下記の各実施形態においては、本開示の測位方法、プログラム及び測位システムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
(概要)
図1、図2に示すように、複数のスキャナ4が設置された施設を想定する。複数のスキャナ4は、例えば、施設の天井に設置される。図2では、各スキャナ4の位置を黒丸で示している。施設は、例えば、オフィスビル、工場、複合商業施設、図書館、美術館、博物館、遊戯施設、テーマパーク、公園、空港、鉄道駅、球場、ホテル、病院及び住宅等である。その他、施設は、例えば、船舶及び鉄道車両等の移動体であってもよい。
施設を利用する複数のユーザは、それぞれ、ビーコン端末5を携帯する。測位システム1は、少なくとも1つのビーコン端末5及び複数のスキャナ4と共に用いられる。ビーコン端末5は、例えば、スマートフォンのような通信端末である。また、ビーコン端末5は、スマートフォンに限定されず、タブレット型の携帯端末でもよいし、タグ等の測位システム1専用の端末でもよい。また、ビーコン端末5は、ユーザの所有物であってもよいし、借り物であってもよい。図1では、1つのビーコン端末5のみを図示している。
各ビーコン端末5には、識別情報が割り当てられており、測位システム1は、識別情報に基づいて、複数のビーコン端末5を区別する。
ビーコン端末5は、ビーコン信号を送信する。複数のスキャナ4の各々は、ビーコン信号を受信し、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)を計測する。基本的に、ビーコン端末5とスキャナ4との間の距離が大きいほど、RSSIは小さくなる。測位システム1は、複数のスキャナ4の各々のRSSIに基づいて、複数のスキャナ4の各々とビーコン端末5との間の距離を求め、これにより、ビーコン端末5の位置を求めることができる。
ところが、ビーコン信号としての電波の干渉及び反射等により、RSSIにばらつきが生じることがある。例えば、あるスキャナ4がビーコン端末5から大きく離れているにも関わらず、瞬時的にRSSIが大きくなることがある。あるいは、あるスキャナ4がビーコン端末5に十分近いにも関わらず、瞬時的にRSSIが小さくなることがある。RSSIのばらつきは、ビーコン端末5の測位精度の低下の原因となり得る。そこで、本実施形態の測位システム1は、瞬時的に増減したRSSIの値を異常値として判定し、異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める。これにより、測位精度を向上させることができる。
本実施形態の測位システム1は、ビーコン端末5から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める測位システムである。測位システム1は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ4の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得する取得部21を備える。さらに、測位システム1は、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値と、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値と、の差が所定範囲外の値であれば、着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定部22を備える。さらに、測位システム1は、判定部22で異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める測位部23を備える。
本実施形態の測位方法は、測位システム1により実現される。測位方法は、ビーコン端末5から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める測位方法である。測位方法は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ4の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得するステップを含む。さらに、測位方法は、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値と、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値と、の差が所定範囲外の値であれば、着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定ステップを含む。さらに、測位方法は、判定ステップで異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求めるステップを含む。
本実施形態によれば、異常値であるRSSIを含む複数のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める場合と比較して、ビーコン端末5の測位精度を向上させることができる。
(詳細)
(1)全体構成
測位システム1、スキャナ4及びビーコン端末5の各々は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、測位システム1、スキャナ4及びビーコン端末5の各々の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
図1に示すように、測位システム1は、処理部2と、第1通信部31と、記憶部32と、を有する。スキャナ4は、第1通信部41と、第2通信部42と、記憶部43と、処理部44と、を有する。ビーコン端末5は、第1通信部51と、第2通信部52と、記憶部53と、処理部54と、を有する。
(1.1)第1通信部
測位システム1、スキャナ4及びビーコン端末5は、第1通信部31、41、51を介して相互に通信可能である。すなわち、本開示でいう「第1通信部」は、他の「第1通信部」と通信可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。なお、ビーコン端末5はユーザに携帯される機器なので、ビーコン端末5の第1通信部51は、通信方式として無線通信を利用する。
「第1通信部」の通信方式は、例えば、イーサネット(登録商標)の規格に準拠した通信方式、又はWiFi(登録商標)等である。
(1.2)第2通信部
