JP7724683B2 - ソイルセメント用添加剤、ソイルセメント組成物、ソイルセメント組成物の製造方法 - Google Patents

ソイルセメント用添加剤、ソイルセメント組成物、ソイルセメント組成物の製造方法

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Description

本発明は、ソイルセメント用添加剤及びソイルセメント組成物に関する。
ソイルセメントとは、土にセメント系固化材(水硬性粉体)あるいはこれに水を加えて混合したものである。このソイルセメントを利用する工法としては、地盤改良工法、山留め工法、基礎杭工法、埋め戻し工法などがある。これらの工法では通常、セメント系固化材と水とを事前に混合したセメントミルクを土に添加する。上記セメント系固化材としては、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、および普通ポルトランドセメントと高炉スラグ、石灰石粉、フライアッシュ、シリカ微粉末、炭酸カルシウム、石膏などを混合して得られる混合セメントなどが用いられる。この固化材および水の添加量は、ソイルセメントの造成対象となる土の物性、例えば、砂・シルト・粘土などの土質や、その含水状態などや、施工形態および施工目的などに応じて決定される。
ソイルセメントを利用する工法は、(1)原地盤、すなわち地中でソイルセメントを造成する工法、と(2)地上でソイルセメントを造成する工法に大別される。(1)の原地盤でソイルセメントを造成する工法としては、地盤改良工法、山留め工法、基礎杭工法が挙げられる。これらの工法では、一般にセメントスラリーと改良対象土を混合したソイルセメントの特性として、なるべく粘性が低く、削孔する際のスライムの排出が容易になるような混合土が望まれる。一方、(2)の地上でソイルセメントを造成する工法としては、ソイルセメント埋め戻し工法が挙げられる。この方法は、建設工事で発生する掘削土を有効に利用する立場から、掘削土にセメントミルクを地上で添加・混合し、埋め戻し材料や構造体材料等に利用するものである。この工法においては、ソイルセメントに対してセルフレベリング性能を持つ極めて高い流動性が要求される。
このように、ソイルセメントは、工法などの違いにより、要求特性、例えば、粘性、流動性などの物性も異なる。そのため、従来、種々の添加剤を用いてソイルセメントの物性を調整することが行われている。
特許文献1には、アクリル酸(塩)を必須構成単量体とするアクリル酸(塩)の重合体(I)と、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属珪酸塩(B)とからなるソイルセメント用流動化剤が開示されている。特許文献2には、所定の構造の水溶性ビニル共重合体(ポリカルボン酸系重合体)と消泡剤とを含む分散剤組成物とセメントと水とを所定の割合で含有するソイルセメントスラリーが開示されている。
特開2006-232600号公報 特開2013-1604号公報
従来の分散剤ではソイルセメントスラリーの流動性付与が十分でないという問題がある。 本発明は、流動性の優れたソイルセメント用添加剤及びソイルセメント組成物を提供する。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上、Y以下」を意味する。本明細書において、「~酸(塩)」は「~酸および/またはその塩」を意味する。「(メタ)アクリル」は「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味する。「(重)炭酸塩」は「炭酸(塩)および/または重炭酸(塩)」を意味する。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果本発明に達した。すなわち本発明のソイルセメント用添加剤は、下記一般式(1);
(式(1)中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。Xは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表されるカルボン酸系単量体由来の構造単位(A)と、下記一般式(2);
(式(2)中、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R7は、同一又は異なって、炭素数2~4のアルキレン基を表す。R8は、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。pは、0~2の数を表す。mは、0又は1の数を表し、nは、10~100の数を表す。)で表される不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の構造単位(B)とを有するポリカルボン酸系重合体と(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を重合したポリ(メタ)アクリル酸重合体を含有するソイルセメント用添加剤に関する。
また、本発明は、前記ソイルセメント用添加剤と、水硬性粉体と、土と、水とを含有するソイルセメント組成物に関する。
また、本発明は、前記ソイルセメント用添加剤及び水を含有する混錬水と水硬性粉体とを混合してスラリーを得る工程と、該スラリーと土とを混合する工程とを含む、ソイルセント組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、流動性の優れたソイルセメント用添加剤、ソイルセメント組成物が提供される。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の添加剤の対象はソイルセメントである。ソイルセメントは、粘土を含む土壌を含むことができる。また、ソイルセメントは、水硬性粉体を含有することができる。
