JP7724669B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

使い捨ておむつ

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Description

本発明は、使い捨ておむつに関するものである。
装着時におむつ本体の背側部と腹側部とを綴じ合わせるファスニングテープを備えた使い捨ておむつが知られている(例えば、特許文献1~特許文献3参照)。ここで、特許文献1は、おむつ本体の背側部に幅方向に伸縮する伸縮パネルを設け、伸縮パネルの端部にファスニングテープを固定した構成を開示している。特許文献2は、ファスニングテープが両側部に取り付けられたおむつ本体の背側部に、幅方向に伸縮する伸縮部を設けた構成を開示している。特許文献3は、ファスニングテープが取り付けられたおむつ本体の両側部又はファスニングテープの少なくとも一方が幅方向に伸縮する構成を開示している。
特許第4976536号 特許第6017081号 特開2003-180751号
ところで、従来の使い捨ておむつでは、ファスニングテープや、おむつ本体の背側部の一部が伸縮する。しかし、ファスニングテープが伸縮する場合では、ファスニングテープを持って引っ張ると、ファスニングテープが伸長する。このため、ファスニングテープをどの程度引っ張ればおむつ本体が着用者に適度にフィットするのかを容易に把握できず、ファスニングテープの引っ張り具合が見極めにくい。これにより、容易におむつを装着させられないという問題が生じる。また、背側部の一部が伸縮する場合では、着用者の体型に拘らずにおむつ本体を着用者の体にフィットさせるため、伸縮部分の伸縮強度を高める必要がある。しかし、この場合、着用者の体型によっては、背側部の伸縮する部分が収縮したままの状態でおむつを着用せざる得ないことがある。そのため、収縮した部分に体圧がかかると皮膚トラブルが生じる可能がある。一方、背側部の伸縮する部分の伸縮強度を低下させると、着用者とおむつ本体との間に隙間が生じることがある。
そこで、本発明は、着用者とおむつ本体との間に隙間を生じさせることなく、容易に装着させることができる使い捨ておむつを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、トップシートとバックシートとこれらの間に配置された吸収体とを有し、背側部から腹側部まで延びたおむつ本体と、前記背側部の両側部に設けられて、前記吸収体よりも幅方向の外側に延びたサイドフラップ部と、前記サイドフラップ部に設けられて、前記おむつ本体の使用時に前記腹側部に留められるファスニングテープと、を備え、前記サイドフラップ部は、前記吸収体と前記ファスニングテープとの間に、ミシン目又は切れ目によって構成され、前記サイドフラップ部に作用する引張力を分散する分散部が形成されている。そして、前記ファスニングテープは、前記サイドフラップ部の側端部に固定された固定部と、前記固定部から延在して前記側端部よりも幅方向の外側に突出した突出片と、を有し、前記背側部から前記腹側部を結ぶ方向を前記おむつ本体の延在方向とするとき、前記分散部は、前記固定部の前記延在方向の中心位置よりも上側又は下側の位置に配置され、前記固定部の前記延在方向の中心位置よりも上側の位置に配置された前記分散部は、下端よりも上端が前記ファスニングテープに近づくように傾斜し、前記固定部の前記延在方向の中心位置よりも下側の位置に配置された前記分散部は、上端よりも下端がファスニングテープに近づくように傾斜していることを特徴とする。



このように構成された本発明の使い捨ておむつは、着用者とおむつ本体との間に隙間を生じさせることなく、容易に装着させることができる。
実施例1の使い捨ておむつの使用状態を示す外観斜視図である。 実施例1の使い捨ておむつを示す平面図である。 図2におけるA部の拡大図である。 実施例1の使い捨ておむつにおいてサイドフラップ部が引っ張られた状態を示す説明図である。 実施例2の使い捨ておむつを示す要部の拡大平面図である。 図5におけるB部の拡大図である。 実施例2の使い捨ておむつにおいてサイドフラップ部が引っ張られた状態を示す説明図である。 第1変形例の使い捨ておむつを示す要部の拡大平面図である。 第2変形例の使い捨ておむつを示す要部の拡大平面図である。 第3変形例の使い捨ておむつを示す要部の拡大平面図である。 第4変形例の使い捨ておむつを示す要部の拡大平面図である。
以下、本発明による使い捨ておむつを実施するための形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
