JP7731294B2 - 位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスク、製造方法 - Google Patents

位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスク、製造方法

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本発明は位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスク、製造方法に用いて好適な技術に関する。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのFPD(flat panel display,フラットパネルディスプレイ)の製造、あるいは、半導体装置の製造では、フォトレジスト工程において、マスク層を用いている。
この場合、マスク層としては、石英基板にクロム化合物でマスク層を形成したマスクブランクスが用いられることがある。
ここで、FPD等に用いられる大型マスクは、パターニングにWETエッチングを用いることが一般的である。このような、ウェットエッチングプロセスでは、クロム系材料からなるマスク層にレジスト層を積層して、レジスト層をパターニングした後、クロムエッチャントに浸漬、またはスプレー状にして、エッチングをおこなって、パターニングされたマスク層を形成している。
これにより、透明基板の露出したパターンの配置されていない透光領域と、透明基板に遮光層が積層された遮光領域等とが、隣接して配置されたフォトマスクを製造する。(特許文献1)。
近年、高精細化が大きく進行しており、それに伴いフォトマスクの微細化も進展している。そのため、従来から用いられている遮光膜を用いたマスクだけでなく、エッヂ強調型の位相シフトマスクの必要性が高まっている。
従来、位相シフトマスクとしては、露光の際に大きなコントラストを求められるので、石英基板にマスク層としてクロム化合物で位相シフト層を形成し、その上部にクロム膜の様な金属膜で遮光層(バイナリ層)を形成されたリム型の位相シフトマスクが用いられることがある。
この際、WETエッチングで用いるエッチングストップ膜として、モリブデンシリサイド膜のようなシリサイド膜を用いることが知られている(特許文献2)。
特開2019-008114号公報 国際公開第2013/190786号
しかし、近頃、半導体装置製造とは異なり、FPDの製造においては、位相シフトマスクとして、Cr-PSMと称するクロム系の位相シフト層が単層でガラス基板に積層された位相シフトマスクを用いてこれらの微細パターンを形成することがある。これは、近年スマートフォン等のディスプレイの高精細化が進展し、これに伴いディスプレイ用マスクにおいて微細パターンの形成が求められているためであり、Cr-PSMはクロム膜のみをマスク材料に用いることで、比較的簡便に位相シフト効果を使うことにより微細パターンの形成が可能になるといった理由による。
このように、クロム系のマスク層を有する位相シフトマスクブランクスにおいて、レジスト層とクロム系のマスク層との密着性が充分でないと、エッチャントがレジスト層とクロム系のマスク層との間に浸み込んで、形成されるマスクパターンの形状が悪化する。特に、クロム系の単層としてマスク層が形成されている場合に、これを改善したいという強い要求があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.マスク層における光学特性を維持したまま、レジスト層との密着性の改善を図ること。
2.ウェットエッチングによるマスク層のパターニングにおいて、パターン形状の精細性を向上すること。
本願発明者らは、位相シフト層とレジスト層との密着性が低下して、エッチャントが浸み込み、パターニング形状が崩れてしまう原因を以下のように考察した。
クロム化合物からなる位相シフト層は、必要な位相シフト能他の光学特性を有するために、酸素含有量が非常に多い。したがって、レジスト層に密着する必要のある表面での酸素濃度も、同様に高い。このため、クロム化合物からなる位相シフト層は、その表面における親水性が高くなり、レジスト層との密着性が低下する。
このため、ウェットエッチング工程において、クロム系のマスク層とレジスト層との間にエッチャントが浸み込んでしまい、この界面付近においてエッチングが進行して不必要な部分まで除去されてしまう。この結果、レジストパターンの縁部に沿って、ガラス基板表面に対して垂直に形成されることが期待されるマスク層の膜厚方向に延在する側面において、レジストパターンの下側に彫り込まれて傾斜した部分が形成される。つまり、この切欠部分に対応して、位相シフトパターンにおけるパターン形状の正確性が低下してしまうという現象が発生する。
したがって、位相シフトパターンの形状正確性を維持するためには、位相シフト層とレジスト層との密着性を向上することが必要である。この実現のためには、位相シフト層表面において疎水性を向上すること、すなわち、位相シフト層表面において水に対する接触角を大きくすることが効果的であると考えた。同時に、位相シフト層全体における位相シフト能、光学特性を変化させずに、維持することが重要である。
これらの点を考慮して、本願発明者らは、次のように、本発明を完成した。
(1)本発明の一態様にかかる位相シフトマスクブランクスは、
位相シフトマスクとなるマスク層を有する位相シフトマスクブランクスであって、
透明基板に積層されてクロムと酸素と炭素とを含有する位相シフト層を有し、
前記位相シフト層は、膜厚方向の全域で酸素濃度が70%以上とされ、
前記位相シフト層は、膜厚方向で前記透明基板から離間する表面に、炭素濃度が3.5atm%以上となる高炭素領域を有する、
ことにより上記課題を解決した。
(2)本発明の位相シフトマスクブランクスは、上記(1)において、
前記位相シフト層における前記高炭素領域が、膜厚方向で10nm以下である、
ことができる。
(3)本発明の位相シフトマスクブランクスは、上記(1)または(2)において、
前記位相シフト層における前記高炭素領域表面の、水の接触角が50度以上である、
ことができる。
(4)本発明の位相シフトマスクブランクスは、上記(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記透明基板に積層された前記マスク層の最表面に前記位相シフト層が位置する、
ことができる。
(5)本発明の他の態様にかかる位相シフトマスクブランクスの製造方法は、上記(1)から(4)のいずれか記載の位相シフトマスクブランクスの製造方法であって、
前記透明基板にクロムと酸素とを含有する前記位相シフト層を積層する位相シフト層成膜工程を有し、
前記位相シフト層成膜工程において、積層される前記位相シフト層の表面に炭素を含有させて前記高炭素領域を形成する、
ことができる。
(6)本発明の位相シフトマスクブランクスの製造方法は、上記(5)において、
前記位相シフト層成膜工程において、
スパッタリングにおける供給ガスとして、炭素含有ガスの分圧を設定することにより前記位相シフト層の表面に炭素を含有させて前記高炭素領域を形成する、
ことができる。
(7)本発明の他の態様にかかる位相シフトマスクは、上記(1)から(4)のいずれか記載の位相シフトマスクブランクスから製造されるか、または、上記(5)または(6)記載の位相シフトマスクブランクスの製造方法により製造される位相シフトマスクであって、
マスクパターンにおいて、前記位相シフト層から形成された位相シフトパターンは、膜厚方向の全域で酸素濃度が70%以上とされ、かつ、膜厚方向で前記透明基板から離間する表面に、炭素濃度が3.5atm%以上となる高炭素領域を有する、
ことができる。
(8)本発明の位相シフトマスクは、上記(7)において、
前記位相シフトパターンにおける前記高炭素領域が、膜厚方向で10nm以下である、
ことができる。
(9)本発明の位相シフトマスクは、上記(7)または(8)において、