スキャナ4の第2通信部42及びビーコン端末5の第2通信部52は、ビーコン端末5の位置を測定するために利用される。第2通信部42、52は、電波を利用した無線通信を行う通信機能を有する。第2通信部42、52の通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy、又はWiFi(登録商標)等である。
ビーコン端末5の第2通信部52は、無線信号であるビーコン信号を送信する。ビーコン信号は、例えばアドバタイズメント・パケットと呼ばれる無線信号である。第2通信部52は、ビーコン信号を、所定の時間間隔及び所定の送信電力で無線送信する。スキャナ4の第2通信部42は、第2通信部52から発信されるビーコン信号を受信する。ビーコン信号には、ビーコン端末5の識別情報が含まれている。識別情報は、例えば、Bluetooth(登録商標) Device Addressである。スキャナ4は、ビーコン端末5から送信されたビーコン信号を、第2通信部42において受信する。
(2)ビーコン端末
ビーコン端末5の記憶部53は、ビーコン端末5に関する情報を記憶している。ビーコン端末に関する情報は、例えば、ビーコン端末5の識別情報を含む。
ビーコン端末5の処理部54は、ビーコン端末5の全体的な制御を行う。
(3)スキャナ
複数のスキャナ4は、マトリックス状に並んでいる(図2参照)。複数のスキャナ4は、等間隔に並んでいる。
スキャナ4の記憶部43は、スキャナ4に関する情報を記憶している。スキャナ4に関する情報は、例えば、スキャナ4の識別情報を含む。
スキャナ4の処理部44は、スキャナ4の第2通信部42で受信されたビーコン信号のRSSIを求める。また、処理部44は、スキャナ4の全体的な制御を行う。
(4)測位システム
測位システム1は、例えば、サーバコンピュータである。測位システム1は、複数のスキャナ4が設置された施設内に設置されていてもよいし、施設外に設置されていてもよい。
測位システム1の記憶部32は、複数のスキャナ4の位置情報及び識別情報を記憶している。複数のスキャナ4の位置情報及び識別情報は、例えば、複数のスキャナ4が施設に設置された際に、施設の管理者等が測位システム1に登録する。あるいは、複数のスキャナ4の位置情報及び識別情報は、例えば、複数のスキャナ4から測位システム1へ送信される。複数のスキャナ4の位置情報は、複数のスキャナ4の相互間の距離の情報を含む。
測位システム1の処理部2は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理部2の機能が実現される。つまり、測位システム1は、本実施形態の測位方法を実行するための1以上のプロセッサを備える。また、本実施形態のプログラムは、本実施形態の測位方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
処理部2は、取得部21と、判定部22と、測位部23と、を有する。取得部21、判定部22及び測位部23は、処理部2によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
取得部21は、複数のスキャナ4の各々から、ビーコン信号のRSSIを取得する。より詳細には、取得部21は、第1通信部31を介して、RSSIを取得する。また、取得部21は、RSSIに対応するビーコン端末5の識別情報及びRSSIに対応するスキャナ4の識別情報をRSSIと共に取得する。なお、あるビーコン端末5から送信されたビーコン信号をあるスキャナ4が受信し、RSSIが計測された場合、このRSSIに関して、「RSSIに対応するビーコン端末5」は、上記あるビーコン端末5であり、「RSSIに対応するスキャナ4」は、上記あるスキャナ4である。
判定部22は、各スキャナ4で計測されたRSSIが異常値であるか否かを判定する。
測位部23は、複数のスキャナ4で計測された複数のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める。ここで、測位部23は、判定部22で異常値と判定されたRSSIを除いて、他のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める。
(5)測位方法
以下、複数のRSSIに基づいてビーコン端末5を測位する測位方法の一例を説明する。
図2では、部屋に設置された25個のスキャナ4に、A~Yの符号を付記することで、25個のスキャナ4を区別して示している。以下では、「A」の符号を付記されたスキャナ4を「A」のスキャナ4と呼ぶ。「B」~「Y」の符号を付記されたスキャナ4についても同様に、「B」~「Y」の符号と共に呼ぶ。
図2に矢印で示すように、ビーコン端末5を所持するユーザが、「C」のスキャナ4の近傍から「R」のスキャナ4の近傍まで移動する場合を想定する。また、ここでは、ユーザは一定速度で直線移動すると仮定する。各スキャナ4は、ある時点にRSSIを所定のサンプル数(本実施形態では、3回)だけ計測し、所定時間が経過するごとに、RSSIを所定のサンプル数だけ計測する。具体的には、各スキャナ4は、時点t0、t1、……、t8にそれぞれ、RSSIを3回計測する。図2では、時点tα(α=0、1、……、8)におけるビーコン端末5(ユーザ)の位置に、tαの符号を付記している。時点と、次の時点と、の間隔は、例えば、1秒である。なお、ある時点にRSSIを所定のサンプル数だけ計測するとは、所定のサンプル数のRSSIを同時に計測することに限らず、時点と、次の時点と、の間隔と比較して短い時間(例えば、0.05秒)に所定のサンプル数のRSSIを順に計測することであってもよい。
図3に、「C」のスキャナ4におけるRSSIの計測結果の一例を示す。図3のドットがそれぞれ、RSSIの瞬時値を表す。曲線c1は、「C」のスキャナ4とビーコン端末5との間の距離dから算出されるRSSIの理論値である。距離dとRSSIの理論値との関係は、[数1]で表される。
Tpowerは、「C」のスキャナ4から1m離れた場所でビーコン端末5がビーコン信号を発信した場合に、このビーコン信号を受信した「C」のスキャナ4で計測されたRSSIである。Tpowerは、測位システム1の記憶部32に予め記憶されている。
処理部2の判定部22は、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を抽出する。ここでは、着目するスキャナ4を、「C」のスキャナ4とする。所定の時点を、時点t8とする。時点t8は、現在に最も近い時点である。つまり、所定の時点は、最新のRSSIが計測された時点である。要するに、判定部22は、時点t8における「C」のスキャナ4のRSSIの瞬時値iv1、iv2、iv3(図3参照)を抽出する。
