよく、1.0mm以下、0.5mm以下、又は0.3mm以下であってよい。第1の層の厚さがこのような範囲内にあると、接着性に優れ、膨れの発生を抑制することができる傾向にある。なお、第1の層の形成においては、下塗り材を複数回に分けて塗工してもよい。
本実施形態のコーティング方法において、硬化膜(硬化物層)を形成した後に、第3の層として、上塗り材からなる樹脂層を設けてもよい。上塗り材からなる樹脂層を設けることによって、硬化膜(硬化物層)の強度をより高めることができる。第3の層としての樹脂層を構成する樹脂は、例えば、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、又はアクリルシリコン樹脂のいずれかであってよい。上塗り材は、臭気及び環境負荷の観点から、好ましくは無溶剤材料又は水性材料である。また、上塗り材は、好ましくは1液材料である。第3の層の厚さは、硬化膜(硬化物層)の厚さに応じて調整することができ、例えば、0.01mm以上、0.05mm以上、又は0.1mm以上であってよく、1.0mm以下、0.5mm以下、又は0.3mm以下であってよい。第3の層の厚さがこのような範囲内にあると、耐候性に優れ、美観を長期間保つことができる傾向にある。なお、第3の層の形成においては、上塗り材を複数回に分けて塗工してもよい。
<タイルの剥落防止方法>
一実施形態のタイルの剥落防止方法は、既設タイル張り仕上げ外壁表面を金属製アンカーで固定するとともに、前記外壁表面をコーティング層で覆う工程を備える。前記コーティング層が、上記の樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する。
既設タイル張り仕上げ外壁とは、コンクリート躯体に対して、吸水率が低く、耐久性に優れた無機質のタイルをセメントモルタル等で張り付け、目地部を形成した積層構造の仕上げを施された外壁を意味する。タイルとしては、磁器質タイル、せっ器質タイル等が挙げられる。タイルは、好ましくは磁器質タイルである。
外壁表面を金属製アンカーで固定する方法は、特に制限されず、既存の工法を適用することができる。アンカーは、タイルの中央部に穿孔して打ち込み、躯体にタイルを固定できることが好ましいが、目地部に打ち込んでもよい。また、アンカーは、先端部分が20mm以上躯体に達するように挿入することが好ましい。アンカーの打ち込み数は、既設タイル張り仕上げ外壁の質量を考慮し、平米(1m)あたり4本以上打ち込むことが好ましい。アンカーは、注入口付きのもの用いて、打ち込み後にエポキシ樹脂等の反応硬化性樹脂を注入し、躯体の内部を樹脂で補強することが好ましい。アンカーは、打ち込み後に先端部を拡張させる等で、躯体からの引き抜き力に耐え得るものであることが好ましい。アンカーの好適な一例としては、アンカーの中空軸の軸方向中程から先端にスリットが設けられるとともに拡張子を内蔵しており、アンカー打ち込み後に金属棒等で拡張子をさらに打ち込むことで先端部を拡開し、躯体に食い込ませる構造を有するアンカーが挙げられる。
外壁表面をコーティング層で覆う方法は、上記土木建築構造物のコーティング方法(塗工方法)に記載の方法を適用することができる。
<構造体>
一実施形態の構造体は、タイルを含む外壁構造と、外壁構造上に設けられたコーティング層とを備える。
コーティング層の一態様は、上記の樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する態様である。コーティング層の他の一態様は、第1の層と、第2の層とを外壁構造からこの順に含む態様である。ここで、第1の層は、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又は酢酸ビニル樹脂のいずれかの樹脂層である。第2の層は、上記の樹脂組成物の硬化物を含む層である。この態様において、コーティング層は、第3の層として、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、又はアクリルシリコン樹脂のいずれかの樹脂層を第2の層上で第1の層とは反対側にさらに含んでいてもよい。コーティング層の他の一態様は、第2の層と、第3の層とを外壁構造からこの順に含む態様である。
第1の層としての樹脂層を構成する樹脂は、土木建築構造物のコーティング方法(塗工方法)の第1の層としての樹脂層を構成する樹脂と同様ものが例示できる。第3の層としての樹脂層を構成する樹脂は、土木建築構造物のコーティング方法(塗工方法)の第3の層としての樹脂層を構成する樹脂と同様ものが例示できる。
本実施形態の構造体は、外壁構造に含まれるタイル、及び/又は、コーティング層を保持する金属製アンカーをさらに備えていてもよい。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
(樹脂組成物の特性)
[不揮発分の測定]
均一になるまで混合した樹脂組成物について、JIS K5601-1-2:2008に基づいて測定を行った。本測定では、加熱温度140℃、加熱時間を180分とした。
[酸価の測定]