前記位相シフトパターンにおける前記高炭素領域表面の、水の接触角が50度以上である、
ことができる。
(10)本発明の位相シフトマスクは、上記(7)から(9)のいずれかにおいて、
前記透明基板に積層された前記マスクパターンの最表面に前記位相シフトパターンが位置する、
ことができる。
(11)本発明の他の態様にかかる位相シフトマスクの製造方法は、上記(7)から(10)のいずれか記載の位相シフトマスクの製造方法であって、
前記マスク層にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記位相シフト層にパターンを形成する位相シフトパターン形成工程と、
を有し、
前記位相シフトパターン形成工程において、前記高炭素領域が残存する、
ことができる。
(1)本発明の一態様にかかる位相シフトマスクブランクスは、
位相シフトマスクとなるマスク層を有する位相シフトマスクブランクスであって、
透明基板に積層されてクロムと酸素と炭素とを含有する位相シフト層を有し、
前記位相シフト層は、膜厚方向の全域で酸素濃度が70%以上とされ、
前記位相シフト層は、膜厚方向で前記透明基板から離間する表面に、炭素濃度が3.5atm%以上となる高炭素領域を有する、
ことにより上記課題を解決した。
上記の構成によれば、位相シフト層の表面に高炭素領域を有することで、位相シフト層の光学特性を維持したままで、位相シフト層の表面における濡れ性を向上し、位相シフト層の表面におけるレジスト層との密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフト層とレジスト層との界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、位相シフトパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
(2)本発明の位相シフトマスクブランクスは、上記(1)において、
前記位相シフト層における前記高炭素領域が、膜厚方向で10nm以下である、
ことができる。
上記の構成によれば、位相シフト層の光学特性を維持したままで、位相シフト層の表面における濡れ性を向上し、位相シフト層の表面におけるレジスト層との密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフト層とレジスト層との界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、位相シフトパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
さらに、高炭素領域が上記の厚さを有することで、パターン形成工程等におけるエッチング、あるいは洗浄によっても高炭素領域が消滅することなく残存して、位相シフト層あるいは位相シフトパターン表面における特性を維持することができる。
(3)本発明の位相シフトマスクブランクスは、上記(1)または(2)において、
前記位相シフト層における前記高炭素領域表面の、水の接触角が50度以上である、
ことができる。
上記の構成によれば、位相シフト層の光学特性を維持したままで、位相シフト層の表面における濡れ性を向上し、位相シフト層の表面におけるレジスト層との密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフト層とレジスト層との界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、位相シフトパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
特に、密着性を向上するためには疎水性を要求するレジスト、例えば、フラットディスプレイ用のメタルエッチング用として一般的に用いられている、ナガセケムテックス社のGRX-Mシリーズのレジスト材料等に対して、位相シフト層とレジスト層との密着性を向上することが可能となる。
(4)本発明の位相シフトマスクブランクスは、上記(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記透明基板に積層された前記マスク層の最表面に前記位相シフト層が位置する、
ことができる。
上記の構成によれば、マスク層の最表面に位置する位相シフト層の表面における濡れ性を向上し、位相シフト層の光学特性を維持したままで、位相シフト層の表面におけるレジスト層との密着性を向上することができる。すなわち、マスク層の表面におけるレジスト層との密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターン、つまり、フォトマスクとしてのマスクパターンを形成するウェットエッチング時に、マスク層とレジスト層との界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、マスクパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
(5)本発明の他の態様にかかる位相シフトマスクブランクスの製造方法は、上記(1)から(4)のいずれか記載の位相シフトマスクブランクスの製造方法であって、
前記透明基板にクロムと酸素とを含有する前記位相シフト層を積層する位相シフト層成膜工程を有し、
前記位相シフト層成膜工程において、積層される前記位相シフト層の表面に炭素を含有させて前記高炭素領域を形成する、
ことができる。
上記の構成によれば、従来の位相シフト層を成膜する位相シフト層成膜工程において、位相シフト層の表面に炭素を含有させるだけで、高炭素領域を形成することができる。これにより、位相シフト層の光学特性を維持したままで、位相シフト層の表面における濡れ性を向上し、位相シフト層の表面におけるレジスト層との密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフト層とレジスト層との界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、位相シフトパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことのない、位相シフトマスクブランクスを製造可能とすることができる。
ここで、位相シフト層の表面に炭素を含有させる際には、該当厚さとなる位相シフト層の成膜中に、供給ガス中への炭素含有ガスを供給する手段や、成膜後の位相シフト層の表面に対して炭素含有材料を供給する手段、特に、炭素含有ガスによる位相シフト層の表面を改質する手段、あるいは、炭素含有材料塗布による位相シフト層の表面を改質する手段、炭素含有材料の炭素ドープによる位相シフト層を改質する手段等を採用することが可能である。
(6)本発明の位相シフトマスクブランクスの製造方法は、上記(5)において、
前記位相シフト層成膜工程において、
スパッタリングにおける供給ガスとして、炭素含有ガスの分圧を設定することにより前記位相シフト層の表面に炭素を含有させて前記高炭素領域を形成する、
ことができる。
上記の構成によれば、位相シフト層の表面における濡れ性を向上し、位相シフト層の表面におけるレジスト層との密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフト層とレジスト層との界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、位相シフトパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
しかも、位相シフト層の成膜をおこなうチャンバに炭素含有ガスを供給するだけで、チャンバから透明基板を出し入れすることなく、真空および密閉を維持したままで、高炭素領域を容易に形成することが可能となる。
(7)本発明の他の態様にかかる位相シフトマスクは、上記(1)から(4)のいずれか記載の位相シフトマスクブランクスから製造されるか、または、上記(5)または(6)記載の位相シフトマスクブランクスの製造方法により製造される位相シフトマスクであって、
