JP7729312B2 - 溶湯清浄化装置、および、溶湯清浄化方法 - Google Patents

溶湯清浄化装置、および、溶湯清浄化方法

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Description

本開示は、溶湯清浄化装置、および、溶湯清浄化方法に関する。
金属溶湯を清浄化する溶湯清浄化装置に関して、特許文献1には、金属溶湯を撹拌するとともに不活性ガスを放出する回転ロータの回転子を、金属溶湯を保持する汲み出し室の底面の周縁部に沿って移動させる技術が開示されている。
特開2010-84213号公報
溶湯清浄化装置には、例えば、ロータのメンテナンス性の向上を目的として、ロータを金属溶湯の内外へ搬送可能な搬送機構が設けられる場合がある。このような搬送機構を有する溶湯清浄化装置において、金属溶湯を簡便に清浄化する技術が望まれていた。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、容器に収容された溶湯を清浄化する溶湯清浄化装置が提供される。この溶湯清浄化装置は、前記溶湯内で回転することによって前記溶湯を撹拌するとともに、前記溶湯内に不活性ガスを放出するロータと、前記ロータを前記容器に対して相対的に搬送することによって、前記ロータを前記溶湯内に挿入可能に構成された搬送部と、前記ロータが前記溶湯内に挿入されるまでの間、第1画像を撮影する第1撮影部と、前記第1画像に基づいて、前記ロータと前記溶湯との相対位置に関する位置情報を検出する第1検出部と、前記位置情報に基づいて前記搬送部を制御することで、前記ロータを前記溶湯内に挿入する搬送制御部と、前記溶湯が撹拌されている間、前記溶湯を含む第2画像を撮影する第2撮影部と、前記第2画像に基づいて、前記溶湯の撹拌に関する撹拌状態を検出する第2検出部と、前記撹拌状態に基づいて、前記ロータの回転数と前記不活性ガスの流量との少なくとも一方を調整する調整部と、を備える。
このような形態であれば、第1画像に基づいて検出される位置情報に基づいて、搬送部によってロータを溶湯内に挿入できる。また、第2画像に基づいて検出される撹拌状態に基づいてロータの回転数や不活性ガスの流量を調整できる。そのため、搬送部を備える溶湯清浄化装置において、溶湯を簡便に清浄化できる。
(2)上記形態では、前記第2検出部は、前記撹拌状態として、前記溶湯に含まれる気泡のサイズと、前記気泡の個数と、の少なくともいずれか一方によって表される前記気泡の状態を検出し、前記調整部は、前記気泡のサイズが予め定められた基準のサイズよりも大きい場合に前記気泡のサイズが小さくなるように前記回転数と前記流量との少なくとも一方を調整することと、前記気泡の個数が予め定められた基準の個数よりも少ない場合に前記気泡の個数が多くなるように前記回転数と前記流量との少なくとも一方を調整することと、の少なくとも一方を実行してもよい。このような形態であれば、第2画像に基づいて検出された気泡の状態に基づいて、ロータの回転数や不活性ガスの流量を適切に調整できる。そのため、溶湯を効果的に清浄化できる。
(3)上記形態において、前記気泡の状態の履歴と、前記回転数と前記流量との少なくとも一方の履歴と、に基づいて、前記回転数と前記流量との少なくとも一方を調整してもよい。このような形態であれば、履歴に基づいて、ロータの回転数や不活性ガスの流量を適切に調整できる。
(4)上記形態において、前記調整部は、前記状態の履歴と、前記回転数と前記流量との少なくとも一方の履歴と、に基づく機械学習によって生成された機械学習モデルを用いて、前記回転数と前記流量との少なくとも一方を調整してもよい。このような形態によれば、機械学習の結果を利用して、ロータの回転数や不活性ガスの流量を適切に調整できる。
本開示は、上述した溶湯清浄化装置としての形態以外にも、例えば、溶湯清浄化方法などの種々の形態で実現することが可能である。
溶湯清浄化装置の概略構成を示す図である。 溶湯清浄化処理のフローチャートである。 第1画像の例を示す説明図である。 第2画像の例を示す説明図である。 気泡の状態を説明する図である。
A.第1実施形態:
図1は、本実施形態における溶湯清浄化装置100の概略構成を示す図である。図1には、互いに直交するX,Y,Z方向に沿った矢印が表されている。X,Y,Z方向は、互いに直交する3つの空間軸であるX軸、Y軸、Z軸に沿った方向であり、それぞれ、X軸、Y軸、Z軸に沿う一方側の方向と、その反対方向とを、両方含む。X軸及びY軸は、水平面に沿った軸であり、Z軸は、鉛直線に沿った軸である。以下では、+Z方向のことを「上」、-Z方向のことを「下」ともいう。
