JP7732908B2 - 耐熱性シラン架橋樹脂成形体、シラン架橋性樹脂組成物及びそれらの製造方法、並びに配線材 - Google Patents
耐熱性シラン架橋樹脂成形体、シラン架橋性樹脂組成物及びそれらの製造方法、並びに配線材Info
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Description
近年、電気・電子機器等の高性能化、高機能化が進展し、これらに用いられる配線材については更に高い耐熱性が求められるようになっている。例えば、自動車用配線材(特に自動車のエンジンルームに搭載されるケーブル、架橋電線)については、非常に高い耐熱温度が要求されており、具体的には、日本自動車技術会規格(JASO)では、耐熱性試験(耐老化性試験)として150℃で10,000時間経過後の引張伸びが100%以上(伸び率が100%以上)であることが規定されており、これを満たすことが要求されている。
このような高い耐熱性を満たす配線材としては、従来、導体の周囲に設ける絶縁被覆層を、シリコーン、フッ素ゴム、フッ素樹脂等をベース材料として含有する組成物で形成した配線材が挙げられる。しかし、シリコーン材料は、油や溶剤に対する耐性に問題があり、エンジンオイルやバッテリー液と触れる可能性のある用途には適さない。また、フッ素ゴム、フッ素樹脂は、非常に高価であり、かつ材料の密度が高く配線材の質量も大きくなるため、軽量化・低コストを求められる配線材には適さない。
上記問題点を踏まえて、ベース材料として安価で軽量なポリオレフィン樹脂を架橋して被覆層を形成することにより、耐熱性に優れた配線材(架橋電線)を製造する方法が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、ポリエチレン等を主成分とするベース樹脂に、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、金属水酸化物及び酸化亜鉛を含有する樹脂組成物を電子線照射架橋して、ノンハロゲン絶縁電線を製造する方法が記載されている。
また、特許文献2には、配線材の被覆層を形成する耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法として、ベース樹脂、有機過酸化物、金属水和物、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン、シランカップリング剤及びシラノール縮合触媒を特定の割合で含有する架橋性樹脂成形体をシラン架橋させる方法が記載されている。
更に、特許文献3には、配線材の被覆層を形成する難燃性架橋樹脂成形体の製造方法として、エチレンゴム等の特定の樹脂成分を含有するベース樹脂と、有機過酸化物と、ベーマイト、シランカップリング剤と、シラノール縮合触媒とを特定の割合で含有する難燃性架橋性樹脂組成物をシラン架橋させる方法が記載されている。
また、特許文献2及び3に記載された製造方法で製造される耐熱性シラン架橋樹脂成形体又は難燃性架橋樹脂成形体においては、ある程度の耐熱性を示すが、優れた外観と高い耐熱性を両立させるには更なる検討の余地がある。
<1>エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種のエチレン共重合体を含むベース樹脂100質量部に対し、ベーマイト9~80質量部と、前記ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤1~15質量部と、シラノール縮合触媒0.01~0.5質量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤とを含有し、かつ、水酸化アルミニウムを含有しないシラン架橋性樹脂組成物をシラン架橋させる、耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法であって、
下記工程(a)、工程(b)、工程(c)、工程(d)及び工程(e)を有し、工程(a)及び工程(b)の少なくとも一方の工程で前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤又は前記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤を混合する、耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
工程(a):前記ベース樹脂の一部と、前記ベーマイトと、前記ベース樹脂にグラフト化
反応しうるグラフト化反応部位を有するシランカップリング剤と、前記ベー
ス樹脂100質量%に対して0.01~0.5質量部の有機過酸化物とを、
前記有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、シランマス
ターバッチを調製する工程
工程(b):前記ベース樹脂の残部と前記シラノール縮合触媒とを溶融混合して、触媒マ
スターバッチを調製する工程
工程(c):前記シランマスターバッチと前記触媒マスターバッチとをドライブレンドし
て、シラン架橋性樹脂組成物を得る工程
工程(d):前記シラン架橋性樹脂組成物を成形して、成形体を得る工程
工程(e):前記成形体と水とを接触させて、耐熱性シラン架橋樹脂成形体を得る工程
<2>前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、前記ベース樹脂100質量部に対して、0.5~5質量部含有している、<1>に記載の製造方法。
<3>前記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤が、前記ベース樹脂100質量部に対して、4~12質量部含有している、<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4>前記エチレン共重合体が、前記ベース樹脂100質量%中、10~70質量%の割合で含有している、<1>~<3>のいずれか1項に記載の製造方法。
<5>前記ベース樹脂に含まれる各エチレン共重合体が、酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸エステルを各エチレン共重合体中10~30質量%の割合で含む、<1>~<4>のいずれか1項に記載の製造方法。
<6>前記ベーマイトが、前記ベース樹脂100質量部に対して、9~50質量部含有している、<1>~<5>のいずれか1項に記載の製造方法。
<7>前記ベース樹脂がスチレン系エラストマー及び有機油を含有する、<1>~<6>のいずれか1項に記載の製造方法。
<8>エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種のエチレン共重合体を含むベース樹脂100質量部に対し、ベーマイト9~80質量部と、前記ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤1~15質量部と、シラノール縮合触媒0.01~0.5質量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤とを含有し、かつ、水酸化アルミニウムを含有しないシラン架橋性樹脂組成物の製造方法であって、
下記工程(a)、工程(b)及び工程(c)を有し、工程(a)及び工程(b)の少なくとも一方の工程で前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤又は前記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤を混合する、シラン架橋性樹脂組成物の製造方法。
工程(a):前記ベース樹脂の一部と、前記ベーマイトと、前記ベース樹脂にグラフト化
反応しうるグラフト化反応部位を有するシランカップリング剤と、前記ベー