マスクパターンにおいて、前記位相シフト層から形成された位相シフトパターンは、膜厚方向の全域で酸素濃度が70%以上とされ、かつ、膜厚方向で前記透明基板から離間する表面に、炭素濃度が3.5atm%以上となる高炭素領域を有する、
ことができる。
上記の構成によれば、位相シフトパターンパターンの表面に高炭素領域を有することで、位相シフトパターンの表面における濡れ性を向上し、位相シフトパターンの表面におけるレジストパターンとの密着性を向上して、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフトパターンとレジストパターンとの界面にエッチャントが侵入することを防止し、界面における不必要なエッチングが進行しない。これにより、高精細な位相シフトパターンにおける高い形状正確性と、位相シフトパターンとして必要な光学特性と、を維持した位相シフトマスクを形成することができる。
(8)本発明の位相シフトマスクは、上記(7)において、
前記位相シフトパターンにおける前記高炭素領域が、膜厚方向で10nm以下である、
ことができる。
上記の構成によれば、位相シフトパターンの表面における濡れ性を向上し、位相シフトパターンの表面におけるレジストパターンとの密着性を向上して、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフトパターンとレジストパターンとの界面にエッチャントが侵入することを防止し、界面における不必要なエッチングが進行しない。これにより、高精細な位相シフトパターンにおける高い形状正確性と、位相シフトパターンとして必要な光学特性と、を維持した位相シフトマスクを形成することができる。
さらに、高炭素領域が上記の厚さを有することで、パターン形成工程等におけるエッチング、あるいは洗浄によっても高炭素領域が消滅することなく残存して、位相シフトパターンにおける表面濡れ特性と光学特性とを維持して、形状正確性を担保することができる。
(9)本発明の位相シフトマスクは、上記(7)または(8)において、
前記位相シフトパターンにおける前記高炭素領域表面の、水の接触角が50度以上である、
ことができる。
上記の構成によれば、位相シフトパターンの表面における濡れ性を向上し、位相シフトパターンの表面におけるレジストパターンとの密着性を向上して、位相シフトパターンを形成するウェットエッチング時に、位相シフトパターンとレジストパターンとの界面にエッチャントが侵入することを防止し、界面における不必要なエッチングが進行しない。これにより、高精細な位相シフトパターンにおける高い形状正確性と、位相シフトパターンとして必要な光学特性と、を維持した位相シフトマスクを形成することができる。
特に、密着性を向上するためには疎水性を要求するレジスト、例えば、フラットディスプレイ用のメタルエッチング用として一般的に用いられている、ナガセケムテックス社のGRX-Mシリーズのレジスト材料等に対して、位相シフトパターンとレジストパターンとの密着性を向上し、高精細な位相シフトパターンにおける高い形状正確性を維持することが可能となる。
(10)本発明の位相シフトマスクは、上記(7)から(9)のいずれかにおいて、
前記透明基板に積層された前記マスクパターンの最表面に前記位相シフトパターンが位置する、
ことができる。
上記の構成によれば、マスクパターンの最表面に位置する位相シフトパターンの表面における濡れ性を向上し、位相シフトパターンの光学特性を維持したままで、位相シフトパターンの表面におけるレジストパターンとの密着性を向上することができる。すなわち、マスクパターンの表面におけるレジストパターンとの密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターン、つまり、フォトマスクとしてのマスクパターンを形成するウェットエッチング時に、マスクパターンとレジストパターンとの界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、マスクパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
(11)本発明の他の態様にかかる位相シフトマスクの製造方法は、上記(7)から(10)のいずれか記載の位相シフトマスクの製造方法であって、
前記マスク層にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記位相シフト層にパターンを形成する位相シフトパターン形成工程と、
を有し、
前記位相シフトパターン形成工程において、前記高炭素領域が残存する、
ことができる。
上記の構成によれば、マスク層の最表面に位置する位相シフト層の表面における濡れ性を向上し、位相シフトパターンの光学特性を維持したままで、位相シフト層の表面におけるレジストパターンとの密着性を向上することができる。すなわち、マスク層の表面におけるレジストパターンとの密着性を向上することができる。これにより、位相シフトパターン、つまり、フォトマスクとしてのマスクパターンを形成するウェットエッチング時に、マスクパターンとレジストパターンとの界面にエッチャントが侵入してしまい、エッチングが進行することで、マスクパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
本発明によれば、位相シフト層とレジスト層との密着性を向上して、位相シフトパターンにおける形状正確性と光学特性とを両立して維持することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る位相シフトマスクブランクスの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る位相シフトマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る位相シフトマスクの製造方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係る位相シフトマスクの製造方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係る位相シフトマスクの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の第1実施形態における製造工程を示すフローチャートである。 本発明に係る位相シフトマスクブランクスの製造方法の第1実施形態における成膜装置を示す模式図である。 本発明に係る位相シフトマスクブランクスの製造方法の第1実施形態における成膜装置を示す模式図である。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の第1実施形態における位相シフト層における深さ方向における炭素濃度を示すグラフである。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の第1実施形態における位相シフト層における深さ方向における酸素濃度を示すグラフである。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の第1実施形態における位相シフト層における深さ方向におけるクロム濃度を示すグラフである。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の第1実施形態における位相シフト層における深さ方向における窒素濃度を示すグラフである。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の実施例における位相シフト層における接触角を示す画像である。 位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法における位相シフト層における接触角を示す画像である。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の実施例における位相シフトパターンにおける浸み込み幅を示す画像である。 位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法における位相シフトパターンにおける浸み込み幅を示す画像である。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の実施例における位相シフト層における表面炭素濃度と接触角との関係を示すグラフである。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の実施例における位相シフト層における表面炭素濃度と浸み込み幅との関係を示すグラフである。 本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法の実施例における位相シフト層における表面炭素濃度と接触角と浸み込み幅との関係を示すものである。