(実施例1)
実施例1の使い捨ておむつ1は、介助者によって着用者Pに装着されるおむつである。着用者Pは、使い捨ておむつ1の使用時、図1に示すように、背中から股を介し腹部にわたっておむつ本体10により覆われる。使い捨ておむつ1は、図2に示すように、背側部10Xと、股部10Yと、腹側部10Zとを有するおむつ本体10と、おむつ本体10に設けられたファスニングテープ20と、を備える。ここで、背側部10Xと、腹側部10Zと、背側部10Xと腹側部10Zとの間の股部10Yとは、一体に連なって形成されている。なお、背側部10Xと股部10Yの間や、腹側部10Zと股部10Yの間には、境界や構造的な差異があるわけではない。そして、使い捨ておむつ1は、背側部10Xの両側部に設けられたサイドフラップ部17がファスニングテープ20を介して腹側部10Zに綴じ合わされる。使い捨ておむつ1は、内側にインナーパッドをセットして使用されてもよい。
以下の説明では、背側部10Xと腹側部10Zを結ぶ方向を「延在方向D」とし、延在方向Dに直交する方向を「幅方向E」とする。また、以下の説明では、着用者Pを基準として「上下」「左右」「前後」等の用語を用いる。すなわち、延在方向Dは、おむつ本体10の前後方向であり、前側が着用者Pの腹側に対応し、後側が着用者Pの背中側に対応する。
おむつ本体10は、図2に示すように、トップシート11と、バックシート12と、吸収体13と、ギャザーシート14と、を備えている。
トップシート11は、おむつ本体10の身体側(内側)に配置され、吸収体13の表を被覆するシートである。トップシート11は、液体を透過する特性である液透過性を有しており、例えば、液透過性の不織布等で形成されている。トップシート11は、吸収体13に向けて体液を速やかに通過させる。
バックシート12は、おむつ本体10の衣類側(外側)に配置され、吸収体13の裏を被覆するシートである。バックシート12は、液体を透過させない特性である液不透過性を有しており、例えば、樹脂フィルムで形成されている。バックシート12は、吸収体13が保持している体液の通過を阻止して、衣類等を濡らさないようにする。
吸収体13は、トップシート11とバックシート12との間に配置され、トップシート11を透過した液体(体液)を吸収して保持する。吸収体13は、シート状に形成された吸収性ポリマー粒子とパルプ繊維を含んで構成され、クレープ紙や不織布等からなる図示しないコアラップシートによって包まれている。なお、吸収体13は、必ずしもコアラップシートに包まれていなくてもよい。吸収体13は、おむつ本体10の延在方向Dに延びる帯形状を呈し、トップシート11及びバックシート12よりも小さい外形に設定されている。吸収体13は、単層であっても複層であってもよい。
トップシート11とバックシート12とは、吸収体13を挟んだ状態で重ね合わされ、周縁部が、ホットメルト等の接着剤や溶着等によって接着される。
ギャザーシート14は、例えば、撥水性又は液不透過性の不織布を用いることができる。ギャザーシート14は、延在方向Dに長い帯形状を呈し、おむつ本体10の幅方向Eの中心を挟んで一対設けられている。ギャザーシート14の幅方向Eの一端は、例えばホットメルト等の接着剤や溶着等によってトップシート11に固定されている。ギャザーシート14の幅方向Eの他端には、延在方向Dに延びた細長状の二本の弾性伸縮部材14a(図2参照)が所定の伸張状態で設けられている。弾性伸縮部材14aは、例えば、糸状又は帯状の合成ゴム等を使用することができる。弾性伸縮部材14aは、背側部10Xから腹側部10Zまで延在している。弾性伸縮部材14aの収縮力によって、ギャザーシート14の幅方向Eの他端にギャザーが形成され、トップシート11から立ち上がる。そして、ギャザーシート14が立ち上がることで立体ギャザー15が形成される。立体ギャザー15は、着用者Pの体型に合わせて変形可能であり、着用者Pの排泄物の横漏れを防止する。
また、おむつ本体10は、着用者Pの鼠径部に沿う部分に、延在方向Dに延びた複数の弾性伸縮部材16aが所定の伸張状態で設けられている。弾性伸縮部材16aは、細長状を呈し、例えば、糸状又は帯状の合成ゴム等を使用することができる。弾性伸縮部材16aの収縮力によって、おむつ本体10の鼠径部に沿う部分に平面ギャザー16が形成される。
平面ギャザー16は、股部10Yを中心にしておむつ本体10の延在方向Dに沿って延びる。平面ギャザー16は、図2に示すように、立体ギャザー15よりも幅方向Eの外側に設けられている。平面ギャザー16は、着用者Pの体型に合わせて変形可能である。おむつ本体10は、平面ギャザー16が変形することで、着用者Pの鼠径部におけるフィット感を向上させる。
