以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るステータの外観斜視図である。図2は、ステータの部分分解斜視図である。図3は、ステータの縦断面図である。図4は、ステータを構成する分割コアの外観斜視図である。図5は、分割コアと基板の結線部の拡大平面図である。図6は、分割コアの部分分解斜視図である。図7は、分割コアを構成するインシュレータとコイルの模式断面図である。図8は、隣り合う分割コアの模式断面図である。図9は、インシュレータの縦断面図である。図10は、分割コアに基板を組み付けたときの導線の位置変化を示す模式図である。図11Aは、分割コアと基板の結線部の拡大側面図である。図11Bは、基板凹部に対する導線の半田付け状態の一例を示す模式図である。
なお、以下の説明では、便宜上、図示の軸方向は、本実施形態におけるモータの回転軸方向とする。軸方向のうち、一方を第1方向、他方を第2方向とする。図示の径方向は、本実施形態におけるモータの回転軸方向と直交する径方向とする。径方向のうち、図示の回転軸Xから遠ざかる方向を径方向外側、回転軸Xに向かう方向を径方向内側とする。図示の周方向は、本実施形態におけるモータの回転方向と一致する方向とする。
実施形態に係るステータ1は、例えば、インナーロータタイプのブラシレスモータ等に適用される。本実施形態のモータは、回転子であるインナーロータと、インナーロータに固定されたシャフトと、コイル及び該コイルが巻き回された磁性体を有するステータ1と、ステータ1に設けられる円環状の基板2とを備える。なお、ステータ1が適用されるモータは、ブラシレスモータに限られるものではない。
図1に示すステータ1は、不図示のインナーロータを取り囲むように配置される。ステータ1は、図4に示すように、いわゆる分割コアとしての複数の分割コア10を備える。ステータ1は、複数の分割コア10を周方向に沿って円環状に配置し、隣接する各分割コア10を接合して一体化させたものである。ステータ1は、図2に示すように、円環状に形成された基板2が軸方向の第1方向側に配置されている。複数の分割コア10は、例えば、周方向に沿って円環状に配置された状態で、インサートモールドにより一体成形されている。
分割コア10は、図3、図4に示すように、ステータコア11と、インシュレータ12と、インシュレータ12を介してステータコア11を囲むコイル13とを備える。
ステータコア11は、例えば、電磁鋼板等を複数枚積層した積層構造を有する磁性体である。複数のステータコア11は、周方向に沿って円環状に配置される。ステータコア11は、ティース部11aと、ヨーク部11bとを有する。ティース部11aは、ヨーク部11bの内周側から径方向内側に向かって延在する。ヨーク部11bは、図8に示すように、複数の分割コア10が周方向に沿って円環状に配置された状態において、隣接するヨーク部11bと周方向に連結される。
インシュレータ12は、例えば、絶縁体で形成され、ステータコア11とコイル13との間に介在して電気的に絶縁するものである。インシュレータ12は、図6に示すように、ステータコア11を内部に収容する収容部121と、収容部121の径方向外側の端部に形成された壁部122とを有する。インシュレータ12は、2つに分割可能に形成され、分割された状態で内部にステータコア11を収容することができる。
壁部122は、基板2がステータ1に組み付けられた組付状態で、当該基板2の外周側に位置する。壁部122は、径方向から見た場合、略矩形状に形成されており、軸方向においてヨーク部11bから突出して形成されている。壁部122は、コイル13から引き出された2つの導線14の引出し位置に径方向において対向する2つの凹部を有する。具体的には、壁部122は、図9に示すように、インシュレータ側第1凹部126と、インシュレータ側第2凹部127とを有する。
インシュレータ側第1凹部126(第3凹部)は、導線14の引出位置の一方に対応して形成され、一方の導線14の延在方向に対して交差する方向から一方の導線14が内側に配置される。インシュレータ側第2凹部127(第4凹部)は、導線14の引出位置の他方に対応して形成され、他方の導線14の延在方向に対して交差する方向から他方の導線14が内側に配置される。インシュレータ側第1凹部126及びインシュレータ側第2凹部127は、図5、図11Aに示すように、分割コア10において、それぞれがコイル13から引き出された導線14の引出位置に対向する位置に形成されている。具体的には、インシュレータ側第1凹部126は、分割コア10において、コイル13から引き出された導線14の第1端部141に対向する位置に形成される。インシュレータ側第2凹部127は、分割コア10において、コイル13から引き出された導線14の第2端部142に対向する位置に形成される。インシュレータ側第1凹部126とインシュレータ側第2凹部127の周方向の間には、インシュレータ側凸部128が形成される。インシュレータ側凸部128は、壁部122の軸方向における第1方向の端部から突出することなく、外側に向けて延在する。インシュレータ側凸部128は、基板2がステータ1に組み付けられた組付状態で、基板凸部23と軸方向に対向する。
