以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成要素の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
トランジスタは半導体素子の一種であり、電流または電圧を増幅する機能、及び、導通または非導通を制御するスイッチング動作などを実現することができる。本明細書におけるトランジスタは、IGFET(Insulated Gate Field Effect Transistor)及び薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を含む。
また、「ソース」と「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合、または、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」と「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極及び配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、コイル、容量素子、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
なお、以下では「上」、「下」などの向きを示す表現は、基本的には図面の向きと合わせて用いるものとする。しかしながら、説明を容易にするためなどの目的で、明細書中の「上」または「下」が意味する向きが、図面とは一致しない場合がある。一例としては、積層体等の積層順(または形成順)などを説明する場合に、図面において当該積層体が設けられる側の面(被形成面、支持面、接着面、平坦面など)が当該積層体よりも上側に位置していても、その向きを下、これとは反対の向きを上、などと表現する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の撮像装置について説明する。
本発明の一態様は、複数の受光素子と、第1の機能層と、第2の機能層とを有する撮像装置である。第1の機能層、及び第2の機能層は、それぞれ1以上のトランジスタを有する。複数の受光素子は、それぞれ異なる波長の光に感度を有する光電変換素子である。本発明の一態様は、第2の機能層上に第1の機能層が積層され、さらに第1の機能層上に複数の受光素子が積層される。
複数の受光素子は、それぞれ異なる波長の光を吸収し、電気信号に変換する機能を有する。複数の受光素子のうち、最も上側(撮像面側、光の入射側)に位置する受光素子(第1の受光素子ともいう)は、第1の波長を含む波長域の光を吸収し、それ以外の波長域の光を透過する。また、上側から第1の受光素子の次に位置する受光素子(第2の受光素子ともいう)は、第1の受光素子で透過した光のうち、第2の波長を含む波長域の光を吸収し、それ以外の波長域の光を透過する。複数の受光素子のうち、最も下側に位置する受光素子は、これよりも上側に位置する一以上の受光素子(例えば第1の受光素子及び第2の受光素子)で透過した光のうち、所定の波長を含む波長域の光を吸収する。このように、積層された複数の受光素子は、それぞれ異なる波長の光を吸収し、電気信号に変換することができる。
本発明の一態様の撮像装置は、複数の受光素子を積層することができるため、複数の受光素子を並べて配置する場合に比べて、一つの受光素子の受光面積を大きくできる。これにより、各受光素子の感度を高めることができる。また、複数の受光素子を並べて配置する場合に比べて、一つの画素の面積を縮小することが可能となるため、感度を低下させることなく、高精細化することができる。
第1の機能層は、画素回路を構成するトランジスタを含む。第1の機能層が有するトランジスタ(第1のトランジスタともいう)は、その上に積層される複数の受光素子の一つと電気的に接続される。また、第1の機能層の下に位置する第2の機能層が有するトランジスタ(第2のトランジスタともいう)は、第1のトランジスタと電気的に接続される構成としてもよいし、第1の機能層に設けられる配線と電気的に接続される構成としてもよい。第2の機能層には、画素回路を構成する他のトランジスタを含む構成としてもよい。
第1の機能層には、画素回路のほかに様々な回路を設けてもよい。例えば画素を駆動する駆動回路、画素のデータを読み出すための読み出し回路、保護回路、記憶回路などを設けることができる。
また、第2の機能層には、駆動回路、読み出し回路、保護回路、記憶回路、演算回路、電源回路、信号生成回路など、様々な回路を設けることができる。また、第1の機能層に含まれるトランジスタ、容量、抵抗、配線などの素子(要素)と第2の機能層に含まれる当該素子(要素)とにより、回路を構成してもよい。第1の機能層と、第2の機能層とを積層することで、多機能化及び微細化を実現することができる。
特に、第2の機能層に、画素回路を駆動するための駆動回路を設けることが好ましい。画素回路及び受光素子と重ねて駆動回路を配置することで、これらを並べて配置する場合と比較して、駆動回路と画素回路の間の配線を極めて短くすることができる。これにより、信号の遅延、及び信号レベルの低下の影響を抑制することができる。
さらに、第2の機能層に、記憶回路及び演算回路を設ける構成とすることが好ましい。記憶回路及び演算回路により、各画素回路で撮像した画像データに対して画像処理を施して出力することができる。このとき、第2の機能層が有する演算回路は、積和演算回路を有することが好ましい。これにより、機械学習、特にニューラルネットワークを用いた画像処理を実行することが可能となる。
このように、複数の機能層と、複数の受光素子とを積層することにより、撮像装置の高感度化、高精細化、多機能化、または小型化を実現することができる。
以下では、より具体的な構成例について、図面を参照して説明する。
[画素の構成例]
図1に、撮像装置10の一画素に相当する部分の斜視概略図を示している。撮像装置10は、受光素子20B、受光素子20G、受光素子20R、受光素子20IR、機能層11、及び機能層12を有する。機能層11は、機能層12上に積層して設けられている。受光素子20IR、受光素子20R、受光素子20G、及び受光素子20Bは、機能層11上にこの順で積層されている。複数の受光素子のうち最上層に位置する受光素子20B側が、撮像面側(光の入射側)に相当する。
機能層11と、各受光素子とは、プラグによって電気的に接続されている。図1では、受光素子20IRと機能層11とを電気的に接続するプラグ13IR、受光素子20Rと機能層11とを電気的に接続するプラグ13R、受光素子20Gと機能層11とを電気的に接続するプラグ13G、及び受光素子20Bと機能層11とを電気的に接続するプラグ13Bが設けられている。
ここで、プラグ13Rは、受光素子20IRが設けられる層を介して機能層11と受光素子20Rとを電気的に接続する。そのため、プラグ13Rと受光素子20IRとは電気的にショートしないように、離隔して設けられている。
同様に、プラグ13Gは、受光素子20Gと機能層11の間に位置する受光素子20IR及び受光素子20Rと、離隔して設けられている。また、プラグ13Bは、受光素子20Bと機能層11との間に位置する受光素子20IR、受光素子20R、及び受光素子20Gと、離隔して設けられている。
なお、例えばプラグ13Rと受光素子20IRとは、電気的にショートしなければよく、受光素子20IRを構成する複数の層のうち、一部がプラグ13Rと接していてもよい。プラグ13G、プラグ13Bについても同様に、各受光素子の一部と接していてもよい。
図2は、撮像装置の一つの画素を説明するための断面模式図である。
図2に示す撮像装置10は、機能層12、機能層11、受光素子20IR、受光素子20R、受光素子20G、及び受光素子20Bが、この順で積層されている。2つの受光素子の間には、透光性を有する絶縁層14が設けられている。機能層11と受光素子20IRとの間には、絶縁層15が設けられている。
各受光素子は、導電層22と、導電層23と、これらの間に光電変換層を有する。受光素子20Bが有する光電変換層21Bは、青色の光(B)に感度を有する。受光素子20Gが有する光電変換層21Gは、緑色の光(G)に感度を有する。受光素子20Rが有する光電変換層21Rは、赤色の光(R)に感度を有する。受光素子20IRが有する光電変換層21IRは、赤外光(IR)に感度を有する。導電層22及び導電層23は、透光性を有する。なお、最も機能層11側に位置する受光素子20IRの導電層22には、遮光性の導電性材料を用いてもよい。特に、光反射性を有する導電性材料を用いることで、光電変換層21IRを透過した光を反射することができるため、各受光素子の変換効率(外部量子効率ともいう)を高めることができる。
機能層11には、複数のトランジスタ31が設けられている。トランジスタ31は、受光素子20IR、受光素子20R、受光素子20G、及び受光素子20Bのうち、いずれか一つが有する導電層22と電気的に接続されている。ここでは、導電層22と、トランジスタ31のソース及びドレインの一方とが電気的に接続される例を示している。また、各受光素子の導電層23には、共通電位(ここでは接地電位)が与えられている。なお、各受光素子の導電層23に、それぞれ異なる電位を与えてもよい。
機能層12には、複数のトランジスタ32が設けられている。トランジスタ32は、機能層11が有するトランジスタ31、または配線、電極、もしくは端子などと電気的に接続する。図2では、トランジスタ32のゲートが、トランジスタ31のソース及びドレインの他方と電気的に接続される例を示している。
機能層12が有するトランジスタ32は、単結晶基板に設けられることが好ましい。例えば、単結晶基板の一部にチャネルが形成されるトランジスタを好適に適用することができる。または、単結晶基板上に形成された半導体薄膜に、チャネルが形成されるトランジスタを適用してもよい。単結晶基板としては、代表的にはシリコン基板を用いることができる。また、単結晶基板として、炭化シリコン基板、窒化ガリウム基板、または酸化物半導体基板などの、シリコン以外の半導体基板を用いてもよい。
各受光素子が有する各光電変換層は、所定の波長を含む波長域の光を吸収することが好ましい。これにより、各受光素子を光に対するカットフィルタとして用いることができる。図2に示す例では、青色の光(B)は、受光素子20Bで吸収される。また緑色の光(G)は、受光素子20Bを透過し、受光素子20Gで吸収される。赤色の光(R)は、受光素子20B及び受光素子20Gを透過し、受光素子20Rで吸収される。赤外光(IR)は、受光素子20B、受光素子20G、及び受光素子20Rを透過し、受光素子20IRで吸収される。
図2で示す例は、光の入射側から順に、短波長の光に感度を有する受光素子を積層した例である。短波長の光は長波長の光よりも散乱、吸収されやすいため、光の入射側に近いほど短波長の光を受光する受光素子を配置することで、光の減衰の影響を低減することができ、感度の高い撮像装置を実現することができる。