さらに、おむつ本体10は、背側部10Xの幅方向Eの両側部に、サイドフラップ部17がそれぞれ形成されている。サイドフラップ部17は、吸収体13の幅方向Eの側縁13aよりも側方(幅方向Eの外側)に延びたトップシート11及びバックシート12によって構成されている。そして、図2に示すように、背側部10Xの左右両側の各サイドフラップ部17には、ファスニングテープ20が一つずつ設けられている。すなわち、ファスニングテープ20は、背側部10Xの両側部にそれぞれ一つずつ配置されている。
ファスニングテープ20は、例えば、不織布、プラスチックフィルム、ポリエチレンの薄膜で表面を覆ったポリラミ不織布、紙、これらの複合素材からなるシート材によって形成されている。ファスニングテープ20は、介助者が使い捨ておむつ1を着用者Pに装着させるときにサイドフラップ部17を引っ張るために使用される。ファスニングテープ20は、使用中の不要な破れや伸びを防止するため、トップシート11やバックシート12等よりも高目付の素材が用いられる。そして、ファスニングテープ20は、固定部21と、単独の突出片22と、を有している。
固定部21は、サイドフラップ部17の側端部17aに固定されている。なお、ここでは、固定部21の全面がサイドフラップ部17に固定されている。しかし、固定部21は、側端部17aから一部が突出した状態でサイドフラップ部17に固定されてもよい。また、固定部21は、ここではサイドフラップ部17の外側(衣類側)、つまりバックシート12に固定されている。なお、固定部21は、サイドフラップ部17の表裏両面に固定され、サイドフラップ部17を挟んでもよいし、サイドフラップ部17の内側(身体側)、つまりトップシート11に固定されてもよい。固定部21は、ホットメルト等の接着剤や溶着によってサイドフラップ部17に固定される。また、固定部21は、平面視で矩形状を呈しており、おむつ本体10の延在方向Dに沿って延びている。
突出片22は、固定部21の側縁21s(図3参照)の一部を幅方向Eの外側に向かって延在させることで形成されている。なお、「固定部21の側縁21s」は、固定部21の幅方向Eの外側端縁である。また、突出片22は、固定部21に一つだけ(単独)設けられており、ここでは、固定部21の長手方向(おむつ本体10の延在方向D)の中央部に配置されている。なお、突出片22は、平面視で固定部21よりも小さいほぼ矩形状を呈している。そして、突出片22は、サイドフラップ部17よりもおむつ本体10の側方、つまり幅方向Eの外側に突出している。突出片22は、使い捨ておむつ1を着用者Pに装着する際、介助者によって把持される。
また、突出片22の内側(身体側)には、係止部材23が設けられている。係止部材23は、おむつ本体10の腹側部10Zの外側(衣服側)に設けられたターゲットテープ24に着脱可能に係止される。つまり、ファスニングテープ20は、腹側部10Zに係止する一つの係止部材23を有している。
なお、係止部材23は、面ファスナーのフック材や、粘着テープが用いられる。係止部材23は、ターゲットテープ24に対し、係止と剥離を繰り返すことが可能であれば材質や形状等は問わない。また、ターゲットテープ24は、例えば、係止部材23が面ファスナーのフック材の場合、表面にフック材が絡まるようなループ糸が多数設けられたシートを用いることができる。ターゲットテープ24は、例えば、係止部材23が粘着テープの場合、表面に剥離処理を施した平滑なシートを用いることができる。さらに、係止部材23をフック材によって構成し、バックシート12の外側(衣類側)の表面が不織布からなる場合には、ターゲットテープ24を省略してもよい。この場合、係止部材23は、バックシート12の繊維に絡まって留められる。
そして、実施例1の使い捨ておむつ1は、サイドフラップ部17に分散部30が形成されている。
分散部30は、ここではカット部とアンカット部が交互に並ぶことで形成されたミシン目によって構成されている。カット部は、円形の貫通孔であってもよいし、ミシン目の延在方向(カット部とアンカット部が並ぶ方向)に延びる矩形状の貫通孔や切れ目であってもよい。分散部30は、サイドフラップ部17が幅方向Eの外側に引っ張られることでアンカット部が破断し、サイドフラップ部17に切れ目(スリット)を生じさせる。サイドフラップ部17に作用する引張力Fは、分散部30が破断して生じた切れ目を避けて作用するため、分散部30によって分散(分解)される。すなわち、分散部30は、介助者が使い捨ておむつ1を着用者Pに装着させる際、ファスニングテープ20を介してサイドフラップ部17を引っ張ることでサイドフラップ部17に作用する引張力Fを分散する。