また、判定部22は、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値Ave1(図3参照)を算出する。ここでは、対象スキャナを、「C」のスキャナ4とする。つまり、対象スキャナは、「着目するスキャナ4」である。所定の期間を、時点t4から時点t7までの期間とする。つまり、所定の期間は、所定の時点t8よりも前の期間である。より詳細には、所定の期間は、所定の時点t8の1つ前の計測時点(時点t7)を含む期間である。
上述の通り、判定部22は、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値Ave1を算出する。つまり、判定部22は、時点t4における3つのRSSI、時点t5における3つのRSSI、時点t6における3つのRSSI、及び、時点t7における3つのRSSIからなる12個のRSSIの平均値Ave1を算出する。
判定部22は、抽出した瞬時値iv1、iv2、iv3それぞれについて、異常値であるか否かを判定する。より詳細には、判定部22は、瞬時値と平均値Ave1との差が所定範囲外の値であれば、瞬時値を異常値と判定する。例えば、判定部22は、瞬時値から平均値Ave1を引いた値を、瞬時値と平均値Ave1との差として求める。図3では、瞬時値iv1と平均値Ave1との差Δr1は、約25[dBm]である。所定範囲は、0を含む範囲である。また、所定範囲の上限値及び下限値は、測位システム1の記憶部32(図1参照)に予め記憶されている。ここでは、所定範囲を、-20[dBm]以上20[dBm]以下の範囲とする。瞬時値iv1と平均値Ave1との差Δr1は、所定範囲外の値なので、判定部22は、瞬時値iv1を異常値と判定する。一方で、瞬時値iv2、iv3については、平均値Ave1との差が所定範囲内の値となるので、判定部22は、瞬時値iv2、iv3を異常値でない(正常値である)と判定する。
所定範囲の上限値及び下限値は、所定の期間と所定の時点t8との間隔から想定されるビーコン端末5の移動量に基づいて予め決定される。例えば、所定の期間の中間の時点と所定の時点t8との間に、ビーコン端末5を所持するユーザが最大8m移動すると考えられる場合を想定する。この場合、所定範囲の上限値は、[数1]により求められる変化量、すなわち、スキャナ4とビーコン端末5との間の距離が8m変化するときのRSSIの変化量に決定され、所定範囲の下限値は、上限値の-1倍の値に決定される。
判定部22は、「C」のスキャナ4以外のスキャナ4についても同様に、順に「着目するスキャナ4」とし、時点t8のRSSIの瞬時値が異常値であるか否かを判定する。
測位システム1の測位部23(図1参照)は、異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める。より詳細には、測位部23は、[数2]により、複数のスキャナ4の各々とビーコン端末5との間の距離dを求める。
[数2]のRSSI_aveは、異常値と判定されたRSSIを除いた、RSSIの平均値である。例えば、「C」のスキャナ4の時点t8におけるRSSI_aveは、瞬時値iv1、iv2、iv3のうち異常値を除いた瞬時値iv2、iv3の平均値である。
さらに、測位部23は、例えば、複数のスキャナ4の位置情報と、複数のスキャナ4の各々とビーコン端末5との間の距離dと、を用いて3点測位を行うことにより、ビーコン端末5の位置を求める。
上記のように、測位システム1は、対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値Ave1に対する乖離が大きいRSSIの瞬時値を異常値とし、ビーコン端末5の測位に用いない。これにより、例えば、あるスキャナ4においてRSSIの瞬時値が瞬時的に大きくなり、上記スキャナ4とビーコン端末5との間の距離が実際よりも短い距離として算出される可能性を低減できる。また、例えば、あるスキャナ4においてRSSIの瞬時値が瞬時的に小さくなり、上記スキャナ4とビーコン端末5との間の距離が実際よりも長い距離として算出される可能性を低減できる。したがって、本実施形態の測位システム1を用いることにより、測位精度を向上させることができる。
上記の測位方法を、図4にフローチャートとして示す。なお、図4に示すフローチャートは、本開示に係る測位方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
ステップST1において、各スキャナ4がRSSIを計測する。計測されたRSSIは、逐次、測位システム1の取得部21に取得される。ある時点(例えば、時点t8)にRSSIが計測されると、次に、ステップST2において、判定部22は、着目するスキャナ4を選択する。例えば、判定部22は、まずは、「A」のスキャナ4を選択する。後のステップST5からステップST2に戻ると、判定部22は、別のスキャナ4を選択する。全てのスキャナ4が選択されるまで、ステップST2~ST5が繰り返される。
ステップST2の後、ステップST3では、判定部22は、着目するスキャナ4の所定の時点t8におけるRSSI、すなわち、最新のRSSIから、同スキャナ4の所定の期間のRSSIの平均値Ave1を引いた値を求める。この値が、所定範囲外の値である場合、判定部22は、最新のRSSIは異常値であると判定する(ステップST4)。
全てのスキャナ4を順に着目するスキャナ4とするまで、すなわち、ステップST5の判定が「Yes」となるまで、ステップST2~ST4により、判定部22は、RSSIの瞬時値が異常値であるか否かを判定する。つまり、判定部22は、全てのスキャナ4の所定の時点t8のRSSIの瞬時値について、異常値であるか否かを判定する。その後、測位部23は、異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIによりビーコン端末5の位置を求める(ステップST6)。
次の時点(例えば、時点t8の1秒後の時点)に、各スキャナ4はRSSIを計測する(ステップST1)。新たなRSSIについても同様に、判定部22は、異常値であるか否かを判定する。
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
実施形態1では、判定部22は、瞬時値iv1と平均値Ave1との差Δr1が所定範囲外の値である場合、瞬時値iv1を異常値と判定する。ここで、所定範囲は、上限値と下限値とのうち一方のみを有していてもよい。つまり、判定部22は、差Δr1が上限値より大きい場合にのみ、瞬時値iv1を異常値と判定してもよいし、差Δr1が下限値より小さい場合にのみ、瞬時値iv1を異常値と判定してもよい。
