JP7726667B2 - 塗料組成物、塗膜、およびコンクリート構造物の補修または補強方法および剥落防止方法 - Google Patents
塗料組成物、塗膜、およびコンクリート構造物の補修または補強方法および剥落防止方法Info
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Description
[1] 硬化性樹脂(A)と、シランカップリング剤(B)とを含む、塗料組成物であって、
前記硬化性樹脂(A)が、下記一般式(1):
-X-CH2-SiR1 Y(OR2)3-Y ・・・(1)
(式(1)中、Xは、加水分解性シリル基に含まれる珪素原子に結合するメチレン基に非共有電子対を有するヘテロ原子が結合している結合官能基を示し、
R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1~10個の炭化水素基を示し、
Yは、0、1または2を示す。)
で表される加水分解性アルコキシシリル基を有し、
前記シランカップリング剤(B)が、アミノシラン化合物を含む、塗料組成物。
[2] 前記シランカップリング剤(B)が、前記アミノシラン化合物以外の他のシラン化合物として重合性不飽和シラン化合物をさらに含む、[1]に記載の塗料組成物。
[3] 前記重合性不飽和シラン化合物が、ビニルシラン化合物である、[2]に記載の塗料組成物。
[4] 前記塗料組成物中の前記アミノシラン化合物の前記重合性不飽和シラン化合物に対する質量比が、0.1以上10以下である、[2]または[3]に記載の塗料組成物。
[5] 無機粒子(C)をさらに含む、[1]~[4]のいずれかに記載の塗料組成物。
[6] 紫外線吸収剤(D)をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の塗料組成物。
[7] 光安定剤(E)をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の塗料組成物。
[8] コンクリート構造物に用いられる、[1]~[7]のいずれかに記載の塗料組成物。
[9] 請求項1~8のいずれか一項に記載の塗料組成物から形成される塗膜。
[10] コンクリート構造物の補修または補強方法であって、
コンクリート構造物の表面を[1]~[8]のいずれかに記載の塗料組成物で被覆する工程を含む、方法。
[11] コンクリート構造物の剥落防止方法であって、
コンクリート構造物の表面を[1]~[8]のいずれかに記載の塗料組成物で被覆する工程を含む、方法。
なお、本明細書において、「固形分」とは、塗料組成物から有機溶剤等の揮発成分を除いたものであり、硬化させたときに塗膜を構成する成分を示す。
本発明による塗料組成物は、硬化性樹脂(A)と、特定のシランカップリング剤(B)とを含むものである。本発明による塗料組成物は、無機粒子(C)、紫外線吸収剤(D)、光安定剤(E)、および他の成分等をさらに含んでもよい。本発明においては、特定の加水分解性アルコキシシリル基を有する硬化性樹脂(A)と、特定のシランカップリング剤(B)とを併用することで、低温であっても空気中の湿気と反応して硬化が進行する湿気硬化型1液型塗料組成物を得ることができる。なお、「1液型」とは、塗料組成物を使用する際に他の硬化剤等と混合せずに、そのまま所定部位に塗布することにより用いることができる。このような塗料組成物から形成された塗膜は、視認性、難燃性、ひび割れ追従性、剥落防止性、および付着性に優れるものである。以下、塗料組成物を構成する各成分について詳述する。
硬化性樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される加水分解性アルコキシシリル基を有するものである。硬化性樹脂は、下記一般式(1)で表される加水分解性アルコキシシリル基を末端に有しており、両末端に有していることが好ましく、側鎖にも有していてもよい。
-X-CH2-SiR1 Y(OR2)3-Y ・・・(1)
式(1)中、Xは、加水分解性シリル基に含まれる珪素原子に結合するメチレン基に非共有電子対を有するヘテロ原子が結合している結合官能基を示す。R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1~20個の炭化水素基を示す。Yは、0、1または2を示す。
シランカップリング剤(B)としては、少なくとも、アミノシラン化合物を用いる。アミノシラン化合物は、アミノ基と加水分解性シリル基とを有する化合物である。