また、ミシン目によって構成された分散部30は、サイドフラップ部17の引っ張り具合に応じて破断される長さが変動する。実施例1の使い捨ておむつ1では、分散部30の破断長さが変動するため、分散部30が破断してサイドフラップ部17に生じる切れ目の長さが異なる。なお、「引っ張り具合」は、引張力Fの大きさや引張力Fの作用方向(向き)等により規定される。さらに、分散部30の上端30a及び下端30bには、図示しないがそれぞれ円形のカット部が形成されてもよい。サイドフラップ部17は、円形のカット部でアンカット部の破断が規制され、不要な破断を抑制することができる。
また、分散部30は、図3に示すように、吸収体13の側縁13aとファスニングテープ20の固定部21との間に配置され、おむつ本体10の延在方向Dに沿って延びる直線状を呈している。すなわち、分散部30は、ファスニングテープ20を介してサイドフラップ部17が引っ張られる方向(幅方向E)に対し、ほぼ直交する方向に延在している。
分散部30は、おむつ本体10の延在方向Dに沿った長さL1が、固定部21の延在方向Dに沿った長さL2よりも短い。さらに、分散部30の延在方向Dの中心位置30xと、固定部21の延在方向Dの中心位置21xとは、幅方向Eに沿った同一の直線L(図3において一点鎖線で示す)上に位置している。そして、分散部30の上端30a(延在方向Dの一端)は、固定部21の上端縁21aよりも下側に位置し、分散部30の下端30b(延在方向Dの他端)は、固定部21の下端縁21bよりも上側に位置する。
以下、実施例1の使い捨ておむつ1の作用を説明する。
実施例1の使い捨ておむつ1を着用者Pに装着するには、介助者は、まず、使い捨ておむつ1のおむつ本体10を展開し、仰臥位状態の着用者Pの身体にあてがう。このとき、介助者は、おむつ本体10の背側部10Xを着用者Pの背中に対向させる。次に、介助者は、おむつ本体10の腹側部10Zで着用者Pの腹部を覆う。続いて、介助者は、突出片22を把持し、ファスニングテープ20を介してサイドフラップ部17を引っ張り、背側部10Xを着用者Pの身体にフィットさせる。そして、介助者は、サイドフラップ部17を引っ張った状態で突出片22に設けられた係止部材23をターゲットテープ24に留める。これにより、サイドフラップ部17は腹側部10Zに綴じ合わされ、使い捨ておむつ1は着用者Pに装着される。
ここで、実施例1の使い捨ておむつ1のサイドフラップ部17には、分散部30が形成されている。分散部30は、使い捨ておむつ1の使用時、介助者がサイドフラップ部17を引っ張ることで、図4に示すように破断される。そして、サイドフラップ部17には開口部Kが形成される(図1及び図4参照)。
これにより、サイドフラップ部17を引っ張る力である引張力Fは、図4に示すように分散部30が破断して形成された開口部Kを避け、第1の力F1と第2の力F2とに分散(分解)される。そして、第1の力F1は、分散部30より上側の領域(図4において一点鎖線で囲む領域。以下「上側領域α」という)に作用し、第2の力F2は、分散部30より下側の領域(図4において二点鎖線で囲む領域。以下「下側領域β」という)に作用する。
このように、実施例1の使い捨ておむつ1は、引張力Fを複数の方向に分散し、引張力Fが一方向に集中して作用することを防止できる。そのため、使い捨ておむつ1は、引張力Fが一方向にしか作用しない場合と比べて、サイドフラップ部17が緩くなる箇所を低減させ、着用者Pとおむつ本体10との間に隙間が生じることを防止できる。
また、実施例1の使い捨ておむつ1では、分散部30によってサイドフラップ部17に作用する引張力Fを複数の方向に分散させてフィット性を向上させるため、ファスニングテープ20を不要に伸縮させる必要がない。つまり、ファスニングテープ20は、トップシート11やバックシート12等よりも高目付の素材を用いることができ、サイドフラップ部17よりも伸縮性を抑えることが可能である。これにより、介助者は、ファスニングテープ20をどの程度引っ張ればよいか(引っ張り具合)を見極めやすく、容易に装着させることができる。
よって、実施例1の使い捨ておむつ1は、着用者Pとおむつ本体10との間に隙間を生じさせることなく、容易に装着させることができる。