また、インシュレータ側第1凹部126及びインシュレータ側第2凹部127は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、基板2の基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22にそれぞれ対向している。具体的には、インシュレータ側第1凹部126は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、基板側第1凹部21に対向する。インシュレータ側第2凹部127は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、基板側第2凹部22に対向する。インシュレータ側第1凹部126及びインシュレータ側第2凹部127は、コイル13から引き出した導線14を基板2に結線する際に、導線14の第1端部141及び第2端部142を径方向外側に逃がすための空間を形成する。基板2の基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22は、コイル13から引き出した導線14を基板2に結線する際に、導線14の第1端部141及び第2端部142を基板2側に接合するための空間を形成する。
収容部121は、径方向から見た場合に矩形の筒状に形成されており、ステータコア11にインシュレータ12が組み付けられた組付状態において、内側にティース部11aが収容される(図6)。収容部121は、外周面に4つの外面125を有する。外面125は、導線14が巻き回される。外面125は、複数層のコイル13に囲まれる。本実施形態の外面125は、図7、図8に示すように、2層のコイル13に囲まれている。4つの外面125のうち、周方向両側の2つの面は平坦面のみで構成され、軸方向両側の2つの面は、複数の凹部130と、平坦面131とで構成される。なお、本実施例においては、2つの面に複数の凹部と平坦面131とを形成しているが、少なくとも1つ以上の面に形成すればよい。
複数の凹部130は、収容部121の4つの外面125のうちの軸方向両側の2つの面において、径方向外側に形成されている。各凹部130は、径方向に沿って連続して配置されている。各凹部130は、例えば軸方向の第1方向側に突出し、かつ径方向に隣接する2つの凸部132に囲まれた部分である。各凹部130は、インシュレータ12に巻回された導線14が格納される。複数の凹部130に巻回された導線14は、図7に示すように、各凹部130により位置が規制され、ステータコア11のティース部11aに沿って均等に、かつ格子状に配置される。
平坦面131は、収容部121の4つの外面125のうちの軸方向両側の2つの面において、径方向内側に形成されている(図7)。平坦面131は、複数の凹部130が径方向外側に形成された外面125において、径方向内側に形成され、凹部130が形成されていない平坦な面である。平坦面131の径方向の長さは、導線14の外径の長さよりも長く設定される。
平坦面131に巻回された導線14の一部は、コイル13の第1層において、隣接する導線14間で径方向に離間している。具体的には、隣接するコイル13の第1層の導線14aと導線14bとは当接しておらず、径方向に離間している(図7)。一方、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部は、コイル13の第1層において、隣接する導線14間で径方向に離間しておらず、互いに当接している。
周方向に隣接する2つのインシュレータ12における、2つの平坦面131に対向する導線14の一部は、向かい合っている。具体的には、隣接する2つのインシュレータ12のうち、一方のインシュレータ12における平坦面131に対向する導線14a~導線14cは、図8に示すように、他方のインシュレータ12における平坦面131に対向する導線14a~導線14cに対して、周方向に向かい合っている。
複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に積み重ねられた導線14の一部に対して、平坦面131に対向する導線14の一部に積み重ねられた導線14の一部は、周方向内側に配置される。具体的には、図7に示すように、コイル13の第1層の9ターン目の導線14bが径方向内側に移動し、第2層の最初の巻線である10ターン目の導線14cが通常よりも周方向内側(例えば軸方向の第2方向側)に配置されるように巻き回される。言い換えると、平坦面131に積層された第2層側の導線14cの軸方向の最大高さは、凹部130側に積層された第2層側の導線14の軸方向の最大高さよりも低い。また、第2層側の導線14cの中心軸と平坦面131との間の軸方向の離間距離は、凹部130側に積層された第2層側の導線14の中心軸と外面125との間の離間距離より短い。