実施形態1では、対象スキャナは、着目するスキャナ4である。これに対して、対象スキャナは、複数のスキャナ4のうち所定の期間のRSSIの平均値が最も大きいスキャナ4であってもよい。判定部22は、複数のスキャナ4の各々について所定の期間のRSSIの平均値を求めることで、平均値が最も大きいスキャナ4を特定し、当該スキャナ4を対象スキャナとして選択する。例えば、所定の期間が時点t4から時点t7までの期間である場合、図2に示す複数(25個)のスキャナ4のうち所定の期間のRSSIの平均値が最も大きいスキャナ4は、所定の期間にビーコン端末5の近傍に位置するスキャナ4(例えば、「M」又は「R」のスキャナ4)となる可能性が高い。
実施形態1では、所定の期間は、所定の時点t8よりも前の時点である。これに対して、所定の期間は、所定の時点t8を含んでいてもよい。
あるいは、所定の期間は、所定の時点t8よりも後の時点であってもよい。この場合、判定部22は、過去の所定の時点t8のRSSIの瞬時値が異常値であるか否かを判定することになる。
実施形態1では、複数のスキャナ4の各々は、各時点t0~t8にそれぞれ3回、RSSIを計測する。これに対して、各時点t0~t8における計測回数は、1回、2回又は4回以上であってもよい。
所定の期間の長さが、実施形態1と異なる長さであってもよい。
複数のスキャナ4及び1以上のビーコン端末5のうち少なくとも1つが、測位システム1の構成に含まれていてもよい。
本開示での2値の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「以下」においても「未満」と同義であってもよい。
本開示における測位システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における測位システム1としての機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、測位システム1における複数の機能が、1つの装置に集約されていることは測位システム1に必須の構成ではなく、測位システム1の構成要素は、複数の装置に分散して設けられていてもよい。さらに、測位システム1の少なくとも一部の機能、例えば、判定部22の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
(実施形態2)
以下、実施形態2について説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態2において、測位システム1、ビーコン端末5及びスキャナ4の構成は、実施形態1と同様である。実施形態1と実施形態2とでは、測位システム1の判定部22における処理が相違する。
実施形態1では、判定部22は、所定の条件を満たす場合に、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する。これに対して、実施形態2では、判定部22は、複数の条件を全て満たす場合に、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する。上記所定の条件は、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値と、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値と、の差が所定範囲外の値であるという条件である。後述するように、上記複数の条件は第1条件、第2条件及び第3条件を含み、第1条件は上記所定の条件の一例である。要するに、実施形態1、2の判定部22は、上記所定の条件を含む1以上の条件を満たす場合に、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定し、実施形態2では、上記1以上の条件は、複数の条件である。
本実施形態の測位システム1は、ビーコン端末5から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める測位システムである。測位システム1は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ4の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得する取得部21を備える。さらに、測位システム1は、第1条件、第2条件及び第3条件を含む複数の条件を全て満たす場合に、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定部22を備える。さらに、測位システム1は、判定部22で異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める測位部23を備える。第1条件は、着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値から、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの第1平均値を引いた値が閾値よりも大きいという条件である。第1平均値は、第1期間のRSSIの平均値である。第1期間は、所定の時点よりも前の期間、又は、所定の時点を含む期間である。第2条件は、着目するスキャナ4に関して、第1平均値が、第1期間よりも前の第2期間のRSSIの平均値である第2平均値よりも小さいという条件である。第3条件は、複数のスキャナ4のうち第1平均値が最も大きいスキャナ4に関して、第1平均値が第2平均値よりも大きいという条件である。
本実施形態の測位方法は、ビーコン端末5から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める測位方法である。測位方法は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ4の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得するステップを含む。さらに、測位方法は、第1条件、第2条件及び第3条件を含む複数の条件を全て満たす場合に、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定ステップを含む。さらに、測位方法は、判定ステップで異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求めるステップを含む。第1条件は、着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値から、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの第1平均値を引いた値が閾値よりも大きいという条件である。第1平均値は、第1期間のRSSIの平均値である。第1期間は、所定の時点よりも前の期間、又は、所定の時点を含む期間である。第2条件は、着目するスキャナ4に関して、第1平均値が、第1期間よりも前の第2期間のRSSIの平均値である第2平均値よりも小さいという条件である。第3条件は、複数のスキャナ4のうち第1平均値が最も大きいスキャナ4に関して、第1平均値が第2平均値よりも大きいという条件である。