アミノシラン化合物としては、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4-アミノ-3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、4-アミノ-3-ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、4-アミノ-3-ジメチルブチルトリエトキシシラン、4-アミノ-3-ジメチルブチルメチルジエトキシシラン、ビス(3-トリメトキシプロピル)アミン、ビス(3-メチルジメトキシプロピル)アミン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N-エチルアミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N-ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-ブチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-プロペニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、およびこれらから誘導される縮合反応生成物等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機粒子(C)としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、カリ長石、カオリン、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、およびガラスフレーク等が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
紫外線吸収剤(D)は、特に限定されず、従来公知の紫外線吸収剤を用いることができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光安定剤(E)としては、特に限定されず、従来公知の光安定剤を用いることができ、ヒンダードアミン系光安定剤を用いることが好ましい。光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、1-[2-[3-(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-2,4-ジオン、ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロネート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、(Mixed1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、Mixed{1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル/β,β,β’,β’-テトラメチル-3,9-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、(Mixed 2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、Mixed{2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル/β,β,β’,β’-テトラメチル-3,9-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノール]、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物、N,N’,N’’,N’’’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、ジブチルアミン-1,3,5-トリアジン-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミンとN-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル等が挙げられる。
本発明による塗料組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記成分(A)~(E)以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、レベリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、非反応性希釈剤、消泡剤、たれ止め剤、分散剤、熱安定剤、密着性向上剤、可塑剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明による塗料組成物は、上記の各成分を、従来公知の混合機、分散機、撹拌機等の装置を用いて、混合・撹拌することにより得られる。このような装置としては、たとえば混合・分散ミル、ホモディスパー、モルタルミキサー、ロール、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等が挙げられる。
本発明による塗膜は、上記の塗料組成物から形成される。塗膜の膜厚は特に限定されないが、通常100~3000μm、好ましくは300~2000μm、さらに好ましく500~1000μmが望ましい。本発明における膜厚とは、塗膜の断面を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)等にて観察した際の、塗膜の厚さを指す。このような膜厚の被膜を形成する際は、1回の塗布で、所望の厚みの被膜を形成してもよいし、複数回の塗布で、所望の厚みの被膜を形成してもよい。
本発明による塗膜付き基材は、前記塗膜が基材に被覆されてなる。基材としては、コンクリート、セメント、モルタル、繊維強化セメント(ケイ酸カルシウム、スレート)、石膏、石材等を素材とするもの等が挙げられる。
