JP7726164B2 - 熱間圧延用ロール外層材、その製造方法、熱間圧延用複合ロールおよびその製造方法 - Google Patents
熱間圧延用ロール外層材、その製造方法、熱間圧延用複合ロールおよびその製造方法Info
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Description
[1] 質量%で、
C:1.5~2.3%、
Si:0.3~2.0%、
Mn:0.3~2.0%、
Cr:3.5~7.0%、
Mo:3.0~6.0%、
V:3.0~5.0%、
Nb:0.1~2.0%、
Al:0.01~0.10%、
Ni:0.02~2.00%、
N:0.050%以下、
を含有し、
あるいは、さらに、
Ti:0.50%以下、
B:0.090%以下、
Co:1.0%以下、
W:1.5%以下、
Zr:0.50%以下、
のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
Cr、Mo、W、V、Nbの含有量が下記(1)式および(2)式を満足する成分組成を有し、
且つ、下記A群およびB群からそれぞれ一つ以上選択される炭化物を有する炭化物複合体が分散することを特徴とする熱間圧延用ロール外層材。
0.85≦%Cr/(%Mo+%W/2)≦1.15 ・・・ (1)
(%Cr+%Mo+%W)/(%V+%Nb)≧2.2・・・ (2)
ここで、%Cr、%Mo、%W、%V、%Nbは各元素の含有量(質量%)であり、含有しない元素は0とする。
A群:M2C型炭化物、M6C型炭化物、MC型炭化物
B群:M7C3型炭化物、M23C6型炭化物
[2] 前記炭化物複合体が面積率で、2.0%以上であることを特徴とする[1]に記載の熱間圧延用ロール外層材。
[3] 遠心鋳造用鋳型の回転軸に垂直な断面において遠心鋳造用鋳型の回転軸を中心として点対称とならない部分を有する非軸対称の遠心鋳造用鋳型を用いて、前記成分組成の溶湯を鋳込み、[1]または[2]に記載の熱間圧延用ロール外層材を形成することを特徴とする熱間圧延用ロール外層材の製造方法。
[4] 外層、内層の2層以上を有する熱間圧延用複合ロールであって、前記外層が[1]または[2]に記載の熱間圧延用ロール外層材からなることを特徴とする熱間圧延用複合ロール。
[5] 前記[3]に記載の熱間圧延用ロール外層材の製造方法により得られた外層材を用いることを特徴とする熱間圧延用複合ロールの製造方法。
Cは、固溶して基地の硬さを増加させるとともに、炭化物形成元素と結合し硬質炭化物を形成し、その結果、ロール外層材の耐摩耗性を向上させる作用を有する。C含有量が1.5%未満では、炭化物量が不足するため、耐摩耗性が低下する。このため、C含有量は1.5%以上とする。C含有量は1.6%以上が好ましい。一方、2.3%を超える含有は、炭化物の粗大化や共晶炭化物量を過度に増加させ、疲労亀裂の発生・成長を促進し、深いヒートクラックの形成等に起因して耐疲労性を低下させ、また、炭化物量の増加による残留応力の増大により、ロール製造中または圧延使用中にロールが折損する可能性がある。このため、C含有量は2.3%以下に限定する。なお、好ましくは、2.2%以下である。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、溶湯の鋳造性を向上させる元素である。また、Siは基地中に固溶して、基地を強化する作用がある。このような効果を得るためには、0.3%以上の含有を必要とする。Si含有量は好ましくは0.4%以上である。一方、2.0%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となり、さらには、基地組織を脆化させ、耐疲労性が劣化する場合もある。このため、Si含有量は2.0%以下に限定する。なお、好ましくは、1.8%以下である。
Mnは、SをMnSとして固定し、Sを無害化する作用を有するとともに、一部は基地組織に固溶し、焼入れ性を向上させる効果を有する元素である。また、Mnは基地中に固溶して、基地を強化(固溶強化)する作用がある。このような効果を得るためには、0.3%以上の含有を必要とする。Mn含有量は好ましくは0.4%以上である。一方、2.0%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり、さらには材質を脆化する場合もある。このため、Mn含有量は2.0%以下に限定する。なお、好ましくは、1.7%以下である。
