JP7731484B1 - スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置

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Abstract

【課題】 圧縮機の高い機能性、信頼性を確保できるスクロール圧縮機および冷凍サイクル装置を提供すること。
【解決手段】 スクロール圧縮機は、潤滑油が貯留される容器と、電動機と、電動機により回転され、潤滑油が流通する貫通孔と偏心部とを備える回転軸と、回転軸を挿通させる挿通孔を有する枠部材と、第1の面と、第1の面に形成した凹部内に渦巻き状の固定ラップとを備え、枠部材により支持される固定スクロールと、第2の面と、第2の面から突出する渦巻き状の旋回ラップとを備え、回転軸の偏心部と嵌合し、固定ラップと旋回ラップとの間に冷媒を圧縮するための圧縮室を形成する旋回スクロールとを含む。固定スクロールは、第1の面に、円弧状に延びる周方向溝を有し、旋回スクロールは、貫通孔からの潤滑油を第1の面へ供給する給油経路と、第2の面に、旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する給油孔とを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、スクロール圧縮機および該スクロール圧縮機を含む冷凍サイクル装置に関する。
スクロール圧縮機は、固定スクロール、旋回スクロール、回転軸、軸受等の部品を備え、回転軸と軸受との間や、固定スクロールと旋回スクロールとの間等の摺動部に潤滑油を供給する。
しかしながら、スクロール圧縮機は、部品の加工精度や運転条件によって給油量にばらつきが生じやすく、給油量が過少の場合、信頼性、性能が低下し、給油量が過多の場合、油上り量の増加が懸念されるため、適切な給油が必要となる。
そこで、固定側油溝に連通する可動側油溝が固定スクロールのラップ溝に間欠的に連通するようにして、高圧の潤滑油を確実に外線側の圧縮室に供給することができるスクロール型圧縮機が知られている(特許文献1参照)。また、周方向溝が背圧室に間欠的に連通するため、圧縮室への給油量を特に増やすことなく、背圧室への給油量を増やすことができ、背圧室の各摺動部の潤滑が促進されるスクロール圧縮機が知られている(特許文献2参照)。
特開2012-077616号公報 特開2023-172727号公報
上記の従来の技術では、内線側の圧縮室へ潤滑油を確実に供給できる経路はなく、その結果、潤滑油の供給量が不安定となり、圧縮機の機能性、信頼性が低下するおそれがあるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、潤滑油が貯留される容器と、
容器内に収容される電動機と、
電動機により回転され、潤滑油が流通する貫通孔と偏心部とを備える回転軸と、
回転軸を挿通させる挿通孔を有する枠部材と、
第1の面と、該第1の面に形成した凹部内に渦巻き状の固定ラップとを備え、枠部材により支持される固定スクロールと、
第2の面と、該第2の面から突出する渦巻き状の旋回ラップとを備え、回転軸の偏心部と嵌合し、固定ラップと旋回ラップとの間に冷媒を圧縮するための圧縮室を形成する旋回スクロールと
を含み、
固定スクロールは、第1の面に、円弧状に延びる周方向溝を有し、
旋回スクロールは、貫通孔からの潤滑油を第1の面へ供給する給油経路と、第2の面に、旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する給油孔とを有する、スクロール圧縮機が提供される。
本発明によれば、圧縮機の高い機能性、信頼性を確保することが可能となる。
冷凍サイクル装置の一例として空気調和装置の構成例を示した図。 空気調和装置に用いられるスクロール圧縮機の構成例を示した図。 図2に示した圧縮機構部を拡大して示した図。 給油経路の出口の開口部の軌跡を例示した図。 固定スクロールと旋回スクロールをその接合面から見た図。 2つの排油溝、給油孔それぞれの連通状態を示した図。 2つの排油溝、給油孔、背圧室、外線室、内線室の連通状態の遷移を示した図。
冷凍サイクル装置は、熱媒体として冷媒の圧力と状態を変化させながら系内を循環させ、その循環する冷媒と熱交換することにより流体を持続的に冷却もしくは加熱する装置であり、例えば、冷凍機、チラー、空気調和装置等がある。以下、冷凍サイクル装置を、空気調和装置として説明するが、空気調和装置に限定されるものではない。
図1は、空気調和装置の構成例を示した図である。空気調和装置10は、空気調和を行う空間内(室内)に設置される室内機11と、室外に設置される室外機12と、利用者によって操作されるコントローラとを含む。空気調和装置10は、室内機11と室外機12との間で、冷媒を循環させ、冷却もしくは加熱の対象の流体である室内の空気と熱交換させることにより空気調和を行う。このため、室内機11と室外機12は、冷媒を循環させるための2本の冷媒配管により接続される。
室内機11および室外機12は、それぞれ2台以上で構成されていてもよく、室内機11は、1台の室外機12に対し、2台以上接続されていてもよい。冷媒としては、ハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロオレフィン(HFO)を使用することができる。HFCの種類としては、R410A、R32等を挙げることができる。HFOの種類としては、R1234yf等を挙げることができる。