均一になるまで混合した樹脂組成物について、株式会社HIRANUMA製の自動滴定装置COM-1600を用いて、JIS K5601:1999 酸価(滴定法)に基づいて測定を行った。本測定では、樹脂組成物3.0gを純水10mLに充分に分散させた後、エタノール50mLを加えたものを滴定溶液として用いた。
[粘度の測定]
均一になるまで混合した樹脂組成物について、東機産業株式会社製のE型粘度計TVE25Hを用いて、JIS-Z8803:2011(液体の粘度測定方法)に従い粘度を測定した。コーンローターは、3°×R9.7を用い、この際のサンプル量は0.2mLとした。測定温度は23℃とした。回転速度は5rpm及び50rpmとして粘度を測定し、回転速度を5rpmとした際の粘度を、回転速度を50rpmとした際の粘度で割った値をチキソトロピーインデックス(TI)とした。
[垂れ抵抗性の測定]
ASTM D4400記載の方法に基づき、23℃の条件下、ガラス板(厚さ:4mm×横:200mm×縦:200mm)を水平な台の上に置き、樹脂組成物を金属製のサグテスタ(BYK社製 ASTM ASM-3)の溝の部分に広げるように入れ、サグテスタをガラスに押し付けながら滑らせて、樹脂組成物を厚さの異なる平行な帯状に塗工した。その後、直ちに厚さが大きい帯の方を下に、サグテスタの軌跡線が水平になるようにガラス板を垂直にして8時間保持し、樹脂組成物の流れの状態を調べた。軌跡線の幅の間への塗料の流れ込みの有無を確認し、樹脂組成物の流れ込みが無かった最大の帯を決定した。この最大の帯の樹脂組成物の塗工厚さを、以下の基準で評価した。樹脂組成物の塗工厚さが大きいことは、樹脂組成物を厚く塗っても垂れが少ない(又は無い)ことを意味する。
A:樹脂組成物の塗工厚さが、1.5mm以上であった。
B:樹脂組成物の塗工厚さが、1.0以上、1.5mm未満であった。
C:樹脂組成物の塗工厚さが、0.75mm以上、1.0mm未満であった。
D:樹脂組成物の塗工厚さが、0.75mm未満であった。
(硬化膜の特性)
[硬化膜の作製]
均一になるまで混合した樹脂組成物を、はく離処理された基板に1回あたり0.3kg/mとなるように塗布し、常温(23℃)乾燥してタックが無いことを確認した後、再度同量を塗布した。合計で3回塗布した後に、23℃、50%RHの標準状態で、7日間養生することによって評価用サンプルである硬化膜を作製した。硬化膜の膜厚は、0.3mmとした。
[多層硬化膜の作製]
均一になるまで混合した樹脂組成物を、はく離処理された基板に1回あたり0.3kg/mとなるように塗布し、常温(23℃)乾燥してタックが無いことを確認した後、再度同量を塗布した。合計で3回塗布した後に、常温(23℃)乾燥してタックが無いことを確認した後、上塗り材1(水系フッ素樹脂1)又は上塗り材2(水系フッ素樹脂2)を、1回あたり0.1kg/mとなるように塗布し、常温(23℃)乾燥してタックが無いことを確認した後、再度同量を塗布した。23℃、50%RHの標準状態で、7日間養生することによって評価用サンプルである硬化膜を作製した。
[引張試験(掴み間伸度、標線間伸度、破断応力、及び引張弾性率)]
上記で得られた硬化膜からダンベル状3号形を使用して試験片を打ち抜き、得られた試験片に対して、掴み間伸度、標線間伸度、破断応力、及び引張弾性率を、JIS A 6021:2011に準拠して測定した。
[耐水性(耐水白化性、水膨潤率、及び溶出率)]
上記で得られた硬化膜を25×25mmの大きさに切り出し、初期質量W0(mg)を測定し、60℃の温水に24時間浸漬した後、硬化膜両面の水分をキムタオルでふき取り、硬化膜の耐水白化性(外観)の評価及び硬化膜の湿潤質量Wt(mg)の測定を行った。湿潤質量Wt(mg)を測定した。その後、硬化膜を100℃で3時間強制乾燥させ、乾燥質量Wd(mg)を測定した。なお、いずれの質量も小数点以下第1桁まで測定した。
外観を観測し、耐水白化性を以下の基準で評価した。
A:外観変化がなかった。
B:白化していたが、硬化膜をキムタオルに置いた際、模様が視認できた。
C:著しく白化しており、硬化膜の下の模様が視認できなかった。
水膨潤率は、以下式(C)にて算出した。
水膨潤率(質量%)=(Wt-W0)/W0 (式(C))
溶出率は、以下式(D)にて算出した。
溶出率(質量%)=(W0-Wd)/W0 (式(D))
[ヘーズの測定]
上記で得られた硬化膜に対して、日本電色工業株式会社製のNDH2000を用いて、JIS K 7136:2000(プラスチック-透明材料のヘーズの求め方)に従いヘーズを測定した。
[全光線光透過率の測定]
上記で得られた硬化膜に対して、日本電色工業株式会社製のNDH2000を用い、JIS K 7136:2000(プラスチック-全光線光透過率及び全光線反射率の求め方)に従い全光線光透過率を測定した。
[耐候性(伸度保持率及び応力保持率)]
上記で得られた硬化膜から、縦150mm×横70mm×厚さ0.3mmの大きさに試験片を採取し、JIS K 5600-7-7:2008に規定するキセノンランプ法の方法1、サイクルAによって促進暴露試験を行った。その後、25℃、50%RHの標準状態で3日間養生し、引張試験(標線間伸度及び破断応力)を行い、促進暴露試験を実施する前の引張物性と比較した。
