JP7733995B2 - 電極、水電解用陽極、電解セル、及び水素の製造方法 - Google Patents
電極、水電解用陽極、電解セル、及び水素の製造方法Info
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Description
[1]基材上に、LaNixNbyO3-z(x+yは0.8以上1.2以下、yは0以上0.2以下、zは-0.5以上0.5以下)を有し、LaNixNbyO3-z層中の20μm角領域において、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和が10μm2以上200μm2以下である電極。
[2]前記20μm角領域において、平均細孔面積が、0.785μm2超10μm2以下である、[1]に記載の電極。
[3]前記20μm角領域において、平均細孔数が、20個以上150個以下である、[1]又は[2]に記載の電極。
[4]前記20μm角領域において、空隙率が、29%超55%以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の電極。
[5][1]~[4]のいずれか一項に記載の電極を陽極に用いてなることを特徴とする、電解セル。
[6]アルカリを含有する水を電解槽により水電解し、水素を製造する水素製造方法において、前記電解槽は、少なくとも陽極と陰極を備え、前記陽極は、基材上に、LaNixNbyO3-z(x+yは0.8以上1.2以下、yは0以上0.2以下、zは-0.5以上0.5以下)を有し、LaNixNbyO3-z層中の20μm角領域において、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和が10μm2以上200μm2以下であることを特徴とする、水素の製造方法。
本実施形態において、電極は、少なくとも、基材を有することが第一の特徴である。
本実施形態においては、ペロブスカイト型構造の金属酸化物として、Bサイトの少なくとも一部に、Niを配置することで、高い酸素発生能を実現することができる。さらに、Niと共にBサイトにNbを配置すると、アルカリ濃度の高い電解液を用いた場合、低い酸素発生の過電圧を付与できるため、好ましい。
x+yは、アルカリ濃度の高い電解液を用いた場合、低い酸素発生の過電圧を付与する観点から0.8以上1.2以下である。より好ましくは0.8以上1.05以下であり、さらに好ましくは、1.0以上1.05以下である。
yは、0以上0.2以下である。好ましくは0.005以上0.15以下であり、さらに好ましくは、0.01以上0.1以下である。
zは、-0.5以上0.5以下である。
アルカリ濃度の高い電解液を用いた場合により低い酸素発生の過電圧を付与する観点から、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和はより好ましくは20μm2以上160μm2以下であり、さらに好ましくは30μm2以上130μm2以下である。
平均細孔面積は、切り出した画像から画像処理ソフトにより画像処理を行って細孔を二値化抽出して求まる各細孔の面積の数平均であり、具体的な算出方法は、実施例にて後述する。
平均細孔面積は、アルカリ濃度の高い電解液を用いた場合により低い酸素発生の過電圧を付与する観点から、1.2μm2以上6.8μm2以下であることがより好ましく、3.2μm2以上4.5μm2以下であることがさらに好ましい。
平均細孔数の具体的な算出方法は、実施例にて後述する。
平均細孔数は、アルカリ濃度の高い電解液を用いた場合により低い酸素発生の過電圧を付与する観点から、22個以上140個以下であることがより好ましく、29個以上140個以下であることがさらに好ましく、29個以上51個以下であることが最も好ましい。
空隙率の具体的な算出方法は、実施例にて後述する。
空隙率は、より好ましくは41%以上55%以下であり、さらに好ましくは42%以上55%以下であり、最も好ましくは45%以上55%以下である。
本実施形態の電極は、基材にLa、Ni、Nbの金属塩を含む水溶液(塗布液)を塗布し、乾燥、仮焼成を行い、基材上に所定重量のLaNixNbyO3-z前駆体を形成後、これを本焼成することにより調製することができる。
La、Ni、Nbは、金属塩の代わりに、酸化物あるいは水酸化物の水分散性のゾルを使用してもよい。
Nbの金属塩としては、溶解性の観点から、シュウ酸ニオブもしくはシュウ酸ニオブアンモニウムを用いることが好ましい。
特にグリシンと金属硝酸塩を溶解した塗布液を用いると、アルカリ濃度の高い電解液を用いた場合により低い酸素発生の過電圧を示す電極を調製することが容易となるため、グリシンは好ましい有機配位子である。