本発明の添加剤が用いられるソイルセメントは、地盤改良用又は土壌改良用であってよい。
(ソイルセメント用添加剤)
本発明のソイルセメント用添加剤は、ポリカルボン酸系重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体を含むことを特徴とする。
<ポリカルボン酸系重合体>
本発明のポリカルボン酸系重合体は、下記一般式(1);
(式(1)中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。Xは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表されるカルボン酸系単量体由来の構造単位(A)と、下記一般式(2);
(式(2)中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2~4のアルキレン基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。pは、0~2の数を表す。mは、0又は1の数を表し、nは、10~100の数を表す。)で表される不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の構造単位(B)とを有する共重合体を含むことを特徴とする。
上記共重合体は、構造単位(A)、構造単位(B)をそれぞれ1種有していてもよく、2種以上有していてもよい。上記一般式(1)において、一価金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、二価金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
また、有機アミン基としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン及びフェニルアミン等の第一級アミン由来の基;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジ-tert-ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン及びジフェニルアミン等の第二級アミン由来の基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン及びトリフェニルアミン等の第三級アミン由来の基;及びエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来の基が挙げられる。これらの中でも、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好ましい。
上記一般式(1)で表される構造単位(A)の原料となるカルボン酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体;及び、これらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。一般式(2)で示す構造単位(B)のmが0の場合、すなわちエーテル構造を持つ場合は、共重合性の観点からアクリル酸が好ましい。
上記一般式(2)において、Rは、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。Rが炭化水素基である場合、炭素数1~18のものが好ましく、より好ましくは、炭素数1~12のものであり、更に好ましくは、炭素数1~8のものである。
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、3-ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソオクチル基、2,3,5-トリメチルヘキシル基、4-エチル-5-メチルオクチル基及び2-エチルヘキシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル等の環状のアルキル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o-,m-若しくはp-トリル基、2,3-若しくは2,4-キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。これらの中でも、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が好ましい。
上記一般式(2)において、オキシアルキレン基の数を表すnは、10~100の数である。アルキレンオキシド鎖が長いほうがセメント組成物スラリー中でのセメント粒子の凝集を抑制して分散性を高め、セメント組成物スラリーの粘度を下げる効果が得られるが、アルキレンオキシド鎖が長すぎると、セメント組成物スラリー中の粘性土がアルキレンオキシド鎖を捕捉するため、粘性土同士の架橋が進行してしまい、逆に粘度を上げる効果を発揮してしまう。上記一般式(2)におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数が10~100であると、粘性土の影響をあまり受けず、セメント粒子の凝集を抑制する効果が得られる。これらをよりバランス良く発揮することを考えると、nの数は、好ましくは10~70であり、より好ましくは、10~50である。