(構造体の特性)
[ひび割れ追従性]
JSCE-K 532-2013に定める方法で、ひび割れ追従性の評価を行った。試験体の作製は、以下の手順で実施した。
当該規定4.3で定める方法で基盤を作製し、両端を30mm残して、0.1kg/mの量で1液水系下塗り材(下塗り材1(アクリルスチレン樹脂))を塗布し、室温で3時間乾燥することによって樹脂層(第1の層)を得た。その後、1回あたり0.3kg/mとなるように樹脂組成物を塗布し、常温(23℃)乾燥してタックが無いことを確認した後、再度同量を塗布した。樹脂組成物を合計で3回塗布した後に、23℃、50%RHの標準状態で、7日間養生することによって、評価用サンプルである樹脂組成物の硬化物を含む層(第2の層)を得た。評価は各評価用サンプルで3回ずつ行い、以下によって判定した。
A:3回中3回とも、変位20mmで硬化膜の破断がなかった。
B:3回中2回で、変位20mmで硬化膜の破断がなかった。
C:3回中1回で、変位20mmで硬化膜の破断がなかった。
D:3回中3回とも、変位20mm未満で硬化膜が破断した。
[耐候性(伸度保持率及び応力保持率)]
上記[多層硬化膜の作製]で得られた硬化膜から、縦150mm×横70mm×厚さ0.3mmの大きさに試験片を採取し、JIS K 5600-7-7:2008に規定するキセノンランプ法の方法1、サイクルAによって促進暴露試験を行った。その後、25℃、50%RHの標準状態で3日間養生し、引張試験(標線間伸度及び破断応力)を行い、促進暴露試験を実施する前の引張物性と比較した。
[温冷繰り返し性能]
UR都市機構「保全工事共通仕様書 機材及び工法の品質判定基準使用登録集 平成29年度版」に準拠して実施した。すなわち、モルタル板(幅300mm×長さ300mm×厚さ50mm)の上に、45二丁掛施釉陶磁器質タイルを施工したもの、及び未施工のモルタル板に対し、1液水系下塗り材(下塗り材1(アクリルスチレン樹脂))を、0.1kg/mの塗布量で塗布し、室温で3時間乾燥することによって樹脂層(第1の層)を得た。その後、1回あたり0.3kg/mとなるように各樹脂組成物を塗布し、常温(23℃)乾燥してタックが無いことを確認した後、再度同量を塗布した。各樹脂組成物を合計で3回塗布することによって樹脂組成物を含む層を得た。その後、さらに、1液水性上塗り材(上塗り材1(水系フッ素樹脂1))を、0.08kg/mの塗布量で塗布し、常温乾燥してタックが無いことを確認した後、再度同量を塗布することによって樹脂層(第3の層)を得た。次いで、23℃、50%RHの標準状態で、7日間養生して樹脂組成物を硬化させ、樹脂組成物の硬化物を含む層(第2の層)を形成することによって評価用サンプルを得た。なお、養生3日経過後の時点で、側面をエポキシ樹脂(コニシ株式会社製 E250)で封止した。
上記のように作製した評価用サンプルを、常温(23℃)の水に16時間浸漬して80℃の乾燥機中で8時間乾燥した。この条件を1サイクルとして10サイクル実施した後、40mm×40mmの金属製アタッチメントエポキシ樹脂(コニシ株式会社製、E250)で取り付けて周囲に下地に達する切り込みを入れて、油圧式引張試験機を用いて引張接着強度を測定した。試験は試験体の中央部で3か所、試験体端部(縁から10mm程度離れた位置)で3か所実施し、その平均値を求めた。
[面外曲げ性能]
UR都市機構「保全工事共通仕様書 機材及び工法の品質判定基準使用登録集 平成29年度版」に準拠して実施した。すなわち、モルタル板(幅100mm×長さ600mm×厚さ30mm)を長手方向中心部より2分割して、その破断面を突き合わせ型枠面側上面に、1液水系下塗り材(下塗り材1(アクリルスチレン樹脂))を、0.1kg/mの塗布量で塗布し、室温で3時間乾燥することによって樹脂層(第1の層)を得た。その後、1回あたり0.3kg/mとなるように各樹脂組成物を塗布し、常温乾燥してタックが無い事を確認後、再度同量を塗布した。各樹脂組成物を合計で3回塗布することによって樹脂組成物を含む層を得た。その後、さらに、1液水性上塗り材(上塗り材1(水系フッ素樹脂1))を、0.08kg/mの塗布量で塗布し、常温乾燥してタックが無い事を確認後、再度同量を塗布することによって樹脂層(第3の層)を得た。次いで、23℃、50%RHの標準状態で、7日間養生して樹脂組成物を硬化させ、樹脂組成物の硬化物を含む層(第2の層)を形成することによって評価用サンプルを得た。次いで、評価用サンプルの底面から速度5mm/minで載荷して4点曲げ試験を行った。40mmまで変位し、硬化膜の破断有無を確認した。
<水性ポリウレタン樹脂分散体の合成>
(合成例1)