複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に積み重ねられた導線14の一部に対して、平坦面131に対向する導線14の一部は、外部に露出している。具体的には、平坦面131に対向する導線14a~14cのうち、導線14aは、図7に示すように、コイル13の第2層を構成する導線14c等により外部と遮蔽されておらず、外部から視認することが可能である。
平坦面131に対向する導線14の一部は、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に対して、外面125から離れた位置にある。具体的には、平坦面131に対向する導線の一部である導線14cは、導線14aと導線14bとの間に積み重ねられているため、軸方向の第1方向側において、外面125から離れた位置に配置され、そのときの離間距離は、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に積み重ねられた導線14の一部から外面125までの距離よりも小さくなる。
インシュレータ側第1凹部126及びインシュレータ側第2凹部127のうち、一方の凹部の周方向における位置は、図9に示すように、収容部121の外面のうち、周方向に対向する一対の外面125の一方(周方向内側)に対して、径方向から見て重なる位置にある。他方の凹部の周方向における位置は、周方向に対向する一対の外面125の他方(周方向外側)に対して、径方向から見て周方向外側にズレた位置にある。
コイル13は、インシュレータ12を介してステータコア11に巻き回された導線14で形成されている。コイル13は、インシュレータ12の外面125を囲むように配置される。コイル13は、インシュレータ12の収容部121を介して、ステータコア11のティース部11aに時計回りまたは半時計回しで巻回されて形成される。コイル13は、2層に巻き回された導線14で形成されるが、これに限定されるものではない。コイル13は、例えば、層数が2層以上、偶数の層で巻き回されていてもよいし、層数が1層以上、奇数の層で巻き回されていてもよい。コイル13は、引出線として、導線14の第1端部141、第2端部142が同一方向に引き出されている。第1端部141、第2端部142は、いずれもコイル13から軸方向の第1方向に向けて引き出されている。第1端部141は、コイル13の外周部から引き出されており、その引出位置はコイル13の外周部にある。第2端部142は、コイル13の内周部から引き出されており、その引出位置はコイル13の外周部の内側にある。
基板2は、ステータ1の軸方向の第1方向側に配置される。基板2は、例えばエポキシ等の絶縁性を有する樹脂材料で形成される。基板2上には、電子部品(不図示)が配置される。電子部品には、例えばインバータ及び制御IC等が含まれる。基板2は、図2、図5、図11A、図11Bに示すように、外周端から径方向内側に凹み、周方向に隣り合う複数の基板側第1凹部21、基板側第2凹部22を有する。
基板側第1凹部21は、図11Aに示すように、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、コイル13から引き出された導線14の一方の端部である第1端部141が挿通される。基板側第2凹部22は、図11Aに示すように、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、コイル13から引き出された導線14の他方の端部である第2端部142が挿通される。基板側第1凹部21と基板側第2凹部22との間には、周方向において、基板凸部23が形成される。基板凸部23は、基板本体20の外周から径方向外側に突出して形成される。
導線14の第1端部141は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、基板側第1凹部21の内側にあり、他方の第2端部142は、基板側第2凹部22の内側にある。第1端部141及び第2端部142は、周方向において、互いに向き合う方向に配置される。第1端部141は、基板側第1凹部21の内側を、周方向において基板側第2凹部22に向けて傾斜した状態で配置される。第2端部142は、基板側第2凹部22の内側を、周方向において基板側第1凹部21に向けて傾斜した状態で配置される。第1端部141及び第2端部142は、基板側第1凹部21と基板側第2凹部22との間の基板凸部23を周方向に挟む。第1端部141及び第2端部142は、図11Bに示すように、基板側第1凹部21と基板側第2凹部22との間の基板凸部23を周方向に挟んだ状態で、例えば半田Hにより基板2のランド30に接合される。
