JP7732190B2 - 木質基材、化粧材及びその製造方法 - Google Patents
木質基材、化粧材及びその製造方法Info
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Description
そこで、本発明は、シックハウス症候群の原因となる有害物質を含まず、実用的な耐水性を備えた木質基材、その木質基材を備えた化粧材及びその木質基材の製造方法を提供することを課題とする。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
また、本発明の一態様に係る木質基材は、前記木質材料と前記熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)が95/5~70/30の範囲内であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る木質基材は、前記木質材料が菌床を原料に含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る木質基材は、前記熱可塑性樹脂組成物が酸変性ポリオレフィンを含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る木質基材は、前記酸変性ポリオレフィンの含有量が、全熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して3質量部以上40質量部以下の範囲内であることを特徴とする。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状及び構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1に、本発明の実施形態に係る木質基材の製造方法を説明するための模式図を示す。所定の大きさ(例えば10cm×10cmの正方形)にくり抜かれた収容部を備えた木質基材作製用ジグ1の底面に金属板2を敷き、その上に離型フィルム3を重ねる。
次に、厚み調整用金属板7を木質基材作製用ジグ1の上に乗せ、離型フィルム3を介して金属の錘8で原料混合物6の上部から原料混合物6を押さえる。
図2は、本実施形態に係る木質基材10の構造を示す概略断面図である。
木質基材10は、木質材料4の種類などによりパーティクルボードや中密度繊維板などと称され、床や壁などの下地材、建具や家具など幅広い用途で使用されている。
以下、木質基材10を構成する木質材料4と、熱可塑性樹脂組成物5とについて説明する。
木質材料4は、粉体状及びチップ状の少なくとも一方の形状を有するものである。
ここで、「粉体状」、「チップ状」には、サイズや形状の定義は一般に存在しない。本実施形態では、サイズ(平均粒径)が概ね数十ミクロン~数センチメートルの範囲にあるものをいう。木質基材10を安定して製造するためには、木質材料4の平均粒径が1~5ミリメートルの範囲内であることが望ましい。
また、木質材料4は、木材以外でも、例えば、竹、麻、ヤシ繊維、クルミ殻など、木材と同様にセルロース成分を含むものであれば、その候補とすることができる。
例えば、廃木材から木質材料4を得ようとした場合、コンクリート片、金属片、紙類などの異物が多く含まれている。異物は、例えば、磁力選別、風力選別、比重選別など、公知の方法で除去することができる。また、粗大粒子は切削、破砕など公知の方法でサイズを調整し、概ね数十ミクロン~数センチメートルの範囲にあるものを使用する。木質基材10を安定して製造するためには、木質材料4の平均粒径が1~5ミリメートルの範囲であることが望ましい。
さらに、菌床から木質材料4を得ようとした場合、公知の方法で滅菌処理をしてから使用することが好ましい。
木質材料4と熱可塑性樹脂組成物5との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)は、95/5~70/30の範囲が望ましい。木質材料4の含有量が上記数値(95/5)より大きくなると、木質基材10に十分な曲げ強度を付与することができない。一方、木質材料4の含有量が、上記数値(70/30)より小さくなると、加熱加圧時に木質基材10の変形が生じやすくなり好ましくない。
木質基材10は、単層ではなく2層以上の複層にして、層ごとに木質材料4と熱可塑性樹脂組成物5との質量比を変えることもできる。
熱可塑性樹脂組成物5は、その平均粒径が数十ミクロン~1ミリメートルの粉体状の組成物である。熱可塑性樹脂組成物5は、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、エチレンビニルアセテート、シリコーンゴムなど各種用いることができるが、木質基材10の機械強度と耐水性の点でポリエチレンが好適である。熱可塑性樹脂組成物5の粒径は特に限定されないが、木質材料4と混合する上で同程度の粒径の方が混合し易く望ましい。熱可塑性樹脂組成物5の粒径が小さ過ぎると木質材料4をすり抜けて下部に堆積し、大き過ぎると木質材料4の上部に堆積し、不均一な木質基材10となるため望ましくない。そのため、熱可塑性樹脂組成物5の粒径(平均粒径)は、30ミクロン(μm)以上300ミクロン(μm)以下の範囲内がより望ましい。