[1]上記塗料組成物を基材に塗布して、塗膜を形成する工程
[2]得られた塗膜を乾燥させて乾燥塗膜を形成する工程
本発明による塗料組成物は、基材表面にローラーやハケといった簡易な手段で塗布することで、基材に対する視認性を有する塗膜を形成することができる。また、該塗膜は、密着性に優れ、また、基材のひび割れに追従可能な可とう性を有し、且つ、基材の剥落を防止する強靭性を有する。さらに、該塗膜は透明性が高いため、点検・保守を簡便に行うことが可能となる。
さらに、その他の施工対象としては、鉄を用いて建造された構造物が挙げられる。このような構造物としては橋梁、プラント、船舶などの構造物が挙げられる。本発明による塗膜は密着性、視認性に優れる点から、素地の状態が確認可能な防食塗料としての使用もできる。
・α型シラン変性ポリプロピレングリコール(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、商品名:GENIOSIL XT50)
・γ型シラン変性ポリプロピレングリコール(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、商品名:GENIOSIL STP-E35)
・ポリプロピレングリコール(可塑剤、三洋化成工業株式会社製、商品名:サンニックスPP -400)
・エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、商品名:アデカレジン EP-4080E)
・グリシジルエーテル(Huntsman社製、商品名:Erisys GE-35)
・ポリアミドアミン1(エボニック ジャパン株式会社製、商品名:ANCAMIDE910)
・ゴム変性アミン(Huntsman社製、商品名:Hypro ATBN 1300X16)
・アミノシラン化合物(3-アミノプロピルトリメトキシシラン、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、商品名:GENIOSIL GF96)
・ビニルシラン化合物(ビニルトリメトキシシラン、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、商品名:GENIOSIL XL10)
・γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM-403
・ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL RY 300)
・ガラスフレーク(日本板硝子株式会社製、商品名:Glass Flake RCF-015)
・UVA(紫外線吸収剤、BASFジャパン株式会社製、商品名:TINUVIN 1130)
・HALS(光安定剤、BASFジャパン株式会社製、商品名:TINUVIN 292)
・消泡剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名:BYK-1790)
・たれ止め剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名:BYK-410)
・ビニロン繊維(株式会社クラレ製、商品名:VF1203-2)
[塗料組成物の調製]
表1に記載の配合に従って、各成分を撹拌し、混合することにより、塗料組成物を調製した。
上記で調製した塗料組成物について、下記の各性能について評価を行い、評価結果を表2に示した。
上記で調製した塗料組成物を、常温(23℃)で、基材(ガラス板)上に塗布して、厚さ650μmの塗膜を形成した。12時間後および24時間後の塗膜の状態を下記の評価基準で評価した。
[評価基準]
◎:12時間後には塗膜は硬化していた。
○:24時間後には塗膜は硬化していた。
×:24時間後には塗膜は硬化していなかった。
上記で調製した塗料組成物を、低温(0℃)で、基材(ガラス板)上に塗布して、厚さ650μmの塗膜を形成した。12時間後および24時間後の塗膜の状態を下記の評価基準で評価した。
[評価基準]
◎:12時間後には塗膜は硬化していた。
○:24時間後には塗膜は硬化していた。
×:24時間後には硬化していなかった。
JIS A5371に規定される300mm×300mm×60mmのコンクリート舗道板(基材)の中央に太さ1mmの油性黒マジックを使用して直線を引いた。上記で調製した塗料組成物を基材上にコテで乾燥塗膜厚が600~700μmとなるように塗布した後、温度23℃、相対湿度50%の条件下で7日間乾燥させた。乾燥後の塗膜上から、直線を目視で視認可能かを下記の評価基準で評価した。
[評価基準]
○:鮮明な直線を目視で視認できた。
△:直線を目視で視認できたが、直線が不鮮明であった。
×:直線を目視で視認できなかった。
上記で調製した塗料組成物を基材(B5サイズのスレート板)に塗布した後、(23℃)の条件下で(7)日間乾燥させた。乾燥後の塗膜付き基材の難燃性を「鉄道車両用材料燃焼性試験」に準拠して測定し、下記の評価基準で評価した。
