以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る大気圧プラズマ照射装置10を示している。大気圧プラズマ照射装置10は、大気圧下でプラズマを培養液(「被処理液体」の一例)に照射するための装置であり、プラズマ発生装置20と、カバーハウジング22と、開閉機構24と、ステージ26と、昇降装置28と、パージガス供給機構32(図5参照)、濃度検出機構34と、排気機構36と、制御装置38(図11参照)とを備えている。なお、大気圧プラズマ照射装置10の幅方向をX方向と、大気圧プラズマ照射装置10の奥行方向をY方向と、X方向とY方向とに直行する方向、つまり、上下方向をZ方向と称する。
プラズマ発生装置20は、図2~図4に示すように、カバー50と、上部ブロック52と、下部ブロック54と、1対の電極56と、ノズルブロック58とを含む。カバー50は、概して、有蓋四角筒形状をなし、カバー50の内部に、上部ブロック52が配設されている。上部ブロック52は、概して直方体形状をなし、セラミックにより成形されている。上部ブロック52の下面には、1対の円柱状の円柱凹部60が形成されている。
また、下部ブロック54も、概して直方体形状をなし、セラミックにより成形されている。下部ブロック54の上面には、凹部62が形成されており、凹部62は、1対の円柱状の円柱凹部66と、それら1対の円柱凹部66を連結する連結凹部68とによって構成されている。そして、下部ブロック54が、カバー50の下端から突出した状態で、上部ブロック52の下面に固定されており、上部ブロック52の円柱凹部60と、下部ブロック54の円柱凹部66とが連通している。なお、円柱凹部60と円柱凹部66とは、略同径とされている。また、凹部62の底面には、下部ブロック54の下面に貫通するスリット70が形成されている。
1対の電極56の各々は、上部ブロック52の円柱凹部60と、下部ブロック54の円柱凹部66とによって区画される円柱状の空間に配設されている。なお、電極56の外径は、円柱凹部60,66の内径より小さい。また、ノズルブロック58は、概して平板状をなし、下部ブロック54の下面に固定されている。ノズルブロック58には、下部ブロック54のスリット70と連通する噴出口72が形成されており、その噴出口72は、ノズルブロック58を上下方向に貫通している。
プラズマ発生装置20は、さらに、処理ガス供給装置74(図11参照)を有している。処理ガス供給装置74は、酸素等の活性ガスと窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合させた処理ガスを供給する装置であり、円柱凹部60,66によって区画される円柱状の空間及び、連結凹部68の上部に、配管(図示せず)を介して、連結されている。これにより、電極56と円柱凹部66との隙間、及び、連結凹部68の上部から、処理ガスが、凹部62の内部に供給される。
このような構造により、プラズマ発生装置20は、ノズルブロック58の噴出口72からプラズマを噴出する。詳しくは、凹部62の内部に、処理ガス供給装置74によって処理ガスが供給される。この際、凹部62では、1対の電極56に電圧が印加されており、1対の電極56間に電流が流れる。これにより、1対の電極56間に放電が生じ、その放電により、処理ガスがプラズマ化される。そして、プラズマが、スリット70を介して、噴出口72から噴出される。
また、カバーハウジング22は、図5に示すように、上部カバー76と、下部カバー78とを含む。上部カバー76は、概して有蓋円筒状をなし、上部カバー76の蓋部には、プラズマ発生装置20の下部ブロック54に応じた形状の貫通穴(図示せず)が形成されている。そして、その貫通穴を覆うように、プラズマ発生装置20のカバー50が、上部カバー76の蓋部に立設された状態で固定されている。このため、プラズマ発生装置20の下部ブロック54及び、ノズルブロック58が、上部カバー76の内部に向かって、Z方向に延びるように、突出している。これにより、プラズマ発生装置20によって発生されたプラズマが、ノズルブロック58の噴出口72から、上部カバー76の内部に向かって、Z方向に噴出される。
また、上部カバー76の側面には、3等配の位置に、概して矩形の貫通穴(図示せず)が形成されており、その貫通穴を塞ぐように、透明なガラス板80が配設されている。これにより、ガラス板80を介して、上部カバー76の内部を視認することが可能とされている。