ランド30は、導電性を有し、導線14に接続されるものである。ランド30は、図11Bに示すように、コイル13から引き出された導線14の第1端部141、第2端部142に対して半田付けにより物理的及び電気的に接続される。ランド30は、基板表面20a側に設けられている。
次に、本実施形態におけるインシュレータ12に導線14を巻回してコイル13を形成する作業について説明する。インシュレータ12に導線14を巻回した場合、コイル13の第1層は、1ターン目から8ターン目まで複数の凹部130に沿って巻かれ、9ターン目が平坦面131に巻かれる。この状態から、コイル13の第2層の導線14cが第1層の導線14a,14b間に位置するように巻き回すと、コイル13の第1層の径方向のもっとも内側に位置していた9ターン目が径方向内側に移動し、第2層の最初の巻線である10ターン目が通常よりも軸方向の第2方向側に位置するように巻き回される。つまり、平坦面131に配置されている導線14は、径方向の位置が規制されていないため、第2層の導線14cが巻き回される際の力によって移動し、第2層の導線14cを軸方向の第2方向側に案内することになる。このとき、インシュレータ12の平坦面131と対向する9ターン目の第1層の導線14bは、複数の凹部130と対向する1~8ターン目の導線14に対して離間している。したがって、平坦面131に径方向に対向する導線14の一部は、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に対して離間している。これにより、図8に示すように、隣接するステータコア11に巻き回された導線14との間の空間をより広くすることができ、隣接するコイル13の導線14c同士の接触による電気的な短絡を抑止することができる。
次に、本実施形態におけるコイル13から引き出された引出線である導線14の第1端部141及び第2端部142を引き回して基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22に組み付ける作業について説明する。コイル13から引き出した導線14を基板2に結線する際に、導線14の第1端部141及び第2端部142を、径方向外側に倒して、インシュレータ12のインシュレータ側第1凹部126及びインシュレータ側第2凹部127の内側に逃がす。次に、基板2をステータ1に組み付けた後、インシュレータ側第1凹部126及びインシュレータ側第2凹部127の内側に逃した導線14の端部を、基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22の内側に入れる。これにより、導線14がインシュレータ12と干渉することなく、ステータ1と基板2を組み立てることができる。
上述したように、本発明の一態様に係るモータは、導線14で形成されたコイル13と、コイル13に囲まれた外面125を有するインシュレータ12とを備える。インシュレータ12の外面125は、複数の凹部130と、平坦面131とを備える。平坦面131に対向する導線14の一部は、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に対して、離間している。例えば、インシュレータ12に導線14を巻き回してコイル13を形成する際に、導線14は、1ターン目から8ターン目まで複数の凹部130に沿って巻かれ、9ターン目が平坦面131に巻かれる。この結果、第1層における9ターン目の導線14が径方向内側に移動し、第2層の最初の巻線である10ターン目の導線14が従来よりも周方向内側(例えば軸方向の第2方向側)に配置されるように巻き回される。つまり、平坦面131に巻かれた導線14の径方向内側への移動が規制されていないため、10ターン目の導線14が巻き回される際の力によって移動し、10ターン目の導線14を周方向内側に案内することになるので、コイル13の径方向内側の周方向の大きさ(高さ)が小さく(低く)なる。これにより、隣接するインシュレータ12に形成されたコイル13同士の接触を抑止することができる。
また、本発明の一態様に係るモータは、周方向において、隣接する2つのインシュレータ12における、2つの平坦面131に対向する導線14の一部は向かい合っている。これにより、隣接する2つのインシュレータ12に形成されたコイル13同士の接触を抑止することができる。
また、本発明の一態様に係るモータは、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に積み重ねられた導線14の一部に対して、平坦面131に対向する導線14の一部に積み重ねられた導線14の一部は、周方向内側に配置される。これにより、コイル13の第1層の9ターン目の導線14bが径方向内側に移動し、第2層の最初の巻線である10ターン目の導線14cが通常よりも周方向内側(例えば軸方向の第2方向側)に配置されるように巻き回される。