なお、各受光素子の積層順は、図1及び図2に示す構成に限られない。各受光素子の特性に応じて、積層順を適宜変更することができる。例えば、吸収する光の波長域が狭い受光素子ほど光の入射側に配置し、波長域が広い受光素子ほど入射側とは反対側に配置することが好ましい。図3の各図には、他の積層順の例を示している。
図3Aは、光の入射側に近いほど、長波長の光を受光する受光素子を配置した例である。具体的には、光の入射側から、受光素子20IR、受光素子20R、受光素子20G、受光素子20Bの順で、積層されている。
図3Bは、光の入射側から、受光素子20R、受光素子20G、受光素子20B、受光素子20IRの順で、積層した場合の例である。
図3Cは、光の入射側から、受光素子20G、受光素子20B、受光素子20R、受光素子20IRの順で、積層した場合の例を示している。また、図3Dは、光の入射側から、受光素子20R、受光素子20B、受光素子20G、受光素子20IRの順で、積層した場合の例である。
また、図3E、図3Fは、赤外光(IR)を受光する受光素子20IRにかえて、紫外光(UV)を受光する受光素子20UVを用いた場合の例である。
図3Eは、光の入射側から、受光素子20UV、受光素子20B、受光素子20G、受光素子20Rの順で、積層した場合の例を示している。また、図3Fは、光の入射側から、受光素子20B、受光素子20G、受光素子20R、受光素子20UVの順で、積層した場合の例を示している。
なお、ここでは4種類の受光素子を積層する例を示したが、これに限られず、3種類の受光素子を積層する構成としてもよいし、5種類以上の受光素子を積層してもよい。また、2以上の同じ受光素子を含む積層構造としてもよい。図4には、受光素子20B、受光素子20G、及び受光素子20Rの3種類の受光素子を積層した場合の例を示している。
図5に、上記とは一部の構成が異なる撮像装置10の断面模式図を示している。
図5では、受光素子間に絶縁層14を設けない例を示している。4つの受光素子(20B、20G、20R、20IR)は、直列に接続されている。さらに、隣接する2つの受光素子間で、電極が共通に用いられている。
具体的には、導電層22上に、光電変換層21IRと光電変換層21Rとが導電層24を介して積層されている。導電層24は、受光素子20IRの上部電極としての機能と、受光素子20Rの下部電極としての機能を兼ね備える。同様に、光電変換層21Rと光電変換層21Gとは、導電層24を介して積層されている。また光電変換層21Gと光電変換層21Bとは、導電層24を介して積層されている。光電変換層21B上には、導電層23を有する。導電層22及び各導電層24は、それぞれ別のトランジスタ31と電気的に接続されている。また、導電層23には、接地電位が与えられている。
図5に示す例では、4つの導電層(導電層22と、3つの導電層24)の電位を取得し、これらの差分を算出することで、各受光素子で受光した光の強度に応じた信号を得ることができる。
[受光素子の構成例]
以下では、受光素子のより具体的な構成例について説明する。ここでは、図1で例示した4つの受光素子のうち、最も下側に位置する受光素子(受光素子20IR)を例に挙げて説明する。
図6Aには、2×2画素分の受光素子20IRの斜視概略図を示している。また、図6Bは、図6Aの各層を上下に展開した斜視概略図を示している。
図6Bに示すように導電層22は、島状の形状を有している。ここでは4画素分の領域を示しているため、図6Bには4つの島状の導電層22を示している。導電層22には、プラグ13IRが電気的に接続されている。また導電層22は、プラグ13B、プラグ13G、及びプラグ13Rと接しないように、3辺に切り欠き部が設けられた形状を有する。これにより、受光素子の受光面積をできるだけ大きくすることができる。
光電変換層21IRは、バッファ層21a、活性層21b、およびバッファ層21cが積層された積層構造を有する。バッファ層21aおよびバッファ層21cは、それぞれキャリア輸送層として機能する。活性層21bは、光電効果によって電荷を発生する機能を有する。バッファ層21a、活性層21b、及びバッファ層21cは、それぞれ有機化合物を含むことが好ましい。また、光電変換層21IRは、隣接する画素間で連続するように設けられている。
光電変換層21IRは、プラグ13B、プラグ13G、及びプラグ13Rと接しないように、開口部16aを有する。図6Bでは、開口部16aの内部に、3本のプラグが位置している。
導電層23は、光電変換層21IRと同一の上面形状を有する。すなわち、導電層23と光電変換層21IRとは、同じフォトマスク等を用いて加工することができる。導電層23は、隣接する画素間で連続するように設けられている。
導電層23は、プラグ13B、プラグ13G、及びプラグ13Rと接しないように、開口部16bを有する。図6Bでは、開口部16bの内部に、3本のプラグが位置している。
図7A、図7Bには、光電変換層21IRと各プラグとが接している場合の例を示している。
光電変換層21IRを構成するバッファ層21a、活性層21b、及びバッファ層21cに、電気伝導性の低い材料を用いる場合、図7A、図7Bに示すように、光電変換層21IRとプラグとを接して設けても不具合が生じない場合がある。このような構成とすることで、工程を簡略化することができる。なお、光電変換層21IRを構成する各層において、電気伝導性の高い材料が含まれる場合には、プラグ間が電気的にショートしてしまう恐れがあるため、図6A等に示す構成とすることが好ましい。
[撮像装置の構成例1]
以下では、撮像装置の構成例について説明する。
なお、以下に示す絶縁層及び導電層などの要素は一例であり、他の要素が含まれていてもよい。また、以下に示す要素の一部が省略されていてもよい。また、以下に示す積層構造は、必要に応じて、貼り合わせ工程、研磨工程などを用いて形成することができる。
〔構成例1-1〕
図8は、撮像装置の断面概略図である。撮像装置は、機能層12、機能層11、受光素子20IR、受光素子20R、受光素子20G、及び受光素子20Gが、この順で積層された積層構造を有する。なお、受光素子の積層順は、これに限られず、適宜変更することができる。
機能層12は、シリコン基板51に設けられた回路の要素を有する。ここでは、当該回路の要素の一部として、トランジスタ61a及びトランジスタ61bを示している。
機能層12には、シリコン基板51、トランジスタ61a、トランジスタ61b、各種絶縁層、各種導電層が設けられる。各絶縁層は、保護層、層間絶縁層、及び平坦化層の一以上の機能を有する。各導電層は、プラグ、配線、及び電極等の一以上の機能を有する。
絶縁層としては、例えば酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの有機絶縁膜を用いてもよい。絶縁層として、上述した無機絶縁膜または有機絶縁膜を2以上積層した積層膜を用いてもよい。
また、配線、電極、またはプラグとして用いることのできる導電層としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンなどから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を適宜選択して用いることができる。導電層として、上述した導電性材料を含む導電膜を2以上積層した積層膜を用いてもよい。
トランジスタ61a及びトランジスタ61bは、シリコン基板51にチャネルが形成されるトランジスタ(Siトランジスタともいう)である。図8では、トランジスタ61a及びトランジスタ61bとして、フィン型のトランジスタを適用した場合の例を示している。フィン型のSiトランジスタのチャネル幅方向の断面を図9Aに示す。なお、Siトランジスタは、図9Bに示すように、プレーナ型のトランジスタであってもよい。
また、図9Cに示すように、Siトランジスタは、シリコン薄膜の半導体層54を有するトランジスタであってもよい。半導体層54は、例えば、シリコン基板51上の絶縁層53上に形成された単結晶シリコン(SOI:Silicon on Insulator)とすることができる。または、半導体層54として、多結晶シリコンを用いてもよい。
機能層11は、機能層12上に設けられた回路の要素を有する。ここでは、当該回路の要素の一部として、トランジスタ62a及びトランジスタ62bを示している。
トランジスタ62a及びトランジスタ62bは、酸化物半導体層にチャネルが形成されるトランジスタ(OSトランジスタともいう)である。
機能層11と機能層12との間には、絶縁層52が設けられている。絶縁層52は、水または水素などの拡散を防ぐバリア膜として機能する。絶縁層52としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化窒化ガリウム膜、酸化イットリウム膜、酸化窒化イットリウム膜、酸化はハフニウム膜、酸化窒化ハフニウム膜、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)膜などの水または水素に対するバリア性の高い絶縁膜を用いることが好ましい。
特に、バリア膜として機能する絶縁層52として、水素の拡散を防止する機能を有する膜を用いることが好ましい。Siデバイスにおいて、水素はダングリングボンドを終端するために必要とされるが、OSトランジスタの近傍にある水素は、酸化物半導体層中にキャリアを生成する要因の一つとなり、信頼性を低下させる。したがって、Siデバイスが形成される層とOSトランジスタが形成される層との間には、水素のブロッキング膜が設けられることが好ましい。
図10Aに、トランジスタ62a及びトランジスタ62bに適用することのできるOSトランジスタの詳細を示す。図10Aに示すOSトランジスタは、半導体層及び導電層の積層上に絶縁層を設け、当該半導体層に達する開口部を設けることでソース電極及びドレイン電極を形成するセルフアライン型の構成である。
OSトランジスタは、酸化物半導体に形成されるチャネル形成領域、ソース領域73及びドレイン領域74のほか、ゲート電極71、ゲート絶縁層72を有する構成とすることができる。上記開口部には、少なくともゲート絶縁層72及びゲート電極71が設けられる。当該開口部には、さらに半導体層77が設けられていてもよい。ソース領域73上にはソース電極75が、ドレイン領域74上にはドレイン電極76が、それぞれ設けられる。
OSトランジスタは、図10Bに示すように、ゲート電極71をマスクとして半導体層にソース領域73及びドレイン領域74を形成するセルフアライン型の構成としてもよい。
または、図10Cに示すように、ソース電極75またはドレイン電極76とゲート電極71とが重なる領域を有する、ノンセルフアライン型のトップゲート型トランジスタであってもよい。