撹拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UH-200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量2000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)2000g(1.00モル)と、イソホロンジイソシアネート553.8g(2.49モル)、2,2-ジメチロールプロピオン酸104.6(0.780モル)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル936g中触媒存在下、窒素雰囲気下で、80~90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のイソシアナト基含量は、1.71質量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン74.1gを加え、30分撹拌した。反応混合物を抜き出し、強撹拌しながら水5367gに入れた後、鎖延長剤として2-メチル-1,5-ペンタンジアミン74.5gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体(PUD)P1を得た。
(合成例2~4)
表1に示す原材料及び仕込み比(質量比)を変更したこと以外は、合成例1と同様にして、水性ポリウレタン樹脂分散体(PUD)P2~P4を合成した。特に、酸性基含有ポリオール及び水量の仕込み比は、酸価及び不揮発分濃度が表1に記載の計算値になるように調整した。なお、P4は、特開2019-035240号公報に記載の方法によって、水性ポリウレタン樹脂分散体を合成した後に、メチルエチルケトンを減圧留去して合成した。
表1の使用材料は以下のとおりである。
・UH-200:ポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL UH-200、水酸基価:56.1mgKOH/g)
・UH-100:ポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL UH-100、水酸基価:112.2mgKOH/g)
・C-2090:ポリカーボネートジオール(株式会社クラレ製、商品名:クラレポリオール C-2090、水酸基価:56.1mgKOH/g)
・BDL:1,4-ブタンジオール
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・HMDI:ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート
・DMPA:2,2-ジメチロールプロピオン酸
・DMBA:2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸
・MPMD:2-メチル-1,5-ペンタンジアミン
・IPDA:イソホロンジアミン
・TEA:トリエチルアミン
・DMM:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
・NEP:N-エチルピロリドン
・MEK:メチルエチルケトン
(実施例1、2A、2B及び比較例1A、1B、2A、2B、3)
表2の「配合」に記載の質量(g)の配合物を均一になるまで混合し、実施例1、2A、2B及び比較例1A、1B、2A、2B、3の樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物を用いて、上記に記載の評価方法で、樹脂組成物の物性、樹脂組成物の評価、硬化膜の評価、及び構造体の評価をそれぞれ行った。結果を表2及び表3示す。
(実施例3、4)
実施例1で得られた樹脂組成物及び表4に記載の上塗り材1を用いて、上記の[耐候性(伸度保持率及び応力保持率)]で記載した方法により、樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する、実施例3の構造体を得た。実施例1で得られた樹脂組成物及び表4に記載の上塗り材2を用いて、上記の[耐候性(伸度保持率及び応力保持率)]で記載した方法により、樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する、実施例4の構造体を得た。これらの構造体を用いて、上記の[耐候性(伸度保持率及び応力保持率)]の評価を行った。結果を表4に示す。
(実施例5、6)
実施例1で得られた樹脂組成物及び表4に記載の下塗り材1を用いて、上記の[温冷繰り返し性能]及び[面外曲げ性能]で記載した方法により、樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する、実施例5の構造体を得た。実施例1で得られた樹脂組成物、表3に記載の上塗り材1、及び表3に記載の下塗り材1を用いて、上記の[温冷繰り返し性能]及び[面外曲げ性能]で記載した方法により、樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する、実施例6の構造体を得た。これらの構造体を用いて、上記の[温冷繰り返し性能]及び[面外曲げ性能]の評価を行った。結果を表4に示す。
表2の使用材料は以下のとおりである。
・カルボジライトE-05:カルボジイミド基を有する化合物(日清紡ケミカル株式会社製、NCN当量310、エマルションタイプ、有効成分濃度40質量%)
