JP7732833B2 - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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Description

本開示は、電源装置に関する。
従来、2つの直流電源の間で双方向に電力変換を行う双方向DC/DCコンバータが知られている。例えば、特許文献1には、DAB(Dual Active Bridge)方式の双方向DC/DCコンバータが開示されている。以下では、DAB方式の双方向DC/DCコンバータを「DAB回路」という。特許文献1に記載のDAB回路は、絶縁トランスと、2つのフルブリッジ回路と、2つの入出力端子対とを含む。2つのフルブリッジ回路は、絶縁トランスの一次側および二次側にそれぞれ接続される。2つの入出力端子対にはそれぞれ、例えば直流電源が接続される。
特開2017-204998号公報
特許文献1に記載のDAB回路において、2つの入出力端子対(2つの直流電源)間での電力伝送を高効率で行うために、2つのフルブリッジ回路のスイッチング時に、ソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング)を行い、スイッチング損失を抑制することが好ましい。例えば、定格入力電圧および定格出力電圧(定格出力電流)に応じて、絶縁トランスの巻数比およびインダクタを最適に設計すれば、これらの定格時において、各フルブリッジ回路でのスイッチング時にソフトスイッチングすることが可能である。しかしながら、これらの定格時にソフトスイッチングできるように設計されているので、各入出力端子対に印加される電圧が定格値から外れて大きく(小さく)なると、ソフトスイッチングができなくなることがある。つまり、2つの直流電源の各電圧変動により、各フルブリッジ回路において、ソフトスイッチングができないことがある。したがって、従来のDAB回路には、2つの直流電源間の電力伝送効率を改善する余地があった。
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、2つの直流電源間の電力伝送の高効率化を図ることが可能な電源装置を提供することにある。
本開示の電源装置は、第1巻線および第2巻線を有するトランスと、第1直流電源を接続するための第1入出力端子対と、第2直流電源を接続するための第2入出力端子対と、前記第1入出力端子対と前記第1巻線との間に電気的に介在し、複数の第1スイッチング素子がフルブリッジ接続された第1インバータと、前記第2入出力端子対と前記第2巻線との間に電気的に介在し、複数の第2スイッチング素子がフルブリッジ接続された第2インバータと、第3スイッチング素子を含む昇降圧チョッパ回路と、を備え、前記昇降圧チョッパ回路は、前記第2インバータと前記第2入出力端子対との間に接続される。
前記電源装置の好ましい実施の形態において、前記第1インバータの直流端に印加される第1直流電圧を検出する第1電圧検出器と、前記第2インバータの直流端に印加される第2直流電圧を検出する第2電圧検出器と、前記昇降圧チョッパ回路を制御する第1制御部と、をさらに備え、前記第1制御部は、前記第1直流電圧と前記第2直流電圧とが等しくなるように、前記第3スイッチング素子のスイッチング動作を制御する。
前記電源装置の好ましい実施の形態において、前記第2インバータの直流端に流れる第1直流電流を検出する電流検出器と、前記第2入出力端子対に印加される第3直流電圧(VE2)を検出する第3電圧検出器と、前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御する第2制御部と、をさらに備え、前記第2制御部は、前記第2入出力端子対に流れる第2直流電流を設定する設定部を有し、かつ、前記第1直流電流が、前記第3直流電圧を前記第2直流電圧で除算した値に、前記第2直流電流の設定値を乗算した演算値となるように、前記複数の第1スイッチング素子および前記複数の第2スイッチング素子の各スイッチング動作を制御する。
前記電源装置の好ましい実施の形態において、前記トランスは、前記第1巻線と前記第2巻線との巻数比が1:1である。
前記電源装置の好ましい実施の形態において、前記第1入出力端子対に印加される直流電圧は、前記第2入出力端子対に印加される直流電圧よりも大きい。
本開示の電源装置は、前記第2インバータと前記第2入出力端子対との間に前記昇降圧チョッパ回路が接続されているので、前記第2インバータに印加される直流電圧を、定電圧に制御することが可能となる。これにより、前記第2入出力端子対に接続される前記第2直流電源で生じる電圧変動による影響が低減されるので、前記第1インバータまたは前記第2インバータにおいてソフトスイッチングを行うことが可能となる。つまり、本開示の電源装置によれば、2つの直流電源間の電力伝送の高効率化を図ることができる。