以下、本実施形態の測位方法について、より詳細に説明する。
まず、図2を参照されたい。実施形態1と同様に、ビーコン端末5を所持するユーザが、「C」のスキャナ4の近傍から「R」のスキャナ4の近傍まで移動する場合を想定する。図3に、「C」のスキャナ4におけるRSSIの計測結果の一例を示す。図5に、「R」のスキャナ4におけるRSSIの計測結果の一例を示す。図5の曲線c2は、「R」のスキャナ4とビーコン端末5との間の距離dから算出されるRSSIの理論値である。
判定部22は、複数のスキャナ4のうち着目するスキャナ4の所定の時点のRSSIの瞬時値を抽出する。ここでは、着目するスキャナ4を、「C」のスキャナ4とする。所定の時点を、時点t8とする。要するに、判定部22は、時点t8における「C」のスキャナ4のRSSIの瞬時値iv1、iv2、iv3(図3参照)を抽出する。
また、判定部22は、複数のスキャナ4のうち所定の対象スキャナの第1期間のRSSIの平均値である第1平均値Ave1(図3参照)を算出する。第1平均値Ave1は、実施形態1の「平均値Ave1」と一致する。ここでは、対象スキャナを、「C」のスキャナ4とする。つまり、対象スキャナは、「着目するスキャナ4」である。第1期間を、時点t4から時点t7までの期間とする。つまり、第1期間は、所定の時点t8の1つ前の計測時点(時点t7)を含む期間である。
さらに、判定部22は、着目するスキャナ4(「C」のスキャナ4)の第2期間のRSSIの平均値である第2平均値Ave2(図3参照)を算出する。第2期間は、第1期間よりも前の期間である。第2期間が第1期間よりも前の期間であるとは、第2期間の始点(時点t0)が第1期間の始点(時点t4)よりも前の時点であり、かつ、第2期間の終点(時点t3)が第1期間の終点(時点t7)よりも前の時点であることをいう。本実施形態では、第2期間を、時点t0から時点t3までの期間とする。つまり、本実施形態では、第2期間の終点は、第1期間の始点よりも前の時点である。なお、第2期間の終点は、第1期間の始点よりも後の時点でもよい。
さらに、判定部22は、複数のスキャナ4について、個別の第1平均値Ave1を算出する。そして、複数のスキャナ4のうち、第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4を特定し、このスキャナ4の第2平均値Ave2(図5参照)を算出する。ここでは、複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4は、「R」のスキャナ4であるとする。
判定部22は、着目するスキャナ4の所定の時点t8の瞬時値iv1、iv2、iv3それぞれについて、異常値であるか否かを判定する。より詳細には、判定部22は、上述の第1条件、第2条件及び第3条件を含む複数の条件を全て満たす場合に、該当する瞬時値を異常値と判定する。判定部22は、複数の条件のうち少なくとも1つが満たされない場合に、該当する瞬時値を異常値ではない(正常値である)と判定する。本実施形態では、複数の条件は、第1条件、第2条件及び第3条件のみからなる。
まず、第1条件について説明する。第1条件は、着目するスキャナ4(「C」のスキャナ4)の所定の時点t8のRSSIの瞬時値から、対象スキャナ(「C」のスキャナ4)の第1平均値Ave1を引いた値が、閾値よりも大きいという条件である。閾値は、例えば、0よりも大きい。第1条件は、実施形態1において所定範囲が上限値と下限値とのうち上限値のみを有する場合の、異常値の判定条件(上記所定の条件)と同様である。ここでは、閾値を20[dBm]とする。図3では、瞬時値iv1、iv2、iv3のうち瞬時値iv1のみが、瞬時値から第1平均値Ave1を引いた値(差Δr1)が閾値よりも大きいという条件を満たす。
次に、第2条件について説明する。第2条件は、着目するスキャナ4(「C」のスキャナ4)に関して、第1平均値Ave1が第2平均値Ave2よりも小さいという条件である。つまり、基本的に、第2条件は、第2期間から第1期間までの間に、ビーコン端末5が着目するスキャナ4から遠ざかる場合に満たされる条件である。図3では、着目するスキャナ4(「C」のスキャナ4)において第2条件が満たされる。
次に、第3条件について説明する。第3条件は、複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4(「R」のスキャナ4)に関して、第1平均値Ave1が第2平均値Ave2よりも大きいという条件である。つまり、基本的に、第3条件は、第2期間から第1期間までの間に、ビーコン端末5が、第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4に近づく場合に満たされる条件である。図5では、第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4(「R」のスキャナ4)において第3条件が満たされる。
以上説明したように、図3、図5に示す例では、第2条件及び第3条件が満たされ、さらに、瞬時値iv1に関して第1条件が満たされる。したがって、判定部22は、着目するスキャナ4(「C」のスキャナ4)の所定の時点t8のRSSIの瞬時値iv1を異常値と判定する。瞬時値iv2、iv3は、第1条件を満たさないので、異常値ではない(正常値である)と判定される。
本実施形態の異常値の判定を定性的に説明する。第2条件及び第3条件により、第2期間から第1期間までの間にビーコン端末5が「C」のスキャナ4から遠ざかり「R」のスキャナ4に近づいたことが判定される。これにも関わらず、「C」のスキャナ4における瞬時値iv1が大きな値となったことが、第1条件により判定される。このような場合に、判定部22は、瞬時値iv1を異常値と判定する。
判定部22は、「C」のスキャナ4以外のスキャナ4についても同様に、順に「着目するスキャナ4」とし、時点t8のRSSIの瞬時値が異常値であるか否かを判定する。
測位システム1の測位部23(図1参照)は、異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める。すなわち、実施形態1と同様に、測位部23は、[数2]により、複数のスキャナ4の各々とビーコン端末5との間の距離dを求める。さらに、測位部23は、例えば、複数のスキャナ4の位置情報と、複数のスキャナ4の各々とビーコン端末5との間の距離dと、を用いて3点測位を行うことにより、ビーコン端末5の位置を求める。