酸変性樹脂は、木質材料4と熱可塑性樹脂組成物5との接着性を向上するために用いられる。酸変性樹脂は、熱可塑性樹脂組成物5の主成分がポリエチレンである場合、相溶のし易さ(相溶性の高さ)から酸変性ポリオレフィンであることが望ましい。特に、酸変性樹脂としては、マレイン酸変性ポリエチレンが好適に用いられる。ここで、上記「主成分」とは、熱可塑性樹脂組成物5全体の質量の50質量%以上を占める成分をいう。
酸変性樹脂の添加量は、全熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して3質量部以上40質量部以下の範囲内であることが望ましい。酸変性樹脂の添加量が3質量部に満たないと、木質材料4と熱可塑性樹脂組成物5との接着性を向上させる効果が不十分であるため、木質基材10に十分な強度を与えることができない。また、酸変性樹脂の添加量が40質量部を超えると、接着性を向上する効果は限定的で僅かな向上しか確認できない。
なお、酸変性樹脂の添加量は、全熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上20質量部以下の範囲内であることがより望ましい。
有機過酸化物は、原料混合物6の加熱加圧において、原料混合物6同士をラジカル架橋するために用いてもよい。有機過酸化物は、特に限定されるものではなく、例えば、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルなどの既存材料から、反応性や安定性を考慮し適宜選択して用いられる。
熱可塑性樹脂組成物5には、ワックスのような添加剤を混合してもよい。添加剤としてワックスを添加することで木質基材10の耐水性がさらに向上する。また、ワックスのような添加剤は、木質材料4と熱可塑性樹脂組成物5、あるいは複数の種類の熱可塑性樹脂組成物5を均一に混合させる潤滑剤としての役割もある。
熱可塑性樹脂組成物5は、公知の方法で粉体状に作製することが可能である。熱可塑性樹脂組成物5に複数の種類の材料を混合する場合は、公知の方法で混合する。例えば、ポリエチレンの粉体と酸変性ポリオレフィンの粉体とを混合すれば、熱可塑性樹脂組成物5を粉砕する際に凍結粉砕のような処理は不要であり、容易に熱可塑性樹脂組成物5の粉体を得ることができる。
木質基材10は、粉体状及びチップ状の少なくとも一方の形状を有する木質材料4と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物5と、を含む原料混合物6を加熱加圧して形成され、フーリエ型赤外分光測定において得られた吸光スペクトルから算出される規格化C-H面積が、0.07以上1.00以下の範囲内になるように調整されている。
なお、本実施形態では、各ピーク面積値は、同一サンプル内の10箇所の異なる測定位置で測定して得た値を平均化した値を用いた。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
木質基材10を製造する際に用いられる加熱加圧は、各種公知の方法を用いることができるが、木質基材10の製造には、図1に示すような枠型を用いたプレス成型が好適である。
加熱温度は通常は120℃以上250℃以下の範囲内であり、熱可塑性樹脂組成物5の融点以上であることが必要であるが、加熱温度が250℃を超えると木質材料4の熱劣化が顕著に生じる場合がある。加圧圧力は、通常は10kgf/cm2以上400kgf/cm2以下の範囲内であり、所望する木質基材10の密度により適宜設定した値を用いる。
図5を用いて第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、先に図1を用いて説明した第1実施形態に係る木質基材10に、意匠性を有する意匠層11を積層した化粧材12である。
本実施形態によれば、木質基材10に意匠性基材である意匠層11を積層することで、意匠性を付与することができる。
(1)本実施形態の木質基材10は、粉体状及びチップ状の少なくとも一方の形状を有する木質材料4と、熱可塑性樹脂組成物5と、を含み、フーリエ型赤外分光測定において得られた吸光スペクトルから下記式(1)を用いて算出される規格化C-H面積が0.07以上1.00以下の範囲内である。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
また、木質基材10は熱可塑性樹脂組成物5を含んでいるため、その熱可塑性樹脂組成物5自体が有する高い耐水性に起因して木質基材10に優れた耐水性を付与することができる。
このような構成であれば、曲げ強度がより強く木質基材の変形が生じにくい良好な木質基材10を提供することができる。
このような構成であれば、曲げ強度が強い木質基材10を確実に提供することができる。
このような構成であれば、より曲げ強度が強い木質基材10を確実に提供することができる。
このような構成であれば、環境負荷の低減において有益な木質基材10を提供することができる。
このような構成であれば、曲げ強度と耐水性が共に良好な木質基材10を提供することができる。また、バイオマス由来のポリエチレンを含んでいる場合、環境負荷の低減において有益な木質基材10を提供することができる。
このような構成であれば、より曲げ強度の良好な木質基材10を提供することができる。
このような構成であれば、より曲げ強度の良好な木質基材10を確実に提供することができる。