さらに、実施例1の使い捨ておむつ1は、分散部30がミシン目によって構成されている。これにより、分散部30の破断長さは、引張力Fの大きさや向き等で規定されるサイドフラップ部17の引っ張り具合に応じて変動し、サイドフラップ部17に生じる切れ目の長さを異ならせることができる。そして、分散部30が破断して生じる切れ目の長さの違いによって、第1の力F1と第2の力F2の比率(割合)や向きが変化する。すなわち、実施例1の使い捨ておむつ1では、サイドフラップ部17の引っ張り具合を調整することで、サイドフラップ部17に生じる切れ目の長さを調整し、サイドフラップ部17に作用する引張力Fの分散状態を調整することができる。この結果、介助者は、使い捨ておむつ1による着用者Pの腹周り及び足周りの締付力を適切に調整でき、着用者Pの体格等に拘らずおむつ本体10を適度にフィットさせることができる。
また、実施例1の使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20が、背側部10Xの両側部にそれぞれ一つずつ配置されている。さらに、ファスニングテープ20は、腹側部10Zに係止する一つの係止部材23を有している。そして、ファスニングテープ20を引っ張ることでサイドフラップ部17に形成された分散部30が裂けて開口部Kが形成され、引張力Fを複数の力、つまり分散部30より上側の上側領域αに作用する第1の力F1と、分散部30より下側の下側領域βに作用する第2の力F2とに分散する。
このため、サイドフラップ部17は、側端部17aの複数か所を異なる方向に引っ張らなくても、サイドフラップ部17に作用する引張力Fを分散させることができる。つまり、介助者は、おむつ本体10を装着させる際、サイドフラップ部17の側端部17aの複数か所を異なる方向に引っ張る必要がない。このため、介助者は使い捨ておむつ1を装着させる際、ファスニングテープ20を左右一箇所ずつ留めればよい。つまり、例えばサイドフラップ部17に複数のファスニングテープを設け、下側のファスニングテープを水平若しくは上向きに留め、上側のファスニングテープを下向きに留めるといった手間が不要となる。この結果、使い捨ておむつ1を装着する作業にかかる煩わしさを抑えることができる。
また、実施例1の使い捨ておむつ1では、分散部30の延在方向Dの長さL1が、ファスニングテープ20の固定部21の延在方向Dの長さL2よりも短い。そのため、使い捨ておむつ1は、開口部Kを避けるように分散された上側領域αに作用する第1の力F1と下側領域βに作用する第2の力F2を、それぞれ固定部21の延在方向Dの中心位置21xに向かって作用させることができる。これにより、サイドフラップ部17の全域を均等に引っ張ることが可能となり、サイドフラップ部17にシワやヨレが生じることを抑制できる。この結果、使い捨ておむつ1は、着用者Pに対するおむつ本体10のフィット性を向上させることができる。
(実施例2)
実施例2の使い捨ておむつ1Aでは、図5に示すように、サイドフラップ部17に形成された分散部31の形状が、実施例1の分散部30と異なった形状となっている。また、分散部31は伸縮シート32によって覆われている。なお、実施例2の使い捨ておむつ1Aにおける分散部31及び伸縮シート32以外の構成は、実施例1の使い捨ておむつ1とほぼ同様である。そのため、詳細な説明は省略する。
すなわち、実施例2の使い捨ておむつ1Aに形成された分散部31は、サイドフラップ部17を貫通した切れ目(スリット)によって形成されている。つまり、実施例2のサイドフラップ部17には、引っ張られていない状態であっても開口部Kが生じている。
ここで、分散部31は、吸収体13の側縁13aとファスニングテープ20の固定部21との間に配置され、平面視で延在方向Dに長い矩形状を呈している。すなわち、分散部31は、ファスニングテープ20を介してサイドフラップ部17が引っ張られる方向(幅方向E)に対し、ほぼ直交する方向に延在している。
また、分散部31は、おむつ本体10の延在方向Dに沿った長さL3が、固定部21の延在方向Dに沿った長さL2よりも短い。さらに、分散部31の延在方向Dの中心位置31xと、固定部21の延在方向Dの中心位置21xとは、幅方向Eに沿った同一の直線L(図5において一点鎖線で示す)上に位置している。そして、分散部31の上端縁31a(延在方向Dの一端)は、固定部21の上端縁21aよりも下側に位置し、分散部31の下端31b(延在方向Dの他端)は、固定部21の下端縁21bよりも上側に位置する。
さらに、実施例2の使い捨ておむつ1Aでは、分散部31がサイドフラップ部17よりも伸縮性を有する伸縮シート32によって覆われている。伸縮シート32は、ここでは、トップシート11の身体側(内側)とバックシート12の衣類側(外側)とのそれぞれに取り付けられ、分散部31は二枚の伸縮シート32によって挟まれている。各伸縮シート32は、図6に示すように、シート本体32aと、重複領域32bと、固定領域32cと、被覆領域32dと、を有している。
