JP7732476B2 - 締結構造体の製造方法 - Google Patents

締結構造体の製造方法

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Description

本発明は、締結構造体の製造方法に関する。
下記特許文献1には、互いに重ね合わせられた一対の被接合板材をセルフピアスリベットで接合(締結)する技術が開示されている。この先行技術について簡単に説明すると、セルフピアスリベットは、中空状の脚部で一対の被接合板材に穴をあけて一対の被接合板材を接合するものとされる。
特開2010-188383号公報
ところで、このような技術では、セルフピアスリベットの打ち込みに起因した下側板状部材の割れを抑えることが求められる。
本発明は、上記事実を考慮して、セルフピアスリベットの打ち込みに起因した下側板状部材の割れを抑えることが可能な締結構造体の製造方法を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の締結構造体の製造方法は、板状の第一部材と板状の第二部材とをセルフピアスリベットで締結する締結構造体の製造方法であって、前記第一部材には板厚方向一方側に凸とされた凸部を有することによって他の部分よりも板厚が厚く設定された厚肉部が形成されており、前記第一部材の前記厚肉部を含む部分に対して前記第一部材の板厚方向他方側から前記第二部材の少なくとも一部を重ね合わせ、前記厚肉部と前記第二部材とが重なる部分である締結用重なり部に対して前記第二部材側から前記セルフピアスリベットを打ち込んで前記第一部材と前記第二部材とを締結させ、前記第一部材を前記セルフピアスリベットの打ち込み側とは反対側から支持する支持部材には、前記セルフピアスリベットの打ち込み方向に凹んでかつ当該打ち込み方向に見て環状に形成されると共に前記厚肉部が前記セルフピアスリベットの打ち込みによって変形した際に当該変形した部分と接触する厚肉対応凹部と、前記厚肉部における前記凸部の頂面の中央部を支持する厚肉中央支持部と、が形成され、前記セルフピアスリベットを前記締結用重なり部に打ち込む工程の前に、前記厚肉部における前記凸部の頂面の中央部を前記厚肉中央支持部によって支持させた状態にして前記厚肉中央支持部から前記厚肉部を加熱する
上記構成によれば、第一部材には板厚方向一方側に凸とされた凸部を有することによって他の部分よりも板厚が厚く設定された厚肉部が形成されており、第一部材の厚肉部を含む部分に対して第一部材の板厚方向他方側から第二部材の少なくとも一部を重ね合わせる。次に、厚肉部と第二部材とが重なる部分である締結用重なり部に対して第二部材側からセルフピアスリベットを打ち込んで第一部材と第二部材とを締結させる。このため、セルフピアスリベットが第一部材及び第二部材に打ち込まれた状態では、厚肉部が存在していなかった対比例と比べ、第一部材においてセルフピアスリベットの先端側を覆う部分の厚みを厚くすることができるので、セルフピアスリベットの打ち込みに起因した第一部材側の割れを抑えることが可能になる。
さらに、第一部材をセルフピアスリベットの打ち込み側とは反対側から支持する支持部材には、セルフピアスリベットの打ち込み方向に凹んでかつ当該打ち込み方向に見て環状に形成されると共に厚肉部がセルフピアスリベットの打ち込みによって変形した際に当該変形した部分と接触する厚肉対応凹部と、厚肉部における凸部の頂面の中央部を支持する厚肉中央支持部と、が形成されており、セルフピアスリベットを締結用重なり部に打ち込む工程の前に、厚肉部における凸部の頂面の中央部を厚肉中央支持部によって支持させた状態にして厚肉中央支持部から厚肉部を加熱する。このため、厚肉部、特に凸部は、常温時と比べて延性が高い状態でセルフピアスリベットが打ち込まれるので、第一部材の割れが抑制される。
請求項に記載する本発明の締結構造体の製造方法は、請求項1に記載の構成において、前記セルフピアスリベットを前記締結用重なり部に打ち込む際に、前記支持部材から、前記第一部材において前記第二部材と重なる部分を加熱する。
上記構成によれば、セルフピアスリベットを締結用重なり部に打ち込む際に、第一部材において第二部材と重なる部分は、支持部材からの加熱によって温められる。このため、セルフピアスリベットが打ち込まれる際に、第一部材において第二部材と重なる部分は、常温時と比べて延性が高い状態となるので、第一部材の割れが抑制される。また、支持部材から第一部材を加熱するので、第一部材の割れの抑制のための加熱を効率的に行うことが可能になる。