溶湯清浄化装置100は、ロータ111を有する撹拌部110と、撮影部125と、搬送部130と、予熱部140と、制御部200とを備える。
溶湯清浄化装置100は、容器Ctに収容された溶湯MM内でロータ111を回転させて溶湯MMを撹拌するとともに、ロータ111から溶湯MM内に不活性ガスを放出することによって、溶湯MM内に気泡を発生させる。溶湯MM内に発生した気泡は、溶湯MM内の水素ガスや金属酸化物等の不純物を取り込み、溶湯MMの液面へと浮上する。これによって、溶湯MMが清浄化される。本実施形態における容器Ctは、鉛直方向に沿って見たときに、略円形状の断面形状を有する開口Opを有しており、開口Op内に溶湯MMを収容する。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンや窒素が用いられる。
撹拌部110は、ロータ111と、シャフト112と、支持部113と、回転駆動部114とを有する。撹拌部110は、例えば、ロータ111の回転によって溶湯MMが渦を巻くことを抑制するためのバッフル板を有していてもよい。
シャフト112は、その軸方向に長尺な、中空のパイプ状を有している。シャフト112は、支持部113によって、回転可能に支持されている。シャフト112は、その軸AXの方向が鉛直方向に沿うように配置されている。ロータ111は、シャフト112の下側の端部に設けられている。本実施形態では、ロータ111は、シャフト112と一体に形成されている。ロータ111には、不活性ガスを放出するためのガス放出孔115が形成されている。ガス放出孔115は、例えば、ロータ111の下面に設けられていてもよいし、ロータ111の側面に設けられていてもよい。回転駆動部114は、例えば、モータによって構成され、シャフト112を回転させることによってロータ111を軸AX中心に回転させる。回転駆動部114は、後述する制御部200の調整部260によって制御される。
本実施形態では、不活性ガスは、ガス供給部120から、支持部113に形成されたガス供給孔116を介してシャフト112の中空部内に導入され、ガス放出孔115を介して溶湯MM内へと放出される。ガス供給部120は、例えば、不活性ガスを貯留するボンベによって構成され、ガス供給部120とガス供給孔116とを接続する配管を介して、ガス供給孔116に不活性ガスを供給する。図1には、不活性ガスの供給の流れが一点鎖線によって示されている。ガス放出孔115から放出される不活性ガスの流量は、例えば、制御部200による制御下で、支持部113内に設けられたバルブの開度が変更されることによって調節される。以下では、ロータ111から放出される不活性ガスの流量のことを単に「ガス流量」とも呼ぶ。
搬送部130は、ロータ111を容器Ctに対して相対的に搬送することによって、ロータ111を容器Ctに対して相対的に移動させることで、ロータ111を溶湯MM内に挿入可能に構成されている。本実施形態における搬送部130は、固定された容器Ctに対してロータ111を搬送する。以下では、ロータ111を容器Ctに対して相対的に搬送することを、単に「ロータ111の搬送」とも呼ぶ。また、容器Ctに対するロータ111の相対的な移動を、単に「ロータ111の移動」とも呼ぶ。
本実施形態における搬送部130は、レール131と、クレーン132とを備える。レール131は、容器Ctの上方と、予熱部140の上方とを通過するように、X方向に沿って配置されている。クレーン132は、ホイスト式クレーンとして構成され、レール131に取り付けられている。クレーン132は、撹拌部110の支持部113を吊り下げ固定する。クレーン132は、第1搬送機構133と、第2搬送機構134とを有する。第1搬送機構133は、モータの回転によってトロリーを駆動させることで、クレーン132をレール131に沿って搬送する。これによって、ロータ111がX方向に沿って搬送される。第2搬送機構134は、モータの回転によってプーリを駆動させ、支持部113に接続されたワイヤの巻き出しおよび巻き取りを行うことで、支持部113を上下に搬送する。これによって、ロータ111がZ方向に沿って搬送される。第1搬送機構133および第2搬送機構134は、後述する搬送制御部255によって制御される。