ここでは、OSトランジスタがバックゲート78を有する構造を示しているが、バックゲートを有さない構造であってもよい。バックゲート78は、図10Dに示すOSトランジスタのチャネル幅方向の断面図のように、対向して設けられるOSトランジスタのフロントゲートとして機能するゲート電極71と電気的に接続してもよい。なお、図10Dは、図10Aに示すOSトランジスタの断面の例を示しているが、その他の構造のトランジスタも同様である。また、バックゲート78に、フロントゲートとは異なる固定電位または信号を供給することができる構成であってもよい。
図8において、機能層11上には、受光素子20IR、受光素子20R、受光素子20G、及び受光素子20Bが積層されている。
各受光素子は、それぞれ導電層22、バッファ層21a、活性層21b、バッファ層21c、及び導電層23が積層された構成を有する。各受光素子の活性層21bは、それぞれ異なる有機化合物を含むことが好ましい。また、各受光素子のバッファ層21a及びバッファ層21cは、それぞれ金属または有機化合物を含むことが好ましい。各受光素子のバッファ層21a及びバッファ層21cは、それぞれ異なる材料(金属または有機化合物)を含んでもよいし、2以上の受光素子に同じ材料を用いてもよい。
バッファ層21a及びバッファ層21cの一方は、ホール輸送層及びホール注入層の一方または双方として機能する。また、バッファ層21a及びバッファ層21cの他方は、電子輸送層及び電子注入層の一方または双方として機能する。活性層21bは、光電変換層として機能する。
光電変換層としては、n型有機半導体及びp型有機半導体の混合層(バルクヘテロ接合構造)を用いることができる。
以下では、バッファ層21a、活性層21b、及びバッファ層21c、及びこれらに用いることのできる材料について説明する。
ホール注入層は、電極から受光素子にホールを注入する層である。ホール注入層は、ホール注入性の高い材料を含む層である。ホール注入性の高い材料としては、ホール輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料、または芳香族アミン化合物などを用いることができる。
ホール輸送層は、ホールを輸送する層である。ホール輸送層は、ホール輸送性材料を含む層である。ホール輸送性材料としては、10-6cm2/Vs以上のホール移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりもホールの輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。ホール輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)、または芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等のホール輸送性の高い材料が好ましい。
電子輸送層は、電子を輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、ホールよりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
電子注入層は、電極から受光素子に電子を注入する層である。電子注入層は、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物など、金属を含む材料を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
活性層21bが有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)、フラーレン誘導体等の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。フラーレンは、サッカーボールのような形状を有し、当該形状はエネルギー的に安定である。フラーレンは、HOMO準位及びLUMO準位の双方が深い(低い)。フラーレンは、LUMO準位が深いため、電子受容性(アクセプター性)が極めて高い。通常、ベンゼンのように、平面にπ電子共役(共鳴)が広がると、電子供与性(ドナー性)が高くなるが、フラーレンは球体形状であるため、π電子が大きく広がっているにも関わらず、電子受容性が高くなる。電子受容性が高いと、電荷分離を高速に効率よく起こすため、受光素子として有益である。C60、C70ともに可視光領域に広い吸収帯を有しており、特にC70はC60に比べてπ電子共役系が大きく、長波長領域にも広い吸収帯を有するため好ましい。
また、n型半導体の材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クマリン誘導体、ローダミン誘導体、トリアジン誘導体、キノン誘導体等が挙げられる。
活性層21bが有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)、テトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)、亜鉛フタロシアニン(Zinc Phthalocyanine;ZnPc)、スズフタロシアニン(SnPc)、キナクリドン等の電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。
また、p型半導体の材料としては、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体、芳香族アミン骨格を有する化合物等が挙げられる。さらに、p型半導体の材料としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、ピロール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、インドール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
電子供与性の有機半導体材料のHOMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のHOMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。電子供与性の有機半導体材料のLUMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のLUMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。
電子受容性の有機半導体材料として、球状のフラーレンを用い、電子供与性の有機半導体材料として、平面に近い形状の有機半導体材料を用いることが好ましい。似た形状の分子同士は集まりやすい傾向にあり、同種の分子が凝集すると、分子軌道のエネルギー準位が近いため、キャリア輸送性を高めることができる。
例えば、活性層21bは、n型半導体とp型半導体とを共蒸着して形成することが好ましい。
バッファ層21a、活性層21b、バッファ層21cには低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。各層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
バッファ層21a、活性層21b、バッファ層21cは、単一の材料(化合物)を含む単層構造、複数の材料を含む単層構造、2以上の単一の材料を含む層を積層した積層構造、2以上の複数の材料を含む層を積層した積層構造、または1以上の単一の材料を含む層と1以上の複数の材料を含む層とを積層した積層構造とすることができる。複数の材料を含む層を真空蒸着法により形成する場合、2以上の材料をそれぞれ蒸発もしくは昇華させて成膜する共蒸着法、または、あらかじめ2以上の材料を混合させた混合材料を蒸発もしくは昇華させて成膜するプレミックス法のいずれを用いてもよい。または共蒸着法とプレミックス法を組み合わせて、3以上の材料を含む層を成膜してもよい。
図8では、トランジスタ62aと受光素子20IRの導電層22とを電気的に接続するプラグ13IRと、トランジスタ62bと受光素子20Bの導電層22とを電気的に接続するプラグ13Bとを、それぞれ明示している。
プラグ13IRは、トランジスタ62aのソース及びドレインの一方と電気的に接続されている。図8では、トランジスタ62aのソース及びドレインの他方が、トランジスタ61aのゲートと電気的に接続される例を示している。同様に、プラグ13Bは、トランジスタ62bのソース及びドレインの一方と電気的に接続されている。
トランジスタ62bのソース及びドレインの他方は、トランジスタ61bのゲートと電気的に接続されている。このとき、トランジスタ62aとトランジスタ61aは、一の画素回路の一部を構成し、トランジスタ62bとトランジスタ61bは、他の一の画素回路の一部を構成する。例えば、トランジスタ62a及びトランジスタ62bはそれぞれ転送トランジスタとして機能し、トランジスタ61a及びトランジスタ61bは、増幅トランジスタとして機能する。なお、各トランジスタの接続関係は図8に示す構成に限られない。
図8では、プラグ13Bが、受光素子20G、受光素子20R及び受光素子20IRが有するバッファ層21a、活性層21b、及びバッファ層21cと接して設けられる例を示している。なお、図6等で例示したように、プラグ13B等がこれらと接しない構成としてもよい。
図8では、受光素子20B上に絶縁層17を介してマイクロレンズアレイ18が設けられている。マイクロレンズアレイ18は、入射した光を集光することにより、効率良く各受光素子に光を入射させる機能を有する。マイクロレンズアレイ18が有するレンズは、1つの画素毎に配置してもよいし、2以上の画素に1つ配置してもよい。例えば、2×2個の画素を包含するレンズが配列されたマイクロレンズアレイを用いてもよい。
〔構成例1-2〕
以下では、上記とは異なる構成を有する撮像装置の構成例について説明する。なお、上記と重複する部分については説明を省略し、相違する部分について説明を行う。
図11に、上記構成例1とは一部の構成が異なる撮像装置の断面概略図を示す。図11に示す撮像装置は、機能層11の構成が異なる点で、上記構成例1と主に相違している。
機能層11は、シリコン基板55に設けられた回路の要素を有する。ここでは、当該回路の要素の一部として、トランジスタ63a及びトランジスタ63bを示している。
機能層11には、シリコン基板、トランジスタ63a、トランジスタ63b、各種絶縁層、各種導電層が設けられる。各絶縁層は、保護層、層間絶縁層、及び平坦化層の一以上の機能を有する。各導電層は、プラグ、配線、及び電極等の一以上の機能を有する。
トランジスタ63a及びトランジスタ63bは、シリコン基板55にチャネルが形成されるSiトランジスタである。図11では、トランジスタ63a及びトランジスタ63bとして、フィン型のトランジスタを適用した場合の例を示している。なお、図9A、図9B、または図9Cに示すトランジスタを適用してもよい。
機能層11と機能層12との間に位置する絶縁層82と絶縁層83は、貼り合わせ層として機能する。絶縁層82と絶縁層83は、貼り合わせ面に相当する面がそれぞれ平坦化されている。絶縁層82と絶縁層83とは、同一の材料で形成されることが好ましい。