基材を塗布液中に浸漬する際には、基材の向きを斜めにしてゆっくりと入れると、気泡を付着させることなく基材を完全に浸漬することが可能となり、また基材表面に形成された金属酸化物層(仮焼成体層)内の空隙が塗布液で完全に置換されるため、再現性良く0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和を制御することが可能となり、好ましい。
また、Nbは、あらかじめLa、Niの金属塩又は酸化物あるいは水酸化物の水分散性のゾルを含む塗布液を塗布し、乾燥、仮焼成、本焼成を行なった後、電極にNbの金属塩又は酸化物あるいは水酸化物の水分散性のゾルを含む塗布液を上塗りする要領で塗布し、乾燥、仮焼成し、本焼成する方法で添加してもよい。
図1に、本実施形態の電極を陽極として備える電解セルを含む電解槽の一例の全体についての側面図を示す。
図2に、本実施形態の電極を陽極として備える電解セルを含む電解槽の、図1の破線四角枠の部分の電解セル内部の断面を示す。
本実施形態の複極式電解槽50(図3参照)は、隔膜4が陽極2a及び陰極2cと接触してゼロギャップ構造Zが形成されている(図2参照)。
なお、図3に、実施例、比較例で用いた電解装置の概要を示す。図4に、電解試験で用いた複極式電解槽の概要を示す。
図1に示すように、複極式電解槽50では、複極式エレメント60が、陽極ターミナルエレメント51aと陰極ターミナルエレメント51cとの間に配置され、隔膜4は、陽極ターミナルエレメント51aと複極式エレメント60との間、隣接して並ぶ複極式エレメント60同士の間、及び複極式エレメント60と陰極ターミナルエレメント51cとの間に配置されている。
本実施形態における複極式電解槽50では、図2に示すとおり、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電解液が通過する電極室5が画成されている。ここで、隔壁1を挟んで陽極側の電極室5が陽極室5a、陰極側の電極室5が陰極室5cである。
本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解セル65では、リブ6が電極2と物理的に接続されていることが好ましい。かかる構成によれば、リブ6が電極2の支持体となり、ゼロギャップ構造Zを維持しやすい。また、リブ6は隔壁1と電気的につながっていることが好ましい。また、リブ6を設けることでは、電極室5内における気液の流れの乱れにより電極室5に生じる対流を低減して、局所的な電解液の温度の上昇を抑制することができる。
リブ(陽極リブ、陰極リブ)には、陽極又は陰極を支える役割だけでなく、電流を隔壁から陽極又は陰極へ伝える役割を備えることが好ましい。
次に、本実施形態の複極式電解槽を用いたアルカリ水電解による水素の製造方法について説明する。
表1の実施例1の組成のA液、B液を調製した。B液はシュウ酸ニオブアンモニウムを純水に溶解して調製し、Nbの濃度はICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光分析)法により確認した。
底辺6cm×10cm、高さ11cmの角形のポリエチレン製容器にA液をいれ、マグネチックスターラーで撹拌しながら、B液をゆっくりと混合し、実施例1の塗布液とした。
ニッケル多孔基材として、SW3.0mm、LW4.5mm、厚み1.2mm、開口率54%のニッケルエキスパンドメタルを用意した。このニッケルエキスパンドメタルに、#100の白色溶融アルミナ研磨剤を使用してブラスト処理を施した後に、50℃6Nの塩酸中にて6時間酸処理した後、水洗、乾燥し、塗布用基材とした。
この基材を、容器内塗布液中に、塗布用基材を縦向きにして、下半分を塗布液内に浸漬した後、基材を引き上げて、基材の上下をひっくり返して上半分も塗布液内に浸漬し、基材全面に塗布液を塗布した。その後基材を横向きとし、エアガンによるエアブロー処理により過剰な塗布液を吹き飛ばした。その後、60℃で10分乾燥し、さらに400℃で10分間の焼成を行い、基材表面に金属酸化物層を形成した。
この塗布、乾燥及び焼成のサイクルを50回繰り返した。その後さらに800℃で1時間の焼成を行い、塗布用基材上に付着量503g/m2の金属酸化物層を形成させて、実施例1の水電解用陽極を得た。
表1の実施例2の組成のA液、B液を調製した他は実施例1と同様に行い、塗布、乾燥及び焼成のサイクルを33回繰り返した。その後さらに800℃で1時間の焼成を行い、塗布用基材上に付着量496g/m2の金属酸化物層を形成させて、実施例2の水電解用陽極を得た。
表1の実施例3の組成のA液、B液を調製した他は実施例1と同様に行い、塗布、乾燥及び焼成のサイクルを25回繰り返した。その後さらに750℃で1時間の焼成を行い、塗布用基材上に付着量498g/m2の金属酸化物層を形成させて、実施例3の水電解用陽極を得た。