このような構成であれば、従来の化粧材に比べて、曲げ強度や耐水性が良好な化粧材12を提供することができる。
以下に、本発明の第1実施形態に係る木質基材の実施例1~20及び比較例1について説明する。なお、本発明は、下記の実施例1~20に限定されるものではない。
実施例1の熱可塑性樹脂組成物は、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)ペレット単体である。この樹脂ペレットを機械粉砕することで、ベース樹脂である、平均粒径100μmの粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
木質材料には、キノコ収穫後の菌床(平均粒径2mm)を洗浄、乾燥した材料を用いた。木質材料と熱可塑性樹脂組成物とを、質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)「85/15」で乾式混合することで、木質基材の原料混合物を得た。
実施例2では、木質材料と熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)を、実施例1の「85/15」から「90/10」に変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例3では、木質材料と熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)を、実施例1の「85/15」から「70/30」に変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例4の熱可塑性樹脂組成物は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)ペレット単体である。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例5の熱可塑性樹脂組成物は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)ペレット単体である。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例6の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) 高密度ポリエチレン樹脂 97質量部
(2) 酸変性ポリオレフィン 3質量部
上記(1)~(2)をバッチ式混錬装置で加熱混錬後、機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例7の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) 高密度ポリエチレン樹脂 80質量部
(2) 酸変性ポリオレフィン 20質量部
上記(1)~(2)をバッチ式混錬装置で加熱混錬後、機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例8の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) 高密度ポリエチレン樹脂 60質量部
(2) 酸変性ポリオレフィン 40質量部
上記(1)~(2)をバッチ式混錬装置で加熱混錬後、機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例9の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) 高密度ポリエチレン樹脂 100質量部
(2) 有機過酸化物(商品名:パーヘキサC、日油(株)製)1.5質量部
上記(1)~(2)をバッチ式混錬装置で加熱混錬後、機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例10の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) 高密度ポリエチレン樹脂 90質量部
(2) 酸変性ポリオレフィン 10質量部
(3) 有機過酸化物(商品名:パーヘキサC、日油(株)製)1.5質量部
上記(1)~(3)をバッチ式混錬装置で加熱混錬後、機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例11の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) 高密度ポリエチレン樹脂粉末 90質量部
(2) 酸変性ポリオレフィン粉末 10質量部
(3) 有機過酸化物(商品名:パーヘキサC、日油(株)製)1.5質量部
上記(1)~(3)を乾式混合することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例12の熱可塑性樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂(PP)ペレット単体である。この樹脂ペレットを機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例13の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) ポリプロピレン樹脂粉末 90質量部
