JP7725112B1 - 固形燃料の製造方法 - Google Patents
固形燃料の製造方法Info
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Description
[1]高速回転式ミキサー内で、廃プラスチック及び付着防止材を、攪拌すると共に、攪拌翼のせん断熱によって180℃超に加熱し、脱塩素及び半炭化を伴う造粒を行う固形燃料の製造方法であって、
前記付着防止材が、バイオマス粉粒体、前記固形燃料、並びに、前記造粒時の廃プラスチック及び付着防止材の最高温度よりも引火点の高い油から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする固形燃料の製造方法。
[2]製造される固形燃料が、塩素量1.0質量%以下であることを特徴とする上記[1]記載の固形燃料の製造方法。
[3]前記付着防止材が少なくともバイオマス粉粒体を含み、該バイオマス粉粒体が、排水処理施設から発生する有機性汚泥の粉粒体であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の固形燃料の製造方法。
[5]前記高速回転式ミキサーの攪拌翼のせん断熱によって180℃超に加熱する際に、エア又は不活性ガスのパージ処理を行うことを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
[6]前記加水に用いる水が、塩化化合物を中和する中和剤を含有していることを特徴とする上記[4]記載の固形燃料の製造方法。
[8]製造される固形燃料が、塩素量1.0質量%以下であり、嵩密度0.4t/m3以上、平均粒子径D5010.0mm以下、全粒の90%以上が粒度0.01mm以上、安息角50°以下であることを特徴とする上記[1]~[7]のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
[9]製造される固形燃料が、硫黄量1質量%以下であることを特徴とする上記[1]~[8]のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
[11]プラスチックを含有する粒状固形燃料であって、塩素量1.0質量%以下であり、嵩密度0.4t/m3以上、平均粒子径D5010.0mm以下、全粒の90%以上が粒度0.01mm以上、安息角50°以下であることを特徴とする粒状固形燃料。
本発明の処理対象である廃プラスチック(廃プラ)としては、高速回転式ミキサーによる処理が可能なものであれば特に制限されるものではなく、例えば、容器包装リサイクルプラスチック(容リプラ)を挙げることができる。廃プラの態様としては、廃棄された状態のものであってもよいし、廃棄後加工処理されたものであってもよいが、加工処理されたものが好ましい。加工処理された廃プラとしては、粉砕されたものがより好ましい。廃プラの形状としては、例えば、フラフ状、ビーズ状、フレーク状、チップ状、粉粒状、ペレット状等の各種形状を挙げることができる。
本発明の付着防止材としては、バイオマス粉粒体、固形燃料、並びに、造粒時の廃プラスチック及び付着防止材の最高温度(樹脂温度ともいう)よりも引火点の高い油を挙げることができ、廃プラスチックに、これらを単独で混合してもよいし、これらを組み合わせて混合してもよい。これらの付着防止材を添加することにより、溶融した廃プラスチックの付着を防止し、脱塩素及び半炭化を伴う造粒が可能となる。
本発明のバイオマス粉粒体としては、加熱により一酸化炭素や水素などのガスを発生する揮発性バイオマスや、燃焼性バイオマスであれば特に制限されるものではなく、例えば、食品工場、下水処理場、製紙工場、動物の飼育場等の有機物を多く含んだ排水処理施設から発生する有機性汚泥の粉粒体を挙げることができる。また、本発明のバイオマス粉粒体としては、塩素量や硫黄量が高く燃料に不適で処理が困難な、例えば、樹皮、竹、有機汚泥、家畜ふん尿等のバイオマスにも適用可能である。
本発明の付着防止材としては、バイオマス粉粒体の代わりに本発明の製造方法により製造される固形燃料(造粒品)を代用することができる。また、本発明による固形燃料とバイオマス粉粒体を混合して用いることもできる。本発明による固形燃料は、半炭化しているので加熱による溶融粘着性が低下しており、脱塩素と脱硫がされているので、バイオマス粉粒体の代用として有用である。すなわち、固形燃料を添加することにより、溶融した廃プラスチックの付着を防止し、脱塩素及び半炭化を伴う造粒が可能となる。