本開示の電源装置を示す回路構成図である。 本開示の電源装置でのシミュレーション結果を示す波形図である。 従来のDAB回路であって、昇降圧チョッパ回路を備えない構成でのシミュレーション結果を示す波形図である。 本開示の変形例にかかる電源装置を示す回路構成図である。
本開示の電源装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下では、同一あるいは類似の構成要素に、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態にかかる電源装置A1を示している。電源装置A1は、2つの入出力端子対T1,T2、2つのインバータ1,2、トランス3、昇降圧チョッパ回路4、インダクタL4、複数の電圧検出器51,52,53、電流検出器61、および、2つの制御部7,8を備える。
電源装置A1は、2つの直流電源B1,B2の間に電気的に接続される。直流電源B1は、入出力端子対T1に接続され、直流電源B2は、入出力端子対T2に接続される。2つの入出力端子対T1,T2はそれぞれ、高電位側の接続端子および低電位側の接続端子を含む。電源装置A1は、これら2つの入出力端子対T1,T2の間で電力を双方向に伝送する。本実施形態では、直流電源B1の電源電圧は、直流電源B2の電源電圧よりも大きい。よって、電源装置A1は、直流電源B1から電力が入力される場合には、直流電源B1からの入力電圧を降圧して、直流電源B2に出力する。一方、電源装置A1は、直流電源B2から電力が入力される場合には、直流電源B2からの入力電圧を昇圧して、直流電源B1に出力する。以下では、直流電源B1の電源電圧および電源電流をそれぞれ「第1電源電圧E1」,「第1電源電流IE1」といい、直流電源B2の電源電圧および電源電流を「第2電源電圧E2」,「第2電源電流IE2」という。よって、入出力端子対T1には、第1電源電圧E1が印加され、かつ、第1電源電流IE1が流れる。入出力端子対T2には、第2電源電圧E2が印加され、かつ、第2電源電流IE2が流れる。第1電源電圧E1は、例えば300V以上400V以下であり、第2電源電圧E2は、例えば24V以上60V以下である。なお、第1電源電圧E1および第2電源電圧E2は、これらの例に限定されない。
電源装置A1は、例えば充放電装置に組み込まれる。この例において、直流電源B1として例えば系統電源(直流送電系統)あるいは太陽光発電装置などが、入出力端子対T1に接続される。また、直流電源B1として例えば蓄電池あるいはキャパシタなどが、入出力端子対T2に接続される。そして、電源装置A1は、例えば系統電源から入力される電力を変換して、蓄電池に出力することで、蓄電池の充電を行う。一方、電源装置A1は、蓄電池から入力される電力を変換して、系統電源に出力することで、蓄電池の放電を行う。なお、蓄電池の充電を行うときには、上記第2電源電流IE2が正の値となり、蓄電池の放電を行うときには、上記第2電源電流IE2が負の値となる。これらの正負は反対であってもよい。
2つのインバータ1,2およびトランス3は、後に詳述される構成から理解されるように、DAB方式の双方向DC/DCコンバータ(DAB回路)である。図1に示すように、インバータ1は、トランス3に対して直流電源B1(入出力端子対T1)側に接続され、インバータ2は、トランス3に対して直流電源B2(入出力端子対T2)側に接続される。
トランス3は、2つのインバータ1,2の間に電気的に接続される。トランス3は、物理的に絶縁された2つの巻線L1,L2を含む。2つの巻線L1,L2は、互いに磁気的に結合されている。本実施形態において、巻線L1と巻線L2との巻数比(トランス3の巻数比)は、例えば1:1である。巻線L1と巻線L2との巻数比は、1:1に限定されず、2つのインバータ1,2への印加電圧に基づいて適宜設定される。トランス3は、巻線L1に入力される電力を巻線L2に伝送し、巻線L2に入力される電力を巻線L1に伝送する。この時、巻線L1と巻線L2との巻数比に応じて変圧する。図1に示す例では、巻線L1の一方の接続端子には、インダクタL4が接続されている。なお、図1に示す例とは異なり、インダクタL4を設けず、トランス3の漏れインダクタンスで代用してもよい。また、図1に示す例とは異なり、巻線L2の一方の接続端子に、追加のインダクタを接続してもよい。
