JP7736079B2 - デジタル信号処理回路、方法、受信機、及び通信システム - Google Patents

デジタル信号処理回路、方法、受信機、及び通信システム

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Description

本開示は、デジタル信号処理回路、方法、受信機、及び通信システムに関する。
光ファイバ通信において、高いスペクトル利用効率を実現するため、高次のQuadrature amplitude modulation(QAM)変調などの多値変調が採用されている。コヒーレント受信技術の導入以来、光ファイバ伝送路で蓄積される波長分散を受信側で一括して補償するなど、デジタル信号処理による柔軟な受信側での等化信号処理が可能となった。しかしながら、一般的に、高次の多値変調信号は歪みに脆弱である。このため、送受信機内のコンポーネントの不完全性等に起因する歪みが、高多値化を進める上での新たなボトルネックとなりつつある。特に、1Tbps(bit per second)以上の光伝送システムを実現するには高シンボルレート、及び高多値変調方式が必須となり、そのような高度変調方式において性能を担保するためには、高精度な等化処理が必要となる。
関連技術として、非特許文献1は、送信機内歪み及び受信機内歪みを含む線形歪みを補償するための多層strictly linear(SL)及びWidely Linear(WL)フィルタを開示する。多層SL及びWLフィルタは、受信機内歪み補償フィルタ、波長分散補償フィルタ、偏波分離フィルタ、キャリア位相補償フィルタ、及び送信機内歪み補償フィルタを含む。多層SL及びWLフィルタには、X及びYの2つの偏波の、それぞれローカルオシレータ光に対する同相(in-phase:I)成分、及び直交(quadrature:Q)成分の、計4つの実数の受信信号系列が入力される。
受信機内歪み補償フィルタ、波長分散補償フィルタ、キャリア位相補償フィルタ、及び送信機内歪み補償フィルタは、偏波ごとに受信機内歪み、波長分散、キャリア位相雑音、及び送信機内歪みをそれぞれ補償する。非特許文献1において、受信機内歪み補償フィルタ及び送信機内歪み補償フィルタには、偏波ごとに配置された2×1WLフィルタが使用される。波長分散補償フィルタ及びキャリア位相補償フィルタには、偏波ごとに配置された1×1SLフィルタが使用される。
偏波分離フィルタは、偏波モード分散補償及び偏波分離を実施するフィルタであり、2つの偏波を両方扱う。非特許文献1において、偏波分離フィルタには、2×2SLフィルタが用いられる。受信機内歪み補償フィルタ、偏波分離フィルタ、及び送信機内歪み補償フィルタの係数は、最終段のフィルタである送信機内歪み補償フィルタの出力を用いて、適応的に制御される。
なお、2×1WLフィルタは、2×2=4個の実係数フィルタを有する実信号入力実係数2×2MIMOフィルタと等価である。本開示において、複素数信号とその複素共役とを入力とする複素数係数MIMOフィルタと、それと等価な実信号入力実係数MIMOフィルタとをまとめてWL MIMOフィルタとも呼ぶ。この文脈では、通常の複素数信号入力複素数係数MIMOフィルタは、SL MIMOフィルタと呼ばれる。
別の関連技術として、特許文献1は、復調デジタル信号処理部を有する受信機を開示する。復調デジタル信号処理部には、受信複素信号のX偏波の実数成分XI及び虚数成分XQと、受信複素信号のY偏波の実数成分YI及び虚数成分YQとが入力される。復調デジタル信号処理部は、実数成分XI、虚数成分XQ、実数成分YI、及び虚数成分YQのそれぞれに対して、受信機の周波数特性を補償するインパルス応答と波長分散補償用の複素インパルス応答とを畳み込む。
デジタル信号処理部は、更に、適応等化器において、光ファイバ伝送路及び受信機で生じたインペアメントに加えて、送信機で生じたIQインバランスやIQレーン間スキュー、IQ変調器のバイアスずれを動的に補償する。適応等化器は、8×2 complex IQ WL MIMO(multiple-input and multiple-output)等化器として構成される。MIMO等化器である適応等化器には、複素数信号の実数成分XI、虚数成分XQ、実数成分YI及び虚数成分YQと、それらそれぞれの位相共役との8つの信号が入力される。また、適応等化器の出力において、周波数オフセット補償用の位相回転が施された信号と、周波数オフセット補償用の位相回転とは逆回転の位相回転が施された信号とが加算される。特許文献1に記載の適応等化器は、送信側デバイスで生じた効果(以下、Tx負荷とも呼ぶ)、及び受信側デバイスで生じた効果(以下、Rx負荷とも呼ぶ)を、受信側で8x2 complex IQ WL MIMOを用いて一括して補償することができる。
特開2020-141294号公報
特許文献1に記載される適応等化器では、適応等化器において、周波数オフセット補償用の位相回転が施された信号と、周波数オフセット補償用の位相回転とは逆回転の位相回転が施された信号とが加算される。しかしながら、特許文献1に記載の適応等化器は、光源の位相雑音が送信機内歪みの等化精度に影響を及ぼすという課題がある。
本開示は、上記事情に鑑み、送信機内歪みの等化精度を向上できるデジタル信号処理回路、方法、受信機、及び通信方法を提供することを目的の1つとする。
上記目的を達成するために、本開示は、第1の態様として、デジタル信号処理回路を提供する。デジタル信号処理回路は、送信機から送信され、受信機で受信された偏波多重光信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを含む。
本開示は、第2の態様として、受信機を提供する。受信機は、伝送路を介して送信機から送信された偏波多重光信号をコヒーレント受信する検波器と、前記コヒーレント受信された受信信号に対して等化信号処理を実施するデジタル信号処理回路とを含む。デジタル信号処理回路は、前記受信信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを含む。
本開示は、第3の態様として、通信システムを提供する。通信システムは、伝送路を介して偏波多重光信号を送信する送信機と、前記送信機から送信された偏波多重光信号をコヒーレント受信する検波器を含む受信機と、前記コヒーレント受信された受信信号に対して等化信号処理を実施するデジタル信号処理回路とを含む。デジタル信号処理回路は、前記受信信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを含む。
本開示は、第4の態様として、デジタル信号処理方法を提供する。デジタル信号処理方法は、波長分散補償フィルタにおいて、送信機から送信され、受信機で受信された偏波多重光信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算し、前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力される適応等化器において、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力し、前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新することを含む。
本開示に係るデジタル信号処理回路、方法、受信機、及び通信方法は、送信機内歪みの等化精度を向上できる。