シリコン基板55には、貼り合わせ面に達するプラグ81が設けられている。プラグ81の一方の端部は、トランジスタ63aまたはトランジスタ63bと電気的に接続されている。プラグ81の他方の端部は、機能層12が有するプラグ84と接合されている。機能層11と機能層12は、プラグ81及びプラグ84を介して電気的に接続され、これらを介して信号の授受を行うことができる。
〔構成例1-3〕
図12に示す構成は、機能層11の構成が異なる点で、上記構成例2と主に相違している。図12に示す撮像装置は、上記構成例2と比較して、機能層11の上下を反転させた構成を有する。
シリコン基板55の裏面側(トランジスタ63a等が設けられていない側)の面上に、絶縁層86が設けられ、絶縁層86上に受光素子20IRが設けられている。
シリコン基板55の内部に設けられる複数のプラグ81の一部は、絶縁層86を介して、プラグ13B等と電気的に接続されている。また、複数のプラグ81の他の一部は、受光素子20IRが有する導電層22と接して設けられている。すなわち、図12は、当該プラグ81がプラグ13IRを兼ねる構成である。
また、機能層11の機能層12との接合面側には、プラグ85が設けられている。プラグ85は、機能層12が有するプラグ84と接合されている。
[撮像装置の構成例2]
撮像装置が有する複数の受光素子のうちの一つに、半導体基板に形成した受光素子を適用することもできる。以下では、有機化合物を用いた受光素子と、半導体基板に形成した受光素子との両方を備える撮像装置について説明する。
〔構成例2-1〕
図13に、撮像装置の断面概略図を示す。図13に示す構成は、機能層11の構成が異なる点、及び受光素子20IRの代わりに受光素子40を有する点で、上記図12で例示した構成と主に相違している。
受光素子40は、シリコン基板56に形成されたpn接合型のフォトダイオードである。受光素子40は、p型領域に相当する領域41と、n型領域に相当する領域42を有する。図13に示す受光素子40は、埋め込み型フォトダイオードであり、領域42の表面側(電流の取り出し側)に設けられた薄いp型の領域(領域41の一部)によって暗電流を抑え、ノイズを低減させることができる。
シリコン基板56には、素子分離層が設けられている。具体的には、シリコン基板56には画素を分離するための溝が設けられ、絶縁層57がシリコン基板56の上面及び当該溝に設けられる。絶縁層57が設けられることにより、受光素子40で発生したキャリアが隣接する画素に流出することを抑えることができる。また絶縁層57は、迷光の侵入を抑制する機能も有する。
また、シリコン基板56には、受光素子40とは別に、n型領域に相当する領域43が設けられている。また、絶縁層57及びシリコン基板56には、領域43に達する開口部が設けられ、当該開口部にプラグ13Bが設けられている。プラグ13Bは、受光素子20Bの導電層22と、領域43とを電気的に接続する。なお、図示しないプラグ13G及びプラグ13Rについても同様の構成とすることができる。
機能層11は、トランジスタ64a、トランジスタ65a、トランジスタ64b、及びトランジスタ65bを有する。各トランジスタは、シリコン基板56にチャネルが形成されるトランジスタである。
受光素子40が有する領域42の一部は、トランジスタ64aのソース及びドレインの一方を兼ねる。また、シリコン基板56内に設けられる領域43は、トランジスタ64bのソース及びドレインの一方を兼ねる。図13では、トランジスタ64aと直列に接続されるトランジスタ65aと、トランジスタ64bと直列に接続されるトランジスタ65bを示している。
トランジスタ64aのソース及びドレインの他方は、プラグ85及びプラグ84を介して機能層12のトランジスタ61aのゲートと電気的に接続されている。トランジスタ64bのソース及びドレインの他方は、プラグ85及びプラグ84を介して機能層12のトランジスタ61bのゲートと電気的に接続されている。
ここで、受光素子40は、トランジスタ64a、トランジスタ65a、トランジスタ64b、及びトランジスタ65bと重なる領域を有する。これにより、画素の開口率(有効受光面積比)を大きくでき、感度の高い撮像装置を実現できる。
図13で例示した撮像装置は、例えば、受光素子20B、受光素子20G、及び受光素子20Rが、それぞれ青色の光、緑色の光、赤色の光を受光し、受光素子40が赤外光を受光する構成とすることができる。なお、これに限られず、受光素子40が可視光のいずれかを受光する構成としてもよい。
また、受光素子40を形成する基板として、シリコン以外の基板を用いてもよい。例えば、シリコンよりもバンドギャップの大きい炭化シリコン、酸化物半導体、窒化ガリウムなどを用いることができる。これにより、紫外光の吸収により電荷を発生させる受光素子を形成することができる。
〔構成例2-2〕
図14に示す構成は、図13で例示した構成と比較して、機能層11の代わりに機能層11aと機能層11bを有する点で相違している。すなわち、図14に示す撮像装置は、4つの受光素子と、3つの機能層を積層した構成を有する。
機能層11a及び受光素子40は、図13で例示した機能層11と受光素子40の構成を適用できる。すなわち、受光素子40と、トランジスタ64a、トランジスタ65a、トランジスタ64b、及びトランジスタ65bは、シリコン基板56に設けられている。
機能層11bの構成は、図8で例示した機能層11と同様の構成を適用できる。すなわち、機能層11bが有するトランジスタ62a、トランジスタ62bは、それぞれOSトランジスタが適用されている。
図14に示す撮像装置は、機能層11aと機能層11bとの間で貼り合わされている。具体的には、機能層11aの下面に設けられた絶縁層83と、機能層11bの上面に設けられた絶縁層82とが貼り合わされている。また、機能層11aと機能層11bとは、プラグ84及びプラグ85を介して、信号の授受を行うことができる。
図14では、トランジスタ64aのソース及びドレインの他方が、トランジスタ62aのソース及びドレインの一方、及びトランジスタ61aのゲートと電気的に接続されている。また、トランジスタ64bのソース及びドレインの他方が、トランジスタ62bのソース及びドレインの一方、及びトランジスタ61bのゲートと電気的に接続されている。なお、各トランジスタの接続関係はこれに限られない。
このように、3以上の機能層を積層することで、占有面積の増大を抑制しつつ、多機能化が実現された撮像装置を実現することができる。
〔構成例2-3〕
図15に示す撮像装置は、図14で例示した機能層11bを上下方向に反転した構成である。
機能層11bは、絶縁層52を介して機能層11aに積層して形成されている。
また図15に示す撮像装置は、機能層11bと機能層12との間で貼り合わされている。具体的には、機能層11bの下面に設けられた絶縁層83と、機能層12の上面に設けられた絶縁層82とが貼り合わされている。また、機能層11bと機能層12とは、プラグ85及びプラグ84を介して、信号の授受を行うことができる。
以上が、撮像装置の構成例についての説明である。
本実施の形態で例示した撮像装置は、複数の受光素子と、複数の機能層とを積層して設けた構成を有する。また、一種類の画素でフルカラーの画像を撮像するだけでなく、赤外光画像も撮像することができる。そのため、製造コストが削減できるだけでなく、撮像装置を適用する電子機器における部品点数及び消費電力を削減できる。さらに、可視光の撮像素子と、赤外光の撮像素子を並べて配置して撮像する場合と比較して、カラー画像と赤外光画像とで、撮像位置のずれが原理的に生じない。そのため、当該ずれを補正するための画像処理が不要となるなどの副次的な効果を奏する。
さらに、本実施の形態で例示した撮像装置によれば、感度及び開口率を犠牲にすることなく、画素の占有面積の縮小化が可能となる。また、画素に重ねて様々な回路を配置することが可能となるため、多機能化が容易となる。また、高解像度でカラー画像が撮像可能な撮像装置を実現できる。または、高解像度でカラー画像と赤外光画像の両方を撮像可能な撮像装置を実現できる。または、高精細化が容易な撮像装置とすることができる。または、高開口率化が容易な撮像装置とすることができる。または、多機能な撮像装置とすることができる。
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である演算機能を有する撮像装置について、図面を参照して説明する。
本発明の一態様は、画像認識などの付加機能を備えた撮像装置である。当該撮像装置は、撮像動作で取得したアナログデータ(画像データ)を画素に保持し、当該アナログデータと任意の重み係数とを乗じたデータを取り出す機能を有する。また、複数の画素から出力される当該データを加算する機能(積和演算機能)を有する。
さらに、画素から取り出した当該データを撮像装置の内部または外部に設けられたニューラルネットワークなどに取り込むことで、画像認識などの処理を行うことができる。本発明の一態様では、膨大な画像データをアナログデータの状態で画素に保持し、且つ画素内で演算することができるため、効率良く処理を行うことができる。
以下で例示する撮像装置が有する受光素子には、実施の形態1で例示した有機化合物を有する受光素子、及び、単結晶基板に形成された受光素子を適用することができる。また、以下で例示する撮像装置が有する回路等は、実施の形態1で例示した機能層11(または機能層11a及び機能層11b)、及び機能層12が有するトランジスタ、配線、電極等により構成することができる。
[撮像装置]
図16は、本発明の一態様の撮像装置を説明するブロック図である。撮像装置は、画素アレイ300と、回路201と、回路301と、回路302と、回路303と、回路304と、回路305と、を有する。なお、回路201、回路301、回路302、回路303、および回路304、および回路305の一つ以上は、画素アレイ300と重なる領域を有していてもよい。当該構成とすることで、撮像装置の面積を小さくすることができる。
なお、本発明の一態様の撮像装置では、回路201および回路301乃至回路305が有する機能のうち、2つ以上の機能を有する回路を代替して用いてもよい。また、回路201および回路301乃至回路305以外の回路を用いてもよい。また、回路201および回路301乃至回路305が有する機能のうち、一つ以上がソフトウェアによる動作で置き換えられていてもよい。また、回路201および回路301乃至回路305のうち、一部の回路は、撮像装置の外部にあってもよい。
画素アレイ300は、撮像機能および演算機能を有することができる。回路201、301は、演算機能を有することができる。回路302は、演算機能またはデータ変換機能を有することができ、データを配線311に出力することができる。回路303、304は、選択機能を有することができる。回路305は、画素に電位(重みなど)を供給する機能を有することができる。なお、選択機能を有する回路には、シフトレジスタまたはデコーダなどを用いることができる。