(2) 酸変性ポリオレフィン粉末 10質量部
ポリプロピレン樹脂粉末は、実施例12と同様、樹脂ペレットを機械粉砕することで得た。上記(1)~(2)を乾式混合することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例14では、木質材料と熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)を、実施例1の「85/15」から「65/35」に変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例15では、木質材料と熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)を、実施例1の「85/15」から「96/4」に変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
実施例16の熱可塑性樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂(PP)ペレット単体である。この樹脂ペレットを機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。また、実施例16の木質材料には、木材チップ(平均粒径2mm)を洗浄、乾燥した材料を用いた。それ以外は実施例15と同様の方法で木質基材を得た。
実施例17の木質材料には、木材チップ(平均粒径2mm)を洗浄、乾燥した材料を用いた。それ以外は実施例12と同様の方法で木質基材を得た。
実施例18の熱可塑性樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂(PP)ペレット単体である。この樹脂ペレットを機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。それ以外は実施例15と同様の方法で木質基材を得た。
実施例19の木質材料には、木材チップ(平均粒径2mm)を洗浄、乾燥した材料を用いた。それ以外は実施例15と同様の方法で木質基材を得た。
実施例20の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1) ポリプロピレン樹脂粉末 80質量部
(2) 酸変性ポリオレフィン粉末 20質量部
ポリプロピレン樹脂粉末は、実施例12と同様、樹脂ペレットを機械粉砕することで得た。上記(1)~(2)を乾式混合することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
また、実施例20の木質材料には、木材チップ(平均粒径2mm)を洗浄、乾燥した材料を用いた。それ以外は実施例15と同様の方法で木質基材を得た。
比較例1では、所謂、パーティクルボードと同様の方法で木質基材を得た。
具体的には、ドラム式ブレンダーを用いて木質材料と接着剤を混合し、その混合物を、加圧や吸圧など外部からの力を加えることなく、自然の状態で落下させ散布する。接着剤にはユリア樹脂接着剤を使用し、木質材料と接着剤とを、質量比(木質材料/接着剤)「85/15」で混合した。次に、混合物を圧密成形することによって本比較例の木質基材を得た。
以上の実施例1~20及び比較例1について、フーリエ型赤外分光測定(規格化C-H面積測定)、機械強度、耐水性、基材変形の評価を行った。
フーリエ型赤外分光測定は、パーキンエルマー製フーリエ型赤外分光測定装置(Spectrum Spotlight400)を用い、4000cm-1から400cm-1の吸光スペクトルを得た。得られた吸光スペクトルから下記式(1)を用いて規格化C-H面積を算出する。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
フーリエ型赤外分光測定では、規格化C-H面積が0.07以上1.00以下の範囲内である場合を合格とする。
機械強度は、JISA5908に準拠する方法で曲げ強度を測定した。測定値(単位:N/mm2)に対する機械強度の評価基準は当該JISの規格値を踏まえ、以下とした。
機械強度の評価基準は、次の通り、「〇」、「△」、「×」の3段階で評価し、「〇」及び「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〇:13以上(合格)
△:8以上13未満(合格)
×:8未満(不合格)
耐水性は、JISA5908に準拠する方法で吸水厚さ膨潤率を測定した。測定値(単位:%)に対する耐水性の評価基準は当該JISの規格値を踏まえ、以下とした。
耐水性の評価基準は、次の通り、「〇」、「△」、「×」の3段階で評価し、「〇」及び「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〇:8未満(合格)
△:8以上12未満(合格)
×:12以上(不合格)
基材変形とは、基材表面が部分的に膨れた状態であり、主にプレス中に基材内部で発生するガスの滞留により発生する。基材変形は基材端部の状態により如実に反映されるため、基材端部の外観を目視評価した。
基材変形の評価基準は、次の通り、「〇」、「△」、「×」の3段階で評価し、「〇」及び「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〇:空隙なし(合格)
△:痕跡程度の空隙あり(合格)
