JP7729542B2 - 蒸発器およびヒートポンプ - Google Patents

蒸発器およびヒートポンプ

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特許法第30条第2項適用 〔1〕開催日(公開日) 2020年9月10日(会期:2020年9月9日~11日) 集会名、開催場所 2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会 ビデオ会議システム(Zoom)を用いたオンライン開催 公益社団法人 日本冷凍空調学会 主催 <資料>2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会 プログラム <資料>2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会 発表資料 〔2〕発行日(公開日) 2020年9月4日 刊行物 2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会 講演論文集 事前公開講演論文 B233 公益社団法人 日本冷凍空調学会 発行 参加者専用講演論文事前公開アドレスより公開 <資料>2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会 開催概要 <資料>2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会 論文集 事前公開 講演論文
本発明は、冷媒を低減する蒸発器およびヒートポンプに関する。
空調装置や冷凍機等に用いられるヒートポンプは、冷媒により熱交換する蒸発器を備えている。蒸発器は、ヒートポンプの主要機器であり、全体の性能に影響を与える。蒸発器は、従来から浸漬式と呼ばれる方式が主流となっている。浸漬式の蒸発器は、例えば、熱媒体が流通する伝熱管を冷媒液に浸水させるように構成されている。浸漬式に用いられる伝熱管には、例えば、多数のフィンが設けられたフィン管、3D管がある(例えば、特許文献1参照)。また、蒸発器で使用されている冷媒が地球温暖化への寄与が指摘されている。そのため、地球温暖化係数の低い新冷媒の導入などにより、地球温暖化への影響の低減が検討されている。
特開2018-036035号公報
Tsutomu Ubara, Hitoshi Asano and Katsumi Sugimoto" Heat Transfer Enhancement of Falling Film Evaporation on a Horizontal Tube by Thermal Spray Coating" Applied Sciences Volume 10 Issue 5 1632, February 29, 2020. Maria E. Mondejar, Mark O. McLinden, and Eric W. Lemmon "Thermodynamic Properties of trans-1-Chloro-3,3,3-trifluoropropene (R1233zd(E)): Vapor Pressure, (p, ρ, T) Behavior, and Speed of Sound Measurements, and Equation of State" Journal of Chemical & Engineering Data, 2477-2489, July 8, 2015.
地球温暖化係数の低い新冷媒は価格が高く、導入の妨げとなっている。冷媒量を低減するために、液膜蒸発型の蒸発器が知られている。液膜蒸発型の蒸発器は、伝熱管の表面に冷媒を滴下し、伝熱管の表面において冷媒を蒸発させる構成を備えている。しかしながら、液膜蒸発型の蒸発器によれば、滴下された冷媒が伝熱管の表面から全て蒸発し、ドライアウト(管表面が乾く現象)が発生する虞がある。従って、液膜蒸発型の蒸発器には、管表面にドライアウトが発生した場合、性能が低下するという課題がある。