室内機11は、コントローラとの間で通信を行い、運転指令、停止指令、設定温度の変更指令、運転モードの変更指令等の種々の信号を受信する。室内機11とコントローラとは、ケーブルで接続され、有線にて通信を行ってもよいし、赤外線等を使用し、無線にて通信を行ってもよい。室内機11は、室外機12と通信線を介して接続され、室外機12と協働して室内の空気調和を行う。
室内機11は、コントローラからの運転指令を受信して起動し、室外機12に対し、起動を指示する。室外機12は、起動後、室内の温度が設定温度になるように、圧縮機の回転数や室外膨張弁の開度等を調整し、冷媒の循環量等を制御する。
室内機11は、室内熱交換器20と、室内ファン21と、動力機器として室内ファンモータ22とを備える。室内ファン21は、室内ファンモータ22により駆動し、室内の空気を取り込み、室内熱交換器20へ送り込む。室内熱交換器20は、内部に冷媒が流通する伝熱管を有し、送り込まれた空気が伝熱管の表面に接触して熱交換を行うように構成されている。室内熱交換器20により熱交換された空気は、室内へ排出される。
室内機11は、そのほか、室内温度等を計測するための各種センサや室内膨張弁等を備えることができる。
室外機12は、圧縮機30と、アキュームレータ31と、四方弁32と、室外膨張弁33と、室外熱交換器34と、室外ファン35と、動力機器として室外ファンモータ36とを備える。圧縮機30は、圧縮機モータにより駆動し、低圧のガス冷媒を圧縮し、高圧のガス冷媒として吐出する。アキュームレータ31は、圧縮機30へ液が入らないように、気液を分離する。
四方弁32は、空気調和装置10の運転状態(運転モード)に応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。運転モードは、冷房モード、暖房モード、送風モード等である。室外膨張弁33は、高圧の冷媒を膨張させ、冷媒の圧力および流量を調整する弁である。室外ファン35は、室外ファンモータ36により駆動し、室外の空気を取り込み、室外熱交換器34へ送り込む。室外熱交換器34は、室内熱交換器20と同様、内部に冷媒が流通する伝熱管を有し、送り込まれた空気が伝熱管の表面に接触して熱交換を行うように構成されている。室外熱交換器34により熱交換された空気は、室外へ排出される。
室外機12は、さらに、制御装置37を備えている。制御装置37は、圧縮機30、四方弁32、室外膨張弁33、室内ファンモータ22、室外ファンモータ36と接続され、これらの制御を行う。具体的には、圧縮機モータの回転数、室外膨張弁33の開度、室内ファンモータ22および室外ファンモータ36の回転数等の制御である。これらを制御するため、室外機12にも、各種センサが取付けられる。制御装置37は、各種センサにより検出された情報に基づき、これらの制御を行う。なお、制御装置37は、室外機12に限らず、室内機11に設けられてもよいし、機能を2つに分け、室内機11と室外機12のそれぞれに設けられてもよいし、室内機11や室外機12の内部に搭載されるものではなく、別個の装置として室内機11や室外機12とは別の場所に配置されるものであってもよい。
冷房運転時は、室内熱交換器20を蒸発器とし、室外熱交換器34を凝縮器として利用する。このため、制御装置37は、矢印に示すように、圧縮機30、四方弁32、室外熱交換器34、室外膨張弁33、室内熱交換器20、四方弁32、アキュームレータ31、圧縮機30の順で系内に封入された冷媒を循環させる。
圧縮機30は、低温低圧のガス状態の冷媒(冷媒ガス)を圧縮し、高温高圧の冷媒ガスとして吐出する。室外熱交換器34は、室外の空気と熱交換を行い、冷媒ガスを冷却して凝縮させる。室外膨張弁33は、冷媒を膨張させ、蒸発器に流れる冷媒の圧力を調整し、また、冷媒の流量を調整して、蒸発器の出口の過熱度を一定に保つ。過熱度は、飽和温度より何度高いかを示し、過熱の程度を示す指標である。
室内熱交換器20は、室内の空気と熱交換を行い、上記の過熱度まで加熱された冷媒ガスを室外機12へ戻す。室内熱交換器20から戻された冷媒ガスは、四方弁32を通してアキュームレータ31へ送られ、圧縮機30へ戻される。
暖房運転時は、冷房運転時の逆で、室内熱交換器20を凝縮器とし、室外熱交換器34を蒸発器として利用し、圧縮機30、四方弁32、室内熱交換器20、室外膨張弁33、室外熱交換器34、四方弁32、アキュームレータ31、圧縮機30の順で系内に封入された冷媒を循環させる。
圧縮機30は、高効率で、低振動、低騒音のロータリ圧縮機やスクロール圧縮機等が使用される。圧縮機30は、ロータリ圧縮機であってもよいが、以下、スクロール圧縮機として説明する。
図2は、空気調和装置に用いられるスクロール圧縮機の構成例を示した図である。圧縮機30は、容器40と、圧縮機構部41と、回転軸(シャフト)42と、電動機(モータ)43と、主軸受44と、旋回軸受45とを備える。また、スクロール圧縮機は、オルダムリング、バランスウェイト、電源端子46、脚47等を備えている。
