JP7724111B2 - 杭打機 - Google Patents

杭打機

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Description

特許法第30条第2項適用 販売日:令和3年1月20日 販売した場所:株式会社ファンテック(大阪府茨木市大字佐保312番2)
本発明は、杭打機に関し、詳しくは、作業装置に装着した鋼管杭を回転可能かつ軸方向に移動可能に支持する振止部材を備えた杭打機に関する。
鋼管杭を埋設する杭打機では、施工中の鋼管杭が傾斜したり芯ズレしたりしないように、鋼管杭の振れ止めを図る振止部材が設けられている。この振止部材は、リーダの下部に開閉可能に取り付けられた左右一対の回動アームを備えている。両回動アームの先端部には、両先端部同士を連結する連結部がそれぞれ設けられ、アームを回動させて連結部同士を連結するとともに、該アームに備わる円弧状凹部で鋼管杭を抱持することにより、作業装置に装着した鋼管杭を回転可能かつ軸方向に移動可能に支持することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2015-218538号公報
上述の振止部材は、異なる杭径のものにも対応可能なように、寸法の異なる複数のカラーを用意している。しかしながら、カラーの種類が増えると、その分だけ組替え作業に手間を要するほか、使用されないカラーの置き場に困るなどといった管理上の問題も生じてしまう。
そこで本発明は、簡単な段取り変更で複数の杭径に対応することが可能な振止部材を備えた杭打機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、ベースマシンの前部に立設したリーダに沿って作業装置を昇降可能に設けるとともに、前記リーダの下部に、前記作業装置によって回転駆動される鋼管杭の外周面を抱持する振止部材を設けた杭打機において、前記振止部材は、前記鋼管杭の外周面に当接可能な大径円弧状凹部を有する一対の回動アームを備え、前記リーダの下部に設けられた一対の回動軸を中心として前記一対の回動アームの回動端同士が接近した閉じ状態と、離反した開き状態とに回動可能に形成され、前記一対の回動アームには、前記閉じ状態で互いに対向配置され、前記鋼管杭の外径に応じて組み替え可能な複数のカラーが設けられ、前記カラーは、前記大径円弧状凹部の内側に同心で設けられる小径円弧状凹部と、前記大径円弧状凹部を径方向に貫通し、該大径円弧状凹部の円弧中心に対して前記小径円弧状凹部を進退可能に支持する支持アームと、前記小径円弧状凹部を移動位置に固定する固定手段とを有し、前記支持アームは、矩形断面の棒状であり、その上面部には複数のキー溝が形成され、前記大径円弧状凹部は、前記支持アームの断面幅に整合するアーム貫通孔を有し、前記固定手段は、前記キー溝にキー板を嵌め込むことによって固定されるキー係合からなることを特徴としている。
また、前記一対の回動アームは、前記閉じ状態で回動基部側における前記大径円弧状凹部間に開口部が設けられ、前記小径円弧状凹部の前記支持アームに対する位置は、前記回動端へ向かう周方向一方側に偏心していることを特徴としている。
本発明の杭打機によれば、振止部材に備わる複数のカラーが大径円弧状凹部の円弧中心に対して進退可能な小径円弧状凹部を有しているので、同一種類のカラーで複数の杭径に対応可能な調整幅をもたせることが可能となる。これにより、杭径ごとにカラーを用意していた従来に比べてその種類の低減が図れ、使用されないカラーの置き場も最小にすることができる。その上、固定手段を機能させるだけでカラーを移動先の位置に保持しておくことができるので、段取り変更に要する労力や時間の低減にも寄与するものである。
また、小径円弧状凹部が大径円弧状凹部を径方向に貫通する支持アームに対して回動端へ向かう周方向一方側に偏心しているので、小径円弧状凹部間にも大径円弧状凹部間に作られる開口部と同種の開口部を作ることが可能となり、振止部材を開閉する際のカラーと鋼管杭との無理な干渉をなくすことができる。とりわけ、カラー間に開口部が作られた閉じ状態でも、支持アームの配置スペースが阻害されることはなく、4つの支持アームを円周方向等間隔に配置したバランスのよい支持状態を得ることができる。