×:空隙あり(不合格)
木質基材の評価結果は、次の表1の通りである。
なお、表中の実施例における「原料配合比」は(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)質量比を示し、表中の比較例における「原料配合比」は(木質材料/接着剤)質量比を示す。
フーリエ型赤外分光測定の評価が不合格なものは、比較例1のみであった。実施例1~20のように熱可塑性樹脂組成物にポリオレフィンを含有する木質基材は2700~3000cm-1付近に特徴的なピークを持つため、規格化C-H面積が大きくなる。木質材料単体で規格化C-H面積を算出すると0.05なので、2700~3000cm-1付近に比較例1の接着剤起因のピークはほとんど検出されないことになる。
機械強度では、実施例1~20及び比較例1の全てで合格となった。その中で、評価結果に「△」を含むのは、実施例2、4、5、8、12、13、15~20の12件である。
実施例2、15、16、18~20では、木質材料の割合が高く、機械強度が低下したと考えられる。実施例4~5ではベース樹脂にそれぞれLDPEとLLDPEを用いているため、HDPEと比べて機械強度が低下したと考えられる。実施例8では酸変性ポリオレフィンを40部配合しているもので、機械強度が低下したと考えられる。実施例12~13、17ではベース樹脂にPPを用いているため、HDPEと比べて機械強度が低下したと考えられる。
耐水性が不合格なものは、比較例1だけであった。接着剤を用いる従来の方法では本発明の実施例1~20に比べて耐水性に劣る。実施例1~20を比較すると、「△」を含むのは、実施例1~5及び11~12、15~20の13件である。
実施例1~5、12、15~19は酸変性ポリオレフィン、有機過酸化物、いずれも含有しない材料処方であり、耐水性が不十分であった(やや劣るものとなった)と考えられる。実施例11、20は、酸変性ポリオレフィン、有機過酸化物、いずれも含有する材料処方であるが、熱可塑性樹脂組成物を混合する際に、加熱混錬せず、粉体の状態で混合している。粉体混合では均一に混ざりきらず、耐水性が不十分であった(やや劣るものとなった)と考えられる。実施例14は酸変性ポリオレフィン、有機過酸化物、いずれも含有しない材料処方であるが、熱可塑性樹脂組成物の割合が高いの、耐水性は良好であった。
基材変形では、実施例1~20及び比較例1の全てで合格となった。その中で、評価結果に「△」を含むのは、実施例3、14の2件である。
実施例3は熱可塑性樹脂組成物を30部、実施例14は35部含有することで、基材変形が起こりやすくなったと考えられる。
総合的な評価結果としては、実施例1~20は、全ての評価項目で「合格」であり、表1から明らかなように、本発明の木質基材は優れた機械強度と耐水性を有し、基材変形も問題ないことが示された。また、本発明の木質基材は、シックハウス症候群の原因となる有害物質を含まないため、ホルムアルデヒド等のシックハウス症候群の原因となる有害物質の放散を抑制することができる。
Claims (13)
- 粉体状及びチップ状の少なくとも一方の形状を有する木質材料と、熱可塑性樹脂組成物と、を含む木質基材であって、
フーリエ型赤外分光測定において得られた吸光スペクトルから、下記式(1)を用いて算出される規格化C-H面積が、0.07以上1.00以下の範囲内であり、
前記熱可塑性樹脂組成物に酸変性ポリオレフィンを含み、
前記酸変性ポリオレフィンの含有量が、全熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下の範囲内であり、
前記木質材料の平均粒径が、1ミリメートル以上5ミリメートル以下の範囲内であり、
前記木質材料と前記熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)が、95/5~70/30(ただし、80/20を除く)の範囲内であることを特徴とする木質基材。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
(ここで、式(1)において、SC-Hは波数2700~3000cm-1付近のCH2基、CH3基に由来するピークの面積値、SO-Hは波数3000~3500cm-1付近のOH基に由来するピークの面積値、SC-OHは波数900~1200cm-1付近のC-OH基に由来するピークの面積値を示す。) - 粉体状及びチップ状の少なくとも一方の形状を有する木質材料と、熱可塑性樹脂組成物と、を含む木質基材であって、
フーリエ型赤外分光測定において得られた吸光スペクトルから、下記式(1)を用いて算出される規格化C-H面積が、0.07以上1.00以下の範囲内であり、
前記熱可塑性樹脂組成物に酸変性ポリオレフィンを含み、
前記酸変性ポリオレフィンの含有量が、全熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下(ただし、25質量部を除く)の範囲内であり、
前記木質材料の平均粒径が、1ミリメートル以上5ミリメートル以下の範囲内であることを特徴とする木質基材。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