容器40は、圧縮機構部41、シャフト42、モータ43等を収容する密閉容器であり、圧縮機構部41、主軸受44、旋回軸受45等の摺動する部分(摺動部)を潤滑するための潤滑油が底部に油溜まり48として貯留される。容器40は、中空円筒状の筒チャンバと、筒チャンバの上側を塞ぐ蓋チャンバと、筒チャンバの下側を塞ぐ底チャンバとから構成されている。
容器40の蓋チャンバには、冷媒を吸い込むための吸込パイプ49が差し込まれて固定される。吸込パイプ49は、圧縮機構部41の吸込口に冷媒を導く管である。容器40の筒チャンバには、冷媒を吐出するための吐出パイプが差し込まれて固定される。吐出パイプは、圧縮機構部41で圧縮された冷媒をスクロール圧縮機の外部へ導く管である。
圧縮機構部41は、シャフト42の回転により冷媒を圧縮する機構であり、固定スクロール50と、旋回スクロール51と、枠部材としてフレーム52とを備える。圧縮機構部41は、容器40の上部空間、すなわち蓋チャンバ側の空間に配置されている。
固定スクロール50は、フレーム52により支持され、第1の面に形成した所定の深さの凹部60内に渦巻き状の固定ラップ61を有する。固定スクロール50は、平面視で円形状を呈する肉厚の台板62を有し、その台板62の一方の円形の面が第1の面(鏡板面)63とされる。凹部60は、固定スクロール50の蓋チャンバ側を上側とすると、鏡板面63が、台板62の下側の面(下面)であり、その下面から上側に凹んだ領域として形成される。固定ラップ61は、渦巻き状を呈し、凹部60において下方へ向けて延び、その下方へ延びた先端である歯先が、台板の鏡板面63と略面一となっている。台板62には、吸込パイプ49に連続する吸込口が設けられ、吸込パイプ49に吸い込まれた冷媒が吸込口へと導かれる。
旋回スクロール51は、シャフト42が備える偏心部42aと嵌合し、第2の面から突出する渦巻き状の旋回ラップ70を有する。旋回スクロール51は、平面視で円形状を呈する鏡板71を備え、鏡板71の円形の一方の面(鏡板面)が第2の面であり、第2の面から突出する渦巻き状の突出部が、旋回ラップ70である。鏡板71は、固定スクロール50の鏡板面63との間で摺動する部分である。固定ラップ61の外周方向にある第1の面と、旋回ラップ70の外周方向にある第2の面は、隣接して配置される。
旋回スクロール51は、ボス部を備える。ボス部72は、シャフト42が備える偏心部42aに嵌合する部分であり、筒状とされている。ボス部72は、鏡板71から下側に延びている。
旋回ラップ70は、鏡板71から上側に延び、固定スクロール50の台板62の凹部60の底から下側に延びる固定ラップ61とともに冷媒を圧縮する圧縮室を形成する。圧縮室は、前後左右が固定ラップ61と旋回ラップ70で閉鎖され、上側が台板62、下側が鏡板71で閉鎖された空間であり、固定ラップ61と旋回ラップ70とが噛み合うことにより、固定ラップ61と旋回ラップ70との間に形成される。圧縮室は、旋回ラップ70の内周側と外周側にそれぞれ形成され、旋回ラップ70の内周側に形成される圧縮室は、内線圧縮室であり、旋回ラップ70の外周側に形成される圧縮室は、外線圧縮室である。
固定スクロール50の台板62の凹部60内の中央付近には、吐出口が設けられる。吐出口は、圧縮室で圧縮された冷媒を圧縮機構部41の外部、すなわち圧縮機構部41と蓋チャンバとの間の空間に導く開口である。
フレーム52は、概ね回転対称な形状を呈し、筒チャンバの内周壁に固定されている。フレーム52には、シャフト42が挿通される挿通孔が設けられている。
旋回スクロール51とフレーム52との間には、背圧室53が設けられる。冷媒は、圧縮室の容積が縮小することにより圧縮されるが、その際、固定スクロール50から旋回スクロール51を離間させようとする下向きの力が生じる。すると、離間した固定スクロール50と旋回スクロール51の隙間から冷媒が漏洩する。そこで、背圧室53を設け、背圧室53の圧力により、旋回スクロール51を固定スクロール50に向けて押し上げるようにしている。背圧室53は、通常、スクロール圧縮機の吸込圧力と吐出圧力の中間の圧力となっている。なお、背圧室53は、旋回スクロール51の外周側を介して固定スクロール50の鏡板面63に設けられた溝に連通している。以下、この溝や、この溝に連通する通路となる部分も、背圧室53に含まれるものとして参照する。
シャフト42は、モータ43が備える回転子と一体で回転する軸であり、上下方向に延びている。シャフト42は、主軸部と、主軸部から上側に延びる偏心部42aと、主軸部の下端に設置される給油ピース42bとを備える。主軸部は、モータ43の回転子に同軸で固定され、回転子と一体で回転する。偏心部は、主軸部に対して偏心しながら回転する部分であり、旋回スクロール51のボス部72に嵌合している。偏心部42aが偏心しながら回転することで、旋回スクロール51が旋回するようになっている。
給油ピース42bは、少なくとも一部が容器40の油溜まり48に浸漬され、油溜まり48から潤滑油を吸い上げる遠心ポンプである。給油ピース42bは、潤滑油を吸い込むための開口を有し、回転に伴う遠心力によりシャフト42が備える貫通孔42cを介して摺動部へ潤滑油を供給する。なお、潤滑油は、給油ピース42bの遠心力のほか、貫通孔42cの上部と下部との差圧によっても貫通孔42cを介して吸い上げられ、摺動部へ供給される。貫通孔42cは、給油ピース42bの内部と連通し、圧縮機構部41、主軸受44、旋回軸受45へ潤滑油を供給するために分岐している。