さらに、大径円弧状凹部が支持アームの断面幅に整合するアーム貫通孔を有し、小径円弧状凹部の固定手段としてキー係合を採用しているので、回転する鋼管杭によって支持アームに加えられる衝撃のうち、回転方向の力をアーム貫通孔の壁部で受けて緩和し、鋼管杭からの力の伝達方向をアーム軸方向に限定することが可能となる。これにより、力の向きや大きさに変動を生じやすい回転杭特有の挙動に対し、単純な面接触にて安定したキー係合を行うことができる。とりわけ、キー板が選択的に嵌まり込む複数のキー溝を用いた構造であることから、種々の杭径に対してその選択の幅を容易に広げることができる。すなわち、カラーの結合状態の維持と組替えの作業性向上とを両立した振止部材が達成される。
本発明の一形態例を示す杭打機の側面図である。 同じく振止部材の側面図である。 同じく振止部材の平面図である。 同じく振止部材の斜視図である。 同じく第1の鋼管杭に対応するカラーの組付状態を示す平面図である。 図5のVI-VI断面図である。 図6のVII-VII断面図である。 図6のVIII-VIII断面図である。 同じくカラーの組付方法を示す分解斜視図である。 同じく第2の鋼管杭に対応するカラーの組付状態を示す平面図である。 図10のXI-XI断面図である。 同じく第3の鋼管杭に対応するカラーの組付状態を示す平面図である。 図12のXIII-XIII断面図である。 同じく第4の鋼管杭に対応するカラーの組付状態を示す平面図である。 図14のXV-XV断面図である。 同じく第5の鋼管杭に対応するカラーの組付状態を示す平面図である。 図16のXVII-XVII断面図である。 同じく第6の鋼管杭に対応するカラーの組付状態を示す平面図である。 図10のXIX-XIX断面図である。
図1乃至図19は、本発明の杭打機の一形態例を示している。杭打機11は、図1に示すように、鋼管杭施工と地盤改良施工とを切り替えて行うことができる兼用機であって、クローラを備えた下部走行体12と、該下部走行体12上に旋回可能に設けられた上部旋回体13とで構成されたベースマシン14と、上部旋回体13の前部に起伏可能に設けられたリーダ15と、該リーダ15を後方から支持する起伏シリンダ16とを備えている。上部旋回体13の前部には、リーダ15を起伏可能に支持するリーダサポート17が設けられ、上部旋回体13の右側部には運転室18が、左側部にはエンジンや油圧ユニットを収納した機器室19がそれぞれ設けられている。
リーダ15は、断面が角筒状に形成された複数のリーダ部材を互いに連結したもので、リーダサポート17に設けられた車幅方向の支軸に回動可能に取り付けられている。リーダ15の上端部には、吊上げ用ロープが巻掛けられるトップシーブ20が、下部前方には、回転駆動される鋼管杭21の振れを防止する振止部材22がそれぞれ配置されており、リーダ15の両側面前端部には、左右一対のガイドパイプ23,23が、リーダ15の全長に亘って連続的に設けられている。
リーダ15の前面には、作業装置であるオーガ24が装着されている。オーガ24は、アダプタ25を介して複数サイズ(異径)の鋼管杭21を連結可能にしており、前記ガイドパイプ23,23に摺接する左右一対のガイドギブ24a,24aが後方に突出して設けられ、リーダ15の上下に設けられた駆動スプロケット26及び従動スプロケット27に掛け渡される昇降チェーン28により、リーダ15の前面に沿って昇降可能に構成されている。
振止部材22は、図2乃至図4に示すように、リーダ15の下端部に設けられたブラケット29を介して取り付けられ、ブラケット29の両側部には、鉛直方向の第1回動軸30と第2回動軸31とが設けられるとともに、第1回動軸30には第1回動アーム32が、第2回動軸31には第2回動アーム33がそれぞれ回動可能に取り付けられている。第1回動軸30と第2回動軸31とは、リーダ15の幅方向両側部前方に配置され、両回動軸30,31の間隔は、鋼管杭21の外径よりも大きくなっている。