・カルボジライトV-02:カルボジイミド基を有する化合物(日清紡ケミカル株式会社製、NCN当量590、水溶性タイプ、有効成分濃度40質量%)
・ベイコート20:多価金属錯体(炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液)(日本軽金属株式会社製、酸化ジルコニウム換算で20質量%)
・Tinuvin-400DW(N):水分散型UV吸収剤(BASFジャパン株式会社製、有効成分濃度40質量%)
・Tinuvin-123DW(N):水分散型HALS(BASFジャパン株式会社製、有効成分濃度30質量%)
・アエロジルR974:フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、比表面積200m/g、ジメチルシリル処理)
・アデカノールUH-756VF:ウレタン会合型増粘剤(株式会社ADEKA製、有効成分濃度32質量%)
・エステル化合物:2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート
・BYK-093:シリコーン系消泡剤(BYK-Chemie社製)
表4の使用材料は以下のとおりである。
・下塗り材1:アクリルスチレン樹脂
・上塗り材1:水系フッ素樹脂1(中光沢 多層硬化膜の60°Gloss値 41)
・上塗り材2:水系フッ素樹脂2(低光沢 多層硬化膜の60°Gloss値 68)
表2に示すとおり、実施例1、2の土木建築用コーティング樹脂組成物は、比較例1~3の土木建築用コーティング樹脂組成物に比べて、良好な施工性を有するとともに、硬化物においても、良好な伸び率を有することからひび割れ追従性に優れ、表3に示すとおり、耐水性及び透明性の点においても優れていた。これらの結果から、本発明の土木建築用コーティング樹脂組成物が、良好な施工性を有するとともに、良好な透明性及び耐水白化性を有する硬化物を形成することが可能であることが可能であることが確認された。

Claims (21)

  1. ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)と、水系媒体(b)と、酸性基又はその塩と反応性を有する架橋剤(c)とを含む土木建築用コーティング樹脂組成物であって、
    下記の条件A及び条件Bのうち、少なくとも前記条件Aを満たす、土木建築用コーティング樹脂組成物。
    条件A:前記土木建築用コーティング樹脂組成物中の不揮発分の酸価が5~17mgKOH/gである。
    条件B:前記ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)の酸価が5~22mgKOH/gである。
  2. 前記条件A及び前記条件Bの両方を満たす、請求項1に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  3. 前記ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)が酸性基を有する、請求項1又は2に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  4. 前記ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)が、前記ポリウレタン樹脂中の前記ポリカーボネート構造中に、直鎖脂肪族ジオール由来の構造を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  5. 前記ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)が、前記ポリウレタン樹脂中に脂肪族ポリイソシアネート由来の構造を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  6. 前記酸性基又はその塩と反応性を有する架橋剤(c)が、カルボジイミド基を有する化合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  7. 揺変性付与剤(e)をさらに含み、
    前記揺変性付与剤(e)の含有量が、土木建築用コーティング樹脂組成物の不揮発分の全量を基準として、20質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  8. 前記土木建築用コーティング樹脂組成物を、JIS-Z8803:2011(液体の粘度測定方法)に従い、E型粘度計を用いて、3°×R9.7のコーンローターを用い、5rpmの回転速度、23℃において測定した粘度が、6.0~60Pa・sである、請求項1~7のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  9. 前記土木建築用コーティング樹脂組成物を塗工して、ASTM D4400に基づいて垂れ試験を行い、流れ込みが無い前記土木建築用コーティング樹脂組成物の塗工厚さが0.75mm以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  10. 