2つのインバータ1,2はそれぞれ、直流電圧と交流電圧との相互変換を行う。本実施形態において、直流電源B1から直流電源B2に電力供給を行う場合には、インバータ1は、直流電圧から交流電圧への変換を行い、インバータ2は、交流電圧から直流電圧への変換(整流)を行う。一方、直流電源B2から直流電源B1に電力供給を行う場合には、インバータ2は、直流電圧から交流電圧への変換を行い、インバータ1は、交流電圧から直流電圧への変換(整流)を行う。
インバータ1は、入出力端子対T1と巻線L1との間に電気的に介在する。インバータ1は、直流端11と交流端12とを含む。図1に示すように、直流端11および交流端12はそれぞれ、一対の接続端子を有する。直流端11は、入出力端子対T1に接続され、交流端12は、インダクタL4を介して、巻線L1に接続される(なお、インダクタL4は、交流端12の一方の接続端子と巻線L1の一方の接続端子との間に接続される)。以下では、直流端11(の一対の接続端子)に印加される直流電圧を「第1バスライン電圧VBUS1」、直流端11(の一対の接続端子)に流れる直流電流を「第1バスライン電流IBUS1」という。本実施形態では、直流端11は、入出力端子対T1に接続されるので、第1バスライン電圧VBUS1と第1電源電圧E1とは、略同じ値となり、第1バスライン電流IBUS1と第1電源電流IE1とは、略同じ値となる。
インバータ1は、複数のスイッチング素子Q11~Q14を含み、複数のスイッチング素子Q11~Q14がフルブリッジ接続されている。各スイッチング素子Q11~Q14は、制御部8から入力される駆動信号(例えばPWM信号)に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる。複数のスイッチング素子Q11~Q14にはそれぞれ、図1に示すように、複数のダイオードD11~D14がそれぞれ、逆並列に接続されている。説明の便宜上、スイッチング素子Q11とダイオードD11との並列回路をスイッチング部SW11という。同様に、各スイッチング素子Q12~Q14と各ダイオードD12~D14との各並列回路をそれぞれスイッチング部SW12~SW14という。インバータ1は、直流-交流変換の際、一対のスイッチング素子Q11,Q14と、一対のスイッチング素子Q12,Q13とが、交互にオン状態とオフ状態とが切り替わる。また、インバータ1は、交流-直流変換の際、複数のスイッチング素子Q11~Q14がそれぞれオフ状態となり、各ダイオードD11~D14が適宜導通する。
インバータ2は、入出力端子対T2と巻線L2との間に電気的に介在する。インバータ2は、直流端21と交流端22とを含む。図1に示すように、直流端21および交流端22はそれぞれ、一対の接続端子を有する。直流端21は、昇降圧チョッパ回路4に接続され、交流端22は、巻線L2に接続される。以下では、直流端21(の一対の接続端子)に印加される直流電圧を「第2バスライン電圧VBUS2」、直流端21(の一対の接続端子)に流れる直流電流を「第2バスライン電流IBUS2」という。
インバータ2は、複数のスイッチング素子Q21~Q24を含み、複数のスイッチング素子Q21~Q24がフルブリッジ接続されている。各スイッチング素子Q21~Q24は、制御部8から入力される駆動信号(例えばPWM信号)に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる。複数のスイッチング素子Q21~Q24にはそれぞれ、図1に示すように、複数のダイオードD21~D24がそれぞれ、逆並列に接続されている。説明の便宜上、スイッチング素子Q21とダイオードD21との並列回路をスイッチング部SW21という。同様に、各スイッチング素子Q22~Q24と各ダイオードD22~D24との各並列回路をそれぞれスイッチング部SW22~SW24という。インバータ2は、直流-交流変換の際、一対のスイッチング素子Q21,Q24と、一対のスイッチング素子Q22,Q23とが、交互にオン状態とオフ状態とが切り替わる。また、インバータ2は、交流-直流変換の際、複数のスイッチング素子Q21~Q24がそれぞれオフ状態となり、各ダイオードD21~D24が適宜導通する。
昇降圧チョッパ回路4は、インバータ2と入出力端子対T2との間に接続される。本実施形態では、昇降圧チョッパ回路4は、インバータ2から入力される電圧を降圧して、入出力端子対T2に出力する。また、昇降圧チョッパ回路4は、入出力端子対T2から入力される電圧を昇圧して、インバータ2に出力する。
