JP7736479B2 - 顕微鏡 - Google Patents

顕微鏡

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Description

本発明は、患者眼(被検眼)の観察に用いられる顕微鏡に関する。
白内障手術では、患者の患者眼から混濁した水晶体を摘出し、その代わりとなる眼内レンズ(Intraocular Lens:IOL)を患者眼内に挿入する。この眼内レンズとしては、乱視の矯正が可能なトーリックIOLが知られている。なお、患者には被検者が含まれ、患者眼には被検眼が含まれるものとする。
患者眼に乱視が存在する場合にトーリックIOLによる矯正効果を発揮させるためには、患者眼の角膜の強主経線方向と、トーリックIOLの弱主経線方向とをできるだけ合わせる必要がある。この際に、患者が立位又は座位にある状態と仰臥位とにある状態では、患者眼が回旋してしまうことで、患者眼の強主経線方向[乱視軸方向(乱視軸角度ともいう)]が回転してしまう。このため、トーリックIOLを用いた白内障手術では、患者眼の強主経線方向の測定が極めて重要である。そこで、トーリックIOLを用いた白内障手術は、患者眼の強主経線方向の測定が可能な手術用顕微鏡(顕微鏡)を用いて行われる。
特許文献1及び特許文献2には、対物レンズと患者眼との間に配置され且つリング状に配置された複数の点光源を有するケラトリング光源と、撮像素子を有する撮影光学系と、を備える手術用顕微鏡が記載されている。この手術用顕微鏡は、ケラトリング光源から患者眼の角膜に対してリングパターン(測定用パターン)を照射しながら、この角膜をカメラで撮影する。そして、手術用顕微鏡は、カメラで撮影された角膜の観察像に基づき患者眼の強主経線方向を演算し、この強主経線方向に対応する点光源を点滅等させたりすることで、患者眼の強主経線方向を術者に対して報知する。
特開2012-152454号公報 特開2013-27536号公報
ところで、上記各特許文献に記載の手術用顕微鏡では、患者眼の強主経線方向を測定する場合にはケラトリング光源を対物レンズと患者眼との間に配置し、強主経線方向の測定時以外ではケラトリング光源を対物レンズと患者眼との間から退避させる必要がある。このため、上記各特許文献に記載の手術用顕微鏡では対物レンズと患者眼との間にケラトリング光源を挿脱させる挿脱機構を設ける必要があり、手術用顕微鏡が大型化する共にコストが増加する。また、上記各特許文献に記載の手術用顕微鏡では、術者によるケラトリング光源の挿脱に手間がかかるという問題もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、小型化且つ低コスト化を図り且つ術者(検者)の手間を軽減可能な顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための顕微鏡は、対物レンズと、対物レンズを通して患者眼に第1光を照射する第1照射光学系と、第1照射光学系により患者眼に照射される第1光を走査して測定用パターンを生成する走査光学系と、測定用パターンが照射された患者眼からの第1戻り光を、対物レンズを通して撮像素子及び接眼レンズの少なくとも一方に導く観察光学系と、を備える。
この顕微鏡によれば、ケラトリング光源及びレフ光源ユニットを顕微鏡に設ける必要がなくなる。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、観察光学系が第1戻り光を撮像素子に導く場合において、撮像素子により撮像された第1戻り光の撮像画像に基づき、患者眼の眼特性を演算する眼特性演算部を備える。これにより、ケラトリング光源及びレフ光源ユニットを顕微鏡に設けることなく、患者眼の眼特性を測定することができる。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、第1照射光学系が、対物レンズを通して第1光を患者眼の角膜に照射し、走査光学系が、測定用パターンとして連続的又は断続的なリングパターンを角膜に形成し、眼特性演算部が、眼特性として患者眼の角膜形状を演算する。これにより、ケラトリング光源を顕微鏡に設けることなく、患者眼の角膜形状を測定することができる。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、走査光学系が、リングパターンのリング径を複数回変更し、走査光学系がリング径を変更するごとに、撮像素子による第1戻り光の撮像が繰り返し実行され、眼特性演算部が、互いに異なるリング径ごとの撮像画像に基づき、角膜形状の演算を行う。これにより、患者眼の角膜形状を高精度に測定することができる。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、眼特性演算部が、角膜形状として患者眼の強主経線方向を演算し、走査光学系が、眼特性演算部による強主経線方向の演算結果に基づき、角膜に照射される第1光を走査して、強主経線方向を示すガイドパターンを角膜に形成する。これにより、術者に対して角膜の強主経線方向を呈示することができる。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、第1照射光学系が、対物レンズと患者眼との間に挿脱自在に配置された前置レンズを含み、対物レンズ及び前置レンズを通して第1光を患者眼の眼底に照射し、走査光学系が、測定用パターンとして連続的又は断続的なリングパターンを生成し、眼特性演算部が、眼特性として患者眼の眼屈折力を演算する。これにより、レフ光源ユニットを顕微鏡に設けることなく、患者眼の眼屈折力を測定することができる。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、対物レンズを通して第1光とは異なる第2光を患者眼に照射する第2照射光学系であって、走査光学系から対物レンズに至るまでの共通光学系を有する第2照射光学系を備え、第1照射光学系が、共通光学系を第2照射光学系と共用し、第1照射光学系による患者眼への第1光の照射と、第2照射光学系による患者眼への第2光の照射と、が選択的に行われ、第2照射光学系により第2光が患者眼に照射される場合に、走査光学系が患者眼の予め定められた部位を第2光で走査する。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、第2照射光学系が、光源から出射された光を参照光と第2光である測定光とに分割し、測定光を、共通光学系を通して患者眼に照射する干渉光学系を有し、干渉光学系が、測定光が照射された患者眼から共通光学系を通して入射した第2戻り光と、参照光との干渉光を検出し、干渉光学系が検出した干渉光の検出信号に基づき、患者眼の断層像を生成する断層像生成部を備える。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、対物レンズが、観察光学系に用いられる第1対物レンズと、第1照射光学系に用いられる第2対物レンズと、を含む。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、対物レンズが、観察光学系に用いられる第1対物レンズと、第1照射光学系及び第2照射光学系に用いられる第2対物レンズと、を含む。これにより、顕微鏡の小型化及び低コスト化が図れる。
本発明の他の態様に係る顕微鏡において、第1対物レンズの一部分が切り欠かれており、第1対物レンズの切り欠かれている部分に第2対物レンズが配置されている。
本発明は、小型化且つ低コスト化を図り且つ術者の手間を軽減することができる。
第1実施形態の手術用顕微鏡の上面図である。 図1中の手術用顕微鏡の顕微鏡本体をA方向側から見た側面図である。 OCTユニットの光学系の概略図である。 OCT光学系をX方向側から見た側面図である。 OCT光学系及びパターン形成光学系の斜視図である。 パターン形成光学系により角膜上に形成されるリングパターンの一例を示した説明図である。 パターン形成光学系により角膜上に形成されるリングパターンの一例を示した説明図である。 パターン形成光学系により眼底上に形成されるリングパターンの一例を示した説明図である。 手術用顕微鏡の制御装置の機能ブロック図である。 ガイド表示制御部による角膜上でのガイドパターンの形成を説明するための説明図である。 第1実施形態の手術用顕微鏡の作用、特に角膜観察測定モード時における患者眼Eの角膜形状の測定及び角膜の強主経線方向の呈示の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の手術用顕微鏡の作用、特に角膜観察測定モード時における患者眼Eの角膜形状の測定及び角膜の強主経線方向の呈示の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の角膜観察測定時における角膜上でのリングパターンのリング径の複数回変更を説明するための説明図である。 第3実施形態の手術用顕微鏡の上面図である。
