JP7734067B2 - 同期調相機化方法 - Google Patents
同期調相機化方法Info
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Description
図1は、第1実施形態に係る同期調相機化方法におけるタービン建屋30内の機器の配置を示す説明図である。
まず、同期調相機10に転用される前の発電設備について簡単に説明する。同期調相機10への転用前の発電設備は、例えば、原子力発電プラントや火力発電プラントで用いられていたものである。この発電設備は、図1に示す高圧タービン21と、A系の低圧タービン22と、B系の低圧タービン23と、C系の低圧タービン(図示せず)と、発電機1と、がシャフトを介して順次に接続された構成になっている。
図1に示す同期調相機10は、電力系統40に無効電力を供給し、電力系統40の電圧の安定化や力率の改善を行う機器である。同期調相機10は、界磁電流(回転子コイルの電流)を連続的に変化させることで、電機子電流(固定子コイルの電流)を遅相電流から進相電流まで連続的に変化させるようになっている。また、同期調相機10は、回転子12(図2参照)の回転に伴う慣性力(電気的・機械的な慣性力)によって、電力系統40の負荷変動に伴う電圧の擾乱を抑制する機能も有している。
なお、図2における複数の矢印は、水素ガス(冷却ガス)の流れを示している。
図2に示すように、発電機1は、固定子11と、回転子12と、ハウジング13と、を備えている。固定子11は、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されてなる円筒状の固定子コア11aを備えるとともに、固定子コア11aに巻回される固定子コイル(図示せず)を備え、ハウジング13の内部に固定されている。また、固定子11には、所定の冷却水流路(図示せず)が設けられている。そして、冷却水流路を流れる水との間の熱交換で、固定子11が冷やされるようになっている。
図3に示すように、発電機1は、前記した構成の他に、ブラケット14と、軸受部15と、軸密封装置16(封止部材)と、シールリング17(封止部材)と、絶縁部材18と、気密パッキン19(封止部材)と、を備えている。
ブラケット14は、ハウジング13(図2参照)からの水素ガスの漏れを油圧で抑制する殻状部材である。図3に示すように、ブラケット14の内部には、軸受部15と、軸密封装置16と、シールリング17と、絶縁部材18と、気密パッキン19と、が設置されている。
シールリング17は、水素ガスの漏れを抑制するための樹脂製の環状部材であり、軸密封装置16の溝16aに嵌め込まれている。シールリング17の内周面は、シャフト5の周面に摺接している。
気密パッキン19は、絶縁部材18とブラケット14との間の隙間を塞ぐための樹脂製の環状部材である。前記した油流路14bの他、軸密封装置16やシールリング17、気密パッキン19が設けられることで、ハウジング13(図2参照)からの水素ガスの漏れを十分に抑制できる。なお、図3には、回転子12(図2参照)の軸方向一方側の領域P1(図2参照)の部分拡大図を示しているが、回転子12の軸方向他方側も同様の構成になっている。また、図2や図3に示す発電機1の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、発電機1(図2参照)の回転子コイル(図示せず)に流れる電流が大きいほど、回転子コイルが発熱する。そこで、回転子コイルの焼損を防止するために、回転子コイルの上限温度が予め設定されている。また、回転子コイルの上限温度や、ハウジング13に封入される水素ガスの圧力に対応して、回転子コイルに供給される励磁電流の最大値が決まる。
図4は、同期調相機化方法に関するフローチャートである(適宜、図1、図2も参照)。
なお、図4に示す一連の処理は、発電設備を同期調相機10に転用する際、管理者や作業員といった人(管理者等という)が行う決定のプロセスである。
ステップS101において管理者等は、水素ガスの圧力の増加量を決定する。つまり、管理者等は、発電機1のハウジング13内の水素ガスに関して、同期調相機10への転用前(発電設備の使用時)を基準とする水素ガスの増加量を決定する。
第2実施形態は、水素ガスの圧力の増加量の決定に先立って、管理者等が、同期調相機10(図1参照)の一基当たりにおける無効電力の必要量を推定する点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点(同期調相機10の構成等、図1~図3参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
なお、図5に示す一連の処理は、発電設備を同期調相機10に転用する際、管理者等が行う推定や決定のプロセスである。
ステップS201において管理者等は、同期調相機10の一基当たりが供給すべき無効電力の必要量を推定する。無効電力の必要量が推定される際には、国内の電力系統の状況や、同期調相機10の周辺地域で電力系統40の不具合が生じた場合に必要となる無効電力(総量)の他、同期調相機10に転用し得る発電設備の基数等が考慮される。
第3実施形態は、発電設備を同期調相機10(図1参照)に転用する際、制御盤81(制御装置:図1参照)の改造や制御方法の変更が行われる点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他(同期調相機10の構成等、図1~図3参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
なお、図6に示す一連の処理は、発電設備を同期調相機10に転用する際、管理者等が行う決定のプロセスである。