カバーハウジング22の下部カバー78は、概して、円板形状とされており、大気圧プラズマ照射装置10が載置される載置部の筐体(図示せず)に固定されている。下部カバー78の外径は、上部カバー76の外径より大きくされており、下部カバー78の上面には、上部カバー76と同径の円環状のパッキン82が配設されている。そして、上部カバー76が、開閉機構24によって下方にスライドされることで、上部カバー76がパッキン82に密着し、カバーハウジング22の内部が密閉された状態となる。
詳しくは、開閉機構24は、図6及び図7に示すように、1対のスライド機構86とエアシリンダ88とを含む。各スライド機構86は、支持軸90とスライダ92とを含む。支持軸90は、上記載置部の筐体に、Z方向に延びるように立設されている。また、スライダ92は、概して円筒形状をなし、支持軸90の軸方向にスライド可能に、支持軸90に外嵌されている。そして、上部カバー76が、上部ブラケット96と下部ブラケット98とによって、スライダ92に保持されている。これにより、上部カバー76は、Z方向、つまり、上下方向にスライド可能とされている。
エアシリンダ88は、ロッド100とピストン(図示せず)とシリンダ102とを含む。ロッド100は、Z方向に延びるように配設され、上端部において上部カバー76に固定されている。また、ロッド100の下端部に、ピストンが固定されている。ピストンは、シリンダ102の上端から内部に嵌合されており、シリンダ102の内部において摺動可能に移動する。また、シリンダ102は、下端部において、上記載置部の筐体に固定されており、シリンダ102内部には、所定量のエアが封入されている。
これにより、エアシリンダ88は、ダンパとして機能し、上部カバー76の急激な下降が防止される。なお、シリンダ102内部のエア圧は、上部カバー76と共にスライドする一体物、つまり、上部カバー76,プラズマ発生装置20,スライダ92等の重量により圧縮可能な圧力とされている。つまり、作業者が、上部カバー76を上昇させた状態で、上部カバー76を離すと、上部カバー76等の自重によって上部カバー76が下降する。そして、上部カバー76が、下部カバー78のパッキン82に密着し、図8に示すように、上部カバー76と下部カバー78とによって、カバーハウジング22の内部が密閉された状態となる。
また、作業者が、上部カバー76を上昇させることで、カバーハウジング22の内部が開放される。なお、上部カバー76の上面には、磁石106(図1参照)が固定されており、上部カバー76が上昇されることで、磁石106が、上記載置部の筐体に引っ付く。このように、磁石106を上記載置部の筐体に引っ付けることで、上部カバー76を上昇させた状態、つまり、カバーハウジング22が開放された状態が維持される。
ステージ26は、概して、円板形状とされており、ステージ26の上面に、照射ブロック180が載置される。また、ステージ26の外径は、下部カバー78の外径より小さくされている。そして、ステージ26は、下部カバー78の上面に配設されている。
照射ブロック180は、送液チューブ120により送液された被処理液体を貯留し、貯留した被処理液体にプラズマ発生装置20から噴出したプラズマを照射することによりプラズマ処理液体を生成するために用いられる。生成されたプラズマ処理液体は、排液チューブ122により照射ブロック180から排出される。
被処理液体は、カバーハウジング22の外に設けられた被処理液体供給部(図示せず)からポンプ(図示せず)を用いて送液チューブ120により、カバーハウジング22内の照射ブロック180に供給される。また、照射ブロック180で生成されたプラズマ処理液体は、ポンプ(図示せず)を用いて照射ブロック180から排液チューブ122により排液され、カバーハウジング22の外に設けられた一時保管ビン(図示せず)に保管される。したがって、下部カバー78の側面には、送液チューブ120及び排液チューブ122をそれぞれ通す貫通孔134,136が形成されている。
図9は、照射ブロック180の概略構成を示している。そして、図9(a)は、照射ブロック180全体の外観を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)のBB線における断面斜視図である。なお、左から右へ向かう方向が、被処理液体が流れる方向である。