撮影部125は、画像を撮影するカメラとして構成されている。本実施形態では、撮影部125は、支持部113の+X方向側に配置され、支持部113に固定されている。そのため、撮影部125は、搬送部130によって、撹拌部110とともに容器Ctに対して搬送される。本実施形態では、撮影部125は、下向きに画像を撮影する。
本実施形態における撮影部125は、ロータ111が溶湯MMに挿入されるまでの間に第1画像を撮影する第1撮影部、および、溶湯MMが撹拌されている間に第2画像を撮影する第2撮影部として機能する。第1画像は、後述する位置情報の検出に用いられる。本実施形態では、撮影部125は、第1画像として、例えば、溶湯MMや容器Ctを含む画像や、容器Ctの周辺を含む画像を撮影する。第2画像は、溶湯MMを含む画像である。
予熱部140は、例えば、バーナによって構成される。予熱部140は、ロータ111が溶湯MM内に挿入される前に、制御部200による制御下で、ロータ111およびシャフト112を、例えば、200℃以上300℃以下の温度に予熱する。本実施形態では、予熱部140は、ロータ111が、容器Ctと水平方向に離間した位置PHに位置した状態で、ロータ111およびシャフト112を予熱する。位置PHは、容器Ctの+X方向側に配置されている。ロータ111やシャフト112が予熱されることで、ロータ111が溶湯MM内に挿入される際に、ロータ111やシャフト112に付着した水滴が溶湯MM内に混入することを抑制できる。また、本実施形態では、位置PHが容器Ctから水平方向に離間しているので、予熱中に水滴が溶湯MM内に混入することをも抑制できる。
制御部200は、コンピュータ205と、PLC(Programmable Logic Controller)250とを有する。
コンピュータ205は、CPUと、記憶部と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備える。本実施形態では、コンピュータ205に備えられた記憶部は、後述する機械学習モデル206を記憶している。コンピュータ205に備えられたCPUは、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ205に、第1検出部210および第2検出部215としての機能等の各種機能を実現させる。第1検出部210は、第1画像に基づいて、ロータ111と溶湯MMとの相対位置に関する位置情報を検出する。第2検出部215は、第2画像に基づいて、溶湯MMの撹拌に関する状態を表す撹拌状態を検出する。
PLC250は、CPUと、記憶部と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備える。PLC250に備えられたCPUは、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、PLC250に、搬送制御部255や調整部260としての機能等の各種機能を実現させる。搬送制御部255は、第2検出部215によって検出された位置情報に基づいて搬送部130を制御することによって、ロータ111を溶湯MM内に挿入する。調整部260は、第1検出部210によって検出された撹拌状態に基づいて、ロータ111の回転数、および、ガス流量を調整する。以下では、ロータ111の回転数のことを「ロータ回転数」とも呼ぶ。他の実施形態では、例えば、PLC250の各種機能がコンピュータによって実現されていてもよい。
図2は、本実施形態における溶湯清浄化方法を表す溶湯清浄化処理のフローチャートである。溶湯清浄化処理は、例えば、容器Ct内に溶湯MMが収容され、かつ、ロータ111が容器Ct外の待機位置に位置した状態で、制御部200に対してユーザによる所定の開始操作が行われた場合に実行される。ステップS105にて、制御部200は、ロータ111が位置PHに位置した状態で、予熱部140を制御して、ロータ111およびシャフト112を予熱する。
ステップS110およびステップS115にて、制御部200は、挿入処理を実行する。挿入処理とは、位置情報に基づいてロータ111を搬送することでロータ111を溶湯MM内に挿入する挿入工程を実行する処理を指す。
本実施形態における挿入処理では、制御部200は、まず、ステップS110にて、水平位置調整処理を実行する。水平位置調整処理では、制御部200は、撮影部125による第1画像の撮影と第1画像に基づく位置情報の検出とを実行しつつ、位置情報に基づいて第1搬送機構133を制御することで、ロータ111を溶湯MMの真上に位置させる。