純水400gにNi(NO3)2・6H2Oを34.89g、La(NO3)3・6H2Oを51.96g、グリシンを45.04g溶解し、実施例4の塗布液を調製した。その後、この塗布液を、底辺13cm×13cm、高さ10cmのポリエチレン製容器に移した。
実施例1と同様に基材を準備した。この基材を容器内塗布液中に完全に浸漬し、その後基材を引き上げ、基材を横向きにして、エアガンによるエアブロー処理により過剰な塗布液を吹き飛ばした。その後、60℃で10分乾燥し、さらに400℃で10分間の焼成を行い、基材表面に金属酸化物層を形成した。この塗布、乾燥及び焼成のサイクルを49回繰り返した。
シュウ酸ニオブアンモニウムを純水に溶解し、Nb濃度157mmol/kg溶液のシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を調製した。このシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を、底辺13cm×13cm、高さ10cmのポリエチレン製容器に移した。
基材表面に金属酸化物層を形成した基材をシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液中に完全に浸漬して引き上げ、基材全面に塗布液を塗布後、基材を横向きにして、エアガンにより微弱な風をあてて、基材の目に詰まっている塗布液を落とした。エアガン処理後基材の重量を測定すると、基材にはシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液が1.3g塗布されていた。LaNiO3の基材への担持量が5.0gであり、LaNiO3の1モルの重量が245.6gであることから、1.3gのNb濃度157mmol/kg溶液のシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を塗布したことにより、LaNiO31モルに対しNbを0.01モルの比率で塗布したと分かった。
シュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を塗布した基材を60℃10分乾燥後、400℃10分焼成し、さらに800℃1時間焼成し、付着量512g/m2の金属酸化物層を形成させて、実施例4の水電解用陽極を得た。
純水400gにNi(NO3)2・6H2Oを40.71g、La(NO3)3・6H2Oを60.62g、グリシンを52.55g溶解し、実施例5の塗布液を調製した。その後、この塗布液を、底辺13cm×13cm、高さ10cmのポリエチレン製容器に移した。
実施例4と同様に、基材を容器内塗布液中に完全に浸漬し、その後基材を引き上げ、基材を横向きにして、エアガンによるエアブロー処理により過剰な塗布液を吹き飛ばした。その後、60℃で10分乾燥し、さらに400℃で10分間の焼成を行い、基材表面に金属酸化物層を形成した。この塗布、乾燥及び焼成のサイクルを32回繰り返した。
シュウ酸ニオブアンモニウムを純水に溶解し、Nb濃度261mmol/kg溶液のシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を調製した。このシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を、底辺13cm×13cm、高さ10cmのポリエチレン製容器に移した。
基材表面に金属酸化物層を形成した基材をシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液中に完全に浸漬して引き上げ、基材全面に塗布液を塗布後、基材を横向きにして、エアガンにより微弱な風をあてて、基材の目に詰まっている塗布液を落とした。エアガン処理後基材の重量を測定すると、基材にはシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液が1.3g塗布されていた。シュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を塗布した基材を60℃10分乾燥後、400℃10分焼成した。このシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液1.3gの塗布、60℃10分乾燥後、400℃10分焼成を合計3回実施した後、800℃1時間焼成し、付着量492g/m2の金属酸化物層を形成させて、実施例5の水電解用陽極を得た。
LaNiO3の基材への担持量が5.0gであり、LaNiO3の1モルの重量が245.6gであることから、1.3gのNb濃度261mmol/kg溶液のシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液を3回、合計3.9g塗布したことにより、LaNiO31モルに対しNbを0.05モルの比率で塗布したと分かった。