シート本体32aは、少なくともサイドフラップ部17が引っ張られる方向(幅方向E)に沿って伸縮するシート材である。なお、シート本体32aの伸縮方向は、縦横方向(延在方向D及び幅方向E)であってもよいし、延在方向D及び幅方向Eを含む全方位であってもよい。シート本体32aは、具体的には、糸ゴムが取り付けられた不織布や、トップシート11及びバックシート12よりも低目付の不織布等によって形成される。シート本体32aは、分散部31の面積よりも広い面積を有し、平面視で矩形状を呈している。
重複領域32bは、シート本体32aのうち、分散部31に重複する領域である。重複領域32bは、図6では斜線を付して示されている。重複領域32bは、シート本体32aの中央部に設定されている。
固定領域32cは、シート本体32aのうち、サイドフラップ部17に固定される領域である。固定領域32cは、シート本体32aの周縁部に設定され、シート本体32aの全周にわたって設定されている。固定領域32cでは、ホットメルト等の接着剤や溶着によってシート本体32aがサイドフラップ部17に固定されている。ここでは、固定領域32cにおいて、シート本体32aは、一定の間隔をあけて連続して並ぶ点状に固定されている。なお、固定領域32cにおいて、シート本体32aは、シート本体32aの周縁に沿って連続する線状に固定されてもよい。
被覆領域32dは、シート本体32aのうち、重複領域32bと固定領域32cとの間に設定されたサイドフラップ部17に固定されていない領域である。つまり、被覆領域32dは、重複領域32bの周縁部に設定される。なお、被覆領域32dは、図6において二点鎖線で囲んで示されている。そして、被覆領域32dでは、シート本体32aはサイドフラップ部17に固定されないため、シート本体32aの伸縮性は担保されている。
以下、実施例2の使い捨ておむつ1Aの作用を説明する。
実施例2の使い捨ておむつ1Aにおいても、介助者がサイドフラップ部17を引っ張ることで生じる引張力Fは、図7に示すように分散部31(開口部K)を避けてサイドフラップ部17に作用する。つまり、引張力Fは、分散部31よりも上側の領域(上側領域α)に作用する第1の力F1と、分散部31よりも下側の領域(下側領域β)に作用する第2の力F2とに分散される。このように、実施例2の使い捨ておむつ1Aは、引張力Fを複数の方向に分散できる。そして、使い捨ておむつ1Aは、サイドフラップ部17が緩くなる箇所を低減させ、着用者Pとおむつ本体10との間に隙間が生じることを防止できる。
また、実施例2の使い捨ておむつ1Aでは、分散部31が切れ目によって形成されており、サイドフラップ部17には予め開口部Kが生じている。つまり、実施例2の使い捨ておむつ1Aでは、介助者はサイドフラップ部17を破断する必要がない。そのため、使い捨ておむつ1Aは、例えばミシン目を破断できない程度の弱い引張力Fであっても、引張力Fを分離して複数の方向に作用させることができる。これにより、介助者はサイドフラップ部17を強く引っ張る必要がなく、実施例2の使い捨ておむつ1Aは、介助者の負担を軽減することができる。
また、実施例2の使い捨ておむつ1Aでは、分散部31が伸縮シート32によって覆われている。このため、使い捨ておむつ1Aは、分散部31や、分散部31の周囲に生じるサイドフラップ部17の撓みを伸縮シート32で隠すことができる。これにより、使い捨ておむつ1Aは、おむつ本体10にフィット感があるように見せることができ、介助者や着用者P等は使い捨ておむつ1Aを違和感なく使用することができる。
しかも、実施例2の使い捨ておむつ1Aでは、伸縮シート32が、シート本体32aと、シート本体32aのうち分散部31に重複する重複領域32bと、シート本体32aのうちサイドフラップ部17に固定される固定領域32cと、を有している。そして、シート本体32aは、重複領域32bと固定領域32cとの間に、サイドフラップ部17に固定されない被覆領域32dが設けられている。
これにより、伸縮シート32は、固定領域32cにおいてシート本体32aがサイドフラップ部17に固定されるものの、被覆領域32dが伸縮する。そのため、伸縮シート32は、サイドフラップ部17が引っ張られたとき、サイドフラップ部17の伸縮に追従して変形し、サイドフラップ部17の伸縮性を阻害することがない。このため、実施例2の使い捨ておむつ1Aは、サイドフラップ部17のフィット性の低下を抑制することができる。
以上、本発明の使い捨ておむつを実施例1及び実施例2に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や、各実施例の組み合わせや、追加等は許容される。