照射ブロック180は、セラミックにより成形され、概して直方体形状をなす照射ブロック本体部181からなる。なお、照射ブロック180の長辺方向がX方向であり、短辺方向がY方向である。照射ブロック本体部181には、カバーハウジング22に設置された場合に、プラズマ発生装置20と対向する面が開放された溝部183及び貯留部184が形成されている。
溝部183は、YZ断面が上方に向かって開口するU字状である。溝部183を構成する底面183aは湾曲している。この溝部183のYZ断面は、送液チューブ120(図1参照)の断面形状よりも若干狭くされており、可撓性を有する送液チューブ120が溝部183に嵌め込まれることで、送液チューブ120が固定される。
貯留部184は、プラズマ照射するために被処理液体を貯留する。貯留部184は、側面184aと底面184bとからなる円筒状の凹部により構成される。また、貯留部184を構成する底面184bは、溝部183を構成する底面183aよりも下方に位置するように形成されている。さらに、貯留部184を構成する底面184bには、被処理液体がプラズマ照射されて生成されたプラズマ処理液体を貯留部184から外に排出するための排液穴184cが形成されている。なお、底面184bは、側面184aから排液穴184cに向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。これは、プラズマ処理液体を排出する際に、貯留部184から迅速に排出させる機能と、貯留部184にプラズマ処理液体の一部が排出されないで残留する状態を可及的に防止する機能とを実現させるためである。
照射ブロック本体部181は、上記構成の他に、排出部186を有する。排出部186は、照射ブロック本体部181の下面181aであって、貯留部184の排液穴184cを含む位置から下方に突出して形成されている。排出部186は、基部186a、フランジ部186b及び排出係止部186cを有し、各構成要素186a~186cが下方に連結した状態で一体的に形成されている。また、排出部186の中心部には、貫通孔186dがZ方向に形成され、貯留部184の排液穴184cと連通している。
排出部186の外周面において、照射ブロック本体部181の下面181aと連続する部分が基部186aである。基部186aの下方に、フランジ部186bを挟んで形成された排出係止部186cの外周の径は、排液チューブ122(図1参照)の径よりも大きくされている。また、排出係止部186cの上部186c1の外径は、排出係止部186cの外径よりも小さくされている。これにより、可撓性を有する排液チューブ122が上部186c1まで嵌め込まれると、排出係止部186cの外周に沿って排液チューブ122が変形し、排液チューブ122が固定される。また、基部186aとステージ26の切欠き部26a(図1参照)とが嵌め合されることにより、ステージ26に照射ブロック180が固定される。このように、固定具を用いる固定ではないため、照射ブロック180はステージ26に対して容易に着脱することができる。
昇降装置28は、図7に示すように、支持ロッド112と、ラック114と、ピニオン116と、電磁モータ117(図11参照)とを含む。下部カバー78には、上下方向に貫通する貫通穴(図示せず)が形成されており、その貫通穴に、支持ロッド112が挿通されている。支持ロッド112の外径は、貫通穴の内径より小さくされており、支持ロッド112は、上下方向、つまり、Z方向に移動可能とされている。その支持ロッド112の上端に、ステージ26の下面が固定されている。
また、ラック114は、支持ロッド112の軸方向に延びるように、支持ロッド112の下部カバー78から下方に延び出す部分の外周面に固定されている。ピニオン116は、ラック114に噛合されており、電磁モータ117の駆動により回転する。なお、ピニオン116は、上記載置部の筐体により回転可能に保持されている。このような構造によって、電磁モータ117の駆動によりピニオン116が回転することで、支持ロッド112がZ方向に移動し、ステージ26が昇降する。なお、下部カバー78の上面には、ステージ26の隣に、計測ロッド118が立設されている。計測ロッド118の外周面には、目盛りが記されており、その目盛りによって、ステージ26のZ方向の高さ、つまり、ステージ26の昇降量を目視によって確認することが可能となっている。