本開示に係る通信システムを概略的に示すブロック図。 受信機の概略的な構成を示すブロック図。 本開示の第1実施形態に係る信号伝送システムを示すブロック図。 デジタル信号処理部の基本構成の例を示すブロック図。 デジタル信号処理部のより詳細な構成例を示すブロック図。 Rx負荷補償、波長分散補償、キャリア位相補償、及びTx負荷補償を行う一般的なデジタル信号処理を示すブロック図。 説明に用いられるデジタル信号処理の構成例を示すブロック図。 Tx負荷及びRx負荷を補償しない場合のI-チャネル及びQ-チャネルの信号分布を示す信号分布図。 特許文献1に記載される適応等化と同等な等化を実施した場合のI-チャネル及びQ-チャネルの信号分布を示す信号分布図。 本実施形態に係るデジタル信号処理部が用いられる場合のI-チャネル及びQ-チャネルの信号分布を示す信号分布図。 本開示の第2実施形態で用いられるデジタル信号処理部の構成例を示すブロック図。 位相補償フィルタを含む適応等化器の構成例を示すブロック図。 サブキャリア合成後の波形の例を示す模式図。 本開示の第3実施形態で用いられるデジタル信号処理部の構成例を示すブロック図。 光送信機の構成の一部を示すブロック図。 変形例において使用される光受信機を示すブロック図。 光受信機の構成の一部を示すブロック図。
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。図1は、本開示に係る通信システムを概略的に示す。通信システム10は、送信機11、及び受信機15を有する。送信機11と受信機15とは、伝送路13を介して相互に接続されている。送信機11は、伝送路13を介して偏波多重光信号を送信する。受信機15は、送信機11から送信された偏波多重光信号を、伝送路13を介して受信する。
図2は、受信機15の概略的な構成を示す。受信機15は、検波器21、デジタル信号処理回路22を有する。検波器21は、送信機から送信された偏波多重光信号をコヒーレント受信する。デジタル信号処理回路22は、検波器21でコヒーレント受信された受信信号に対して、等化信号処理を実施する。
デジタル信号処理回路22は、波長分散補償フィルタ31、適応等化器32、及びフィルタ係数更新部33を有する。波長分散補償フィルタ31は、偏波多重信号である受信信号における波長分散を補償する。適応等化器32は、波長分散補償フィルタ31の後段に配置される。適応等化器32は、受信信号に含まれる歪みを補償する。フィルタ係数更新部33は、適応等化器32の出力を用いて、適応等化器32に含まれるフィルタの係数を更新する。
適応等化器32には、波長分散補償フィルタ31から出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号と、第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号とが入力される。適応等化器32は、入力信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施す。また、適応等化器32は、入力信号の位相共役を示す信号に複素インパルス応答を乗算し、複素インパルス応答が乗算された位相共役信号を加算する。適応等化器32は、加算された位相共役信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施す。適応等化器32は、キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、加算した信号を出力する。
本開示では、適応等化器32は、複素インパルス応答が乗算された入力信号を加算した信号に、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施す。また、適応等化器32は、複素インパルス応答が乗算された位相共役信号を加算した信号に、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施す。本開示では、適応等化器32において、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転、及びその逆回転が施される。このため、適応等化器32において、光源の位相雑音が送信機内歪みの等化精度に影響を及ぼす割合を低減させることができ、高精度な送信機内歪みの等化を実現することができる。
以下、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図3は、本開示の第1実施形態に係る信号伝送システムを示す。本実施形態において、信号伝送システムは、偏波多重QAM方式が採用され、コヒーレント受信を行う光ファイバ通信システムであることを想定する。光ファイバ通信システム100は、光送信機110、伝送路130、及び光受信機150を有する。光ファイバ通信システム100は、例えば光海底ケーブルシステムを構成する。光ファイバ通信システム100は、図1に示される通信システム10に対応する。光送信機110は、図1に示される送信機11に対応する。伝送路130は、図1に示される伝送路13に対応する。光受信機150は、図1に示される受信機15に対応する。
光送信機110は、複数の送信データを、偏波多重光信号に変換する。光送信機110は、符号化部111、予等化部112、DAC(Digital analog converter)113、光変調器114、及びLD(Laser diode)115を有する。符号化部111は、データを符号化する。符号化部111は、例えば、X偏波(第1の偏波)及びY偏波(第2の偏波)のin-phase(I)成分、及びquadrature(Q)成分の4系列の信号を出力する。
予等化部112は、符号化された4系列の信号に対し、光送信機内のデバイスの歪みなどをあらかじめ補償する予等化を実施する。DAC113は、予等化が実施された4系列の信号を、それぞれアナログ電気信号に変換する。
LD115は、CW(Continuous wave)光を出力する。光変調器114は、LD115から出力されたCW光を、DAC113から出力される4系列の信号に応じて変調し、偏波多重された光信号を生成する。光変調器114は、例えば偏波多重QAM信号を生成する。光変調器114は、伝送路130に偏波多重された光信号を送出する。
伝送路130は、光送信機110から出力された偏波多重光信号を光受信機150に伝送する。伝送路130は、光ファイバ132、及び光増幅器133を有する。光ファイバ132は、光送信機110から送信された光信号を導波する。光増幅器133は、光信号を増幅し、光ファイバ132における伝搬損失を補償する。光増幅器は133、例えば、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:erbium doped fiber amplifier)として構成される。伝送路130は、複数の光増幅器133を含み得る。
光受信機150は、LD151、コヒーレント受信機152、ADC(Analog digital converter)153、デジタル信号処理部154、及び復号部155を有する。光受信機150において、デジタル信号処理部154、及び復号部(復号器)155などの回路は、例えばDSP(digital signal processor)などのデバイスを用いて構成され得る。
LD151は、ローカルオシレータ光となるCW光を出力する。コヒーレント受信機152は、偏波ダイバーシティ型コヒーレント受信機として構成される。コヒーレント受信機152は、LD151から出力されるCW光を用いて、光ファイバ132を伝送された光信号に対してコヒーレント検波を実施する。コヒーレント受信機152は、コヒーレント検波されたX偏波及びY偏波のI成分及びQ成分に相当する4系列の受信信号(電気信号)を出力する。コヒーレント受信機152は、図2に示される検波器21に対応する。