具体的には、試験板を45°傾斜に保持し、燃料容器の底の中心が、供試材の下面(燃焼面)中心の垂直下方25.4mm(1インチ)のところにくるように、コルクのような熱伝導率の低い材質の台にのせ、純エチルアルコール0.5ccを入れて着火し、燃料が燃え尽きるまで放置し、試験後の塗膜の状況により評価した。
[評価基準]
○:塗膜の炭化が全く見られない。
△:少々塗膜に炭化が見られる。
×:塗膜が炭化している。
上記で調製した塗料組成物のひび割れ追従性について、「鋼道路橋便覧」のコンクリート塗料材料の品質試験方法の6ひび割れ追従性試験法に準拠して評価した。
具体的には、ひび割れ追従性試験は、「鋼道路橋防食便覧」のコンクリート塗布材料の品質試験方法の6)ひびわれ追従性試験方法に準拠した。上記で調製した塗料組成物をポリプロピレン樹脂板にコテで乾燥塗膜厚が600~700μmとなるように塗布し、23℃で120時間養生した後、80℃で60分加熱し放冷した。次に、形成した塗膜をポリプロピレン樹脂板から剥離し、遊離塗膜を得た。続いて、該遊離塗膜に変形、ピンホールがないことを確認し、打ち抜き機を使用して試験片を得た。クロスヘッド分離速度を一定に保つことができる材料試験機((株)島津製作所、島津小型卓上試験機、型式「EZ-L」)を使用し、上記試験片をクロスヘッド分離速度5mm/min、標線間距離40mm、試験温度23℃で引っ張った。引っ張り試験の過程で、引っ張り荷重を縦軸、変位を横軸とする引っ張り荷重-変位曲線を記録した。該試験で得られた引っ張り荷重-変位曲線より、該試験片の降伏時における伸びまたは破断の瞬間の伸び(変位の長さ)を標線間距離(40mm)で割り、100倍することで算出された伸び率(%)によりひび割れ追従性を評価した。伸び率が高い方が、ひび割れ追従性に優れることを示す。
上記で調製した塗料組成物の剥落防止性について、土木学会基準JSCE-K533-2010「コンクリート片の剥落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法」に準拠して評価した。
具体的には、JIS A5372に規定される上ぶた式U字側溝のふた(以下、「ふた」という)の1種である呼び名300(400mm×600mm×60mm)を使用して試験を行った。上記ふたの中央部を、コンクリート用コアドリルを使用して直径100mmの円形状にコア抜きした。該コア抜きは、裏面(クリヤー塗料組成物を塗布する面(以下、「施工面」という)の反対側の面)より施工面に向かう方向であり、裏面より55mmの深さまで行った。
続いて、ダイヤモンドカップを使用して前記施工面の表面処理を行った後、前記ふたを施工面が上になるように、23℃に保たれた水中に24時間水浸した。次に、前記ふたの上部を水中より引き上げ、ふたの下部30mmを水浸した状態で、施工面の水滴をウエスで除去した。ふたの上部を水中から引き上げてから5分以内に、上記で調製した塗料組成物を施工面の中心部400mm×400mmにコテで乾燥塗膜厚が600~700μmとなるように塗布した。なお、前記施工は、ふたの下部30mmが水浸している状態で行った。その後、ふたの下部30mmを水浸している状態で、温度23℃で28日間養生を行い、供試体を得た。
前記供試体の塗膜が塗布された面を下側にして、スパン450mmにて支点上にセットし、塗膜に支点が接していないことを確認した。コア中央部に鉛直、均等に荷重がかかるよう球座を挟んで載荷した。載荷の過程で、荷重を縦軸、変位を横軸とする荷重-変位曲線を記録した。載荷は、まず、1mm/minの速度でコア部のコンクリートが破壊されるまで載荷した。その後、初期荷重ピークが確認されたら5mm/minで載荷を続け、その後に現れる最大荷重を測定した。最大荷重測定後、最大荷重に対して50%程度まで荷重が低下した時点で載荷を終了した。なお、同一条件下で作製した前記供試体3個を1組として試験した。
上記試験において、10mm、20mm、30mmの各変位において載荷を一時中止し、剥離範囲を供試体にマーキングするとともに写真記録を行った。最終的な耐荷力が確認された段階で試験を終了した。試験で得られた荷重と変位ストロークのデータより、荷重-変位曲線を作図し、変位が10mm以上における最大荷重を求めた。供試体3個につき前記最大荷重を求め、その平均値Pを算出し、その値を押抜き強度とした。平均値Pは小数点2桁目を四捨五入した。評価基準を以下に示す。
[評価基準]
○:押し抜き強度が0.5kN以上であった。
×:押し抜き強度が0.5kN未満であった。
剥落防止性が特に必要な場所に適用するために、上記で調製した塗料組成物を2回塗布やビニロンメッシュまたはガラスクロスなどのメッシュを併用した以外は、上記の剥落防止性1と同様にして、押抜き強度を測定した。評価基準を以下に示す。
[評価基準]
○:押し抜き強度が1.5kN以上であった。
×:押し抜き強度が1.5kN未満であった。
上記で調製した塗料組成物の剥落防止性について、土木学会基準JSCE-K531-2010「表面被覆材の付着強さ試験方法」に準拠して評価した。
具体的には、水セメント比50%、砂セメント比3のモルタルを、内のり寸法70mm×70mm×20mmの金属製型枠を用いて成形し、温度20℃、相対湿度80%の状態で24時間養生したのち脱型し、試験用基板を得た。次に、該試験用基板を6日間温度20℃で水中養生した。水中養生終了後、さらに、該試験用基板を温度23℃、相対湿度50%で7日養生した後、JIS R 6252で規定する150番研磨紙を用いて、成型時の下面を十分に研磨した。