Crは、Cと結合して主に共晶炭化物(M7C3型炭化物、M23C6型炭化物)を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、3.5%以上の含有を必要とする。Cr含有量は好ましくは3.8%以上である。一方、7.0%を超える含有は、粗大な共晶炭化物が増加するため、耐疲労性を低下させる。このため、Cr含有量は7.0%以下に限定する。なお、好ましくは、6.5%以下である。
Moは、Cと結合して硬質な炭化物(M2C型炭化物、M6C型炭化物)を形成し、耐摩耗性を向上させる元素である。また、Moは、V、NbとCが結合した硬質なMC型炭化物中に固溶して、炭化物を強化するとともに、共晶炭化物中にも固溶し、それら炭化物の破壊抵抗を増加させる。このような作用を介してMoは、ロール外層材の耐摩耗性を向上させる。このような効果を得るためには、3.0%以上の含有を必要とする。Mo含有量は好ましくは3.5%以上である。一方、6.0%を超える含有は、粗大な共晶炭化物を形成させ、耐疲労性を低下させる。このため、Mo含有量は6.0%以下に限定する。なお、好ましくは、5.0%以下である。
Vは、ロールとしての耐摩耗性と耐疲労性とを兼備させる元素である。Vは、極めて硬質な炭化物(MC型炭化物)を形成し、耐摩耗性を向上させる元素である。このような効果は、3.0%以上の含有で顕著となる。このため、V含有量は3.0%以上とする。V含有量は好ましくは3.3%以上である。一方、5.0%を超える含有は、MC型炭化物を粗大化させ、耐焼付き性を低下させる。このため、V含有量は5.0%以下に限定する。なお、好ましくは、4.7%以下である。
Nbは、MC型炭化物に固溶してMC型炭化物を強化し、MC型炭化物の破壊抵抗を増加させる作用を介し、耐摩耗性を向上させる。また、NbはMC型炭化物の遠心鋳造時の偏析を抑制する作用を併せ有する。このような効果は、0.1%以上の含有で顕著となる。このため、Nb含有量は0.1%以上とする。Nb含有量は好ましくは0.2%以上である。一方、含有量が2.0%を超えると、粗大なMC型炭化物が形成され、耐焼付き性を悪化させる。このため、Nb含有量は2.0%以下に限定する。なお、好ましくは、1.8%以下である。
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、ポロシティ等の内部欠陥を防止する作用を有する。このような効果は、0.01%以上の含有で顕著となる。このため、Al含有量は0.01%以上とする。Al含有量は好ましくは0.02%以上である。一方、0.10%を超えて含有すると、粗大なAl系酸化物が形成され、耐疲労性が低下する。そのため、Al含有量は、0.10%以下に限定する。なお、好ましくは0.09%以下である。
Niは、基地中に固溶し、熱処理中のオーステナイトの変態温度を低下させ、基地の焼入れ性を向上させる元素である。このような効果は、0.02%以上の含有で顕著となる。Ni含有量は好ましくは0.05%以上である。2.00%を超えて含有すると、オーステナイトの変態温度が低くなりすぎて、熱処理後にオーステナイトが残留しやすくなる。オーステナイトが残留すると、耐摩耗性が劣化する。そのため、Ni含有量は、2.00%以下に限定する。なお、焼入れ性の観点から、好ましくは、1.80%以下である。
Nは、原料および溶解・鋳造の工程において大気中から混入する元素であり、0.050%を超えて含有すると、粗大な窒化物が形成して耐疲労性が低下する。そのため、N含有量は、0.050%以下に限定する。好ましくは0.045%以下である。
上記した成分以外に、Ti:0.50%以下、B:0.090%以下、Co:1.0%以下、W:1.5%以下およびZr:0.50%以下のいずれか1種または2種以上を含有しても良い。
Tiは、溶湯中の酸素と結びついて酸化物を作りやすい元素であり、この酸化物が核となって炭化物を基地中に微細・均一に形成させる作用を有している。このような作用を介して、耐摩耗性の向上に寄与する。このような効果は、0.50%以下の含有で顕著となる。そのため、Ti含有量は、0.50%以下に限定する。好ましくは、Ti含有量は0.40%以下である。また、このような効果を得るためには、Tiは0.01%以上含有することが好ましく、さらに好ましくは0.02%以上である。
Bは、基地中に固溶し基地の焼入れ性を向上させる元素である。このような効果は、0.090%以下の含有で顕著となる。0.090%を超えて含有すると、ホウ炭化物が形成して焼入れ性向上効果が飽和し、耐疲労性も低下する。また、Bが中間層や内層に混入すると、中間層や内層を脆化させる場合がある。そのため、B含有量は、0.090%以下に限定する。好ましくは0.080%以下であり、より好ましくは0.070%以下である。なお、焼入れ性の観点から、B含有量は、0.001%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.002%以上である。