また、本発明の一態様に係るモータは、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に積み重ねられた導線14の一部に対して、平坦面131に対向する導線14の一部は、外部に露出している。これにより、第1層の9ターン目の導線が径方向に移動し、2列目の最初である10ターン目の導線が通常よりも周方向内側に配置されやすくなる。
また、本発明の一態様に係るモータは、平坦面131に対向する導線14の一部が、複数の凹部130に嵌まった導線14の一部に対して、インシュレータ12の外面125から離れた位置にある。これにより、コイル13の第1層における9ターン目の導線14bが径方向に移動しやすくなる。
上述したように、本発明の一態様に係るモータは、ステータ1に設けられる円環状の基板2を有する。基板2は、外周端から径方向内側に凹み、周方向に隣り合う基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22を有する。導線14の2つの端部のうち、一方の第1端部141は、基板側第1凹部21の内側にあり、他方の第2端部142は、基板側第2凹部22の内側にある。導線14の第1端部141及び第2端部142は、周方向において、互いに向き合う方向に配置される。これにより、導線14の第1端部141と第2端部142により、基板側第1凹部21と基板側第2凹部22との間にある基板凸部23を周方向において挟持することが可能となり、例えば、振動等により基板2がステータ1に対して周方向に移動することを規制し、ステータ1と基板2との間に配索される導線14への負荷を軽減することができる。
また、本発明の一態様に係るモータは、第1端部141が、基板側第1凹部21の内側を、周方向において基板側第2凹部22に向けて傾斜した状態で配置され、第2端部142が、基板側第2凹部22の内側を、周方向において基板側第1凹部21に向けて傾斜した状態で配置される。第1端部141及び第2端部142は、基板側第1凹部21と基板側第2凹部22との間の基板凸部23を周方向に挟む。
上述したように、本発明の一態様に係るモータは、インシュレータ12が、径方向において、コイル13から引き出された導線14の2つの引出位置に対向する2つの凹部(インシュレータ側第1凹部126,インシュレータ側第2凹部127)を有する壁部122を備える。2つの引出位置のうち、一方は、コイル13の外周部にあり、他方は、外周部より内側にある。基板2は、外周端から径方向内側に凹み、周方向に隣り合う基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22を有する。基板側第1凹部21は、インシュレータ側第1凹部126と対向し、基板側第2凹部22は、インシュレータ側第2凹部127と対向する。
上記構成を有することで、コイル13から引き出した導線14を基板2に結線する際に、導線14の端部(第1端部141、第2端部142)を、径方向外側にある、インシュレータ12の凹部(インシュレータ側第1凹部126、インシュレータ側第2凹部127)に逃がすことができる。そして、基板2をステータ1に組み付けた後、インシュレータ12の凹部に逃した導線14の端部を、基板2側の凹部(基板側第1凹部21、基板側第2凹部22)に入れることができる。この結果、導線14がインシュレータ12と干渉することなく、ステータ1と基板2を組み立てることができ、モータの生産性を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係るモータは、インシュレータ側第1凹部126及びインシュレータ側第2凹部127のうち、一方の凹部の周方向における位置は、図9に示すように、収容部121の外面のうち、周方向に対向する一対の外面125の一方(周方向内側)に対して、径方向から見て重なる位置にある。他方の凹部の周方向における位置は、周方向に対向する一対の外面125の他方(周方向外側)に対して、径方向から見て周方向外側にズレた位置にある。
インシュレータ側第2凹部127は、コイル13の巻き始めの導線14が出入りするため、インシュレータ12の収容部121の周方向両端にある外面125の一方(周方向内側)に合わせた位置に形成されている。一方、インシュレータ側第1凹部126は、コイル13の巻き終わりの導線14(本実施形態では第2層目の導線14)が出入りするため、インシュレータ12の収容部121の周方向両端にある外面125の他方(周方向外側)に合わせた位置から導線1本分周方向外側に形成されている。このような構成にすることで、コイル13から引き出した導線14を基板2に結線する際に、導線14の端部(第1端部141、第2端部142)を、径方向外側にある、インシュレータ12の凹部(インシュレータ側第1凹部126、インシュレータ側第2凹部127)に逃がすことができる。そのため、導線14がインシュレータ12と干渉することなく、ステータ1と基板2を組み立てることができ、モータの生産性を向上させることができる。