得られた試験用基板に、上記で調製した塗料組成物をコテで乾燥塗膜厚が600~700μmとなるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で28日間養生した。得られた塗膜付き試験用基板を試験体として以下の試験を行った。
前記切り込みを入れた試験体の上部引張用鋼製ジグに、下部引張用鋼製ジグおよび鋼製当て板を取り付け、材料試験機((株)エーアンドディー社製、型式「RTC-1350A」)を使用して、試験体表面の塗膜に対して垂直方向に、破断するまで荷重速度1500N/minの引張力を加え、最大引張荷重T(N)を求めた。上記試験を2回行ない、その付着強さの平均値により下記基準で付着性を評価した。なお、付着強さは下記数式によって算出した。評価結果を表2に示した。
付着強さ(N/mm2)=T/1600
[評価基準]
○:付着強度が1.5N/mm2以上
×:付着強度が1.5N/mm2未満
上記で調製した塗料組成物をポリ容器中で温度60℃相対湿度90%の条件で30日間保存し、塗料組成物の状態を確認し、下記の評価基準で評価した。
[評価基準]
◎:異常がない。
〇:塗料表面に薄い膜が形成されるが塗料内部は液状のままである。
×:塗料内部まで硬化が進み固化している。
付着性試験の際と同様に寸試験用基板の作成を行い、70mm×70mm×20mm、水セメント比50%、砂セメント比3のモルタルを得た。
得られた試験用基板に、上記で調製した塗料組成物をコテで乾燥塗膜厚が600~700μmとなるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で28日間養生した。
続いて得られた試験体の裏側から木槌などで叩くことで試験体にクラックを生じさせ、その際に目視によりクラックが検知できるかにより評価を行った。
[評価基準]
〇:クラックがはっきりと検知できる。
△:クラックがごくわずかに検知できる。
×:クラックが検知できない。
Claims (12)
- 硬化性樹脂(A)と、シランカップリング剤(B)とを含む、塗料組成物であって、
前記硬化性樹脂(A)が、下記一般式(1):
-X-CH2-SiR1 Y(OR2)3-Y ・・・(1)
(式(1)中、Xは、加水分解性シリル基に含まれる珪素原子に結合するメチレン基に非共有電子対を有するヘテロ原子が結合している結合官能基を示し、
R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1~10個の炭化水素基を示し、
Yは、0、1または2を示す。)
で表される加水分解性アルコキシシリル基を有し、
前記硬化性樹脂(A)の含有量が、前記塗料組成物の固形分換算100質量%を基準として50質量%以上90質量%以下であり、
前記シランカップリング剤(B)の含有量が、前記塗料組成物の固形分換算100質量%を基準として5質量%以上20質量%以下であり、
前記シランカップリング剤(B)が、アミノシラン化合物および前記アミノシラン化合物以外の他のシラン化合物としてビニルシラン化合物であり、
前記塗料組成物中の前記アミノシラン化合物の前記ビニルシラン化合物に対する質量比が、1.5以上10以下である、塗料組成物。 - 前記硬化性樹脂(A)の含有量が、前記塗料組成物の固形分換算100質量%を基準として55質量%以上90質量%以下である、請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記シランカップリング剤(B)の含有量が、前記塗料組成物の固形分換算100質量%を基準として5質量%以上13質量%以下である、請求項1または2に記載の塗料組成物。
- 前記塗料組成物中の前記アミノシラン化合物の前記ビニルシラン化合物に対する質量比が、1.5以上5.0以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 前記アミノシラン化合物の含有量が、3質量%以上10質量%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 無機粒子(C)をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 紫外線吸収剤(D)をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 光安定剤(E)をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- コンクリート構造物に用いられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の塗料組成物から形成される塗膜。
- コンクリート構造物の補修または補強方法であって、
コンクリート構造物の表面を請求項1~9のいずれか一項に記載の塗料組成物で被覆する工程を含む、方法。 - コンクリート構造物の剥落防止方法であって、
コンクリート構造物の表面を請求項1~9のいずれか一項に記載の塗料組成物で被覆する工程を含む、方法。
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