本発明の付着防止材としては、バイオマス粉粒体や固形燃料の代わりに、造粒時の廃プラスチック及び付着防止材の最高温度よりも引火点の高い油(以下、高引火点油という場合がある。)を代用することができる。また、この高引火点油と、バイオマス粉粒体や固形燃料とを混合して用いることもできる。
付着防止材の投入量を、攪拌後の嵩が増加しない量に調整することにより、最も減容する溶融状態の嵩をミキサー容量の6~7割以下に維持できる。これにより、廃プラの投入量と処理能力を確保すると共に、計画量を処理する時間内で脱塩素することができ、計画する脱塩素量と脱硫量を確保することができる。
高速回転式ミキサーは、その内部に投入された廃プラ及び付着防止材を、攪拌翼の高速回転による強力なせん断熱によって、樹脂温度センサーで検知する樹脂温度が180℃超に、直接加熱し、脱塩素、脱硫、半炭化、及び顆粒化を伴う造粒を可能にする。ここで、本明細書における樹脂温度とは、高速回転式ミキサーの内部に投入される廃プラスチックに、付着防止材(バイオマス粉粒体、固形燃料、油)を組み合わせた混合物の温度をいう。
高速回転式ミキサーは、攪拌翼に接触する局部の強力なせん断によって、廃プラを攪拌しながら、粉砕・減容・混合すると共に、強力な局部せん断熱によって乾燥・混錬・溶融する程度に直接加熱し、脱塩素、脱硫及び半炭化を行う、バッチ処理方式であるが、連続処理方式であってもよい。本発明の製造方法においては、複数のバッチ処理方式高速回転式ミキサーを用いて、1バッチ処理で一番消費電力が高い脱塩素をするタイミングをずらすことで、最大消費電力量を抑えて効率的に処理することが好ましい。
高速回転式ミキサーの攪拌翼のせん断熱によって180℃超に加熱する際に、エア(空気)又は不活性ガスのパージ処理を行うことが好ましい。パージ処理は、排気温度の調整と同時に、ミキサー内に、脱塩素及び脱硫によって揮発し充満するHCl等の濃度調整も行う。ミキサー内でHCl等の濃度が高いと、設備の腐食トラブルを招くので、パージ量は極力高い方が好ましい。ミキサー容量と脱塩素・脱硫量によりパージ量は変動するため、一概に限定はできないが、1分間にミキサー容量の概ね1倍以上の換気量、例えばミキサー容量20Lであれば概ね20L/min以上の常温パージ量が好ましい。処理に用いるガスとしては、エアの代わりに、窒素等の不活性ガスを使用する事も可能であり、不活性ガスを使用する方が、樹脂温度等の高温トラブルでの火災を防止できるので安全である。
高速回転式ミキサーによって脱塩素、脱硫、半炭化、及び顆粒化が進行して高温に熱せられた疎水性樹脂は、攪拌した状態で加水により、熱せられた油が激しく弾けるように一気に急冷されて、粉砕されながら固化して造粒されることが好ましい。すなわち、造粒は、攪拌翼のせん断熱によって、廃プラスチックを溶融して脱塩素及び半炭化した後、加水して廃プラスチックを固化して粒状化するものであることが好ましい。これにより、本発明の実施例2のように加水を行わずに顆粒状にする場合と比較して、造粒時間が短縮され、効率的に顆粒状の造粒が可能となる。
せん断熱による加熱処理を行った廃プラ及び付着防止材に含まれる水溶性の塩素化合物や硫黄化合物や再付着HClなどが少量の場合、加水量を減らすことで、造粒品の塩素量、硫黄量、粒度、水分に影響を与えずに処理が可能である。これにより、洗浄・固液分離・乾燥処理の性能を落としたり、これら設備を省略して固形燃料を直接回収することができる。その結果として、排水処理に係る、イニシャル・ランニングコストを削減し、低消費電力分の低CO2化が図れる。
前記のとおりPP,PE,PS,PETは樹脂温度300℃以上でないと熱分解と揮発しないが、ポリ塩化ビニル(PVC)は樹脂温度200℃以上で熱分解が始まり揮発して炭化が始まる。容器包装廃プラ87.3質量%(PP・PE・PS・PET混合81.1%、灰分3.8質量%、PVC2.4%)と、有機汚泥8.0質量%(灰分4.0質量%)と、大豆油4.7%(発火点より低い引火点330℃)をミキサーに投入した。高速回転する攪拌翼の強力な局部せん断熱により、樹脂温度258℃以下であっても、脱塩素、脱硫が進行し、溶融粘着力が失われた。その結果、攪拌翼の駆動モーターの電流値が低下し、樹脂温度が脱塩素しない範囲まで下がったため、加水無しで造粒を実施した。その結果、図3に示すような顆粒状の黒い造粒品ができた。