昇降圧チョッパ回路4は、図1に示すように、2つのスイッチング素子Q31,Q32、2つのダイオードD31,D32、インダクタL3およびコンデンサCを含む。2つのスイッチング素子Q31,Q32は、制御部7から入力される駆動信号に応じて、オン状態とオフ状態とが切り替わる。2つのスイッチング素子Q31,Q32は、直列に接続されており、インバータ2の直流端21に接続されている。図1に示す例では、インバータ2の直流端21に対して、スイッチング素子Q31が高電位側に接続され、スイッチング素子Q32が低電位側に接続される。ダイオードD31は、スイッチング素子Q31に逆並列に接続され、ダイオードD32は、スイッチング素子Q32に逆並列に接続される。インダクタL3は、2つのスイッチング素子Q31,Q32の接続点と、入出力端子対T2の高電位側の接続端子に接続されている。コンデンサCは、2つのスイッチング素子Q31,Q32の直列回路に対して、並列に接続されている。なお、昇降圧チョッパ回路4は、上記した構成に限定されない。
昇降圧チョッパ回路4は、スイッチング素子Q32がオフ状態のときに、スイッチング素子Q31がスイッチング動作することで、降圧回路として動作する。また、スイッチング素子Q31がオフ状態のときに、スイッチング素子Q32がスイッチング動作することで、昇圧回路として動作する。
図1に示す例では、各スイッチング素子Q11~Q14,Q21~Q24,Q31,Q32は、バイポーラトランジスタである。この構成と異なり、各スイッチング素子Q11~Q14,Q21~Q24,Q31,Q32はそれぞれ、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)およびIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの他のトランジスタであってもよい。
電圧検出器51は、インバータ1の直流端11に印加される直流電圧(第1バスライン電圧VBUS1)を検出する。電圧検出器51は、検出した第1バスライン電圧VBUS1を、制御部7に出力する。
電圧検出器52は、インバータ2の直流端21に印加される直流電圧(第2バスライン電圧VBUS2)を検出する。電圧検出器52は、検出した第2バスライン電圧VBUS2を、各制御部7,8に出力する。
電圧検出器53は、入出力端子対T2に印加される直流電圧(第2電源電圧E2)を検出する。電圧検出器53は、検出した第2電源電圧E2を、制御部8に出力する。
電流検出器61は、インバータ2の直流端21に流れる直流電流(すなわち、第2バスライン電流IBUS2)を検出する。図1に示す例では、電流検出器61は、直流端21の低電位側の接続端子に繋がる接続線に配置されるが、この例と異なり、直流端21の高電位側の接続端子に繋がる接続線に配置されてもよい。電流検出器61は、検出した第2バスライン電流IBUS2を、制御部8に出力する。
制御部7は、複数のスイッチング素子Q31,Q32に駆動信号を入力することで、昇降圧チョッパ回路4を制御する。トランス3の巻数比が1:1である例において、制御部7は、下記(1)式を満たすように、つまり、第1バスライン電圧VBUS1と第2バスライン電圧VBUS2とが等しくなるように、複数のスイッチング素子Q31,Q32の各スイッチング動作を制御する。トランス3の巻数比が1:1でない構成では、下記(1)式は、トランス3の巻数比に応じた式となる。具体的には、巻線L1の巻き数をNp、巻線L2の巻き数をNs(すなわちトランス3の巻数比がNp:Ns)とすると、制御部7は、Ns×VBUS1=Np×VBUS2を満たすように、昇降圧チョッパ回路4を制御する。
例えば、制御部7は、図1に示すように、差分器71および駆動部72を含む。差分器71は、第1バスライン電圧VBUS1と第2バスライン電圧VBUS2との差分を演算する。以下では、差分器71の演算結果(差分)を、「第1差分」という。本実施形態では、図1に示すように、差分器71は、第1バスライン電圧VBUS1から第2バスライン電圧VBUS2を減算することで、第1差分を演算する。トランス3の巻数比が1:1でない構成では、差分器71は、トランス3の巻数比を考慮して第1差分を演算する。例えば、差分器71は、第1バスライン電圧VBUS1と巻線L2の巻き数Nsとの乗算値から、第2バスライン電圧VBUS2と巻線L1の巻き数Npとの乗算値を減算することで、第1差分を演算する。駆動部72は、差分器71から入力される第1差分が0(ゼロ)となるように、各スイッチング素子Q31,Q32の駆動信号を生成する。駆動部72は、生成した駆動信号を各スイッチング素子Q31,Q32に出力する。