図3は、第1画像の例を示す説明図である。図3は、水平位置調整処理において撮影される第1画像の例として、画像Pc1と画像Pc2と画像Pc3とを示し、後述する高さ調整処理において撮影される第1画像の例として、画像Pc4とPc5とを示している。図3では、第1画像に含まれる溶湯MMに網点模様のハッチングが付されている。画像Pc1は、ロータ111の中心位置C1が、容器Ctの+X方向側の位置P1に位置している間に撮影された画像を表す。本実施形態では、中心位置C1が位置P1に位置している場合には、容器Ctは、撮影部125の視野外に位置する。そのため、画像Pc1には、容器Ctおよび溶湯MMが含まれていない。画像Pc3は、中心位置C1と、溶湯MMの中心部CPとが重なった状態で撮影された画像を表す。画像Pc2は、中心位置C1が位置P1と中心位置C2との間の位置P2に位置している間に撮影された画像を表す。画像Pc2は、画像Pc1よりも後に撮影された画像であり、画像Pc3は、画像Pc2よりも後に撮影された画像である。本実施形態における第1画像には、実際にはシャフト112やロータ111が含まれるが、図3では省略されている。
本実施形態では、制御部200は、挿入処理において、第1画像の画像認識を実行し、画像認識の結果に基づいて位置情報を検出する。より詳細には、制御部200は、第1画像を二値化した後に、二値化された第1画像に含まれる溶湯MMの輪郭を画像認識によって認識することで、溶湯MMを検出する。そして、溶湯MMの検出結果に基づいて、位置情報を検出する。より詳細には、例えば、制御部200は、画像Pc1に基づいて位置情報を検出する場合、画像Pc1において溶湯MMが認識されないことに基づいて、ロータ111と容器Ctとの間の水平方向における距離が非常に遠いことを表す情報を、位置情報として検出する。また、制御部200は、画像Pc2や画像Pc3に基づいて位置情報を検出する場合、画像Pc2や画像Pc3の画像認識によって検出された溶湯MMの中心位置C2とロータ111の中心位置C1との距離を、位置情報として検出する。
本実施形態では、制御部200は、水平位置調整処理において、図3の画像Pc3のように、中心位置C1が中心部CPと重なるまで、第1画像の撮影と、位置情報の検出と、ロータ111のX方向に沿った移動とを繰り返し実行する。例えば、第1画像として画像Pc1が撮影された場合、制御部200は、画像Pc1に基づく位置情報に基づいて、ロータ111を-X方向に所定の距離、搬送した後、再度、第1画像の撮影および位置情報の検出を実行する。制御部200は、これらの処理を、第1画像に溶湯MMが含まれるまで繰り返す。その後、例えば、第1画像として画像Pc2が撮影された場合、制御部200は、画像Pc2に基づく位置情報に基づいて、ロータ111を-X方向に搬送する。中心部CPの範囲は、例えば、ロータ111と容器Ctとの接触を抑制しつつ、ロータ111を溶湯MM内に挿入できる範囲として設定される。なお、本実施形態のように、ロータ111がクレーン132によって搬送される場合、例えば、水平位置調整処理における第1画像の撮影は、ロータ111の搬送の停止後、ロータ111の水平移動に起因する揺れの幅が所定の幅以下となった後に実行されてもよい。この場合、ロータ111の揺れの幅は、例えば、第1撮影部によって撮影される画像に基づいて検出されてもよい。
図2のステップS115にて、制御部200は、高さ調整処理を実行する。高さ調整処理では、制御部200は、撮影部125による第1画像の撮影と、第1画像に基づく位置情報の検出とを実行しつつ、位置情報に基づいて第2搬送機構134を制御することで、ロータ111を溶湯MM内に挿入する。図3に示した画像Pc4は、ロータ111が溶湯MMの真上に位置し、かつ、画像Pc3が撮影された際よりも下方に位置している間に撮影された画像を表す。画像Pc5は、画像Pc4よりも後に撮影された画像であり、ロータ111が溶湯MM内に挿入された状態で撮影された画像を表す。
本実施形態では、制御部200は、高さ調整処理において、ロータ111が溶湯MM内に挿入されるまで、第1画像の撮影と、位置情報の検出と、ロータ111のZ方向に沿った移動とを繰り返し実行する。例えば、制御部200は、画像Pc4に基づいて位置情報を検出する場合、画像Pc4に含まれる溶湯MMの輪郭の直径に基づいて、位置情報として、ロータ111と容器Ctとの間の鉛直方向における距離を検出する。そして、制御部200は、検出した距離に基づいて、例えば、ロータ111を下方へと移動させ、再度、第1画像の撮影および位置情報の検出を実行する。