従来の浸漬式用の伝熱管は主にフィン管、3D管であり、冷媒を保持するなどのドライアウト対策を特に考慮していない。これを液膜型に適用すると、ドライアウトが生じやすく、性能低下し、コストも増加するという課題がある。また、液膜蒸発型蒸発器の伝熱管上の液膜を保持してドライアウトを抑制することを目的として伝熱管の表面に銅の溶射皮膜を形成する方法がある(例えば、非特許文献1参照)が、溶射により形成できる保持層の厚みは薄く、十分なドライアウトの抑制効果を得られる厚みの保持層を形成できないという課題がある。また、液膜蒸発方式の蒸発器を適用した全体システム(液膜流下量、伝熱管種類、伝熱管間隔)は、最適化されていないという課題がある。
本発明は、冷媒の量を低減すると共に、ドライアウトを防止することができる蒸発器を提供することを目的とする。
本発明は、外部から流入する冷媒を内部空間に供給する供給部と、前記内部空間に配置され外部から流通する熱媒体と供給された前記冷媒とを熱交換し、前記冷媒の液膜を保持すると共に前記冷媒を蒸発させる保持層が表面に形成された伝熱管と、を備え、前記保持層は、多孔質材料により形成され、供給される前記冷媒の前記伝熱管上でのドライアウトを抑制して熱伝達率を向上させるために、前記保持層内部に前記冷媒が流入するように、前記伝熱管の表面に銅紛を焼結して前記保持層全体に多孔質の空隙を立体的に形成し、前記保持層の空隙率は、60%以上、70%以下であり、前記保持層の層厚は、1mm以上、2mm以下であ、蒸発器である。
本発明によれば、伝熱管の表面に保持層が形成されていることにより、供給された冷媒が液膜となって保持されると共に、伝熱管に流通する熱媒体の熱により蒸発するため、冷媒の量を低減することができる。また、本発明によれば、保持層は、供給される前記冷媒の前記伝熱管上でのドライアウトを抑制して熱伝達率を向上させる所定の層厚であるため、性能を安定化することができる。さらに、本発明によれば、保持層が多孔質材料に形成されているため、冷媒が浸透して液膜が保持されると共に、表面から冷媒が蒸発するため、性能を保持しつつドライアウトを防止することができる。
また、本発明の前記伝熱管は、銅管により形成された管路と、前記管路の表面に銅紛が焼結されて形成された前記保持層とを備えていてもよい。
本発明によれば、銅管の表面に保持層が銅紛により焼結されて形成されているため、熱伝導性が向上し、効率的に熱交換を行うことができる。
また、本発明の前記保持層は、2mm以下の層厚に形成されていてもよい。
本発明によれば、保持層が所定の層厚に形成されていることにより、熱伝達の効率を向上させることができる。
また、本発明の前記保持層は、繊維材料により形成されていてもよい。
本発明によれば、管路の表面に繊維材料を巻き付けて保持層を形成するため、簡便に蒸発器を構成することができる。
また、本発明は、上記構成を有する前記蒸発器を備えてヒートポンプを構成してもよい。
本発明によれば、冷媒を低減しつつ性能が維持されたヒートポンプを実現できる。
本発明によれば、冷媒の量を低減すると共に、ドライアウトを防止することができる。
本発明に係る蒸発器が適用されたヒートポンプの構成を示す図である。 蒸発器の構成を示す図である。 蒸発器が有する伝熱管の断面図である。 蒸発器の性能を試験する試験装置の構成を示す図である。 試験結果の一例を示す図である。 試験の状態を示す図である。 試験結果の一例を示す図である。 試験の状態を示す図である。 試験結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る蒸発器及びヒートポンプについて説明する。
図1に示されるように、ヒートポンプ1は、例えば、冷凍回路により空調装置が構成されている。ヒートポンプ1は、例えば、空調冷凍装置、給湯装置等の加熱装置、産業用高温ヒートポンプ等に適用されてもよい。ヒートポンプ1は、例えば、冷媒を圧縮する圧縮機10と、圧縮された冷媒を熱交換して凝縮する凝縮器20と、冷媒を減圧する膨張弁30と、冷媒を蒸発させる蒸発器40と、各装置を接続する配管Qとを備えている。配管Qには、冷媒が流通する。