ス樹脂100質量%に対して0.01~0.5質量部の有機過酸化物とを、
前記有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、シランマス
ターバッチを調製する工程
工程(b):前記ベース樹脂の残部と前記シラノール縮合触媒とを溶融混合して、触媒マ
スターバッチを調製する工程
工程(c):前記シランマスターバッチと前記触媒マスターバッチとをドライブレンドし
て、シラン架橋性樹脂組成物を得る工程
<9>上記<1>~<7>のいずれか1項に記載の製造方法により製造された耐熱性シラン架橋樹脂成形体。
<10>上記<8>に記載の製造方法により製造されたシラン架橋性樹脂組成物。
<11>導体の外周に被覆層を有する配線材であって、
前記被覆層が<9>に記載の耐熱性シラン架橋樹脂成形体の層である配線材。
<12>耐熱電線又はケーブルである、<11>に記載の配線材。
本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体は、後述するシラン架橋性樹脂組成物を成形後にシラン架橋(シラノール縮合反応)させて得られる架橋樹脂成形体(シラン架橋性樹脂組成物のシラノール縮合物からなる成形体)である。本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体は、外観不良を引き起こす原因の発生、特にブツ及び発泡の発生を抑制しながら製造が可能で、表面が平滑でブツ及び発泡のない優れた外観を有している。なお、本発明において、発泡が発生すると、主に成形体内部に気泡(空洞)が生じて成形体の特性低下を招くことになるが、発泡による上記気泡の有無についても成形体の外観特性の1とする。
本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体は、上述の優れた外観を示すだけでなく、更に、ポリオレフィン樹脂を含有していながらも、例えば150℃以上の高い耐熱性、具体的には、JASOに規定の150℃で10,000時間経過後の引張伸びに関する耐熱性試験を満たすほどの高い耐熱性を実現可能とする。耐熱性試験の詳細は実施例欄において説明する。
本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体は、水酸化アルミニウム、臭素系難燃剤、更には酸化亜鉛を含有していない。これら各成分を含有していなくても、上述の優れた特性を示す。耐熱性シラン架橋樹脂成形体において、各成分を含有していないとは、後述するシラン架橋性樹脂組成物におけるものと同義である。
本発明のシラン架橋性樹脂組成物は、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種のエチレン共重合体を含むベース樹脂100質量部に対し、ベーマイト9~80質量部と、ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤1~15質量部と、シラノール縮合触媒0.01~0.5質量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤とを含有し、かつ、水酸化アルミニウムを含有しない組成物である。このシラン架橋性樹脂組成物は、後述する、本発明のシラン架橋性樹脂組成物の製造方法により調製される組成物(ドライブレンド物)である。
詳細については後述するが、本発明のシラン架橋性樹脂組成物は、ベーマイト、更には適宜に含有される無機フィラーと結合若しくは解離したシランカップリング剤がベース樹脂、特にエチレン共重合体にグラフト化反応したシラン架橋性樹脂を含有している。このシラン架橋性樹脂組成物は、シラン架橋法(シラノール縮合反応)により、上記優れた特性を示す耐熱性シラン架橋樹脂成形体をシランカップリング剤の揮発や溶融混合中の発泡等を抑制しながら製造可能であり、本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法に好適に用いられる。
本発明において、組成物に含まれる水酸化アルミニウムには、任意の無機フィラーとして用いる水酸化アルミニウムに加えて、後述するベーマイト中に残存若しくは複合化している水酸化アルミニウムも包含する。
各成分は、それぞれ、1種又は2種以上を用いることができる。
<ベース樹脂>
本発明に用いるベース樹脂は、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種のエチレン共重合体を含むものであればよい。ベース樹脂がエチレン共重合体を含むと、ベーマイト及び2種の酸化防止剤との併用によって、高い耐熱性を発現するシラン架橋樹脂成形体を形成可能となる。
ベース樹脂は、エチレン共重合体に加えて、ポリオレフィン樹脂、更には、ポリオレフィン樹脂を形成する重合体等のゴム若しくはエラストマー、更には有機油等を含有することができる。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンゴム、スチレン系エラストマー及び有機油の少なくとも1種を含有することが好ましく、スチレン系エラストマー及び有機油を含有することがより好ましく、スチレン系エラストマー及び有機油と、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレンゴムの少なくとも1種とを含有することが更に好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンゴム、スチレン系エラストマー及び有機油を含有することが特に好ましい。
ベース樹脂を構成する各樹脂成分は、通常、シランカップリング剤のグラフト化反応部位とグラフト化反応するグラフト化反応可能な部位、例えば炭素鎖の不飽和結合部位や、水素原子を有する炭素原子、を主鎖中又はその末端に有している。ただし、本発明においては、グラフト化反応可能な部位を有するエチレン共重合体を用いるため、これ以外の樹脂成分としてグラフト化反応可能な部位を有さない樹脂成分を用いることもできる。
エチレン共重合体としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられ、エチレン-酢酸ビニル共重合体がより好ましい。エチレン共重合体を、ベーマイト及び後述する酸化防止剤と組み合わせて用いることにより、外観特性に優れた高い耐熱性を示すシラン架橋樹脂成形体を製造できる。ベース樹脂に含まれるエチレン共重合体は、2種以上であってもよく、2~3種とすることができるが、1種又は2種であることが好ましい。2種以上のエチレン共重合体としては、EVA又はエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体それぞれを併用してもよく、EVAとエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体とを組み合わせることもできる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体であれば、エチレン成分及び酢酸ビニル成分が交互に重合してなる交互共重合体であってもよく、また、エチレン成分の重合ブロック及び酢酸ビニル成分の重合ブロックが結合してなるブロック共重合体でもよく、更にエチレン成分及び酢酸ビニル成分がランダムに重合しているランダム共重合体であってもよい。
ベース樹脂として用いる各エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル成分の含有量(EV含有量)は、特に制限されず、適宜に設定できる。外観特性に優れ、かつ高い耐熱性を示す成形体を製造することができる点で、酢酸ビニル成分の含有量は、10~30質量%であることが好ましく、15~25質量%であることがより好ましい。複数のエチレン-酢酸ビニル共重合体を用いる場合、エチレン-酢酸ビニル共重合体全体における酢酸ビニル成分の含有量は、特に制限されず、適宜に設定できる。この酢酸ビニル含有量は、日本産業規格(JIS) K 7192に準拠して、求めることができる。
エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、エチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であれば、上述のエチレン-酢酸ビニル共重合体と同様に、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基の炭素数は1~12が好ましく、1~4がより好ましい。エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体(EBA)等が挙げられる。
ベース樹脂として用いる各エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体中の(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量(EA含有量)は、特に制限されず、適宜に設定できる。ブツの発生を効果的に抑制して外観特性に優れた成形体とすることができる点で、(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、10~30質量%であることが好ましく、15~25質量%であることがより好ましい。複数のエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用いる場合、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体全体における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、特に制限されず、適宜に設定できる。この(メタ)アクリル酸エステル含有量は、製造品である場合、製造時の重合量等から把握することができるが、市販品である場合、製造元若しくは販売元の資料(カタログ、製品情報等)に記載の値を採用できる。
ポリオレフィン樹脂は、エチレン性不飽和結合を有する化合物を単独重合又は共重合して得られる重合体からなる樹脂であれば特に限定されるものではなく、従来、耐熱性樹脂組成物に使用されている公知のものを使用することができる。
例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-α-オレフィン共重合体、酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有するポリオレフィン共重合体(上記エチレン共重合体を除く)等が挙げられる。
ポリプロピレン(PP)は、プロピレン成分を主成分とする重合体であれば特に限定されない。例えば、プロピレンの単独重合体のほか、ランダムポリプロピレン及びブロックポリプロピレンが挙げられる。
エチレン-α-オレフィン共重合体としては、好ましくは、エチレンと炭素数3~12のα-オレフィンとの共重合体(ポリエチレン及びポリプロピレンに含まれるものを除く)が挙げられる。例えば、エチレン-プロピレン共重合体(ポリプロピレンに含まれるものを除く)、エチレン-ブチレン共重合体、及びシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン-α-オレフィン共重合体等が挙げられる。
酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有するポリオレフィン共重合体における酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を導く化合物としては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸化合物等が挙げられる。酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有するポリオレフィン共重合体としては、例えば、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
ゴム又はエラストマーとしては、特に制限されず、例えば、エチレンゴム、スチレン系エラストマーが好ましく挙げられる。
- エチレンゴム -
エチレンゴムは、エチレン性不飽和結合を有する化合物を共重合して得られる共重合体のゴムであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。エチレンゴムとしては、好ましくは、エチレンとα-オレフィンとの二元共重合体ゴム、エチレンとα-オレフィンとジエン化合物との三元共重合体ゴム等が挙げられる。α-オレフィンとしては、特に制限されず、炭素数3~12の各α-オレフィン等が好ましい。
また、三元共重合体を構成するジエン化合物は、特に制限されず、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等の共役ジエン化合物、ジシクロペンタジエン(DCPD)、エチリデンノルボルネン(ENB)、1,4-ヘキサジエン等の非共役ジエン化合物等が挙げられ、非共役ジエン化合物が好ましい。二元共重合体ゴムとしては、エチレン-プロピレンゴム(EPM)が好ましく、三元共重合体ゴムとしては、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)が好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、分子内に芳香族ビニル化合物に由来する構成成分を有する重合体からなるエラストマーをいう。このようなスチレン系エラストマーとしては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック共重合体及びランダム共重合体、又は、それらの水素添加物等が挙げられる。より具体的には、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、水素化SIS、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、水素化SBS、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレン-ブタジエンゴム(HSBR)等が挙げられる。
ベース樹脂は、各種オイルを含有していてもよく、特にエラストマーとともに含有されることが好ましい。ベース樹脂がエラストマーと有機油とを含有していると、シラン架橋性樹脂組成物の成形性が改良され、外観特性の改善を補強できる。このようなオイルとして、ポリオレフィン樹脂に用いられる可塑剤又はゴムの鉱物油軟化剤としてのオイルが挙げられる。鉱物油軟化剤は、芳香族環を有する炭化水素からなるオイル、ナフテン環を有する炭化水素からなるオイル及びパラフィン鎖を有する炭化水素からなるオイルの三者を含む混合油である。これらの中でも、パラフィンオイル、ナフテンオイルが好適に用いられ、特にパラフィンオイルが好適に用いられる。
ベース樹脂100質量%中における、エチレン共重合体の総含有率は、特に制限されないが、外観特性及び耐熱性の両立の点で、10~70質量%であることが好ましく、15~50質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。
ベース樹脂100質量%中における、ポリオレフィン樹脂の総含有率は、特に制限されないが、外観特性及び耐熱性の両立の点で、10~70質量%であることが好ましく、15~50質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることが更に好ましい。