以上説明した、本実施形態の測位方法によれば、異常値であるRSSIを含む複数のRSSIに基づいてビーコン端末5の位置を求める場合と比較して、ビーコン端末5の測位精度を向上させることができる。また、第2条件及び第3条件により、ビーコン端末5が移動したか否かを判定可能である。つまり、ビーコン端末5が移動した場合にのみ、移動に伴う異常値の発生を判定できる。そのため、測位システム1の判定部22における処理量を低減できる。
上記の測位方法を、図6にフローチャートとして示す。なお、図6に示すフローチャートは、本開示に係る測位方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
ステップST21において、各スキャナ4がRSSIを計測する。計測されたRSSIは、逐次、測位システム1の取得部21に取得される。ある時点(例えば、時点t8)にRSSIが計測されると、次に、ステップST22において、判定部22は、着目するスキャナ4を選択する。例えば、判定部22は、まずは、「A」のスキャナ4を選択する。後のステップST27からステップST22に戻ると、判定部22は、別のスキャナ4を選択する。全てのスキャナ4が選択されるまで、ステップST22~ST27が繰り返される。
ステップST22の後、ステップST23では、判定部22は、着目するスキャナ4の所定の時点t8におけるRSSI、すなわち、最新のRSSIから、同スキャナ4の第1平均値Ave1を引いた値を求める。この値が閾値よりも大きい場合、ステップST24に進む。一方で、この値が閾値以下の場合、判定部22は、最新のRSSIが正常値であると判定する。
ステップST24では、判定部22は、着目するスキャナ4の第1平均値Ave1が第2平均値Ave2よりも小さいか否かを判定する。第1平均値Ave1が第2平均値Ave2よりも小さい場合、ステップST25に進む。一方で、第1平均値Ave1が第2平均値Ave2以上の場合、判定部22は、最新のRSSIが正常値であると判定する。
ステップST25では、判定部22は、第1平均値Ave1が最大のスキャナ4の第1平均値Ave1が第2平均値Ave2よりも大きいか否かを判定する。第1平均値Ave1が第2平均値Ave2よりも大きい場合、判定部22は、最新のRSSIが異常値であると判定する(ステップST26)。一方で、第1平均値Ave1が第2平均値Ave2以下の場合、判定部22は、最新のRSSIが正常値であると判定する。
全てのスキャナ4を順に着目するスキャナ4とするまで、すなわち、ステップST27の判定が「Yes」となるまで、ステップST22~ST26により、判定部22は、RSSIの瞬時値が異常値であるか否かを判定する。その後、測位部23は、異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIによりビーコン端末5の位置を求める(ステップST28)。
次の時点(例えば、時点t8の1秒後の時点)に、各スキャナ4はRSSIを計測する(ステップST21)。新たなRSSIについても同様に、判定部22は、異常値であるか否かを判定する。
なお、実施形態2でも、実施形態1と同様に、測位システム1は、測位方法を実行するための1以上のプロセッサ(処理部2)を備えている。また、一態様に係るプログラムは、実施形態2の測位方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
(実施形態2の変形例1)
以下、実施形態2の変形例1について説明する。実施形態2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
変形例1において、異常値を判定するための複数の条件は、第1条件、第2条件及び第3条件に加えて、第4条件を更に含む。第4条件は、着目するスキャナ4の第2平均値Ave2から、複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4の第1平均値Ave1を引いた値が、所定値よりも大きいという条件である。所定値は、0よりも大きい。
着目するスキャナ4を、「C」のスキャナ4とする。複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4は、「R」のスキャナ4であるとする。図3、図5を参照すると、「C」のスキャナ4の第2平均値Ave2から「R」のスキャナ4の第1平均値Ave1を引いた値は、約5[dBm]である。
「R」のスキャナ4の第1平均値Ave1は、最大の第1平均値なので、第4条件が満たされる場合、「C」のスキャナ4の第1平均値Ave1は、「R」のスキャナ4の第1平均値Ave1よりも小さい。このように、第2期間の第2平均値Ave2と比較して、第1期間の「C」のスキャナ4の第1平均値Ave1が十分小さいと判定される場合であって、第1条件より「C」のスキャナ4の瞬時値が大きいと判定される場合に、判定部22は瞬時値を異常値と判定する。
(実施形態2の変形例2)
以下、実施形態2の変形例2について説明する。実施形態2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例2において、異常値を判定するための複数の条件は、着目するスキャナ4(例えば、「C」のスキャナ4)に関して、第2平均値Ave2から第1平均値Ave1を引いた値が、比較値よりも大きいという第5条件を含む。比較値は、0よりも大きい。
また、本変形例2において、異常値を判定するための複数の条件は、複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4(例えば、「R」のスキャナ4)に関して、第1平均値Ave1から第2平均値Ave2を引いた値が、参照値よりも大きいという第6条件を含む。参照値は、0よりも大きい。
着目するスキャナ4に関して、第2平均値Ave2から第1平均値Ave1を引いた値は、第2期間から第1期間までのビーコン端末5の移動量に応じて変化する。同様に、第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4に関して、第1平均値Ave1から第2平均値Ave2を引いた値は、第2期間から第1期間までのビーコン端末5の移動量に応じて変化する。つまり、本変形例2では、ビーコン端末5の移動量が一定以上である場合に限り、異常値の判定がなされる。
なお、異常値を判定するための複数の条件は、第5条件と第6条件とのうち、一方を含まなくてもよい。
(実施形態2の変形例3)