蒸発器40には、例えば、空調装置Cの配管C1が接続され冷熱が熱交換される。空調装置Cは、例えば、室内の空気を冷却する冷房装置である。凝縮器20には、例えば、熱交換器Hの配管H1が接続され温熱が熱交換され、温熱が大気中に放出される。空調装置Cの配管C1及び、熱交換器Hの配管H1は切替られ、空調装置Cを暖房装置として機能させ、熱交換器Hに冷熱を大気中に放出させてもよい。
ヒートポンプ1における冷凍サイクルは、以下の通りである。圧縮機10により気体の状態の冷媒が圧縮される。高圧に圧縮された冷媒は、凝縮器20に接続された配管H1内を流通する熱媒体と熱交換して凝縮され液体の状態となる。凝縮された冷媒は、膨張弁30によって蒸発しやすい状態に減圧された後、蒸発器40に流入する。蒸発器40に流入した冷媒は、蒸発器40に接続された配管C1内を流通する熱媒体と熱交換して蒸発した後、圧縮機10に戻り再び圧縮される。
図2に示されるように、蒸発器40は、液膜式の熱交換器である。蒸発器40は、密閉容器状に形成された筐体45と、外部から流入する冷媒Fが流通する配管Qが接続された供給部41と、空調装置等の熱媒体が流通する配管C1が接続された伝熱管42とを備える。伝熱管42は、1本だけでなく配管C1から分岐した1本以上の伝熱管42が並列して設けられていてもよい。筐体45は、内部に供給部41と伝熱管42とが配置されている。筐体45には、供給部41に冷媒Fを流通させる配管Qの上流側と、蒸発した冷媒Fを流出させる配管Qの下流側が接続されている。
配管Qの上流側からは液体の冷媒Fが流入する。配管Qの下流側からは気体の冷媒Fが流出する。筐体45の内部の下方には、液体の冷媒Fが貯留される。筐体45には、伝熱管42に熱媒体を流通させる配管C1の上流側と、伝熱管42を流通した熱媒体を流出させる配管C1の下流側が接続されている。
供給部41は、例えば、筐体45内に形成された内部空間に冷媒Fを流下させて供給する。内部空間とは、筐体45内の底部に貯留された冷媒Fの液面から上方の空間である。供給部41は、伝熱管42の上方に配置されている。供給部41は、例えば、一端に配管Qの上流側が接続され、他端が閉塞した管状に形成されている。供給部41は、例えば、冷媒Fを漏出させる微細な吐出孔(不図示)が管軸方向に沿った下方に多数個形成されている。
供給部41は、吐出口から漏出した冷媒Fを滴下し、伝熱管42の表面に冷媒Fを供給する。供給部41の構成は一例であり、冷媒Fを噴霧して伝熱管42の表面に冷媒Fを供給してもよい。即ち、供給部41は、冷媒Fを筐体45内において伝熱管42の表面に供給できればどのような構成を有していてもよい。
図3に示されるように、伝熱管42は、例えば、液膜式の配管に形成されている。伝熱管42は、筐体45の内部空間内に配置されている。即ち、伝熱管42は、筐体45内の底部に貯留された冷媒Fに浸漬されていない。伝熱管42は、銅等の金属により形成されている。伝熱管42は、例えば、熱媒体の流路が形成された管路43と、管路43の表面に形成された保持層44とを備える。管路43は、例えば、空調装置Cの高温の熱媒体が内部に流通する。管路43は、円形断面の管路状に形成されている。伝熱管42は、楕円断面等の他の断面形状に形成されていてもよい。管路43は、例えば、銅管により形成されている。
保持層44は、供給部41から供給された冷媒の液膜を形成して一時的に保持すると共に、管路43から供給される熱により冷媒を蒸発させるように形成されている。保持層44は、滴下された冷媒Fが管路43を流通する熱媒体の潜熱により乾かずに保持しつつ、蒸発も発生させるように形成されている。即ち、保持層44は、供給される冷媒Fの伝熱管42上でのドライアウトを抑制して熱伝達率が向上するように冷媒Fを保持する所定の層厚に形成されている。管路43を流通する熱媒体の潜熱が変動する場合には、供給部41から供給される冷媒の供給量を調整し、保持層44における液膜を保持する。
保持層44は、例えば、多孔質材料により形成されている。保持層44は、例えば、銅紛が焼結されて形成されている。保持層44は、例えば、10~100μm程度の樹状の電界銅紛が焼結されて形成されている。保持層44は、例えば、かさ密度30~40%(空隙率60~70%)に形成されている。