制御部8は、複数のスイッチング素子Q11~Q14,Q21~Q24に駆動信号を入力することで、2つのインバータ1,2をそれぞれ制御する。制御部8は、下記(2)式を満たすように、つまり、第2バスライン電流IBUS2が、第2電源電圧E2を第2バスライン電圧VBUS2で除算した値に、第2電源電流IE2の設定値IE2_refを乗算した演算値となるように、複数のスイッチング素子Q11~Q14,Q21~Q24の各スイッチング動作を制御する。なお、第2電源電流IE2の設定値IE2_refは、後述の設定部81によって設定される。
例えば、制御部8は、図1に示すように、設定部81、除算器82、乗算器83、差分器84、および、駆動部85を含む。設定部81は、第2電源電流IE2の設定値IE2_refを設定し、設定した第2電源電流IE2の設定値IE2_refを乗算器83に出力する。なお、図1に示す例と異なり、設定部81は、制御部8に含まれず、制御部8と別に設けられていてもよい。除算器82は、第2電源電圧E2を第2バスライン電圧VBUS2で除算する。除算器82は、除算結果(E2/VBUS2)を、乗算器83に出力する。乗算器83は、除算器82の除算結果と、第2電源電流IE2の設定値IE2_refとを乗算する。乗算器83は、乗算結果((E2/VBUS2)×IE2_ref)を、差分器84に出力する。差分器84は、乗算器83の乗算結果と第2バスライン電流IBUS2との差分を演算する。以下では、差分器84の演算結果(差分)を、「第2差分」という。本実施形態では、図1に示すように、差分器84は、乗算器83の乗算結果から第2バスライン電流IBUS2を減算することで、第2差分を演算する。駆動部85は、差分器84から入力される第2差分が0(ゼロ)となるように、各スイッチング素子Q11~Q14,Q21~Q24の駆動信号を生成する。駆動部85は、生成した駆動信号を各スイッチング素子Q11~Q14,Q21~Q24に出力する。
次に、電源装置A1において、直流電源B1から直流電源B2に電力供給を行う場合のインバータ1のスイッチング動作例について、図2を参照して、説明する。図2は、電源装置A1におけるインバータ1のスイッチング動作をシミュレーションした結果を示している。電源装置A1でのシミュレーションでは、第1電源電圧E1に電圧変動が生じた場合を想定して、第1電源電圧E1が320Vである場合を基本に、第1電源電圧E1を±10%分変動させて、第1電源電圧E1が、320Vである場合、288V(320V-10%)である場合、および、352V(320V+10%)である場合の、3つの場合でそれぞれシミュレーションした。図2(a)は、第1電源電圧E1が288V(320Vの-10%)の場合のシミュレーション結果を、図2(b)は、第1電源電圧E1が320Vの場合のシミュレーション結果を、図2(c)は、第1電源電圧E1が352V(320Vの+10%)の場合のシミュレーション結果をそれぞれ示している。つまり、図2(b)は、第1電源電圧E1に変動が生じていない理想的な場合のシミュレーション結果であり、図2(a)は、第1電源電圧E1が低下した場合のシミュレーション結果であり、図2(c)は、第1電源電圧E1が増加した場合のシミュレーション結果である。その他、電源装置A1でのシミュレーションでは、第2電源電圧E2を48V、第2電源電流IE2を22A、トランス3の巻数比を1:1(巻線L1の巻き数を320、巻線L2の巻き数を320)、トランス3の巻線L1の励磁インダクタンスを1mH、インダクタL4のインダクタンスを30μHとした。
また、電源装置A1の比較対象として、昇降圧チョッパ回路4を備えない構成(例えば従来のDAB回路)においても、同様にシミュレーションした。図3は、昇降圧チョッパ回路4を備えない構成におけるインバータ1のスイッチング動作をシミュレーションした結果を示している。昇降圧チョッパ回路4を備えない構成でのシミュレーションでは、電源装置A1でのシミュレーションと同様に、第1電源電圧E1に電圧変動が生じた場合を想定して、第1電源電圧E1を変えた3つの場合でそれぞれシミュレーションした。昇降圧チョッパ回路4を備えない構成でのシミュレーションでは、電源装置A1でのシミュレーションと異なり、トランス3の巻数比が1:1ではなく、巻線L1の巻き数を320、巻線L2の巻き数を48とした。その他の数値は、電源装置A1でのシミュレーションと同様である。
図2(a)~(c)および図3(a)~(c)は、インバータ1のスイッチング部SW11におけるスイッチング波形を示している。図2(a)~(c)および図3(a)~(c)のそれぞれにおいて、上段は、スイッチング部SW11(スイッチング素子Q11)に入力する駆動信号(PWM信号)を示す波形であり、中段は、スイッチング部SW11に印加される電圧(以下「スイッチング電圧」という)の波形であり、下段は、スイッチング部SW11に流れる電流(以下「スイッチング電流」という)の波形である。なお、スイッチング部SW14においては、スイッチング部SW11の各波形と同様であり、スイッチング部SW12,SW13においては、スイッチング部SW11の各波形と位相が異なるが波形の形状は略同じである(例えばスイッチング部SW11の各波形を反転させた波形となる)。