(実施形態の第1変形例)
上記実施形態では、導線14の第1端部141は、基板側第1凹部21の内側を、周方向において基板側第2凹部22に向けて傾斜した状態で配置されており、導線14の第2端部142は、基板側第2凹部22の内側を、周方向において基板側第1凹部21に向けて傾斜した状態で配置されるが、これに限定されるものではない。図12Aは、実施形態の第1変形例における結線部を拡大平面図である。図12Bは、結線部の拡大側面図である。実施形態の第2変形例に係るモータは、導線14の第1端部141及び第2端部142は、それぞれ屈曲部を有する点で上記実施形態とは異なる。
導線14の第1端部141は、図12A、図12Bに示すように、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、第1屈曲部143を有する。導線14の第2端部142は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、第2屈曲部144を有する。第1屈曲部143及び第2屈曲部144は、互いに向き合う方向に屈曲している。第1屈曲部143は、コイル13から軸方向の第1方向側にまっすぐに引き出された導線14の第1端部141において、基板側第1凹部21の内側から第1方向側の外部に突出した部分に形成されている。第1屈曲部143は、基板2の周方向において、基板側第1凹部21から基板凸部23を挟んで基板側第2凹部22に向けて屈曲している。第2屈曲部144は、コイル13から軸方向の第1方向側にまっすぐに引き出された導線14の第2端部142において、基板側第2凹部22の内側から第1方向側の外部に突出した部分に形成されている。第2屈曲部144は、基板2の周方向において、基板側第2凹部22から基板凸部23を挟んで基板側第1凹部21に向けて屈曲している。
本発明の一態様に係るモータは、コイル13から引き出された導線14の第1端部141が、基板側第1凹部21の内側から外部に突出した部分に、基板2の周方向に屈曲した第1屈曲部143を有する。導線14の第2端部142は、基板側第2凹部22の内側から外部に突出した部分に、基板2の周方向に屈曲した第2屈曲部144を有する。第1屈曲部143及び第2屈曲部144は、互いに向き合う方向に屈曲している。このように、導線14の第1端部141、第2端部142が、互いに向き合うように周方向内側に折れ曲がった第1屈曲部143、第2屈曲部144を有することで、基板凸部23を周方向に保持する。これにより、コイル13から導線14を引き出す場合、第1端部141、第2端部142を傾斜させて引き出す必要がないことから、より容易に導線14と基板2とを結線させることができる。
(実施形態の第2変形例)
上記実施形態の第1変形例では、導線14の第1端部141及び第2端部142は、それぞれ屈曲部を有するが、これに限定されるものではない。図13Aは、実施形態の第2変形例における結線部の拡大斜視図である。図13Bは、結線部の拡大側面図である。実施形態の第2変形例に係るモータは、導線14の第1端部141及び第2端部142は、それぞれが屈曲部と変形部を有する点で上記第1変形例とは異なる。
導線14の第1端部141は、図13A、図13Bに示すように、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、導線14の断面形状と異なる断面形状を有する第1変形部145を有する。第1変形部145は、軸方向から見て矩形状に形成され、第1屈曲部143に対して第2屈曲部144側に位置する。第1変形部145は、例えば、第1端部141を第1屈曲部143で折り曲げる前に周方向に潰された部分である。導線14の第2端部142は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、導線14の断面形状と異なる断面形状を有する第2変形部146を有する。第2変形部146は、軸方向から見て矩形状に形成され、第2屈曲部144に対して第1屈曲部143側に位置する。第2変形部146は、例えば、第2端部142を第2屈曲部144で折り曲げる前に周方向に潰された部分である。
本発明の一態様に係るモータは、導線14の第1端部141が、第1屈曲部143に対して第2屈曲部144側に位置し、導線14の断面形状と異なる断面形状を有する第1変形部145を有する。導線14の第2端部142は、第2屈曲部144に対して第1屈曲部143側に位置し、導線14の断面形状と異なる断面形状を有する第2変形部146を有する。これにより、導線14の第1端部141、第2端部142をそれぞれ軸方向に潰して変形させることで、結線部の軸方向の高さを導線14の外径より低くすることができる。この結果、基板2を含むステータ1の軸方向の高さを抑えて、モータの小型化を図ることができる。
