JP7734436B2 - 地盤注入工法 - Google Patents
地盤注入工法Info
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Description
また、本発明は、安定した固結効果を付与することで、高圧噴射工法に用いることができる地盤固結材および地盤注入工法に関する。さらに、本発明は、地盤中に微粒子スラグを主成分とする微粒子注入材を用いた低炭素グラウト注入工法による地盤改良技術である。
この工法は、地盤に大径の固結体を形成する点において優れているが、その原理は、地盤に存在する土を高圧噴射によってセメントで攪拌混合し、土粒子をセメント固結体と置き換えることにあり、その結果、多量の排土を生ずる。その処理のため、大きな費用とCO2削減が課題となり、カーボンニュートラルの観点から見て環境上の問題がある。
(1)目詰まりを起こしやすい。そのため、細粒土が混在した地盤や粒径の異なる土層からなる地盤では、懸濁粒子の浸透が不十分になり、固結や止水性が不十分となる。
(2)微粒子化すればするほど電気的に再凝集してしまい、実質的には粒径が大きくなる。その結果、浸透性が注入管周りに限定されたり、脈状注入となる。
(3)ブリーディングによって地盤中で懸濁粒子と配合水が分離されて、一体化した固結体が形成されにくい。
(4)ブリーディングが生ずるために、注入量に対する固結体の固結率が小さい。
(5)高圧噴射に用いる場合、噴射力の作用によって注入材が分散して、固結効果が不十分になる可能性がある。
従来より、水ガラスとセメントとを混合した懸濁型グラウトはLWとして知られているが、ゲルタイムが1分程度で、粘性が高く強度が低い。また、水ガラスと酸とを混合して得られる酸性シリカゾルと、セメントや消石灰を含有してなるグラウトも知られている。このグラウトはゲル化時間が短く、かつ、フロック状の沈澱を生じやすいため、浸透性に劣るものである。
これらの発明により、スラグ系グラウトは高強度および長いゲルタイムを得られることが分かった。しかし、懸濁液であるところから、懸濁粒子が浸透し得ない地盤においては固結効果が得られないと考えられる。また、高圧噴射混合工法に用いた場合、噴射作用によってグラウトの成分が分散してしまい、安定した固結性が得られにくかった。
(1)溶液型グラウトによる細粒土浸透可能範囲(図8)。
(2)溶液型グラウトの低シリカ濃度におけるホモゲルの自立性、サンドゲルの固化と固結砂の自立性(表13)。
(3)浸透試験に用いた砂の粒径分布(図9)。
高圧噴射工法はセメント懸濁液を地盤に噴射混合して地中の土砂をセメント懸濁液に置き換える工法であるが、セメント固結材そのものと噴出した土砂の処理の点でCO2を多く排出する。これに対し、スラグ系グラウトを地盤に注入する方法の材料は低炭素グラウトで、工法は低炭素注入工法ということができる。しかし、スラグと水ガラスを有効成分として高圧噴射注入すると、噴射作用で水ガラスが逸脱してしまうと水ガラスのアルカリが作用しなくなり、スラグの固結性が困難になる。これに対し、スラグ懸濁液が消石灰や石膏、Ca、Mg、Alの塩や酸化物、水酸化物を有効成分とすると、セメントや水ガラスがなくてもスラグ自体がこれらと反応して十分固化するため、それにさらに水ガラスが加わるとブリーディング液自体で十分な自立強度が保たれ、高圧噴射工法でも安定した固結効果を得ることができる。
前記地盤固結材のブリーディング液がゲル化するとともに、そのホモゲルが自立する強度を有し、該ブリーディング液が浸透して固結したサンドゲルが自立する強度を有し、
前記ブリーディング液が、前記地盤のうち前記懸濁粒子が浸透し得なかった部分に浸透して、該地盤のうち該懸濁粒子が浸透した部分と一体化して固結体を形成することにより、隣接する前記注入孔からの該懸濁粒子による固結体同士を連結して、掘削地盤の削面を、自立しかつ地下水を止水できるものとすることを特徴とするものである。
ここで、上記において、前記ブリーディング液がゲル化してそのホモゲルが自立するとは、該ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、モールド内において、該ホモゲルを斜めに傾けてもゲルが崩れず自立する状態を意味する。