以下、実施形態2の変形例3について説明する。実施形態2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例3では、対象スキャナは、複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4である。このようなスキャナ4の第1平均値Ave1と、着目するスキャナ4の瞬時値と、の差が閾値よりも大きい場合に、第1条件が満たされる。
本変形例3の測位方法は、複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4と、複数のスキャナ4のうち第2平均値Ave2が最も大きいスキャナ4と、の間の距離に基づいて閾値を決定する処理を更に含んでいてもよい。判定部22は、上記2つのスキャナ4の各々の座標に基づいて、上記距離を演算する。
上記距離は、第2期間から第1期間までのビーコン端末5の移動量に相当する。電波の干渉及び反射等の影響を考慮しない場合、上記距離が大きいほど、着目するスキャナ4の瞬時値が小さくなる。そこで、例えば、上記距離が大きいほど、閾値を小さくしてもよい。
(実施形態2のその他の変形例)
以下、実施形態2のその他の変形例を列挙する。以下の変形例及び上述の変形例1、2、3は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、実施形態1の変形例は、実施形態2にも適宜適用可能である。また、実施形態1の変形例が、実施形態2の変形例に適宜組み合わせて実現されてもよい。
着目するスキャナ4は、複数のスキャナ4のうち第2平均値Ave2が最も大きいスキャナ4であってもよい。つまり、このようなスキャナ4の瞬時値の異常の有無が判定されてもよい。
実施形態2では、第1期間は、所定の時点t8よりも前の時点である。これに対して、第1期間は、所定の時点t8を含んでいてもよい。
第1期間及び第2期間の長さがそれぞれ、実施形態2と異なる長さであってもよい。また、第1期間の長さと第2期間の長さとが互いに異なっていてもよい。
異常値を判定するための複数の条件は、複数のスキャナ4のうち第1平均値Ave1が最も大きいスキャナ4と、複数のスキャナ4のうち第2平均値Ave2が最も大きいスキャナ4と、の間の距離が予め決められた値よりも大きいという第7条件を更に含んでいてもよい。上記2つのスキャナ4の各々の座標に基づいて、上記距離が演算される。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る測位方法は、ビーコン端末(5)から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める測位方法である。測位方法は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ(4)の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得するステップを含む。さらに、測位方法は、複数のスキャナ(4)のうち着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値と、複数のスキャナ(4)のうち所定の対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値と、の差が所定範囲外の値であれば、着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定ステップを含む。さらに、測位方法は、判定ステップで異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求めるステップを含む。
上記の構成によれば、異常値であるRSSIを含む複数のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める場合と比較して、ビーコン端末(5)の測位精度を向上させることができる。
また、第2の態様に係る測位方法では、第1の態様において、所定の期間は、所定の時点よりも前の期間である。
上記の構成によれば、リアルタイムで異常値を除去しつつ、測位することが可能となる。
また、第3の態様に係る測位方法では、第1又は2の態様において、対象スキャナは、着目するスキャナ(4)である。
上記の構成によれば、着目するスキャナ(4)のRSSIの変化から、異常値を発見できる。
また、第4の態様に係る測位方法では、第1又は2の態様において、対象スキャナは、複数のスキャナ(4)のうち所定の期間のRSSIの平均値(Ave1)が最も大きいスキャナ(4)である。
上記の構成によれば、着目するスキャナ(4)のRSSIと対象スキャナのRSSIとの比較により、異常値を発見できる。
また、第5の態様に係る測位方法は、ビーコン端末(5)から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める測位方法である。測位方法は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ(4)の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得するステップを含む。さらに、測位方法は、第1条件、第2条件及び第3条件を含む複数の条件を全て満たす場合に、複数のスキャナ(4)のうち着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定ステップを含む。さらに、測位方法は、判定ステップで異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求めるステップを含む。第1条件は、着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値から、複数のスキャナ(4)のうち所定の対象スキャナの第1平均値(Ave1)を引いた値が閾値よりも大きいという条件である。第1平均値(Ave1)は、所定の時点よりも前の又は所定の時点を含む第1期間のRSSIの平均値である。第2条件は、着目するスキャナ(4)に関して、第1平均値(Ave1)が、第1期間よりも前の第2期間のRSSIの平均値である第2平均値(Ave2)よりも小さいという条件である。第3条件は、複数のスキャナ(4)のうち第1平均値(Ave1)が最も大きいスキャナ(4)に関して、第1平均値(Ave1)が第2平均値(Ave2)よりも大きいという条件である。