請求項に記載する本発明の締結構造体の製造方法は、請求項に記載の構成において、前記セルフピアスリベットを前記締結用重なり部に打ち込む際に前記厚肉対応凹部から前記第一部材を加熱する。
上記構成によれば、セルフピアスリベットを締結用重なり部に打ち込むと、厚肉部が変形し、その変形部分が厚肉対応凹部と接触して加熱される。このため、セルフピアスリベットの打ち込み時には、第一部材のうちセルフピアスリベットの先端よりも下方側の変形部分すなわち割れが生じやすい部分における延性を効果的に高めることができる。よって、第一部材の割れが効果的に抑えられる。
以上説明したように、本発明の締結構造体の製造方法によれば、セルフピアスリベットの打ち込みに起因した第一部材(下側板状部材)の割れを抑えることが可能になる。
一実施形態に係る締結構造体の製造方法に用いられる第一部材、第二部材及びセルフピアスリベットを示す断面図である。 図1のセルフピアスリベットで第一部材及び第二部材を締結した状態を示す断面図である。 一実施形態に係る締結構造体の製造方法に用いられる締結用装置の一例を第一部材、第二部材及びセルフピアスリベットと共に示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る締結構造体の製造方法について図1~図3を用いて説明する。
図1には、本実施形態に係る締結構造体の製造方法に用いられる第一部材12、第二部材14及びセルフピアスリベット16が断面図で示されている。本実施形態に係る締結構造体の製造方法は、板状の第一部材12と板状の第二部材14とをセルフピアスリベット16で締結して図2に示される締結構造体10を製造する方法である。
図1に示される第一部材12及び第二部材14は、いずれも金属製とされる。より具体的に説明すると、第一部材12は、一例としてアルミダイキャスト製とされ、第二部材14は、一例として鋼製とされる。第一部材12及び第二部材14は、例えば車両用のパネルとされる。第一部材12には、厚肉部12Bが形成されている。厚肉部12Bは、第一部材12の板厚方向一方側に凸とされた凸部12Cを有することによって、他の部分としての一般部12Aよりも板厚が厚く設定されている。
凸部12Cは、一例として円錐台状に形成されている。また、凸部12Cの突出量は、一例として一般部12Aの板厚よりも小さく設定されている。また、凸部12Cの突出方向の先端面である頂面12Tは、一例として、第一部材12の板厚方向に見て、セルフピアスリベット16の頭部16Aの平面視のサイズと同等(同程度)のサイズに形成されている。
セルフピアスリベット16は、クロムモリブデン鋼等の特殊鋼からなり、頭部16Aと、頭部16Aから円筒状に延出された脚部16Bと、を備える。セルフピアスリベット16は、部材への打ち込み時に脚部16Bの先端側を拡径させる方向に変形させやすくするために、脚部16Bの先端側の内径が先端へ向かって徐々に拡大されている。なお、図1において矢印Aは、セルフピアスリベット16を第二部材14及び第一部材12に打ち込む方向を示す。
次に、締結構造体10(図2参照)の製造方法に用いられる締結用装置の一例について図3を参照しながら説明する。
図3に示されるように、締結用装置20は、第一部材12をセルフピアスリベット16の打ち込み側とは反対側から支持する支持部材としてのダイ22を備えている。ダイ22は、例えば鋼製とされ、第一部材12の一般部12Aを下方側から支持する一般支持面22Aを有する。ダイ22には、厚肉部12Bがセルフピアスリベット16の打ち込みによって変形した際に当該変形した部分と接触する厚肉対応凹部22Bが形成されている。厚肉対応凹部22Bは、一般支持面22Aに対して凹んでおり、平面視で環状に形成されている。また、ダイ22には、第一部材12の厚肉部12Bの中央部を下方側から支持する厚肉中央支持部22Cを有する。
また、ダイ22には、ヒータ24が内蔵されており、このヒータ24は、一例として、厚肉対応凹部22B及び厚肉中央支持部22Cに対応する位置に設けられている。なお、ヒータ24は、図中では模式的に示している。ヒータ24は、厚肉対応凹部22B及び厚肉中央支持部22Cに沿うように配置してもよい。ヒータ24は、電源(図示省略)に接続されると共に、通電によって温度を上げることが可能になっている。ヒータ24は、ユーザの操作によって又は自動制御によって通電可能に構成されている。