本発明の実施例2の結果が示すとおり、高速回転式ミキサーによる脱塩素・脱硫処理に伴う、予期せぬ半炭化顆粒状の造粒が確認できた。
本発明の固形燃料の製造方法によれば、塩素量1.0%以下であり、嵩密度0.4t/m3以上、平均粒子径D5010.0mm以下、全粒の90%以上が粒度0.01mm以上、安息角50°以下、である固形燃料を製造することができる。また、本発明の固形燃料の製造方法によれば、塩素量1.0質量%以下であり、RPF品質基準に準拠する、高位発熱量25MJ/kg以上、水分5質量%以下、灰分10質量%以下である固形燃料を製造することができる。さらに、本発明の固形燃料の製造方法によれば、硫黄量1%以下である固形燃料を製造することができる。
本発明の粒状固形燃料は、プラスチックを含有する粒状固形燃料であって、塩素量1.0質量%以下であり、嵩密度0.4t/m3以上、平均粒子径D5010.0mm以下、全粒の90%以上が粒度0.01mm以上、安息角50°以下であることを特徴とする。
以上の特徴を有することから、本発明の固形燃料の製造方法は、流通するRPF固形燃料よりも同等以上の、品質等機能面にも優れた顆粒状の粒状固形燃料を製造することができ、重油・石炭などの代替え燃料として用いることができる。
本発明の固形燃料の製造方法は、RPF品質基準に定められた品質の粒状固形燃料を製造することができる。すなわち、JIS Z 7311:2010「廃棄物由来の紙,プラスチックなど固形化燃料(RPF)」で定められるRPF品質に準拠する廃プラとバイオマス粉粒体と油を配合する事で、定められるRPF品質の、高位発熱量25MJ/kg以上、水分5質量%以下、灰分10質量%以下に準拠する固形燃料の製造が可能である。RPF品質に準拠する配合については、高位発熱量に影響する灰分が極力少ない原料であることが好ましい。灰分が少ないほど、高位発熱量が高くなり、ミキサーの攪拌翼等の摩耗による寿命が長くなる。摩耗については、廃プラとバイオマス粉粒体が接触する攪拌翼やミキサー室内部の焼き入れ等をして、硬度を上げる事で寿命が増す事を補足する。
図2に示す高速流動型混合機を用いて、固形燃料を製造した。高速流動型混合機(高速回転式ミキサー)1の容器2上部には、原料の投入口3、排気口4、処理水を噴射する加水ノズル5、脱塩素時にエア・不活性ガスを噴射するエアパージノズル6が設けられている。また、容器2底部には、上羽根と下羽根の攪拌翼7、排出弁8が設けられている。また、容器2内には樹脂温度を検知するための樹脂温度センサー9が設けられている。さらに、排気口に設置された排気温度センサー10により排気されるガスの温度が検知される。なお、図中の黒矢印は、装置内の処理物の動きを示す。
原料の廃プラ(樹脂)として、容リプラの沈降物(主にPP・PE・PS・PET混合92.8質量%、灰分4.4質量%D.B.、PVC2.8質量%(塩素量1.57質量%D.B.の換算値))を使用した。
原料のバイオマス粉粒体として、排水処理有機汚泥(灰分50.4質量%DB、塩素量1.13質量%D.B.、硫黄量0.61質量%D.B.)を使用した。
原料の油として、大豆油(塩素量<0.02質量%D.B.、硫黄量<0.02質量%D.B.、引火点330℃)を使用した。
ポリ塩化ビニル(PVC)含有する樹脂2kg-wetと塩素・硫黄含有する有機汚泥0.2kg-wet、大豆油0.1kgをミキサーに投入し、攪拌翼のせん断熱のみの直接加熱により、樹脂が溶融して樹脂温度約160℃超えてから樹脂に含有する塩素と、有機汚泥に含有する硫黄が熱分解され、塩化水素(HCl)・二酸化硫黄(SO2)が発生し始めて排気され、樹脂温度180℃以上で塩化水素・二酸化硫黄濃度が急増して脱塩素、脱硫した。溶融樹脂が高温になるほど塩化水素・二酸化硫黄濃度が上昇し、樹脂最大温度258℃で脱塩素・脱硫し、樹脂の炭化が進んでせん断性が低下し、加水無しで樹脂温度が低下し、半炭化した黒い顆粒状の造粒品(dry嵩密度0.92t/m3、dry安息角35°)を生成した。