ADC153は、コヒーレント受信機152から出力される受信信号をサンプリングし、受信信号をデジタル領域の信号に変換する。デジタル信号処理部154は、ADC153でサンプリングされた4系列の受信信号に対してデジタル信号処理を行い、受信信号を復調する。デジタル信号処理部154は、1以上のプロセッサと1以上のメモリとを含み得る。デジタル信号処理部154の機能の少なくとも一部は、プロセッサがメモリから読み出したプログラムに従って動作することで実現されてもよい。デジタル信号処理部154は、図2に示されるデジタル信号処理回路22に対応する。復号部155は、復調された信号に対して復号を行い、送信されたデータを復元する。
図4は、デジタル信号処理方法を実施するデジタル信号処理部154の基本構成の例を示す。デジタル信号処理部154は、波長分散補償フィルタ161、適応等化器162、位相補償フィルタ163、及びフィルタ係数更新部170を有する。なお、図4において、位相補償フィルタ163は適応等化器162から独立したブロックとして図示されているが、位相補償フィルタ163は適応等化器162に組み込まれているものとする。
デジタル信号処理部154において、波長分散補償フィルタ161、適応等化器162、及び位相補償フィルタ163は、入力信号に対して縦列に接続されて配置される。デジタル信号処理部154は、例えば、波長分散補償フィルタ161の前段に、入力信号に含まれる歪みを補償する1以上のフィルタを含み得る。波長分散補償フィルタ161は、図2に示される波長分散補償フィルタ31に対応する。適応等化器162及び位相補償フィルタ163は、図2に示される適応等化器32に対応する。
フィルタ係数更新部170は、適応等化器162の入力、及び位相補償フィルタ163の出力をモニタする。また、フィルタ係数更新部170は、適応等化器162の出力、すなわち位相補償フィルタ163の入力をモニタする。フィルタ係数更新部170は、位相補償フィルタ163の出力を用いて、適応等化器162のフィルタ係数、及び位相補償フィルタ163のフィルタ係数を更新する。フィルタ係数更新部170は、例えば、所定の損失関数に基づいて、誤差逆伝播法により、適応等化器162及び位相補償フィルタ163の係数を適応制御する。損失関数は、最終段のフィルタである位相補償フィルタ163の出力信号と、所望状態との差分に基づいて計算される。フィルタ係数更新部170は、図2に示されるフィルタ係数更新部33に対応する。
図5は、デジタル信号処理部154のより詳細な構成例を示す。この例において、適応等化器162は、複素数WL MIMOフィルタとして構成される。波長分散補償(CDC:chromatic dispersion compensation)フィルタ161には、X偏波のIQ成分(XI及びXQ)及びY偏波のIQ成分(YI及びYQ)が入力される。波長分散補償フィルタ161は、X偏波及びY偏波それぞれのI成分(実数成分)XI及びYIと、Q成分(虚数成分)XQ及びYQとのそれぞれに、波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する。波長分散補償フィルタ161は、波長分散が補償された複素数信号X、X、Y、及びYを出力する。
適応等化器162は、8×2複素数WL等化器(以下、8×2 WL MIMOフィルタとも呼ぶ)を構成する計16個の複素数係数フィルタと、位相補償フィルタ163とを含む。8×2 WL MIMOフィルタには、波長分散補償フィルタ161から出力されるX偏波の実数成分X及び虚数成分X、並びにY偏波の実数成分Y及び虚数成分Yが入力される。各偏波の虚数成分X及びYには、それぞれ虚数単位を表すiが乗算される。8×2 WL MIMOフィルタにおいて、各複素数係数フィルタは、入力信号及び入力信号の位相共役に、複素インパルス応答を乗算する。以下の説明において、位相共役は「」で表され得る。複素インパルス応答が乗算されたX、X、Y、及びYは加算器で加算され、位相補償フィルタ163に出力される。また、X、X、Y、及びYの位相共役は、加算器で加算され、位相補償フィルタ163に出力される。
位相補償フィルタ163は、偏波ごとに配置された、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施すフィルタ(ph及びph)と、その逆回転を施すフィルタ(ph 及びph )とを含む。位相補償フィルタ163は、複素インパルス応答が乗算されたX、X、Y、及びYの和に対して、偏波ごとに、キャリア位相補償用の位相回転を施す。また、位相補償フィルタ163は、複素インパルス応答が乗算されたX、X、Y、及びYの位相共役の和に対して、偏波ごとに、キャリア位相補償用の位相回転を施す。
適応等化器162は、キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号とを、偏波ごとに加算する。適応等化器162は、X偏波について、phの位相回転が施された信号と、ph の位相回転が施された信号とを、出力信号Xとして出力する。また、適応等化器162は、Y偏波について、phの位相回転が施された信号と、ph の位相回転が施された信号とを、出力信号Yとして出力する。
フィルタ係数更新部170は、適応等化器162の各複素数係数フィルタの係数(複素インパルス応答)を、上記した損失関数を最小化するように更新する。フィルタ係数更新部170は、例えば、確率的勾配降下法により、位相補償フィルタ163の出力に基づいて算出される損失関数を最小化するように各複素数係数フィルタの係数を更新する。フィルタ係数更新部170は、位相補償フィルタ163の係数、すなわち位相補償フィルタ163における位相回転の量を、位相補償フィルタ163の出力に基づいて算出する。位相補償量の算出には、一般的なM乗法や、仮判定を用いたデジタルPhase locked loop(PLL)を用いることができる。本実施形態では、位相補償フィルタ163において、周波数オフセットを含むキャリア位相雑音が補償される。位相補償フィルタ163の係数の算出には、例えば、2つの時定数を有する2次PLLを用いることができる。
以下、位相補償フィルタ163を含む適応等化器162において、送信機内歪み(Tx負荷)、受信機内歪み(Rx負荷)、周波数オフセット、及び光源の位相雑音が補償できることを説明する。適応等化器162に用いられる8×2複素数WL等化器は、4×1複素数WL等化器を偏波多重に拡張した等化器であると考えることができる。このため、以下では、補償される歪みの説明に、4×1複素数WL等化器が用いられる。
図6は、Rx負荷補償、波長分散補償、キャリア位相補償、及びTx負荷補償を行う一般的なデジタル信号処理を示す。この例において、デジタル信号処理は、受信機内歪み補償フィルタ501、波長分散補償フィルタ502、キャリア位相補償フィルタ503、及び送信機内歪み補償フィルタ504を含む。受信機内歪み補償フィルタ501には、偏波多重ではない受信信号(デジタル信号)が入力されるものとする。
受信機内歪み補償フィルタ501は、Rx負荷を補償するフィルタである。波長分散補償フィルタ502は、波長分散を補償するフィルタである。キャリア位相補償フィルタ503は、光源の位相雑音を補償するフィルタである。送信機内歪み補償フィルタ504は、Tx負荷を補償するフィルタである。受信機内歪み補償フィルタ501及び送信機内歪み補償フィルタ504には、2×1WLフィルタが使用されるものとする。
受信機内歪み補償フィルタ501の入力信号をxとし、受信機内歪み補償フィルタ501のフィルタ係数をhとする。また、波長分散補償フィルタ502の係数をhcdとし、波長分散補償フィルタ502の出力信号をyとする。このとき、yは、xを用いて下記式で表される。
キャリア位相補償フィルタ503の係数をe-iθとすると、キャリア位相補償フィルタ503の出力信号y’は、下記式で表される。
送信機内歪み補償フィルタ504のフィルタ係数をgとし、送信機内歪み補償フィルタ504の出力信号をzとすると、zは下記式で表される。
上記式1で表されるzをIQごとに変形すると、送信機内歪み補償フィルタ504の出力信号は、下記のように変形できる。