ベース樹脂100質量%中における、ポリエチレンの含有率は、特に制限されず、上記ポリオレフィン樹脂の総含有量を考慮して適宜に設定され、例えば、10~70質量%であることが好ましく、15~40質量%であることがより好ましい。同様に、ベース樹脂100質量%中における、ポリプロピレンの含有率は、特に制限されず、上記ポリオレフィン樹脂の総含有量を考慮して適宜に設定され、例えば、3~20質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。エチレン-α-オレフィン共重合体及び酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有するポリオレフィン共重合体の、ベース樹脂100質量%中における含有率は、特に制限されず、上記ポリオレフィン樹脂の総含有量を考慮して適宜に設定され、例えば、それぞれ、0~20質量%とすることができる。
ベース樹脂100質量%中における、有機油の含有率は、特に制限されないが、シラン架橋性樹脂組成物の成形性の点で、例えば、0~30質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。なお、ベース樹脂がエラストマー及び有機油を含有する場合、エラストマー及び有機油の合計含有量は、各含有量に応じて適宜に決定されるが、例えば、0質量部を超えて50質量%以下であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましい。
本発明に用いるベーマイトは、酸化アルミニウム水和物(Al2O3・H2O)である。ベーマイトは、フィラー又は難燃剤として作用するが、シランカップリング剤を保持して機械特性や耐熱性の改善に寄与する点で、その表面に、シランカップリング剤のシラノール縮合可能な反応部位と水素結合若しくは共有結合等、又は分子間結合により、化学結合しうる部位(例えば、酸素原子)を有しているものが好ましい。
ベーマイトは、通常、水酸化アルミニウムを水熱処理して合成することができ、市販品を用いることもできる。本発明に用いるベーマイトは、水熱処理を完結して酸化アルミニウム水和物からなるベーマイトに加えて、水熱処理反応を途中で停止して得られる、水酸化アルミニウムとの複合化物を用いることもできる。ただし、本発明においては、シラン架橋性樹脂組成物及び耐熱性シラン架橋樹脂成形体中における水酸化アルミニウムの含有量がそれぞれ上記範囲を満たす範囲に設定されたものとする。本発明においては、無機フィラーとしての水酸化アルミニウムの使用の有無及び使用量にもよるが、ベーマイト(複合化物)中の水酸化アルミニウムの存在量は、耐熱性シラン架橋樹脂成形体中の水酸化アルミニウムの許容含有量を考慮して適宜に決定され、例えば、後述する実施例における「水酸化アルミニウムの含有量測定方法」における測定値として、0~15質量%であることが好ましく、0~10質量%であることがより好ましい。
ベーマイトは、表面処理がされていても、されていなくてもよい。また粒子状であることも好ましい。ベーマイトの表面処理剤としては、無機フィラーの表面処理剤を特に制限されることなく用いることができ、例えば、各種の脂肪酸、シランカップリング剤等の各種のカップリング剤等が挙げられる。ベーマイトの表面処理量は、特に限定されないが、例えば、3質量%以下である。
シラン架橋性樹脂組成物は、ベース樹脂にグラフト化結合したシランカップリング剤を含有している。シランカップリング剤がグラフト化結合したベース樹脂は、後述する工程(a)で、シランカップリング剤とベース樹脂とがグラフト化反応することによって調製されることが好ましい。
本発明に用いる(グラフト化反応前の)シランカップリング剤は、有機過酸化物の分解により生じたラジカルの存在下で、ベース樹脂のグラフト化反応可能な部位にグラフト化反応しうるグラフト化反応部位(原子、又はエチレン性不飽和基等の官能基)を有している。また、シラノール縮合可能な反応部位として、加水分解性シリル基を有しており、ベーマイトや無機フィラーの化学結合しうる部位と反応しうることが好ましい。本発明に用いることができるシランカップリング剤としては、特に限定されず、従来のシラン架橋法に使用されているシランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤としては、エチレン性不飽和基及び加水分解性シリル基を有するシランカップリング剤が好適に挙げられ、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルアルコキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルコキシシラン等が挙げられる。中でも、ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランが特に好ましい。
シラノール縮合触媒は、ベース樹脂にグラフト化結合したシランカップリング剤のシラノール縮合可能な反応部位を水分の存在下で縮合反応(促進)させる働きがある。このシラノール縮合触媒の働きに基づき、シランカップリング剤を介してベース樹脂が架橋される。
このようなシラノール縮合触媒としては、特に制限されず、例えば、有機スズ化合物、金属石けん、白金化合物等が挙げられる。有機スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤であれば特に限定されず、公知のもの、例えば配線材等の分野で通常使用されているものを用いることができる。例えば、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス1010、BASF社製)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル(商品名:イルガノックス1076、BASF社製)、N,N’-ビス[3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン(イルガノックス1098(商品名)、BASF社製)、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(アデカスタブCDA-10(商品名)、ADEKA社製))等が挙げられる。
ベンゾイミダゾール系酸化防止剤としては、ベンゾイミダゾール構造を有する酸化防止剤であれば特に限定されず、公知のもの、例えば配線材等の分野で通常使用されているものを用いることができる。例えば、2-メルカプトベンゾイミダゾール又はその亜鉛塩(ノクラックMBZ、商品名、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-チオン・0.5亜鉛、大内新興化学工業社製)、2-メチルメルカプトベンゾイミダゾール又はその亜鉛塩、1,3-ジヒドロ-1-フェニル-2H-ベンズイミダゾール-2-チオン又はその亜鉛塩等が挙げられる。
本発明においては、ベーマイト以外の無機フィラーを用いてもよい。
この無機フィラーは、その表面に、シランカップリング剤のシラノール縮合可能な反応部位と化学結合しうる部位(例えば、水酸基、含水もしくは結晶水の水分子、カルボキシ基等のOH基、アミノ基、SH基等)を有するものが好ましい。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミニウム、ウイスカ、水和ケイ酸アルミニウム、水和ケイ酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の水酸基あるいは結晶水を有する化合物のような金属水和物や、窒化ほう素、シリカ(結晶質シリカ、非晶質シリカ等)、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、ほう酸亜鉛、ホワイトカーボン、硼酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛を使用することができる。無機フィラーは、表面処理剤で表面処理されていてもよい。