表1の実施例6の組成のA液、B液を調製した他は実施例1と同様に行い、塗布、乾燥及び焼成のサイクルを24回繰り返した。その後さらに750℃で1時間の焼成を行い、塗布用基材上に付着量486g/m2の金属酸化物層を形成させて、実施例6の水電解用陽極を得た。
ニッケル多孔基材として、SW3.0mm、LW4.5mm、厚み1.2mm、開口率54%のニッケルエキスパンドメタルを用意した。このニッケルエキスパンドメタルにブラスト処理を施した後に、50℃6Nの塩酸中にて6時間酸処理した後、水洗、乾燥し、塗布用基材とした。
次に、酢酸ランタン1.5水和物、硝酸ニッケル六水和物を、それぞれ0.20mol/L、0.20mol/Lの濃度になるよう調合した塗布液を調製した。
塗布ロールの最下部に上記塗布液を入れたバットを設置し、EPDM製の塗布ロールに塗布液をしみこませ、その上部にロールと塗布液とが常に接するようにロールを設置し、さらにその上にPVC製のローラーを設置して、上記基材に塗布液を塗布した(ロール法)。塗布液が乾燥する前に手早く、2つのEPDM製スポンジロールの間にこの基材を通過させた。その後、50℃で10分間乾燥させた後、マッフル炉を用いて400℃で10分間の焼成を行って基材表面に金属酸化物層を形成した。
このロール塗布、乾燥及び焼成のサイクルを75回繰り返した後、さらに600℃で1時間の焼成を行い、付着量303g/m2の金属酸化物層を形成させて、比較例1の水電解用陽極を得た。
比較例1と同様にして塗布用基材を準備した。
次に、硝酸ランタン六水和物、硝酸ニッケル六水和物、シュウ酸ニオブアンモニウムn水和物、グリシンを、それぞれ0.20mol/L、0.16mol/L、0.04mol/L、0.36mol/Lの濃度になるように塗布液を調製した。
比較例1と同様にロール法でロール塗布、乾燥及び焼成のサイクルを40回繰り返した後、さらに700℃で1時間の焼成を行い、金属酸化物層を形成させて、付着量145g/m2の比較例2の水電解用陽極を得た。
作成した電極の小片を、エポキシ樹脂に包埋した後に、切断面を作成し、その断面を、ブロードに照射されるBIB加工装置アルゴンイオンビーム(日立ハイテクノロジーズ社製「E3500」)を用いて、加速電圧6kVにて加工処理した。なお観察する電極の切断面は、エキスパンドメタルのストランドに平行かつストランド中央を通るようにした。
上記の切断面を、電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製「S4800」)にて、加速電圧5kV、倍率500倍で観察し、YAG検出器を用いた反射電子像の断面写真をデータサイズ1280×960ピクセルのBMPファイルとして保存した。1ピクセルのサイズは198.4375nmであった。
画像処理ソフト「ImageJ」を使用して、下記1)~11)手順に従い、断面写真から20μm×20μm領域を切り出し、切り出された各領域において細孔を二値化抽出してすべての細孔の面積を計測した後、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和、平均細孔面積、細孔数、空隙率を算出した。断面写真より、重ならないように10箇所の20μm×20μm領域を抽出して、それぞれの10領域から求まった0.785μm2超20μm2以下の細孔面積の総和、平均細孔面積、細孔数、空隙率の平均値を算出し、実施例及び比較例の、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和、平均細孔面積、平均細孔数、空隙率の測定結果とした。
実施例1~6及び比較例1~2における測定結果を、表2に示す。
2)AnalyzeメニューのSet scaleサブメニューにて、Distance in Pixels:1、Known distance:0.1984375、Pixel aspect ratio:1.0、Unit of length:μmと設定し、OKをクリックする。
3)EditメニューのSelectionサブメニューにて、Specifyコマンドを選択し、Scaled units(μm)チェックボックスにチェックを入れ、Width:20、Height:20と設定し、さらにX cordinateとY cordinateの値を適切に設定し、OKをクリックすることにより、断面写真内から画像処理を実施する20μm角領域を設定する。図5に、断面写真における、切り取る20μm角領域の設定の一例を示す。画像処理を実施しする20μm角領域には、領域内に外表面や、外表面に通じるクラックが含まれることが無いように設定する。
