以下、本発明のコンデンサアレイについて説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
本明細書において、要素間の関係性を示す用語(例えば「垂直」、「平行」、「直交」等)及び要素の形状を示す用語は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
以下に示す図面は模式図であり、その寸法、縦横比の縮尺等は実際の製品と異なる場合がある。
図1は、本発明のコンデンサアレイの一例を示す斜視模式図である。
図1に示すコンデンサアレイ1は、コンデンサ層10を備える。図1に示すように、コンデンサアレイ1は、コンデンサ層10を封止する封止層25をさらに備えてもよい。
コンデンサ層10は、複数のコンデンサ素子30を含む。
コンデンサ層10において、複数のコンデンサ素子30は、複数の貫通溝15で区分されることにより、厚さ方向Zに直交する面方向に平面配置されている。
コンデンサ層10に含まれるコンデンサ素子30の数は、2つ以上であれば特に限定されない。
コンデンサ層10において、複数のコンデンサ素子30は、直線状に、すなわち一方向(例えば第1方向X又は第2方向Y)に沿って配置されていてもよいし、あるいは、平面状に、すなわち複数方向(例えば第1方向X及び第2方向Y)に沿って配置されていてもよい。また、複数のコンデンサ素子30は、規則的に配置されていてもよいし、不規則に配置されていてもよい。複数のコンデンサ素子30の大きさ及び平面形状等は、全部が同じであってもよいし、一部又は全部が異なっていてもよい。
コンデンサ層10には、面積が異なる2種以上のコンデンサ素子30が含まれていてもよい。
コンデンサ層10には、平面形状が矩形ではないコンデンサ素子30が含まれていてもよい。本明細書中、矩形は、正方形又は長方形を意味する。したがって、コンデンサ層10には、平面形状が、例えば、矩形以外の四角形、三角形、五角形、六角形等の多角形、曲線部を含む形状、円形、楕円形等のコンデンサ素子30が含まれていてもよい。この場合、コンデンサ層10には、平面形状が異なる2種以上のコンデンサ素子30が含まれていてもよい。また、コンデンサ層10には、平面形状が矩形ではないコンデンサ素子30に加えて、平面形状が矩形であるコンデンサ素子30が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
コンデンサ層10において、隣り合うコンデンサ素子30同士は貫通溝15によって分断されている。隣り合うコンデンサ素子30同士は、物理的に分断されていればよい。したがって、隣り合うコンデンサ素子30同士は、電気的に分断されていてもよく、電気的に接続されていてもよい。例えば、電気的に分断されているコンデンサ素子30の組と、電気的に接続されているコンデンサ素子30の組とが混在してもよい。
コンデンサアレイ1が封止層25を備える場合、貫通溝15には、封止層25等の絶縁性材料が充填されていることが好ましい。
コンデンサ素子30は、各々、第1電極層と第2電極層と誘電体層とを含み、第1電極層及び第2電極層が誘電体層を介して厚さ方向Zに対向している。
図2は、図1中の線分a1-a2に沿う断面を含むコンデンサアレイの断面の一例を示す断面模式図である。なお、図2中の線分a1-a2は、図1中の線分a1-a2に対応している。
図3は、図1中の線分b1-b2に沿う断面を含むコンデンサアレイの断面の一例を示す断面模式図である。なお、図3中の線分b1-b2は、図1中の線分b1-b2に対応している。
図2及び図3に示す例では、コンデンサ素子30は、陽極板31と陰極層36と誘電体層35とを含み、陽極板31及び陰極層36が誘電体層35を介して厚さ方向Zに対向している。すなわち、第1電極層が陽極板31であり、第2電極層が陰極層36である。これにより、コンデンサ素子30は、電解コンデンサを構成する。
陽極板31は、例えば、金属からなる芯部32と、芯部32の少なくとも一方の主面に設けられた多孔質部34と、を有する。多孔質部34の表面には誘電体層35が設けられており、誘電体層35の表面には陰極層36が設けられている。
陰極層36は、例えば、誘電体層35の表面に設けられた固体電解質層36Aを含む。陰極層36は、さらに、固体電解質層36Aの表面に設けられた導電体層36Bを含むことが好ましい。陰極層36が固体電解質層36Aを含む場合、コンデンサ素子30は、固体電解コンデンサを構成する。
芯部32は、いわゆる弁作用を示す弁作用金属からなることが好ましい。
弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の金属単体、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等が挙げられる。中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
多孔質部34は、芯部32の少なくとも一方の主面に設けられている。つまり、多孔質部34は、芯部32の一方の主面のみに設けられていてもよいし、図2及び図3に示すように芯部32の両方の主面に設けられていてもよい。このように、陽極板31は、芯部32の少なくとも一方の主面に多孔質部34を有している。
多孔質部34は、芯部32の表面に形成された多孔質層であることが好ましく、エッチング層であることがより好ましい。
陽極板31の形状は、平板状であることが好ましく、箔状であることがより好ましい。このように、本明細書中では、「板状」に「箔状」も含まれる。
エッチング処理前の陽極板31の厚さは、60μm以上、200μm以下であることが好ましい。エッチング処理後にエッチングされていない芯部32の厚さは、15μm以上、70μm以下であることが好ましい。多孔質部34の厚さは要求される耐電圧、静電容量に合わせて設計されるが、芯部32の両側の多孔質部34を合わせて10μm以上、180μm以下であることが好ましい。
多孔質部34の孔径は、10nm以上、600nm以下であることが好ましい。なお、多孔質部34の孔径とは、水銀ポロシメータにより測定されるメジアン径D50を意味する。多孔質部34の孔径は、例えばエッチングにおける各種条件を調整することにより制御することができる。
誘電体層35は、多孔質部34の表面に設けられている。誘電体層35は、多孔質部34の表面状態を反映して多孔質になっており、微細な凹凸状の表面形状を有している。
誘電体層35は、上述した弁作用金属の酸化皮膜からなることが好ましい。例えば、陽極板31がアルミニウム箔である場合、陽極板31に対して、アジピン酸アンモニウム等を含む水溶液中で陽極酸化処理(化成処理とも呼ばれる)を行うことにより、誘電体層35となる酸化皮膜が形成される。誘電体層35は多孔質部34の表面に沿って形成されるため、誘電体層35には、細孔(凹部)が設けられることになる。
誘電体層35の厚さは要求される耐電圧、静電容量に合わせて設計されるが、10nm以上、100nm以下であることが好ましい。
陰極層36は、誘電体層35の表面に設けられている。
陰極層36が固体電解質層36Aを含む場合、固体電解質層36Aの構成材料としては、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類等の導電性高分子等が挙げられる。中でも、ポリチオフェン類が好ましく、PEDOTと呼ばれるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。また、導電性高分子は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等のドーパントを含んでいてもよい。
固体電解質層36Aは、誘電体層35の細孔(凹部)に充填される内層と、誘電体層35の表面を覆う外層と、を含むことが好ましい。
多孔質部34の表面からの固体電解質層36Aの厚さは、2μm以上、20μm以下であることが好ましい。
固体電解質層36Aは、例えば、3,4-エチレンジオキシチオフェン等のモノマーを含む処理液を用いて、誘電体層35の表面にポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等の重合膜を形成する方法や、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等のポリマーの分散液を誘電体層35の表面に塗布して乾燥させる方法等によって形成される。
固体電解質層36Aは、上記の処理液又は分散液を、スポンジ転写、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布、インクジェット印刷等の方法によって誘電体層35の表面に塗工することにより、所定の領域に形成される。