以下、本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスク、製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における位相シフトマスクブランクスを示す断面図であり、図2は、本実施形態における位相シフトマスクブランクスを示す断面図であり、図において、符号10Bは、位相シフトマスクブランクスである。
本実施形態に係る位相シフトマスクブランクス10Bは、露光光の波長が300nm程度~312nm程度~365nm程度~436nm程度の範囲で使用される位相シフトマスク(フォトマスク)に供されるものとされる。
本実施形態に係る位相シフトマスクブランクス10Bは、図1に示すように、ガラス基板(透明基板)11と、このガラス基板11上に形成された位相シフト層12と、で構成される。
さらに、本実施形態に係る位相シフトマスクブランクス10Bは、図1に示すように、単層の位相シフト層12からなるマスク層に対して、図2に示すように、あらかじめフォトレジスト層15が成膜された構成とすることもできる。
なお、本実施形態に係る位相シフトマスクブランクス10Bは、位相シフト層12以外に、反射防止層、耐薬層、保護層、密着層、エッチングストップ層、遮光層等を積層した構成とされてもよい。さらに、これらの積層膜の上に、図2に示すように、フォトレジスト層15が形成されていてもよい。
ガラス基板(透明基板)11としては、透明性及び光学的等方性に優れた材料が用いられ、例えば、石英ガラス基板を用いることができる。ガラス基板11の大きさは特に制限されず、当該マスクを用いて露光する基板(例えばLCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、OEL(有機エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどのFPD用基板等)に応じて適宜選定される。
本実施形態では、ガラス基板(透明基板)11として、一辺100mm程度から、一辺3000mm以上の矩形基板を適用可能であり、さらに、厚み1mm以下の基板、厚み数mmの基板や、厚み10mm以上の基板も用いることができる。
また、ガラス基板11の表面を研磨することで、ガラス基板11のフラットネスを低減するようにしてもよい。ガラス基板11のフラットネスは、例えば、20μm以下とすることができる。これにより、マスクの焦点深度が深くなり、微細かつ高精度なパターン形成に大きく貢献することが可能となる。さらにフラットネスは10μm以下と、小さい方が良好である。
位相シフト層12としては、Cr(クロム)を主成分とするものであり、さらに、C(炭素)、O(酸素)およびN(窒素)を含むものとされる。
位相シフト層12には、厚み方向でガラス基板11から離間する側の表面に後述する高炭素領域12cを有する。
位相シフト層12は、厚み方向に異なる組成を有することもでき、この場合、位相シフト層12として、Cr単体、並びにCrの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物および酸化炭化窒化物から選択される1つ、または、2種以上を積層して構成することもできる。
位相シフト層12は、後述するように、所定の光学特性および抵抗率が得られるようにその厚み、および、Cr,N,C,O等の組成比(atm%)が設定される。
位相シフト層12の膜厚は、位相シフト層12に要求される光学特性によって設定され、Cr,N,C,O等の組成比によって変化する。位相シフト層12の膜厚は、50nm~150nmとすることができる。
例えば、位相シフト層12における組成比は、炭素含有率(炭素濃度)が0.5atm%~10.3atm%の範囲から選択され、酸素含有率(酸素濃度)が70.0atm%~76.0atm%の範囲から選択され、窒素含有率(窒素濃度)が1.8atm%~42.3atm%の範囲から選択され、クロム含有率(クロム濃度)が10.3atm%~42.4atm%の範囲から選択され、さらに、これらCr,N,C,O等の組成比が総和で100atm%となるように、それぞれの範囲から組成比を選択できるように設定されることができる。したがって、位相シフト層12においては、上記のそれぞれの範囲のうち、所定の光学特性を呈するためにCr,N,C,O等の組成比が総和で100atm%となるように適宜選択される。
具体的には、位相シフト層12における組成比の一例として、炭素濃度が2atm%程度、酸素濃度が73atm%程度、クロム濃度22.5atm%程度、窒素濃度2atm%程度、などとすることが可能である。この場合、100atm%になっていない場合には、残部が他の組成を有するというわけではなく、単に、測定誤差およびその加算における誤差があることを示している。
これにより、位相シフト層12は、一例として、波長365nm~436nm程度の範囲において、屈折率が2.4~3.1程度、消衰係数0.3~2.1を有した場合、膜厚90nm程度に設定されることができる。
なお、位相シフト層12における組成比・膜厚は、製造する位相シフトマスク10に要求される光学特性によって設定されるものであり、上記の値に限定されるものではない。
位相シフト層12の表面には、炭素濃度が3.5atm%程度以上と高くなる高炭素領域12cが形成されている。高炭素領域12cは、厚さ方向でガラス基板11から最も離れた位相シフト層12の表面の全域に形成される。
また、高炭素領域12cにおける炭素以外の組成比は、位相シフト層12と同じ程度のCr,N,O等の組成比を有する。
つまり、高炭素領域12cも、Crの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物および酸化炭化窒化物から選択される1つ、または、2種以上を積層して構成することもできる。さらに、高炭素領域12cが厚み方向に異なる組成を有することもできる。
高炭素領域12cは、後述するように、所定の密着性(疎水性)、所定の光学特性が得られるようにその厚み、および、Cr,N,C,Oの組成比(atm%)が設定される。高炭素領域12cにおいては、クロム化合物中の炭素濃度を高くすることで親水性を低減して、疎水性を向上し、水の接触角を50度以上とすることができる。これにより、高炭素領域12cとフォトレジスト層15との密着性をあげることが可能となる。
高炭素領域12cは、厚さ方向でガラス基板11に近接している位相シフト層12における炭素濃度に比べて、最表面での炭素濃度が1.5倍から2倍程度に設定される。
具体的には、位相シフト層12における炭素濃度の平均が2%程度、1~3atm%であるのに対し、高炭素領域12cにおける最も高い炭素濃度が6atm%程度、少なくとも5.5atm%以上、5atm%以上とすることができる。
高炭素領域12cの膜厚は、高炭素領域12cに要求される条件、つまり、後述するフォトレジスト層15との密着性(疎水性)および位相シフト層12に要求される光学特性等といった膜特性によって設定される。これらの遮光層14における膜特性は、Cr,N,C,O等の組成比によって変化する。高炭素領域12cの膜厚は、特に、位相シフトマスク10として必要な光学特性によって設定することができる。