保持層44の材質、組成は一例であり、管路43の表面に冷媒Fの液膜が保持できれば他の構成を有していてもよい。保持層44は、管路43の表面に銅紛を焼結して形成するものの他に、予め分割された形状に焼結されて形成されていてもよい。この分割されて形成された保持層44は、熱伝導性が高い接着剤等を用いて管路43の表面に接着されてもよく、針金等を巻き付けて管路43の表面に固定されてもよい。また、保持層44は、銅の他にアルミニウム、銀、ダイヤモンド等の他の熱伝導性が良好な材質により形成されていてもよい。
また、保持層44は、多孔質材料だけでなく繊維材料により形成されていてもよい。保持層44は、例えば、管路43の表面にシート状の繊維材料が巻き付けられて形成されていてもよい。繊維材料は、例えば、熱伝導性が高い金属線が織り込まれて形成されていてもよく、炭素繊維が織り込まれて形成されていてもよい。また、繊維材料は織り込まれていない不織材料であってもよい。
次に蒸発器40の性能試験について説明する。
図4に示されるように、伝熱管42の性能を試験するための試験装置100が構築される。試験装置100は、蒸発器40の内部の状態を再現するように構成されている。試験装置100は、例えば、密閉容器状に形成された筐体101と、筐体101内に配置された凝縮管102及び伝熱管103とを備える。凝縮管102には、内部に冷温の熱媒体を循環させる第1恒温槽104が配管105を介して接続されている。伝熱管103には、内部に高温の熱媒体を循環させる第2恒温槽106が配管107を介して接続されている。
筐体101内では、第1恒温槽104から冷却水が供給されている凝縮管102の外表面において冷媒が冷却されて凝縮され、凝縮管102の直下に配置された伝熱管103に滴下される。伝熱管103には、第2恒温槽106から加熱水が供給されている。伝熱管103の表面に滴下された冷媒は伝熱管103の外表面を流下しながら蒸発する。また、伝熱管103の表面で蒸発する冷媒量は、凝縮管102の表面で凝縮する冷媒量に比して同じ、或いは少ない。後者の場合には、筐体101内の下部に設置された補助電気ヒータ110により、筐体101内の圧力が一定になるように冷媒を蒸発させる。
熱源水(冷却水および加熱水)の混合平均温度は、凝縮管102および伝熱管103のそれぞれの入口・出口に設置された混合室102A,103A内で白金測温抵抗体ptにより計測される。熱源水の体積流量は各管の出口側に設置された体積流量計102B,103Bによって計測される。筐体101内の冷媒圧力は、伝熱管103の近傍かつ同じ高さに設置された絶対圧力計Pにより測定され、伝熱管103の管壁温度は電気抵抗法により測定される。また、筐体101の側面に設置したガラス窓Gを介してハイスピードカメラにより蒸発様相が撮影される。
試験において、試験冷媒にはR1233zd(E)を用い、筐体101内の冷媒の飽和温度が60°Cとなるように圧力が調整された。試験に使用する伝熱管103は2種類で、外径19.05mmの平滑管および外径19.05mmの平滑管表面に厚さ2mmの多孔質の保持層が形成された管である。保持層が形成された管は、伝熱管42と同じ構成を備える。多孔質の保持層の基材は電解銅粉、空隙率は70%程度であり、伝熱管42の保持層44と同じ構成に形成されている。蒸発熱流束は、いずれの管でも19.05mm平滑管の外表面積を基準に算出し、5~40kWm-2の範囲で変化させて実験を行った。
また、凝縮管102より滴下させる液冷媒量は、試験対象の伝熱管103の単位基準面積あたり0.058~0.350kgm-2-1の範囲で変化させた。この液冷媒量に冷媒の蒸発潜熱を乗じると、10~60kWm-2の範囲である。これは伝熱管表面から蒸発により除去できる最大熱流束に相当する。以下では、伝熱管103に滴下する液冷媒量を、この熱流束の次元で「液冷媒供給熱流束」と記載する。蒸発熱流束qwallは、試験伝熱管内を流れる熱源水の熱交換量QH2Oから次式(1)のように求められる。
但し、
q: heat flux, W・m-2
D: diameter, m
L: heat transfer length, m
o: outer
ここで、Doは伝熱管の基準外径で、平滑管と多孔質層(保持層)を有する管のいずれも19.05mmとした。Lは伝熱管の有効伝熱長さである。また、熱交換量QH2Oは次式(2)より求められる。