図7は、説明に用いられるデジタル信号処理の構成例を示す。図7では、デジタル信号処理に、4×1WL等化器(4×1複素数WL MIMOフィルタ)190が用いられる。4×1WL等化器は、2つの複素共役変換部と、4つの複素数係数フィルタとを含む。適応等化器162に含まれる8×2複素数WL等化器は、4×1WL等化器190を、偏波多重に拡張した構成である。
4×1WL等化器190には、IQごとに個別に波長分散補償が施された信号が入力される。波長分散補償フィルタの入力信号をxとし、波長分散補償フィルタにおけるフィルタ係数をhcdとする。また、4×1WL等化器190の入力信号をyとし、位相補償フィルタにおける位相回転をe-iθとする。その場合、4×1WL等化器190の出力信号zは、下記式で表される。
上記式で表されるzをIQごとに変形すると、4×1WL等化器190の出力信号は、下記のように変形できる。
上記式2と式3とを、右辺第1項から第4項まで比較する。下記関係式、
から、
となる。つまり、上記式2と式3とは一致する。従って、図6に示される2組の2×1WLフィルタ及び波長分散フィルタ(複素数)が用いられるデジタル信号処理と、4×1複素数WLフィルタとIQ個別の波長分散フィルタとが用いられるデジタル信号処理とは、等価であると言える。
次いで、適応等化器162におけるフィルタ係数の更新を説明する。4×1WL等化器190の入力信号をxとし、位相補償フィルタの入力をy、y*とすると、y、y*は、xを用いて下記式で表すことができる。
上記式において、jは入力の次元数を表し、iは出力の次元数を表し、kはサンプルを表す。また、mはフィルタ(FIR(Finite impulse response)フィルタのタップ数を表す。適応等化器162の出力zは、
で表される。フィルタ係数の更新に使用される損失関数φは、dを所望の状態を表す教師信号として、下記式で定義されるものとする。
4×1WL等化器190のフィルタ係数は、上記損失関数を最小化するように、確率的勾配降下法を用いて更新される。
上記から、更新後の各フィルタ係数は、αを更新の大きさを制御するステップサイズとして、下記式で与えられる。
また、位相補償フィルタにおける位相補償係数は、それぞれe-iθi、eiθiである。

θは、φ[k]に基づいて、ここでは詳細に説明されない方法を用いて別途算出される。周波数オフセットと位相雑音とを含む位相補償量の算出には、一般的な教師信号を用いたデジタルPLLが用いられる。
本実施形態では、デジタル信号処理部154は、適応等化器162(8×2複素数WL等化器)と、8×2複素数WL等化器に含まれる位相補償フィルタ163とを含む。フィルタ係数更新部170は、適応等化器162の係数を、位相補償フィルタ163の出力信号を用いて更新する。本実施形態では、適応等化器162は、位相補償フィルタ163において、周波数オフセットを含む位相補償を実施する。このような構成を採用することで、適応等化器162は、Tx負荷、Rx負荷、偏波変動(偏波モード分散)、周波数オフセット、及び光源の位相雑音を一括して補償することができる。本実施形態は、光源の位相雑音がTx負荷の等化精度に及ぼす影響を低減することができ、Tx負荷を精度よく等化することができる。
本発明者は、デジタル信号処理部154における等化の効果を検証するために、シミュレーションを行った。シミュレーションでは、130GB(Baud)の偏波多重64QAM信号を用いた。この信号に、位相ノイズとして送信側のLDとローカルオシレータ光とにそれぞれ100kHzのノイズを加えた。また、送信機においてX偏波のQ信号に、0.5UI(Unit Interval)のIQスキューを加え、受信機においてY偏波のQ信号に、-0.5UIのIQスキューを加えた。波長分散は、7.5ns/nmとした。
図8は、等化デジタル信号処理においてTx負荷及びRx負荷を補償しない場合のI-チャネル及びQ-チャネルの信号分布を示す。シミュレーションでは、ADCでデジタル信号に変換された信号に対して、波長分散補償フィルタ、偏波分離フィルタ、及びキャリア位相補償フィルタを用いて等化を行った。この場合、等化デジタル信号処理においてTx負荷及びRx負荷が補償されないため、X偏波及びY偏波の双方において信号点の判別が困難である。
図9は、等化デジタル信号処理において特許文献1に記載される適応等化と同等な等化を実施した場合のI-チャネル及びQ-チャネルの信号分布を示す。シミュレーションでは、ADCでデジタル信号に変換された信号に対して、波長分散補償フィルタ、8×2MIMOフィルタ、周波数オフセット補償フィルタ、及びキャリア位相補償フィルタを用いて等化を行った。この場合、受信機においてIQスキューが加えられたY偏波については、歪みの改善が見られる。しかしながら、送信機においてIQスキューが加えられたX偏波の信号では、図8に比べて受信特性は改善できているものの、受信特性は十分に高くない。
図10は、本実施形態に係るデジタル信号処理部154が用いられる場合のI-チャネル及びQ-チャネルの信号分布を示す。図10と、図8及び図9とを比較すると、デジタル信号処理部154が用いられた場合、X偏波及びY偏波の双方の信号において受信特性を改善できていることがわかる。このように、シミュレーションにより、本実施形態は、Tx負荷を精度よく等化できることが確認された。
次いで、本開示の第2実施形態を説明する。図11は、本開示の第2実施形態で用いられるデジタル信号処理部の構成例を示す。本実施形態において、デジタル信号処理部154aは、図4に示されるデジタル信号処理部154の構成に加えて、サブキャリア分離部164を有する。デジタル信号処理部154aにおけるフィルタ係数の更新は、第1実施形態で説明したフィルタ係数の更新と同様でよい。
本実施形態において、受信信号は、偏波多重に加え、サブキャリア多重されている。サブキャリアは、2つのサブキャリア、すなわち、第1のサブキャリアSC1と第2のサブキャリアSC2とを含む。第1のサブキャリアSC1及び第2のサブキャリアSC2は、ペアとなるサブキャリアである。サブキャリアは、4つのサブキャリア、すなわち第1-第4のサブキャリアSC1-SC4を含んでいてもよい。この場合、第1のサブキャリアSC1と第4のサブキャリアSC4とがペアとなり、第2のサブキャリアSC2と第3のサブキャリアSC3とがペアとなる。
送信側におけるサブキャリア多重を説明する。光送信機110(図3を参照)は、例えば、符号化部111と予等化部112との間に、サブキャリア多重信号処理部を更に有している。サブキャリア多重信号処理部は、サブキャリアの数に対応する複数のFFT(fast Fourier transform)部と、サブキャリア配置部と、IFFT(Inverse FFT)部とを含む。
サブキャリア多重信号処理部において、送信データは、複数のサブキャリア信号に分離され、分離された複数のサブキャリア信号は、複数のFFT部に入力される。各FFTは、入力されるサブキャリア信号に対してFFTを実施し、サブキャリア信号を周波数領域のサブキャリアFFT信号に変換する。サブキャリア配置部は、周波数領域のサブキャリアFFT信号を、各サブキャリアの周波数シフト量で周波数シフトし、周波数シフトした信号を周波数領域に配置したサブキャリア配置信号を生成する。IFFT部は、周波数領域のサブキャリア配置信号に対してIFFTを実施し、サブキャリア配置信号を時間領域のサブキャリア多重信号に変換する。