高炭素領域12cは、膜厚10nm以下に設定されることができる。具体的には、高炭素領域12cは、膜厚0.5~10nm程度、好ましくは、2~5nm程度、3~6nm程度、1~4nm程度、1~6nm程度、2~4nm程度、3~5nm程度、に設定されることができる。
ここで、高炭素領域12cは、後述するように、表面における濡れ性、水の接触角、レジスト層15との密着性が所定の状態を維持していればよいため、その表面特性を呈することが可能である場合、膜厚等を限定する必要はない。ただし、高炭素領域12cが15nm程度以上のように、厚くなりすぎると、位相シフト層12の光学特性に影響を与えて、マスク層としての光学特性に影響を与える可能性があるため好ましくない。
高炭素領域12cは、その最表面において、最も炭素濃度が高く、厚さ方向でガラス基板11に近接するにしたがって、炭素濃度が次第に低下し、位相シフト層12における炭素濃度と同等の炭素濃度となるように、傾斜した炭素濃度を有する。
ここで、高炭素領域12cにおける炭素濃度とは、表面特性に関与する最表面での炭素濃度を意味している。つまり、後述するように、位相シフトマスクブランクス製造工程やフォトマスク製造工程における処理、例えば、エッチング、洗浄、等の処理によって、高炭素領域12cの最表面が、少々の厚さ寸法で、極浅く除去された場合でも、残存する部分における表面での炭素濃度が、上述した所定の範囲になるように設定されていればよい。
したがって、高炭素領域12cは、あらかじめ、上記のような処理で表面が除去されることが想定されている場合には、所定の炭素濃度を維持するように、その炭素濃度、濃度傾斜および厚さを設定することができる。
高炭素領域12cの膜厚・組成を上記のように設定することにより、フォトリソグラフィ法におけるパターニング形成時に、たとえば、クロム系膜のエッチングに用いられるフォトレジスト層15との密着性を向上して、フォトレジスト層15との界面でエッチング液の浸込みが発生しないため、良好なパターン形状が得られて、所望のパターンを形成することができる。
なお、高炭素領域12cが上記の条件のように設定されていない場合、フォトレジスト層15との密着性が所定の状態とならずにフォトレジスト層15が剥離して、界面にエッチング液が侵入してしまい、パターン形成をおこなうことができなくなるため好ましくない。また、高炭素領域12cの膜厚が上記の条件のように設定されていない場合には、マスク層において、フォトマスクとしての光学特性を所望の条件に設定することが難しくなる、あるいは、マスクパターンの断面形状が所望の状態にならない可能性があるため、好ましくない。
ここで、高炭素領域12cおよび位相シフト層12においては、クロム化合物中の酸素濃度と窒素濃度を高くすることで親水性を低減して、疎水性を向上し、密着性をあげることも可能である。同時に、クロム化合物中の酸素濃度と窒素濃度を高くすることで屈折率と消衰係数の値を低くする、あるいは、クロム化合物中の酸素濃度と窒素濃度を低くすることで屈折率と消衰係数の値を高くすることも可能である。
本実施形態における位相シフトマスクブランクスの製造方法は、ガラス基板(透明基板)11に位相シフト層12を成膜する工程と、高炭素領域12cを形成する工程とを有し、位相シフト層12成膜と同時あるいは成膜後に高炭素領域12cを形成するものとされる。
なお、高炭素領域12cおよび位相シフト層12以外に他の層を有する場合には、該当する層を成膜する工程を有することができる。
以下、本実施形態における位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造方法について、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造工程を示す断面図である。図4は、本実施形態における位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造工程を示す断面図である。図5は、本実施形態における位相シフトマスクを示す断面図である。図6は、本実施形態における位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの製造工程を示すフローチャートである。
本実施形態における位相シフトマスク(フォトマスク)10は、図5に示すように、位相シフトマスクブランクス10Bとして積層されたマスク層である位相シフト層12と高炭素領域12cとに、パターンを形成したものとされる。
まず、本実施形態における位相シフトマスクブランクス10Bの製造方法について、図面に基づいて説明する。本実施形態における位相シフトマスクブランクス10Bは、図7または図8に示す製造装置により製造される。
図7は、本実施形態における位相シフトマスクブランクスの製造装置を示す模式図である。
図7に示す製造装置S10は、インターバック式のスパッタリング可能な装置とされる。製造装置S10は、ロード・アンロード室S11と、成膜室(真空処理室、成膜部)S12と、を有するものとされる。
ロード・アンロード室S11には、搬送機構S11aと、排気機構S11fと、が設けられる。
搬送機構S11aは、外部から搬入されたガラス基板11を成膜室S12へと搬送する。搬送機構S11aは、成膜室S12から成膜の完了したガラス基板11を外部へと搬送する。排気機構S11bは、ロード・アンロード室S11の内部を粗真空引きするロータリーポンプ等とされる。
ロード・アンロード室S11は、密閉機構S17を介して成膜室S12に接続される。
成膜室S12には、基板保持機構S12aと、ターゲットS12bを有するカソード電極(バッキングプレート)S12cと、電源S12dと、ガス導入機構S12eと、高真空排気機構S12fと、が成膜機構として設けられている。
基板保持機構S12aは、搬送機構S11aによって搬送されてきたガラス基板11を受け取り、成膜中にターゲットS12bと対向するようにガラス基板11を保持する。
基板保持機構S12aは、また、ガラス基板Sをロード・アンロード室S11から搬入可能とされている。基板保持機構S12aは、また、ガラス基板11をロード・アンロード室S11へ搬出可能とされている。
ターゲットS12bは、後述する位相シフト層12、高炭素領域12cをガラス基板11に成膜するために必要な組成を有する材料からなる。
電源S12dは、ターゲットS12bを有するカソード電極(バッキングプレート)S12cに負電位のスパッタ電圧を印加する。
ガス導入機構S12eは、成膜室S12の内部にガスを供給する。
高真空排気機構S12fは、成膜室S12の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等である。
これらカソード電極(バッキングプレート)S12c、電源S12d、ガス導入機構S12e、高真空排気機構S12fは、位相シフト層12、高炭素領域12cを成膜する材料をそれぞれ供給するための構成である。
具体的には、成膜室S12の成膜機構においては、ターゲットS12bが、ガラス基板11に位相シフト層12を成膜するために必要な組成として、クロムを有する材料からなるものとされる。
同時に、成膜室S12の成膜機構においては、ガス導入機構S12eから供給されるガスとして、位相シフト層12の成膜に対応して、プロセスガスが炭素、窒素、酸素などを含有し、アルゴン、窒素ガス等のスパッタガスとともに、所定のガス分圧として条件設定される。
また、成膜条件にあわせて高真空排気機構S12fからの排気がおこなわれる。
また、成膜機構S13においては、電源S12dからバッキングプレートS12cに印加されるスパッタ電圧が、位相シフト層12の成膜に対応して設定される。
図7に示す製造装置S10においては、ロード・アンロード室S11から搬入したガラス基板11に対して、まず、成膜室(真空処理室)S12においてスパッタリング成膜によりマスク層としての位相シフト層12を成膜する。次いで、成膜室(真空処理室)S12においてスパッタリング成膜により高炭素領域12c形成する。この際、成膜室(真空処理室)S12に供給する成膜ガスを切り替える。