上記一般式(2)で表される構造単位(B)の原料となる不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体としては、一般式(2)におけるmが1である不飽和(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体と、一般式(2)におけるmが0である不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体とがあり、ポリマーの重量平均分子量の影響を受けにくい点では不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体が好ましい。
不飽和(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の炭素数2~4のオキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の末端に炭素数1~20のアルコキシ基を有し、炭素数2~4のオキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体としては、ポリエチレングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコール(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル等のビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オール、3-メチル-2-ブテン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-1-オール、2-メチル-2-ブテン-1-オール等の炭素数2~10の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1~4モル付加させた化合物及びこれらの末端に炭素数1~20の炭化水素基が結合した化合物等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オールに炭素数2~3のアルキレンオキサイドを10~100モル付加させた化合物であり、より好ましくは(メタ)アリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オールにエチレンオキサイドを10~100モル付加させた化合物である。
上記共重合体は、構造単位(A)と構造単位(B)とのモル比(構造単位(A)/構造単位(B))が50/50~95/5であることが好ましい。セメント組成物スラリーを流動性に優れたものとするためには、共重合体がスラリー中の固形分を分散させる効果を充分に発揮することが必要となる。そのためには、共重合体が酸基によってセメントに吸着する効果と、共重合体の側鎖のオキシアルキレン鎖の効果によってセメント粒子の凝集を抑制する効果とがバランスよく発揮されることが重要であり、共重合体における構造単位(A)と構造単位(B)とのモル比が上記のような範囲であると、これらの効果がよりバランスよく発揮されることになる。構造単位(A)/構造単位(B)は、より好ましくは、60/40~95/5であり、更に好ましくは、65/35~95/5である。
上記共重合体は、上記構造単位(A)、構造単位(B)以外のその他の構造単位(C)を有していてもよい。
その他の構造単位(C)の原料となる単量体としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体と炭素数1~30のアルコールとのエステル類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1~30のアルコールとのジエステル類やハーフエステル類;アミンに炭素数2~18のアルキレンオキシドを1~500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和モノカルボン酸系単量体とのエステル類;上記アルコールやアミンに炭素数2~18のアルキレンオキシドを1~500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記ジカルボン酸系単量体とのジエステル類やハーフエステル類;上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数2~18のグリコール若しくはこれらのグリコールの付加モル数2~500のポリアルキレングリコールとのジエステル類やハーフエステル類;マレアミド酸と炭素原子数2~18のグリコール若しくはこれらのグリコールの付加モル数2~500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2-(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4-(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2-メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1~30のアミンとのアミド類;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メチルスチレン等のビニル芳香族類;ブタジエン、イソプレン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン-ビス-(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン-(1-プロピル-3-アクリレート)、ポリジメチルシロキサン-(1-プロピル-3-メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(1-プロピル-3-アクリレート)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(1-プロピル-3-メタクリレート)等のシロキサン誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記共重合体における構造単位(A)、構造単位(B)以外のその他の構造単位(C)の含有割合は、共重合体全体の50質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、40質量%以下であり、更に好ましくは、30質量%以下である。