電源装置A1では、図2(a)~(c)のいずれにおいても、スイッチング素子Q11がターンオン(オフ状態からオン状態への切り替わり)する時刻t2で、スイッチング部SW11のスイッチング電圧が0Vである。これは、時刻t2以前の時刻t1において、ダイオードD11が導通するので、スイッチング電圧が0Vとなるからである。図2(a)~(c)のそれぞれにおいて、時刻t1で、スイッチング部SW11のスイッチング電流が負の値を示すことから、ダイオードD11が導通していることが分かる。したがって、電源装置A1では、第1電源電圧E1が変化しても、スイッチング電圧が0Vの時に、ターンオンするので、ソフトスイッチングされていることが分かる。
一方、昇降圧チョッパ回路4を備えない構成では、図3(b),(c)に示すように、電源装置A1と同様に、スイッチング素子Q11がターンオン(オフ状態からオン状態への切り替わり)する時刻t2で、スイッチング部SW11のスイッチング電圧が0Vであるので、ソフトスイッチングされている。しかしながら、図3(a)においては、スイッチング部SW11のスイッチング電圧が0Vでない時に、スイッチング素子Q11がターンオンしている。つまり、昇降圧チョッパ回路4を備えない構成では、第1電源電圧E1が変化すると、ソフトスイッチングされないことがある。
したがって、図2および図3から理解されるように、昇降圧チョッパ回路4を備えない構成では、第1電源電圧E1に電圧変動が生じると、ソフトスイッチングできないことがあるが、電源装置A1では、第1電源電圧E1に電圧変動が生じても、ソフトスイッチングできていることが分かる。
上記電源装置A1のシミュレーションでは、第1電源電圧E1が変動した例を示したが、第2電源電圧E2が変動した場合も、同様にインバータ1の各スイッチング素子Q11~Q14がソフトスイッチングされる。また、上記電源装置A1のシミュレーションでは、直流電源B1から直流電源B2に電力が供給される場合(例えば蓄電池を充電する場合)を示したが、反対に、直流電源B2から直流電源B1に電力が供給される場合(例えば蓄電池を放電する場合)も、同様にインバータ2の各スイッチング素子Q21~Q24がソフトスイッチングされる。
電源装置A1の作用および効果は、次の通りである。
電源装置A1において、2つのインバータ1,2とトランス3とは、DAB方式の双方向DC/DCコンバータである。昇降圧チョッパ回路4は、インバータ2と入出力端子対T2との間に接続される。この構成によれば、昇降圧チョッパ回路4によって、インバータ2と入出力端子対T2との間において、昇圧または降圧が可能である。したがって、入出力端子対T2に印加される第2電源電圧E2(直流電源B2の電源電圧)に電圧変動が生じても、昇降圧チョッパ回路4によって、インバータ2に印加される直流電圧(直流端21に印加される電圧)を、定電圧に制御することが可能となる。これにより、2つのインバータ1,2およびトランス3(DAB回路)は、第2電源電圧E2の電圧変動による影響が低減される。つまり、電源装置A1は、第2電源電圧E2の電圧変動が生じても、ソフトスイッチングが可能となるので、2つの入出力端子対T1,T2間の電力伝送の高効率化を図ることが可能となる。
電源装置A1は、昇降圧チョッパ回路4を制御する制御部7を備える。制御部7は、上記(1)式を満たすように、つまり、第1バスライン電圧VBUS1と第2バスライン電圧VBUS2とが等しくなるように、各スイッチング素子Q31,Q32を制御する。この構成によれば、昇降圧チョッパ回路4によって、第2バスライン電圧VBUS2が第1バスライン電圧VBUS1に応じて補正されるので、DAB回路(2つのインバータ1,2およびトランス3)の両端部(各直流端11,21)の電位差が、2つの直流電源B1,B2の各電圧変動に関わらず、一定となる。したがって、第1電源電圧E1および第2電源電圧E2の電圧変動が生じても、第1バスライン電圧VBUS1と第2バスライン電圧VBUS2とが等しくなるので、各インバータ1,2のソフトスイッチングにとって好ましい状態が保持される。つまり、電源装置A1は、DAB回路において、直流電源B1,B2の各電圧変動による影響を受けることなく、ソフトスイッチングが可能となるので、2つの入出力端子対T1,T2間の電力伝送の高効率化を図ることが可能となる。