そして、ロード・アンロード室S11から位相シフト層12、高炭素領域12cを成膜したガラス基板11を外部に搬出する。
成膜時には、ガス導入機構S12eから成膜室S12にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S12cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS12b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S12cのターゲットS12bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板Sに付着することにより、ガラス基板Sの表面に所定の膜が形成される。
図8は、本実施形態における位相シフトマスクブランクスを製造する製造装置を示す模式図である。
図8に示す製造装置S20は、インライン式のスパッタリング処理可能な装置とされる。製造装置S20は、ロード室S21と、成膜室(真空処理室、成膜部)S22と、アンロード室S23と、を有するものとされる。
ロード室S21には、搬送機構S21aと、排気機構S21bと、が設けられる。
搬送機構S21aは、外部から搬入されたガラス基板11を成膜室S22へと搬送する。 排気機構S21bは、ロード室S21の内部を粗真空引きするロータリーポンプ等とされる。
ロード室S21は、密閉機構S27を介して成膜室(真空処理室)S22に接続される。
成膜室S22には、基板保持機構S22aと、ターゲットS22bを有するカソード電極(バッキングプレート)S22cと、電源S22dと、ガス導入機構S22eと、高真空排気機構S22fと、が設けられている。
基板保持機構S22aは、搬送機構S21aによって搬送されてきたガラス基板11を受け取り、成膜中にターゲットS22bと対向するようにガラス基板Sを保持する。
基板保持機構S22aは、また、ガラス基板11をロード室S21から搬入可能とされている。基板保持機構S22aは、また、ガラス基板11をアンロード室S23へ搬出可能とされている。
ターゲットS22bは、位相シフト層12、高炭素領域12cをガラス基板11に成膜するために必要な組成を有する材料からなる。
カソード電極(バッキングプレート)S22c、電源S22d、ガス導入機構S22e、高真空排気機構S22fは、位相シフト層12、高炭素領域12c他を成膜する材料を供給するための構成である。
電源S22dは、ターゲットS22bを有するカソード電極(バッキングプレート)S22cに負電位のスパッタ電圧を印加する。
ガス導入機構S22eは、成膜室S22の内部にガスを導入する。
高真空排気機構S22fは、成膜室S22の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等である。
成膜室S22は、密閉機構S28を介してアンロード室S23に接続される。
アンロード室S23には、搬送機構S23aと、排気機構S23bと、が設けられる。
搬送機構S23aは、成膜室S22から搬入されたガラス基板11を外部へと搬送する。排気機構S23bは、アンロード室S23の内部を粗真空引きするロータリーポンプ等とされる。
図8に示す製造装置S20においては、ロード室S21から搬入したガラス基板11に対して、成膜室(真空処理室)S22においてスパッタリング成膜により位相シフト層12、高炭素領域12cを成膜する。この際、成膜室(真空処理室)S22に供給する成膜ガスを切り替える。その後、アンロード室S23から成膜の終了したガラス基板11を外部に搬出する。
本実施形態における位相シフトマスクブランクス10Bの製造方法は、図6に示すように、基板準備工程S00と、位相シフト層成膜工程S01と、高炭素領域形成工程S02と、フォトレジスト層形成工程S03と、レジストパターン形成工程S04と、位相シフトパターン形成工程S05と、洗浄工程S06と、を有する。
ここで、本実施形態における位相シフトマスクブランクス10Bの製造方法の説明においては、図8に示す製造装置S20を用いた処理を説明する。図7に示す製造装置S10によって位相シフトマスクブランクスMBの製造する場合には、S20番代の符号をS10番代に読みかえ、アンロード室S25をロード・アンロード室S11等に読みかえるものとする。
図6に示す基板準備工程S00においては、上述した表面処理などをおこなったガラス基板Sを準備する。その後、図8に示すロード室S21にガラス基板11を搬入する。
ロード室S21では、搬送機構S21aによってガラス基板11を支持し、ロード室S21を密閉した後、排気機構S21bによりロード室S21の内部を粗真空引きする。
この状態で、密閉機構S27を解放して、搬送機構S21aによってガラス基板11を搬送し、基板保持機構S22aによって搬送されてきたガラス基板11を受け取り、成膜室(真空処理室)S22にガラス基板11を搬入する。
成膜室S22では、ガラス基板11が搬入された後に密閉機構S27を密閉する。
成膜室(真空処理室)S22において、基板保持機構S22aによってガラス基板11を保持する。
図6に示す位相シフト層成膜工程S01においては、図8に示す成膜室(真空処理室)S22において、高真空排気機構S22fにより成膜室S22の内部を高真空引きしておく。そして、ガス導入機構S22eから成膜室S22にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S22cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS22b上に所定の磁場を形成してもよい。
成膜室S22内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S22cのターゲットS22bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板Sに付着することにより、ガラス基板11の表面に位相シフト層12を成膜する。
ここで、あらかじめ位相シフト層12の成膜に必要な組成を有するターゲットS22bに交換しておく。ターゲットS22bとしては、クロムからなるものが提示される。また、位相シフト層12の成膜に必要な成膜ガスとして、ガス導入機構S22eから所定流量の酸素含有ガス、炭素含有ガス、窒素含有ガスなどを供給するとともに、それぞれの各分圧を制御するように切り替えて、その組成を設定した範囲内にする。
このとき、成膜する位相シフト層12は、後述の図9~図12に示すように、厚さ方向において、所定の酸素の組成比、炭素の組成比、窒素の組成比、クロムの組成比をそれぞれ有することができる。
膜厚方向に組成を変化させて位相シフト層12を形成する場合には、成膜された膜厚に応じて雰囲気ガスにおける個々のガス分圧を変動させることもできる。特に、高炭素領域12cを形成する際に、炭素含有ガスを供給してその分圧を制御するように切り替えて、その組成を設定した範囲内にする。
ここで、酸素含有ガスとしては、CO(二酸化炭素)、O(酸素)、NO(一酸化二窒素)、NO(一酸化窒素)、CO(一酸化炭素)等を挙げることができる。
また、炭素含有ガスとしては、CO(二酸化炭素)、CH4(メタン)、C(エタン)、CO(一酸化炭素)等を挙げることができる。
さらに、窒素含有ガスとしては、N(窒素ガス)、NO(一酸化二窒素)、NO(一酸化窒素)、NO(一酸化二窒素)、NH(アンモニア)等を挙げることができる。
なお、位相シフト層12、高炭素領域12cの成膜で、必要であればターゲットS22bを交換することもできる。例えば、炭素含有量の多いターゲット材などが考えられる。
図6に示す高炭素領域形成工程S02においては、図8に示す成膜室S22において、高真空排気機構S22fにより成膜室S22の内部を高真空引きしておく。そして、ガス導入機構S22eから成膜室S22にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S22cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS22b上に所定の磁場を形成してもよい。