Coは、基地中に固溶し、基地の硬さを上昇させることで耐摩耗性を向上させる作用を有する元素である。このような効果は、1.0%以下の含有で顕著となる。1.0%を超えて含有しても、効果が飽和してしまい、経済的に不利となる。そのため、Co含有量は、1.0%以下に限定する。好ましくは0.9%以下である。なお、このような効果を得るためには、Coは0.1%以上含有することが好ましく、さらに好ましくは0.2%以上である。
Wは、基地中に固溶し、基地を強化して耐肌荒れ性を向上させる作用を有する元素であり、且つM2C型炭化物またはM6C型炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。一方、1.5%を超えて含有すると、効果が飽和するだけでなく、粗大なM2C型炭化物またはM6C型炭化物が形成され、疲労摩耗が顕著に生じ、耐摩耗性を低下させる。以上のことから、W含有量は1.5%以下とする必要がある。W含有量は、好ましくは1.2%以下である。
ZrはCと結合してMC型炭化物を形成する元素であり、耐摩耗性を向上させる。一方、0.50%を超えて含有すると、効果が飽和するだけでなく、粗大なMC型炭化物が形成され、耐疲労性を低下させる。以上のことから、Zr含有量は0.50%以下とする必要がある。Zr含有量は好ましくは0.30%以下である。
0.85≦%Cr/(%Mo+%W/2)≦1.15 ・・・ (1)
(%Cr+%Mo+%W)/(%V+%Nb)≧2.2・・・ (2)
ここで、%Cr、%Mo、%W、%V、%Nbは各元素の含有量(質量%)であり、含有しない元素は0とする。
上記(1)式および(2)式を満足することで耐摩耗性、耐疲労性および耐焼付き性に優れた熱間圧延用ロール外層材を得ることが可能となる。具体的にいうと、(%Cr/(%Mo+%W/2))が0.85未満ではM2C型炭化物の量が増加し、M7C3型炭化物が形成されにくくなるため、後述するような炭化物複合体が形成されなくなるため、0.85以上とする必要がある。好ましくは0.88以上である。一方、(%Cr/(%Mo+%W/2))が1.15超えではM7C3型炭化物の量が増加し、M2C型炭化物が形成されにくくなるため、後述するような炭化物複合体が形成されなくなるため、1.15以下とする必要がある。好ましくは1.12以下である。また、((%Cr+%Mo+%W)/(%V+%Nb))が2.2未満ではMC型炭化物の量が増加し、M7C3型炭化物およびM2C型炭化物が形成されにくくなることで、後述する炭化物複合体の量が好適範囲を外れるため、2.2以上とする必要がある。好ましくは2.3以上である。上限は特に限定されるものではないが、3.8以下であることが好ましい。
得られた結果を用いて、A群(M2C型炭化物、M6C型炭化物、MC型炭化物)に属する炭化物を赤色、B群(M7C3型炭化物、M23C6型炭化物)に属する炭化物を青色、上記以外の相を黒色、隣接する測定データとの方位差が15°以上の境界を白色で表示した組織画像を得る。上記した組織画像の処理は、SEM/EBSD法の測定で得られたデータをEDAX社製のOIM Analysisを用いて解析することで得られる。この組織画像を用いて、白色の線を境に赤色の領域と青色の領域が隣り合っている場合において、赤色の領域と青色の領域を併せた領域を炭化物複合体とする。
炭化物複合体の面積率は、上記の手法で抽出された炭化物複合体の面積C(μm2)を測定し、SEM/EBSD法の測定面積(600×600μm2)で除した、C/(600×600)×100%の計算式で算出することができ、円周方向5か所の平均の面積率をその試験片の面積率とする。