モータ43は、フレーム52と、シャフト42の下側を支持するサブフレーム54との間に設置される。モータ43は、固定子と、回転子とを有する。固定子は、筒チャンバの内周壁に固定され、回転子は、固定子の径方向内側に回転自在に配置されている。回転子には、その中心軸線と同軸となるようにシャフト42が固定される。
主軸受44は、フレーム52に対して主軸部の上部を回転自在に軸支するもので、フレーム52の挿通孔の周壁面に設置されている。旋回軸受45は、旋回スクロール51のボス部72に対して偏心部42aを回転自在に軸支するもので、ボス部72の内周面に設置されている。
オルダムリングは、偏心部42aの偏心回転を受けて、旋回スクロール51を自転させることなく旋回させるリング状部材である。オルダムリングは、旋回スクロール51の下面に設けられる溝と、フレーム52に設けられる溝とに装着される。バランスウェイトは、スクロール圧縮機の振動を抑制するための部材であり、例えば、シャフト42の主軸部において、回転子の上側に設置される。なお、これは一例であるため、これに限られるものではない。
サブフレーム54は、主軸部の下側を回転自在に軸支し、モータ43の下側に配置された状態で容器40に固定される。サブフレーム54は、シャフト42が挿通する挿通孔を有し、挿通孔の周壁面に、副軸受55が設置される。副軸受55は、サブフレーム54に対して主軸部の下側を回転自在に軸支する。貫通孔42cは、副軸受55へも潤滑油を供給するために分岐している。
電源端子46は、モータ43に電力を供給するための端子であり、配線を介してモータ43に電気的に接続されている。複数の脚47は、容器40を支持し、底チャンバに設置される。
モータ43の駆動によりシャフト42が回転すると、シャフト42のボス部72に嵌合する旋回スクロール51が旋回する。旋回スクロール51の旋回により、圧縮室が順次形成され、形成された圧縮室に冷媒が取り込まれ、圧縮室が縮小していくことにより冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、固定スクロール50の吐出口を介して、圧縮機構部41の上側の空間に吐出される。圧縮機構部41の上側の空間に吐出された冷媒は、圧縮機構部41と容器40との間の流路を通して、圧縮機構部41の下側の空間に導かれ、吐出パイプを介してスクロール圧縮機の外部へ吐出される。
容器40の油溜まり48に貯留されている潤滑油は、シャフト42の給油ピース42bから貫通孔42cを介して上昇し、副軸受55、主軸受44、旋回軸受45等の摺動部を潤滑する。貫通孔42cの上端の開口に達した潤滑油は、旋回スクロール51に設けられる給油経路73に導かれる。
図3は、図2に示した圧縮機構部41を拡大して示した図である。旋回スクロール51とフレーム52との間には、背圧室53が設けられる。旋回スクロール51は、貫通孔42cを介してくみ上げられた潤滑油を、固定スクロール50の鏡板面63へ供給する給油経路73を有する。給油経路73は、これに限られるものではないが、シャフト42の上端からその上部方向(旋回スクロール51の鏡板71の厚さ方向)に延びる第1の経路と、上部方向に延びた第1の経路の一端から水平方向(鏡板71の径方向)に延びる第2の経路と、水平方向に延びた第2の経路の一端からその上部方向に延びる第3の経路とを含む。
シャフト42の貫通孔42cからの潤滑油は、旋回スクロール51の給油経路73を介して、固定スクロール50の鏡板面63に形成された円弧状に延びる周方向溝64へ導かれる。
図4は、給油経路73の開口73aの軌跡を例示した図である。給油経路73の開口73aは、旋回スクロール51の旋回に伴い、円を描くように移動し、その移動において、周方向溝64の下側を通過する。開口73aが周方向溝64の下側を通過する区間は、太線の矢印で示した区間であり、周方向溝64の下側を通過し、次に、鏡板面63の下側を通過し、開口73aが鏡板面63で閉鎖され、それ以降は、これらの動作が繰り返される。開口73aが周方向溝64を通過し、周方向溝64と連通している区間において、潤滑油が、給油経路73から周方向溝64へ流入する。
図5は、固定スクロールと旋回スクロールをその接合面から見た図である。図5(a)に示す固定スクロール50は、略円形の台板62の鏡板面63の中央部分に凹部60を有し、凹部60内に、渦巻き状の固定ラップ61が設けられる。固定ラップ61の一端の凹部60の中心付近には、冷媒を吐出するための吐出口65が設けられ、固定ラップ61の他端の凹部60の外周側には、冷媒を吸い込むための吸込口66が設けられている。また、固定スクロール50の鏡板面63には、周方向溝64が設けられる。周方向溝64は、旋回スクロール51の給油経路73を介して、高圧の潤滑油が間欠的に供給される溝である。周方向溝64は、円弧状に延びる円弧部64aと、開口73aと連通する連通部64bとを備える。なお、周方向溝64は、給油経路73を通して供給された高圧の潤滑油が低圧の冷媒の吸込み側へ流れ込むと、各摺動部へ適切に潤滑油を供給することができなくなるため、吸込口66とは連通しない。