パージガス供給機構32は、図5に示すように、4個のエアジョイント130(図では、3個図示されている)と、パージガス供給装置132(図11参照)とを含む。4個のエアジョイント130は、上部カバー76の側面の上端部において、4等配の位置に設けられており、各エアジョイント130は、上部カバー76の内部に開口している。パージガス供給装置132は、窒素等の不活性ガスを供給する装置であり、配管(図示せず)を介して、各エアジョイント130に接続されている。このような構造により、パージガス供給機構32は、上部カバー76の内部に、不活性ガスを供給する。
濃度検出機構34は、エアジョイント140と、配管142と、検出センサ144(図11参照)とを含む。下部カバー78には、下部カバー78の上面と側面とを連通する貫通穴(図示せず)が形成されている。その貫通穴の下部カバー78の上面側の開口146は、パッキン82の内側に位置している。一方、貫通穴の下部カバー78の側面側の開口に、エアジョイント140が接続されている。また、検出センサ144は、酸素濃度を検出するセンサであり、配管142を介して、エアジョイント140に接続されている。このような構造により、濃度検出機構34は、カバーハウジング22が密閉された際に、カバーハウジング22の内部の酸素濃度を検出する。
排気機構36は、図1に示すように、L型配管150と、連結配管152と、メイン配管154とを含む。下部カバー78には、図7に示すように、上面と下面とに開口するダクト口160が形成されている。ダクト口160の下部カバー78の上面側の開口は、上方に向かうほど内径が大きくなるテーパ面162とされている。つまり、カバーハウジング22が密閉された際に、テーパ面162は、上部カバー76の内壁面に向かって傾斜した状態となる。一方、ダクト口160の下部カバー78の下面側の開口に、L型配管150が接続されている。そして、そのL型配管150に、連結配管152を介して、メイン配管154が接続されている。なお、連結配管152のL型配管150側の部分は、省略されている。また、メイン配管154の内部には、オゾンフィルタ166が配設されている。オゾンフィルタ166は、活性炭により形成されており、オゾンを吸着する。
下部カバー78の下面側の開口の直下に位置するL型配管150の底面には、図10に示すように、開口150aが形成され、その開口150aにチューブ状の液溜まり部151が接続されている。開口150aと反対側の液溜まり部151の下端には栓151aが着脱自在に装着されている。液溜まり部151は、何らかの原因で照射ブロック180から漏れ出した被処理液体(プラズマ処理液体も含む)を溜めるために設けられている。つまり、照射ブロック180から漏れ出した被処理液体は、ダクト口160から下方に落下し、L型配管150の開口150aから液溜まり部151に到達する。液溜まり部151に到達した被処理液体は、液溜まり部151に留まり、L型配管150から連結配管152に流れて行かないので、被処理液体が、連結配管152の下流に位置するメイン配管154に設けられたオゾンフィルタ166にかかることはない。これにより、被処理液体がオゾンフィルタ166にかかることで、オゾンフィルタ166の機能が喪失されることが防止される。ここで、上記何らかの原因としては、例えば、送液チューブ120や排液チューブ122が照射ブロック180から外れてしまうことにより、照射ブロック180の貯留部184に貯留された被処理液体が照射ブロック180から漏れ出したり、送液チューブ120や排液チューブ122自体から漏れ出したりすることが考えられる。なお、液溜まり部151は、その内部に溜まった被処理液体を外部から観察できるように透明部材により構成されることが好ましい。また、本実施形態では、液溜まり部151の内部に溜まった被処理液体を取り出し易いように、液溜まり部151に着脱自在の栓151aを設けている。
制御装置38は、図11に示すように、コントローラ170と、複数の駆動回路172とを備えている。複数の駆動回路172は、電極56、処理ガス供給装置74、電磁モータ117、パージガス供給装置132に接続されている。コントローラ170は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路172に接続されている。これにより、プラズマ発生装置20、昇降装置28、パージガス供給機構32の作動が、コントローラ170によって制御される。また、コントローラ170は、検出センサ144に接続されている。これにより、コントローラ170は、検出センサ144の検出結果、つまり、カバーハウジング22の内部の酸素濃度を取得する。