上記共重合体は、重量平均分子量が5000~40000であることが好ましい。共重合体がこのような重量平均分子量のものであると、セメント組成物がスラリーの流動性に優れる効果と固形分が分離沈降しにくい効果とをよりバランス良く発揮することができる。共重合体の重量平均分子量は、より好ましくは、8000~40000であり、更に好ましくは、10000~40000であり、特に好ましくは、10000~35000である。
上記共重合体における構造単位(B)が不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体由来の場合、つまり一般式(2)のmが0の場合は、分子量の影響を受けにくく、重量平均分子量の上限値は100000である。
また上記共重合体は、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.0~4.0であることが好ましい。共重合体がこのような比のものであると、ソイルセメントスラリーの流動性を効率よく付与することが出来る。分子量分布は、より好ましくは、1.5~3.5であり、更に好ましくは、1.5~3.0であり、特に好ましくは、1.5~2.5である。
共重合体の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnは、後述する実施例に記載の分子量の測定方法(1)の方法により測定することができる。
上記共重合体は、構造単位(A)の原料となるカルボン酸系単量体と、構造単位(B)の原料となる不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体とを必須成分として含む単量体成分を重合することにより製造することができる。共重合体の製造は、特開2017-222553号公報や特開2019-81692号公報に記載の重合体の製造方法を参照して同様に行うことができる。
本発明のソイルセメント用分散剤は、上記共重合体を必須とするものであるが、上記共重合体を2種以上含んでいてもよく、上記共重合体と異なる共重合体を1種以上含んでいてもよい。
<ポリ(メタ)アクリル酸重合体>
本発明のポリ(メタ)アクリル酸重合体は、(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩の重合体である。アルカリ金属塩は、ナトリウム、カリウム及びリチウム等の塩を示し、アルカリ土類金属塩は、ベリリウム、マグネシウム及びカルシウム等のアルカリ土類金属塩を示す。
アクリル酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金損塩の重合体が特に好ましく、アクリル酸又はそのアルカリ金属塩の重合体が好ましく、アクリル酸の重合体が最も好ましい。ポリ(メタ)アクリル酸重合体は、(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩以外に他のビニル単量体(塩)を構成単量体として含むことができる。例えば、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類、アルキル(メタ)アクリレート類、アミノ基含有アクリレート類、アミド基含有単量体類、ビニルエステル類、アルケン類、芳香族ビニル系単量体類、マレイミド誘導体、ニトリル基含有ビニル系単量体類、ホスホン酸基を有する単量体類、スルホン基を有する単量体類、アルデヒド基含有ビニル系単量体類、アルキルビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類等が挙げられる。
他のビニル単量体を構成単量体として含有する場合、他のビニル単量体単位の含有量(モル%)は、ポリ(メタ)アクリル酸重合体の構成単量体の全モル数に基づいて、0.1~50が好ましく、さらに好ましくは0.3~40、特に好ましくは0.5~30である。この範囲であるとソイルセメントの流動性がさらに良好となる。
ポリ(メタ)アクリル酸重合体は、既に報告されている公知のビニルモノマーの重合方法、例えば特開2006-347784の記載の方法を用いて得ることができる。
ポリ(メタ)アクリル酸重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,000~100,000が好ましく、さらに好ましくは2,000~50,000、特に好ましくは2,000~30,000、最も好ましくは、2,000~20,000である。また、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.2~3.0が好ましく、さらに好ましくは1.3~2.5、特に好ましくは1.4~2.0である。この範囲内であるとソイルセメントの流動性がさらに良好となる。なお、ポリ(メタ)アクリル酸重合体の分子量の測定は、実施例記載の分子量の測定方法(2)に従う。