電源装置A1は、2つのインバータ1,2を制御する制御部8を備える。電源装置A1において、DAB回路(2つのインバータ1,2およびトランス3)から昇降圧チョッパ回路4へ供給(消費)する電力と、直流電源B2が消費(供給)する電力とが等しければ、第2バスライン電圧VBUS2および第2バスライン電流IBUS2による電力と、第2電源電圧E2および第2電源電流IE2による電力とに過不足が生じない。したがって、第2バスライン電圧VBUS2が一定になるように制御され、かつ、DAB回路で第2バスライン電流IBUS2を制御すれば、第2電源電流IE2を制御できることになる。そこで、電源装置A1では、制御部8は、上記(2)式を満たすように、つまり、第2バスライン電流IBUS2が、第2電源電圧E2を第2バスライン電圧VBUS2で除算した値に、第2電源電流IE2の設定値IE2_refを乗算した演算値となるように、各スイッチング素子Q11~Q14,Q21~Q24のスイッチング動作を制御する。したがって、電源装置A1は、第2バスライン電流IBUS2の制御によって、第2電源電流IE2を制御できるので、直流電源B2の定電流制御が可能となる。これにより、電源装置A1は、例えば直流電源B2が蓄電池である場合において、当該蓄電池の充電電流および放電電流を定電流制御することが可能となる。
電源装置A1では、トランス3は、巻線L1と巻線L2との巻数比が1:1である。電源装置A1では、昇降圧チョッパ回路4の昇圧または降圧動作によって、2つの入出力端子対T1,T2間での変圧(すなわち、第1電源電圧E1と第2電源電圧E2との相互変換)を行う。この構成とは異なり、トランス3の巻数比を変え、トランス3の変圧作用によって、2つの入出力端子対T1,T2間での変圧を行うことも可能である。なお、この構成では、昇降圧チョッパ回路4は、主に第1電源電圧E1および第2電源電圧E2の電圧変動の影響を抑制することに作用する。したがって、本開示の電源装置では、トランス3の巻数比が1:1でなくてもよい。しかしながら、トランス3の変圧作用によって2つの入出力端子対T1,T2間での変圧を行う構成では、第1電源電圧E1および第2電源電圧E2に応じて、トランス3の巻数比を設計する必要がある。また、トランス3の巻数比が1:1であれば、トランス3の巻数比が1:1でない場合よりも、結合係数を1に近づけ易いので、トランス3での漏れ磁束を低減させることが可能となる。したがって、電源装置A1は、トランス3の巻数比が1:1であることで、トランス3の設計が容易となり、かつ、2つの入出力端子対T1,T2間の電力伝送の高効率化をさらに図ることが可能となる。
なお、電源装置A1では、昇降圧チョッパ回路4を設けたことで、昇降圧チョッパ回路4での電力損失の分だけ、電源装置A1全体の電力損失が増加することがある。しかしながら、電源装置A1は、以下に示す利点がある。第1に、昇降圧チョッパ回路4は、絶縁トランスを用いないので、トランス3で昇圧または降圧する場合よりも高周波化する必要がなく、低周波(例えば5kHz以上10kHz以下)で動作可能である。つまり、電源装置A1は、昇降圧チョッパ回路4でのスイッチング損失を小さくすることが可能である。第2に、第1電源電圧E1が400V、第2電源電圧E2が24Vといった著しい電位差が大きい場合でも、電源装置A1は、トランス3の巻数比を1:1で構成することができる。トランス3の巻数比を1:1で構成できれば、上記するように、トランス設計が容易であり、かつ結合係数を1に近づけることが可能となる。第3に、電源装置A1は、DAB回路における電流波高率を常時1に近づけることができるので、各巻線L1,L2による損失を低減できる。以上のことを考慮すると、昇降圧チョッパ回路4での電力損失が生じても、DAB回路に昇降圧チョッパ回路4を設けることの利点は、大きい。
上記実施形態では、昇降圧チョッパ回路4が、インバータ2と入出力端子対T2との間に接続された例を示したが、この例と異なり、昇降圧チョッパ回路4は、インバータ1と入出力端子対T1との間に接続されてもよい。2つの昇降圧チョッパ回路4を備え、インバータ1と入出力端子対T1との間、インバータ2と入出力端子対T2との間に、それぞれ昇降圧チョッパ回路4が接続されていてもよい。図4は、昇降圧チョッパ回路4が、インバータ1と入出力端子対T1との間に接続された例を示している。