上記の構成によれば、異常値であるRSSIを含む複数のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める場合と比較して、ビーコン端末(5)の測位精度を向上させることができる。また、第2条件及び第3条件により、ビーコン端末(5)が移動したか否かを判定可能である。つまり、ビーコン端末(5)が移動した場合にのみ、移動に伴う異常値の発生を判定できる。そのため、測位方法を実現するための処理量を低減できる。
また、第6の態様に係る測位方法では、第5の態様において、複数の条件は、着目するスキャナ(4)の第2平均値(Ave2)から、複数のスキャナ(4)のうち第1平均値(Ave1)が最も大きいスキャナ(4)の第1平均値(Ave1)を引いた値が、0よりも大きい所定値よりも大きいという条件を更に含む。
上記の構成によれば、異常の無いRSSIを異常値と誤判定する可能性を低減できる。
また、第7の態様に係る測位方法では、第5又は6の態様において、複数の条件は、着目するスキャナ(4)に関して、第2平均値(Ave2)から第1平均値(Ave1)を引いた値が、0よりも大きい比較値よりも大きいという条件を含む。
上記の構成によれば、ビーコン端末(5)の移動による変化するRSSIの中から、異常値を発見できる。
また、第8の態様に係る測位方法では、第5~7の態様のいずれか1つにおいて、複数の条件は、複数のスキャナ(4)のうち第1平均値(Ave1)が最も大きいスキャナ(4)に関して、第1平均値(Ave1)から第2平均値(Ave2)を引いた値が、0よりも大きい参照値よりも大きいという条件を含む。
上記の構成によれば、ビーコン端末(5)の移動による変化するRSSIの中から、異常値を発見できる。
また、第9の態様に係る測位方法では、第5~8の態様のいずれか1つにおいて、複数の条件は、複数のスキャナ(4)のうち第1平均値(Ave1)が最も大きいスキャナ(4)と、複数のスキャナ(4)のうち第2平均値(Ave2)が最も大きいスキャナ(4)と、の間の距離が予め決められた値よりも大きいという条件を更に含む。
上記の構成によれば、ビーコン端末(5)の移動による変化するRSSIの中から、異常値を発見できる。
また、第10の態様に係る測位方法では、第5~9の態様のいずれか1つにおいて、着目するスキャナ(4)は、複数のスキャナ(4)のうち第2平均値(Ave2)が最も大きいスキャナ(4)である。
上記の構成によれば、異常値の有無を判定する対象となるスキャナ(4)を絞り込むことができる。
また、第11の態様に係る測位方法では、第5~10の態様のいずれか1つにおいて、対象スキャナは、着目するスキャナ(4)である。
上記の構成によれば、着目するスキャナ(4)のRSSIの変化から、異常値を発見できる。
また、第12の態様に係る測位方法では、第5~10の態様のいずれか1つにおいて、対象スキャナは、複数のスキャナ(4)のうち第1平均値(Ave1)が最も大きいスキャナ(4)である。
上記の構成によれば、着目するスキャナ(4)のRSSIと対象スキャナのRSSIとの比較により、異常値を発見できる。
第1の態様又は第5の態様以外の構成については、本開示の測位方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第13の態様に係るプログラムは、第1~12の態様のいずれか1つに係る測位方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
上記の構成によれば、ビーコン端末(5)の測位精度を向上させることができる。
また、第14の態様に係る測位システム(1)は、ビーコン端末(5)から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める測位システムである。測位システム(1)は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ(4)の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得する取得部(21)を備える。さらに、測位システム(1)は、複数のスキャナ(4)のうち着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値と、複数のスキャナ(4)のうち所定の対象スキャナの所定の期間のRSSIの平均値と、の差が所定範囲外の値であれば、着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定部(22)を備える。さらに、測位システム(1)は、判定部(22)で異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める測位部(23)を備える。
上記の構成によれば、ビーコン端末(5)の測位精度を向上させることができる。
また、第15の態様に係る測位システム(1)は、ビーコン端末(5)から送信されたビーコン信号のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める測位システムである。測位システム(1)は、ビーコン信号を受信する複数のスキャナ(4)の各々におけるビーコン信号のRSSIを取得する取得部(21)を備える。さらに、測位システム(1)は、第1条件、第2条件及び第3条件を含む複数の条件を全て満たす場合に、複数のスキャナ(4)のうち着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値を異常値と判定する判定部(22)を備える。さらに、測位システム(1)は、判定部(22)で異常値と判定されたRSSIを除いた2以上のRSSIに基づいてビーコン端末(5)の位置を求める測位部(23)を備える。第1条件は、着目するスキャナ(4)の所定の時点のRSSIの瞬時値から、複数のスキャナ(4)のうち所定の対象スキャナの第1平均値(Ave1)を引いた値が閾値よりも大きいという条件である。第1平均値(Ave1)は、所定の時点よりも前の又は所定の時点を含む第1期間のRSSIの平均値である。第2条件は、着目するスキャナ(4)に関して、第1平均値(Ave1)が、第1期間よりも前の第2期間のRSSIの平均値である第2平均値(Ave2)よりも小さいという条件である。第3条件は、複数のスキャナ(4)のうち第1平均値(Ave1)が最も大きいスキャナ(4)に関して、第1平均値(Ave1)が第2平均値(Ave2)よりも大きいという条件である。
上記の構成によれば、ビーコン端末(5)の測位精度を向上させることができる。
上記態様に限らず、各実施形態に係る測位システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、測位方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体にて具現化可能である。