また、締結用装置20は、シリンダ26及びパンチ28を備えている。シリンダ26は、円筒状に形成され、セルフピアスリベット16を挿入可能となっている。また、シリンダ26は、厚肉対応凹部22Bの外周側に対応するように配置され、ダイ22に支持された第一部材12及び第二部材14をダイ22側に押し付ける。パンチ28は、円柱状の部材とされ、図示しない駆動装置によってシリンダ26内をその軸線方向に移動可能となっており、シリンダ26内に挿入されたセルフピアスリベット16を上方側から押圧可能に構成されている。なお、図中では、パンチ28がセルフピアスリベット16を押圧する方向を矢印Pで示す。
次に、締結用装置20を用いた締結構造体の製造方法について説明する。
まず、図3に示されるように、ダイ22の一般支持面22Aに第一部材12の一般部12Aを支持させ、ダイ22の厚肉対応凹部22Bの対向側に第一部材12の凸部12Cを配置させる。この状態では第一部材12の凸部12Cにおける頂面12Tの中央部はダイ22の厚肉中央支持部22Cに支持される。また、第一部材12の厚肉部12Bを含む部分の上に第二部材14を重ね合わせる。次に、シリンダ26の下端面とダイ22の一般支持面22Aとで第一部材12及び第二部材14を挟む。
次に、ヒータ24に通電をしてヒータ24を発熱させることでダイ22を加熱させる。なお、ヒータ24への通電開始のタイミングは、シリンダ26の下端面とダイ22の一般支持面22Aとで第一部材12及び第二部材14を挟む前でもよい。次に、シリンダ26の内側のセルフピアスリベット16をパンチ28で上方側から押す。
これにより、セルフピアスリベット16が下降し、セルフピアスリベット16の脚部16Bが第二部材14を貫通し、セルフピアスリベット16及び第二部材14に押圧された第一部材12が厚肉対応凹部22B側へ変形する。その後、第一部材12の凸部12Cであった部分が厚肉対応凹部22Bに達すると、第一部材12が厚肉対応凹部22Bに沿って変形し、セルフピアスリベット16の脚部16Bの先端側が拡径変形しながら第一部材12に食い込む。その結果、図2に示される締結構造体10が製造される。
以上についてまとめると、本実施形態の締結構造体の製造方法では、図3に示される第一部材12の厚肉部12Bを含む部分に対して第一部材12の上側(板厚方向他方側)から第二部材14の少なくとも一部を重ね合わせ、厚肉部12Bと第二部材14とが重なる部分である締結用重なり部30に対して第二部材14側からセルフピアスリベット16を打ち込んで第一部材12と第二部材14とを締結させる。このため、図2に示されるようにセルフピアスリベット16が第一部材12及び第二部材14に打ち込まれた状態では、厚肉部12B(図3参照)が存在していなかった対比例と比べ、第一部材12においてセルフピアスリベット16の脚部16Bの先端側を覆う部分の厚みを厚くすることができるので、セルフピアスリベット16の打ち込みに起因した第一部材12側の割れを抑えることが可能になる。
また、本実施形態では、図3に示されるセルフピアスリベット16を締結用重なり部30に打ち込む際に、ダイ22から、第一部材12において第二部材14と重なる部分を加熱する。このため、セルフピアスリベット16が打ち込まれる際には、第一部材12において第二部材14と重なる部分は、常温時と比べて延性が高い状態となるので、第一部材12の割れが抑制される。また、ダイ22から第一部材12を加熱するので、第一部材12の割れの抑制のための加熱を効率的に行うことが可能になる。
加熱に関してより具体的に説明すると、セルフピアスリベット16を締結用重なり部30に打ち込む際には、厚肉中央支持部22C及び厚肉対応凹部22Bから第一部材12を加熱する。
ここで、厚肉中央支持部22Cは、セルフピアスリベット16を締結用重なり部30に打ち込む工程の前から厚肉部12Bを凸部12Cの頂面12T側から加熱している。このため、厚肉部12B、特に凸部12Cは、常温時と比べて延性が高い状態でセルフピアスリベット16が打ち込まれので、第一部材12の割れ抑制に寄与することができる。