本発明において、シラン架橋性樹脂組成物の調製に際しては有機過酸化物を用いる。
有機過酸化物は、熱分解によりラジカルを発生して、シランカップリング剤のベース樹脂へのグラフト化反応(シランカップリング剤のグラフト化反応部位とベース樹脂のグラフト化反応可能な部位との共有結合形成反応であって、(ラジカル)付加反応ともいう。)を促進させる働きをする。有機過酸化物としては、特に制限はなく、例えば、一般式:R1-OO-R2、R3-OO-C(=O)R4、R5C(=O)-OO(C=O)R6で表される化合物が好ましく用いられる。ここで、R1~R6は各々独立にアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。各化合物のR1~R6のうち、いずれもアルキル基であるもの、又は、いずれかがアルキル基で残りがアシル基であるものが好ましい。
有機過酸化物の分解温度は、特許文献2に記載の方法で測定した分解温度として、80~195℃であるのが好ましく、125~180℃であるのが特に好ましい。
このような有機過酸化物としては、例えば、特許文献2の段落[0036]に記載の有機過酸化物が挙げられ、この記載はここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。なかでも、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B)、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3が好ましい。
本発明においては、電線、電気ケーブル、電気コード等において、通常、使用される各種の添加剤を用いることもできる。このような添加剤として、例えば、滑剤、金属不活性剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、更にはベース樹脂で説明したもの以外の(共)重合体等が挙げられる。難燃(助)剤としては臭素系難燃剤及び/又は三酸化アンチモンが挙げられる。
シラン架橋性樹脂組成物中における、ベーマイトの含有量は、特に制限されないが、優れた外観特性(表面平滑性)と高い耐熱性とをバランスよく両立でき、更に十分な架橋構造をも形成できる点で、ベース樹脂100質量部に対して、9~80質量部であり、9~50質量部であることが好ましく、20~40質量部であることがより好ましい。
シラン架橋性樹脂組成物中における、ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤の含有量(ベース樹脂にグラフト化反応する前の質量で換算した含有量)は、特に制限されないが、凝集塊(ブツ)の生成、及び揮発による発泡の発生を抑えて、表面が平滑で十分な架橋構造を有する耐熱性シラン架橋樹脂成形体を製造できる点で、ベース樹脂100質量部に対して、1~15質量部であり、2~10質量部であることが好ましく、2.5~6質量部であることがより好ましい。
シラン架橋性樹脂組成物中における、シラノール縮合触媒の含有量は、特に制限されないが、優れた外観特性(ブツの発生抑制)と高い耐熱性とをバランスよく両立でき、更に優れた表面平滑性をも可能とする点で、ベース樹脂100質量部に対して、0.01~0.5質量部であり、0.03~0.2質量部であることが好ましく、0.05~0.15質量部であることがより好ましい。
シラン架橋性樹脂組成物中における、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤の含有量は、特に制限されないが、高い耐熱性を実現し、更に外観特性(表面平滑性及びブツの発生抑制)をも改善できる点で、ベース樹脂100質量部に対して、2~15質量部であることが好ましく、4~12質量部であることがより好ましく、6~10質量部であることが更に好ましい。
シラン架橋性樹脂組成物中における、添加剤の含有量は、特に制限されず、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜に設定できる。ただし、臭素系難燃剤を含有する場合、上記含有量の範囲内とすることが好ましく、三酸化アンチモンは含有してもしていなくてもよい。
耐熱性シラン架橋樹脂成形体は、シラン架橋性樹脂組成物を成形後にシラノール縮合反応させて形成されるため、この成形体中の上記各成分の含有量は、通常、シラン架橋性樹脂組成物中における含有量と同じとなる。ただし、耐熱性シラン架橋樹脂成形体においては、シランカップリング剤はシラノール縮合反応する前の含有量、ベース樹脂は架橋する前の含有量とする。
以下、本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法を説明する。
本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法において、下記工程(a)~(c)を行うことにより、本発明のシラン架橋性樹脂組成物が製造される。
本発明の、耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法及びシラン架橋性樹脂組成物の製造方法を併せて、本発明の製造方法ということがある。
工程(a):ベース樹脂の一部と、ベーマイトと、ベース樹脂にグラフト化反応しうるグ
ラフト化反応部位を有するシランカップリング剤と、有機過酸化物とを、有
機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、シランマスターバ
ッチを調製する工程
工程(b):ベース樹脂の残部とシラノール縮合触媒とを溶融混合して、触媒マスターバ
ッチを調製する工程
工程(c):工程(a)で調製したシランマスターバッチと工程(b)で調製した触媒マ
スターバッチとをドライブレンドして、シラン架橋性樹脂組成物を得る工程
工程(d):工程(c)で得たシラン架橋性樹脂組成物を成形して、成形体を得る工程
工程(e):工程(d)で得た成形体と水とを接触させて、耐熱性シラン架橋樹脂成形体
を得る工程
工程(a)で混合する有機過酸化物の混合量は、ベース樹脂100質量部に対して、0.01~0.5質量部であり、0.1~0.2質量部が好ましい。有機過酸化物の混合量を上記範囲内にすることにより、架橋ゲル等に起因する凝集塊(ブツ)が発生することなく、また表面が平滑な耐熱性シラン架橋樹脂成形体が得られる。
本発明の製造方法において、工程(a)で混合するベース樹脂の一部は、特に限定されず、特定の樹脂成分であってもよく2種以上の樹脂成分であってもよく、適宜に選択される。例えば、エチレン共重合体、ポリオレフィン樹脂、エチレンゴム、スチレン系エラストマー、有機油等が挙げられる。工程(b)で混合するベース樹脂の残部(キャリア樹脂)は、工程(a)で混合するベース樹脂の一部に応じて決定されるが、エチレン共重合体を含むことが好ましく、スチレン系エラストマー及び有機油を更に含むことがより好ましい。工程(a)で混合するベース樹脂の割合は、工程(a)と工程(b)で混合するベース樹脂100質量%のうち、60~95質量%であることが好ましく、70~85質量%であることがより好ましい。
工程(a)は、ベース樹脂(特にエチレン共重合体)とシランカップリング剤とをベーマイトの共存下でグラフト化反応させて、ベース樹脂にシランカップリング剤がグラフト化結合したシラン架橋性樹脂を含むシランマスターバッチ(シランMB)を調製する工程である。
本工程では、ベース樹脂は、有機過酸化物の存在下、ベーマイト及びシランカップリング剤と、有機過酸化物の分解温度以上で、加熱混合される。これにより、溶融混合物としてシランMBが得られる。
本発明の製造方法においては、工程(a)を、下記工程(a-1)及び(a-2)により、下記の混合順で混合することが好ましい。
工程(a-1):ベーマイト及びシランカップリング剤を混合して混合物を調製する工程
工程(a-2):工程(a-1)で得られた混合物と、ベース樹脂の一部とを、有機過酸