ポリ塩化ビニル(PVC)含有する樹脂3kg(2kg+1kgの2回投入)と塩素・硫黄含有する有機汚泥1.2kgをミキサーに投入し、攪拌翼のせん断熱のみの直接加熱で脱塩素、脱硫、半炭化、顆粒化を行い、攪拌時の多めの加水6L(冷却固化、溶融付着剥離、塩素・硫黄洗浄)により、半炭化した黒い顆粒状の造粒品(dry嵩密度0.88t/m3、dry安息角35°)を生成し、樹脂最大温度280℃で塩素量1.45%D.B.→0.68%D.B.(指標脱塩素率53%)、硫黄量0.16%D.B.→0.068%D.B.(指標脱硫率56%)に脱塩素と脱硫した。ミキサー室内と攪拌翼の付着はほぼ無かった。
加水洗浄固液分離後の液体は、pH5.0(酸性)、全塩素4.8mg/Lであった。
同じ投入物と配合比率と攪拌羽根回転数で、運転開始~樹脂温度MAXまでの処理(攪拌翼せん断熱のみの直接加熱処理)時間は、実施例1が1時間54分、実施例2が45分。試験22の投入量より1.33倍多い実施例2の方が、実施例1に対し69分(61%)短縮した事から、投入量が多いとせん断熱が高くなる。
実施例2と実施例4の造粒後の、ミキサー内と攪拌翼の溶融付着の状態から、有機汚泥の増量による溶融付着防止に寄与することを実証した。また、実施例2と実施例5の造粒後の、ミキサー内と攪拌翼の溶融付着の状態から、加水による付着物の剥離効果を実証した。
2 容器
3 投入口
4 排気口
5 加水ノズル
6 エアパージノズル
7 攪拌翼
8 排出弁
9 樹脂温度センサー
10 排気温度センサー
Claims (11)
- 高速回転式ミキサー内で、廃プラスチック及び付着防止材を、攪拌すると共に、攪拌翼のせん断熱によって180℃超に加熱し、脱塩素及び半炭化を伴う造粒を行う固形燃料の製造方法であって、
前記付着防止材が、バイオマス粉粒体、前記固形燃料、並びに、前記造粒時の廃プラスチック及び付着防止材の最高温度よりも引火点の高い油から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 製造される固形燃料が、塩素量1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の固形燃料の製造方法。
- 前記付着防止材が少なくともバイオマス粉粒体を含み、該バイオマス粉粒体が、排水処理施設から発生する有機性汚泥の粉粒体であることを特徴とする請求項1記載の固形燃料の製造方法。
- 前記付着防止材が少なくともバイオマス粉粒体を含み、該バイオマス粉粒体が、排水処理施設から発生する有機性汚泥の粉粒体であることを特徴とする請求項2記載の固形燃料の製造方法。
- 前記造粒が、前記攪拌翼のせん断熱によって、廃プラスチックを溶融して脱塩素及び半炭化した後、加水して、前記廃プラスチックを固化して粒状化するものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
- 前記高速回転式ミキサーの攪拌翼のせん断熱によって180℃超に加熱する際に、エア又は不活性ガスのパージ処理を行うことを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
- 前記高速回転式ミキサーの攪拌翼のせん断熱によって180℃超に加熱する際に、エア又は不活性ガスのパージ処理を行うことを特徴とする請求項5記載の固形燃料の製造方法。
- 前記加水に用いる水が、塩化化合物を中和する中和剤を含有していることを特徴とする請求項5記載の固形燃料の製造方法。
- 製造される固形燃料が、塩素量1.0質量%以下であり、RPF品質基準に準拠する、高位発熱量25MJ/kg以上、水分5質量%以下、灰分10質量%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
- 製造される固形燃料が、塩素量1.0質量%以下であり、嵩密度0.4t/m3以上、平均粒子径D5010.0mm以下、全粒の90%以上が粒度0.01mm以上、安息角50°以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
- 製造される固形燃料が、硫黄量1質量%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の固形燃料の製造方法。
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