実施例1では、分散部30がおむつ本体10の延在方向Dに沿って延びる直線状のミシン目によって形成され、分散部30のおむつ本体10の延在方向Dに沿った長さL1が、固定部21の延在方向Dに沿った長さL2よりも短く設定された例が示された。しかしながら、分散部30の形状はこれに限らない。例えば、図8Aに示される第1変形例の使い捨ておむつ1Bのように、おむつ本体10の延在方向Dに沿った長さL1が、固定部21の延在方向Dに沿った長さL2よりも長く設定された分散部40であってもよい。
この場合、第1変形例の使い捨ておむつ1Bは、上側領域αに作用する第1の力F1をサイドフラップ部17の上端部17bに沿って作用させ、下側領域βに作用する第2の力F2をサイドフラップ部17の下端部17cに沿って作用させることができる。これにより、第1変形例の使い捨ておむつ1Bは、サイドフラップ部17の上端部17b及び下端部17cの着用者Pに対するフィット感を高めることができる。
なお、第1変形例の使い捨ておむつ1Bでは、分散部40が直線状のミシン目によって形成されている。しかしながら、分散部40は、実施例2に示された分散部31のように、サイドフラップ部17を貫通する切れ目によって形成されてもよい。
また、例えば図8Bに示される第2変形例の使い捨ておむつ1Cのように、分散部41が、おむつ本体10の延在方向Dと、吸収体13とファスニングテープ20の並び方向(幅方向E)と、のそれぞれに対して傾斜した方向に沿って延びていてもよい。なお、第2変形例の使い捨ておむつ1Cでは、分散部41は、固定部21の延在方向Dの中心位置21xよりも上側の位置に配置されている。つまり、分散部41は、上側領域αに形成されている。
この場合、サイドフラップ部17の上側領域αにおいて、引張力Fが分散部41によって分散(分解)される。つまり、上側領域αにおいて引張力Fは、分散部41を避け、分散部41よりも上側に作用する力と、分散部41よりも下側に作用する力に分かれる。このため、上側領域αに作用する引張力Fが所定の一方向に集中することがなく、着用者Pの腹周りにかかる負担を軽減することができる。
また、例えば図8Cに示される第3変形例の使い捨ておむつ1Dのように、分散部42が、固定部21の延在方向Dの中心位置21xよりも下側の位置に配置されてもよい。つまり、分散部42は、下側領域βに形成されてもよい。なお、第3変形例の分散部42は、おむつ本体10の延在方向Dと、吸収体13とファスニングテープ20との並び方向(幅方向E)と、のそれぞれに対して傾斜した方向に沿って延びている。
この場合、サイドフラップ部17の下側領域βにおいて、引張力Fが分散部42によって分散(分解)される。つまり、下側領域βに作用する引張力Fは、分散部42を避け、分散部42のよりも上側に作用する力と、分散部42よりも下側に作用する力に分かれる。このため、下側領域βに作用する引張力Fが所定の一方向に集中することがなく、着用者Pの足周り(鼠径部)にかかる力を減らすことができる。
さらに、一般的に、着用者Pの足周りに力がかかるように使い捨ておむつを着用させる介助者が多い。そのため、第3変形例の使い捨ておむつ1Dのように、固定部21の延在方向Dの中心位置21xよりも下側の位置に分散部42を配置することで、ファスニングテープ20にかかる力を均一にすることが可能となる。
また、例えば図8Dに示される第4変形例の使い捨ておむつ1Eのように、分散部43が、平面視で矩形状(正方形状)の切れ目(開口)で形成されてもよい。ここで、分散部43は、一方の対角線T1がおむつ本体10の延在方向Dに沿い、他方の対角線T2がおむつ本体10の幅方向Eに沿うように設定されている。
この場合、分散部43の縁部の全てが延在方向D及び幅方向Eに対して傾斜することになる。これにより、サイドフラップ部17は、引っ張られた際の弛みや浮きを生じにくくできる。
なお、図8Dに示される第4変形例の使い捨ておむつ1Eは、分散部43が伸縮シートによって覆われていない。しかしながら、分散部43は、サイドフラップ部17に固定される伸縮シートによって覆われてもよい。
すなわち、実施例2の使い捨ておむつ1Aのように、切れ目からなる分散部31であっても、必ずしも伸縮シート32によって覆われていなくてもよい。また、逆に、実施例1の使い捨ておむつ1のように、分散部30がミシン目によって形成されている場合において、分散部30を伸縮シート32によって覆ってもよい。
また、実施例2では、分散部31が平面視で矩形状を呈する切れ目によって形成された例が示された。しかしながら、分散部31の形状はこれに限らない。すなわち、分散部31は、サイドフラップ部17を線状に破断したものであってもよい。この場合、サイドフラップ部17には、引っ張られることで開口部Kが形成される。