陰極層36が導電体層36Bを含む場合、導電体層36Bは、導電性樹脂層及び金属層の少なくとも一方を含むことが好ましい。つまり、導電体層36Bは、導電性樹脂層のみを含んでいてもよいし、金属層のみを含んでいてもよいし、導電性樹脂層及び金属層の両方を含んでいてもよい。
導電性樹脂層としては、例えば、銀フィラー、銅フィラー、ニッケルフィラー、及び、カーボンフィラーからなる群より選択される少なくとも1種の導電性フィラーを含む導電性接着剤層等が挙げられる。
金属層としては、例えば、金属めっき膜、金属箔等が挙げられる。金属層は、ニッケル、銅、銀、及び、これらの金属の少なくとも1種を主成分とする合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなることが好ましい。
本明細書中、主成分は、重量割合が最も大きい元素成分を意味する。
導電体層36Bは、例えば、固体電解質層36Aの表面に設けられたカーボン層と、カーボン層の表面に設けられた銅層と、を含む。
カーボン層は、固体電解質層36Aと銅層とを電気的に及び機械的に接続させるために設けられる。
カーボン層は、例えば、カーボンペーストを、スポンジ転写、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布、インクジェット印刷等の方法によって固体電解質層36Aの表面に塗工することにより、所定の領域に形成される。なお、カーボン層は、乾燥前の粘性のある状態で、次工程の銅層を積層することが好ましい。カーボン層の厚さは、2μm以上、20μm以下であることが好ましい。
銅層は、例えば、銅ペーストを、スポンジ転写、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディスペンサ塗布、インクジェット印刷等の方法によってカーボン層の表面に塗工することにより、所定の領域に形成される。銅層の厚さは、2μm以上、20μm以下であることが好ましい。
図2及び図3に示すコンデンサ素子30は、厚さ方向Zに相対する第1主面30a及び第2主面30bを有する。
図1に示すように、複数の貫通溝15は、第1方向Xに沿う第1貫通溝15Aと、第2方向Yに沿う第2貫通溝15Bと、を含む。
第1方向Xは、厚さ方向Zに直交している。
第2方向Yは、厚さ方向Zに直交しつつ、第1方向Xと交差している。
第1方向Xと第2方向Yとは、図1等に示すように直交していてもよいし、90°以外の角度をなすように交差していてもよい。
図2に示す例では、厚さ方向Zに沿う断面を見たとき、より具体的には、厚さ方向Z及び第2方向Yに沿う断面を見たとき、第1貫通溝15Aの幅W1(ここでは、第2方向Yにおける寸法)は、厚さ方向Zに一定である。
図2には示されていないが、厚さ方向Zに沿う断面を見たとき、より具体的には、厚さ方向Z及び第2方向Yに沿う断面を見たとき、第1貫通溝15Aは、コンデンサ素子30の第1主面30a及び第2主面30bの一方から他方に向かって幅W1が小さくなるテーパーを有していてもよい。
例えば、コンデンサ素子30の第1主面30aから第2主面30bに向かって第1貫通溝15Aの幅W1が小さくなっていてもよいし、コンデンサ素子30の第2主面30bから第1主面30aに向かって第1貫通溝15Aの幅W1が小さくなっていてもよい。
第1貫通溝15Aがテーパーを有する場合、厚さ方向Zに沿う第1貫通溝15Aの断面形状は、対称形状であってもよいし、非対称形状であってもよい。
図3に示す例では、厚さ方向Zに沿う断面を見たとき、より具体的には、厚さ方向Z及び第1方向Xに沿う断面を見たとき、第2貫通溝15Bの幅W2(ここでは、第1方向Xにおける寸法)は、厚さ方向Zに一定である。
図3には示されていないが、厚さ方向Zに沿う断面を見たとき、より具体的には、厚さ方向Z及び第1方向Xに沿う断面を見たとき、第2貫通溝15Bは、コンデンサ素子30の第1主面30a及び第2主面30bの一方から他方に向かって幅W2が小さくなるテーパーを有していてもよい。
例えば、コンデンサ素子30の第1主面30aから第2主面30bに向かって第2貫通溝15Bの幅W2が小さくなっていてもよいし、コンデンサ素子30の第2主面30bから第1主面30aに向かって第2貫通溝15Bの幅W2が小さくなっていてもよい。
第2貫通溝15Bがテーパーを有する場合、厚さ方向Zに沿う第2貫通溝15Bの断面形状は、対称形状であってもよいし、非対称形状であってもよい。
第1貫通溝15A及び第2貫通溝15Bの両方がテーパーを有する場合、コンデンサ素子30の第1主面30aから第2主面30bに向かって第1貫通溝15Aの幅W1が小さくなり、かつ、コンデンサ素子30の第1主面30aから第2主面30bに向かって第2貫通溝15Bの幅W2が小さくなることが好ましい。
第1貫通溝15A及び第2貫通溝15Bの両方がテーパーを有する場合、第1貫通溝15Aのテーパー角度と、第2貫通溝15Bのテーパー角度とは、互いに異なることが好ましい。
本明細書中、貫通溝のテーパー角度は、厚さ方向に沿う断面を見たときに、貫通溝の輪郭を構成して相対する2辺のなす角度を指す。
コンデンサ素子30の第1主面30aから第2主面30bに向かって第1貫通溝15Aの幅W1が小さくなり、かつ、コンデンサ素子30の第1主面30aから第2主面30bに向かって第2貫通溝15Bの幅W2が小さくなる場合、第2貫通溝15Bのテーパー角度は、第1貫通溝15Aのテーパー角度よりも小さいことが好ましい。この場合、厚さ方向Zに対するコンデンサ素子30の第2貫通溝15B側の端面の傾斜角度が小さくなるため、コンデンサ素子30の有効領域を、第2貫通溝15B側で大きくできる。
第1貫通溝15A及び第2貫通溝15Bが、いずれも、コンデンサ素子30の第1主面30aから第2主面30bに向かって幅が小さくなっている場合、コンデンサ素子30の第1主面30aと同一平面において、第2貫通溝15Bの幅W2の最大値は、第1貫通溝15Aの幅W1の最大値よりも小さいことが好ましい。この場合、コンデンサ層10において、コンデンサ素子30が存在しない領域、すなわち、第1貫通溝15A及び第2貫通溝15Bが存在する領域のうち、少なくとも第2貫通溝15Bが存在する領域を小さくできるため、コンデンサ層10において、コンデンサ素子30が存在する領域を大きく確保できる。
第1貫通溝及び第2貫通溝のテーパー形状、テーパー角度、及び、幅については、図2及び図3に示すような厚さ方向に沿う断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより確認される。
図2及び図3に示すように、コンデンサ層10は、コンデンサ素子30の第1主面30a及び第2主面30bの少なくとも一方主面側で、陰極層36が設けられていない誘電体層35の表面に設けられた絶縁層24をさらに含むことが好ましい。この場合、陽極板31と陰極層36との間の絶縁性が確保され、両者間の短絡が防止される。
絶縁層24は、コンデンサ素子30の第1主面30a側の誘電体層35の表面に設けられていてもよいし、コンデンサ素子30の第2主面30b側の誘電体層35の表面に設けられていてもよいし、図2及び図3に示すようにコンデンサ素子30の第1主面30a及び第2主面30bの両主面側の誘電体層35の表面に設けられていてもよい。
絶縁層24は、絶縁性材料から構成される。この場合、絶縁層24は、絶縁性樹脂から構成されることが好ましい。
絶縁層24を構成する絶縁性樹脂としては、例えば、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、及び、それらの誘導体又は前駆体等が挙げられる。
絶縁層24は、封止層25と同じ樹脂で構成されていてもよい。封止層25と異なり、絶縁層24に無機フィラーが含有されるとコンデンサ素子30の容量有効部に悪影響を及ぼすおそれがあるため、絶縁層24は樹脂単独の系からなることが好ましい。
絶縁層24は、例えば、絶縁性樹脂を含む組成物等のマスク材を、スポンジ転写、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布、インクジェット印刷等の方法によって多孔質部34の表面に塗工することにより、所定の領域に形成される。
絶縁層24は、多孔質部34に対して、誘電体層35よりも前のタイミングで形成されてもよいし、誘電体層35よりも後のタイミングで形成されてもよい。
図2及び図3に示すように、封止層25は、コンデンサ素子30の厚さ方向Zに相対する両方の主面、すなわち、コンデンサ素子30の第1主面30a及び第2主面30bに設けられている。