成膜室S22内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S22cのターゲットS22bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板Sに付着することにより、ガラス基板Sの表面に高炭素領域12cを成膜する(図1)。
ここで、あらかじめ高炭素領域12cの成膜に必要な組成を有するターゲットS22bに交換しておくことができる。あるいは、高炭素領域12cの成膜に必要な成膜ガスとして、ガス導入機構S22eから所定流量の酸素含有ガス、炭素含有ガス、窒素含有ガスなどを供給するとともに、それらの分圧を制御するように切り替えて、その組成を設定した範囲内にする。
具体的には、炭素含有ガスとしてCO(二酸化炭素)を選択し、この炭素含有ガスの分圧を、位相シフト層成膜工程S01に比べて、増加することができる。または、炭素含有ガスのガス流量を、位相シフト層成膜工程S01に比べて、増加することができる。
このとき、成膜する高炭素領域12cは、後述の図9~図12に示すように、厚さ方向において、所定の酸素の組成比、炭素の組成比、窒素の組成比、クロムの組成比をそれぞれ有することができる。
さらに、位相シフト層12、高炭素領域12cの成膜に加え、他の膜を積層する場合には、対応するターゲット、ガス等のスパッタ条件としてスパッタリングにより成膜するか、他の成膜方法によって該当膜を積層して、本実施形態の位相シフトマスクブランクス10Bとする。
図6に示すフォトレジスト層形成工程S03として、高炭素領域形成工程S02における最上層である高炭素領域12cの上にフォトレジスト層15が形成される(図2)。フォトレジスト層15は、ポジ型でもよいしネガ型でもよいが、ポジ型とすることができる。フォトレジスト層15としては、液状レジスト、密着フィルム等が用いられる。
フォトレジスト層(レジスト層)15は、フラットディスプレイ用のメタルエッチング用として一般的に用いられている、ナガセケムテックス社のGRX-Mシリーズのレジスト材料等とすることができる。
図6に示すレジストパターン形成工程S04においては、フォトレジスト層15を露光するとともに、現像することで、高炭素領域12cの上に所定のパターン形状(開口パターン)を有するフォトレジストパターン15P1が形成される(図3)。
フォトレジストパターン15P1は、高炭素領域12c,位相シフト層12のエッチングマスクとして機能し、これらの高炭素領域12c,位相シフト層12のエッチングパターンに応じて適宜形状が定められる。
次いで、図6に示す位相シフトパターン形成工程S05として、フォトレジストパターン15P1越しに所定のエッチング液を用いて高炭素領域12c,位相シフト層12を順にウェットエッチングする。
このとき、クロムを含有する高炭素領域12c,位相シフト層12のエッチングでは、クロムエッチャント、たとえば、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いることができる。
これにより、高炭素領域パターン12cP1、位相シフトパターン12p1を形成する(図4)。
次いで、図6に示す洗浄工程S06において、所定の洗浄液を用いて、フォトレジストパターン15P1を除去する。
洗浄液として、硫酸過水、あるいは、オゾン水を用いることができる。
これにより、図5に示すように、光学的に設定された所定の高炭素領域パターン12cP1と位相シフトパターン12P1が所望の光学特性を有する位相シフト領域と透過領域とが形成された位相シフトマスク(フォトマスク)10を得ることができる。
本実施形態の位相シフトマスク10によれば、光学層であるマスク層として単層の位相シフト層12を積層した位相シフトマスクブランクス10Bにおいて、位相シフト層12の表面に極めて薄い高炭素領域12cを形成したことで、位相シフト層12の表面における濡れ性が改善して、フォトレジスト層15との密着性が向上し、位相シフトパターン形成工程S05における位相シフト層12とフォトレジスト層15との界面におけるエッチング液の浸み込み発生を防止して、位相シフト層12とフォトレジスト層15との界面におけるエッチングの進行を発生させないことができる。これにより、位相シフトパターン12P1におけるパターン縁部の側壁、つまり、ガラス基板11の表面と直交する側面が、当初の形成予定である垂直であるパターン形状から、フォトレジストパターン15P1の下側に抉れてしまうことを防止して、位相シフトパターンのパターン形状正確性が低下してしまうことを防止可能とすることができる。
以下、本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの第2実施形態について説明する。
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、高炭素領域の形成手法に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成についてその説明を省略する。
本実施形態に係る高炭素領域12cは、位相シフト層12を成膜した後に、表面から炭素含有ガス雰囲気としてプラズマ処理をおこなうことで形成される。ここで、炭素を含有させるには、炭素含有ガス雰囲気で、プラズマを形成し、そのプラズマに位相シフト層12表面を所定条件で所定時間だけ暴露することでおこなうことができる。
ここで、炭素含有ガスとしては、第1実施形態と同様に、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素等のガスを用いることができる。
本実施形態においては、安定的に位相シフトマスクの表面層のみを所望の状態に変質させることが可能になるという効果を奏することができる。
以下、本発明に係る位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスクの第3実施形態について説明する。
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、高炭素領域の形成手法に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成についてその説明を省略する。
本実施形態に係る高炭素領域12cは、位相シフト層12を成膜した後に、表面に炭素含有材料を塗布し、その状態でプラズマ処理をおこなうことで形成される。ここで、炭素を含有させるには、炭素含有材料としてヘキサメチルジシロキサン等の有機化合物を位相シフト層12表面に塗布し、プラズマ処理空間内に載置することで、そのプラズマに対して位相シフト層12表面を所定条件で所定時間だけ暴露することでおこなうことができる。
本実施形態においては、真空装置を使わずに簡便に、位相シフトマスクの最表面層を所望の状態に変質させることが可能になるという効果を奏することができる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
ここでは、本発明における位相シフト層12および高炭素領域12cの具体例として、これらの確認試験について説明する。
<実験例1>
実験例1として、ガラス基板上に、位相シフト層として、スパッタリング法等を用いてクロム化合物の膜を形成する。ここで形成するクロム化合物膜は、クロム、酸素、窒素、炭素等を含有する膜である。位相シフト層としては、最表面に高炭素領域を形成した。高炭素領域の形成は、組成濃度が異なり炭素濃度の増加した極めて薄い膜を最表層に形成した。
以下、位相シフト層成膜における諸元を示す。
・炭素含有ガス;CO(二酸化炭素)
・ターゲット;クロム
以下、高炭素領域における諸元を示す。
・炭素含有ガス;CH(メタン)とアルゴンとの混合ガス
・ターゲット;クロム