[第1実施形態の手術用顕微鏡の全体構成]
図1は、第1実施形態の手術用顕微鏡10(手術顕微鏡システムともいう)の上面図である。図2は、図1中の手術用顕微鏡10の顕微鏡本体10aをA方向側から見た側面図である。なお、図中のX方向は患者(被検者、被手術者ともいう)を基準とした左右方向(患者眼Eの眼幅方向)であり、Z方向は後述の第1対物レンズ20の光軸OAに平行な作動距離方向(本実施形態では例えば上下方向)であり、Y方向はXZ方向に垂直な方向である。
図1及び図2に示すように、手術用顕微鏡10は、本発明の顕微鏡に相当するものであり、患者眼Eに対するトーリックIOLを用いた白内障手術に用いられる。この手術用顕微鏡10は、動作モードとして角膜観察測定モードと眼底観察モードと眼屈折力測定モードと光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いたOCT測定モードとを有し、患者眼Eの眼特性として、患者眼Eの角膜形状(強主経線方向及び角膜曲率)と、患者眼Eの眼屈折力と、患者眼Eの断層像とを取得可能である。
角膜観察測定モードは、患者眼Eの角膜Ecの拡大像の観察に用いられる観察モードである。また、角膜観察測定モードでは、術者による患者眼Eの手術をサポートするために、患者眼Eの角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)の測定と、術者に対する角膜Ecの強主経線方向の呈示(報知)と、を合せて実行する。
眼底観察モードは、患者眼Eの眼底Efの拡大像(徹照像)の観察に用いられる観察モードである。眼屈折力測定モードは、患者眼Eの眼屈折力(乱視度数を含む)の測定を行うモードであり、例えば患者眼Eの手術前後で実行される。OCT測定モードは、患者眼E(角膜Ec、眼底Ef)の断層像撮影を行う。
手術用顕微鏡10は、顕微鏡本体10aと操作部12とモニタ14と制御装置16とを備える。また、顕微鏡本体10aには、OCT測定モードで用いられるOCT光学系500と、患者眼E(角膜Ec、眼底Ef)にリングパターンLPを形成するパターン形成光学系600と、が併設されている。
顕微鏡本体10aは、角膜観察測定モード時には、後述のパターン形成光学系600によりリングパターンLPが形成されている角膜Ecを動画撮影して観察像D(撮像画像)を出力する。また、顕微鏡本体10aは、眼底観察モード時には眼底Efをステレオ同軸照明しながら眼底Efを動画撮影して観察像Dを出力する。さらに顕微鏡本体10aは、眼屈折力測定モード時には、後述のパターン形成光学系600によりリングパターンLPが形成されている眼底Efを動画撮影して観察像Dを出力する。
操作部12は、制御装置16に有線又は無線接続されている。この操作部12は、顕微鏡本体10aの位置及び姿勢の調整操作(手動アライメント操作)と、手術用顕微鏡10の動作モードの切替操作と、顕微鏡本体10aのズーム倍率の変更操作と、を含む手術用顕微鏡10の各種操作の入力を受け付ける。操作部12には、顕微鏡本体10aに設けられたハードウェアキー(スイッチ、ボタン)、操作レバー、マウス、キーボード、及び操作パネル(モニタ14の表示面を含む)等の各種操作デバイスが含まれる。
モニタ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)のような表示デバイスが用いられる。モニタ14は、制御装置16に有線又は無線で接続されており、制御装置16の制御の下、顕微鏡本体10aにより動画撮影された観察像Dを表示する。なお、図中では角膜観察測定モードで取得された観察像Dを表示している。
制御装置16は、手術用顕微鏡10の筐体内に設けられたコンピュータ等の演算装置である。この制御装置16は、操作部12に対する入力操作に応じて顕微鏡本体10aの各部の動作と、モニタ14による観察像D等の表示とを統括的に制御する。また、制御装置16は、角膜観察測定モード時には患者眼Eの角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)の測定及び強主経線方向の呈示を行い、眼屈折力測定モード時には患者眼Eの眼屈折力の測定を行う。なお、制御装置16が、手術用顕微鏡10の筐体外に設けられていてもよい。
[顕微鏡本体]
顕微鏡本体10aは、第1対物レンズ20と、前置レンズ21と、反射ミラーRMと、ダイクロイックミラーDM1と、照明光学系31L,31Rと、観察光学系40L,40Rと、カメラ60L,60Rと、を備える。
第1対物レンズ20は、Z方向に平行な光軸OAを有しており、患者眼Eに対向する位置に設けられている。反射ミラーRMは、第1対物レンズ20のZ方向上方向側の位置、より具体的には光軸OAと、光軸OAに対し垂直な方向(ここではY方向)に延びた後述の観察光学系40L,40Rの光軸OBと、の交点に設けられている。そして、反射ミラーRMから光軸OB(Y方向)に沿ってダイクロイックミラーDM1、観察光学系40L,40R、及びカメラ60L,60Rが配置されている。照明光学系31L,31Rは、ダイクロイックミラーDM1のZ方向上方向側の位置に設けられている。
第1対物レンズ20は、その一部分がZX面に平行な面に沿って切り欠かれた形状を有し、後述の第2対物レンズ508と共に本発明の対物レンズを構成する。第1対物レンズ20は、角膜観察測定モード時には後述のパターン形成光学系600によりリングパターンLPが形成された角膜Ecからの戻り光LA(反射光)を透過して反射ミラーRMへ出射する。なお、戻り光LAは、後述の戻り光LBと共に本発明の第1戻り光に相当する。
また、第1対物レンズ20は、眼底観察モード時には後述の照明光学系31L,31Rから出射された照明光L1を、前置レンズ21を介して眼底Efに照射し、且つこの眼底Efからの戻り光LBを透過して反射ミラーRMに向けて出射する。さらに、第1対物レンズ20は、眼屈折力測定モード時にはパターン形成光学系600によりリングパターンLPが形成された眼底Efからの戻り光LBを透過して反射ミラーRMに向けて出射する。
前置レンズ21は、第1対物レンズ20及び後述の第2対物レンズ508と、患者眼Eとの間において、照明光L1、戻り光LA,LB、及び測定光LSの各光路に挿脱自在に設けられている。前置レンズ21は、第1対物レンズ20又は第2対物レンズから入射した光を眼底Efに集光させる。前置レンズ21は、眼底観察モード時及び眼屈折力測定モード時には各光路に挿入された挿入状態に切り替えられ、角膜観察測定モード時には各光路から退避された退避状態に切り替えられる。なお、前置レンズ21の挿入状態と退避状態との切り替えは、レンズ挿脱機構22(図9参照)或いは手動操作により実施される。
反射ミラーRMは、照明光学系31L,31R及び観察光学系40L,40Rで共用される。この反射ミラーRMは、ダイクロイックミラーDM1から入射した照明光L1を第1対物レンズ20に向けて反射し、逆に第1対物レンズ20から入射した戻り光LA又は戻り光LBをダイクロイックミラーDM1に向けて反射する。
ダイクロイックミラーDM1は、照明光学系31L,31R及び観察光学系40L,40Rで共用されるものであり、照明光学系31L,31Rから出射される照明光L1の光路と、観察光学系40L,40Rの光路とを結合する。ダイクロイックミラーDM1は、照明光学系31L,31Rから出射された照明光L1を反射ミラーRMに向けて反射し、逆に反射ミラーRMから入射した戻り光LA又は戻り光LBをそのまま透過して観察光学系40L,40Rに向けて出射する。