図2のステップS120からステップS145にて、制御部200は、撹拌処理を実行する。撹拌処理とは、ロータ111によって溶湯MMを撹拌しながら溶湯MM内に不活性ガスを放出する撹拌工程を実行する処理のことを指す。
本実施形態における撹拌処理では、制御部200は、まず、ステップS120にて、溶湯MMの清浄化を開始する。より詳細には、制御部200は、ステップS120において、ロータ回転数およびガス流量を、それぞれ予め定められた初期値に設定し、溶湯MMの撹拌および不活性ガスの放出を開始する。ステップS125にて、制御部200は、第2画像を撮影する。制御部200は、溶湯MMに含まれる気泡の状態を安定させてから第2画像を撮影するために、ステップS120や後述するステップS135の実行後、例えば、数秒経過してからステップS125を実行すると好ましい。ステップS130にて、制御部200は、ステップS125で撮影された第2画像に基づいて撹拌状態を検出する。
図4は、第2画像の例を示す説明図である。図4には、第2画像の例として、溶湯MMに含まれる気泡Bbを含む画像Pc6が示されている。図4では、図3と同様に、溶湯MMに網点模様のハッチングが付されている。本実施形態では、制御部200は、図2のステップS130において、撹拌状態として、溶湯MMに含まれる気泡のサイズと個数との少なくとも一方によって表される気泡の状態を検出する。一般に、気泡の1個あたりのサイズが小さいほど、また、気泡の個数が多いほど、溶湯MMと気泡との気液界面の面積が増大し、溶湯MM内の不純物が気泡に取り込まれやすくなる。
本実施形態では、制御部200は、ステップS130では、例えば、画像認識を実行することによって画像Pc6に含まれる気泡Bbを認識し、その認識結果に基づいて気泡のサイズおよび個数を検出する。より詳細には、制御部200は、例えば、画像Pc6を二値化した後に、二値化された画像Pc6に含まれる気泡Bbの輪郭を画像認識によって認識することで気泡Bbを認識する。そして、認識した気泡Bbのサイズおよび個数を測定する。気泡Bbのサイズは、例えば、各気泡Bbの最大径の合計値を気泡Bbの個数で除すことによって算出される算術平均値として定義される。
図5は、本実施形態における気泡の状態を説明する図である。図5には、気泡のサイズを横軸とし、気泡の個数を縦軸とする模式的なグラフが示されている。本実施形態では、気泡のサイズが予め定められた第1サイズS1以下であり、かつ、気泡の個数が予め定められた第1個数N1以上である場合、制御部200は、ステップS130において、気泡の状態を状態Aとして検出する。また、気泡のサイズが予め定められた第2サイズS2以下であり、かつ、気泡の個数が予め定められた第2個数N2以上であり、かつ、状態Aの条件を満たさない場合、制御部200は、気泡の状態を状態Bとして検出する。また、気泡のサイズが第2サイズS2よりも大きい場合、または、気泡の個数が第2個数N2未満である場合、制御部200は、気泡の状態を状態Cとして検出する。
ステップS135にて、制御部200は、調整処理を実行する。調整処理とは、検出された撹拌状態に基づいてロータ回転数とガス流量との少なくとも一方を調整する調整工程を実行する処理を指す。以下では、ロータ回転数とガス流量との少なくとも一方を調整することを、「撹拌条件を調整する」とも言う。本実施形態におけるステップS135では、制御部200は、まず、ステップS130で検出された気泡の状態が予め定められた、気泡のサイズと個数との少なくとも一方に関する判定条件を満たすか否かを判定する。本実施形態では、制御部200は、気泡のサイズが予め定められた基準サイズ以下であり、かつ、気泡の個数が予め定められた基準個数以上である場合に、気泡の状態が判定条件を満たすと判定する。本実施形態では、基準サイズは、第1サイズS1である。また、基準個数は、第1個数N1である。つまり、制御部200は、気泡の状態が状態Aである場合に判定条件を満たすと判定し、気泡の状態が状態Bや状態Cである場合に判定条件を満たさないと判定する。気泡の状態が判定条件を満たすと判定した場合、制御部200は、ロータ回転数とガス流量とを変更せず維持する。気泡の状態が判定条件を満たさないと判定した場合、制御部200は、気泡の個数が多くなるように撹拌条件を調整する。この場合、ロータ回転数とガス流量との両方を変更してもよいし、いずれか一方を固定して他方のみを変更してもよい。なお、気泡の個数とサイズとは負の相関関係にあるので、気泡のサイズが小さくなるように撹拌条件を調整することによっても、気泡の個数が多くなることが実現される。