図2及び図3に示すように、封止層25は、コンデンサ素子30の厚さ方向Zに相対する両方の主面、すなわち、コンデンサ素子30の第1主面30a及び第2主面30bに設けられた第1封止層25Aを含むことが好ましい。
図2に示すように、第1封止層25Aは、第1貫通溝15A内に延在していることが好ましい。
図3に示すように、第1封止層25Aは、第2貫通溝15B内に延在していないことが好ましい。
図2及び図3に示すように、封止層25は、第1封止層25Aの表面に設けられた第2封止層25Bをさらに含むことが好ましい。
図2に示すように、第2封止層25Bは、第1貫通溝15A内に延在していないことが好ましい。
図3に示すように、第2封止層25Bは、第2貫通溝15B内に延在していることが好ましい。
以上のことから、図2に示すように、第1貫通溝15A内には、第1封止層25Aが延在しており、かつ、第2封止層25Bが延在していないことが好ましい。
さらに、図3に示すように、第2貫通溝15B内には、第1封止層25Aが延在しておらず、かつ、第2封止層25Bが延在していることが好ましい。つまり、図3に示すように、第1封止層25Aは、第2貫通溝15Bと厚さ方向Zに重なる位置で第2封止層25Bにより分離されていることが好ましい。
第1封止層25A、第2封止層25B等の封止層25は、絶縁性材料から構成される。この場合、封止層25は、絶縁性樹脂から構成されることが好ましい。
封止層25を構成する絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
封止層25は、フィラーをさらに含むことが好ましい。
封止層25に含まれるフィラーとしては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子等の無機フィラーが挙げられる。
第1封止層25Aの構成材料と第2封止層25Bの構成材料とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
第1封止層25A、第2封止層25B等の封止層25は、例えば、絶縁性樹脂シートを熱圧着する方法、絶縁性樹脂ペーストを塗工した後で熱硬化させる方法等により、コンデンサ層10を封止するように形成される。
コンデンサ層10と封止層25との間には、例えば、応力緩和層、防湿膜等の層が設けられていてもよい。
図2及び図3に示す断面を有するコンデンサアレイ1は、例えば、以下の方法により製造される。
図4は、陽極板31を準備する工程の一例を示す断面模式図である。
図4に示すように、芯部32の少なくとも一方の主面に多孔質部34を有する陽極板31を準備する。
図5は、誘電体層を形成する工程の一例を示す断面模式図である。
例えば、陽極板31に対して陽極酸化処理を行うことにより、図5に示すように、多孔質部34の表面に誘電体層35を形成する。
あるいは、多孔質部34の表面に誘電体層35が設けられた陽極板31として、化成箔を準備してもよい。
図6は、絶縁層を形成する工程の一例を示す断面模式図である。
コンデンサ素子30(図1等参照)の有効領域を区分するために、例えば、絶縁性樹脂を、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布等の方法で誘電体層35の表面に塗工することにより、図6に示すように、絶縁層24を所定の領域に形成する。
図7は、固体電解質層を形成する工程の一例を示す断面模式図である。
図7に示すように、固体電解質層36Aを、誘電体層35の表面のうち絶縁層24が設けられていない領域に形成する。例えば、3,4-エチレンジオキシチオフェン等のモノマーを含む処理液を用いて誘電体層35の表面にポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等の重合膜を形成する方法、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等のポリマーの分散液を誘電体層35の表面に塗工した後で乾燥させる方法等により、固体電解質層36Aを形成する。なお、固体電解質層36Aとして、誘電体層35の細孔(凹部)に充填される内層を形成した後、誘電体層35の表面を覆う外層を形成することが好ましい。
図8は、導電体層を形成する工程の一例を示す断面模式図である。
図8に示すように、導電体層36Bを、固体電解質層36Aの表面に形成する。例えば、導電体層36Bとして、カーボン層及び銅層を、固体電解質層36A側から順に形成する。この場合、例えば、カーボンペーストを、スポンジ転写、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布、インクジェット印刷等の方法で固体電解質層36Aの表面に塗工することにより、カーボン層を所定の領域に形成する。その後、銅ペーストを、スポンジ転写、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディスペンサ塗布、インクジェット印刷等の方法でカーボン層の表面に塗工することにより、銅層を所定の領域に形成する。
このようにして、固体電解質層36A及び導電体層36Bを含む陰極層36を、誘電体層35の表面に形成する。
図9は、コンデンサシートの一例を示す平面模式図である。
以上により、図8及び図9に示すような、陽極板31と、陽極板31の多孔質部34の表面に設けられた誘電体層35と、誘電体層35の表面に設けられた絶縁層24及び陰極層36と、を含むコンデンサシート130を作製する。
図8及び図9に示すように、コンデンサシート130は、厚さ方向Zに相対する第1主面130a及び第2主面130bを有する。
図10は、第1貫通溝を形成する工程の一例を、図9中の線分a1-a2に沿う断面に対して行う様子を示す断面模式図である。
コンデンサシート130における、図9中の線分a1-a2に沿う断面が形成される部分に対して、例えば、第1主面130a側からレーザー加工を行う。これにより、図10に示すように、コンデンサシート130を厚さ方向Zに貫通する第1貫通溝15Aを、陰極層36と厚さ方向Zに重ならない位置で第1方向Xに沿って形成する。
なお、コンデンサシート130における、図9中の線分a1-a2に沿う断面が形成される部分に対して、第2主面130b側からレーザー加工を行うことにより、第1貫通溝15Aを形成してもよい。
第1貫通溝15Aを形成する加工方法は、レーザー加工に限定されず、例えば、ダイシング加工、ルーター加工等の方法であってもよい。
上述したように、コンデンサシート130に対して、第1方向Xに沿う第1貫通溝15Aを形成することにより、コンデンサシート130は、第1方向Xに沿って切断される。この際、コンデンサシート130が第1方向Xに沿って一端から他端まで連続的に切断されないように、第1貫通溝15Aを第1方向Xに沿って形成することが好ましい。これにより、コンデンサシート130が完全に分離して複数部分の独立状態になることを防止できるため、後工程におけるハンドリング性が向上する。
なお、コンデンサシート130における、図9中の線分b1-b2に沿う断面が形成される部分に対しては、第1貫通溝15Aを形成する工程を行わない。
図11は、第1封止層を形成する工程の一例を、図10に示す断面に対して行う様子を示す断面模式図である。
図10に示す断面を有するコンデンサシート130に対して、例えば、絶縁性樹脂シートを熱圧着する。これにより、図11に示すように、第1封止層25Aが、コンデンサシート130の第1主面130a及び第2主面130bに形成されつつ、第1貫通溝15A内に充填される。以上により、コンデンサシート130が、第1貫通溝15Aで部分的に分離された状態で、第1封止層25Aにより固定される。
このようにして形成された第1封止層25Aは、図11に示すようにコンデンサシート130の第1主面130a及び第2主面130bに設けられているとともに、第1貫通溝15A内に延在している。
第1封止層25Aを形成する際、上述したように、コンデンサシート130が、第1貫通溝15Aが設けられているものの、完全に分離しておらず複数部分の独立状態になっていない場合には、コンデンサシート130において、第1貫通溝15Aで分離された部分同士が、第1封止層25Aの構成材料(例えば、樹脂材料)の流れの影響で位置が移動して接触する、という不具合を防止できる。よって、後に得られるコンデンサアレイにおいて、コンデンサ素子間でのショートが生じることを防止できる。