画素アレイ300は、複数の画素ブロック200を有する。画素ブロック200は、図17に示すように、マトリクス状に配置された複数の画素100を有し、それぞれの画素100は、配線113を介して回路201と電気的に接続される。なお、回路201は画素ブロック200内に設けることもできる。
画素100では、画像データの取得および画像データと重み係数とを加算したデータを生成することができる。なお、図17においては、一例として画素ブロック200が有する画素数を3×3としているが、これに限らない。例えば、2×2、4×4などとすることができる。または、水平方向と垂直方向の画素数が異なっていてもよい。また、一部の画素を隣り合う画素ブロックで共有してもよい。
画素ブロック200および回路201は、積和演算回路として動作させることができる。
[画素回路]
画素100は、図18Aに示すように、受光素子101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、キャパシタ104と、トランジスタ105と、トランジスタ106と、トランジスタ108を有することができる。受光素子は、受光デバイス、光電変換素子、または光電変換デバイス等ともいうことができる。
受光素子101の一方の電極は、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方、キャパシタ104の一方の電極、およびトランジスタ105のゲートと電気的に接続される。トランジスタ105のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ108のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。キャパシタ104の他方の電極は、トランジスタ106のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
受光素子101の他方の電極は、配線114と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、配線116と電気的に接続される。トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、配線115に電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、配線117と電気的に接続される。トランジスタ105のソースまたはドレインの他方は、GND配線などと電気的に接続される。トランジスタ108のソースまたはドレインの他方は、配線113と電気的に接続される。トランジスタ106のソースまたはドレインの他方は、配線111と電気的に接続される。トランジスタ106のゲートは、配線112と電気的に接続される。トランジスタ108のゲートは、配線122と電気的に接続される。
ここで、トランジスタ102のソースまたはドレインの他方と、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方と、キャパシタ104の一方の電極と、トランジスタ105のゲートとの電気的な接続点(配線)をノードNとする。
配線114、115は、電源線としての機能を有することができる。例えば、配線114は高電位電源線、配線115は低電位電源線として機能させることができる。配線112、116、117、122は、各トランジスタの導通を制御する信号線として機能させることができる。配線111は、画素100に重み係数に相当する電位を供給する配線として機能させることができる。配線113は、画素100と回路201とを電気的に接続する配線として機能させることができる。
なお、配線113には、増幅回路またはゲイン調整回路などが電気的に接続されていてもよい。
受光素子101としては、フォトダイオードを用いることができる。低照度時の光検出感度を高めたい場合は、アバランシェフォトダイオードを用いてもよい。
トランジスタ102は、ノードNの電位を制御する機能を有することができる。トランジスタ103は、ノードNの電位を初期化する機能を有することができる。トランジスタ105は、ノードNの電位に応じて回路201が流す電流を制御する機能を有することができる。トランジスタ108は、画素を選択する機能を有することができる。トランジスタ106は、ノードNに重み係数に相当する電位を供給する機能を有することができる。
なお、トランジスタ105およびトランジスタ108は、図18Bに示すように、トランジスタ105のソースまたはドレインの一方とトランジスタ108のソースまたはドレインの一方を電気的に接続し、トランジスタ105のソースまたはドレインの他方を配線113に接続し、トランジスタ108のソースまたはドレインの他方をGND配線などと電気的に接続する構成としてもよい。
また、図18A、図18Bにおいて、受光素子101が有する一対の電極の接続の向きを逆にしてもよい。この場合、配線114は低電位電源線、配線115は高電位電源線として機能させればよい。
トランジスタ102、103には、チャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタ(OSトランジスタ)を用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて低い特性を有する。トランジスタ102、103にOSトランジスタを用いることによって、ノードNで電荷を保持できる期間を極めて長くすることができる。また、回路構成または動作方法などを複雑にすることなく、全画素で同時に電荷の蓄積動作を行うグローバルシャッタ方式を適用することができる。また、ノードNに画像データを保持させつつ、当該画像データを用いた複数回の演算を行うこともできる。
一方、トランジスタ105は、増幅特性が優れていることが望まれる場合がある。また、トランジスタ106、108は、高速動作が可能な移動度が高いトランジスタを用いることが好ましい場合がある。したがって、トランジスタ105、106、108には、シリコンをチャネル形成領域に用いたトランジスタ(Siトランジスタ)を適用してもよい。
なお、上記に限らず、OSトランジスタおよびSiトランジスタを任意に組み合わせて適用してもよい。また、全てのトランジスタをOSトランジスタとしてもよい。または、全てのトランジスタをSiトランジスタとしてもよい。Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(微結晶シリコン、低温ポリシリコン、単結晶シリコン)を有するトランジスタなどが挙げられる。
画素100におけるノードNの電位は、配線115から供給されるリセット電位および受光素子101による光電変換で生成される電位(画像データ)が加算された電位で確定される。または、さらに配線111から供給される重み係数に相当する電位が容量結合されて確定される。したがって、トランジスタ105は、画像データに任意の重み係数が加わったデータに応じた電流を流すことができる。
[回路201]
図17に示すように、各画素100は、配線113で互いに電気的に接続される。回路201は、各画素100のトランジスタ105に流れる電流の和を用いて演算を行うことができる。
回路201は、キャパシタ202と、トランジスタ203と、トランジスタ204と、トランジスタ205と、トランジスタ206と、電圧変換回路としてトランジスタ207を有する。トランジスタ207のゲートには、適切なアナログ電位(Bias)が印加される。
キャパシタ202の一方の電極は、トランジスタ203のソースまたはドレインの一方、およびトランジスタ204のゲートと電気的に接続される。トランジスタ204のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ205のソースまたはドレインの一方、およびトランジスタ206のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。キャパシタ202の他方の電極は、配線113およびトランジスタ207のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
トランジスタ203のソースまたはドレインの他方は、配線218と電気的に接続される。トランジスタ204のソースまたはドレインの他方は、配線219と電気的に接続される。トランジスタ205のソースまたはドレインの他方は、GND配線などの基準電源線と電気的に接続される。トランジスタ206のソースまたはドレインの他方は、配線212と電気的に接続される。トランジスタ207のソースまたはドレインの他方は、配線217と電気的に接続される。トランジスタ203のゲートは、配線216と電気的に接続される。トランジスタ205のゲートは、配線215と電気的に接続される。トランジスタ206のゲートは、配線213と電気的に接続される。
配線217、配線218、配線219は、電源線としての機能を有することができる。例えば、配線218は、読み出し用のリセット電位(Vr)を供給する配線としての機能を有することができる。配線217、配線219は、高電位電源線として機能させることができる。配線213、配線215、配線216は、各トランジスタの導通を制御する信号線として機能させることができる。配線212は出力線であり、例えば、図16に示す回路301と電気的に接続することができる。
トランジスタ203は、配線211の電位を配線218の電位にリセットする機能を有することができる。トランジスタ204、トランジスタ205は、ソースフォロア回路としての機能を有することができる。トランジスタ206は、読み出しを制御する機能を有することができる。なお、回路201は、相関二重サンプリング回路(CDS回路)としての機能を有し、当該機能を有する他の構成の回路に置き換えることもできる。
本発明の一態様では、画像データ(X)と重み係数(W)との積以外のオフセット成分を除去し、目的のWXを抽出する。WXは、同じ画素で取得される露光あり(撮像あり)、露光なし(撮像なし)のデータと、そのそれぞれに対して、重みを与えたときのデータを利用して算出することができる。
露光ありのときに画素100に流れる電流(Ip)の合計はkΣ(X-Vth)2、重みを与えたときに画素100に流れる電流(Ip)の合計はkΣ(W+X-Vth)2となる。また、露光なしのときに画素100に流れる電流(Iref)の合計はkΣ(0-Vth)2、重みを与えたときに画素100に流れる電流(Iref)の合計はkΣ(W-Vth)2となる。ここで、kは定数、Vthはトランジスタ105のしきい値電圧である。
まず、露光ありのデータと、当該データに重みを与えたデータとの差分(データA)を算出する。kΣ((X-Vth)2-(W+X-Vth)2)=kΣ(-W2-2W・X+2W・Vth)となる。