次いで、受信側におけるサブキャリア分離を説明する。サブキャリア分離部164は、FFT部、分離部、及びサブキャリアの数に対応する複数のIFFT部を有する。サブキャリア分離部164には、ADC153(図3を参照)から、デジタルサブキャリア多重信号が入力される。FFT部は、入力されるサブキャリア多重信号に対してFFTを実施し、サブキャリア多重信号を周波数領域のサブキャリア多重FFT信号に変換する。サブキャリア分離部は、周波数領域のサブキャリア多重FFT信号に含まれる複数のサブキャリア信号を、サブキャリアごとに分離する。サブキャリア分離信号は、サブキャリアの数に対応した複数のサブキャリア分離信号を生成する。各IFFT部は、周波数領域の信号であるサブキャリア分離信号を、時間領域の信号に変換する。なお、図11では、波長分散補償フィルタ161の前段にサブキャリア分離部164が配置される例が示されているが、本実施形態はこれには限定されない。サブキャリア分離部164は、波長分散補償フィルタ161と適応等化器162との間に配置されていてもよい。
図12は、位相補償フィルタ163を含む適応等化器162の構成例を示す。この例において、適応等化器162は、16×4複素数WL等化器(以下、16×4 WL MIMOフィルタとも呼ぶ)を含む。16×4 WL MIMOフィルタには、波長分散補償フィルタ161においてサブキャリアごとにIQ個別に波長分散が補償された信号が入力される。具体的には、16×4 WL MIMOフィルタには、2つのサブキャリアのX偏波及びY偏波それぞれのIQ成分(xiSC1、xqSC1、yiSC1、yqSC1、xiSC2、xqSC2、yiSC2、yqSC2)が入力される。
16×4 WL MIMOフィルタにおいて、各複素数係数フィルタは、入力信号及び入力信号の位相共役に、複素インパルス応答を乗算する。複素インパルス応答が乗算された第1のサブキャリアのxiSC1、xqSC1、yiSC1、yqSC1と、第2のサブキャリアの位相共役xiSC2 、xqSC2 、yiSC2 、yqSC2 とは加算器で加算され、偏波ごとに、係数がphxSC1、phxSC1*、phySC1、及びphySC1*の位相補償フィルタ163に出力される。係数がphxSC1の位相補償フィルタの出力と、係数がphxSC1*の出力とは加算器で加算され、加算された信号が第1のサブキャリアのX偏波の信号XSC1として出力される。係数がphySC1の位相補償フィルタの出力と、係数がphySC1*の出力とは加算器で加算され、加算された信号が第1のサブキャリアのY偏波の信号YSC1として出力される。
また、複素インパルス応答が乗算された第2のサブキャリアのxiSC2、xqSC2、yiSC2、yqSC2と、第1のサブキャリアの位相共役xiSC1 、xqSC1 、yiSC1 、yqSC1 とは加算器で加算され、偏波ごとに、係数がphxSC2、phxSC2*、phySC2、及びphySC2*の位相補償フィルタ163に出力される。係数がphxSC2の位相補償フィルタの出力と、係数がphxSC2*の出力とは加算器で加算され、加算された信号が第2のサブキャリアのX偏波の信号XSC2として出力される。係数がphySC2の位相補償フィルタの出力と、係数がphySC2*の出力とは加算器で加算され、加算された信号が第2のサブキャリアのY偏波の信号YSC2として出力される。
図13は、サブキャリア合成後の波形の例を模式的に示す。図13において、横軸は周波数を示し、縦軸は電力を示す。サブキャリア多重された信号では、I成分の周波数特性とQ成分の周波数特性とが異なる場合、IQミキシングによって、第1サブキャリアSC1に第2サブキャリアの共役成分SC2が発生する。また、IQミキシングにより、第2サブキャリアSC2に第1サブキャリアの共役成分SC1が発生する。すなわち、互いのサブキャリアSCの共役成分によるIQミキシングが発生する。各サブキャリアの共役成分は、ペアになるサブキャリアSCに発生する。
上記16×4 WL MIMOフィルタでは、第1のサブキャリアSC1の信号に、第2のサブキャリアSC2の位相共役を加算し、第2のサブキャリアSC2の信号に、第1のサブキャリアSC1の位相共役を加算している。このようにすることで、適応等化器162において、IQミキシングの影響を受けずに、歪みを補正できる。サブキャリアの数は2つには限定されず、受信信号は4以上のサブキャリアに多重化されていてもよい。その場合は、ペアとなる2つのサブキャリアごとに、16×4 WL MIMOフィルタを配置すればよい。他の効果は、第1実施形態で説明した効果と同様である。
続いて、本開示の第3実施形態を説明する。図14は、本開示の第3実施形態で用いられるデジタル信号処理部の構成例を示す。本実施形態において、デジタル信号処理部154bは、図4に示されるデジタル信号処理部154の構成に加えて、歪み推定部165を有する。歪み推定部165は、適応等化器162のフィルタ係数に基づいて、Tx負荷を推定する。デジタル信号処理部154bにおけるフィルタ係数の更新は、第1実施形態で説明したフィルタ係数の更新と同様でよい。本実施形態は、第2実施形態で説明したサブキャリア多重が用いられる構成にも適用できる。
本実施形態において、光送信機110の予等化部112(図3を参照)のフィルタ係数は、受信側のデジタル信号処理部154bのフィルタ係数に基づいて制御される。図15は、光送信機110の構成の一部を示す。光送信機110は、X偏波及びY偏波のそれぞれに対応して、2×1WLフィルタ117と、IQ分離部118とを有する。2×1WLフィルタ117は、図3に示される予等化部112に対応する。X偏波に対応して配置される2×1WLフィルタ117には、X偏波の複素数信号(XI+iXQ)が入力される。2×1WLフィルタ117の出力信号は、IQ分離部118でI成分の実信号とQ成分の実信号とに分離され、DAC113でアナログ信号に変換される。Y偏波に対応して配置される2×1WLフィルタ117には、Y偏波の複素数信号(YI+iYQ)が入力される。2×1WLフィルタ117の出力信号は、IQ分離部118でI成分の実信号とQ成分の実信号とに分離され、DAC113でアナログ信号に変換される。
歪み推定部165(図14を参照)は、係数収束後の適応等化器162のフィルタ係数から、Tx負荷を推定する。Tx負荷は、図5に示される複素インパルス応答を乗算するフィルタの係数に基づいて計算できる。本実施形態において、予等化部112の2×1WLフィルタのフィルタ係数は、予等化部112において、歪み推定部165が推定したTx負荷の逆特性の特性が送信される信号に付加されるように、設定される。予等化部112のフィルタ係数を、受信側で推定されたTx負荷に応じて設定することで、送信側においてTx負荷を補償することができる。
なお、送信側の予等化部112において、実信号入力実係数MIMOフィルタが用いられてもよい。予等化部112において2×2 Real MIMOフィルタが用いられる場合、8×2 WL MIMOフィルタから推定されたTx負荷の逆特性を、2×2 Real MIMOフィルタの係数に係数変換すればよい。
本実施形態において、図4又は図5に示されるデジタル信号処理の一部又は全ては、デジタル信号処理部154bとは異なるハードウェアに実装されていてもよい。図16は、変形例において使用される光受信機を示す。この変形例において、光受信機150は、外部装置160に接続される。外部装置160は、例えばPersonal Computer(PC)などのコンピュータ装置として構成される。光受信機150において、ADC153が出力するデジタル信号は、外部装置160に分岐される。光受信機150は、外部装置160と接続するためのインタフェースを有しており、そのインタフェースを通じて、デジタル信号を外部装置160に出力する。
外部装置160は、波長分散補償フィルタ161、適応等化器162、及び位相補償フィルタ163の動作を、シミュレーションなどを用いて再現し、フィルタ係数を更新する。外部装置160において、波長分散補償フィルタ、8×2WL等化器、及び位相補償フィルタは、専用のハードウェアで実装されていてもよい。外部装置160は、更新された8×2WL等化器のフィルタ係数に基づいて、Tx負荷を推定する。外部装置160は、光送信機110に、予等化部112のフィルタ係数を送信し、予等化部112のフィルタ係数を更新してもよい。あるいは、外部装置160において推定されたTx負荷に応じたフィルタ係数が、人手で予等化部112に設定されてもよい。本実施形態において、Tx負荷の推定を外部装置160において実施する場合、デジタル信号処理部154は、Tx負荷を補償するためのフィルタを有していなくてもよい。