化物の存在下で有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合す
る工程
有機過酸化物は、工程(a-2)の溶融混合の際に存在していればよく、工程(a-2)で混合されてもよいが、工程(a-1)で混合されることが好ましい。
この工程(a-2)の溶融混合方法及び条件は、特に限定されず、上記工程(a)の溶融混合方法及び条件を適用できる。
シランMBは、ペレット又は粉末状とすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、ベース樹脂の残部とシラノール縮合触媒とを溶融混合して、触媒マスターバッチ(触媒MB)を調製する。
工程(b)における溶融混合方法及び条件は、特に制限されず、上記工程(a)の溶融混合方法及び条件を適用できる。例えば、溶融混合温度は、ベース樹脂の溶融温度以上であればよく、120~200℃が好ましく、140~180℃がより好ましい。
触媒MBは、ペレット又は粉末状とすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、次いで、シランマスターバッチと触媒マスターバッチとをドライブレンドして、シラン架橋性樹脂組成物を調製する。
混合方法及び条件は、特に制限されないが、シラノール縮合反応の生起又は進行を抑制する観点から、非高温条件でドライブレンドする方法及び条件を採用することが好ましく、例えば、工程(a-1)における乾式混合の方法及び条件が挙げられる。
このシラン架橋性樹脂組成物は、シラン架橋性樹脂、ベーマイト、シラノール縮合触媒等を含有している。このシラン架橋性樹脂において、シランカップリング剤の、シラノール縮合可能な反応部位は、ベーマイトと結合若しくは吸着していてもよいが、シラノール縮合していない。したがって、シラン架橋性樹脂は、ベーマイトと結合若しくは吸着したシランカップリング剤がベース樹脂にグラフト化結合したシラン架橋性樹脂と、ベーマイトと結合若しくは吸着していないシランカップリング剤がベース樹脂にグラフト化結合したシラン架橋性樹脂とを含んでいる。
本発明の製造方法においては、次いで、シラン架橋性樹脂組成物を成形して、成形体を得る。工程(d)は、通常、ドライブレンド物であるシラン架橋性樹脂組成物を溶融混合して成形する。
成形方法は、特に限定されず、目的とする製品の形態に応じて、適宜に選択される。成形方法としては、例えば、押出機を用いた押出成形、射出成形機を用いた押出成形、その他の成形機を用いた成形が挙げられる。配線材を製造する場合、押出成形法が、生産性、更には導体と共押出できる点等で、好ましい。
成形条件(溶融混合条件)は、均一に混合することができれば特に限定されず、例えば、工程(a)の溶融混合方法及び条件を適用できる。例えば、本工程での溶融混合温度は、ベース樹脂が溶融する温度以上とし、80~250℃が好ましく、100~240℃がより好ましく、120~200℃が更に好ましい。この溶融混合においては、シラン架橋性樹脂組成物の溶融混合物の成形性を保持して、溶融混合方法及び条件を設定する。溶融混合物におけるシラン架橋性樹脂は、シランカップリング剤がシラノール縮合していない未架橋体である。実際的には、工程(d)で溶融混合すると、一部架橋(部分架橋)は避けられないが、得られる溶融混合物について成形性が保持されたものとする。例えば、シラノール縮合反応の生起又は進行を避けるため、溶融混合されたシラン架橋性樹脂組成物が高温状態で長時間保持されないことが好ましい。
本発明の製造方法においては、次いで、工程(d)で得られた成形体と水とを接触させて、耐熱性シラン架橋樹脂成形体を製造する。工程(d)で得られた成形体は、未架橋体であるため、本工程により、ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤のシラノール縮合可能な反応部位についてシラノール縮合反応を生起、進行(促進)させて、最終架橋された成形体とする。
未架橋成形体と水との接触は、通常の方法によって行うことができる。シラノール縮合反応は、常温、例えば20~25℃程度の温度環境下で放置するだけでも進行するが、水と積極的に接触させて、シラノール縮合反応(架橋反応)を促進させることが好ましい。接触方法としては、シラン架橋法に通常適用される方法(条件)を挙げることができ、例えば、温水への浸水、湿熱槽への投入、高温の水蒸気への暴露等の各接触方法を適用できる。
この耐熱性シラン架橋樹脂成形体は、ベース樹脂がシロキサン結合を介して縮合した架橋樹脂を含んでいる。また、耐熱性シラン架橋樹脂成形体はベーマイトを含有しており、このベーマイトは架橋樹脂のシランカップリング剤に結合していてもよい。したがって、架橋樹脂は、複数のベース樹脂がシランカップリング剤によりベーマイトに結合若しくは吸着して、ベーマイト及びシランカップリング剤を介して結合(架橋)した架橋樹脂と、ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤の加水分解性基が加水分解して互いにシラノール縮合反応することにより、(ベーマイトを介することなく)シランカップリング剤(シロキサン結合)を介して架橋した架橋樹脂とを含んでいると考えられる。
本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体は、JASOで規定されている、40,000時間寿命推定温度が125℃以上という高い耐熱性を示すうえ、10,000時間寿命推定温度が150℃以上という、近年要求される更に高い耐熱性を示す。
本発明の配線材は、導体の外周に被覆層を有する配線材であって、この被覆層を、本発明のシラン架橋性樹脂組成物を層状に成形、架橋して、本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体で形成した配線材である。そのため、本発明の配線材は、例えば150℃以上の高い耐熱性を発揮し、外観特性に優れる。更に安価で軽量でもある。
本発明の配線材は、被覆層が本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体で形成されていること以外は、各種の電気・電子機器分野や産業分野に使用される通常のものと同じである。本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体で形成される被覆層は、導体の外周面に直接又は他の層を介して設けられ、配線材の種類、用途、要求特性等に応じて、他の層の有無、材料等が適宜に決定される。導体としては、通常のものを用いることができ、例えば、銅若しくはアルミニウムの単線若しくは撚り線(抗張力繊維を縦添え若しくは撚り合わせたもの)等が挙げられる。また、裸線の他に、錫メッキしたものやエナメル被覆絶縁層を有するものを用いることもできる。本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体で形成される被覆層の厚さは、特に限定されないが、通常、0.15~5mm程度である。
本発明の配線材は、導体の外周に本発明のシラン架橋性樹脂組成物を層状に配置した後に架橋反応(シラノール縮合反応)させることにより、製造できる。例えば、上述の、本発明の耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法において、成形工程(d)を、被覆装置(押出機)を用いて、シラン架橋性樹脂組成物を導体の外周に共押出成形する工程とすることにより、製造できる。具体的な共押出成形は上述の通りである。
<ベース樹脂>
(1)エボリューSP0540:商品名、プライムポリマー社製、直鎖状メタロセンポリエチレン(LLDPE)
(2)VF120T:商品名、宇部丸善ポリエチレン社製、EVA、VA含有量20質量%
(3)エバフレックスEV170:商品名、三井・ダウポリケミカル社製、EVA、VA含有量33質量%