(実施形態の第3変形例)
上記実施形態では、基板2は、コイル13から引き出された導線14の端部を電気的に接続するランド30を有し、ランド30が基板表面20a側に設けられているが、これに限定されるものではない。図14Aは、実施形態の第3変形例における基板凹部の拡大斜視図である。図14Bは、基板凹部表面側の拡大平面図である。図14Cは、基板凹部裏面側の拡大平面図である。図15は、実施形態の第3変形例における基板凹部に対する導線の半田付け状態の一例を示す模式図である。実施形態の第3変形例に係るモータは、ランド30が、基板本体20の表面側及び裏面側だけでなく、各凹部の内周面にも形成されている点で上記実施形態とは異なる。
ランド30は、第1ランド部31と、第2ランド部32と、第3ランド部33とを有する。第1ランド部31は、基板2の厚み方向の一方の端面に配置される。具体的には、第1ランド部31は、図14A、図14Bに示すように、基板本体20の表面側に各基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22に沿って配置される。第2ランド部32は、基板2の厚み方向の他方の端面に配置される。具体的には、第2ランド部32は、図14Cに示すように、基板本体20の裏面側に各基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22に沿って配置される。第3ランド部33は、図14A~図14Cに示すように、各基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22の内周面に配置される。第1ランド部31と第2ランド部32と第3ランド部33とが連通する。具体的には、基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22のそれぞれにおいて、第1ランド部31と、第2ランド部32と、第3ランド部33とが連続的に形成されており、電気的に導通する。本実施形態の第3変形例における第1ランド部31は、第3ランド部33よりも面積が大きい。また、第2ランド部32は、第1ランド部31よりも面積が小さい。
導線14の第1端部141は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、基板側第1凹部21の内側を、周方向において基板側第2凹部22に向けて傾斜した状態で挿通される。導線14の第2端部142は、ステータ1に基板2が組み付けられた組付状態で、基板側第2凹部22の内側を、周方向において基板側第1凹部21に向けて傾斜した状態で挿通される。導線14の第1端部141及び第2端部142の各外周面は、図15に示すように、各凹部(基板側第1凹部21,基板側第2凹部22)の基板表面20a側の周端と、基板裏面20b側の周端とに接触して支持されている。このため、引出線である導線14の端部が基板2に対して相対移動することを抑止することができる。
上述したように、本発明の一態様に係るモータは、基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22が、外周端から径方向内側に凹み、径方向外側に開口している。これにより、基板2に設けられるスルーホールとは異なり、導線14の端部を、軸方向(基板面に対して直交する方向)でなく、径方向から基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22の内側に配線することが可能となる。そのため、基板2に対する導線14の組付け性を容易にし、生産性を向上させることができる。また、各基板側第1凹部21及び基板側第2凹部22の内周面に第3ランド部33が配置され、第1ランド部31と第2ランド部32と第3ランド部33とが連通する。これにより、ランド30と導線14とを半田付けする場合、第1ランド部31と導線14との接合のみでなく、第2ランド部32及び第3ランド部33と導線14との接合も可能となる。これにより、ランド30と導線14との接合部の強度を向上させることができると共に、コイル13からの引出線である導線14が基板2の厚み方向にかけて広く接続されるので、例えばモータの振動等による基板2と導線14の相対移動を抑制することができ、導線14の断線等を防止することができる。
なお、上記実施形態の第3変形例では、第1端部141を、基板側第1凹部21の内側において、周方向に基板側第2凹部22に向けて傾斜した状態で配置し、かつ、第2端部142を、基板側第2凹部22の内側において、周方向に基板側第1凹部21に向けて傾斜した状態で配置する形態に適用しているが、これに限定されるものではない。実施形態の第3変形例を、実施形態の第1変形例、第2変形例に適用してもよい。