4)ImageメニューのCropコマンドを実行し、細孔を抽出する20μm角領域を切り取る。図6に、図5より切り取られた20μm角領域の画像の一例を示す。
5)切り取った20μm角領域に名前を付け保存する。
6)ProcessメニューのFiltersサブメニューで、Median...を選択し、Radius:0.5と設定し、OKをクリックして、フィルター処理を行う。
7)ImageメニューのAdjustサブメニューのThresholdコマンドを選択し、自動閾値設定方法としてOtsuを、表示方法はB&Wを選択し、Dark backgoundのチェックボックスにはチェックを入れないようにし、Autoボタンをクリックし、Applyボタンをクリックし、細孔の二値化抽出を行う。図7に、図6から細孔を二値化抽出した画像の例を示す。
8)AnalyzeメニューのSet Measurements...コマンドを選択し、Areaのチェックボックスにチェックを入れておく。
9)AnalyzeメニューのAnalyze Particles...コマンドを選択し、Size(Pixel^2):0-Infinity、Circularity:0.00-1.00、Show:Outlinesとし、Display results、Clear results、Summerizeチェックボックスにチェックを入れ、Exclude on Edges、Include Holesチェックボックスにはチェックを入れないようにし、OKをクリックする。
10)Summaryウィンドウに表示されたCountが細孔数(個)、Average Sizeが平均細孔面積(μm2)、%Areaが空隙率(%)である。
11)Resultsウィンドウの左端の1列目に各細孔の番号が、Area列には各細孔の細孔面積(μm2)が表示されている。各細孔の番号は、「Drawing of 5)で作成した画像ファイル名」ウィンドウ内に表示された、測定済みの細孔の輪郭に番号をつけた画像により確認することができる。Area列の各細孔面積値のうち、0.785μm2超20μm2以下の面積をすべて足し合わせることで、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和を算出する。
55wt%水酸化カリウム水溶液中での酸素過電圧は下記の手順で測定した。
実施例、比較例の電極から、2cm×2cmの評価用電極を切り出し、PTFEで被覆したニッケル製の棒にニッケル製のネジで固定した。対極には白金メッシュを使用し、80℃、55wt%水酸化カリウム水溶液中で、電流密度6kA/m2で電解し、酸素過電圧を測定した。酸素過電圧は、液抵抗によるオーム損の影響を排除するために、ルギン管を使用する三電極法によって測定した。ルギン管の先端と陽極との間隔は、常に1mmに固定した。酸素過電圧の測定装置としては、ソーラートロン社製のポテンショガルバノスタット「1470Eシステム」を用いた。三電極法用の参照極としては、銀-塩化銀(Ag/AgCl)を用いた。三電極法を使用しても排除しきれない電解液抵抗を交流インピーダンス法で測定し、電解液抵抗の測定値に基づき前記酸素過電圧を補正した。
ソーラートロン社製の周波数特性分析器「1255B」を使用して、実部と虚部をプロットしたCole-Coleプロットを取得した後に、等価回路フィッティングにより解析することで、電解液抵抗と二重層容量を算出した。
三電極法を使用しても排除しきれないオーム損を交流インピーダンス法で測定し、オーム損の測定値に基づき前記酸素過電圧を補正した。オーム損の測定には、ソーラートロン社製の周波数特性分析器「1255B」を使用した。
アルカリ水電解用電解セル、複極式電解槽を下記の通りに作製した。
-陽極-
実施例4と同様の方法で作製した。
-陰極-
導電性基材として、直径0.15mmのニッケルの細線を40メッシュで編んだ平織メッシュ基材上に白金を担持したものを用いた。
-隔壁、外枠-
複極式エレメントとして、陽極と陰極とを区画する隔壁と、隔壁を取り囲む外枠と、を備えたものを用いた。隔壁及び複極式エレメントのフレーム等の電解液に接液する部材の材料は、全てニッケルとした。
-導電性弾性体-
導電性弾性体は、線径0.15mmのニッケル製ワイヤーを織ったものを、波高さ5mmになるように波付け加工したものを使用した。
-隔膜-
酸化ジルコニウム(商品名「EP酸化ジルコニウム」、第一稀元素化学工業社製)、N-メチル-2-ピロリドン(和光純薬工業社製)、ポリスルホン(「ユーデル」(登録商標)、ソルベイアドバンストポリマーズ社製)、及びポリビニルピロリドン(重量平均分子量(Mw)900000、和光純薬工業社製)を用いて、以下の成分組成の塗工液を得た。
ポリスルホン:15質量部
ポリビニルピロリドン:6質量部
N-メチル-2-ピロリドン:70質量部
酸化ジルコニウム:45質量部