また、本実施形態において、外部装置160(その歪み推定部)は、係数収束後の8×2WL等化器のフィルタ係数から、Rx負荷を推定してもよい。Rx負荷は、図5に示される複素インパルス応答を乗算するフィルタの係数に基づいて計算できる。図16において、デジタル信号処理部154は、受信機内歪みを補償するフィルタを含む。受信機内歪み補償フィルタのフィルタ係数は、推定されたRx負荷の逆特性の特性が受信信号に与えられるように設定される。
図17は、光受信機150の構成の一部を示す。光受信機150において、デジタル信号処理部154は、X偏波及びY偏波のそれぞれに対応して、IQ合成部156と、2×1WLフィルタ157とを有する。2×1WLフィルタ157は、光受信機150において、コヒーレント受信された偏波多重光信号に対して等化処理を実施する等化部である。X偏波に対応して配置されるIQ合成部156は、ADC153でデジタル信号に変換された実信号XI及びXQを、X偏波の複素数信号(XI+iXQ)に合成する。X偏波に対応して配置される2×1WLフィルタ157には、X偏波の複素数信号(XI+iXQ)が入力される。また、Y偏波に対応して配置されるIQ合成部156は、ADC153でデジタル信号に変換された実信号YI及びYQを、Y偏波の複素数信号(YI+iYQ)に合成する。Y偏波に対応して配置される2×1WLフィルタ157には、Y偏波の複素数信号(XI+iXQ)が入力される。
外部装置160は、推定したRx負荷に基づいて、各偏波の2×1WLフィルタ157のフィルタ係数を設定する。あるいは、外部装置160において推定されたRx負荷に応じたフィルタ係数が、人手で各偏波の2×1WLフィルタ157に設定されてもよい。このようにすることで、各偏波において、2×1WL157を用いて送信機内歪みを補償することができる。この場合、信号の受信に用いられるデジタル信号処理部154には、既存の回路が使用できる。
本実施形態において、歪み推定部165は、係数収束後の適応等化器162のフィルタ係数から、Tx負荷を推定する。光送信機110に含まれる予等化部112のフィルタ係数を、受信側で推定されたTx負荷に基づいて制御することで、送信側においてTx負荷を補償することができる。また、歪み推定部165は、係数収束後の適応等化器162のフィルタ係数から、Rx負荷を推定することができる。光受信機150に含まれるデジタル信号処理部154における受信機内歪み補償フィルタのフィルタ係数を、推定されたRx負荷に基づいて制御することで、Rx負荷を補償することができる。
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
送信機から送信され、受信機で受信された偏波多重光信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、
前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、
前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを備えるデジタル信号処理回路。
[付記2]
前記適応等化器は、複素数8×2 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、付記1に記載のデジタル信号処理回路。
[付記3]
前記8×2WL MIMOフィルタは、前記第1の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第2の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第1の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第2の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号とが入力され、前記第1の偏波の複素数信号、及び前記第2の偏波の複素数信号を出力するWLフィルタである、付記2に記載のデジタル信号処理回路。
[付記4]
前記偏波多重光信号は、データが複数のサブキャリアに多重化されたデジタルサブキャリア多重光信号であり、
前記複数のサブキャリアは、ペアとなる第1のサブキャリア及び第2のサブキャリアを含み、
前記適応等化器は、
第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第1のサブキャリアの信号と前記第2のサブキャリアの信号とを加算し、該加算された信号に対し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転と前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転とを施し、
第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第2のサブキャリアの信号と前記第1のサブキャリアの信号とを加算し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転と前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転とを施す、付記1に記載のデジタル信号処理回路。
[付記5]
前記適応等化器は、複素数16×4 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、付記4に記載のデジタル信号処理回路。
[付記6]
前記16×4WL MIMOフィルタは、前記第1のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第1のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第1のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第1のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号とが入力され、前記第1のサブキャリアの前記第1の偏波の複素数信号、及び前記第2の偏波の複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第1の偏波の複素数信号、及び前記第2の偏波の複素数信号とを出力するWLフィルタである、付記5に記載のデジタル信号処理回路。
[付記7]
前記適応等化器における前記複素インパルス応答に基づいて、前記送信機内で生じる歪み、及び前記受信機内で生じる歪みの少なくとも一方を推定する歪み推定部を更に有する、付記1から6何れか1項に記載のデジタル信号処理回路。
[付記8]
前記適応等化器は、前記送信機内で生じた歪み、前記受信機内で生じた歪み、偏波モード分散、周波数オフセット、光源の位相雑音を補償する、付記1から7何れか1項に記載のデジタル信号処理回路。
[付記9]
伝送路を介して送信機から送信された偏波多重光信号をコヒーレント受信する検波器と、
前記コヒーレント受信された受信信号に対して等化信号処理を実施するデジタル信号処理回路とを備え、
前記デジタル信号処理回路は、
前記受信信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、
前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、