また、図6のステップS301~S304は、この順で、第1実施形態のステップS101~S104(図4参照)と同様であるから、説明を省略する。ステップS304において、ブラシ(図示せず)の改造の要否を判定した後、管理者等は、ステップS305の処理を行う。すなわち、ステップS305において管理者等は、制御盤81(図1参照)の改造や制御方法の変更の要否を判定する。
図7は、第3実施形態の第1の変形例におけるタービン建屋30の付近の機器の配置を示す説明図である。
図7の例では、タービン建屋30の外側に隣接するように、制御室80Aが設けられている。また、制御室80Aに設けられた制御盤81が、発電機用制御ライン63を介して励磁機2に接続されるとともに、駆動機用制御ライン62を介して駆動用インバータ4に接続されている。そして、制御盤81からの制御信号に基づいて、励磁機2の励磁電流が変化し、同期調相機10の無効電力が調整されるようになっている。
図8は、第3実施形態の第2の変形例におけるタービン建屋30の付近の機器の配置を示す説明図である。
図8の例では、タービン建屋30の壁の内側に隣接するように、新たに制御室80Bが設けられている。例えば、タービン建屋30の外側に余分なスペースがない場合には、図8に示すように、タービン建屋30の内側に制御室80Bを設けるようにしてもよい。この場合でも、図7の場合と同様に、制御盤81からの制御信号に基づいて、励磁機2や駆動用インバータ4を所定に制御できる。
図9は、第3実施形態の第3の変形例におけるタービン建屋30の付近の機器の配置を示す説明図である。
図9に示すように、制御室を特に設けずに、タービン建屋30の内部に制御盤81を設けるようにしてもよい。この場合でも、第1・第2の変形例と同様に、制御盤81によって、励磁機2や駆動用インバータ4を所定に制御できる。
第4実施形態は、無効電力の制御幅や制御速度の他、運用のニーズに基づいて、管理者等が、同期調相機10への転用対象となる発電機1を選定する点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点(同期調相機10の構成等、図1~図3参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
なお、図10に示す一連の処理は、発電設備を同期調相機10に転用する際、管理者等が行う決定のプロセスである。
例えば、同期調相機10への転用前において、複数の発電プラントが設けられたサイト(発電所)では、発電プラントごとに容量や励磁方式が異なっていることが多い。また、所定の発電プラントでは、発電機1ごとに容量や励磁方式が異なっていることもある。そこで、第4実施形態では、立地条件や必要な無効電力量等を考慮し、系統解析に基づいて、同期調相機10に改造する発電機1の基数を管理者等が推定し、改造の対象となる発電機1を選定するようにしている。
なお、図10のステップS402~S405は、この順で、第1実施形態のステップS101~S104(図4参照)と同様であるから、説明を省略する。
第5実施形態は、同期調相機10(図1参照)に転用される前の発電機1の運転履歴等に基づいて、発電機1の保守点検が行われる点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点(同期調相機10の構成等、図1~図3参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
一般に発電機1の保守点検には、シール材等の消耗部品の交換が5年に1回程度の頻度で行われる他、コイルの巻替えといった大型工事が製品寿命中に1回程度行われる。また、発電機1の停止保管中には、錆の発生や樹脂材料の劣化の他、発電機1等の回転機の動作不良についても配慮される。具体的には、気化性防錆材を用いたメンテナンスの他、いわゆる乾燥保管・満水保管の使い分けや、回転機の定期的なターニング(タービンロータのたわみの解消)といったことが行われる。つまり、それぞれの発電機1において、運転履歴や保管履歴が異なっていることが多い。したがって、発電設備を同期調相機10に転用する際、発電機1の運転履歴や保管履歴を考慮して、適切な保守点検を行うことが望ましい。
第6実施形態は、原子力発電プラントの発電設備を同期調相機10に転用する際、電源系の冷却の空冷化等が行われる点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点(同期調相機10の構成等、図1~図3参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
原子力発電プラントを廃止して、その発電設備を同期調相機10に転用する際には、原子炉本体(図示せず)の撤去に伴い、原子力発電プラントの冷却機器(図示せず)についても、容量の縮小や交換が行われることが多い。具体的には、同期調相機10の熱負荷の大きさに対応して、冷却機器の容量の縮小や交換が行われるが、その際、海水を用いた冷却機器ではなく、空冷の冷却機器にしておくことが望ましい。海水を用いた冷却機器は、設置スペースが非常に大きく、また、設備コストも高いからである。空冷の冷却機器は、海に隣接していない地域でも用いることができ、汎用性が高いという利点もある。また、電源系の冷却機器についても空冷化を進めることが望ましい。
第7実施形態は、必要な無効電力量に基づいて、ハウジング13(図2参照)内の水素ガスの圧力を変化させる点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点(同期調相機10の構成等、図1~図3参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