・成膜中のガス供給変化としては、狙いガス流量比はほぼ一定。炭素含有ガスのみ、高炭素領域の膜厚に対応して、追加、流量比増加させる。
<組成評価>
この膜に対してオージェ電子分光法を用いて組成評価を行った。
その結果を図9~図12に示す。図9~図12において、横軸は、深さ方向距離、(時間)、縦軸は、各測定対象の組成比%である。
図9~図12に示すように、実験例1では、Cr,O,Nがいずれも膜厚方向(横軸)には、組成比がほぼ一定とされているのに対し、図9に示すCは、図の左側となる最表面に炭素濃度の高い高炭素領域が形成されていることが確認できた。図9においては、矢印で高炭素領域の右端位置を示す。
<実験例2>
実験例2として、実験例1と同様に、位相シフト層として、スパッタリング法等を用いてクロム化合物の膜を形成する。実験例2においては、高炭素領域を形成しなかった。
この膜に対してオージェ電子分光法を用いて組成評価を行った。
その結果を図9~図12に示す。
図9~図12に示すように、実験例2でも、Cr,O,N,Cの組成比は、ほぼ、実験例1の位相シフト層と同じ程度とみなすことができる。
<接触角測定>
次に、上記の実験例1および2の表面における濡れ性を見るために、表面での水の接触角を測定する。ここで、成膜した膜の表面に純水を滴下し、目視でその接触角を測定した。具体的には、撮影した画像から接触角を測定した。
その結果を図13,図14に示す。
図13,図14に示すように、表面炭素濃度の高い実験例1では、水の接触角が58degとなり、表面炭素濃度の低い実験例2では、水の接触角が26degとなったことがわかる。
<浸み込み幅測定>
次に、実験例4として、上記の実験例1および2の表面におけるフォトレジスト層との密着性の確認として、レジストパターンを形成した後、エッチングをおこなって、エッチング液の浸入による浸み込み幅を測定した。
以下にパターニングの諸元を示す。
レジスト;レジスト種類GRX-M237
膜厚735nm
プリベーク87℃48min
露光:コンタクト露光機(タマラック)
現像:DIP式
現像液AZ DEVELOPER(50%純水希釈)
現像時間;規定より0sec超過
エッチング:パドル式
エッチング液;MPM-E
エッチング時間;規定より0sec超過
パターニングした位相シフトパターンとレジストパターンとの断面を観察した。そのSEM画像を図15,図16に示す。各図では、位相シフト層をCr-PSMとして示している。
図15,図16に示すように、実験例2では、浸み込みが発生し、150nm程界面が抉れてしまったのに対し、実験例1では、浸み込みが発生しておらず、界面では位相シフト層とレジスト層とが密着していることがわかる。
<実験例3>
実験例3として、実験例1,2と同様に、位相シフト層として、スパッタリング法等を用いてクロム化合物の膜を形成した。この実験例3においては、炭素濃度を3.1%とし、高炭素領域を形成しなかった。
同様に、水の接触角および、浸み込み幅を測定した。
その結果を図17~図19に示す。
<実験例4>
実験例4として、実験例1~3と同様に、位相シフト層として、スパッタリング法等を用いてクロム化合物の膜を形成した。この実験例3においては、炭素濃度を3.9%とし、高炭素領域を形成した。
同様に、水の接触角および、浸み込み幅を測定した。
その結果を図17~図19に示す。
<実験例5>
実験例5として、実験例1~4と同様に、位相シフト層として、スパッタリング法等を用いてクロム化合物の膜を形成した。この実験例3においては、炭素濃度を5.2%とし、高炭素領域を形成した。
同様に、水の接触角および、浸み込み幅を測定した。
その結果を図17~図19に示す。
これらの結果から、表面炭素濃度によって、表面濡れ性、水の接触角、レジスト層との密着性、浸み込み幅が変化することがわかる。また、高炭素領域を設けること、または、高炭素領域が残った状態で、レジスト形成、エッチングをおこなうことで、パターン形成における形状正確性が担保できることがわかる。
本発明の活用例として、フラットディスプレイ用マスクの微細化を挙げることができる。
10…位相シフトマスク
10B…位相シフトマスクブランクス
11…ガラス基板(透明基板)
12…位相シフト層
12c…高炭素領域
12P1…位相シフトパターン
15…フォトレジスト層
15P1…レジストパターン

Claims (11)

  1. 位相シフトマスクとなるマスク層を有する位相シフトマスクブランクスであって、
    透明基板に積層されてクロムと酸素と炭素とを含有する位相シフト層を有し、
    前記位相シフト層は、膜厚方向の全域で酸素濃度が70%以上とされ、
    前記位相シフト層は、膜厚方向で前記透明基板から離間する表面に、炭素濃度が3.5atm%以上となる高炭素領域を有する、
    ことを特徴とする位相シフトマスクブランクス。
  2. 前記位相シフト層における前記高炭素領域が、膜厚方向で10nm以下である、
    ことを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスクブランクス。
  3. 前記位相シフト層における前記高炭素領域表面の、水の接触角が50度以上である、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の位相シフトマスクブランクス。
  4. 前記透明基板に積層された前記マスク層の最表面に前記位相シフト層が位置する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の位相シフトマスクブランクス。
  5. 請求項1から4のいずれか記載の位相シフトマスクブランクスの製造方法であって、
    前記透明基板にクロムと酸素とを含有する前記位相シフト層を積層する位相シフト層成膜工程を有し、
    前記位相シフト層成膜工程において、積層される前記位相シフト層の表面に炭素を含有させて前記高炭素領域を形成する、
    ことを特徴とする位相シフトマスクブランクスの製造方法。
  6. 前記位相シフト層成膜工程において、
    スパッタリングにおける供給ガスとして、炭素含有ガスの分圧を設定することにより前記位相シフト層の表面に炭素を含有させて前記高炭素領域を形成する、
    ことを特徴とする請求項5記載の位相シフトマスクブランクスの製造方法。
  7. 請求項1から4のいずれか記載の位相シフトマスクブランクスから製造されるか、または、請求項5または6記載の位相シフトマスクブランクスの製造方法により製造される位相シフトマスクであって、
    マスクパターンにおいて、前記位相シフト層から形成された位相シフトパターンは、膜厚方向の全域で酸素濃度が70%以上とされ、かつ、膜厚方向で前記透明基板から離間する表面に、炭素濃度が3.5atm%以上となる高炭素領域を有する、
    ことを特徴とする位相シフトマスク。
  8. 前記位相シフトパターンにおける前記高炭素領域が、膜厚方向で10nm以下である、
    ことを特徴とする請求項7記載の位相シフトマスク。
  9. 前記位相シフトパターンにおける前記高炭素領域表面の、水の接触角が50度以上である、
    ことを特徴とする請求項7または8記載の位相シフトマスク。
  10. 前記透明基板に積層された前記マスクパターンの最表面に前記位相シフトパターンが位置する、
    ことを特徴とする請求項7から9のいずれか記載の位相シフトマスク。
  11. 請求項7から10のいずれか記載の位相シフトマスクの製造方法であって、
    前記マスク層にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記位相シフト層にパターンを形成する位相シフトパターン形成工程と、
    を有し、
    前記位相シフトパターン形成工程において、前記高炭素領域が残存する、
    ことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
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