図4に示す例では、電圧検出器53は、入出力端子対T1に印加される直流電圧(すなわち、第1電源電圧E1)を検出する。電流検出器61は、インバータ1の直流端11に流れる直流電流(すなわち、第1バスライン電流IBUS1)を検出する。図4に示す例では、電流検出器61は、直流端11の低電位側の接続端子に繋がる接続線に配置されるが、直流端11の高電位側の接続端子に繋がる接続線に配置されてもよい。設定部81は、第2電源電流IE2の設定値IE2_refではなく、第1電源電流IE1の設定値IE1_refを設定する。そして、各制御部7,8は、各電圧検出器51~53および電流検出器61の各検出値と設定部81の設定値とを用いて、上記(1)式および上記(2)式と同様の演算を行う。例えば、制御部7は、電源装置A1の制御部7と同様に、上記(1)式を満たすように、複数のスイッチング素子Q31,Q32の各スイッチング動作を制御する。制御部8は、第1バスライン電流IBUS1が、第1電源電圧E1を第1バスライン電圧VBUS1で除算した値に、第1電源電流IE1の設定値IE1_refを乗算した演算値となるように、つまり、下記(3)式を満たすように、複数のスイッチング素子Q11~Q14および複数のスイッチング素子Q21~Q24の各スイッチング動作を制御する。
図4に示す例においても、上記電源装置A1と同様に、第1電源電圧E1および第2電源電圧E2に電圧変動が生じても、インバータ1,2のソフトスイッチングが可能となる。また、図4に示す例では、DAB回路(2つのインバータ1,2およびトランス3)に供給される電圧が低くなるので、耐電圧が低い素子を用いることが可能となる。
図1に示す例および図4に示す例では、直流電源B1の電源電圧(第1電源電圧E1)が、直流電源B2の電源電圧(第2電源電圧E2)よりも大きい例を示したが、反対に、直流電源B2の電源電圧(第2電源電圧E2)が、直流電源B1の電源電圧(第1電源電圧E1)よりも大きくてもよい。
本開示にかかる電源装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の電源装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1:電源装置、1,2:インバータ、11,21:直流端、12,22:交流端、3:トランス、L1,L2:巻線、4:昇降圧チョッパ回路、51,52,53:電圧検出器、61:電流検出器、7,8:制御部、T1,T2:入出力端子対、B1,B2:直流電源、Q11~Q14,Q21~Q24,Q31,Q32:スイッチング素子、L3,L4:インダクタ

Claims (3)

  1. 第1巻線および第2巻線を有するトランスと、
    第1直流電源を接続するための第1入出力端子対と、
    第2直流電源を接続するための第2入出力端子対と、
    前記第1入出力端子対と前記第1巻線との間に電気的に介在し、複数の第1スイッチング素子がフルブリッジ接続された第1インバータと、
    前記第2入出力端子対と前記第2巻線との間に電気的に介在し、複数の第2スイッチング素子がフルブリッジ接続された第2インバータと、
    第3スイッチング素子を含む昇降圧チョッパ回路と、
    前記第1インバータの直流端に印加される第1直流電圧を検出する第1電圧検出器と、
    前記第2インバータの直流端に印加される第2直流電圧を検出する第2電圧検出器と、
    前記第2入出力端子対に印加される第3直流電圧を検出する第3電圧検出器と、
    前記第2インバータの直流端に流れる第1直流電流を検出する電流検出器と、
    前記昇降圧チョッパ回路を制御する第1制御部と、
    前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御する第2制御部と、
    を備え、
    前記昇降圧チョッパ回路は、前記第2インバータと前記第2入出力端子対との間に接続され
    前記第1制御部は、前記第1直流電圧と前記第2直流電圧とが等しくなるように、前記第3スイッチング素子のスイッチング動作を制御し、
    前記第2制御部は、前記第2入出力端子対に流れる第2直流電流を設定する設定部を有し、かつ、前記第1直流電流が、前記第3直流電圧を前記第2直流電圧で除算した値に、前記第2直流電流の設定値を乗算した演算値となるように、前記複数の第1スイッチング素子および前記複数の第2スイッチング素子の各スイッチング動作を制御する、電源装置。
  2. 前記トランスは、前記第1巻線と前記第2巻線との巻数比が1:1である、請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記第1入出力端子対に印加される直流電圧は、前記第2入出力端子対に印加される直流電圧よりも大きい、請求項1または請求項2に記載の電源装置。
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