また、上記実施形態の第3変形例では、基板表面20a側から第1ランド部31に半田付けを行うことで、第3ランド部33、第2ランド部32の順に流れ込む半田を利用して基板2に対して導線14の端部を3箇所で半田付け固定する構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、基板表面20a側から第1ランド部31に半田付けを行うことで、第3ランド部33に流れ込む半田を利用して基板2に対して導線14の端部を2箇所で半田付け固定する構成であってもよい。また、基板表面20a側から第1ランド部31に半田付けを行い、かつ、基板裏面20b側から第2ランド部32に半田付けを行うことで、第3ランド部33に流れ込む半田を利用して基板2に対して導線14の端部を3箇所で半田付け固定する構成であってもよい。
(実施形態の第4変形例)
上記実施形態では、インシュレータ12の壁部122は、径方向において、コイル13から引き出された導線14の2つの引出位置に対向する2つの凹部(インシュレータ側第1凹部126,インシュレータ側第2凹部127)を有するが、これに限定されるものではない。図16は、実施形態の第4変形例における分割コアの外観斜視図である。図17Aは、実施形態の第4変形例における分割コアと基板の結線部の拡大側面図である。図17Bは、実施形態の第4変形例における結線部の拡大平面図である。図18は、実施形態の第4変形例における分割コアに基板を組み付けたときの導線の位置変化を示す模式図である。実施形態の第4変形例に係るモータは、インシュレータ12Aの壁部122Aが傾斜面152を有する点で上記実施形態とは異なる。
インシュレータ12は、図16に示すように、収容部121と、収容部121の径方向外側の端部に形成された壁部122Aとを有する。壁部122Aは、基板2がステータ1に組み付けられた組付状態で、当該基板2の外周側に位置する。壁部122Aは、径方向から見た場合、略矩形状に形成されており、軸方向においてヨーク部11bから突出して形成されている。壁部122Aは、図16に示すように、凹部151と、傾斜面152とを有する。凹部151は、壁部122Aの軸方向の第1方向側の端部から第2方向側に凹むように形成されている。凹部151は、基板2がステータ1に組み付けられた組付状態で、基板凸部23が嵌合する部分である。傾斜面152は、周方向から見た場合、図18に示すように、壁部122Aの軸方向の途中から第1方向側の端部に向けて、径方向の厚みが薄くなるように傾斜している。また、傾斜面152は、基板2がステータ1に組み付けられた組付状態で、導線14の引出方向に向けて径方向の内側から外側に傾斜している。
上述したように、本発明の一態様に係るモータは、インシュレータ12Aが、基板2がステータ1に組み付けられた組付状態で基板2の外周側に位置する壁部122Aを有する。壁部122Aは、基板2がステータ1に組み付けられた組付状態で、導線14の引出方向に向けて径方向の内側から外側に傾斜する傾斜面152を有する。これにより、コイル13から引き出した導線14を基板2に結線する際に、導線14の端部(第1端部141、第2端部142)を、径方向外側にあるインシュレータ12Aの傾斜面152側に逃がすことができる。そして、基板2がステータ1に組み付けられた後、インシュレータ12Aの傾斜面152側に逃した導線14の端部を、基板2側の凹部(基板側第1凹部21、基板側第2凹部22)に入れることができる。この結果、導線14がインシュレータ12Aと干渉することなく、ステータ1と基板2を組み立てることができ、モータの生産性を向上させることができる。
また、上記実施形態及び変形例では、複数の凹部130は、外面125から軸方向の第2方向側に凹むように形成されているが、これに限定されるものでなく、外面125から軸方向の第1方向側に突出するように形成されていてもよい。また、4つの外面125のうち、1つは複数の凹部130と、平坦面131とで構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、4つの外面125の全てが、複数の凹部130と、平坦面131とを備えるものであってもよい。
また、上記実施形態及び変形例では、インシュレータ12は、4つの外面125のうち、3つは平坦面のみで構成され、1つは、複数の凹部130と平坦面131とで構成されると説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の凹部130と平坦面131とで構成される外面125は、収容部121の外周面を構成する4つの外面125の全てに適用されていてもよいし、一部に適用されていてもよい。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。また、上記実施の形態及び変形例により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。