また、前記サンドゲルが自立するとは、前記ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、6号珪砂を用い該ブリーディング液を使用して相対密度60%になるように直径5cm×高さ10cmで混合法により作製された該サンドゲルが自立し、該サンドゲルを用いて測定された一軸圧縮試験における最小強度が2.0kN/m2以上であることを意味する。
さらに、前記スラグのブレーン値は4000~15000cm2/g、配合量は50~150kg/400リットルであり、前記水ガラスのモル比は1.0~5.0、配合量は10~150リットル/400リットルである。
(1)ブレーン値:4000~13000cm2/g。
(2)配合量:1~50kg/400L。
本発明の地盤固結材は、スラグまたはフライアッシュからなる懸濁粒子と、水ガラスとを有効成分とする懸濁型の地盤固結材である。
さらに、スラグやフライアッシュの一部をセメントに置き換えることもできる。さらにまた、シリカ溶液として水ガラスまたは水ガラスとシリカコロイドの混合物を用いることもできる。
1.微粒子スラグ
(1)ブレーン値:4000~15000cm2/g
(2)配合量:50~150kg/400リットル(3~16w/v%)
2.水ガラス
(1)モル比:1.0~5.0
(2)配合量:10~150リットル/400リットル
3.以下のアルカリ剤を併用する場合
(1)アルカリ剤、特には水酸化カルシウムまたは石膏のブレーン値:4000~13000cm2/g。
(2)配合量:1~50kg/400L。
ここで、上記サンドゲルは、一軸圧縮強度試験で用いられる供試体サイズで自立することが好ましく、好適には、一軸圧縮強度で2.0kN/m2以上を呈する。本発明において、ブリーディング液の浸透固結体の一軸圧縮強度は、一軸圧縮強度試験で用いられる供試体サイズで7日後に2.0kN/m2以上となり、懸濁粒子が浸透しきれなかった部分にブリーディング液が浸透し、ゲル化して地盤を固結することが好ましい。
以下に、具体的に説明する。図12は、本発明の地盤固結材で固結した豊浦砂供試体における一軸圧縮強さ(28日強度)と、ベンダーエレメント法によるS波速度の関係を示す。
図13は、養生日数とせん断波速度との関係の例を示す。
注入孔を受信孔、発信孔としてS波速度VsやP波速度Vpを測定してもよい。
室内試験では、ベンダーエレメント法によって、固結供試体の両端に発信部と受信部を設置して、S波速度VsやP波速度Vpを測定するが、現地においては表面波探査や速度検層によってS波速度VsやP波速度Vpを測定する。
これより、A地点およびB地点における一軸圧縮強さを推定できる。また、その地点における懸濁液中の懸濁粒子の量も推定できる。
1.固結材試験材料
以下に、使用した固結材の材料を記載する。
3号水ガラス:比重1.41、シリカ濃度29w/w%、モル比2.9。
1号水ガラス:比重1.35、シリカ濃度21w/w%、モル比2.0。
消石灰:比重2.5。
スラグ:比重2.9、ブレーン値8000cm2/g。
アルミン酸ソーダ:比重1.6。
石膏:比重2.16。
フライアッシュ:比重2.15。
セメント:比重3.0。
コロイダルシリカ:比重1.2。
試験に使用した配合を表5~12に示す。なお、1ショット配合で行っても同様である。
カップ倒立法でゲル化時間を測定し、カップを傾けても流れ出なくなった時間あるいは粘度計で100mPa・sを終えた時点をゲル化時間とした。
φ5×50cmのポリエチレン袋(グラウト袋)に所定量投入し、JSCE-F-522-2013に準じ測定を行って、ブリーディング率を測定した。その結果を、表13に示す。また、ブリーディング率を測定したときのブリーディング液のゲル化の有無を確認した。
L1:ゲル化ブリーディング液の長さ
L2:懸濁粒子部の長さ
L:固結懸濁液の長さ
(サンドゲル供試体の作製)
6号珪砂を用い、ブリーディング液を使用して、相対密度60%になるように直径5cm×高さ10cmの混合法による供試体を作製し、28日目の一軸圧縮強さを測定した。表13にブリーディング率およびブリーディング液を用いたサンドゲルの強度を示す。
図11には試験終了後の供試体状況を示す。
実施例8は全体がゲル化し、ブリーディング部分も固化した。
比較例1は固結部分は固化するが、ブリーディング部分はゲル化しなかった。