照明光学系31L,31Rは、眼底Efを照明するための光学系である。照明光学系31L,31Rは、眼底観察モード時に眼底Efに対して照明光L1によるステレオ同軸照明を行う。照明光学系31L,31Rの光軸OL,ORは、ダイクロイックミラーDM1及び反射ミラーRMを介して第1対物レンズ20の光軸OAと結合する。すなわち、光軸OL、ORと光軸OAとは略一致している。これにより、照明光学系31L,31Rは、照明光L1による所謂「0度照明」で眼底Efを照明する。これにより、照明光L1が眼底Ef上で拡散反射されることで、眼底Efの徹照像(レッドレフレックス)をステレオ撮影(観察)することができる。
照明光学系31L,31Rは、光源31aと、コンデンサーレンズ31bとを含む。光源31aは、半導体光源等が用いられ、例えば3000K(ケルビン)の色温度を有する可視領域の波長を有する照明光L1を出力する。この照明光L1は、コンデンサーレンズ31bを通過し、ダイクロイックミラーDM1及び反射ミラーRMにて反射された後、第1対物レンズ20及び前置レンズ21を通過して眼底Efに照射される。これにより、眼底Efにて拡散反射された照明光L1の戻り光LBが、照明光L1の光路(往路)と同じ経路を逆向きに進行してダイクロイックミラーDM1に入射し、さらにこのダイクロイックミラーDM1を透過して観察光学系40L,40Rに入射する。
<観察光学系>
観察光学系40Lは、ダイクロイックミラーDM1から入射した戻り光LA又は戻り光LBをカメラ60Lに導く光学系である。また、観察光学系40Rは、ダイクロイックミラーDM1から入射した戻り光LA又は戻り光LBをカメラ60Rに導く光学系である。
観察光学系40L,40R及びその光軸OBは、本実施形態では光軸OAに対して垂直(例えば±20°の範囲内での略垂直を含む)なY方向に延びている。なお、光軸OAに対して垂直な方向であればY方向に限定されるものではなく、観察光学系40L,40R及びその光軸OBが例えばX方向に延びていてもよい。これにより、光路長が長い観察光学系40L,40RがXY平面と略平行な方向に配置される。従って、術者の正面に観察光学系40L,40Rが配置されることなく、術者は無理なく正面のモニタ14の画面(或いは、正面の状況)を見ることができる。また、術者の正面に配置される筐体により術者に圧迫感を与えることがなくなり、術者の負担を小さくすることができる。
観察光学系40Lはズームエキスパンダ50Lを備える。ズームエキスパンダ50Lは、不図示の変倍機構により光軸OB方向に移動可能な複数のズームレンズ51,52,53を含む。これにより、観察像Dのズーム倍率を変更することができる。
観察光学系40Rは、観察光学系40Lと同じ構成であり、複数のズームレンズ51,52,53を含むズームエキスパンダ50Rを備え、且つ不図示の変倍機構により複数のズームレンズ51,52,53を移動させることで観察像Dのズーム倍率を変更する。ここで、観察光学系40Lと観察光学系40Rとは、観察像Dのズーム倍率を互いに異ならせることができる。
カメラ60L,60Rは、観察光学系40L,40Rから入射する戻り光LA又は戻り光LBを所定フレームレートで連続的に撮像(以下、動画撮像と略す)して観察像Dを出力する。
カメラ60Lは、光軸OBに沿って配置された結像レンズ61と撮像素子62とを含む。結像レンズ61は、観察光学系40Lから入射した戻り光LA又は戻り光LBを撮像素子62の撮像面に結像させる。撮像素子62は、結像レンズ61により結像された戻り光LA又は戻り光LBを動画撮像して、制御装置16へ観察像Dを出力する。これにより、角膜観察測定モード時には戻り光LAに基づく角膜Ec及びリングパターンLPの観察像Dが得られ、眼底観察モード時は戻り光LBに基づく眼底Efの観察像D(徹照像)が得られ、眼屈折力測定モード時には戻り光LBに基づくリングパターンLPの観察像Dが得られる。
カメラ60Rは、カメラ60Lと同じ構成であり、結像レンズ61と撮像素子62とを含む。これにより、観察光学系40Rから入射した戻り光LA又は戻り光LBが結像レンズ61により撮像素子62の撮像面に結像され、且つ撮像素子62により戻り光LA又は戻り光LBが動画撮像されて制御装置16に観察像Dが出力される。その結果、角膜観察測定モード時には戻り光LAに基づく角膜Ec及びリングパターンLPの観察像Dが得られ、眼底観察モード時は戻り光LBに基づく眼底Efの観察像D(徹照像)が得られ、眼屈折力測定モード時には戻り光LBに基づくリングパターンLPの観察像Dが得られる。なお、カメラ60L,60Rは、結像レンズ61及び撮像素子62の光学配置を互いに独立して変更、すなわち左右でピントを変更可能である。
[OCT光学系]
OCT光学系500は、本発明の第2照射光学系に相当するものであり、OCT測定モード時に患者眼Eの断層像を撮影する。このOCT光学系500は、OCTユニット100、光ファイバー501、コリメータレンズユニット502、ダイクロイックミラーDM2、光スキャナ503、OCT結像レンズ504、ミラー505、リレーレンズ506、ミラー507、第2対物レンズ508、及び前置レンズ21を有する。
図3は、OCTユニット100の光学系の概略図である。図3に示すように、OCTユニット100のOCT光源101は、一般的なスウェプトソースタイプのOCT装置の光源と同様に出射光の波長を掃引(走査)可能な波長掃引型(波長走査型)光源であって、共振器を含むレーザ光源を含む。OCT光源101は、人眼では視認できない近赤外の波長域において、出力波長を時間的に変化させる。
OCTユニット100には、スウェプトソースOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系は、干渉光学系を含む。この干渉光学系は、OCT光源101からの光L0を測定光LSと参照光LRとに分割する機能と、患者眼Eからの測定光LSの戻り光LS1(第2戻り光に相当)と参照光路を経由した参照光LRとを重ね合わせて干渉光LCを生成する機能と、この干渉光LCを検出する機能とを備える。干渉光学系により得られた干渉光LCの検出信号は、干渉光LCのスペクトルを示す信号であり、制御装置16に送られる。
OCT光源101は、例えば出射光(光L0)の波長を、波長860nm付近(本実施形態では840nmとする)を基準として高速で変化させる。また、OCT光源101は、所定の波長範囲内で掃引される光L0の各波長の出力タイミングに同期してクロックKCを生成する。例えばOCT光源101は、各出力波長の光L0を分岐することにより得られた2つの分岐光の一方を光学的に遅延させた後、これらの合成光を検出した結果に基づいてクロックKCを生成する。そして、OCT光源101は、生成したクロックKCを後述のDAQ130へ出力する。
OCT光源101から出力された光L0は、光ファイバー102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。偏光状態が調整された光L0は、光ファイバー104によりファイバーカプラー105に導かれ、ファイバーカプラー105によって測定光LS(本発明の第2光に相当)と参照光LRとに分割される。
ファイバーカプラー105により生成された参照光LRは、光ファイバー110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。
コーナーキューブ114は、コーナーキューブ移動機構115により、参照光LRの入射方向に沿って移動自在に保持されている。コーナーキューブ移動機構115は、コーナーキューブ114を参照光LRの入射方向に沿って移動させるアクチュエータであり、コーナーキューブ114を移動させることで参照光LRの光路長を変更する。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバー117に入射する。光ファイバー117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏光状態が調整され、光ファイバー119によりアッテネータ120に導かれて光量が調整され、光ファイバー121によりファイバーカプラー122に導かれる。
一方、ファイバーカプラー105により生成された測定光LSは、光ファイバー501により導かれてコリメータレンズユニット502により平行光束に変換される。平行光束に変換された測定光LSは、ダイクロイックミラーDM2、光スキャナ503、OCT結像レンズ504、ミラー505、リレーレンズ506、ミラー507、及び第2対物レンズ508を経て患者眼Eに入射する。