ポリカルボン酸系重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体の質量比は、ソイルセメント組成物の流動性を確保すると同時にベントナイト成分の多い特定粘土質の減粘性を向上させる点および、ソイルセメントスラリーを材料分離しにくくさせることから、ポリカルボン酸系重合体/ポリ(メタ)アクリル酸重合体=5/95~95/5が好ましく、さらに好ましくは10/90~90/10、特に好ましくは20/80~80/20である。
ポリカルボン酸系重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体に含まれるアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩の割合、すなわちカルボン酸系由来の単量体部分の中和度は少ない方が好ましい。具体的には全てのカルボン酸由来の単量体部分が中和された時を100モル%、全く中和されていない時を0モル%とした場合、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。また、ポリ(メタ)アクリル酸重合体の中和度は少ない方が分散性と特定粘土質の減粘性の向上の両立に好適であり、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下が最も好ましい。0モル%(全くアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含まない)も最も好ましい形態の1種とである。
ポリカルボン酸系重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体を含むソイルセメント用添加剤としても、組成中に含まれるカルボン酸系由来の単量体部分の中和度は少ない方が好ましい。具体的には全てのカルボン酸由来の単量体部分が中和された時を100モル%、全く中和されていない時を0モル%とした場合、0モル%~50モル%が好ましく、更に好ましくは0~30モル%、特に好ましくは0~25モル%、最も特に好ましくは0~20モル%である。
ソイルセメント用添加剤は、ポリカルボン酸系重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体以外にも、消泡剤、水溶性高分子、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、AE剤、界面活性剤、防水材、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤等の添加剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。
(ソイルセメント組成物)
本発明は、土壌、水硬性粉体、及び本発明のソイルセメント用添加剤を含有する、ソイルセメント組成物を提供する。すなわち、土壌、水硬性粉体、ポリカルボン酸系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸重合体を含有する、ソイルセメント組成物を提供する。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明のソイルセメント用添加剤を混合する、ソイルセメントの製造方法を提供する。すなわち、土壌、水硬性粉体、水、ポリカルボン酸系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸重合体を混合する、ソイルセメントの製造方法を提供する。
これらにおけるポリカルボン酸系重合体及びポリ(メタ)アクリル酸重合体には、前記したポリカルボン酸系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸重合体態様から選択される1又はそれ以上の態様が適用できる。また、これらのソイルセメント及びそれらの製造方法には、本発明のソイルセメント用添加剤で述べた事項を適宜適用できる。
本発明のソイルセメント組成物について説明する。本発明のソイルセメント組成物は、例えば、地盤改良工法、山留め工法、基礎杭工法、および埋め戻し工法等で用いられる。
本発明のソイルセメント組成物としては、本発明のソイルセメント用分散剤、土壌、水硬性粉体、及び水を含有するソイルセメント組成物が挙げられる。
水硬性粉体とは、水と混合することで硬化する粉体であり、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。本発明の地盤改良セメント組成物に含まれるセメントは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
土壌としては、砂、シルト、粘土等が挙げられる。これらの土壌は腐植物質に代表される有機物を含んでもよい。これらは施工現場で発生する発生土を用いることができる。また、前記ソイルセメントの土壌以外の成分含む組成物を、地盤改良等の目的で高圧ジェット噴流体として地盤等に注入した際に、地盤中の土を噴流体に巻き込むことによって、ソイルセメントを製造して良い。
本発明のソイルセメント組成物中、ソイルセメント用添加剤の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、最も好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。本発明のソイルセメント用添加剤を用いる場合は、好ましくは、ソイルセメント組成物中のソイルセメント用添加剤の含有量がこの範囲となるように用いられる。
本発明のソイルセメント組成物中、土壌の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは200質量%以上、より好ましくは300質量%以上、そして、好ましくは1500質量%以下、より好ましくは1200質量%以下である。