但し、
ρ: density, kg・m-3
V: volumetric flow rate, m3・s-1
Qloss: heat loss, W
o: outlet
ここに,ρH2Oは、試験伝熱管出口での熱源水の密度であり、V H2Oは、試験伝熱管出口での熱源水の体積流量であり,hH2Oは熱源水の比エンタルピであり、添え字のiとoはそれぞれ入口と出口での測定値を表す。Qlossは熱損失であり熱源水と周囲空気の温度差によって与えられる。蒸発熱伝達率αは次式(3)より求められる。
但し、
T:temperature,℃
wall: wall of test tube
sat: saturation
ここに、Twallは伝熱管103の外壁面温度(多孔質層を有する管の場合でも、基底平滑管の外表面温度)で、電気抵抗法によって測定した。Tsatは測定された液冷媒の圧力から熱平衡を仮定し状態方程式(非特許文献2参照)を用いて算出された飽和温度である。
図5には、平滑管に形成されている伝熱管103の性能試験結果が示されている。試験結果には、伝熱管103における蒸発熱流束に対する熱伝達率の変化が示されている。シンボルはそれぞれ液冷媒供給熱流束60、40および25kW・m-2を示し、シンボルに付した垂直のバーは熱伝達率の測定の誤差を含むことを示している。加えて、同じ伝熱管103を用いたプール沸騰熱伝達率の計測結果を示す。
流下液膜の蒸発熱伝達率は、プール沸騰熱伝達率と同様に、全般に蒸発熱流束の増大とともに大きくなっており、蒸発熱流束が液冷媒供給熱流束に比較的近い場合(図中のqc=25kWm-2でqwall =20kWm-2の場合およびqc=40kWm-2でqwall=30kWm-2の場合)を除いて、流下液膜とプール沸騰の熱伝達率の間に違いはほとんど見られない。
図6には、液冷媒供給熱流束25kW・m-2の条件下における蒸発様相の結果が示されている。図6(a)の蒸発熱流束は、10kW・m-2であり、図6(b)の蒸発熱流束は、20kW・m-2である。蒸発熱伝達率は、蒸発熱流束が液冷媒供給熱流束に近づくにつれ低下している。これは蒸発量に対して液の供給量が少なくなり、伝熱面の大部分で乾きが生じたためであることが確認された(図6(b)参照)。また、プール沸騰と同等の熱伝達率を示す蒸発熱流束10kW・m-2でも、図6(a)に示されるように、伝熱面上に濡れていない領域が観察されている。このことから、流下液膜蒸発における濡れている部分の局所熱伝達率は、プール沸騰の伝熱面平均熱伝達率よりも高いと考えられる。
図7には、多孔質層を有する伝熱管103における蒸発熱流束に対する熱伝達率の変化が示されている。シンボルはそれぞれ液冷媒供給熱流束60、40、25および10kW・m-2を示し、シンボルに付した垂直のバーは熱伝達率の測定に含まれる誤差を示している。加えて、同じ管を用いたプール沸騰の結果を示す。
図8には、液冷媒供給熱流束40kW・m-2の蒸発様相の結果が示されている。図8(a)の蒸発熱流束10kW・m-2であり、図8(b)の蒸発熱流束32kW・m-2である。平滑管と多孔質層を有する伝熱管103の熱伝達率を比較すると、定性的には同じであるが、多孔質層を有する伝熱管103の熱伝達率は平滑管に対して最大で9倍程度高くなっている。
また、図7に示されるように、液冷媒供給熱流束が大きい60kW・m-2では、蒸発熱流束が増加するにつれて流下液膜式の熱伝達率がプール沸騰よりも1.5倍程度高くなっており、平滑管に比べて向上率が高い。これらは多孔質層による表面積の拡大効果に加え、毛細管現象により、平滑管よりも管全体が濡れている状態になりやすいためと考えられる。
一方、蒸発熱伝達率は、平滑管と同様に、蒸発熱流束とともに増大するものの、蒸発熱流束が液冷媒供給熱流束に近づくと低下した。例えば液冷媒供給熱流束が40kW・m-2の場合に、最大熱伝達率が蒸発熱流束25-30kW・m-2程度で現れるのは、平滑管とほぼ同じである。