図4は、OCT光学系500をX方向側から見た側面図である。図5は、OCT光学系500及びパターン形成光学系600の斜視図である。
図4及び図5と、既述の図1とに示すように、ダイクロイックミラーDM2は、OCT光学系500の光路からパターン形成光学系600の光路を分岐(波長分離)させる。ダイクロイックミラーDM2は、測定光LS及び患者眼Eからの測定光LSの戻り光LS1を反射し、且つ後述のパターン形成光学系600から出射されるエイミング光LG(可視光又は近赤外光)を透過する。
光スキャナ503は、本発明の走査光学系に相当するものであり、患者眼Eに照射される測定光LS(後述のエイミング光LGも同様)を2次元的に走査(偏向)、例えばX方向及びY方向に患者眼Eの撮影部位(角膜Ec、眼底Ef)を走査する。このような測定光LSの走査態様としては、例えば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、及び螺旋スキャンなどがある。
光スキャナ503としては、測定光LSをX方向に走査可能なガルバノミラー503aと、測定光LSをY方向に走査可能なガルバノミラー503bと、が用いられる。なお、光スキャナ503として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナ、ポリゴンミラー、回転ミラー、ダボプリズム、ダブルダボプリズム、及びローテーションプリズムなどを代わりに用いてもよい。
OCT結像レンズ504は、Y方向に平行な光軸O1を有し、この光軸O1に沿って位置調整可能に設けられている。OCT結像レンズ504は、制御装置16の制御の下、光ファイバー501の端面又は後述のエイミング光用光源601が患者眼Eの計測部位(角膜Ec、眼底Ef)と光学的に共役関係になるように位置調整される。
ミラー505は、OCT結像レンズ504の光軸O1上の位置であって且つリレーレンズ506のX方向側の位置、すなわち光軸O1とリレーレンズ506の光軸O2との交点に配置されている。ミラー505は、OCT結像レンズ504から光軸O1(Y方向)に沿って入射した測定光LSをX方向に反射してリレーレンズ506に入射させる。
リレーレンズ506は、X方向に平行な光軸O2を有し、ミラー505とミラー507との間に配置されている。このリレーレンズ506は、ミラー505から光軸O2(X方向)に沿って入射した測定光LSをそのまま透過してミラー507に入射させる。
ミラー507は、リレーレンズ506の光軸O2上の位置であって且つ第2対物レンズ508のZ方向上方側の位置、すなわち光軸O2と第2対物レンズ508の光軸O3との交点に配置されている。ミラー507は、リレーレンズ506から光軸O2(X方向)に沿って入射した測定光LSをZ方向下方側に反射して第2対物レンズ508に入射させる。
第2対物レンズ508は、第1対物レンズ20の切り欠かれている部分に配置されており、光軸O3を有する。第2対物レンズ508は、ミラー507から入射した測定光LSを角膜Ecに対して斜め方向から照射或いは前置レンズ21を介して眼底Efに斜め方向から照射する。
図3に戻って、患者眼Eからの測定光LSの戻り光LS1は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバーカプラー105に導かれ、さらに光ファイバー128を経由してファイバーカプラー122に到達する。
ファイバーカプラー122は、光ファイバー128を介して入射された戻り光LS1と、光ファイバー121を介して入射された参照光LRとの干渉光LCを生成する。また、ファイバーカプラー122は、所定の分岐比(例えば1:1)で干渉光LCを分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバー123,124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオードである。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを含み、これらフォトディテクタにより得られた一対の検出結果の差分を出力する。検出器125は、この出力(検出信号)をデータ収集機器(Data Acquisition System)であるDAQ130に送る。
DAQ130には、既述のOCT光源101から供給されるクロックKCに基づき、検出器125から入力される検出信号のサンプリングを行い、この検出信号のサンプリング結果を制御装置16の画像形成部208(図9参照)へ出力する。
[パターン形成光学系]
パターン形成光学系600は、本発明の第1照射光学系に相当する。このパターン形成光学系600は、患者眼Eの角膜Ec上或いは眼底Ef上でエイミング光LG(本発明の第1光に相当)を2次元的に走査することで、角膜観察測定モード時には角膜Ec上にリングパターンLPを形成し、眼屈折力測定モード時には眼底Ef上にリングパターンLPを形成する。
パターン形成光学系600は、エイミング光用光源601及びコリメータレンズユニット602を有し、且つ既述のダイクロイックミラーDM2、光スキャナ503、OCT結像レンズ504、ミラー505、リレーレンズ506、ミラー507、第2対物レンズ508、及び前置レンズ21をOCT光学系500と共用している。このため、本実施形態では、OCT光学系500とパターン形成光学系600とは選択的に作動する。なお、ダイクロイックミラーDM2から第2対物レンズ508(前置レンズ21)に至るまでの各光学素子は、本発明の共通光学系を構成する。
エイミング光用光源601は、測定光LSとは異なる波長域、例えば可視波長域或いは近赤外波長域のスポット光(スポット光以外でも可)であるエイミング光LGを出射する。なお、エイミング光用光源601としては、公知のLED(Light Emitting Diode)光源或いは光ファイバーの出射端等が用いられる。
コリメータレンズユニット602は、エイミング光用光源601から入射したエイミング光LGを平行光束に変換した後、ダイクロイックミラーDM2へ出射する。これにより、平行光束に変換されたエイミング光LGは、ダイクロイックミラーDM2を透過した後、既述の測定光LSと同様に、光スキャナ503、OCT結像レンズ504、ミラー505、リレーレンズ506、及びミラー507を経て、第2対物レンズ508に入射する。
第2対物レンズ508は、角膜観察測定モード時には角膜Ecに斜め方向からエイミング光LGを照射し、眼屈折力測定モード時には前置レンズ21を介して眼底Efに斜め方向からエイミング光LGを照射する。角膜Ecに対して斜め方向からエイミング光LGを照射することで、角膜Ecからの反射に基づくゴースト及びフレアの影響を回避しつつ角膜Ecをステレオ撮影(観察)することができる。
図6及び図7は、パターン形成光学系600(光スキャナ503)により角膜Ec上に形成されるリングパターンLPの一例を示した説明図である。図8は、パターン形成光学系600(光スキャナ503)により眼底Ef上に形成されるリングパターンLPの一例を示した説明図である。
光スキャナ503は、制御装置16の制御の下、患者眼Eの角膜Ec又は眼底Efに照射されるエイミング光LGを2次元的に走査することで、角膜Ec上又は眼底Ef上に患者眼Eの眼特性に測定に用いられる測定用パターンを形成する。例えば角膜観察測定モード時において患者眼Eの角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)を測定する場合には、光スキャナ503により図6の符号6A,6Bに示すような連続的なリングパターンLP(ケラトリング)を角膜Ec上に形成したり、或いは図7の符号7A,7Bに示すような断続的なリングパターンLPを角膜Ec上に形成したりする。これにより、リングパターンLPが形成されている角膜Ecからの戻り光LAが、第1対物レンズ20、反射ミラーRM、ダイクロイックミラーDM1、及び観察光学系40L,40Rを経て、カメラ60L,60Rの撮像素子62により動画撮像される。