培養液にプラズマを照射することで、培養液が活性化するため、プラズマ照射された培養液を用いた癌の治療等、医療の分野でのプラズマの活用が期待されている。このため、プラズマ照射された培養液の生成等が行われるが、培養液は、プラズマ照射される際の条件が管理された状態でプラズマ照射されることが好ましい。大気圧プラズマ照射装置10では、上述した構成により、照射ブロック180をステージ26の上に載置し、カバーハウジング22を密閉することで、所定の条件下で培養液にプラズマを照射することが可能である。以下に、所定の条件下で、培養液にプラズマを照射する手法について、詳しく説明する。
具体的には、まず、照射ブロック180をステージ26の上に載置する。次に、昇降装置28によってステージ26を任意の高さに昇降させる。これにより、プラズマの噴出口72と、プラズマの被照射体としての培養液との間の距離を任意に設定することが可能となる。なお、ステージ26の昇降高さは、計測ロッド118の目盛りにより確認することが可能である。
次に、上部カバー76を下降させ、カバーハウジング22を密閉させる。そして、パージガス供給機構32によって、カバーハウジング22の内部に不活性ガスが供給される。この際、濃度検出機構34によって、カバーハウジング22内の酸素濃度が検出される。そして、検出された酸素濃度が予め設定された閾値以下となった後に、プラズマ発生装置20によってプラズマが、カバーハウジング22の内部に噴出される。なお、プラズマが照射されている際も、カバーハウジング22の内部への不活性ガスの供給は、継続して行われる。また、一定の流量に調整された被処理液体が、送液チューブ120を介して照射ブロック180の貯留部184へ流される。貯留部184に貯留された被処理液体は、プラズマ発生装置20からプラズマガスが照射されて活性化される。なお、被処理液体に所定時間、プラズマガスが照射されることで、プラズマ照射された被処理液体による治療効果は発揮されることがわかっている。被処理液体が貯留部184に貯留されることにより、所定時間プラズマガスが照射される。また、被処理液体は、プラズマガスが照射されることにより、貯留部184内で自然対流する。これにより、治療効果が発揮される均質な活性化された被処理液体とすることができる。
このように、カバーハウジング22の内部に不活性ガスが供給されることで、カバーハウジング22内の空気は、カバーハウジング22の外部に排気される。この際、カバーハウジング22内の酸素濃度が調整されることで、プラズマ照射に影響を及ぼす条件が管理される。詳しくは、プラズマは、活性ラジカルを含んでいるため、酸素と反応すると、オゾンとなり、プラズマ照射の効果が低下する。このため、カバーハウジング22内の酸素濃度を調整することで、プラズマ照射された培養液の効果に対する酸素濃度の影響を調べることが可能となる。また、同一条件下で培養液にプラズマを照射することが可能となる。これにより、効率的にプラズマ処理液体を生成することが可能となる。
また、大気圧プラズマ照射装置10では、上述したように、プラズマの噴出口72と培養液との間の距離が任意に設定される。これにより、プラズマ照射された培養液の効果に対する照射距離の影響を調べることが可能となり、効率的にプラズマ処理液体を生成することが可能となる。
また、下部カバー78には、ダクト口160が形成されている。このため、カバーハウジング22内への不活性ガスの供給により、カバーハウジング22内が正圧となり、カバーハウジング22内から自然排気される。また、下部カバー78のダクト口160には、下部カバー78の上面に向かうほど内径の大きいテーパ面162が形成されている。これにより、カバーハウジング22の内部からの気体の排気を促進することが可能となる。さらに、排気機構36には、オゾンフィルタ166が設けられている。これにより、プラズマと酸素とが反応し、オゾンが発生した場合であっても、オゾンの外部への排気を防止することが可能となる。