(ここで、式(1)において、SC-Hは波数2700~3000cm-1付近のCH2基、CH3基に由来するピークの面積値、SO-Hは波数3000~3500cm-1付近のOH基に由来するピークの面積値、SC-OHは波数900~1200cm-1付近のC-OH基に由来するピークの面積値を示す。) - 前記規格化C-H面積が、0.08以上0.35以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の木質基材。
- 前記木質材料と前記熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)が、95/5~70/30の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の木質基材。
- 前記木質材料と前記熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)が、85/15~70/30の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の木質基材。
- 前記木質材料が、菌床を原料に含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の木質基材。
- 前記熱可塑性樹脂組成物にポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の木質基材。
- 熱硬化性樹脂を含まないことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の木質基材。
- 熱硬化性樹脂である、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、または尿素メラミン樹脂を含まないことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の木質基材。
- 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の木質基材に、意匠性基材が積層されてなることを特徴とする化粧材。
- 粉体状及びチップ状の少なくとも一方の形状を有する木質材料と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物と、を含む原料混合物を加熱加圧して木質基材を形成する工程を有し、
前記木質基材は、フーリエ型赤外分光測定において得られた吸光スペクトルから、下記式(1)を用いて算出される規格化C-H面積が、0.07以上1.00以下の範囲内であり、
前記熱可塑性樹脂組成物に酸変性ポリオレフィンを含み、
前記酸変性ポリオレフィンの含有量が、全熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下の範囲内であり、
前記木質材料の平均粒径が、1ミリメートル以上5ミリメートル以下の範囲内であり、
前記木質材料と前記熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)が、95/5~70/30(ただし、80/20を除く)の範囲内であることを特徴とする木質基材の製造方法。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
(ここで、式(1)において、SC-Hは波数2700~3000cm-1付近のCH2基、CH3基に由来するピークの面積値、SO-Hは波数3000~3500cm-1付近のOH基に由来するピークの面積値、SC-OHは波数900~1200cm-1付近のC-OH基に由来するピークの面積値を示す。) - 粉体状及びチップ状の少なくとも一方の形状を有する木質材料と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物と、を含む原料混合物を加熱加圧して木質基材を形成する工程を有し、
前記木質基材は、フーリエ型赤外分光測定において得られた吸光スペクトルから、下記式(1)を用いて算出される規格化C-H面積が、0.07以上1.00以下の範囲内であり、
前記熱可塑性樹脂組成物に酸変性ポリオレフィンを含み、
前記酸変性ポリオレフィンの含有量が、全熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下(ただし、25質量部を除く)の範囲内であり、
前記木質材料の平均粒径が、1ミリメートル以上5ミリメートル以下の範囲内であることを特徴とする木質基材の製造方法。
規格化C-H面積=SC-H/(SO―H+SC-OH) ・・・式(1)
(ここで、式(1)において、SC-Hは波数2700~3000cm-1付近のCH2基、CH3基に由来するピークの面積値、SO-Hは波数3000~3500cm-1付近のOH基に由来するピークの面積値、SC-OHは波数900~1200cm-1付近のC-OH基に由来するピークの面積値を示す。) - 前記粉体状の熱可塑性樹脂組成物を製造する工程は、
押出法によって、複数の種類の熱可塑性樹脂組成物を混錬する工程と、
前記混錬した熱可塑性樹脂組成物を粉砕して粉体状にする工程と、
を含むことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の木質基材の製造方法。
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