本実施形態では、制御部200は、気泡の状態の履歴と、回転数と流量との少なくとも一方の履歴とに基づいて撹拌条件を調整する。以下では、回転数と流量との少なくとも一方の履歴のことを、撹拌条件の履歴とも呼ぶ。より詳細には、制御部200は、気泡の状態の履歴と、撹拌条件の履歴とに基づく機械学習によって生成された機械学習モデル206を用いて、撹拌条件を調整する。機械学習モデル206は、例えば、気泡の状態の履歴と撹拌条件の履歴とに基づいて、気泡の個数をより多くするためのロータ回転数やガス流量の最適な調整量を強化学習によって学習したモデルとして生成される。なお、機械学習モデル206を生成するための学習アルゴリズムは、特に限定されず、他の実施形態では、例えば、教師あり学習や教師なし学習であってもよい。
ステップS140にて、制御部200は、撹拌条件の調整結果を記録する。例えば、制御部200は、ステップS140において、ステップS135の調整処理を実行する前の気泡の状態と、調整処理を実行する前のロータ回転数やガス流量とを関連付けてコンピュータ205の記憶部に記録し、調整処理を実行した後の気泡の状態と、調整処理を実行した後のロータ回転数やガス流量とを関連付けて記憶部に記録する。また、例えば、調整処理による気泡の状態の変化と、調整処理におけるロータ回転数やガス流量の変更量とが関連付けて記録されてもよい。これによって、気泡の状態の履歴と、撹拌条件の履歴とが更新される。その後、制御部200は、更新された気泡の状態の履歴と撹拌条件の履歴とに基づいて機械学習モデル206を更新する。
ステップS145にて、制御部200は、溶湯MMの清浄化を終了するか否かを判定する。制御部200は、例えば、ステップS145を実行した時点で、ステップS120の開始時点からの経過時間が所定の撹拌時間以上であった場合に、溶湯MMの清浄化を終了すると判定する。この場合、制御部200は、撹拌処理において検出された状態に基づいて撹拌時間の長さを変化させてもよい。例えば、制御部200は、撹拌処理において気泡の状態として状態Aが検出される度に撹拌時間を短くし、状態Cが検出される度に撹拌時間を長くしてもよい。制御部200は、溶湯MMの清浄化を終了しないと判定した場合、再度、処理をステップS125に戻す。制御部200は、溶湯MMの撹拌を終了すると判定した場合、ステップS150にて、ロータ111の回転および不活性ガスの放出を停止させ、溶湯MMの撹拌を停止させる。
以上で説明した本実施形態における溶湯清浄化装置100によれば、ロータ111が溶湯MM内に挿入されるまでの間に撮影によって第1画像を得る第1撮影部と、第1画像に基づいて位置情報を検出する第1検出部210と、位置情報に基づいて搬送部130を制御することでロータ111を溶湯MM内に挿入する搬送制御部255とを備える。また、溶湯MMが撹拌されている間に撮影によって第2画像を得る第2撮影部と、第2画像に基づいて撹拌状態を検出する第2検出部215と、撹拌状態に基づいて撹拌条件を調整する調整部260とを備える。
これによって、第1画像に基づいて検出される位置情報に基づいて、搬送部130によってロータ111を溶湯MM内に挿入できる。そのため、ロータ111を溶湯MM内に自動で挿入できるだけでなく、例えば、第1画像によらずにロータ111の位置を制御してロータ111を溶湯MMに挿入する形態と比較して、ロータ111を溶湯MM内の所望の位置に挿入しやすい。特に、本実施形態では、制御部200は、第1画像における溶湯MMの検出結果に基づいて位置情報を検出するので、例えば、容器Ctの形状や配置位置が変更された場合であっても、ロータ111を溶湯MM内の所望の位置に容易に挿入できる。また、本実施形態では、第2画像に基づいて検出される撹拌状態に基づいてロータ回転数やガス流量を調整できる。そのため、ロータ111を溶湯MMに挿入した後にロータ回転数やガス流量を自動で調整できるだけでなく、実際の撹拌状態に応じたロータ回転数やガス流量の調整を作業者の熟練度によらずに実現できる。このように、搬送部130を備える溶湯清浄化装置100において、溶湯MMを簡便に清浄化できる。
また、本実施形態では、第1検出部210は、撹拌状態として溶湯MMに含まれる気泡の状態を検出し、調整部260は、気泡の状態が予め定められた条件を満たさない場合、気泡の個数が多くなるように撹拌条件を調整する。これによって、第2画像の画像認識によって検出された気泡の状態に基づいて、ロータ回転数やガス流量を適切に調整できる。そのため、溶湯MMを効果的に清浄化できる。