また、光スキャナ503は、眼屈折力測定モード時には、眼底Ef上でエイミング光LGを2次元的に走査して、図8に示すような連続的なリングパターンLP(レフリング)を角膜Ec上に形成する。これにより、リングパターンLPが形成されている眼底Efからの戻り光LBが、前置レンズ21、第1対物レンズ20、反射ミラーRM、ダイクロイックミラーDM1、及び観察光学系40L,40Rを経て、カメラ60L,60Rの撮像素子62により動画撮像される。なお、眼底Ef上に連続的なリングパターンLPを形成する代わりに、断続的なリングパターンLP(図7参照)を形成してもよい。
さらに光スキャナ503は、詳しくは後述するが、角膜観察測定モード時において患者眼Eの角膜Ecの強主経線方向が演算された場合には、制御装置16の制御の下、角膜Ecに照射されるエイミング光LGを2次元的に走査することで、角膜Ecの強主経線方向を示すガイドパターンGP(図10参照)を角膜Ec上に形成する。
[制御装置]
図9は、手術用顕微鏡10の制御装置16の機能ブロック図である。図9に示すように制御装置16は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置16の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
制御装置16には、既述の操作部12、モニタ14、顕微鏡本体10aの各部、OCT光学系500の各部、エイミング光用光源601、及び前置レンズ21の挿脱を行うレンズ挿脱機構22の他に、記憶部18が接続されている。なお、記憶部18には、図示は省略するが、手術用顕微鏡10の制御プログラム及び患者眼Eの眼特性(角膜形状、眼屈折力)の測定結果等が記憶される。
制御装置16は、記憶部18内の制御プログラムを読み出して実行することにより、顕微鏡本体制御部200、画像取得部202、表示制御部204、OCT測定制御部206、画像形成部208、データ処理部210、リングパターン形成制御部212、眼特性演算部214、及びガイド表示制御部216として機能する。
顕微鏡本体制御部200は、照明光学系31L,31R、観察光学系40L,40R、及びカメラ60L、60Rの作動を制御すると共に、レンズ挿脱機構22による前置レンズ21の挿脱を制御する。
具体的には顕微鏡本体制御部200は、操作部12にて角膜観察測定モードへの切替操作がなされた場合に、レンズ挿脱機構22による前置レンズ21の退避状態への切り替えと、カメラ60L,60Rの撮像素子62による戻り光LAの動画撮像と、を開始させる。
また、顕微鏡本体制御部200は、操作部12にて眼底観察モードへの切替操作がなされた場合に、照明光学系31L,31Rの光源31aの点灯と、レンズ挿脱機構22による前置レンズ21の挿入状態への切り替えと、カメラ60L,60Rの撮像素子62による戻り光LBの動画撮像と、を開始させる。さらに、顕微鏡本体制御部200は、操作部12にて眼屈折力測定モードへの切替操作がなされた場合に、レンズ挿脱機構22による前置レンズ21の挿入状態への切り替えと、カメラ60L,60Rの撮像素子62による戻り光LBの撮像と、を開始させる。
さらにまた、顕微鏡本体制御部200は、操作部12にてOCT測定モードへの切替操作がなされた場合であって且つ角膜Ecの断層像撮影が選択された場合にはレンズ挿脱機構22により前置レンズ21を退避状態に切り替え、眼底Efの断層像撮影が選択された場合にはレンズ挿脱機構22により前置レンズ21を挿入状態に切り替える。
画像取得部202は、角膜観察測定モード時、眼底観察モード時、及び眼屈折力測定モード時において、不図示のインタフェースを介してカメラ60L,60Rの撮像素子62から観察像Dを逐次取得する。そして、画像取得部202は、角膜観察測定モード時には取得した観察像Dを表示制御部204及び眼特性演算部214へ逐次出力する。また、画像取得部202は、眼底観察モード時には取得した観察像Dを表示制御部204へ逐次出力する。さらに、画像取得部202は、眼屈折力測定モード時には取得した観察像Dを眼特性演算部214へ逐次出力する。
表示制御部204は、角膜観察測定モード時及び眼底観察モード時において画像取得部202から逐次入力される観察像Dをモニタ14に動画表示させる。これにより、術者は、角膜観察測定モード時には角膜Ec及びリングパターンLPを観察することができ、眼底観察モード時には眼底Efの徹照像を観察することができる。また、表示制御部204は、OCT測定モード時には後述のデータ処理部210により補正処理された断層像(図示は省略)をモニタ14に表示させる。
OCT測定制御部206は、操作部12にてOCT測定モードへの切替操作がなされた場合に、OCT光学系500のコーナーキューブ移動機構115及び光スキャナ503を制御して、測定光LSにより角膜Ec又は眼底Efを走査(Bスキャン)する走査制御を1又は複数回実行する。なお、OCT測定時の走査制御(コーナーキューブ114の移動による参照光LRの光路長変更を含む)については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する(例えば特開2020-44027号公報参照)。
また同時にOCT測定制御部206は、OCT光学系500を制御して、検出器125による干渉光LCの検出及び検出信号の出力と、DAQ130による検出信号のサンプリングとを実行させた後、この検出信号のサンプリング結果を画像形成部208に入力させる。
画像形成部208は、本発明の断層像生成部に相当する。この画像形成部208は、OCT測定モード時に検出器125及びDAQ130を経て入力された検出信号のサンプリング結果に基づき、従来のスペクトラルドメインタイプのOCTと同様のフィルタ処理及び高速フーリエ変換処理などを実行して、角膜Ec又は眼底Efの断層像の画像データ(Bスキャン像)を形成する。
データ処理部210は、画像形成部208により形成された断層像に対して各種のデータ処理(画像処理)及び解析処理を施す。例えば、データ処理部210は、断層像に対して輝度補正及び分散補正等の補正処理を実行する。そして、データ処理部210は、補正処理後の断層像を表示制御部204に出力する。これにより、表示制御部204によりモニタ14に断層像が表示される。
リングパターン形成制御部212は、操作部12にて角膜観察測定モード又は眼屈折力測定モードへの切替操作がなされた場合に、パターン形成光学系600を制御して、角膜Ec上又は眼底Ef上にリングパターンLPを形成する。具体的にはリングパターン形成制御部212は、角膜観察測定モード時には既述の図6及び図7に示したように、エイミング光用光源601からエイミング光LGを出射させると共に、光スキャナ503を制御して角膜Ec上でエイミング光LGを走査することで、角膜Ec上に連続的又は断続的なリングパターンLPを形成する。これにより、リングパターンLPが形成された角膜Ecからの戻り光LAをカメラ60L,60Rの撮像素子62が動画撮像して、撮像素子62から画像取得部202に対して角膜Ec及びリングパターンLPの観察像Dが逐次出力される。
また、リングパターン形成制御部212は、眼屈力測定モード時には既述の図8に示したように、エイミング光用光源601からエイミング光LGを出射させると共に、光スキャナ503を制御して眼底Efに照射されているエイミング光LGを走査することで、眼底Ef上に連続的又は断続的なリングパターンLPを形成する。これにより、リングパターンLPが形成された眼底Efからの戻り光LBをカメラ60L,60Rの撮像素子62が動画撮像して、撮像素子62から画像取得部202に対して眼底Ef及びリングパターンLPの観察像Dが逐次出力される。
眼特性演算部214は、角膜形状演算部214aと眼屈折力演算部214bとを含む。角膜形状演算部214aは、角膜観察測定モード時に画像取得部202から入力された観察像Dに基づき、患者眼Eの角膜形状として強主経線方向及び角膜曲率を演算する。
具体的には角膜形状演算部214aは、観察像DからリングパターンLPを検出して、このリングパターンLPの楕円主軸方向(長軸、短軸)を解析することで角膜Ecの強主経線方向を演算する。なお、具体的な強主経線方向の演算方法は公知技術(例えば国際公開第2011/030509号参照)であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