図9には、液冷媒供給熱流束が60kW・m-2である場合の平滑管、多孔質層の層厚が1mmに形成された伝熱管103、多孔質層の層厚が2mmに形成された伝熱管103との性能比較が示されている。図示するように、多孔質層の層厚が1mmに形成された伝熱管103は、多孔質層の層厚が2mmに形成された伝熱管103に比して熱伝達率が高い。多孔質層の層厚が1mmである場合は、冷媒の湿潤状態を保持しつつ、層厚を2mmに形成した場合に比して液冷媒の供給と蒸発した冷媒の排出がより円滑に進むことにより、熱伝達率が向上すると考えられる。上記実験結果を考慮すると多孔質層の層厚は、0mmより大きく2mm以下であることが好ましく、特に熱伝達効率が顕著に高くなる1mm程度の層厚に形成されていることが好ましい。
多孔質体を有する管を用いた流下液膜式の蒸発熱伝達実験を行い、以下の結論を得た。
(1)多孔質層を有する伝熱管における熱伝達率は平滑管におけるそれに比して、流下液膜式蒸発とプール沸騰ともに全般に大きく、最大で9倍程度の値を示した。
(2)平滑管と多孔質層を有する管ともに、流下液膜式の蒸発熱伝達率は、全般に蒸発熱流束が増加するにつれて増加したが、液冷媒供給熱流束に近づくと低下した。最大熱伝達率を示す熱流束条件は、平滑管と多孔質層を有する管で違いはほとんど見られなかった。
(3)平滑管と多孔質層を有する管ともに、流下液膜式の熱伝達率は、蒸発熱流束に対して液冷媒供給熱流束が十分に大きければ、低熱流束ではプール沸騰と同等の値を示し、高熱流束ではプール沸騰よりも高い値を示した。後者では、多孔質層を有する管の方が、プール沸騰からの向上率が高かった。
(4)伝熱管の多孔質層(保持層)の層厚は、0mmより大きく2mm以下の所定の層厚に形成された場合、熱伝達率が向上し、特に層厚が1mm程度である場合に顕著な熱伝達率の向上が観測された。
上述したように、蒸発器40によれば、冷媒の量を低減すると共に、ドライアウトを防止することができる。蒸発器40によれば、伝熱管42の表面に保持層44が形成されていることにより、流下した冷媒が液膜となって保持されると共に、伝熱管42に流通する熱媒体の熱により蒸発するため、冷媒の量を低減することができる。蒸発器40によれば、保持層44は、供給される冷媒の伝熱管上でのドライアウトを抑制して熱伝達率を向上させる所定の層厚であるため、冷媒量を低減しても性能を安定化することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。例えば、保持層44を形成する材料は、金属、炭素だけでなく樹脂やセラミック、あるいはこれらの複合材料が用いられてもよい。
1…ヒートポンプ、10…圧縮機、20…凝縮器、30…膨張弁、40…蒸発器、41…供給部、42…伝熱管、43…管路、44…保持層、45…筐体、100…試験装置、101…筐体、102…凝縮管、102A…混合室、102B…体積流量計、103…伝熱管、103A…混合室、103B…体積流量計、104…第1恒温槽、105…配管、106…第2恒温槽、107…配管、110…補助電気ヒータ、C…空調装置、C1…配管、F…冷媒、G…ガラス窓、H…熱交換器、H1…配管、P…絶対圧力計、pt…白金測温抵抗体、Q…配管

Claims (3)

  1. 外部から流入する冷媒を内部空間に供給する供給部と、
    前記内部空間に配置され外部から流通する熱媒体と供給された前記冷媒とを熱交換し、前記冷媒の液膜を保持すると共に前記冷媒を蒸発させる保持層が表面に形成された伝熱管と、を備え、
    前記保持層は、多孔質材料により形成され、供給される前記冷媒の前記伝熱管上でのドライアウトを抑制して熱伝達率を向上させるために、前記保持層の内部に前記冷媒が流入するように、前記伝熱管の表面に銅紛を焼結して前記保持層全体に多孔質の空隙を立体的に形成し、
    前記保持層の空隙率は、60%以上、70%以下であり、前記保持層の層厚は、1mm以上、2mm以下であ、蒸発器。
  2. 前記伝熱管は、銅管により形成された管路と、前記管路の表面に形成された前記保持層とを備える、
    請求項1に記載の蒸発器。
  3. 請求項1または2に記載された前記蒸発器を備える、
    ヒートポンプ。
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