各回動アーム32,33は、実質的に左右対称形状であって、各々が上下対面する2枚の腕状板同士を一定間隔で配置した偏平状をなし、第1回動軸30及び第2回動軸31にそれぞれ回動可能に連結される第1回動基部32a及び第2回動基部33aと、該回動基部32a,33aの先端側に形成され、鋼管杭21の外周面を包持する第1大径円弧状凹部34及び第2大径円弧状凹部35をそれぞれ内側に備えた第1杭抱持部32b及び第2杭抱持部33bと、該杭抱持部32b,33bの先端部、すなわち、各回動アーム32,33の回動端に設けられ、互いに重合して連結ピン36が挿通される第1連結部32c及び第2連結部33cとを備えている。
各回動アーム32,33は、第1回動軸30及び第2回動軸31を中心として、図3の実線で示すように、回動端同士が接近してピン結合された閉じ状態と、図3の想像線で示すように、ピン結合を解除して回動端同士が離反した開き状態とに回動可能である。そして、開き動作の際に付設の固定ピン37を抜き差しすることで、ブラケット29との重合部に固定ピン37が係合し、これにより、各回動アーム32,33は開き状態のままで保持される。
こうした開き状態において、第1大径円弧状凹部34及び第2大径円弧状凹部35は、ブラケット29の両側部において最大に離反した状態となり、上部旋回体13をその場所のままで旋回させる操作が行われても、埋設した鋼管杭21の外周面と接触しないようになっている。一方、閉じ状態では、各大径円弧状凹部34,35における回動端側の一端34a,35aは互いに突き合わせた状態となるが、回動基部側の他端34b,35bは、互いに離間してその間に大径開口部38が設けられている。これにより、振止部材22の開閉動作時において、大径円弧状凹部34,35の回動基部側が鋼管杭21と接触しないようになっている。
このように形成された杭打機11を使用して、例えば、大径の鋼管杭21(外径355.6mm)の施工を行う際には、アダプタ25に鋼管杭21の上端を連結した後、図3などに示すように、振止部材22を閉じ、両回動アーム32,33の回動端同士をピン結合して両大径円弧状凹部34,35で鋼管杭21の下部を抱持する。この閉じ状態で、オーガ24の回転及び下降動作によって鋼管杭21を地盤に埋設していく。このとき、鋼管杭21は、その外周面が大径円弧状凹部34,35の内側円弧周面34c,35cに当接し、回転による振れの発生が抑えられている。
鋼管杭21の継ぎ足しを行う際には、埋設した鋼管杭21の上端とアダプタ25とを分離させ、上述の逆の手順で振止部材22を開き状態にするとともに、上部旋回体13をその場所のままで旋回させる操作を行う。ここで、用意しておいた継ぎ足す鋼管杭21は、ベースマシン14の側方位置(吊り作業位置)において上端がアダプタ25に連結され、反対方向の旋回動作によって施工位置(杭芯)へと運び込まれる。
ところで、同一現場で外径の異なる種々の鋼管杭を施工する場合、杭径に合わせて寸法の異なるカラーを用意するのでは無駄が多く、また、杭径が変わるたびにカラーの取付け、取外しを行うのも面倒である。そこで、振止部材22には、簡単な段取り変更で複数の杭径に対応することが可能な調整部材が設けられている。この調整部材は、鋼管杭の外径に応じて組み替え可能な4つの進退式カラーからなる。
進退式カラーは、詳細については後述するが、外径の異なる6種類の小径鋼管杭71~76に対応している。外径の大きいものから順に、第1の鋼管杭71(外径318.5mm)、第2の鋼管杭72(外径267.4mm)、第3の鋼管杭73(外径216.3mm)には、4つで1組のカラー39,40,41,42が使用される。そして、第4の鋼管杭74(外径190.7mm)、第5の鋼管杭75(外径165.2mm)、第6の鋼管杭76(外径139.8mm)には、4つで1組のカラー43,44,45,46が使用される。すなわち、進退式カラーは、各組を相互に組み替え、あるいは、同一組内において配設位置を組み替えることより、6種類の異なる杭径のバリエーションに対応している。