さらに、絶縁性樹脂シートを熱圧着するプレス加工により第1封止層25Aを形成する場合には、プレス加工を高圧で行っても、上述した不具合を防止できる。よって、第1封止層25Aを形成する際の加工マージンを大きく確保できるため、加工性が向上する。第1封止層25Aを高圧のプレス加工により形成できると、第1封止層25Aとコンデンサシート130との間の密着性を向上させたり、第1封止層25A内のボイドを低減させたりすることができるため、後に得られるコンデンサアレイの信頼性向上につながる。
図12は、第2貫通溝を形成する工程の一例を、図9中の線分b1-b2に沿う断面に対して行う様子を示す断面模式図である。
第1封止層25Aが設けられたコンデンサシート130における、図9中の線分b1-b2に沿う断面が形成される部分に対して、例えば、第1主面130a側からレーザー加工を行う。これにより、図12に示すように、コンデンサシート130及び第1封止層25Aを厚さ方向Zに貫通する第2貫通溝15Bを、陰極層36と厚さ方向Zに重ならない位置で第2方向Yに沿って形成する。
なお、第1封止層25Aが設けられたコンデンサシート130における、図9中の線分b1-b2に沿う断面が形成される部分に対して、第2主面130b側からレーザー加工を行うことにより、第2貫通溝15Bを形成してもよい。
第2貫通溝15Bを形成する加工方法は、レーザー加工に限定されず、例えば、ダイシング加工、ルーター加工等の方法であってもよい。第2貫通溝15Bを形成する加工方法は、第1貫通溝15Aを形成する加工方法と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上述したように、第1封止層25Aが設けられたコンデンサシート130に対して、第2方向Yに沿う第2貫通溝15Bを形成することにより、コンデンサシート130及び第1封止層25Aは、第2方向Yに沿って一括して切断される。この際、第1封止層25Aが設けられたコンデンサシート130が第2方向Yに沿って一端から他端まで連続的に切断されないように、第2貫通溝15Bを第2方向Yに沿って形成することが好ましい。これにより、第1封止層25Aが設けられたコンデンサシート130が完全に分離して複数部分の独立状態になることを防止できるため、後工程におけるハンドリング性が向上する。
なお、コンデンサシート130に対して、図9中の線分a1-a2に沿う断面が形成される部分に対しては、第2貫通溝15Bを形成する工程を行わない。
図13は、第2封止層を形成する工程の一例を、図12に示す断面に対して行う様子を示す断面模式図である。
図12に示す断面を有するコンデンサシート130に対して、例えば、絶縁性樹脂シートを熱圧着することにより、図13に示すように、第2封止層25Bが、第1封止層25Aの表面に形成されつつ、第2貫通溝15B内に充填される。
このようにして形成された第2封止層25Bは、図13に示すように第1封止層25Aの表面に設けられているとともに、第2貫通溝15B内に延在している。
以上により、第1貫通溝15A及び第2貫通溝15Bで複数のコンデンサ素子30に区分されることにより平面配置された状態のコンデンサ層10が作製され、複数のコンデンサ素子30が第1封止層25A及び第2封止層25Bにより一体化される。その結果、図2及び図3に示す断面を有するコンデンサアレイ1が製造される。
上述したコンデンサアレイ1の製造方法では、コンデンサシート130を複数のコンデンサ素子30に区分するための切断工程を、第1貫通溝15Aを形成する工程と、第2貫通溝15Bを形成する工程とに分けており、さらに、これらの工程の間で第1封止層25Aを形成する工程を行っている。これにより、製造途中で、コンデンサシート130が完全に分離して複数部分の独立状態になることを防止できるため、ハンドリング性が向上する。さらに、第1封止層25Aを形成する工程において、プレス加工を高圧で行えるため、加工性が向上するとともに、コンデンサアレイ1の信頼性向上にもつながる。
図14A、図14B及び図14Cは、本発明の範囲外の比較例に係るコンデンサシートの切断工程の一例を示す平面模式図である。図15は、比較例に係るコンデンサアレイの一例を示す平面模式図である。
上述のとおり、図14Aに示すように、コンデンサシート130に第1貫通溝15Aを形成した後、図14Bに示すように、第1封止層25Aを第1貫通溝15A内に充填する。図14Cに示すように、第1貫通溝15Aと交差するように第2貫通溝15Bを形成する際、コンデンサシート130の切断によって生じる金属屑(例えばアルミ屑)が第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域を跨ぐように付着すると、完成品において隣り合うコンデンサ素子30(図15参照)間でショートが発生するおそれがある。図14C中、ショートが発生する箇所を破線で囲んで示している。
また、図15に示すように、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域における角部に応力が集中すると、クラック又は剥離(デラミネーション)の起点になるおそれがある。
図16A、図16B及び図16Cは、本発明の範囲内の実施例1に係るコンデンサシートの切断工程の一例を示す平面模式図である。図17は、実施例1に係るコンデンサアレイの一例を示す平面模式図である。
図16Aに示すように、第1貫通溝15Aを形成する際に、第2貫通溝15Bと交差する部分の面積が大きくなるように形成する。この際の平面形状は円形に限定されない。これにより、図16Bに示すように、第1封止層25Aを第1貫通溝15A内に充填した後、図16Cに示すように、第2貫通溝15Bを形成する際に金属屑(例えばアルミ屑)が生じても、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域では第1貫通溝15Aの幅が広いため、完成品において隣り合うコンデンサ素子30(図17参照)間でショート不良が発生するリスクを低減させることができる。
さらに、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域において第1貫通溝15Aの幅を広くすることで、第1貫通溝15A全体の幅を広くする場合に比べて、コンデンサ素子30の有効領域を大きく確保することができる。
また、図17に示すように、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域の面積を大きくすることで、表裏の封止層をつなぐ支柱として機能する部分の面積が大きくなるため、表裏の密着強度が高くなる。その結果、デラミネーションを抑制することができる。
なお、図17中の線分a1-a2に沿う断面を含むコンデンサアレイの断面は図2に対応し、図17中の線分b1-b2に沿う断面を含むコンデンサアレイの断面は図3に対応する。
図18A、図18B、図18C及び図18Dは、本発明の範囲内の実施例2に係るコンデンサシートの切断工程の一例を示す平面模式図である。図19は、実施例2に係るコンデンサアレイの一例を示す平面模式図である。
図18Aに示すように、第1貫通溝15Aを形成する際に、第2貫通溝15Bと交差する部分の面積が大きくなるように形成した場合であっても、図18Bに示すように、第1封止層25Aを第1貫通溝15A内に充填した後、図18Cに示すように、第2貫通溝15Bを形成する際に、完成品において隣り合うコンデンサ素子30(図19参照)間でショートが発生するおそれがある。図18C中、ショートが発生する箇所を破線で囲んで示している。
そこで、図18Dに示すように、レーザー加工等の方法を用いて、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域内のショート箇所を再度切断してもよい。切断の際の平面形状は線形に限定されない。また、切断の方向は第1方向Xに限定されない。図18Dに示す切断により、完成品において隣り合うコンデンサ素子30(図19参照)間でショート不良が発生するリスクをさらに低減させることができる。図18Dに示すように、少なくともショート箇所を切断する限り、その他の箇所を切断してもよい。
ショート箇所を再度切断する際には、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域の面積が大きいため、切断箇所が少しずれてもコンデンサ素子30を切断することを防止することができる。なお、新たにショートが発生することを防ぐために、ショート箇所を再度切断する加工面積は、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域における第1貫通溝15Aの面積よりも小さいことが好ましい。