本発明のソイルセメント組成物は、水/水硬性粉体比が、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、そして、好ましくは500質量%以下、より好ましくは400質量%以下、更に好ましくは300質量%以下である。
(ソイルセメント組成物の製造方法)
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明のソイルセメント用添加剤を混合する、ソイルセメントの製造方法を提供する。すなわち、土壌、水硬性粉体、水、ポリカルボン酸系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸重合体を混合する、ソイルセメントの製造方法を提供する。
ソイルセメント組成物の製造方法は、例えば、本発明のソイルセメント用添加剤及び水を含有する混練水と水硬性粉体とを混合してスラリーを得る工程と、該スラリーと土壌とを混合する工程とを含むものが挙げられる。スラリーを得る工程として、使用されるミキサーは均一に混合されるものであれば特に限定されるものではないが、一般的に機械撹拌翼で撹拌するタイプのものが多く使用されている。このミキサー等に撹拌しながら、本発明のソイルセメント用添加剤、水、水硬性粉体を投入し、例えば1分以上15分以下、混練することによりスラリーが得られる。本発明のソイルセメント添加剤は、水と予め混合して混練水として用いるか、セメントミルク(水硬性粉体と水の混合物)製造後にセメントミルクに添加して使用することが好ましい。ソイルセメント用添加剤の投入については、ポリカルボン酸系重合体を水と予め混合して混錬水として用い、ポリカルボン酸系重合体を含むセメントミルク製造後に、ポリ(メタ)アクリル酸重合体を混合することもあるが、ソイルセメント用添加剤(ポリカルボン酸系重合体及びポリ(メタ)アクリル酸重合体)を水と予め混合して混錬水として用いることが好ましい。
次いで、スラリーと土壌とを混合する工程として、具体的に撹拌混合メカニズムから分類すると、(1)CDM工法に代表される調製されたスラリーを地中で吐出しながら機械撹拌翼で撹拌する工法、(2)噴射撹拌工法に代表される調製されたスラリーを高圧ジェット噴流体として地中に送り、周囲の土砂を削り取り撹拌する工法、(3)地中連続壁工法における多軸式オーガー、例えばSMW工法などや鉛直撹拌横曳式、例えばTRD工法など、など、調製されたスラリーを吐出して原位置の土壌と撹拌・混合する工法などが挙げられ、これら工法によりソイルセメント組成物が製造される。
この製造方法では、ポリカルボン酸系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸重合体、土壌、水、水硬性粉体は、本発明のソイルセメント組成物で述べた量的関係を満たすように用いることができる。
本発明のソイルセメント組成物は、ソイルセメントの流動性に優れるため、地盤改良のためのセメント組成物を地盤に形成された孔に注入して地盤改良体を造成する地盤改良工法に好適に用いることができる。このような地盤改良工法、すなわち、地盤に形成された孔に本発明の土壌以外の成分を含む組成物を注入する工程を含む地盤改良工法もまた、本発明の1つである。
本発明は、本発明の添加剤を含有するソイルセメント組成物を、土壌と混合する、地盤の改良工法を提供する。すなわち、ポリカルボン酸系重合体及びポリ(メタ)アクリル酸重合体を必須として含有するソイルセメント組成物を地盤と混合する、地盤の改良工法を提供する。本発明の地盤の改良工法では、前記ソイルセメント組成物と土壌とを、体積比(前記ソイルセメント組成物)/(土壌)が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下で混合する。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、特に明記しない限り、部とあるものは質量部を意味し、%とあるものは質量%を意味する。
分子量は、以下の記載の方法のうち、物質に応じて定めた方法で測定を行った。
<分子量の測定方法(1)>
使用カラム:東ソー株式会社製、TSKguardcolumnα+TSKgelα-5000+TSKgelα-4000+TSKgelα-3000を各1本ずつ連結して使用した。
・溶離液:リン酸二水素ナトリウム・2HO:62.4g、リン酸水素二ナトリウム・12HO:143.3gを、イオン交換水:7794.3gに溶解させた溶液に、アセトニトリル:2000gを混合した溶液を用いた。
検出器:VIscotek社製のトリプル検出器「Model302光散乱検出器」、直角光散乱として90°散乱角度、低角度光散乱として7°散乱角度、セル容量として18μL、波長として670nm。
標準試料:東ソー株式会社製、ポリエチレングリコールSE-8(Mw=l07000)を用い、そのdn/dCを0.135ml/g、溶離液の屈折率を1.333として装置定数を決定した。
打ち込み量
標準試料:ポリマー濃度が0.2vol%になるように上記溶離液で溶解させた溶液を100μL注入した。
サンプル:ポリマー濃度が1.0vol%になるように上記溶離液で溶解させた溶液を100μL注入した。
流速:0.8ml/mIn
カラム温度:40℃
<分子量の測定方法(2)>
分子量既知のポリアクリル酸を標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した。以下に詳細な条件を記す。
装置:Waters AllIance(e2695)
解析ソフト:Waters社製、Empower2プロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:Shodex社製、GF-310HQ,GF-710-HQ,GF-1G-7B