図5乃至図13は、小径鋼管杭71~76のなかでも、比較的に外径の大きい第1の鋼管杭71、第2の鋼管杭72及び第3の鋼管杭73に対応する1組目の進退式カラーの組付状態を示している。4つのカラー39,40,41,42は、図5に示すように、振止部材22の閉じ状態において、互いに円周方向等間隔(90度おき)で対向配置され、基本的には、4つとも同一部材からなり、各回動アーム32,33に組み付けた状態で左右方向(図5の上下方向)に対称形状をなしている。
各カラー39,40,41,42は、大径円弧状凹部34,35の内側に同心で設けられる小径円弧状凹部47と、大径円弧状凹部34,35を径方向に貫通し、該大径円弧状凹部34,35の円弧中心C、つまり、鋼管杭71,72,73の軸心に対して小径円弧状凹部47を進退可能に支持する支持アーム48と、小径円弧状凹部47を移動位置に固定する固定手段49とを有している。
小径円弧状凹部47は、調整代を損なわない程度の大きさ(厚みや周方向長さ)を有する鋼板からなり、図9などにも示すように、鋼管杭71~73の外周面に当接可能な内側円弧周面47aと、支持アーム48の先端に固着される外側円弧周面(図示せず)とを有し、内側円弧周面47aの周方向両端部には面取りが施されている。また、小径円弧状凹部47の支持アーム48に対する位置は、図5に示すように、回動端へ向かう周方向一方側に偏心している。これにより、回動基部側にて、小径円弧状凹部47,47同士の板端47b,47b間には、例えば、第1の鋼管杭71に対応するカラー組付状態で、大径鋼管杭21に対応する大径開口部38と同種の第1の鋼管杭71に対応する小径開口部50が設けられる。
支持アーム48は、矩形断面の中実棒状であって、その上面部にはキー溝48aが形成されている。キー溝48aは、アーム軸方向に3段、具体的には、小径円弧状凹部47に近い側(図6でいえば左側)から順に、前段、中段、後段の3つのキー溝48aからなる。大径円弧状凹部34,35を貫くアーム貫通孔34d,35dに支持アーム48を差し込むと、該支持アーム48は、回動アーム32,33の内部、すなわち、図6の断面で示すように、上下腕状板同士の間の空間Sに上下方向いっぱいに配置される。
アーム貫通孔34d,35dは、図7からも見てとれるように、支持アーム48の断面幅(横幅)に整合し、4隅部には逃げ溝Rが形成されている。これにより、支持アーム48は、小径円弧状凹部47を進退させる際に、側面48bをアーム貫通孔34d,35dの側壁に摺動可能に配した状態で、下面(滑動面)48cを滑らせながら空間S内を直線移動することが可能になる。
固定手段49は、図6や図8などに示すように、支持アーム48のキー溝48aに対し、上方からキー板49aを嵌め込むことによって固定されるキー係合からなる。キー板49aは、支持アーム48の断面幅に対応する板幅と、キー溝48aの溝幅に対応する板厚とを有しており、図9などにも示すように、回動アーム32,33の腕状上板に並設した2箇所のキー挿通孔32d,33dのうちの1箇所を選択して、各段のキー溝48aに係合可能になっている。キー挿通孔32d,33dは、大径円弧状凹部34,35に近い側(図6でいえば左側)から順に、前側、後側の2つからなる。
キー溝48aにキー板49aを嵌め込んだ状態では、鍔状の取付板49bが腕状上板に当接して上下方向の位置が定まり、キー溝48aとの間で、アーム軸方向の必要な重なり量(ラップ量)が得られる。こうして、各カラー39,40,41,42は、キー係合がなされる際に、取付板49bのための2本の取付ボルト51と、先端が支持アーム48の上面に接する1本の押しボルト52とをそれぞれ締め付けた状態で、回動アーム32,33の設定位置に固定される。