前記土木建築用コーティング樹脂組成物から形成される塗膜を、23℃、50%RHの標準状態で7日間養生して硬化膜を形成したとき、膜厚0.3mmの硬化膜で測定される、JIS A 6021:2011に基づく、23℃における掴み間伸度が150%以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  11. 前記土木建築用コーティング樹脂組成物から形成される塗膜を、23℃、50%RHの標準状態で7日間養生して硬化膜を形成したとき、膜厚0.3mmの硬化膜で測定される、全光線光透過率が10%以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  12. タイルの剥落防止、建築物の防水、コンクリート構造物の剥落防止、コンクリート構造物の保護、又はコンクリート床版の床版防水に用いられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
  13. 請求項1~11のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物の硬化物を含む、硬化膜。
  14. 請求項1~11のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物を土木建築構造物に塗工する工程を備える、土木建築構造物のコーティング方法。
  15. 既設タイル張り仕上げ外壁表面を金属製アンカーで固定するとともに、前記外壁表面をコーティング層で覆う工程を備え、
    前記コーティング層が、請求項1~11のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する、タイルの剥落防止方法。
  16. ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)と、水系媒体(b)と、酸性基又はその塩と反応性を有する架橋剤(c)とを含み、下記の条件A及び条件Bのうち、少なくとも一方を満たす、土木建築用コーティング樹脂組成物を土木建築構造物に塗工する工程を備える、土木建築構造物のコーティング方法。
    条件A:前記土木建築用コーティング樹脂組成物中の不揮発分の酸価が5~17mgKOH/gである。
    条件B:前記ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)の酸価が5~22mgKOH/gである。
  17. 既設タイル張り仕上げ外壁表面を金属製アンカーで固定するとともに、前記外壁表面をコーティング層で覆う工程を備え、
    前記コーティング層が、ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)と、水系媒体(b)と、酸性基又はその塩と反応性を有する架橋剤(c)とを含み、下記の条件A及び条件Bのうち、少なくとも一方を満たす、土木建築用コーティング樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する、タイルの剥落防止方法。
    条件A:前記土木建築用コーティング樹脂組成物中の不揮発分の酸価が5~17mgKOH/gである。
    条件B:前記ポリカーボネート構造を有するポリウレタン樹脂(a)の酸価が5~22mgKOH/gである。
  18. タイルを含む外壁構造と、前記外壁構造上に設けられたコーティング層とを備え、
    前記コーティング層が、請求項1~11のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物の硬化物を含む層を含有する、構造体。
  19. タイルを含む外壁構造と、前記外壁構造上に設けられたコーティング層とを備える構造体であって、
    前記コーティング層が、第1の層と、第2の層とを外壁構造からこの順に含み、
    前記第1の層が、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又は酢酸ビニル樹脂のいずれかの樹脂層であり、
    前記第2の層が、請求項1~11のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物の硬化物を含む層である、構造体。
  20. 前記コーティング層が、第3の層として、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、又はアクリルシリコン樹脂のいずれかの樹脂層を第2の層上で第1の層とは反対側にさらに含む、請求項19に記載の構造体。
  21. 前記外壁構造に含まれる前記タイル、及び/又は、前記コーティング層を保持する金属製アンカーをさらに備える、請求項19又は20に記載の構造体。

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