また、角膜形状演算部214aは、観察像DからリングパターンLPを検出して解析することで角膜Ecの角膜曲率を演算する。なお、角膜曲率の具体的な演算方法についても公知技術(例えば特開2019-166277号公報参照)であるので、ここでは具体的な説明は省略する。また、角膜形状演算部214aによる角膜曲率の演算結果は表示制御部204に出力され、この表示制御部204によってモニタ14に表示される。
眼屈折力演算部214bは、眼屈折力測定モード時に画像取得部202から入力された観察像Dに基づき、患者眼Eの眼屈折力を演算する。具体的には眼屈折力演算部214bは、観察像DからリングパターンLPを検出すると共にこのリングパターンLPに近似する近似楕円を求め、この近似楕円の形状(長径、短径、及び軸角度)に基づき患者眼Eの眼屈折力を演算する(例えば特開2017-51430号公報参照)。眼屈折力演算部214bによる眼屈折力の演算結果は表示制御部204に出力され、この表示制御部204によってモニタ14に表示される。手術用顕微鏡10が患者眼Eの眼屈折力の測定機能を有することで、患者眼Eの手術前後の眼屈折力を簡単且つ速やかに測定することができる。また、患者眼Eの眼屈折力として乱視度数を測定することで、手術の際に患者眼Eの乱視度数に合わせた切開位置を判別することができる。
図10は、ガイド表示制御部216による角膜Ec上でのガイドパターンGPの形成を説明するための説明図である。なお、図10中の符号SD1は角膜Ecの強主経線方向を示し、符号SD2は角膜Ecの弱主経線方向を示す。
図10に示すように、ガイド表示制御部216は、角膜観察測定モード時にパターン形成光学系600の光スキャナ503を制御して、角膜Ec上に強主経線方向を示すガイドパターンGPを形成する。
例えばガイド表示制御部216は、観察像D内の角膜Ecの位置及び第1対物レンズ20の既知の光学倍率等に基づき、角膜Ecの3次元位置(手術用顕微鏡10に対する角膜Ecの相対位置)を判別する。次いで、ガイド表示制御部216は、角膜Ecの3次元位置と、角膜形状演算部214aによる強主経線方向の検出結果とに基づき、角膜Ec上でのガイドパターンGPの形成領域を決定する。そして、ガイド表示制御部216は、光スキャナ503を制御して、決定した形成領域をエイミング光LGで繰り返し走査することで、角膜Ec上にガイドパターンGPを形成する。
このように角膜Ec上にガイドパターンGPが形成され、この角膜Ecからの戻り光LAはカメラ60L,60Rの撮像素子62により動画撮像される。そして、ガイドパターンGPが形成された角膜Ecの観察像Dが、カメラ60L,60Rの撮像素子62から画像取得部202を経て表示制御部204に対して逐次入力される。その結果、表示制御部204が、ガイドパターンGPが形成された角膜Ecの観察像Dをモニタ14に表示させる。
なお、モニタ14に角膜Ec及びガイドパターンGPの観察像Dを表示している間、同時並行で眼底Ef上へのリングパターンLPの形成と、角膜形状演算部214aによる強主経線方向の演算と、を定期的或いは連続的に実行することで、角膜Ec上でのガイドパターンGPの形成位置を定期的或いは連続的に更新してもよい。
[第1実施形態の作用]
図11は、第1実施形態の手術用顕微鏡10の作用、特に角膜観察測定モード時における患者眼Eの角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)の測定及び角膜Ecの強主経線方向の呈示の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、患者眼Eに対する顕微鏡本体10aの手動アライメントが実行された後、術者は操作部12に対して角膜観察測定モードへの切替操作を行う(ステップS1)。この切替操作に応じて顕微鏡本体制御部200が、レンズ挿脱機構22により前置レンズ21を退避状態に切り替えると共に、カメラ60L,60Rの撮像素子62の駆動を開始させる(ステップS2)。
また、リングパターン形成制御部212が、エイミング光用光源601からエイミング光LGを出射させる(ステップS3)。これにより、エイミング光LGが、コリメータレンズユニット602、ダイクロイックミラーDM2、光スキャナ503、OCT結像レンズ504、ミラー505、リレーレンズ506、及びミラー507を経て、第2対物レンズ508により角膜Ecに照射される。また、角膜Ecからの戻り光LAが、第1対物レンズ20、反射ミラーRM、ダイクロイックミラーDM1、及び観察光学系40L,40Rを経て、カメラ60L,60Rに入射する。
次いで、リングパターン形成制御部212が、光スキャナ503を制御して角膜Ecに照射されているエイミング光LGを2次元的に走査することで(ステップS4)、既述の図6及び図7に示したように角膜Ec上に連続的又は断続的なリングパターンLPを形成する(ステップS5)。これにより、リングパターンLPが形成された角膜Ecからの戻り光LAをカメラ60L,60Rの撮像素子62が動画撮像して、角膜Ec及びリングパターンLPの観察像Dを画像取得部202へ出力する(ステップS6)。
そして、画像取得部202が、カメラ60L,60Rの撮像素子62から観察像Dを逐次取得して、この観察像Dを表示制御部204及び角膜形状演算部214aへ逐次出力する(ステップS7)。これにより、表示制御部204の制御の下、モニタ14による観察像Dの表示が開始する。
一方、角膜形状演算部214aは、画像取得部202から入力された観察像DからリングパターンLPを検出して解析することで、患者眼Eの角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)を演算し、強主経線方向の演算結果をガイド表示制御部216へ出力する(ステップS8)。なお、角膜形状演算部214aによる角膜曲率の演算結果は、表示制御部204によりモニタ14に表示される。
次いで、ガイド表示制御部216が、観察像D等に基づいて判別した角膜Ecの3次元位置と、角膜形状演算部214aによる強主経線方向の検出結果とに基づき、角膜Ec上でのガイドパターンGPの形成領域を決定し、この形成領域をエイミング光LGが繰り返し走査するように光スキャナ503を制御する(ステップS9)。これにより、角膜Ec上にガイドパターンGPが形成される(ステップS10)。
そして、ガイドパターンGPが形成された角膜Ecからの戻り光LAがカメラ60L,60Rの撮像素子62により動画撮像され、この角膜Ecの観察像Dがカメラ60L,60Rの撮像素子62から画像取得部202を介して表示制御部204に逐次出力される(ステップS11)。これにより、表示制御部204が、ガイドパターンGPが形成された角膜Ecの観察像Dをモニタ14に表示させる。その結果、術者に対して角膜Ecの強主経線方向、すなわちトーリックIOLによる矯正効果を最も発揮可能(乱視を最も軽減可能)な位置(白内障手術の切開位置)を呈示することができる。
なお、ステップS1において角膜観察測定モードの代わりに眼屈折力測定モードが選択された場合には、ステップS2において前置レンズ21が挿入状態に切り替えられ、ステップS3において眼底Efにエイミング光LGが照射され、ステップS4,S5において眼底EfにリングパターンLPが形成される。そして、ステップS6において、リングパターンLPが形成された眼底Efからの戻り光LBをカメラ60L,60Rの撮像素子62が動画撮像し、ステップS7において画像取得部202が観察像Dを眼屈折力演算部214bへ出力し、ステップS8において眼屈折力演算部214bが観察像Dに基づき患者眼Eの眼屈折力を演算する。患者眼Eの眼屈折力の演算結果はモニタ14に表示される。なお、患者眼Eの眼屈折力(乱視度数)を測定した場合には、手術の際に患者眼Eの乱視度数に合わせた切開位置を判別することができるので、ガイド表示制御部216により光スキャナ503を制御してエイミング光LGを角膜Ec上で走査することにより、この切開位置を示すガイドパターンGPを角膜Ec上に形成してもよい。
以上のように第1実施形態の手術用顕微鏡10では、パターン形成光学系600によりエイミング光LGを走査して角膜Ec又は眼底Ef上にリングパターンLPを形成することができるので、ケラトリング光源及びレフ光源ユニットを手術用顕微鏡10に設ける必要がなくなり、手術用顕微鏡10の小型化及び低コスト化が図れる。さらに術者がケラトリング光源の挿脱作業を行う必要もなくなるので、術者の手間を減らすことができる。その結果、小型化、低コスト化、及び術者の手間軽減を実現することができる。