このように形成された1組目の進退式カラー39,40,41,42は、第1の鋼管杭71(外径318.5mm)の施工を行う際には、図5及び図6に示すように、前段のキー溝48aと、後側のキー挿通孔32d,33dとのキー係合によってそれぞれ振止部材22に組み付けられる。これにより、閉じ状態では、小径円弧状凹部47の内側円弧周面47aと、鋼管杭71の外周面とが径方向に略均等な距離を保って配置されるとともに、回動基部側に所定の形で小径開口部50が設けられる。こうして、第1の鋼管杭71は、その外周面が小径円弧状凹部47における内側円弧周面47aの略全面に当接し、回転による振れの発生が抑えられる。一方、鋼管杭71の継ぎ足しを行う際には、小径開口部50の存在により、振止部材22を円滑に開閉させることが可能な動線が確保される。また、キー挿通孔32d,33dを複数設けたことにより、キー溝48aの間隔を十分にとることができるので、支持アーム48の強度上の問題は生じない。
第2の鋼管杭72(外径267.4mm)の施工を行う際には、図10及び図11に示すように、中段のキー溝48aと、後側のキー挿通孔32d,33dとのキー係合に組み替えられる。これにより、閉じ状態で、小径円弧状凹部47の内側円弧周面47aと、鋼管杭72の外周面とは、第1の鋼管杭71よりも小径になる分だけ、互いの曲率の違いに起因して回動端へ向かう周方向一方側がやや開いた隙間Gを有して配置される。しかしながら、こうした不均一な隙間が生じることになっても、鋼管杭72を抱持するうえで必要十分な接触面積を確保している。そして、回動基部側には、所定の形で小径開口部53が設けられる。こうして、第2の鋼管杭72は、その外周面が小径円弧状凹部47における内側円弧周面47aの大部分に当接し、回転による振れの発生が抑えられる。一方、鋼管杭72の継ぎ足しを行う際には、小径開口部53がもたらす開閉動作上の動線が確保される。
第3の鋼管杭73(外径216.3mm)の施工を行う際には、図12及び図13に示すように、後段のキー溝48aと、後側のキー挿通孔32d,33dとのキー係合に組み替えられる。この場合、小径円弧状凹部47の内側円弧周面47aと、鋼管杭73の外周面とは、第2の鋼管杭72よりもさらに小径になる分、その隙間Gも大きくなって配置されるが、それでも必要十分な接触面積を確保している。そして、回動基部側には、所定の形で小径開口部54が設けられる。こうして、第3の鋼管杭73は、その外周面が小径円弧状凹部47における内側円弧周面47aの大半部に当接し、回転による振れの発生が抑えられる。一方、鋼管杭73の継ぎ足しを行う際には、小径開口部54がもたらす開閉動作上の動線が確保される。
上述のように、1組目の進退式カラー39,40,41,42は、6種類の小径鋼管杭71~76のなかでも、比較的に外径の大きい3種類の鋼管杭71,72,73に対応可能な調整範囲を有している。したがって、これらよりも外径の小さい3種類の鋼管杭74,75,76では調整範囲を超えてしまい、そのまま使用することができない。そこで、振止部材22には、2組目の進退式カラー43,44,45,46が用意されている。
図14乃至図19は、比較的に外径の小さい第4の鋼管杭74、第5の鋼管杭75及び第6の鋼管杭76に対応する2組目の進退式カラーの組付状態を示している。4つのカラー43,44,45,46は、1組目の進退式カラーと長さが異なる同一形状からなり、主な相違点として、周方向に短くした小径円弧状凹部55と、軸方向に長くした支持アーム56とを有している。また、組付けの態様(キー係合など)は1組目の進退式カラーと同様であり、詳細な説明は省略するが、小径円弧状凹部55は大径円弧状凹部34,35の内側に同心で設けられ、支持アーム56は大径円弧状凹部34,35の円弧中心C、つまり、鋼管杭74,75,76の軸心に対して小径円弧状凹部55を進退可能に支持している。