従来の遠心鋳造法では、図1に示すように、遠心鋳造用鋳型の回転軸3aを中心として軸対称の遠心鋳造用鋳型1に溶湯供給管5aから前記外層材溶湯を注ぎ、外層を形成させる。本発明の熱間圧延用ロール外層材の製造では、図2に示すように、非軸対称の遠心鋳造用鋳型4の回転軸3bを中心として非軸対称の遠心鋳造用鋳型4に溶湯供給管5bから外層材溶湯を注ぎ、ロール外層材を形成させることが必要である。遠心鋳造用鋳型4の回転軸を中心として点対称とならない部分を有する非軸対称の遠心鋳造用鋳型4を回転させると、遠心鋳造用鋳型4の重心が回転軸を通らないため、遠心鋳造用鋳型4に振動が生じる。そのため、当該鋳型に外層材溶湯を鋳込むことで、凝固中の外層材溶湯に振動を付与することができ、固体の再配列が生じる結果、MC型炭化物、M2C型炭化物、M6C型炭化物の中から1種以上の炭化物と、M7C3型炭化物またはM23C6型炭化物の中から1種以上の炭化物とが隣接する領域である、炭化物複合体を形成するようになる。さらに、鋳型の振動によって基地組織が微細になり、絞りトラブルが発生しても、クラックが発生・進展しにくくなり、耐クラック性に優れた熱間圧延用ロール外層材を得ることができる。なお、鋳型の振動の有無は、後述するようにレーザー距離計(変位計)等を用いてレーザー距離計と鋳型外表面の間の距離を計測することによって測定することができる。
鋳込み温度は1420℃、リング状試験材外表面における遠心力は重力倍数で120Gとした。鋳造後、1000℃から焼入れ、510℃の焼戻し処理を3回行った。得られたリング状試験材から、硬さ試験片、EBSD測定用試験片、落重式摩擦熱衝撃試験片および熱間摩耗試験片を採取して、硬さ試験、EBSD測定、落重式摩擦熱衝撃試験および熱間摩耗試験を実施した。基準材(従来例であり、比較鋼である)として、表1の試験鋼No.28に示す成分について、軸対称の遠心鋳造用鋳型を用いて、リング状試験材を作製し、鋳造後、950℃から焼入れ、500℃で焼戻し処理を2回行った。外層材溶湯を鋳込む前にレーザー距離計で測定した遠心鋳造用鋳型の振動の振幅は58μmであった。
熱間摩耗試験は、図5に示すように、試験片13と相手片16との2円盤転がりすべり方式で行った。試験片13を冷却水14で水冷しながら700rpmで回転させ、回転する該試験片13に、高周波誘導加熱コイル15で800℃に加熱した相手片(材質:S45C、外径:190mmφ、幅:15mm、C1面取り)16を荷重490Nで接触させながら、すべり率:9%で120分間転動させた。試験後の試験片13の摩耗量(試験前の摩耗試験片の外周13Aと試験後の摩耗試験片の外周13Bから算出)を測定し、従来技術で製造したNo.28を基準とし、基準値に対する各試験片の摩耗量の比を、摩耗比(=(基準片の摩耗量)/(各試験片の摩耗量))を算出して耐摩耗性を評価した。耐摩耗性は、摩耗比が1.0倍以上の時に「〇」とし、耐摩耗性は合格と判断した。
比較例のNo.12はSiの含有量が本発明の範囲を下回っていたため、摩耗比が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.13はMnの含有量が本発明の範囲を下回っていたため、摩耗比が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.14はVの含有量が本発明の範囲を下回っていたため、MC型炭化物の量が減少したと考えられる。その結果、摩耗比が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.15はVの含有量が本発明の範囲を上回っていたため、粗大なMC型炭化物が形成されたと考えられ、焼付き面積率が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.16はCrの含有量が本発明の範囲を下回っていたため、耐焼付き性が所望の値に達しなかった。また、炭化物の全体量が減少したと考えられ、摩耗比が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.17はCrの含有量が本発明の範囲を上回っていたため、最大クラック深さが所望の値に達しなかった。
比較例のNo.18はMoの含有量が本発明の範囲を下回っていたため、耐焼付き性が所望の値に達しなかった。また、炭化物の量が減少したため、摩耗比が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.19はMoの含有量が本発明の範囲を上回っていたため、最大クラック深さおよび焼付き面積率が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.20はNiの含有量が本発明の範囲を下回っていたため、焼入れ性が不足し、摩耗比が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.21はNiの含有量が本発明の範囲を上回っていたため、オーステナイトが多量に残留して硬さが低下し、摩耗比が所望の値に達しなかった。また、硬さの低下によって、落重式摩擦熱衝撃試験を行った時に落重式摩擦熱衝撃試験片の表面が僅かに変形したと考えられる。その結果、焼付き面積率も所望の値に達しなかった。また最大クラック深さも所望の値に達しなかった。