前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを有する、受信機。
[付記10]
前記適応等化器は、複素数8×2 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、付記9に記載の受信機。
[付記11]
前記偏波多重光信号は、データが複数のサブキャリアに多重化されたデジタルサブキャリア多重光信号であり、
前記複数のサブキャリアは、ペアとなる第1のサブキャリア及び第2のサブキャリアを含み、
前記適応等化器は、
第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第1のサブキャリアの信号と前記第2のサブキャリアの信号とを加算し、該加算された信号に対し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転と前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転とを施し、
第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第2のサブキャリアの信号と前記第1のサブキャリアの信号とを加算し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転と前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転とを施す、付記9に記載の受信機。
[付記12]
前記適応等化器は、複素数16×4 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、付記11に記載の受信機。
[付記13]
伝送路を介して偏波多重光信号を送信する送信機と、
前記送信機から送信された偏波多重光信号をコヒーレント受信する検波器を含む受信機と、
前記コヒーレント受信された受信信号に対して等化信号処理を実施するデジタル信号処理回路とを備え、
前記デジタル信号処理回路は、
前記受信信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、
前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、
前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを有する、通信システム。
[付記14]
前記適応等化器は、複素数8×2 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、付記13に記載の通信システム。
[付記15]
前記偏波多重光信号は、データが複数のサブキャリアに多重化されたデジタルサブキャリア多重光信号であり、
前記複数のサブキャリアは、ペアとなる第1のサブキャリア及び第2のサブキャリアを含み、
前記適応等化器は、
第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第1のサブキャリアの信号と前記第2のサブキャリアの信号とを加算し、該加算された信号に対し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転と前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転とを施し、
第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第2のサブキャリアの信号と前記第1のサブキャリアの信号とを加算し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転と前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転とを施す、付記13に記載の通信システム。
[付記16]
前記適応等化器は、複素数16×4 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、付記15に記載の通信システム。
[付記17]
前記送信機は、前記偏波多重光信号を予等化する予等化部を有し、
前記予等化部のフィルタ係数は、前記適応等化器のフィルタ係数に基づいて推定された前記送信機において生じる歪みに応じて制御される、付記13から16何れか1項に記載の通信システム。
[付記18]
前記受信機は、前記コヒーレント受信された偏波多重光信号に対して等化処理を実施する等化部を有し、
前記等化部のフィルタ係数は、前記適応等化器のフィルタ係数に基づいて推定された前記送受信機において生じる歪みに応じて制御される、付記13から17何れか1項に記載の通信システム。
[付記19]
波長分散補償フィルタにおいて、送信機から送信され、受信機で受信された偏波多重光信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算し、
前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力される適応等化器において、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセットを含むキャリア位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記キャリア位相補償用の位相回転が施された信号と、前記キャリア位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力し、
前記適応等化器の出力を用いて、前記キャリア位相補償用の位相回転、及び前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新する、デジタル信号処理方法。
10:通信システム
11:送信機
15:受信機
13:伝送路
21:検波器
22:デジタル信号処理回路
31:波長分散補償フィルタ
32:適応等化器
33:フィルタ係数更新部
100:光ファイバ通信システム
110:光送信機
130:伝送路
150:光受信機
111:符号化部
112:予等化部
113:DAC
114:光変調器
115:LD
117:2×1WLフィルタ
118:IQ分離部
132:光ファイバ
133:光増幅器
151:LD
152:コヒーレント受信機
153:ADC
154:デジタル信号処理部
155:復号部
156:IQ合成部
157:2×1WLフィルタ
160:外部装置
161:波長分散補償フィルタ
162:適応等化器
163:位相補償フィルタ
164:サブキャリア分離部
165:歪み推定部
170:フィルタ係数更新部
190:4×1WL等化器

Claims (10)

  1. 送信機から送信され、受信機で受信された偏波多重光信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、
    前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセット及び光源の位相雑音を補償するための位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記位相補償用の位相回転が施された信号と、前記位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、
    前記適応等化器の出力を用いて、前記位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを備えるデジタル信号処理回路。