円弧部64aは、例えば、固定スクロール50を下面視した場合の中心付近(例えば、吐出口65の中心)を基準(円弧の中心)として、その中心角(円弧部64aと連通部64bとの境界を一端とし、その一端と円弧の中心を繋ぐ直線と、その円弧の中心と円弧部64aの他端とを繋ぐ直線のなす角)が30°以上、240°以下の範囲内で形成される。円弧部64aの一部は、所定の偏荷重領域に重なるように形成されていてもよい。ここで、偏荷重領域とは、固定スクロール50の鏡板面63に対して旋回スクロール51を傾けるような力(遠心力とガス荷重の合力)が作用した場合に、旋回スクロール51の鏡板面74が固定スクロール50の鏡板面63に特に強く当たる領域である。図5(a)で示す円弧部64aを含む周方向溝64は、高圧の潤滑油が間欠的に供給されることで、旋回スクロール51を固定スクロール50から離間させる力が作用し、これにより、旋回スクロール51と固定スクロール50との間のスラスト荷重が適度に低減され、その摺動部での摩擦損失や焼付きを抑制することができる。スラスト荷重は、シャフト42の軸方向にかかる荷重である。
図5(b)に示す旋回スクロール51は、略円形の鏡板面74から渦巻き状に突出する旋回ラップ70を有する。旋回スクロール51の鏡板面74には、給油経路73の開口73aに加え、第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77を有する。第1の排油溝75は、背圧室53と連通し、背圧室53へ潤滑油を供給する。背圧室53は、旋回する旋回スクロール51と、容器40に固定されるフレーム52との間に形成されるため、旋回スクロール51とフレーム52との間の摺動部に潤滑油が供給される。
第2の排油溝76は、旋回スクロール51の外周側の圧縮室(外線圧縮室)と連通し、外線圧縮室へ潤滑油を供給する。外線圧縮室は、旋回する旋回スクロール51の旋回ラップ70とフレーム52に支持された固定スクロール50の固定ラップ61との間に形成され、旋回ラップ70と固定ラップ61とが摺動する部分、旋回ラップ70の歯先と固定スクロール50の凹部60の底面とが摺動する部分、固定ラップ61の歯先と旋回ラップ70の鏡板面74とが摺動する部分に潤滑油を供給する。
給油孔77は、渦巻き状の最も外周側に位置する旋回ラップ70を挟んで鏡板面74に設けられる2つの開口を繋ぐ孔である。給油孔77の1つの開口は、旋回ラップ70の外周側に設けられ、もう1つの開口は、旋回ラップ70の内周側であって、旋回ラップ70に近隣して設けられる。これにより、周方向溝64の下側に給油孔77の1つの開口が位置した場合、給油孔77を介してもう1つの開口から潤滑油を旋回ラップ70の内周側に形成された圧縮室(内線圧縮室)へも供給することが可能となる。
なお、第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77は、旋回スクロール51の旋回により周方向溝64と間欠的に連通するため、背圧室53、外線圧縮室、内線圧縮室へも間欠的に潤滑油が供給される。
図6は、第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77のそれぞれの連通状態を示した図である。図6(a)は、破線で示すように、第1の排油溝75と背圧室53が連通している状態を示した図である。第1の排油溝75は、旋回スクロール51の旋回に伴い、その外周側にある背圧室53と間欠的に連通する。固定スクロール50の周方向溝64へ供給された潤滑油は、第1の排油溝75と周方向溝64とが連通している間、第1の排油溝75へ流入する。その後、第1の排油溝75が背圧室53と連通すると、第1の排油溝75へ流入した潤滑油が、背圧室53へ流入する。第1の排油溝75は、背圧室53と間欠的に連通するため、潤滑油は、第1の排油溝75から背圧室53へ間欠的に供給することができる。
図6(b)は、第2の排油溝76と外線圧縮室80が連通している状態を示した図である。第2の排油溝76は、旋回スクロール51の旋回に伴い、旋回スクロール51の外周側の圧縮室である外線圧縮室80と間欠的に連通する。固定スクロール50の周方向溝64へ供給された潤滑油は、第2の排油溝76と周方向溝64とが連通している間、第2の排油溝76へ流入する。その後、第2の排油溝76が外線圧縮室80と連通すると、第2の排油溝76へ流入した潤滑油が、外線圧縮室80へ流入する。第2の排油溝76は、外線圧縮室80と間欠的に連通するため、潤滑油は、第2の排油溝76から外線圧縮室80へ間欠的に供給することができる。
図6(c)は、給油孔77と内線圧縮室81が連通している状態を示した図である。給油孔77は、旋回スクロール51の旋回に伴い、旋回スクロール51の内周側の圧縮室である内線圧縮室81と間欠的に連通する。図6(c)では、給油孔77が2つの独立した開口として示されているが、給油孔77は、旋回スクロール51の鏡板71内を通してこれら2つの開口が繋がった1つの孔である。
固定スクロール50の周方向溝64へ供給された潤滑油は、給油孔77と周方向溝64とが連通している間、給油孔77へ流入する。その後、給油孔77が内線圧縮室81と連通すると、給油孔77へ流入した潤滑油が、内線圧縮室81へ流入する。給油孔77は、内線圧縮室81と間欠的に連通するため、潤滑油は、給油孔77から内線圧縮室81へ間欠的に供給することができる。