このように形成された2組目の進退式カラー43,44,45,46は、第4の鋼管杭74(外径190.7mm)の施工を行う際には、図14及び図15に示すように、中段のキー溝56aと、後側のキー挿通孔32d,33dとのキー係合によってそれぞれ振止部材22に組み付けられる。これにより、閉じ状態では、小径円弧状凹部55の内側円弧周面55aと、鋼管杭74の外周面とが径方向に略均等な距離を保って配置されるとともに、回動基部側に所定の形で小径開口部57が設けられる。こうして、第4の鋼管杭74は、その外周面が小径円弧状凹部55における内側円弧周面55aの略全面に当接し、回転による振れの発生が抑えられる。一方、鋼管杭74の継ぎ足しを行う際には、小径開口部57の存在により、振止部材22を円滑に開閉させることが可能な動線が確保される。また、キー挿通孔32d,33dを複数設けたことにより、キー溝56aの間隔を十分にとることができるので、支持アーム56の強度上の問題は生じない。
第5の鋼管杭75(外径165.2mm)の施工を行う際には、図16及び図17に示すように、前段のキー溝56aと、前側のキー挿通孔32d,33dとのキー係合に組み替えられる。これにより、閉じ状態で、小径円弧状凹部55の内側円弧周面55aと、鋼管杭75の外周面とは、第4の鋼管杭74よりも小径になる分だけ、互いの曲率の違いに起因して回動端へ向かう周方向一方側がやや開いた隙間Gを有して配置される。しかしながら、こうした不均一な隙間が生じることになっても、鋼管杭75を抱持するうえで必要十分な接触面積を確保している。そして、回動基部側には、所定の形で小径開口部58が設けられる。こうして、第5の鋼管杭75は、その外周面が小径円弧状凹部55における内側円弧周面55aの大部分に当接し、回転による振れの発生が抑えられる。一方、鋼管杭75の継ぎ足しを行う際には、小径開口部58がもたらす開閉動作上の動線が確保される。
第6の鋼管杭76(外径139.8mm)の施工を行う際には、図18及び図19に示すように、後段のキー溝56aと、後側のキー挿通孔32d,33dとのキー係合に組み替えられる。この場合、小径円弧状凹部55の内側円弧周面55aと、鋼管杭76の外周面とは、第5の鋼管杭75よりもさらに小径になる分、その隙間Gも大きくなって配置されるが、それでも必要十分な接触面積を確保している。そして、回動基部側には、所定の形で小径開口部59が設けられる。こうして、第6の鋼管杭76は、その外周面が小径円弧状凹部55における内側円弧周面55aの大半部に当接し、回転による振れの発生が抑えられる。一方、鋼管杭76の継ぎ足しを行う際には、小径開口部59がもたらす開閉動作上の動線が確保される。
このように、本発明の杭打機11によれば、振止部材22に備わる複数のカラー39~46が大径円弧状凹部34,35の円弧中心Cに対して進退可能な小径円弧状凹部47,55を有しているので、同一種類のカラーで複数の杭径に対応可能な調整幅をもたせることが可能となる。これにより、杭径ごとにカラーを用意していた従来に比べてその種類の低減が図れ、使用されないカラーの置き場も最小にすることができる。その上、固定手段49を機能させるだけでカラー39~46を移動先の位置に保持しておくことができるので、段取り変更に要する労力や時間の低減にも寄与するものである。
また、小径円弧状凹部47,55が大径円弧状凹部34,35を径方向に貫通する支持アーム48,56に対して回動端へ向かう周方向一方側に偏心しているので、小径円弧状凹部47,55間にも大径円弧状凹部34,35間に作られる開口部38と同種の開口部50,53,54,57,58,59を作ることが可能となり、振止部材22を開閉する際のカラー39~46と鋼管杭71~76との無理な干渉をなくすことができる。とりわけ、カラー間に開口部が作られた閉じ状態でも、支持アーム48,56の配置スペースが阻害されることはなく、4つの支持アーム48,56を円周方向等間隔に配置したバランスのよい支持状態を得ることができる。
さらに、大径円弧状凹部34,35が支持アーム48,56の断面幅に整合するアーム貫通孔34d,35dを有し、小径円弧状凹部47,55の固定手段49としてキー係合を採用しているので、回転する鋼管杭71~76によって支持アーム48,56に加えられる衝撃のうち、回転方向の力をアーム貫通孔34d,35dの壁部で受けて緩和し、鋼管杭71~76からの力の伝達方向をアーム軸方向に限定することが可能となる。これにより、力の向きや大きさに変動を生じやすい回転杭特有の挙動に対し、単純な面接触にて安定したキー係合を行うことができる。とりわけ、キー板49aが選択的に嵌まり込む複数のキー溝48a,56aを用いた構造であることから、種々の杭径に対してその選択の幅を容易に広げることができる。すなわち、カラー39~46の結合状態の維持と組替えの作業性向上とを両立した振止部材22が達成される。