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)
溶離液:0.1mol/Lの酢酸ナトリウム水溶液
較正曲線作成用標準物質:AmerIcan Polymer Standards社製ポリアクリル酸(ピークトップ分子量(Mp)131000、750000、589700、193800、115000、62900、47500、28000、7500、2925、1250)
較正曲線:上記標準物質のMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成した。
標準物質試料液注入量:50μL(重合体濃度0.1質量%の溶離液溶液)
重合体試料液注入量:50μL(重合体濃度0.5質量%の溶離液溶液)
流量:0.5mL/分
カラム温度:40℃
測定時間:90分
<共重合体の製造>
温度計、拡販機、滴下ロート、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製反応容器に
、イオン交換水304.5gとイソプレノールにエチレンオキシド(EO)を平均50モ
ル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル(IPN-50)249.1gとを
仕込み、60℃に昇温した後、そこへ4%過酸化水素水溶液26.0gを加えた。次に、
アクリル酸23.6gをイオン交換水5.9gで希釈した水溶液、およびIPN-50
747.3gをイオン交換水320.3gに溶解させた水溶液を4時間かけて滴下した。
それと同時に、イオン交換水318.8gにL-アスコルビン酸1.3gおよび3-メル
カプトプロピオン酸3.2gを溶解させた水溶液を4.5時間かけて滴下した。滴下終了
後、1時間攪拌を続け重合反応を終了した。その後、重合反応温度以下の温度で、水酸化
ナトリウム30%水溶液を用いて反応溶液をpH6に調整し、重量平均分子量(Mw)が
17500の共重合体(1)の水溶液を得た。なお、重量平均分子量は、分子量の測定方法(1)により測定を行った。
共重合体(2)および共重合体(4)、(5)、(6)は共重合体(1)と同様に合成した。なお、重量平均分子量は、分子量の測定方法(1)により測定を行った。
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応器に蒸留水273gを仕込み80℃ に昇温した。続いてメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート( エチレンオキシドの平均付加モル数25)375g、メタクリル酸75g 、3-メルカプトプロピオン酸3.3g及び蒸留水100gを混合した溶液を4時間、並びに10%の過硫酸アンモニウム水溶液50gを5時間かけて滴下した。溶液の滴下終了後、反応混合液を80℃ に1時間維持した。冷却後30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH6に調整し、重量平均分子量20000の共重合体(3)の水溶液を得た。なお、重量平均分子量は、分子量の測定方法(1)により測定を行った。
共重合体(7)、(8)、(9)及び、比較共重合体(1)、(2)は共重合体(3)と同様に合成した。なお、重量平均分子量は、分子量の測定方法(1)により測定を行った。
<ポリ(メタ)アクリル酸重合体の製造>
攪拌機、還流冷却器、滴下装置を備えた、容量2.5LのSUS製セパラブルフラスコに、脱イオン水373gを仕込み、攪拌しながら沸点還流状態となるように昇温して重合反応系とした。次いで、攪拌下、沸点還流状態の上記重合反応系中に、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと記載)132.2gを滴下し、35%SBS滴下開始5分後に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと記載)810g、15%ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと記載)390gをそれぞれ別個のノズルから滴下した。なお、上記の各水溶液の滴下時間は、120分間として、各水溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。上記15%NaPSの滴下終了後、さらに30分間、上記反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合反応を完結させ、重量平均分子量10000のポリ(メタ)アクリル酸重合体(1)の水溶液を得た。なお、重量平均分子量は、分子量の測定方法(2)により測定を行った。
ポリ(メタ)アクリル酸重合体(2)~(6)はポリ(メタ)アクリル酸重合体(1)
と同様にして製造した。
<ソイルセメントの調整及びフローの測定>
以下で述べる試験条件では、全て20℃の試験温度になるように、試験に使用する材料、ミキサー、測定器具類を上記の試験温度雰囲気下で調温し、混練および物性測定も上記試験温度雰囲気下で行った。
ソイルセメントの調整を行う前に、あらかじめ、ポリ袋に本山木節粘土(A粘土粉末、瀬戸窯業原料株式会社製)5000gと水3000gを投入し、10分間手で混合し、20℃の条件下で一日以上静置して含水比60%の含水木節粘土を調整した。
ポリプロピレン製カップ(品番:ニューディスポカップ1000mL;アズワン製)に、
ポリカルボン酸系重合体及びポリ(メタ)アクリル酸重合体(ポリカルボン酸系重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体の合計の添加量がセメント系固化材に対して3.0%になるように規定)、および、多価イオン不溶化剤として、セメント系固化材に対して2.0%の添加量の炭酸ナトリウムを含む水200gを入れて撹拌し、添加剤溶液を調整した。