次に、露光なしのデータと、当該データに重みを与えたデータとの差分(データB)を算出する。kΣ((0-Vth)2-(W-Vth)2)=kΣ(-W2+2W・Vth)となる。
そして、データAとデータBとの差分をとる。kΣ(-W2-2W・X+2W・Vth-(-W2+2W・Vth))=kΣ(-2W・X)となる。すなわち、画像データ(X)と重み係数(W)との積以外のオフセット成分を除去することができる。
回路201では、データAおよびデータBを読み出すことができる。なお、データAとデータBとの差分演算は、例えば回路301で行うことができる。
[撮像動作]
図19Aは、画素ブロック200および回路201において、露光ありのデータと、当該データに重みを与えたデータとの差分(データA)を算出する動作を説明するタイミングチャートである。なお、便宜的に各信号が変換するタイミングをあわせて図示しているが、実際には回路内部の遅延を考慮してずらすことが好ましい。また、以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表している。
まず、期間T1に配線117の電位を“H”、配線116の電位を“H”とし、画素100のノードNをリセット電位とする。また、配線111の電位を“L”、配線112_1乃至112_3(1行目乃至3行目の配線112)の電位を“H”とし、重み係数0を書き込む。
期間T2まで配線116の電位を“H”に維持し、配線117の電位を”L”とすることで受光素子101の光電変換によりノードNに電位X(画像データ)を書き込む。
期間T3に配線122_1、配線122_2、配線122_3の電位を“H”として画素ブロック内のすべての画素100を選択する。このとき、各画素100のトランジスタ105には、電位Xに応じた電流が流れる。また、配線216の電位を“H”とすることで、配線211に配線218の電位Vrを書き込む。期間T1乃至T3の動作は露光ありのデータの取得に相当し、当該データは、配線211の電位Vrに初期化される。
期間T4において、配線111の電位を重み係数W11(1行目の画素に加える重み)に相当する電位とし、配線112_1の電位を“H”とすることで、1行目の画素100のノードNにキャパシタ104の容量結合で重み係数W11を加算する。
期間T5において、配線111の電位を重み係数W12(2行目の画素に加える重み)に相当する電位とし、配線112_2の電位を“H”とすることで、2行目の画素100のノードNにキャパシタ104の容量結合で重み係数W12を加算する。
期間T6において、配線111の電位を重み係数W13(3行目の画素に加える重み)に相当する電位とし、配線112_3の電位を“H”とすることで、3行目の画素100のノードNにキャパシタ104の容量結合で重み係数W13を加算する。期間T4乃至期間T6の動作は、撮像ありのデータに重みを与えたデータの生成に相当する。
期間T7に配線122_1、配線122_2、配線122_3の電位を“H”として画素ブロック内のすべての画素100を選択する。このとき、1行目の画素100のトランジスタ105には、電位W11+Xに応じた電流が流れる。また、2行目の画素100のトランジスタ105には、電位W12+Xに応じた電流が流れる。また、3行目の画素100のトランジスタ105には、電位W13+Xに応じた電流が流れる。
ここで、配線113に流れる電流に従ってキャパシタ202の他方の電極の電位が変化し、その変化分Yが容量結合によって配線211の電位Vrに加算される。したがって、配線211の電位は、“Vr+Y”になる。ここで、Vr=0と考えると、Yは差分そのものであり、データAが算出されたことになる。
また、配線213の電位を“H”、配線215の電位を“Vbias”などの適切なアナログ電位とすることで、回路201はソースフォロア動作により1行目の画素ブロック200のデータAに応じた信号電位を出力することができる。
図19Bは、画素ブロック200および回路201において、露光なしのデータと、当該データに重みを与えたデータとの差分(データB)を算出する動作を説明するタイミングチャートである。なお、データBは、必要に応じて取得すればよい。例えば、入力する重みに変更がなければ、取得したデータBをメモリに格納し、当該メモリからデータBを読み出してもよい。なお、複数の重みに対応した複数のデータBを当該メモリに格納させてもよい。また、データAとデータBは、どちらを先に取得してもよい。
まず、期間T1乃至T2に配線117の電位を“H”、配線116の電位を“H”とし、画素100のノードNをリセット電位(0)とする。期間T2の終わりには、配線117の電位を“L”、配線116の電位を“L”とする。すなわち、当該期間中において、ノードNの電位は、受光素子101の動作にかかわらずリセット電位である。
また、期間T1では、配線111の電位を“L”、配線112_1、配線112_2、配線112_3を“H”とし、重み係数0を書き込む。当該動作は、ノードNの電位がリセット電位である期間中に行えばよい。
期間T3に配線122_1、配線122_2、配線122_3の電位を“H”として画素ブロック内のすべての画素100を選択する。このとき、各画素100のトランジスタ105には、リセット電位に応じた電流が流れる。また、配線216の電位を“H”とすることで、配線211に配線218の電位Vrを書き込む。期間T1乃至T3の動作は露光なしのデータの取得に相当し、当該データは、配線211の電位Vrに初期化される。
期間T4において、配線111の電位を重み係数W11(1行目の画素に加える重み)に相当する電位とし、配線112_1の電位を“H”とすることで、1行目の画素100のノードNにキャパシタ104の容量結合で重み係数W11を加算する。
期間T5において、配線111の電位を重み係数W12(2行目の画素に加える重み)に相当する電位とし、配線112_2の電位を“H”とすることで、2行目の画素100のノードNにキャパシタ104の容量結合で重み係数W12を加算する。
期間T6において、配線111の電位を重み係数W13(3行目の画素に加える重み)に相当する電位とし、配線112_3の電位を“H”とすることで、3行目の画素100のノードNにキャパシタ104の容量結合で重み係数W13を加算する。期間T4期間T6の動作は、撮像なしのデータに重みを与えたデータの生成に相当する。
期間T7に配線122_1、配線122_2、配線122_3の電位を“H”として画素ブロック内のすべての画素100を選択する。このとき、1行目の画素100のトランジスタ105には、電位W11+0に応じた電流が流れる。また、2行目の画素100のトランジスタ105には、電位W12+0に応じた電流が流れる。また、3行目の画素100のトランジスタ105には、電位W13+0に応じた電流が流れる。
ここで、配線113に流れる電流に従ってキャパシタ202の他方の電極の電位が変化し、その変化分Yが配線211の電位Vrに加算される。したがって、配線211の電位は、“Vr+Z”になる。ここで、Vr=0と考えると、Zは差分そのものであり、データBが算出されたことになる。
また、配線213の電位を“H”、配線215の電位を適切なアナログ電位(Vbias)などとすることで、回路201はソースフォロア動作により1行目の画素ブロック200のデータBに応じた信号電位を出力することができる。
上記動作によって回路201から出力されるデータAおよびデータBは、回路301に入力される。回路301では、データAとデータBの差分をとる演算が行われ、画像データ(電位X)と重み係数(電位W)との積以外の不要なオフセット成分を除去することができる。回路301としては、回路201のような演算回路を有する構成のほか、メモリ回路およびソフトウェア処理を利用して差分をとる構成としてもよい。
なお、上記動作において、回路201の配線211の電位は、データAの取得動作およびデータBの取得動作ともに同じ電位“Vr”に初期化している。そして、その後の差分演算で、“(Vr+Y)-(Vr+Z)”=“Y-Z”となり、電位“Vr”の成分は除去される。また、前述したように、その他の不要なオフセット成分も除去されるため、画像データ(電位X)と重み係数(電位W)との積を抽出することができる。
当該動作は、推論などを行うニューラルネットワークの始めの動作に相当する。したがって、膨大な画像データを外部に取り出す前に撮像装置内で少なくとも一つの演算を行うことができ、外部での演算またはデータの入出力などの負荷の低減、処理の高速化、および消費電力を低減させることができる。
また、上記とは異なる動作として、データAの取得動作とデータBの取得動作で、回路201の配線211の電位を異なる電位に初期化してもよい。例えば、データAの取得動作時に電位“Vr1”に初期化し、データBに取得動作時に電位“Vr2”に初期化したとする。この場合、その後の差分演算では、“(Vr1+Y)-(Vr2+Z)”=“(Vr1-Vr2)+(Y-Z)”となる。“Y-Z”は前述の動作と同様に画像データ(電位X)と重み係数(電位W)との積として抽出され、さらに、“Vr1-Vr2”が加わる。ここで、“Vr1-Vr2”は、ニューラルネットワークの中間層の演算でしきい値調整として用いられるバイアスに相当する。
また、重みは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)のフィルタの役割を有するが、それ以外にデータの増幅または減衰を行う役割を有していてもよい。例えば、データAの取得動作時の重み係数(W)をフィルタ処理分と増幅分の積とすれば、明るい画像に補正されたフィルタ処理データを抽出することができる。また、データBは撮像無しのデータであり、黒レベルのデータであるということもできる。したがって、データAとデータBの差分をとる動作は、暗所で撮像した画像の可視化を助長するための動作といえる。すなわち、ニューラルネットワークを用いた輝度補正が可能となる。
上述したように、本発明の一態様では、撮像装置の動作でバイアスの生成が可能である。また、撮像装置内で機能的な重みを付加することもできる。したがって、外部での演算などの負荷を低減できるとともに、様々な用途に用いることができる。例えば、被写体の推論のほか、画像データの解像度補正、輝度補正、モノクロ画像からのカラー画像の生成、2次元画像からの3次元画像の生成、欠損情報の復元、静止画から動画の生成、ピンボケ画像の修正などの処理において、その一部の処理を撮像装置内で行うことができる。
[回路301、回路302]
図20Aは、回路201と接続する回路301および回路302を説明する図である。回路201から出力される積和演算結果のデータは、回路301に順次入力される。回路301には、前述したデータAとデータBとの差分を演算する機能のほかに、様々な演算機能を有していてもよい。例えば、回路301は、回路201と同等の構成とすることができる。または、回路301の機能をソフトウェアによる処理で置き換えてもよい。