上記塗工液を、基材であるポリフェニレンサルファイドメッシュ(くればぁ社製、膜厚280μm、目開き358μm、繊維径150μm)の両表面に対して塗工した。塗工後直ちに、塗工液を塗工した基材を蒸気下へ晒し、その後、凝固浴中へ浸漬して、基材表面に塗膜を形成させた。その後、純水で塗膜を十分洗浄して多孔膜を得た。
-ガスケット-
ガスケットは、厚み4.0mm、幅18mmの内寸504mm角の四角形状のもので、内側に平面視で電極室と同じ寸法の開口部を有し、隔膜を挿入することで保持するためのスリット構造を有するものを使用した。
-ゼロギャップ型複極式エレメント-
外部ヘッダー型のゼロギャップ型セルユニット60は、540mm×620mmの長方形とし、陽極2a及び陰極2cの通電面の面積は500mm×500mmとした。ゼロギャップ型複極式エレメント60の陰極側は、陰極2c、導電性弾性体2e、陰極集電体2rが積層され、陰極リブ6を介して隔壁1と接続され、電解液が流れる陰極室5cがある。また、陽極側は、陽極2aが陽極リブ6を介して隔壁1と接続され、電解液が流れる陽極室5aがある(図2)。
陽極室5aの深さ(陽極室深さ、図2における隔壁と陽極との距離)は25mm、陰極室5cの深さ(陰極室深さ、図2における隔壁と陰極集電体との距離)25mmとし、材質はニッケルとした。高さ25mm、厚み1.5mmのニッケル製の陽極リブ6と、高さ25mm、厚み1.5mmのニッケル製の陰極リブ6を溶接により取り付けたニッケル製の隔壁1の厚みは2mmとした。
陰極集電体2rとして、あらかじめブラスト処理を施したニッケルエキスパンド基材を用いた。基材の厚みは1mmで、開口率は54%であった。導電性弾性体2eを、陰極集電体2r上にスポット溶接して固定した。このゼロギャップ型複極式エレメントを、隔膜を保持したガスケットを介してスタックさせることで、陽極2aと陰極2cとが隔膜4に押し付けられたゼロギャップ構造Zを形成することができる。
比較例2と同様にして作製した陽極を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてゼロギャップ型複極式エレメントを製造した。
実施例7では3セル平均過電圧が、通電100時間後1.70Vと低い値であったのに対して、比較例3では3セル平均過電圧が、通電100時間後で1.90Vと高い値が得られた。よって、実施例7の陽極が比較例3よりも高濃度アルカリ電解液でより低い酸素過電圧を示すことで、長時間運転においても低いセル電圧が実現できたと結論付けられる。
2 電極
2a 陽極
2c 陰極
2e 導電性弾性体
2r 陰極集電体
3 外枠
4 隔膜
5a 陽極室
5c 陰極室
6 リブ
7 ガスケット
50 複極式電解槽
51g ファストヘッド、ルーズヘッド
51i 絶縁板
51a 陽極ターミナルエレメント
51c 陰極ターミナルエレメント
51r タイロッド
60 複極式エレメント
65 電解セル
70 電解装置
71 送液ポンプ
72 気液分離タンク
74 整流器
75 酸素濃度計
76 水素濃度計
77 流量計
78 圧力計
79 熱交換器
80 圧力制御弁
Z ゼロギャップ構造
Claims (6)
- 基材上に、LaNixNbyO3-z(x+yは0.8以上1.2以下、yは0.005以上0.2以下、zは-0.5以上0.5以下)を有し、LaNixNbyO3-z層中の20μm角領域において、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和が10μm2以上200μm2以下である、電極。
- 前記20μm角領域において、平均細孔面積が、0.785μm2超10μm2以下である、請求項1に記載の電極。
- 前記20μm角領域において、平均細孔数が、20個以上150個以下である、請求項1又は2に記載の電極。
- 前記20μm角領域において、空隙率が、29%超55%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電極。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の電極を陽極に用いてなることを特徴とする、電解セル。
- アルカリを含有する水を電解槽により水電解し、水素を製造する水素製造方法において、前記電解槽は、少なくとも陽極と陰極を備え、前記陽極は、基材上に、LaNixNbyO3-z(x+yは0.8以上1.2以下、yは0.005以上0.2以下、zは-0.5以上0.5以下)を有し、LaNixNbyO3-z層中の20μm角領域において、0.785μm2超20μm2以下の細孔の面積の総和が10μm2以上200μm2以下であることを特徴とする、水素の製造方法。
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