このように、旋回スクロール51に設けられた第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77を用いることで、固定スクロール50の周方向溝64から背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81のそれぞれに独立した給油ルートを確立することができる。このため、第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77のそれぞれが、背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81のそれぞれと連通することで、潤滑油を安定的に背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81のそれぞれへ供給することができる。
また、背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81と間欠的に連通することで、過剰な給油を抑制することができ、油上り量を抑制することができる。ここで、油上りとは、潤滑油が冷媒とともにスクロール圧縮機から吐出されることをいう。油上り量の増加は、各摺動部へ供給する潤滑油が減少し、充分な量の潤滑油を供給することができなくなるおそれがあることを意味し、圧縮機の信頼性が低下し、高い性能を確保することが難しくなる。しかしながら、上記のように背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81と間欠的に連通する構成を採用することで、油上り量を抑制することができるので、充分な量の潤滑油を供給することができ、圧縮機の高信頼性、高性能を確保することができる。
また、固定スクロール50の周方向溝64、旋回スクロール51の第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77のそれぞれの形状や位置を調整することで、背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81への給油タイミングや給油量を任意に設定することができる。
図7は、第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77のそれぞれと、背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81のそれぞれとの連通状態の遷移を示した図である。大きく分けて、旋回スクロール51の旋回中の4つのタイミングで連通状態が遷移する。連通状態は、第1のタイミング、第2のタイミング、第3のタイミング、第4のタイミングの順に遷移し、再び第1のタイミングから繰り返される。
図7(a)は、第1のタイミングでの連通状態を示した図である。図7(a)に示す状態は、外線圧縮室80において冷媒の圧縮を開始する直前の状態である。すなわち、冷媒を吸込口から旋回スクロール51の外周側へ吸込み、旋回スクロール51の最も外周側にある旋回ラップ70が固定スクロール50の凹部60の内壁面に隣接して外線圧縮室80が形成される直前の、冷媒の吸込口66と連通している状態である。第1のタイミングでは、第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77のいずれもが、背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81のいずれもと連通しない。
図7(b)は、第2のタイミングでの連通状態を示した図である。図7(b)に示す状態は、外線圧縮室80において冷媒の圧縮を開始した直後の状態である。すなわち、冷媒を吸込口66から旋回スクロール51の外周側へ吸込み、旋回スクロール51の最も外周側にある旋回ラップ70が固定スクロール50の凹部60の内壁面に隣接して外線圧縮室80を形成した直後の、冷媒の吸込口66との連通が終了した状態である。第2のタイミングでは、第2の排油溝76が外線圧縮室80と連通し、第1の排油溝75、給油孔77は背圧室53、内線圧縮室81と連通しない。したがって、周方向溝64に導入された潤滑油は、外線圧縮室80にのみ供給される。
図7(c)は、第3のタイミングでの連通状態を示した図である。図7(c)に示す状態は、図7(b)に示した状態の後、旋回スクロール51の給油孔77が内線圧縮室81と連通した状態である。第3のタイミングでは、給油孔77と内線圧縮室81が連通中であり、第1の排油溝75、第2の排油溝76は、背圧室53、外線圧縮室80と連通せず、周方向溝64に導入された潤滑油は、内線圧縮室81にのみ供給される。
図7(d)は、第4のタイミングでの連通状態を示した図である。図7(d)に示す状態は、図7(c)に示した状態の後、旋回スクロール51の第1の排油溝75が背圧室53と連通した状態である。第4のタイミングでは、第1の排油溝75と背圧室53が連通中であり、第2の排油溝76、給油孔77は、外線圧縮室80、内線圧縮室81と連通せず、周方向溝64に導入された潤滑油は、背圧室53にのみ供給される。