図20は、実施例1に係るコンデンサアレイにおける交差領域の一例を示す平面模式図である。図21は、図20に示すコンデンサアレイから第1封止層及び第2封止層を除いた平面模式図である。
図20に示す例では、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとは直交している。
図21に示すように、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域Iを厚さ方向Zから見たとき、第1貫通溝15Aを交差領域Iまで延長した第1仮想溝115Aと、第2貫通溝15Bを交差領域Iまで延長した第2仮想溝115Bとの交点(図21中の4つの点)は、交差領域I(図21では円)の内側に位置する。
言い換えると、交差領域Iを厚さ方向Zから見たとき、交差領域I(図21では円)の面積は、第1仮想溝115Aと第2仮想溝115Bとが重なる部分(図21中の4つの点で囲まれる四角形)の面積よりも大きい。
実施例1では、上述のとおり、交差領域Iにおける第1貫通溝15Aの幅が広いため、隣り合うコンデンサ素子30間でショート不良が発生するリスクを低減させることができる。
また、交差領域Iの面積が大きいことで、表裏の封止層をつなぐ支柱として機能する部分の面積が大きくなるため、表裏の密着強度が高くなる。その結果、デラミネーションを抑制することができる。
図20に示すように、第1封止層25A及び第2封止層25Bが交差領域I内にも延在している場合、交差領域Iを厚さ方向Zから見たとき、交差領域I内では第1封止層25Aよりも第2封止層25Bが内側に位置し、かつ、交差領域I内の第2封止層25Bの面積が交差領域I内の第2仮想溝115B(図21参照)の面積と同じである。
図20において破線で示すように、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面(いわゆるR面)又は鈍角面を有することが好ましい。この場合、交差領域Iにおける角部に集中する応力が緩和されるため、クラック及びデラミネーションを抑制することができる。
クラック及びデラミネーションを抑制する観点からは、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有することがより好ましい。2つ以上の角部が湾曲面又は鈍角面を有する場合、湾曲面を有する角部のみが存在してもよいし、鈍角面を有する角部のみが存在してもよいし、湾曲面を有する角部と鈍角面を有する角部とが混在してもよい。
同様に、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有することが好ましく、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有することがより好ましい。2つ以上の角部が湾曲面又は鈍角面を有する場合、湾曲面を有する角部のみが存在してもよいし、鈍角面を有する角部のみが存在してもよいし、湾曲面を有する角部と鈍角面を有する角部とが混在してもよい。
特に、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有し、かつ、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有することが好ましく、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有し、かつ、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有することがより好ましい。
図22は、実施例1に係るコンデンサアレイにおける交差領域の第1変形例を示す平面模式図である。図23は、図22に示すコンデンサアレイから第1封止層及び第2封止層を除いた平面模式図である。
図22に示す例のように、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとは直交せず、90°以外の角度をなすように交差していてもよい。
図23に示すように、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとの交差領域Iを厚さ方向Zから見たとき、第1貫通溝15Aを交差領域Iまで延長した第1仮想溝115Aと、第2貫通溝15Bを交差領域Iまで延長した第2仮想溝115Bとの交点(図23中の4つの点)は、交差領域I(図23では円)の内側に位置する。
図24は、実施例1に係るコンデンサアレイにおける交差領域の第2変形例を示す平面模式図である。
図24に示す例のように、厚さ方向Zから見たときの交差領域Iの平面形状は、四角形等の多角形であってもよい。
厚さ方向Zから見たときの交差領域Iの平面形状は特に限定されず、例えば、矩形(正方形又は長方形)、矩形以外の四角形、三角形、五角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、これらを組み合わせた形状等が挙げられる。
図25は、実施例1に係るコンデンサアレイにおける交差領域の第3変形例を示す平面模式図である。
図25に示す例のように、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部は、湾曲面又は鈍角面を有しなくてもよい。同様に、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部は、湾曲面又は鈍角面を有しなくてもよい。
図26は、実施例2に係るコンデンサアレイにおける交差領域の一例を示す平面模式図である。
図26に示すように、第1封止層25A及び第2封止層25Bが交差領域I内にも延在している場合、交差領域Iを厚さ方向Zから見たとき、交差領域I内では第1封止層25Aよりも第2封止層25Bが内側に位置し、かつ、交差領域I内の第2封止層25Bの面積が交差領域I内の第2仮想溝115B(図21参照)の面積よりも大きい。その他の構成は実施例1と同様である。
図26に示す例では、第2封止層25Bは、交差領域I内に、第1貫通溝15Aに沿った線形部を有する。第2封止層25Bの線形部は、第1方向Xの正方向及び負方向の両方に存在してもよく、いずれか一方のみに存在してもよい。
実施例2では、上述のとおり、隣り合うコンデンサ素子30間でショート不良が発生するリスクをさらに低減させることができる。
また、実施例1に比べて第1封止層25Aと第2封止層25Bとの接触面積が大きくなるため、第1封止層25Aと第2封止層25Bとの間のデラミネーションを抑制することができる。
図26において破線で示すように、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有することが好ましく、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有することがより好ましい。2つ以上の角部が湾曲面又は鈍角面を有する場合、湾曲面を有する角部のみが存在してもよいし、鈍角面を有する角部のみが存在してもよいし、湾曲面を有する角部と鈍角面を有する角部とが混在してもよい。
同様に、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有することが好ましく、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有することがより好ましい。2つ以上の角部が湾曲面又は鈍角面を有する場合、湾曲面を有する角部のみが存在してもよいし、鈍角面を有する角部のみが存在してもよいし、湾曲面を有する角部と鈍角面を有する角部とが混在してもよい。
特に、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有し、かつ、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有することが好ましく、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有し、かつ、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有することがより好ましい。
図26に示す例では、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとは直交しているが、第1貫通溝15Aと第2貫通溝15Bとは直交せず、90°以外の角度をなすように交差していてもよい。
図27は、実施例2に係るコンデンサアレイにおける交差領域の第1変形例を示す平面模式図である。