さらに、セルフピアスリベット16の打ち込み時における厚肉対応凹部22Bから第一部材12への加熱によって、第一部材12のうちセルフピアスリベット16の脚部16Bの先端よりも下方側の変形部分すなわち割れが生じやすい部分が効果的に温められ、当該部分の延性を効果的に高めることができる。よって、第一部材12の割れが効果的に抑えられる。
以上説明したように、本実施形態の締結構造体の製造方法によれば、セルフピアスリベット16の打ち込みに起因した第一部材12の割れを抑えることが可能になる。
なお、上記実施形態では、ヒータ24を内蔵するダイ22から第一部材12において第二部材14と重なる部分を加熱しているが、本発明の実施形態ではない参考例として、セルフピアスリベット(16)を締結用重なり部(30)に打ち込む工程の前に、例えば、アイロン、加熱用のコテ等を用いて、厚肉部(12B)を凸部(12C)の頂面(12T)側から直接加熱する、という形態も採り得る。このような参考例では、厚肉部(12B)、特に凸部(12C)は、常温時と比べて延性が高い状態でセルフピアスリベット(16)が打ち込まれるので、第一部材(12)の割れが抑制される。また、他の例として、締結用重なり部(30)を、温風送風機(ドライヤー)からの温風によって、直接又はダイ(22)を介して間接的に加熱する、という形態も採り得る。なお、締結用重なり部(30)を温風送風機(ドライヤー)からの温風によって直接加熱するという形態は、本発明の実施形態ではなく参考例である。
また、本発明の実施形態ではない参考例として、第一部材(12)において第二部材(14)と重なる部分を加熱することなく、セルフピアスリベット(16)を締結用重なり部(30)に打ち込む、という形態も採り得る。
また、上記実施形態の変形例として、上記実施形態の構成に加えてダイ(22)の一般支持面(22A)の近傍にヒータ(24)を設け、ダイ(22)の一般支持面(22A)から、第一部材(12)において第二部材(14)と重なる部分を加熱して、セルフピアスリベット(16)を締結用重なり部(30)に打ち込む、という形態も採り得る。
また、本発明の実施形態ではない参考例として、厚肉中央支持部(22C)を備えない支持部材によって第一部材(12)を支持させてセルフピアスリベット(16)を締結用重なり部(30)に打ち込む、という形態も採り得る。
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 締結構造体
12 第一部材
12A 一般部(他の部分)
12B 厚肉部
12C 凸部
12T 凸部の頂面
14 第二部材
16 セルフピアスリベット
22 ダイ(支持部材)
22B 厚肉対応凹部
22C 厚肉中央支持部
30 締結用重なり部

Claims (3)

  1. 板状の第一部材と板状の第二部材とをセルフピアスリベットで締結する締結構造体の製造方法であって、
    前記第一部材には板厚方向一方側に凸とされた凸部を有することによって他の部分よりも板厚が厚く設定された厚肉部が形成されており、
    前記第一部材の前記厚肉部を含む部分に対して前記第一部材の板厚方向他方側から前記第二部材の少なくとも一部を重ね合わせ、前記厚肉部と前記第二部材とが重なる部分である締結用重なり部に対して前記第二部材側から前記セルフピアスリベットを打ち込んで前記第一部材と前記第二部材とを締結させ、
    前記第一部材を前記セルフピアスリベットの打ち込み側とは反対側から支持する支持部材には、前記セルフピアスリベットの打ち込み方向に凹んでかつ当該打ち込み方向に見て環状に形成されると共に前記厚肉部が前記セルフピアスリベットの打ち込みによって変形した際に当該変形した部分と接触する厚肉対応凹部と、前記厚肉部における前記凸部の頂面の中央部を支持する厚肉中央支持部と、が形成され、
    前記セルフピアスリベットを前記締結用重なり部に打ち込む工程の前に、前記厚肉部における前記凸部の頂面の中央部を前記厚肉中央支持部によって支持させた状態にして前記厚肉中央支持部から前記厚肉部を加熱する、締結構造体の製造方法。
  2. 前記セルフピアスリベットを前記締結用重なり部に打ち込む際に、前記支持部材から、前記第一部材において前記第二部材と重なる部分を加熱する、請求項1に記載の締結構造体の製造方法。
  3. 記セルフピアスリベットを前記締結用重なり部に打ち込む際に前記厚肉対応凹部から前記第一部材を加熱する、請求項に記載の締結構造体の製造方法。
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