なお、図11の表に含まれる「水素圧力」とは、発電機1(図2参照)のハウジング13に封入される水素ガスの圧力である。例えば、日本国内では、特に九州地域で太陽光発電の導入量(発電電力量の総量)が増加している。したがって、太陽光発電が行われる日中は九州地域の発電量が多く、そこで発電された電力が関西等の大規模需要地に送電されている。その送電経路に含まれる原子力発電プラントや火力発電プラント等の発電設備を同期調相機10に改造して、無効電力を供給することで、電力系統40の安定化に貢献できる。
以上、本発明に係る同期調相機化方法について各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、「廃止プラント」の発電設備が同期調相機10に転用される場合について説明したが、これに限らない。例えば、「遊休プラント」の発電設備を同期調相機10に転用する場合にも各実施形態を適用できる。なお、「遊休プラント」とは、発電設備が使われないままの状態になっているプラントである。
また、各実施形態では、ハウジング13内の水素ガスとの間で熱交換を行う冷媒として、水が用いられる場合について説明したが、他の種類の冷媒が用いられてもよい。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
2 励磁機
3 駆動機
4 駆動用インバータ
5 シャフト
10 同期調相機
11 固定子
12 回転子
13 ハウジング
14 ブラケット
15 軸受部
16 軸密封装置(封止部材)
17 シールリング(封止部材)
18 絶縁部材
19 気密パッキン(封止部材)
40 電力系統
Claims (10)
- 廃止プラント又は遊休プラントの発電設備を同期調相機に転用する際、前記同期調相機が備える発電機のハウジング内の冷却ガスの圧力を、前記同期調相機への転用前よりも高くするとともに、前記発電機の軸シールに用いられる油の油圧を前記転用前よりも高くする調圧工程を含む同期調相機化方法。
- 前記冷却ガスは、可燃性ガスであり、
前記調圧工程に先立って、前記ハウジングの補強を行い、前記ハウジングの強度を前記転用前よりも高くする補強工程をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載の同期調相機化方法。 - 前記調圧工程に先立って、前記発電機と励磁機とを電気的に接続するブラシの1個当たりの電流容量を前記転用前よりも大きくする、又は、前記ブラシの個数を前記転用前よりも増やすブラシ改造工程をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載の同期調相機化方法。 - 前記転用前を基準とする前記ハウジング内の冷却ガスの圧力の増加量は、前記同期調相機の出力し得る無効電力の最大値に基づいて設定されること
を特徴とする請求項1に記載の同期調相機化方法。 - 前記調圧工程の後、又は、前記調圧工程の前に、前記ハウジング内の冷却ガスとの間で熱交換を行う冷媒の流量を前記転用前よりも増加させる流量増加工程をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載の同期調相機化方法。 - 前記調圧工程に先立って、前記ハウジング内の冷却ガスを封止する封止部材の性能を前記転用前よりも高くする封止部材強化工程をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載の同期調相機化方法。 - 前記調圧工程の後であって、前記同期調相機の運転中、電力系統における無効電力の要求量が少ない時間帯よりも、無効電力の要求量が多い時間帯の方が、前記ハウジング内の冷却ガスの圧力が高く設定されること
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の同期調相機化方法。 - 前記調圧工程の後であって、前記同期調相機の運転中、夜間よりも日中の時間帯の方が、前記ハウジング内の冷却ガスの圧力が高く設定されること
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の同期調相機化方法。 - 前記調圧工程の後であって、前記同期調相機の運転中、電力系統における無効電力の要求量に基づいて、前記ハウジング内の冷却ガスの圧力設定値が変更されること
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の同期調相機化方法。 - 前記電力系統における無効電力の要求量が大きいほど、前記ハウジング内の冷却ガスの圧力設定値が高い値に設定されること
を特徴とする請求項9に記載の同期調相機化方法。
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| JP2021205555A JP7734067B2 (ja) | 2021-12-17 | 2021-12-17 | 同期調相機化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2021205555A JP7734067B2 (ja) | 2021-12-17 | 2021-12-17 | 同期調相機化方法 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2021205555A Active JP7734067B2 (ja) | 2021-12-17 | 2021-12-17 | 同期調相機化方法 |
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