  2. 前記適応等化器は、複素数8×2 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、請求項1に記載のデジタル信号処理回路。
  3. 前記8×2WL MIMOフィルタは、前記第1の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第2の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第1の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第2の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号とが入力され、前記第1の偏波の複素数信号、及び前記第2の偏波の複素数信号を出力するWLフィルタである、請求項2に記載のデジタル信号処理回路。
  4. 前記偏波多重光信号は、データが複数のサブキャリアに多重化されたデジタルサブキャリア多重光信号であり、
    前記複数のサブキャリアは、ペアとなる第1のサブキャリア及び第2のサブキャリアを含み、
    前記適応等化器は、
    第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第1のサブキャリアの信号と前記第2のサブキャリアの信号とを加算し、該加算された信号に対し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記位相補償用の位相回転と前記位相補償用の位相回転の逆回転とを施し、
    第2のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、前記第1のサブキャリアについて、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された前記第2のサブキャリアの信号と前記第1のサブキャリアの信号とを加算し、前記サブキャリアごと、及び前記偏波ごとに、前記位相補償用の位相回転と前記位相補償用の位相回転の逆回転とを施す、請求項1に記載のデジタル信号処理回路。
  5. 前記適応等化器は、複素数16×4 Widely Linear(WL) MIMOフィルタを含む、請求項4に記載のデジタル信号処理回路。
  6. 前記16×4WL MIMOフィルタは、前記第1のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第1のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分を表す複素数信号、及び虚数成分を表す複素数信号と、前記第1のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第1のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第1の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第2の偏波の実数成分の位相共役を表す複素数信号、及び虚数成分の位相共役を表す複素数信号とが入力され、前記第1のサブキャリアの前記第1の偏波の複素数信号、及び前記第2の偏波の複素数信号と、前記第2のサブキャリアの前記第1の偏波の複素数信号、及び前記第2の偏波の複素数信号とを出力するWLフィルタである、請求項5に記載のデジタル信号処理回路。
  7. 前記適応等化器における前記複素インパルス応答に基づいて、前記送信機内で生じる歪み、及び前記受信機内で生じる歪みの少なくとも一方を推定する歪み推定部を更に有する、請求項1から6何れか1項に記載のデジタル信号処理回路。
  8. 伝送路を介して送信機から送信された偏波多重光信号をコヒーレント受信する検波器と、
    前記コヒーレント受信された受信信号に対して等化信号処理を実施するデジタル信号処理回路とを備え、
    前記デジタル信号処理回路は、
    前記受信信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、
    前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセット及び光源の位相雑音を補償するための位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記位相補償用の位相回転が施された信号と、前記位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、
    前記適応等化器の出力を用いて、前記位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを有する、受信機。
  9. 伝送路を介して偏波多重光信号を送信する送信機と、
    前記送信機から送信された偏波多重光信号をコヒーレント受信する検波器を含む受信機と、
    前記コヒーレント受信された受信信号に対して等化信号処理を実施するデジタル信号処理回路とを備え、
    前記デジタル信号処理回路は、
    前記受信信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算する波長分散補償フィルタと、
    前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力され、該入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセット及び光源の位相雑音を補償するための位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記入力された、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記位相補償用の位相回転が施された信号と、前記位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力する適応等化器と、
    前記適応等化器の出力を用いて、前記位相補償用の位相回転、及び、前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新するフィルタ係数更新部とを有する、通信システム。
  10. 波長分散補償フィルタにおいて、送信機から送信され、受信機で受信された偏波多重光信号の第1の偏波及び第2の偏波それぞれの実数成分及び虚数成分のそれぞれに波長分散を補償するフィルタ係数を乗算し、
    前記波長分散補償フィルタから出力される第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号が入力される適応等化器において、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、周波数オフセット及び光源の位相雑音を補償するための位相補償用の位相回転を施し、かつ、前記第1の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号、並びに前記第2の偏波の実数成分及び虚数成分の位相共役を示す信号のそれぞれに複素インパルス応答を乗算し、該複素インパルス応答が乗算された信号を加算し、該加算された信号に対し、偏波ごとに、前記位相補償用の位相回転の逆回転を施し、前記位相補償用の位相回転が施された信号と、前記位相補償用の位相回転の逆回転が施された信号を偏波ごとに加算し、該加算した信号を出力し、
    前記適応等化器の出力を用いて、前記位相補償用の位相回転、及び前記適応等化器において乗算される複素インパルス応答を更新する、デジタル信号処理方法。
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