また、回路301は、活性化関数の演算を行う回路を有していてもよい。当該回路には、例えばコンパレータ回路を用いることができる。コンパレータ回路では、入力されたデータと、設定されたしきい値とを比較した結果を2値データとして出力する。すなわち、画素ブロック200および回路301はニューラルネットワークの一部の要素として作用することができる。
また、回路301は、A/Dコンバータを有していてもよい。積和演算の有無を問わず、画素ブロック200から画像データを外部に出力するときは、回路301でアナログデータをデジタルデータに変換することができる。
例えば、3×3の画素100を有する画素ブロック200において、全ての画素100に供給する重みを同じ(例えば、0)とし、データを出力させたい画素が有するトランジスタ108を導通させれば、画素ブロック200全体の画像データの和、行毎の画像データの和、または画素毎のデータなどを画素ブロック200から出力させることができる。
また、画素ブロック200が出力するデータは複数ビットの画像データに相当するが、回路301で2値化できる場合は、画像データを圧縮しているともいえる。
回路301から出力されたデータは、回路302に順次入力される。回路302は、例えばラッチ回路およびシフトレジスタなどを有する構成とすることができる。当該構成によって、パラレルシリアル変換を行うことができ、並行して入力されたデータを配線311にシリアルデータとして出力することができる。
また、図20Bに示すように、回路302はニューラルネットワークを有していてもよい。当該ニューラルネットワークは、マトリクス状に配置されたメモリセルを有し、各メモリセルには重み係数が保持されている。回路301から出力されたデータはメモリセル320にそれぞれ入力され、積和演算を行うことができる。なお、図20Bに示すメモリセルの数は一例であり、これに限定されない。積和演算後のデータは、配線311に出力することができる。
なお、図20A、および図20Bにおいて、配線311の接続先は限定されない。例えば、ニューラルネットワーク、記憶装置、通信装置などと接続することができる。
図20Bに示すニューラルネットワークは、マトリクス状に設置されたメモリセル320および参照メモリセル325と、回路330と、回路350と、回路360と、回路370を有する。
図21にメモリセル320および参照メモリセル325の一例を示す。参照メモリセル325は、任意の一列に設けられる。メモリセル320および参照メモリセル325は同様の構成を有し、トランジスタ161と、トランジスタ162と、キャパシタ163と、を有する。
トランジスタ161のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ162のゲートと電気的に接続される。トランジスタ162のゲートは、キャパシタ163の一方の電極と電気的に接続される。ここで、トランジスタ161のソースまたはドレインの一方、トランジスタ162のゲート、キャパシタ163の一方の電極が接続される点をノードNMとする。
トランジスタ161のゲートは、配線WLと電気的に接続される。キャパシタ163の他方の電極は、配線RWと電気的に接続される。トランジスタ162のソースまたはドレインの一方は、GND配線等の基準電位配線と電気的に接続される。
メモリセル320において、トランジスタ161のソースまたはドレインの他方は、配線WDと電気的に接続される。トランジスタ162のソースまたはドレインの他方は、配線BLと電気的に接続される。
参照メモリセル325において、トランジスタ161のソースまたはドレインの他方は、配線WDrefと電気的に接続される。トランジスタ162のソースまたはドレインの他方は、配線BLrefと電気的に接続される。
配線WLは、回路330と電気的に接続される。回路330にはデコーダまたはシフトレジスタなどを用いることができる。
配線RWは、回路301と電気的に接続される。各メモリセルには、回路301から出力された2値のデータが書き込まれる。なお、回路301と各メモリセルとの間にシフトレジスタなどの順序回路を有していてもよい。
配線WDおよび配線WDrefは、回路350と電気的に接続される。回路350には、デコーダまたはシフトレジスタなどを用いることができる。また、回路350は、D/AコンバータまたはSRAMなどを有していてもよい。回路350は、ノードNMに書き込まれる重み係数を出力することができる。
配線BLおよび配線BLrefは、回路360と電気的に接続される。回路360は、回路201と同等の構成とすることができる。回路360により、積和演算結果からオフセット成分を除いた信号を得ることができる。
回路360は、回路370と電気的に接続される。回路370は、活性化関数回路とも換言できる。活性化関数回路は、回路360から入力された信号を、あらかじめ定義された活性化関数に従って変換するための演算を行う機能を有する。活性化関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、softmax関数、ReLU関数、しきい値関数などを用いることができる。活性化関数回路によって変換された信号は、出力データとして外部に出力される。
図22Aに示すように、ニューラルネットワークNNは、入力層IL、出力層OL、中間層(隠れ層)HLによって構成することができる。入力層IL、出力層OL、中間層HLは、それぞれ1または複数のニューロン(ユニット)を有する。なお、中間層HLは1層であってもよいし2層以上であってもよい。2層以上の中間層HLを有するニューラルネットワークはDNN(ディープニューラルネットワーク)と呼ぶこともできる。また、ディープニューラルネットワークを用いた学習は、深層学習と呼ぶこともできる。
入力層ILの各ニューロンには、入力データが入力される。中間層HLの各ニューロンには、前層または後層のニューロンの出力信号が入力される。出力層OLの各ニューロンには、前層のニューロンの出力信号が入力される。なお、各ニューロンは、前後の層の全てのニューロンと結合されていてもよいし(全結合)、一部のニューロンと結合されていてもよい。
図22Bに、ニューロンによる演算の例を示す。ここでは、ニューロンNと、ニューロンNに信号を出力する前層の2つのニューロンを示している。ニューロンNには、前層のニューロンの出力x1と、前層のニューロンの出力x2が入力される。そして、ニューロンNにおいて、出力x1と重みw1の乗算結果(x1w1)と出力x2と重みw2の乗算結果(x2w2)の総和x1w1+x2w2が計算された後、必要に応じてバイアスbが加算され、値a=x1w1+x2w2+bが得られる。そして、値aは活性化関数hによって変換され、ニューロンNから出力信号y=ahが出力される。
このように、ニューロンによる演算には、前層のニューロンの出力と重みの積を足し合わせる演算、すなわち積和演算が含まれる(上記のx1w1+x2w2)。この積和演算は、プログラムを用いてソフトウェア上で行ってもよいし、ハードウェアによって行われてもよい。
本発明の一態様では、ハードウェアとしてアナログ回路を用いて積和演算を行う。積和演算回路にアナログ回路を用いる場合、積和演算回路の回路規模の縮小、または、メモリへのアクセス回数の減少による処理速度の向上および消費電力の低減を図ることができる。
積和演算回路は、OSトランジスタを有する構成とすることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、積和演算回路のアナログメモリを構成するトランジスタとして好適である。なお、SiトランジスタとOSトランジスタの両方を用いて積和演算回路を構成してもよい。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の撮像装置に用いることのできるトランジスタについて説明する。ここでは特に、酸化物半導体が適用されたトランジスタ(OSトランジスタ)について説明する。
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などであり、例えば、後述するCAAC-OSまたはCAC-OSなどを用いることができる。CAAC-OSは結晶を構成する原子が安定であり、信頼性を重視するトランジスタなどに適する。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタなどに適する。
OSトランジスタは半導体層のエネルギーギャップが大きいため、数yA/μm(チャネル幅1μmあたりの電流値)という極めて低いオフ電流特性を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、および短チャネル効果などが生じないなどSiトランジスタとは異なる特徴を有し、高耐圧で信頼性の高い回路を形成することができる。また、Siトランジスタでは問題となる結晶性の不均一性に起因する電気特性のばらつきもOSトランジスタでは生じにくい。
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(Mは、アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属から選ばれた一つ、または複数)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。In-M-Zn系酸化物は、例えば、スパッタリング法、ALD(Atomic layer deposition)法、またはMOCVD(Metal organic chemical vapor deposition)法などを用いて形成することができる。
In-M-Zn系酸化物をスパッタリング法で成膜する場合、スパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:3、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8、In:M:Zn=10:1:3、等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。当該酸化物半導体は欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成の酸化物半導体を用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度、不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、または密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンまたは炭素などが含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンまたは炭素などの濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じてキャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