図27に示す例のように、第2封止層25Bは、交差領域I内に、円形部又は楕円形部を有してもよい。
図28は、実施例2に係るコンデンサアレイにおける交差領域の第2変形例を示す平面模式図である。
図28に示す例のように、厚さ方向Zから見たときの交差領域Iの平面形状は、四角形等の多角形であってもよい。
図28に示す例では、第2封止層25Bは、交差領域I内に、四角形等の多角形部を有しているが、線形部を有してもよく、円形部又は楕円形部を有してもよい。
図29は、実施例2に係るコンデンサアレイにおける交差領域の第3変形例を示す平面模式図である。
図29に示す例のように、第1貫通溝15Aと交差領域Iとの角部は、湾曲面又は鈍角面を有しなくてもよい。同様に、第2貫通溝15Bと交差領域Iとの角部は、湾曲面又は鈍角面を有しなくてもよい。
図29に示す例では、第2封止層25Bは、交差領域I内に、線形部を有しているが、四角形等の多角形部を有してもよく、円形部又は楕円形部を有してもよい。
図30は、実施例2に係るコンデンサアレイにおける交差領域の第4変形例を示す平面模式図である。
図30に示す例のように、第2封止層25Bが有する線形部の幅は、第1貫通溝15Aの幅よりも広くてもよい。
以下では、本発明のコンデンサアレイにおける、コンデンサ素子の第1電極層及び第2電極層の各導出構造の一例について説明する。
図1に示すコンデンサアレイ1は、スルーホール導体60をさらに備えることが好ましい。
スルーホール導体60は、コンデンサ素子30の第1電極層(例えば陽極板31)に電気的に接続される第1スルーホール導体62、及び、コンデンサ素子30の第2電極層(例えば陰極層36)に電気的に接続される第2スルーホール導体64のうち、少なくとも一方を含むことが好ましい。
スルーホール導体60、より具体的には、第1スルーホール導体62及び第2スルーホール導体64は、各々、コンデンサ層10の厚さ方向Zにコンデンサ素子30を貫通するように設けられていることが好ましい。
コンデンサ素子30の陽極板31及び陰極層36は、各々、第1スルーホール導体62及び第2スルーホール導体64を利用して導出される。
まず、コンデンサ素子30の陽極板31の導出構造の一例について、以下に説明する。
図31は、図1中の線分A1-A2に沿う断面を含むコンデンサアレイの断面の一例を示す断面模式図である。なお、図31中の線分A1-A2は、図1中の線分A1-A2に対応している。
図31に示すように、第1スルーホール導体62は、コンデンサ層10の厚さ方向Zにコンデンサ素子30を貫通するように設けられていることが好ましい。より具体的には、第1スルーホール導体62は、コンデンサ素子30を厚さ方向Zに貫通する第1貫通孔63の少なくとも内壁面に設けられていることが好ましい。
第1スルーホール導体62は、厚さ方向Zに直交する面方向において第1貫通孔63の内壁面に対向する陽極板31の端面に電気的に接続されていることが好ましい。
面方向は、厚さ方向Zに直交する第1方向X及び第2方向Yを包含する方向である。
第1スルーホール導体62に電気的に接続する陽極板31の端面には、芯部32及び多孔質部34が露出していることが好ましい。この場合、芯部32に加えて多孔質部34でも、第1スルーホール導体62との電気的な接続がなされる。
第1スルーホール導体62は、例えば、以下のようにして形成される。まず、第1スルーホール導体62を形成しようとする部分に対して、ドリル加工、レーザー加工等を行うことにより、第1貫通孔63を形成する。そして、第1貫通孔63の内壁面を、銅、金、銀等の低抵抗の金属でメタライズすることにより、第1スルーホール導体62を形成する。第1スルーホール導体62を形成する際、例えば、第1貫通孔63の内壁面を、無電解銅めっき処理、電解銅めっき処理等でメタライズすることにより、加工が容易になる。なお、第1スルーホール導体62を形成する方法については、第1貫通孔63の内壁面をメタライズする方法以外に、金属、金属と樹脂との複合材料等を第1貫通孔63に充填する方法であってもよい。
図31に示すように、コンデンサアレイ1は、第1スルーホール導体62と陽極板31の端面との間に設けられた陽極接続層68をさらに備えることが好ましい。図31に示す例では、陽極接続層68が、第1スルーホール導体62と陽極板31の端面との両方に接している。
陽極接続層68が第1スルーホール導体62と陽極板31の端面との間に設けられていることにより、陽極接続層68が、陽極板31に対するバリア層、より具体的には、芯部32及び多孔質部34に対するバリア層として機能する。このような陽極接続層68を利用することにより、後述する導電部20等を形成するための薬液処理時に生じる陽極板31の溶解が抑制され、ひいては、コンデンサ素子30への薬液の浸入が抑制されるため、コンデンサアレイ1の信頼性が向上しやすくなる。
図31に示すように、第1スルーホール導体62と陽極板31の端面とは、陽極接続層68を介して電気的に接続されていることが好ましい。
図31に示すように、陽極接続層68は、陽極板31の端面側から順に、第1陽極接続層68Aと、第2陽極接続層68Bと、を含んでいてもよい。
陽極接続層68において、例えば、第1陽極接続層68Aは亜鉛を主成分とする層であってもよく、第2陽極接続層68Bはニッケル又は銅を主成分とする層であってもよい。この場合、第1陽極接続層68Aは、例えば、ジンケート処理で亜鉛を置換析出させることにより陽極板31の端面に形成され、その後、第2陽極接続層68Bは、例えば、無電解ニッケルめっき処理又は無電解銅めっき処理により第1陽極接続層68Aの表面に形成される。なお、第2陽極接続層68Bの形成時に第1陽極接続層68Aが消失する場合があり、この場合は、陽極接続層68が第2陽極接続層68Bのみからなってもよい。
陽極接続層68は、ニッケルを主成分とする層を含むことが好ましい。この場合、陽極板31を構成する金属(例えば、アルミニウム)等へのダメージが低減されるため、陽極板31に対する陽極接続層68のバリア性が向上しやすくなる。
図31に示すように、厚さ方向Zにおいて、陽極接続層68の寸法は、陽極板31の寸法よりも大きいことが好ましい。この場合、陽極板31の端面全体が陽極接続層68で覆われるため、陽極板31に対する陽極接続層68のバリア性が向上しやすくなる。
厚さ方向Zにおいて、陽極接続層68の寸法は、好ましくは陽極板31の寸法の100%よりも大きく、200%以下である。
厚さ方向Zにおいて、陽極接続層68の寸法は、陽極板31の寸法と同じであってもよいし、陽極板31の寸法よりも小さくてもよい。
なお、第1スルーホール導体62と陽極板31の端面との間に陽極接続層68が設けられていなくてもよい。この場合、第1スルーホール導体62は、陽極板31の端面に直に接続されていてもよい。
図1及び図31に示すように、厚さ方向Zから見たとき、第1スルーホール導体62は、第1貫通孔63の全周にわたって陽極板31の端面に電気的に接続されていることが好ましい。図31に示すように、第1スルーホール導体62と陽極板31の端面との間に陽極接続層68が設けられている場合、厚さ方向Zから見たとき、第1スルーホール導体62は、第1貫通孔63の全周にわたって陽極接続層68に接続されていることが好ましい。この場合、第1スルーホール導体62と陽極接続層68との接触面積が大きくなるため、第1スルーホール導体62と陽極接続層68との接続抵抗が低減しやすくなる。その結果、第1スルーホール導体62と陽極板31との接続抵抗が低減しやすくなるため、コンデンサ素子30の等価直列抵抗(ESR)が低減しやすくなる。さらに、第1スルーホール導体62と陽極接続層68との間の密着性が向上しやすくなるため、熱応力による第1スルーホール導体62と陽極接続層68との間の剥離等の不具合が生じにくくなる。
図31に示すように、コンデンサアレイ1は、第1スルーホール導体62に電気的に接続された導電部20をさらに備えることが好ましい。図31に示す例では、導電部20が、第1スルーホール導体62の表面に設けられている。導電部20は、コンデンサアレイ1(コンデンサ素子30)の接続端子として機能できる。
導電部20の構成材料としては、例えば、銀、金、銅等の低抵抗の金属が挙げられる。この場合、導電部20は、例えば、第1スルーホール導体62の表面にめっき処理を行うことにより形成される。
導電部20と他の部材との間の密着性、ここでは、導電部20と第1スルーホール導体62との間の密着性を向上させるために、導電部20の構成材料として、銀フィラー、銅フィラー、ニッケルフィラー、及び、カーボンフィラーからなる群より選択される少なくとも1種の導電性フィラーと樹脂との混合材料が用いられてもよい。