プラズマ照射が開始された後、所定時間が経過すると、貯留部184に貯留されたプラズマ処理液体は、排液チューブ122を介して排出される。貯留部184からのプラズマ処理液体の排出が開始された後、所定時間が経過すると、貯留部184にプラズマ処理液体が残留していないとみなして、貯留部184からのプラズマ処理液体の排出を完了する。そして、次にプラズマ処理する被処理液体が、送液チューブ120を介して照射ブロック180の貯留部184へ流される。以下、貯留部184に貯留された被処理液体への所定時間のプラズマ照射、プラズマ処理液体の排液、新たな被処理液体の照射ブロック180への供給、被処理液体へのプラズマ照射、…というプラズマ処理工程が、所定量のプラズマ処理液体が生成されるまで繰り返し実行される。
以上説明したように、本実施形態の大気圧プラズマ照射装置10は、所定のスペースを区画するカバーハウジング22と、カバーハウジング22の内部に向かってプラズマを噴出するプラズマ発生装置20と、カバーハウジング22の内部にガスを供給するパージガス供給機構32と、カバーハウジング22の内部に設けられ、被処理液体を保持するステージ26と、カバーハウジング22の下部に設けられ、カバーハウジング22の内部からガスを排気するダクト口160と、ダクト口160の下方に設けられ、ステージ26から漏れ出た被処理液体の一部を溜める液溜まり部151と、を備えている。
このように、本実施形態の大気圧プラズマ照射装置10では、ステージ26から漏れ出た被処理液体は、ダクト口160近傍に設けられた液溜まり部151に溜まり、液溜まり部151の外には漏れ出さないので、ステージ26から漏れ出た被処理液体をダクト口近傍で留めることが可能となる。したがって、本実施形態の大気圧プラズマ照射装置10のように、液溜まり部151が設けられたL型配管150の下流にメイン配管154が設けられ、メイン配管154の内部にオゾンフィルタ166が設けられている場合、ステージ26から漏れ出た被処理液体はオゾンフィルタ166に到達しないので、ステージ26から漏れ出た被処理液体がオゾンフィルタ166にかかることにより、オゾンフィルタ166の機能が喪失されることを防止することができる。
ちなみに、本実施形態において、大気圧プラズマ照射装置10は、「プラズマ照射装置」の一例である。パージガス供給機構32は、「ガス供給装置」の一例である。ステージ26は、「保持部」の一例である。ステージ26から漏れ出た被処理液体の一部は、「液体」の一例である。
また、液溜まり部151は、チューブ状に形成され、チューブ状の液溜まり部151は、垂直方向に延びた状態で形成される。これにより、液溜まり部151はステージ26から漏れ出た被処理液体を確実にキャッチして、溜めておくことが可能となる。
また、液溜まり部151の少なくとも一部は、液溜まり部151内に溜まった被処理液体の一部を外部から観察できるように透明部材により構成される。これにより、作業者は液溜まり部151内に被処理液体が溜まっているか否かを外部から確認することができる。
また、本実施形態の大気圧プラズマ照射装置10はさらに、ステージ26を移動させ、ステージ26と、プラズマ発生装置20のカバーハウジング22の内部へのプラズマの噴出口72との間の距離を任意に変更する昇降装置28を備えている。これにより、プラズマ照射された培養液の効果に対する照射距離の影響を調べることが可能となり、効率的にプラズマ処理液体を生成することが可能となる。ちなみに、昇降装置28は、「移動装置」の一例である。
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
(1)上記実施形態では、被処理体として、培養液が採用されているが、培養液以外の液体を、被処理体として採用することが可能である。また、医療の分野に限られず、工業分野等の種々の分野に、本開示を適用することが可能である。
(2)上記実施形態では、液溜まり部151として、全体が透明の部材からなるものを採用したが、これに限らず、一部が透明の部材からなるものであってもよい。また、部材の性質としては、可撓性であっても、剛性であっても、いずれであってもよい。
(3)上記実施形態では、液溜まり部151は、何らかの原因で照射ブロック180から漏れ出した被処理液体(プラズマ処理液体も含む)を溜めるものとして説明したが、液溜まり部151は、照射ブロック180から漏れ出した被処理液体に限らず、例えば、被処理液体が蒸発して気体になった後、凝縮して液体に戻ったものも溜めることができる。つまり、液溜まり部151は、流れ込む液体であれば、液体の種類を問わず溜めることができる。