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、進退式カラーは、安定性の高い面接触で杭を抱持できれば形状や組替え数などは任意に設定でき、4つで1組の他にも、2つで1組として構成するなど、振止部材の仕様ごとに適宜変更を加えることができる。また、固定手段は、実施形態ではキー係合としたが、簡便なピン結合などを採用することができる。
11…杭打機、12…下部走行体、13…上部旋回体、14…ベースマシン、15…リーダ、16…起伏シリンダ、17…リーダサポート、18…運転室、19…機器室、20…トップシーブ、21…鋼管杭、22…振止部材、23…ガイドパイプ、24…オーガ、24a…ガイドギブ、25…アダプタ、26…駆動スプロケット、27…従動スプロケット、28…昇降チェーン、29…ブラケット、30…第1回動軸、31…第2回動軸、32…第1回動アーム、32a…第1回動基部、32b…第1杭抱持部、32c…第1連結部、32d…キー挿通孔、33…第2回動アーム、33a…第2回動基部、33b…第2杭抱持部、33c…第2連結部、33d…キー挿通孔、34…第1大径円弧状凹部、34a…一端、34b…他端、34c…内側円弧周面、34d…アーム貫通孔、35…第2大径円弧状凹部、35a…一端、35b…他端、35c…内側円弧周面、35d…アーム貫通孔、36…連結ピン、37…固定ピン、38…大径開口部、39~46…カラー、47…小径円弧状凹部、47a…内側円弧周面、47b…板端、48…支持アーム、48a…キー溝、48b…側面、48c…下面、49…固定手段、49a…キー板、49b…取付板、50…小径開口部、51…取付ボルト、52…押しボルト、53,54…小径開口部、55…小径円弧状凹部、55a…内側円弧周面、56…支持アーム、56a…キー溝、57,58,59…小径開口部、71~76…鋼管杭

Claims (2)

  1. ベースマシンの前部に立設したリーダに沿って作業装置を昇降可能に設けるとともに、前記リーダの下部に、前記作業装置によって回転駆動される鋼管杭の外周面を抱持する振止部材を設けた杭打機において、
    前記振止部材は、前記鋼管杭の外周面に当接可能な大径円弧状凹部を有する一対の回動アームを備え、前記リーダの下部に設けられた一対の回動軸を中心として前記一対の回動アームの回動端同士が接近した閉じ状態と、離反した開き状態とに回動可能に形成され、
    前記一対の回動アームには、前記閉じ状態で互いに対向配置され、前記鋼管杭の外径に応じて組み替え可能な複数のカラーが設けられ、
    前記カラーは、前記大径円弧状凹部の内側に同心で設けられる小径円弧状凹部と、前記大径円弧状凹部を径方向に貫通し、該大径円弧状凹部の円弧中心に対して前記小径円弧状凹部を進退可能に支持する支持アームと、前記小径円弧状凹部を移動位置に固定する固定手段とを有し
    前記支持アームは、矩形断面の棒状であり、その上面部には複数のキー溝が形成され、
    前記大径円弧状凹部は、前記支持アームの断面幅に整合するアーム貫通孔を有し、
    前記固定手段は、前記キー溝にキー板を嵌め込むことによって固定されるキー係合からなることを特徴とする杭打機。
  2. 前記一対の回動アームは、前記閉じ状態で回動基部側における前記大径円弧状凹部間に開口部が設けられ、
    前記小径円弧状凹部の前記支持アームに対する位置は、前記回動端へ向かう周方向一方側に偏心していることを特徴とする請求項1記載の杭打機。
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