図1及び図31に示すように、コンデンサアレイ1は、第1貫通孔63に樹脂材料が充填されてなる第1樹脂充填部29Aをさらに備えることが好ましい。図1及び図31に示す例では、第1樹脂充填部29Aが、第1貫通孔63の内壁面上の第1スルーホール導体62で囲まれた空間に設けられている。第1樹脂充填部29Aが設けられることで第1貫通孔63内の空間が解消されると、第1スルーホール導体62のデラミネーションの発生が抑制される。
第1樹脂充填部29Aの熱膨張率は、第1スルーホール導体62の熱膨張率よりも大きいことが好ましい。より具体的には、第1貫通孔63に充填された樹脂材料の熱膨張率は、第1スルーホール導体62の構成材料(例えば、銅)の熱膨張率よりも大きいことが好ましい。この場合、第1樹脂充填部29A、より具体的には、第1貫通孔63に充填された樹脂材料が高温環境下で膨張することにより、第1スルーホール導体62が第1貫通孔63の内側から外側に向かって第1貫通孔63の内壁面に押さえつけられるため、第1スルーホール導体62のデラミネーションの発生が充分に抑制される。
第1樹脂充填部29Aの熱膨張率は、第1スルーホール導体62の熱膨張率と同じであってもよいし、第1スルーホール導体62の熱膨張率よりも小さくてもよい。より具体的には、第1貫通孔63に充填された樹脂材料の熱膨張率は、第1スルーホール導体62の構成材料の熱膨張率と同じであってもよいし、第1スルーホール導体62の構成材料の熱膨張率よりも小さくてもよい。
コンデンサアレイ1は、第1樹脂充填部29Aを備えていなくてもよい。この場合、第1スルーホール導体62は、第1貫通孔63の内壁面上だけではなく、第1貫通孔63の内部全体に設けられていることが好ましい。
次に、コンデンサ素子30の陰極層36の導出構造の一例について、以下に説明する。
図32は、図1中の線分B1-B2に沿う断面を含むコンデンサアレイの断面の一例を示す断面模式図である。なお、図32中の線分B1-B2は、図1中の線分B1-B2に対応している。
図32に示すように、第2スルーホール導体64は、コンデンサ層10の厚さ方向Zにコンデンサ素子30を貫通するように設けられていることが好ましい。より具体的には、第2スルーホール導体64は、図31等に示す第1スルーホール導体62が設けられたコンデンサ素子30を厚さ方向Zに貫通する第2貫通孔65の少なくとも内壁面に設けられていることが好ましい。
図32に示すように、第2スルーホール導体64は、陰極層36に電気的に接続されていることが好ましい。ここで、図32に示す例では、導電部40が、第2スルーホール導体64の表面に設けられており、コンデンサアレイ1(コンデンサ素子30)の接続端子として機能できる。また、図32に示す例では、ビア導体42が、封止層25を厚さ方向Zに貫通して導電部40と陰極層36とに接続されるように設けられている。よって、図32に示す例では、第2スルーホール導体64が、導電部40及びビア導体42を介して陰極層36に電気的に接続されている。この場合、コンデンサアレイ1の小型化が可能となる。
第2スルーホール導体64は、例えば、以下のようにして形成される。まず、第2スルーホール導体64を形成しようとする部分に対して、ドリル加工、レーザー加工等を行うことにより、貫通孔を形成する。次に、形成された貫通孔に、第2封止層25Bの構成材料(例えば、樹脂材料)を充填することにより、絶縁層を形成する。そして、形成された絶縁層に対して、ドリル加工、レーザー加工等を行うことにより、第2貫通孔65を形成する。この際、第2貫通孔65の直径を絶縁層の直径よりも小さくすることにより、先に形成された貫通孔と第2貫通孔65との間に、第2封止層25Bの構成材料が存在する状態にする。その後、第2貫通孔65の内壁面を、銅、金、銀等の低抵抗の金属でメタライズすることにより、第2スルーホール導体64を形成する。第2スルーホール導体64を形成する際、例えば、第2貫通孔65の内壁面を、無電解銅めっき処理、電解銅めっき処理等でメタライズすることにより、加工が容易になる。なお、第2スルーホール導体64を形成する方法については、第2貫通孔65の内壁面をメタライズする方法以外に、金属、金属と樹脂との複合材料等を第2貫通孔65に充填する方法であってもよい。
導電部40の構成材料としては、例えば、銀、金、銅等の低抵抗の金属が挙げられる。この場合、導電部40は、例えば、第2スルーホール導体64の表面にめっき処理を行うことにより形成される。
導電部40と他の部材との間の密着性、ここでは、導電部40と第2スルーホール導体64との間の密着性を向上させるために、導電部40の構成材料として、銀フィラー、銅フィラー、ニッケルフィラー、及び、カーボンフィラーからなる群より選択される少なくとも1種の導電性フィラーと樹脂との混合材料が用いられてもよい。
ビア導体42の構成材料としては、例えば、導電部40の構成材料と同様のものが挙げられる。
ビア導体42は、例えば、封止層25を厚さ方向Zに貫通するように設けられた貫通孔に対して、内壁面にめっき処理を行ったり、導電性ペーストを充填した後に熱処理を行ったりすることにより形成される。
コンデンサアレイ1は、図1及び図32に示すように、第2貫通孔65に樹脂材料が充填されてなる第2樹脂充填部29Bをさらに備えることが好ましい。図1及び図32に示す例では、第2樹脂充填部29Bが、第2貫通孔65の内壁面上の第2スルーホール導体64で囲まれた空間に設けられている。第2樹脂充填部29Bが設けられることで第2貫通孔65内の空間が解消されると、第2スルーホール導体64のデラミネーションの発生が抑制される。
第2樹脂充填部29Bの熱膨張率は、第2スルーホール導体64の熱膨張率よりも大きいことが好ましい。より具体的には、第2貫通孔65に充填された樹脂材料の熱膨張率は、第2スルーホール導体64の構成材料(例えば、銅)の熱膨張率よりも大きいことが好ましい。この場合、第2樹脂充填部29B、より具体的には、第2貫通孔65に充填された樹脂材料が高温環境下で膨張することにより、第2スルーホール導体64が第2貫通孔65の内側から外側に向かって第2貫通孔65の内壁面に押さえつけられるため、第2スルーホール導体64のデラミネーションの発生が充分に抑制される。
第2樹脂充填部29Bの熱膨張率は、第2スルーホール導体64の熱膨張率と同じであってもよいし、第2スルーホール導体64の熱膨張率よりも小さくてもよい。より具体的には、第2貫通孔65に充填された樹脂材料の熱膨張率は、第2スルーホール導体64の構成材料の熱膨張率と同じであってもよいし、第2スルーホール導体64の構成材料の熱膨張率よりも小さくてもよい。
コンデンサアレイ1は、第2樹脂充填部29Bを備えていなくてもよい。この場合、第2スルーホール導体64は、第2貫通孔65の内壁面上だけではなく、第2貫通孔65の内部全体に設けられていることが好ましい。
図32に示すように、第2封止層25Bは、陽極板31と第2スルーホール導体64との間に延在していることが好ましい。図32に示す例では、第2封止層25Bが、陽極板31と第2スルーホール導体64との両方に接している。第2封止層25Bが陽極板31と第2スルーホール導体64との間に延在していることにより、陽極板31と第2スルーホール導体64との間の絶縁性、ひいては、陽極板31と陰極層36との間の絶縁性が確保され、両者間の短絡が防止される。
第2封止層25Bが陽極板31と第2スルーホール導体64との間に延在している場合、図32に示すように、第2封止層25Bに接する陽極板31の端面には、芯部32及び多孔質部34が露出していることが好ましい。この場合、第2封止層25Bと多孔質部34との接触面積が大きくなることで両者間の密着性が向上するため、第2封止層25Bと多孔質部34との間の剥離等の不具合が生じにくくなる。
第2封止層25Bに接する陽極板31の端面に、芯部32及び多孔質部34が露出している場合、絶縁層24の構成材料が多孔質部34の空孔に入り込むことで多孔質部34の内部に広がった絶縁層24が、第2スルーホール導体64の周囲に設けられていることが好ましい。この場合、陽極板31と第2スルーホール導体64との間の絶縁性、ひいては、陽極板31と陰極層36との間の絶縁性が充分に確保され、両者間の短絡が充分に防止される。
第2封止層25Bに接する陽極板31の端面に、芯部32及び多孔質部34が露出している場合、第2封止層25Bの構成材料は、多孔質部34の空孔に入り込んでいることが好ましい。この場合、多孔質部34の機械的強度が向上しつつ、多孔質部34の空孔に起因するデラミネーションの発生が抑制される。