また、パターン形成光学系600が、エイミング光用光源601及びコリメータレンズユニット602以外の構成をOCT光学系500と共用することで、小型化及び低コスト化をより図ることができる。さらに患者の姿勢(仰臥位、座位、立位)に関係なく、患者眼Eの角膜形状及び眼屈折力を測定することができ、強主経線方向及び乱視度数に合わせたガイドパターンGPを角膜Ec上に形成可能である。
[第2実施形態]
図12は、第2実施形態の手術用顕微鏡10の作用、特に角膜観察測定モード時における患者眼Eの角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)の測定及び角膜Ecの強主経線方向の呈示の流れを示すフローチャートである。図13は、第2実施形態の角膜観察測定時における角膜Ec上でのリングパターンLPのリング径の複数回変更を説明するための説明図である。
上記第1実施形態の手術用顕微鏡10では、角膜Ec上に1重のリングパターンLPを形成し、この1重のリングパターンLPが形成された角膜Ecの観察像Dに基づき角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)を演算している。これに対して第2実施形態の手術用顕微鏡10では、リングパターンLPのリング径を変更しながら観察像Dの取得を繰り返し行い、互いに異なるリング径のリングパターンLPが形成された複数の角膜Ecの観察像Dに基づき患者眼Eの角膜形状を演算する。なお、第2実施形態の手術用顕微鏡10は、上記第1実施形態の手術用顕微鏡10と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
図12に示すように、ステップS1からステップS5までの処理の流れは、既述の図11に示した第1実施形態と基本的に同じあるので、ここでは具体的な説明は省略する。そして、図13の符号XIIIAに示すように、リングパターンLPが形成されている角膜Ecからの戻り光LAをカメラ60L,60Rの撮像素子62が動画撮像して観察像Dを画像取得部202へ出力する(図12のステップS6)。これにより、画像取得部202による観察像Dの取得と、表示制御部204によるモニタ14上での観察像Dの表示とが実行される(図12のステップS7)。
次いで、図13の符号XIIIBに示すように、第2実施形態のリングパターン形成制御部212が、光スキャナ503を制御して角膜Ecに形成するリングパターンLPのリング径を変更する(図12のステップS7AでYES、ステップS4,S5)。これにより、リング径の変更後のリングパターンLPが形成されている角膜Ecからの戻り光LAをカメラ60L,60Rの撮像素子62が動画撮像する(ステップS6)。これにより、リングパターンLPの2種類のリング径ごとの角膜Ecの観察像D、すなわち二重のリングパターンLPが形成された角膜Ecの観察像Dと等価な画像が得られる(ステップS7)。
なお、リングパターンLPのリング径の変更と、リングパターンLPが形成された角膜Ecの観察像Dの撮像と、を3回以上繰り返し実行してもよい。この場合には、多重のリングパターンLPが形成された角膜Ecの観察像Dと等価な観察像Dが得られる。
第2実施形態の角膜形状演算部214aはリングパターンLPのリング径を互いに異ならせた複数の角膜Ecの観察像Dに基づき、患者眼Eの角膜形状(強主経線方向、角膜曲率)を演算する(ステップS7AでNO、ステップS8)。これにより、第2実施形態の角膜形状演算部214aは、リングパターンLPのリング径を変えることなく1つの観察像Dに基づき角膜形状の演算を行う第1実施形態よりも患者眼Eの角膜形状の演算精度を向上させることができる。
なお、図12のステップS9以降の処理は、図11に示した上記第1実施形態と基本的に同じであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
以上のように第2実施形態では、リングパターンLPのリング径を変更しながら観察像Dの取得を繰り返し行い、互いに異なるリング径ごとの観察像Dに基づき患者眼Eの角膜形状を演算するとこで、患者眼Eの角膜形状をより高精度に測定することができる。
[第3実施形態]
図14は、第3実施形態の手術用顕微鏡10の上面図である。上記各実施形態では観察光学系40L,40Rが戻り光LA又は戻り光LBをカメラ60L,60Rの撮像素子62に導いているが、第3実施形態では観察光学系40L,40Rが戻り光LBを接眼レンズ系63L,63Rの接眼レンズ65に対しても導く。
図14に示すように、第3実施形態の手術用顕微鏡10は、顕微鏡本体10aに接眼レンズ系63L,63Rが設けられており、且つ観察光学系40LがビームスプリッタBSLを含むと共に観察光学系40RがビームスプリッタBSRを含む点を除けば上記各実施形態の手術用顕微鏡10と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
ビームスプリッタBSLは、ズームエキスパンダ50Lとカメラ60Lとの間に配置されている。このビームスプリッタBSLは、ズームエキスパンダ50Lから入射した戻り光LA又は戻り光LBの一部を透過してカメラ60Lへ出射し且つ残りを接眼レンズ系63Lに向けて反射する。
ビームスプリッタBSRは、ズームエキスパンダ50Rとカメラ60Rとの間に配置されている。このビームスプリッタBSRは、ズームエキスパンダ50Rから入射した戻り光LA又は戻り光LBの一部を透過してカメラ60Rへ出射し且つ残りを接眼レンズ系63Rに向けて反射する。
接眼レンズ系63L,63Rは、結像レンズ64と接眼レンズ65とを含む。接眼レンズ系63Lの結像レンズ64はビームスプリッタBSLから入射した戻り光LA又は戻り光LBを接眼レンズ65に導く。また、接眼レンズ系63Rの結像レンズ64はビームスプリッタBSRから入射した戻り光LA又は戻り光LBを接眼レンズ65に導く。これにより、術者は角膜観察測定モード時には接眼レンズ65を通してリングパターンLPが照射されている角膜Ecを観察することができる。また、術者は、眼底観察モード時には接眼レンズ65を通して眼底Efを観察することができる。
なお、第3実施形態の手術用顕微鏡10は、カメラ60L,60R(撮像素子62)及び接眼レンズ系63L,63Rの双方を備えているが、カメラ60L,60Rを省略して接眼レンズ系63L,63Rのみを備えていてもよい。
[その他]
上記各実施形態では、光軸OAと光軸OBとの交点に反射ミラーRMを設けているが、反射ミラーRMの代わりにダイクロイックミラーDM1を光軸OAと光軸OBとの交点に設けてもよい。この場合には、照明光学系31L,31Rの位置もダイクロイックミラーDM1のZ方向上方向側の位置に変更する。
上記各実施形態では、角膜Ec又は眼底EfにリングパターンLPを形成しているが、患者眼Eの眼特性の測定に用いられる各種の測定用パターンを角膜Ec又は眼底Efに照射してもよい。
上記各実施形態では、手術用顕微鏡10がモニタ14を備えているが、モニタ14を備えてはおらず外部モニタを利用する手術用顕微鏡10にも本発明を適用可能である。
上記各実施形態では、観察光学系40L,40R及びその光軸OBが光軸OAに対して垂直方向に延びているが、例えば光軸OAに対して平行(略平行を含む)であってもよく、観察光学系40L,40R及びその光軸OBの向きは特に限定はされない。
上記各実施形態では、手術用顕微鏡10が双眼式の照明光学系31L,31R、観察光学系40L,40R、及びカメラ60L,60Rを備えているが、単眼式であってもよい。
上記各実施形態では、手術用顕微鏡10にOCT光学系500及びパターン形成光学系600が設けられているが、OCT光学系500の代わりに患者眼Eに対して各種光(第2光)を照射可能な光学系を設けてもよい。例えば本発明の第2照射光学系として、走査型レーザ顕微鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)に用いられるSLO光学系、患者眼Eの治療部位にレーザ光を照射してレーザ凝固治療を行うレーザ手術装置の光学系などを手術用顕微鏡10に設けてもよい。さらにこの場合には、患者眼Eに照射する光を走査可能な走査光学系を有する光学系を設けることで、パターン形成光学系600と走査光学系を共用することができるので、手術用顕微鏡10の小型化及び低コスト化が図れる。