(4)レクスパールA1150:商品名、三菱ケミカル社製、EEA、EA含有量15質量%
(5)EPT3092PM:商品名、三井化学社製、EPDM
(6)PB222A:商品名、サンアロマー社製、ランダムPP
(7)タフテックN504:商品名、旭化成社製、SEBS
(8)ダイアナプロセスオイルPW-90:商品名、出光興産社製、有機油(パラフィンオイル)
ベーマイト FKB104:商品名、神島化学工業社製、ベーマイト、下記含有量測定方法による水酸化アルミニウム残存量10質量%
<ベーマイト以外の無機フィラー>
(1)BF 013:商品名、日本軽金属社製、水酸化アルミニウム
(2)キスマ 5:商品名、協和化学工業社製、水酸化マグネシウム
(3)ベーマイト複合水酸化アルミニウム(BF 013を原料とし、下記湿式水熱処理により合成したもの)
30L容量のポリエチレン製容器に、水酸化アルミニウム粉末(BF 013)を4kg秤量して投入し、そこへ純水を16L加えて攪拌して、水酸化アルミニウムのスラリーを調製した。このスラリーをハステロイ(登録商標)C-276製の接液部を有するオートクレーブ内に流し込み、攪拌下で170℃、6時間程度の水熱処理を行って、ベーマイト複合水酸化アルミニウムを合成した。室温まで冷却された水熱処理後のベーマイトのスラリーを乾燥した後に粉砕して、ベーマイト複合水酸化アルミニウムの粉末を得た。得られたベーマイト複合水酸化アルミニウム中における水酸化アルミニウム含有量は47質量%であった。
ベーマイト、又はベーマイト複合水酸化アルミニウム中における水酸化アルミニウムの含有量(残存量)は以下の方法により、定量した。
まず、対象試料について、JIS R 9301-3-2に準じて強熱減量を測定した。ただし、105~900℃間の強熱減量を測定した。なお、「強熱減量」とは、加熱した際に対象試料の質量の減少量を測定したものであり、「105~900℃間の強熱減量」とは「900℃で加熱した際に減量した質量から、105℃で加熱した際に減量した質量を引いたもの」を意味する。
その後、下記式を用いて水酸化アルミニウムの含有量を求めた。
R=(I1-I2)/(I3-I2)×100
上記式中の符号の意味を以下に示す。
R:水酸化アルミニウムの含有率(%)
I1:上記方法で求めた対象試料の強熱減量(%)
I2:ベーマイトの強熱減量の理論値(%)=15.0
I3:水酸化アルミニウムの強熱減量の理論値(%)=34.6
(1)イルガノックス1076:商品名、BASF社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(2)イルガノックス1010:商品名、BASF社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(3)アデカスタブCDA-10:商品名、ADEKA社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(4)ノクラックMBZ:商品名、大内新興化学工業社製、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤
KBM-1003:商品名、信越化学工業社製、ビニルトリメトキシシラン
<シラノール縮合触媒>
アデカスタブOT-1:商品名、ADEKA社製、ジオクチルスズジラウリレート
<有機過酸化物>
「パーヘキサ25B」(商品名、日本油脂社製、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、分解温度154℃)
<滑剤>
X-21-3043:商品名、信越化学工業社製、シリコーンガム
実施例1~13、参考例8及び比較例1~12は、表1及び表2に示す成分を用いて、それぞれ実施した。
表1及び表2において、各例の配合量(含有量)に関する数値は特に断らない限り質量部を表す。また、各成分について空欄は対応する成分の配合量が0質量部であることを意味する。
各実施例及び比較例において、ベース樹脂の一部(具体的には表1及び表2の「触媒MB」欄に示す「キャリア樹脂」)を同欄に示す質量割合で、触媒MBのキャリア樹脂として用いた。
次いで、粉体混合物と、表1及び表2の「シランMB」欄に示す、ベース樹脂、酸化防止剤及び滑剤を、同欄に示す質量比で、予め150℃に昇温したニーダー(容量75L)へ投入し、回転数40rpmで5分間混合した後、更に回転数30rpmで3分間仕上げ混練(溶融混合)を行った。樹脂温度(混合物の温度)が有機過酸化物の分解温度以上である180~200℃に達したことを確認した後、フィーダー・ルーダー及びペレタイザーを用いて、溶融混合物をペレット化して、シランMBを得た(工程(a-2)、工程(a-1)と併せて工程(a))。
このようにして、耐熱性シラン架橋樹脂成形体で形成した被覆層を有する絶縁架橋電線をそれぞれ製造した。
絶縁架橋電線の外観特性試験を行った。
評価項目として、表面平滑性、ブツの有無、及び被覆層内部の発泡の有無とした。
(表面平滑性)
各絶縁架橋電線から切り出した長さ5mの電線試験体について、その被覆層の全表面の平滑状態(凹凸の有無)を目視及び手触りにて、表面平滑性を評価した。その結果、手触りにて被覆層表面が滑らかだった場合を「A」、手触りにて被覆層表面に若干粗さを感じたが目視では良好であった場合を「B」、目視で粗さを確認できた場合を「C」とした。「A」及び「B」を製品レベルとして合格とした。
(ブツの有無)
各絶縁架橋電線から切り出した長さ5mの電線試験体について、その被覆層の全表面を目視及び手触りにて、ブツの有無を評価した。その結果、全表面において、目視及び手触りにてブツ(突起状の凝集塊)を確認できなかった場合を「A」、目視ではブツを確認できないが手触りにてブツを確認できた場合を「B」、目視でブツを確認できた場合を「C」とした。「A」及び「B」を製品レベルとして合格とした。
(発泡の有無)
各絶縁架橋電線から切り出した長さ1mの絶縁架橋電線の被覆層を、絶縁架橋電線の軸線を含んでこの軸線に沿った平面で2つ(半円筒形)に、スライスした。切断した一方の被覆層の全断面を倍率10倍の双眼実体顕微鏡で観察し、断面内の発泡(空洞部分)の有無を評価した。本評価において、全断面中に、形状測定により測定した最も長い部分が0.05mm以上である空洞部分を1つでも確認できる(存在する)場合、又はサイズに関わらず空洞部分を5個以上確認できる(存在する)場合を、断面内に発泡が存在するとした。その結果、断面内に発泡が確認できなかった場合を「A」、断面内に発泡を確認できた場合を「C」とした。「A」を製品レベルとして合格とした。
製造した各絶縁架橋電線について、10,000時間寿命推定温度及び40,000時間寿命推定温度により、耐熱性を評価した。すなわち、製造した各絶縁架橋電線を、170℃、180℃又は200℃の温度に加熱して、加熱後の引張強さ及び破断時伸びを測定した。引張強さ及び破断時伸びは、JIS C 3005(2014)(4.16 絶縁体およびシースの引張り)に基づき、製造した絶縁架橋電線から採取した管状片の被覆層を、標線間20mm、引張速度500mm/minの条件で引張り、引張強さ(MPa)及び引張伸び(%)を測定した。
各温度において、加熱後の引張強さが3.92MPaとなった加熱時間、及び、破断時伸びが100%又は50%となった加熱時間を各々求めた。求めた加熱時間と加熱温度とから引張強さ及び破断時伸びについて各々アレニウスプロットを作成した。これらプロットから(外挿法により)、10,000時間寿命推定温度及び40,000時間寿命推定温度を求めた。
本発明において、「10,000時間寿命」とは、特定の温度で10,000時間加熱された後、絶縁架橋電線の破断伸びが100%となることをいう。また、「40,000時間寿命」とは、特定の温度で40,000時間加熱された後、絶縁架橋電線の引張強さが3.92MPaとなる、又は破断時伸びが50%となることをいう。