また、本実施形態では、調整部260は、気泡の状態の履歴と、撹拌条件の履歴とに基づいて、撹拌条件を調整する。そのため、履歴に基づいてロータ回転数とガス流量とを適切に調整できる。なお、上述したように、調整部260が、撹拌条件としてロータ回転数とガス流量との一方のみを調整する場合、撹拌条件の履歴は、ロータ回転数とガス流量との一方の履歴であってもよい。例えば、調整部260が、撹拌条件の調整としてロータ回転数のみを調整する場合、撹拌条件の履歴は、ロータ回転数のみの履歴であってもよい。
また、本実施形態では、調整部260は、気泡の状態の履歴と撹拌条件の履歴とに基づく機械学習によって生成された機械学習モデル206を用いて、撹拌条件を調整する。そのため、機械学習の結果を利用して、ロータ回転数やガス流量を適切に調整できる。
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態では、搬送部130は、レール131とクレーン132とを備え、クレーン132によってロータ111を移動させている。これに対して、搬送部130は、このように構成されていなくてもよく、例えば、撹拌部110を支持しつつ移動する無人搬送フォークリフト(AGF:Automated Guided Forklift)として構成されていてもよい。また、搬送部130は、例えば、容器Ctをロータ111に対して搬送するように構成されていてもよい。また、例えば、搬送部130は、容器Ctとロータ111との両方を搬送するように構成されていてもよい。
(B2)上記実施形態では、制御部200は、第1画像に含まれる溶湯MMの画像認識の結果に基づいて位置情報を検出しているが、このように位置情報を検出しなくてもよい。例えば、制御部200は、位置情報を検出する際に、第1画像に含まれる容器Ctを画像認識してもよいし、容器Ctや溶湯MMの位置を検出するための標識を画像認識してもよい。また、搬送部130が容器Ctをロータ111に対して搬送するように構成されている場合、例えば、ロータ111を画像認識してもよい。また、制御部200は、例えば、第1撮影部によって撮影される画像と位置情報との関係を教師あり学習等の機械学習によって学習した機械学習モデルを用いて、第1画像に基づいて位置情報を検出してもよい。このような機械学習モデルを位置情報の検出に用いることで、容器Ctに付着した不純物(例えば、金属酸化物)の影響による、位置情報の検出精度の低下を抑制できる。
(B3)上記実施形態では、撮影部125が第1撮影部および第2撮影部として機能しているため、撮影部125を、第1画像と第2画像との両方を撮影可能に配置することを要する。これに対して、第1撮影部と第2撮影部とがそれぞれ個別に設けられてもよい。この場合、第1画像を撮影できるように第1撮影部を配置し、第2画像を撮影できるように第2撮影部を配置すればよいので、第1撮影部や第2撮影部の配置の自由度を高めることができる。例えば、溶湯MMと対向可能な位置に配置された第2撮影部とは別体の第1撮影部をロータ111と対向可能な位置に配置すれば、第1画像として、ロータ111を含む画像を容易に撮影できる。また、第1画像として、容器Ctや溶湯MMの位置を検出するための標識を含む画像を撮影する場合、標識の配置の自由度を高めることができる。
(B4)上記実施形態では、気泡の状態は、気泡のサイズと個数との両方によって表されているが、いずれか一方によって表されてもよい。この場合、判定条件は、気泡のサイズと個数とのいずれか一方に関する条件であればよい。また、第2検出部215は、撹拌状態として、気泡の状態を検出しているが、気泡の状態を検出しなくてもよい。例えば、複数の第2画像に基づいて、撹拌状態として、溶湯MMの流動状態を検出してもよい。
(B5)上記実施形態では、制御部200は、機械学習モデル206を用いてロータ回転数やガス流量を調整している。これに対して、制御部200は、機械学習モデル206を用いてロータ回転数やガス流量を調整しなくてもよく、例えば、第2画像に基づいて検出された気泡の状態に基づいて、気泡の状態の履歴と、その気泡の状態を実現するためのロータ回転数およびガス流量の履歴との関係を記録したデータを参照することによって、ロータ回転数やガス流量を調整してもよい。また、このデータは、例えば、気泡の状態とロータ回転数およびガス流量との関係を予め実験した結果やシミュレーションした結果に基づいて作成されたデータが、過去から現在までの予め定められた期間分の履歴に基づいて補正されたデータであってもよい。これにより、例えば、溶湯清浄化装置100の設置場所の温度や湿度の季節的な変化による清浄化への影響を加味して、ロータ回転数およびガス流量を調整できる。また、このデータは、溶湯清浄化装置100の設置場所の温度や湿度に基づいて補正されたデータであってもよい。