調整した添加剤溶液に、セメント系固化材(ジオセット200、太平洋セメント製)を200g添加して、スリーワンモーターを用いて、300rpmで4分間攪拌し、セメントスラリーを調整した。ホバート型ミキサー(型番N-50;ホバート社製)の釜に、含水比60%の含水木節粘土600gと調整したセメントスラリーを投入し、ホバート型ミキサーで攪拌を開始して、ソイルセメントの調整を行った。攪拌開始から2分後に、攪拌を停止し、30秒間、釜の側面についた粘土をかき落とした。その後攪拌を再開し、攪拌開始から10分間経過するまで攪拌を行い、ソイルセメントを作成した。作成したソイルセメントは、円錐台形のフローコーン(下部直径100mm、上部直径70mm、高さ60mm)を用いてフローの測定を行った。フローの測定の詳細条件は以下に記す。
コーン及び平板の設置:コーンは使用前に汚れ、傷及びへこみがないことを目視によって確認した。コーンの内面及び平板の上面はあらかじめ湿布等で拭き清潔な状態とした。
試料充填方法:コーンは、水平に設置した平板上に置き、試料はほぼ等しい量の2層に分けて詰めた。その各層は、突き棒でならした後、25回偏りがないように一様に突いた。各層を突く際の突き棒の突き入れ深さは,その前層にほぼ達する程度とした。
フローの測定:資料充填完了後、コーンを水平に引き上げた後、ソイルセメントが流れなくなるまで待った後、最大の直径の長さと、その直交する方向の直径の長さをノギスで計測を行い、平均値を算出し、フローとして記録した。
<実施例1~18及び比較例1~4>
表1に示した共重合体(1)~(9)及び、表2に示したポリ(メタ)アクリル酸重合体(1)~(6)を用いて、表3~5に示す配合で、前述したソイルセメントの調整及びフローの測定の試験を行った。結果は表3~5に示した。
表3に示すように、分子量40,000以下の共重合体を配合した場合、もしくは、共重合体の構造単位(B)のmが0である場合、フローが良好な結果を示すことが分かった。
表4に示すように、種々のポリ(メタ)アクリル酸重合体を使用することで、フローが良好な結果を示すことが分かった。
表5に示すように、共重合体とポリ(メタ)アクリル酸重合体の重量比を適切な範囲で使用する場合、フローが良好な結果を示すことが分かった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1);
    (式(1)中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。Xは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表されるカルボン酸系単量体由来の構造単位(A)と、下記一般式(2);
    (式(2)中、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R7は、同一又は異なって、炭素数2~4のアルキレン基を表す。R8は、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。pは、0~2の数を表す。mは、0又は1の数を表し、nは、10~100の数を表す。)で表される不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の構造単位(B)とを有する重量平均分子量5000~40000のポリカルボン酸系重合体と(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を重合したポリ(メタ)アクリル酸重合体を含有し、該ポリ(メタ)アクリル酸重合体の重量平均分子量(Mw)が2,000~20,000(但し、20,000である場合は除く)であるソイルセメント用添加剤。
  2. 下記一般式(1);
    (式(1)中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。Xは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表されるカルボン酸系単量体由来の構造単位(A)と、下記一般式(2);
    (式(2)中、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R7は、同一又は異なって、炭素数2~4のアルキレン基を表す。R8は、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。pは、0~2の数を表す。mは0の数を表し、nは、10~100の数を表す。)で表される不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の構造単位(B)とを有するポリカルボン酸系重合体と(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を重合したポリ(メタ)アクリル酸重合体を含有し、該ポリ(メタ)アクリル酸重合体の重量平均分子量(Mw)が2,000~20,000(但し、20,000である場合は除く)であるソイルセメント用添加剤。
  3. 請求項1又は2に記載のソイルセメント用添加剤と水硬性粉体と土と水とを含有する含むことを特徴とするソイルセメント組成物。
  4. 請求項1又は2に記載のソイルセメント用添加剤及び水を含有する混錬水と水硬性粉体を混合してスラリーを得る工程と、該スラリーと土とを混合する工程とを含む、ソイルセメント組成物の製造方法。
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