図7(d)に示す状態の後は、再び図7(a)に示す状態に戻り、各タイミングでの状態が繰り返される。このように、旋回スクロール51が1回転する間に、旋回スクロール51の第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77のそれぞれと、背圧室53、外線圧縮室80、内線圧縮室81のそれぞれとが連通するタイミングをずらし、第1の排油溝75、第2の排油溝76、給油孔77のいずれかが連通している間は、他の2つは連通しない構造とすることで、給油する空間によって給油の偏りが起きず、固定スクロール50の周方向溝64に導入された潤滑油を供給したい空間へ確実に供給することが可能となる。
これまで本発明のスクロール圧縮機および冷凍サイクル装置について上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
したがって、本発明によれば、(1)潤滑油が貯留される容器と、前記容器内に収容される電動機と、前記電動機により回転され、前記潤滑油が流通する貫通孔と偏心部とを備える回転軸と、前記回転軸を挿通させる挿通孔を有する枠部材と、第1の面と、前記第1の面に形成した凹部内に渦巻き状の固定ラップとを備え、前記枠部材により支持される固定スクロールと、第2の面と、前記第2の面から突出する渦巻き状の旋回ラップとを備え、前記回転軸の前記偏心部と嵌合し、前記固定ラップと前記旋回ラップとの間に冷媒を圧縮するための圧縮室を形成する旋回スクロールとを含み、前記固定スクロールは、前記第1の面に、円弧状に延びる周方向溝を有し、前記旋回スクロールは、前記貫通孔からの前記潤滑油を前記第1の面へ供給する給油経路と、前記第2の面に、前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する給油孔とを有する、スクロール圧縮機が提供される。
本発明によれば、(2)前記旋回スクロールと前記枠部材との間に背圧室を備え、前記旋回スクロールは、前記第2の面に、前記背圧室と間欠的に連通する第1の排油溝を有する、上記(1)に記載のスクロール圧縮機が提供される。
本発明によれば、(3)前記旋回スクロールは、前記第2の面に、前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する第2の排油溝を有する、上記(1)に記載のスクロール圧縮機が提供される。
本発明によれば、(4)前記旋回スクロールと前記枠部材との間に背圧室を備え、前記旋回スクロールは、前記第2の面に、前記背圧室と間欠的に連通する第1の排油溝と、前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する第2の排油溝とを有する、上記(1)に記載のスクロール圧縮機が提供される。
本発明によれば、(5)(i)前記第2の排油溝は、前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室で前記冷媒の圧縮が開始された直後に、該旋回ラップの外周側に形成される圧縮室と連通し、(ii)前記給油孔は、前記第2の排油溝と前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室との連通が終了した後に、前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と連通し、(iii)前記第1の排油溝は、前記給油孔と前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室との連通が終了した後に、前記背圧室と連通する、上記(4)に記載のスクロール圧縮機が提供される。なお、第1の排油溝と、給油孔とを備え、第2の排油孔を備えない場合は、(ii)、(iii)の順で、旋回ラップの内周側に形成される圧縮室、背圧室と連通させることができる。また、第2の排油溝と、給油孔とを備え、第1の排油孔を備えない場合は、(i)、(ii)の順で、旋回ラップの外周側に形成される圧縮室、旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と連通させることができる。
本発明によれば、(6)前記固定スクロールは、前記冷媒を吸い込むための吸込口を有し、
前記周方向溝は、前記吸込口に連通しない、上記(1)~(5)のいずれかに記載のスクロール圧縮機が提供される。
また、本発明によれば、冷媒を循環するスクロール圧縮機を備え、循環する冷媒と熱交換し、流体を冷却もしくは加熱する冷凍サイクル装置を提供することができ、冷凍サイクル装置は、上記(1)~(6)のいずれかに記載のスクロール圧縮機を備えることができる。
10…空気調和装置
11…室内機
12…室外機
20…室内熱交換器
21…室内ファン
22…室内ファンモータ
30…圧縮機
31…アキュームレータ
32…四方弁
33…室外膨張弁
34…室外熱交換器
35…室外ファン
36…室外ファンモータ
37…制御装置
40…容器
41…圧縮機構部
42…シャフト
42a…偏心部
42b…給油ピース
42c…貫通孔
43…モータ
44…主軸受
45…旋回軸受
46…電源端子
47…脚
48…油溜まり
49…吸込パイプ
50…固定スクロール
51…旋回スクロール
52…フレーム
53…背圧室
54…サブフレーム
55…副軸受
60…凹部