第2封止層25Bの熱膨張率は、第2スルーホール導体64の熱膨張率よりも大きいことが好ましい。より具体的には、第2封止層25Bの構成材料の熱膨張率は、第2スルーホール導体64の構成材料(例えば、銅)の熱膨張率よりも大きいことが好ましい。この場合、第2封止層25B、より具体的には、第2封止層25Bの構成材料が高温環境下で膨張することにより、多孔質部34及び第2スルーホール導体64が押さえつけられるため、デラミネーションの発生が充分に抑制される。
第2封止層25Bの熱膨張率は、第2スルーホール導体64の熱膨張率と同じであってもよいし、第2スルーホール導体64の熱膨張率よりも小さくてもよい。より具体的には、第2封止層25Bの構成材料の熱膨張率は、第2スルーホール導体64の構成材料の熱膨張率と同じであってもよいし、第2スルーホール導体64の構成材料の熱膨張率よりも小さくてもよい。
図1等には示されていないが、スルーホール導体60は、コンデンサ素子30の第1電極層(例えば陽極板31)及び第2電極層(例えば陰極層36)に電気的に接続されない第3スルーホール導体を含んでもよい。
本発明のコンデンサアレイは、第1貫通溝と第2貫通溝との交差領域を厚さ方向から見たとき、第1貫通溝を交差領域まで延長した第1仮想溝と、第2貫通溝を交差領域まで延長した第2仮想溝との交点が交差領域の内側に位置する限り、上記実施形態に限定されるものではない。したがって、コンデンサアレイの構成、製造条件等に関し、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
本発明のコンデンサアレイにおいて、コンデンサ素子は、固体電解コンデンサ等の電解コンデンサに限定されない。本発明のコンデンサアレイにおいて、コンデンサ素子は、例えば、チタン酸バリウムを用いたセラミックコンデンサ、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ化水素(HF)等を用いた薄膜コンデンサ、MIM(Metal Insulator Metal)構造を有するトレンチ型コンデンサ等を構成してもよい。
本発明のコンデンサアレイにおいて、コンデンサ層の薄型化及び大面積化、並びに、コンデンサ層の剛性、柔軟性等の機械特性向上の観点から、コンデンサ素子は、アルミニウム等の金属を基材とするコンデンサを構成することが好ましく、アルミニウム等の金属を基材とする電解コンデンサを構成することがより好ましい。
本発明のコンデンサアレイは、例えば、複合電子部品に用いられる。このような複合電子部品は、例えば、本発明のコンデンサアレイと、本発明のコンデンサアレイの外部電極層に電気的に接続された電子部品と、を有する。
複合電子部品において、外部電極層に電気的に接続される電子部品は、受動素子であってもよいし、能動素子であってもよいし、受動素子及び能動素子の両方であってもよいし、受動素子及び能動素子の複合体であってもよい。
受動素子としては、例えば、インダクタ等が挙げられる。
能動素子としては、メモリ、GPU(Graphical Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、PMIC(Power Management IC)等が挙げられる。
本発明のコンデンサアレイが複合電子部品に用いられる場合、本発明のコンデンサアレイは、例えば、電子部品を実装するための基板として扱われる。そのため、本発明のコンデンサアレイを全体としてシート状にし、さらに、本発明のコンデンサアレイに実装される電子部品をシート状にすることにより、電子部品を厚さ方向に貫通するスルーホール導体を介して、本発明のコンデンサアレイと電子部品とを厚さ方向に電気的に接続することが可能となる。その結果、電子部品としての受動素子及び能動素子を一括のモジュールのように構成することが可能となる。
例えば、半導体アクティブ素子を含むボルテージレギュレータと、変換された直流電圧が供給される負荷との間に本発明のコンデンサアレイを電気的に接続することにより、スイッチングレギュレータを形成することができる。
複合電子部品においては、本発明のコンデンサアレイが複数個レイアウトされたコンデンサマトリクスシートの一方主面上に回路層を形成した上で、その回路層を、電子部品としての受動素子又は能動素子に電気的に接続してもよい。
また、基板に予め設けられたキャビティ部に本発明のコンデンサアレイを配置し、樹脂で埋め込んだ後、その樹脂上に回路層を形成してもよい。同基板の別のキャビティ部には、別の電子部品としての受動素子又は能動素子が搭載されていてもよい。
あるいは、本発明のコンデンサアレイをウエハ、ガラス等の平滑なキャリアに実装し、樹脂による外層部を形成した後、回路層を形成した上で、その回路層を、電子部品としての受動素子又は能動素子に電気的に接続してもよい。
本明細書には、以下の内容が開示されている。
<1>
複数の貫通溝で区分されることにより、厚さ方向に直交する面方向に平面配置された複数のコンデンサ素子を含む、コンデンサ層を備え、
上記コンデンサ素子は、各々、第1電極層と第2電極層と誘電体層とを含み、上記第1電極層及び上記第2電極層が上記誘電体層を介して上記厚さ方向に対向しており、
上記貫通溝は、第1方向に沿う第1貫通溝と、上記第1方向と交差する第2方向に沿う第2貫通溝と、を含み、
上記第1貫通溝と上記第2貫通溝との交差領域を上記厚さ方向から見たとき、上記第1貫通溝を上記交差領域まで延長した第1仮想溝と、上記第2貫通溝を上記交差領域まで延長した第2仮想溝との交点は、上記交差領域の内側に位置する、コンデンサアレイ。
<2>
上記コンデンサ層を封止する封止層をさらに備える、<1>に記載のコンデンサアレイ。
<3>
上記封止層は、上記コンデンサ層の上記厚さ方向に相対する両方の主面に設けられた第1封止層を含み、
上記第1封止層は、上記第1貫通溝内に延在しており、かつ、上記第2貫通溝内に延在していない、<2>に記載のコンデンサアレイ。
<4>
上記封止層は、上記第1封止層の表面に設けられた第2封止層をさらに含み、
上記第2封止層は、上記第1貫通溝内に延在しておらず、かつ、上記第2貫通溝内に延在している、<3>に記載のコンデンサアレイ。
<5>
上記第1封止層及び上記第2封止層は、上記交差領域内にも延在し、
上記交差領域を上記厚さ方向から見たとき、上記交差領域内では上記第1封止層よりも上記第2封止層が内側に位置し、かつ、上記交差領域内の上記第2封止層の面積が上記交差領域内の上記第2仮想溝の面積よりも大きい、<4>に記載のコンデンサアレイ。
<6>
上記第1貫通溝と上記交差領域との角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有する、<1>~<5>のいずれか1つに記載のコンデンサアレイ。
<7>
上記第1貫通溝と上記交差領域との角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有する、<1>~<5>のいずれか1つに記載のコンデンサアレイ。
<8>
上記第2貫通溝と上記交差領域との角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有する、<1>~<5>のいずれか1つに記載のコンデンサアレイ。
<9>
上記第2貫通溝と上記交差領域との角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有する、請求項<1>~<5>のいずれか1つに記載のコンデンサアレイ。
<10>
上記第1貫通溝と上記交差領域との角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有し、かつ、上記第2貫通溝と上記交差領域との角部の少なくとも1つが湾曲面又は鈍角面を有する、<1>~<5>のいずれか1つに記載のコンデンサアレイ。
<11>
上記第1貫通溝と上記交差領域との角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有し、かつ、上記第2貫通溝と上記交差領域との角部の全てが湾曲面又は鈍角面を有する、<1>~<5>のいずれか1つに記載のコンデンサアレイ。
<12>
上記第1電極層は、金属からなる芯部と、上記芯部の少なくとも一方の主面に設けられた多孔質部と、を有する陽極板であり、
上記誘電体層は、上記多孔質部の表面に設けられ、
上記第2電極層は、上記誘電体層の表面に設けられた陰極層である、<1>~<11>のいずれか1つに記載のコンデンサアレイ。
<13>
上記陰極層は、上記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層を含む、<12>に記載のコンデンサアレイ。