比較例のNo.22はNbの含有量が本発明の範囲を下回っていたため、摩耗比が所望の値に達しなかった。また最大クラック深さも所望の値に達しなかった。
比較例のNo.23はNbの含有量が本発明の範囲を上回っていたため、粗大なMC型炭化物が形成され、焼付き面積率が所望の値に達しなかった。また最大クラック深さも所望の値に達しなかった。
比較例のNo.24はWの含有量が本発明の範囲を上回っていたため、最大クラック深さおよび耐焼付き性が所望の値に達しなかった。また、粗大なM2C型炭化物およびM6C型炭化物が形成されたため、摩耗比が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.25は(2)式が本発明の範囲を下回っていたため、耐焼付き性が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.26はTiの含有量が本発明の範囲を上回っていたため、粗大なTi系炭化物が形成され、耐焼付き性が所望の値に達しなかった。また最大クラック深さも所望の値に達しなかった。
比較例のNo.27は(1)式が本発明の範囲を上回っていたため、耐焼付き性が所望の値に達しなかった。
比較例のNo.28は(1)式および(2)式が本発明の範囲外であり、耐焼付き性が所望の値に達しなかった。また最大クラック深さも所望の値に達しなかった。
したがって、本発明によれば、耐摩耗性、耐疲労性および耐焼付き性に優れた熱間圧延用ロール外層材および熱間圧延用複合ロールを製造することが可能となる。その結果、被圧延材の表面品質の著しい向上およびロール寿命の向上を達成できるという効果もある。
2a、2b ローラー
3a、3b 回転軸
4 遠心鋳造用鋳型(非軸対称)
5a、5b 溶湯供給管
6 リング状試験材
7 EBSD測定用試験片
8 重錘
9 ラック
10 相手片
11 ピニオン
12 落重式摩擦熱衝撃試験片
13 熱間摩耗試験片(試験片)
13A 試験前の摩耗試験片の外周
13B 試験後の摩耗試験片の外周
14 冷却水
15 高周波誘導加熱コイル
16 相手片
17 断面観察用試験片
18 クラック
Claims (5)
- 質量%で、
C:1.5~2.3%、
Si:0.3~2.0%、
Mn:0.3~2.0%、
Cr:3.5~7.0%、
Mo:3.0~6.0%、
V:3.0~5.0%、
Nb:0.1~2.0%、
Al:0.01~0.10%、
Ni:0.02~2.00%、
N:0.050%以下、
を含有し、
あるいは、さらに、
Ti:0.50%以下、
B:0.090%以下、
Co:1.0%以下、
W:1.5%以下、
Zr:0.50%以下、
のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
Cr、Mo、W、V、Nbの含有量が下記(1)式および(2)式を満足する成分組成を有し、
且つ、下記A群およびB群からそれぞれ一つ以上選択される炭化物の間の最短距離が2μm以下である炭化物を有し、さらに大きさが円相当径に換算して10μm以上150μm以下である炭化物複合体が分散することを特徴とする熱間圧延用ロール外層材。
0.85≦%Cr/(%Mo+%W/2)≦1.15 ・・・ (1)
(%Cr+%Mo+%W)/(%V+%Nb)≧2.2・・・ (2)
ここで、%Cr、%Mo、%W、%V、%Nbは各元素の含有量(質量%)であり、含有しない元素は0とする。
A群:M2C型炭化物、M6C型炭化物、MC型炭化物
B群:M7C3型炭化物、M23C6型炭化物 - 前記炭化物複合体が面積率で、2.0%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延用ロール外層材。
- 遠心鋳造用鋳型の回転軸に垂直な断面において遠心鋳造用鋳型の回転軸を中心として点対称とならない部分を有する非軸対称の遠心鋳造用鋳型を用いて、前記成分組成の溶湯を鋳込み、請求項1または2に記載の熱間圧延用ロール外層材を形成することを特徴とする熱間圧延用ロール外層材の製造方法。
- 外層、内層の2層以上を有する熱間圧延用複合ロールであって、前記外層が請求項1または2に記載の熱間圧延用ロール外層材からなることを特徴とする熱間圧延用複合ロール。
- 請求項3に記載の熱間圧延用ロール外層材の製造方法により得られた外層材を用いることを特徴とする熱間圧延用複合ロールの製造方法。
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