本発明は、従来よりも高い耐熱性を実現するものであるから、10,000時間寿命推定温度が150℃以上のものを合格、150℃未満のものを不合格とした。なお、40,000時間寿命推定温度は、比較的高く長期の耐熱性を評価する試験であり、本発明では参考として求めた。そのため、合格及び不合格の基準は設けなかった。
なお、表1及び表2において、「10,000時間寿命推定温度」及び「40,000時間寿命推定温度」をそれぞれ「10000Hr耐熱温度」及び「40000Hr耐熱温度」と表記する。
製造した各絶縁架橋電線について、被覆層(耐熱性シラン架橋樹脂成形体)が十分に架橋されているかを、加熱変形試験により、評価した。
この加熱変形試験は、JASO D 625-2(2020)(4.4 加熱変形試験)に基づいて実施した。具体的には、150℃に昇温した恒温槽に、荷重をかけた絶縁架橋電線を4時間投入し、取出し後10秒以内で素早く冷水に入れて冷却した。その後、絶縁架橋電線を塩水に10分間浸漬させてから、1kVの電圧で1分間課電した。課電終了までに、被覆層が破壊しなかったものを合格、架橋が破壊したものを不合格とした。
また、水酸化アルミニウムを過剰に含有する比較例4及び6は、溶融混合時の発泡を抑制できず、外観特性に劣る。ベーマイトの含有量が少なすぎる比較例2及び多すぎる比較例3は、高い耐熱性を実現できず、比較例2は表面平滑性にも劣る。なお、比較例3は、水酸化アルミニウムを10質量部含有しているが、ベーマイトを90質量部も含有しているため、水酸化アルミニウムの発泡による影響が相対的に小さくなったと考えられる。
有機過酸化物又はシラノール縮合触媒の含有量が少なすぎる比較例9及び11は、高い耐熱性を実現できず、また加熱変形試験に不合格であり、十分な架橋を形成できない。一方、シランカップリング剤の含有量が多すぎる比較例10は、発泡を抑制できず、外観特性に劣る。また、シラノール縮合触媒の含有量が多すぎる比較例12は、ブツの発生を抑制できずに外観特性に劣るうえ、高い耐熱性をも実現できない。
Claims (11)
- エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種のエチレン共重合体を含むベース樹脂100質量部(ただし、前記ベース樹脂が有機油を含む場合、前記有機油の含有量を含む。)に対し、ベーマイト9~50質量部と、前記ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤1~15質量部と、シラノール縮合触媒0.01~0.5質量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤とを含有し、かつ、水酸化アルミニウムの含有量が10質量部以下であるシラン架橋性樹脂組成物をシラン架橋させる、耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法であって、
下記工程(a)、工程(b)、工程(c)、工程(d)及び工程(e)を有し、工程(a)及び工程(b)の少なくとも一方の工程で前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤又は前記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤を混合する、耐熱性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
工程(a):前記ベース樹脂の一部と、前記ベーマイトと、前記ベース樹脂にグラフト化
反応しうるグラフト化反応部位を有するシランカップリング剤と、前記ベー
ス樹脂100質量%に対して0.01~0.5質量部の有機過酸化物とを、
前記有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、シランマス
ターバッチを調製する工程
工程(b):前記ベース樹脂の残部と前記シラノール縮合触媒とを溶融混合して、触媒マ
スターバッチを調製する工程
工程(c):前記シランマスターバッチと前記触媒マスターバッチとをドライブレンドし
て、シラン架橋性樹脂組成物を得る工程
工程(d):前記シラン架橋性樹脂組成物を成形して、成形体を得る工程
工程(e):前記成形体と水とを接触させて、耐熱性シラン架橋樹脂成形体を得る工程 - 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、前記ベース樹脂100質量部に対して、0.5~5質量部含有している、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤が、前記ベース樹脂100質量部に対して、4~12質量部含有している、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記エチレン共重合体が、前記ベース樹脂100質量%中、10~70質量%の割合で含有している、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ベース樹脂に含まれる各エチレン共重合体が、酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸エステルを各エチレン共重合体中10~30質量%の割合で含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ベース樹脂がスチレン系エラストマー及び有機油を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
- エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種のエチレン共重合体を含むベース樹脂100質量部(ただし、前記ベース樹脂が有機油を含む場合、前記有機油の含有量を含む。)に対し、ベーマイト9~50質量部と、前記ベース樹脂にグラフト化結合しているシランカップリング剤1~15質量部と、シラノール縮合触媒0.01~0.5質量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤とを含有し、かつ、水酸化アルミニウムの含有量が10質量部以下であるシラン架橋性樹脂組成物の製造方法であって、
下記工程(a)、工程(b)及び工程(c)を有し、工程(a)及び工程(b)の少なくとも一方の工程で前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤又は前記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤を混合する、シラン架橋性樹脂組成物の製造方法。
工程(a):前記ベース樹脂の一部と、前記ベーマイトと、前記ベース樹脂にグラフト化
反応しうるグラフト化反応部位を有するシランカップリング剤と、前記ベー
ス樹脂100質量%に対して0.01~0.5質量部の有機過酸化物とを、
前記有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、シランマス
ターバッチを調製する工程
工程(b):前記ベース樹脂の残部と前記シラノール縮合触媒とを溶融混合して、触媒マ
スターバッチを調製する工程
工程(c):前記シランマスターバッチと前記触媒マスターバッチとをドライブレンドし
て、シラン架橋性樹脂組成物を得る工程 - 請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法により製造された耐熱性シラン架橋樹脂成形体。
- 請求項7に記載の製造方法により製造されたシラン架橋性樹脂組成物。
- 導体の外周に被覆層を有する配線材であって、
前記被覆層が請求項8に記載の耐熱性シラン架橋樹脂成形体の層である配線材。 - 耐熱電線又はケーブルである、請求項10に記載の配線材。
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