また、実施例1では、分散部30が左右のサイドフラップ部17に一つずつ形成された例が示された。しかしながら、分散部30の数は任意に設定することができ、背側部10Xの両側部に形成された各サイドフラップ部17に、それぞれ複数の分散部30が形成されてもよい。さらに、各サイドフラップ部17のそれぞれに複数の分散部30を形成する場合、同じ形状の複数の分散部30が形成されてもよいし、異なる形状の複数の分散部30が形成されてもよい。
さらに、実施例1では、サイドフラップ部17にファスニングテープ20が一つ設けられた例が示された。しかしながら、これに限らず、例えばおむつ本体10の延在方向Dに並ぶ二つのファスニングテープが設けられてもよい。
1 使い捨ておむつ
10 おむつ本体
10X 背側部
10Y 股部
10Z 腹側部
11 トップシート
12 バックシート
13 吸収体
17 サイドフラップ部
20 ファスニングテープ
21 固定部
22 突出片
23 係止部材
24 ターゲットテープ
30 分散部
D 延在方向
E 幅方向

Claims (6)

  1. トップシートとバックシートとこれらの間に配置された吸収体とを有し、背側部から腹側部まで延びたおむつ本体と、
    前記背側部の両側部に設けられて、前記吸収体よりも幅方向の外側に延びたサイドフラップ部と、
    前記サイドフラップ部に設けられて、前記おむつ本体の使用時に前記腹側部に留められるファスニングテープと、を備え、
    前記サイドフラップ部は、前記吸収体と前記ファスニングテープとの間に、ミシン目又は切れ目によって構成され、前記サイドフラップ部に作用する引張力を分散する分散部が形成され、
    前記ファスニングテープは、前記サイドフラップ部の側端部に固定された固定部と、前記固定部から延在して前記側端部よりも幅方向の外側に突出した突出片と、を有し、
    前記背側部から前記腹側部を結ぶ方向を前記おむつ本体の延在方向とするとき、
    前記分散部は、前記固定部の前記延在方向の中心位置よりも上側又は下側の位置に配置され
    前記固定部の前記延在方向の中心位置よりも上側の位置に配置された前記分散部は、下端よりも上端が前記ファスニングテープに近づくように傾斜し、
    前記固定部の前記延在方向の中心位置よりも下側の位置に配置された前記分散部は、上端よりも下端がファスニングテープに近づくように傾斜している
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 請求項1に記載された使い捨ておむつにおいて、
    前記ファスニングテープは、前記背側部の両側部にそれぞれ一つずつ配置され、前記腹側部に係止する一つの係止部材を有し、
    前記分散部は、前記ファスニングテープを引っ張ることで前記サイドフラップ部に作用する引張力を、前記分散部よりも上側の領域に作用する第1の力と、前記分散部よりも下側の領域に作用する第2の力と、に分散する
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された使い捨ておむつにおいて、
    前記分散部は、前記延在方向に沿って延びると共に、前記延在方向に沿った長さが、前記固定部の前記延在方向に沿った長さよりも短い
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  4. 請求項1又は請求項2に記載された使い捨ておむつにおいて、
    前記分散部は、前記延在方向と、前記吸収体及び前記ファスニングテープの並び方向との、それぞれに対して傾斜した方向に沿って延びる
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された使い捨ておむつにおいて、
    前記分散部は、前記サイドフラップ部が引っ張られる方向に伸縮可能な伸縮シートによって覆われている
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  6. 請求項5に記載された使い捨ておむつにおいて、
    前記伸縮シートは、シート本体と、前記シート本体のうち前記分散部に重複する重複領域と、前記シート本体のうち前記サイドフラップ部に固定される固定領域と、を有し、
    前記シート本体は、前記重複領域と前記固定領域との間に、前記サイドフラップ部に固定されない被覆領域が設けられている
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
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