実施例9はブリーディング部分もゲル化したが、実施例8よりもゲルタイムが長かった。
実施例10は低モル比と消石灰の組合せであって、ブリーディング液のゲル化を確認した。
実施例11ではスラグの代わりにフライアッシュを用いた。スラグのときと同様にブリーディング液がゲル化した。
実施例12および実施例14は、明確なゲル化時間はなかったが最終的にはゲル化し、ブリーディング液はゲル化した。
実施例13のブリーディング液はゲル化した。
比較例2は明確なゲルタイムがなく、ブリーディング液もゲル化しなかった。
実施例15のブリーディング液はゲル化した。コロイダルシリカと水ガラスを併用しても、ブリーディング液がゲル化することがわかった。
ブリーディング液を用いたサンドゲルが自立しない場合は、スラグが浸透しきれず、一体化せず地盤が固結すると思われる。
底面が外れるアクリルモールドに表13に用いた中性~アルカリ領域の薬液を入れて固化させ、ホモゲルのシリカ濃度別のゲル化の有無、および、ゲルの自立性を確認した。また、サンドゲルでも同様に行い、固化および固結砂の自立性を確認した。その結果を表14に示す。
また、さらに試験を追加して、シリカ濃度0.25%でもゲル化することが分かった。
(試験装置および試験方法)
1次元浸透装置(長さ2m)を用いて、6号珪砂に対する浸透試験を行い、浸透長および強度分布を調べた。
試験条件:アクリルモールドh=2m、配合液3L
試料に水を飽和させた後、懸濁液を下部から注入し、排出液が排出されなくなるまで注入した。
Claims (6)
- 地盤に設けた複数の注入孔から、スラグからなる懸濁粒子と水ガラスとアルカリ剤としての消石灰とを有効成分とする懸濁液からなる地盤固結材を、該地盤に注入する地盤注入工法であって、
前記水ガラスは3号水ガラスであり、前記消石灰のブレーン値は4000~13000cm 2 /g、配合量は1~50kg/400Lであり、
前記地盤固結材のブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって該ブリーディング液がゲル化するとともに、そのホモゲルが自立する強度を有し、該ブリーディング液が浸透して固結したサンドゲルが自立する強度を有し、
前記ブリーディング液が、前記地盤のうち前記懸濁粒子が浸透し得なかった部分に浸透して、該地盤のうち該懸濁粒子が浸透した部分と一体化して固結体を形成することにより、隣接する前記注入孔からの該懸濁粒子による固結体同士を連結して、掘削地盤の削面を、自立しかつ地下水を止水できるものとすることを特徴とする地盤注入工法。
ここで、上記において、前記ブリーディング液がゲル化してそのホモゲルが自立するとは、該ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、モールド内において、該ホモゲルを斜めに傾けてもゲルが崩れず自立する状態を意味する。
また、前記サンドゲルが自立するとは、前記ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、6号珪砂を用い該ブリーディング液を使用して相対密度60%になるように直径5cm×高さ10cmで混合法により作製された該サンドゲルが自立し、該サンドゲルを用いて測定された一軸圧縮試験における最小強度が1日強度で2.0kN/m2以上であることを意味する。
さらに、前記スラグのブレーン値は4000~15000cm2/g、配合量は50~150kg/400リットルであり、前記水ガラスの配合量は10~150リットル/400リットルである。 - 前記地盤固結材が、さらに、多価金属化合物を含む請求項1記載の地盤注入工法。
- 前記多価金属化合物が、Ca、Mg若しくはAlの水酸化物、酸化物若しくは塩のうちのいずれか1種または複数種、および/または、石膏である請求項2記載の地盤注入工法。
- 前記地盤固結材を、高圧噴射混合法に用いる請求項1記載の地盤注入工法。
- 前記懸濁粒子の固化による改良効果を、非破壊試験によって確認する請求項1記載の地盤注入工法。
- 前記非破壊試験が、弾性波速度検層法、音響トモグラフィーまたは表面波探査によるものである請求項5記載の地盤注入工法。
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