61…固定ラップ
62…台板
63…鏡面板
64…周方向溝
64a…円弧部
64b…連通部
65…吐出口
66…吸込口
70…旋回ラップ
71…鏡板
72…ボス部
73…給油経路
73a…開口
74…鏡板面
75…第1の排油溝
76…第2の排油溝
77…給油孔
80…外線圧縮室
81…内線圧縮室

Claims (4)

  1. 潤滑油が貯留される容器と、
    前記容器内に収容される電動機と、
    前記電動機により回転され、前記潤滑油が流通する貫通孔と偏心部とを備える回転軸と、
    前記回転軸を挿通させる挿通孔を有する枠部材と、
    第1の面と、前記第1の面に形成した凹部内に渦巻き状の固定ラップとを備え、前記枠部材により支持される固定スクロールと、
    第2の面と、前記第2の面から突出する渦巻き状の旋回ラップとを備え、前記回転軸の前記偏心部と嵌合し、前記固定ラップと前記旋回ラップとの間に冷媒を圧縮するための圧縮室を形成する旋回スクロールと
    を含み、
    前記固定スクロールは、前記第1の面に、円弧状に延びる周方向溝を有し、
    前記旋回スクロールと前記枠部材との間に背圧室を備え、
    前記旋回スクロールは、前記貫通孔からの前記潤滑油を前記第1の面へ供給する給油経路と、前記第2の面に、前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する給油孔と、前記第2の面に、前記背圧室と間欠的に連通する第1の排油溝と、前記第2の面に、前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する第2の排油溝とを有し、
    前記第2の排油溝は、前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室で前記冷媒の圧縮が開始された直後に、該旋回ラップの外周側に形成される圧縮室と連通し、
    前記給油孔は、前記第2の排油溝と前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室との連通が終了した後に、前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と連通し、
    前記第1の排油溝は、前記給油孔と前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室との連通が終了した後に、前記背圧室と連通する、スクロール圧縮機。
  2. 前記固定スクロールは、前記冷媒を吸い込むための吸込口を有し、
    前記周方向溝は、前記吸込口に連通しない、請求項に記載のスクロール圧縮機。
  3. 冷媒を循環するスクロール圧縮機を備え、循環する冷媒と熱交換し、流体を冷却もしくは加熱する冷凍サイクル装置であって、
    前記スクロール圧縮機が、
    潤滑油が貯留される容器と、
    前記容器内に収容される電動機と、
    前記電動機により回転され、前記潤滑油が流通する貫通孔と偏心部とを備える回転軸と、
    前記回転軸を挿通させる挿通孔を有する枠部材と、
    第1の面と、前記第1の面に形成した凹部内に渦巻き状の固定ラップとを備え、前記枠部材により支持される固定スクロールと、
    第2の面と、前記第2の面から突出する渦巻き状の旋回ラップとを備え、前記回転軸の前記偏心部と嵌合し、前記固定ラップと前記旋回ラップとの間に冷媒を圧縮するための圧縮室を形成する旋回スクロールと
    を含み、
    前記固定スクロールは、前記第1の面に、円弧状に延びる周方向溝を有し、
    前記旋回スクロールと前記枠部材との間に背圧室を備え、
    前記旋回スクロールは、前記貫通孔からの前記潤滑油を前記第1の面へ供給する給油経路と、前記第2の面に、前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する給油孔と、前記第2の面に、前記背圧室と間欠的に連通する第1の排油溝と、前記第2の面に、前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室と間欠的に連通する第2の排油溝とを有し、
    前記第2の排油溝は、前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室で前記冷媒の圧縮が開始された直後に、該旋回ラップの外周側に形成される圧縮室と連通し、
    前記給油孔は、前記第2の排油溝と前記旋回ラップの外周側に形成される圧縮室との連通が終了した後に、前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室と連通し、
    前記第1の排油溝は、前記給油孔と前記旋回ラップの内周側に形成される圧縮室との連通が終了した後に、前記背圧室と連通する、冷凍サイクル装置。
  4. 前記固定スクロールは、前記冷媒を吸い込むための吸込口を有し、
    前記周方向溝は、前記吸込口に連通しない、請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
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