(B6)上記実施形態では、制御部200は、気泡の状態の履歴と、撹拌条件の履歴とに基づいて、撹拌条件を調整している。これに対して、制御部200は、このように撹拌条件を調整しなくてもよい。例えば、制御部200は、気泡の状態とロータ回転数やガス流量との関係を予め実験した結果やシミュレーションした結果に基づいて、撹拌条件を調整してもよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
100…溶湯清浄化装置、110…撹拌部、111…ロータ、112…シャフト、113…支持部、114…回転駆動部、115…ガス放出孔、116…ガス供給孔、120…ガス供給部、125…撮影部、130…搬送部、131…レール、132…クレーン、133…第1搬送機構、134…第2搬送機構、140…予熱部、200…制御部、205…コンピュータ、206…機械学習モデル、210…第1検出部、215…第2検出部、255…搬送制御部、260…調整部

Claims (5)

  1. 容器に収容された溶湯を清浄化する溶湯清浄化装置であって、
    前記溶湯内で回転することによって前記溶湯を撹拌するとともに、前記溶湯内に不活性ガスを放出するロータと、
    前記ロータを前記容器に対して相対的に搬送することによって、前記ロータを前記溶湯内に挿入可能に構成された搬送部と、
    前記ロータが前記溶湯内に挿入されるまでの間、第1画像を撮影する第1撮影部と、
    前記第1画像に基づいて、前記ロータと前記溶湯との相対位置に関する位置情報を検出する第1検出部と、
    前記位置情報に基づいて前記搬送部を制御することで、前記ロータを前記溶湯内に挿入する搬送制御部と、
    前記溶湯が撹拌されている間、前記溶湯を含む第2画像を撮影する第2撮影部と、
    前記第2画像に基づいて、前記溶湯の撹拌に関する撹拌状態を検出する第2検出部と、
    前記撹拌状態に基づいて、前記ロータの回転数と前記不活性ガスの流量との少なくとも一方を調整する調整部と、を備える、溶湯清浄化装置。
  2. 請求項1に記載の溶湯清浄化装置であって、
    前記第2検出部は、前記撹拌状態として、前記溶湯に含まれる気泡のサイズと、前記気泡の個数と、の少なくとも一方によって表される前記気泡の状態を検出し、
    前記調整部は、前記状態が予め定められた条件を満たさない場合、前記個数が多くなるように前記回転数と前記流量との少なくとも一方を調整する、溶湯清浄化装置。
  3. 請求項2に記載の溶湯清浄化装置であって、
    前記状態の履歴と、前記回転数と前記流量との少なくとも一方の履歴と、に基づいて、前記回転数と前記流量との少なくとも一方を調整する、溶湯清浄化装置。
  4. 請求項3に記載の溶湯清浄化装置であって、
    前記調整部は、前記状態の履歴と、前記回転数と前記流量との少なくとも一方の履歴と、に基づく機械学習によって生成された機械学習モデルを用いて、前記回転数と前記流量との少なくとも一方を調整する、溶湯清浄化装置。
  5. 容器に収容された溶湯を、ロータを用いて清浄化する溶湯清浄化方法であって、
    前記ロータが前記溶湯内に挿入されるまでの間、第1画像を撮影する工程と、
    前記第1画像に基づいて、前記ロータと前記溶湯との相対位置に関する位置情報を検出する工程と、
    前記位置情報に基づいて、前記ロータを前記容器に対して相対的に搬送することによって、前記ロータを前記溶湯内に挿入する工程と、
    前記溶湯内で前記ロータを回転させることによって前記溶湯を撹拌するとともに、前記ロータから前記溶湯内に不活性ガスを放出する工程と、
    前記溶湯を撹拌している間、前記溶湯を含む第2画像を撮影する工程と、
    前記第2画像に基づいて、前記溶湯の撹拌に関する状態を表す撹拌状態を検出する工程と、
    前記撹拌状態に基づいて、前記ロータの回転数と前記不活性ガスの流量との少なくとも一方を調整する工程と、を備える、溶湯清浄化方法。
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