また、半導体層を構成する酸化物半導体に水素が含まれていると、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸化物半導体中に酸素欠損を形成する場合がある。酸化物半導体中のチャネル形成領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となる場合がある。さらに、酸素欠損に水素が入った欠陥はドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、水素が多く含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。
酸素欠損に水素が入った欠陥は、酸化物半導体のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、酸化物半導体においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、酸化物半導体のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
よって、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。水素などの不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も欠陥準位密度が低い。
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
以下では、非単結晶の半導体層の一態様であるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、および窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折測定から、測定領域のa-b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
また、CAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、輝度の高いリング状の領域と、該リング状の領域内に複数の輝点と、が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
また、例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
したがって、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、様々な半導体装置の構成材料として適している。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の撮像装置を用いたパッケージ、及びモジュールについて説明する。
図23A1は、イメージセンサチップを収めたパッケージの上面側の外観斜視図である。当該パッケージは、イメージセンサチップ450(図23A3参照)を固定するパッケージ基板410、カバーガラス420および両者を接着する接着剤430等を有する。
図23A2は、当該パッケージの下面側の外観斜視図である。パッケージの下面には、半田ボールをバンプ440としたBGA(Ball grid array)を有する。なお、BGAに限らず、LGA(Land grid array)、またはPGA(Pin Grid Array)などを有していてもよい。
図23A3は、カバーガラス420および接着剤430の一部を省いて図示したパッケージの斜視図である。パッケージ基板410上には電極パッド460が形成され、電極パッド460と上記バンプ440はスルーホールを介して電気的に接続されている。電極パッド460は、イメージセンサチップ450とワイヤ470によって電気的に接続されている。
また、図23B1は、イメージセンサチップをレンズ一体型のパッケージに収めたカメラモジュールの上面側の外観斜視図である。当該カメラモジュールは、イメージセンサチップ451(図23B3参照)を固定するパッケージ基板411、レンズカバー421、およびレンズ435等を有する。また、パッケージ基板411とイメージセンサチップ451の間には撮像装置の駆動回路および信号変換回路などの機能を有するICチップ490(図23B3参照)も設けられており、SiP(System in package)としての構成を有している。
図23B2は、当該カメラモジュールの下面側の外観斜視図である。パッケージ基板411の下面および側面には、実装用のランド441が設けられたQFN(Quad flat no-lead package)の構成を有する。なお、当該構成は一例であり、QFP(Quad flat package)、または前述したBGAが設けられていてもよい。
図23B3は、レンズカバー421およびレンズ435の一部を省いて図示したモジュールの斜視図である。ランド441は電極パッド461と電気的に接続され、電極パッド461はイメージセンサチップ451またはICチップ490とワイヤ471によって電気的に接続されている。
イメージセンサチップを上述したような形態のパッケージに収めることでプリント基板等への実装が容易になり、イメージセンサチップを様々な半導体装置、電子機器に組み込むことができる。
(実施の形態5)
本発明の一態様に係る撮像装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図24A乃至図24Fに示す。
図24Aは携帯電話機の一例であり、筐体981、表示部982、操作ボタン983、外部接続ポート984、スピーカ985、マイク986、カメラ987等を有する。当該携帯電話機は、表示部982にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指またはスタイラスなどで表示部982に触れることで行うことができる。当該携帯電話機に本発明の一態様の撮像装置およびその動作方法を適用することができ、カラー画像に加え、赤外光画像を取得することができる。
図24Bは携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、スピーカ913、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。また、カメラ919で取得した画像から文字等を認識し、スピーカ913で当該文字を音声出力することができる。当該携帯データ端末に本発明の一態様の撮像装置およびその動作方法を適用することができ、カラー画像に加え、赤外光画像を取得することができる。
図24Cは監視カメラであり、支持台951、カメラユニット952、保護カバー953等を有する。カメラユニット952には回転機構などが設けられ、天井に設置することで全周囲の撮像が可能となる。当該カメラユニットにおける画像取得のための要素に本発明の一態様の撮像装置およびその動作方法を適用することができ、カラー画像に加え、赤外光画像を取得することができる。なお、監視カメラとは慣用的な名称であり、用途を限定するものではない。例えば監視カメラとしての機能を有する機器はカメラ、またはビデオカメラとも呼ばれる。
図24Dはビデオカメラであり、第1筐体971、第2筐体972、表示部973、操作キー974、レンズ975、接続部976、スピーカ977、マイク978等を有する。操作キー974およびレンズ975は第1筐体971に設けられており、表示部973は第2筐体972に設けられている。当該ビデオカメラに本発明の一態様の撮像装置およびその動作方法を適用することができ、カラー画像に加え、赤外光画像を取得することができる。
図24Eはデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、発光部967、レンズ965等を有する。当該デジタルカメラに本発明の一態様の撮像装置およびその動作方法を適用することができ、カラー画像に加え、赤外光画像を取得することができる。
図24Fは腕時計型の情報端末であり、表示部932、筐体兼リストバンド933、カメラ939等を有する。表示部932は、情報端末の操作を行うためのタッチパネルを備える。表示部932および筐体兼リストバンド933は可撓性を有し、身体への装着性が優れている。当該情報端末に本発明の一態様の撮像装置およびその動作方法を適用することができ、カラー画像に加え、赤外光画像を取得することができる。
図25Aは、移動体の一例として自動車の外観図を図示している。図25Bは、自動車内でのデータのやり取りを簡略化した図である。自動車890は、複数のカメラ891等を有する。カメラ891に本発明の一態様の撮像装置を適用することができる。また、自動車890は、赤外線レーダー、ミリ波レーダー、レーザーレーダーなど各種センサ(図示せず)などを備える。
自動車890において、カメラ891等に集積回路893を用いることができる。自動車890は、カメラ891が複数の撮像方向892で得られた複数の画像を集積回路893で処理し、バス894等を介してホストコントローラ895等により複数の画像をまとめて解析することで、ガードレールの有無、または歩行者の有無など、周囲の交通状況を判断し、自動運転を行うことができる。また、道路案内、危険予測などを行うシステムに用いることができる。
自動車890では、得られた画像データをニューラルネットワークなどの演算処理を行うことで、例えば、画像の高解像度化、画像ノイズの低減、顔認識(防犯目的など)、物体認識(自動運転の目的など)、画像圧縮、画像補正(広ダイナミックレンジ化)、レンズレスイメージセンサの画像復元、位置決め、文字認識、反射映り込み低減などの処理を行うことができる。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、自動車は、内燃機関を有する自動車、電気自動車、水素自動車など、いずれであってもよい。また、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができ、これらの移動体に本発明の一態様のコンピュータを適用して、人工知能を利用したシステムを付与することができる。
図25Cは、車載用の撮像カメラの外観図を図示している。
図25Cの撮像カメラはドライブレコーダーとも呼ぶことができる。図25Cに示す撮像カメラは、筐体861、レンズ862、支持部863等を有する。支持部863に両面テープなどを貼ることによって、自動車等のフロントガラス、ボンネット、バックミラー支持部などに設置することができる。なお、支持部863、筐体861、及びレンズの形状及びサイズは、図25Cの構成に限られず、設置位置に合わせて適宜変更することができる。
図25Cの撮像カメラの内部には、本発明の一態様の撮像装置を適用することができる。また、撮像カメラ内部または車載された記憶装置に走行映像を記録保存することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。