上記各実施形態では、手術用顕微鏡10にOCT光学系500及びパターン形成光学系600が設けられているが、パターン形成光学系600のみを設けてもよい。
上記各実施形態では、手術用顕微鏡10が顕微鏡本体10aに使用される第1対物レンズ20と、OCT光学系500及びパターン形成光学系600に使用される第2対物レンズ508と、を備えているが、顕微鏡本体10a、OCT光学系500、及びパターン形成光学系600で1つの対物レンズを使用してもよい。なお、OCT光学系500を省略する場合には顕微鏡本体10a及びパターン形成光学系600で1つの対物レンズを使用してもよい。
上記各実施形態では、白内障手術に用いられる手術用顕微鏡10を例に挙げて説明したが、患者眼に対して各種の測定用パターンを照射する各種の顕微鏡に本発明を適用可能である。
10 手術用顕微鏡
10a 顕微鏡本体
12 操作部
14 モニタ
16 制御装置
18 記憶部
20 第1対物レンズ
21 前置レンズ
22 レンズ挿脱機構
31L,31R 照明光学系
31a 光源
31b コンデンサーレンズ
40L,40R 観察光学系
50L,50R ズームエキスパンダ
51,52,53 ズームレンズ
60L カメラ
60R カメラ
61 結像レンズ
62 撮像素子
63L,63R 接眼レンズ系
64 結像レンズ
65 接眼レンズ
100 OCTユニット
101 OCT光源
102 光ファイバー
103 偏波コントローラ
104 光ファイバー
105 ファイバーカプラー
110 光ファイバー
111 コリメータ
112 光路長補正部材
113 分散補償部材
114 コーナーキューブ
115 コーナーキューブ移動機構
116 コリメータ
117 光ファイバー
118 偏波コントローラ
119 光ファイバー
120 アッテネータ
121 光ファイバー
122 ファイバーカプラー
123 光ファイバー
124 光ファイバー
125 検出器
128 光ファイバー
200 顕微鏡本体制御部
202 画像取得部
204 表示制御部
206 OCT測定制御部
208 画像形成部
210 データ処理部
212 リングパターン形成制御部
214 眼特性演算部
214a 角膜形状演算部
214b 眼屈折力演算部
216 ガイド表示制御部
500 OCT光学系
501 光ファイバー
502 コリメータレンズユニット
503 光スキャナ
503a,503b ガルバノミラー
504 OCT結像レンズ
505 ミラー
506 リレーレンズ
507 ミラー
508 第2対物レンズ
600 パターン形成光学系
601 エイミング光用光源
602 コリメータレンズユニット
BSL ビームスプリッタ
BSR ビームスプリッタ
D 観察像
DM1,DM2 ダイクロイックミラー
E 患者眼
Ec 角膜
Ef 眼底
GP ガイドパターン
KC クロック
L0 光
L1,L2 照明光
LA,LB 戻り光
LC 干渉光
LG エイミング光
LP リングパターン
LR 参照光
LS 測定光
LS1 戻り光
O1,O2,O3,OA,OB 光軸
OCT スウェプトソース
OL,OR 光軸
RM 反射ミラー

Claims (12)

  1. 対物レンズと、
    前記対物レンズを通して患者眼に第1光を照射する第1照射光学系であって且つ前記対物レンズと前記患者眼との間に挿脱自在に配置された前置レンズを含む第1照射光学系と、
    前記第1照射光学系により前記患者眼に照射される前記第1光を走査して測定用パターンを生成する走査光学系と、
    前記測定用パターンが照射された前記患者眼からの第1戻り光を、前記対物レンズを通して撮像素子及び接眼レンズの少なくとも一方に導く観察光学系と、
    を備え、
    前記第1照射光学系は、前記患者眼の角膜形状を測定する場合には前記対物レンズを通して前記第1光を前記患者眼の角膜に照射し、前記患者眼の眼屈折力を測定する場合には前記対物レンズ及び前記前置レンズを通して前記第1光を前記患者眼の眼底に照射し、
    前記走査光学系は、前記患者眼の角膜形状を測定する場合には前記測定用パターンとして連続的又は断続的なリングパターンを前記角膜に形成し、前記患者眼の眼屈折力を測定する場合には前記測定用パターンとして連続的又は断続的なリングパターンを前記眼底に形成する顕微鏡。
  2. 前記観察光学系が前記第1戻り光を前記撮像素子に導く場合において、前記撮像素子により撮像された前記第1戻り光の撮像画像に基づき、前記患者眼の眼特性を演算する眼特性演算部を備える請求項1に記載の顕微鏡。
  3. 前記第1照射光学系が、前記対物レンズを通して前記第1光を前記患者眼の角膜に照射し、
    前記走査光学系が、前記測定用パターンとして連続的又は断続的なリングパターンを前記角膜に形成し、
    前記眼特性演算部が、前記眼特性として前記患者眼の角膜形状を演算する請求項2に記載の顕微鏡。
  4. 前記眼特性演算部が、前記角膜形状として前記患者眼の強主経線方向を演算し、
    前記走査光学系が、前記眼特性演算部による前記強主経線方向の演算結果に基づき、前記角膜に照射される前記第1光を走査して、前記強主経線方向を示すガイドパターンを前記角膜に形成する請求項に記載の顕微鏡。
  5. 対物レンズと、
    前記対物レンズを通して患者眼に第1光を照射する第1照射光学系と、
    前記第1照射光学系により前記患者眼に照射される前記第1光を走査して測定用パターンを生成する走査光学系と、
    前記測定用パターンが照射された前記患者眼からの第1戻り光を、前記対物レンズを通して撮像素子及び接眼レンズの少なくとも一方に導く観察光学系と、
    前記観察光学系が前記第1戻り光を前記撮像素子に導く場合において、前記撮像素子により撮像された前記第1戻り光の撮像画像に基づき、前記患者眼の眼特性を演算する眼特性演算部と、
    を備え、
    前記第1照射光学系が、前記対物レンズを通して前記第1光を前記患者眼の角膜に照射し、
    前記走査光学系が、前記測定用パターンとして連続的又は断続的なリングパターンを前記角膜に形成し、
    前記眼特性演算部が、前記眼特性として前記患者眼の角膜形状を演算し、
    前記眼特性演算部が、前記角膜形状として前記患者眼の強主経線方向を演算し、
    前記走査光学系が、前記眼特性演算部による前記強主経線方向の演算結果に基づき、前記角膜に照射される前記第1光を走査して、前記強主経線方向を示すガイドパターンを前記角膜に形成する顕微鏡。
  6. 前記走査光学系が、前記リングパターンのリング径を複数回変更し、
    前記走査光学系が前記リング径を変更するごとに、前記撮像素子による前記第1戻り光の撮像が繰り返し実行され、
    前記眼特性演算部が、互いに異なる前記リング径ごとの前記撮像画像に基づき、前記角膜形状の演算を行う請求項4又は5に記載の顕微鏡。
  7. 前記第1照射光学系が、前記対物レンズと前記患者眼との間に挿脱自在に配置された前置レンズを含み、前記対物レンズ及び前記前置レンズを通して前記第1光を前記患者眼の眼底に照射し、
    前記走査光学系が、前記測定用パターンとして連続的又は断続的なリングパターンを生成し、
    前記眼特性演算部が、前記眼特性として前記患者眼の眼屈折力を演算する請求項2に記載の顕微鏡。
  8. 前記対物レンズを通して前記第1光とは異なる第2光を前記患者眼に照射する第2照射光学系であって、前記走査光学系から前記対物レンズに至るまでの共通光学系を有する第2照射光学系を備え、
    前記第1照射光学系が、前記共通光学系を前記第2照射光学系と共用し、
    前記第1照射光学系による前記患者眼への前記第1光の照射と、前記第2照射光学系による前記患者眼への前記第2光の照射と、が選択的に行われ、
    前記第2照射光学系により前記第2光が前記患者眼に照射される場合に、前記走査光学系が前記患者眼の予め定められた部位を前記第2光で走査する請求項1からのいずれか1項に記載の顕微鏡。
  9. 前記第2照射光学系が、光源から出射された光を参照光と前記第2光である測定光とに分割し、前記測定光を、前記共通光学系を通して前記患者眼に照射する干渉光学系を有し、
    前記干渉光学系が、前記測定光が照射された前記患者眼から前記共通光学系を通して入射した第2戻り光と、前記参照光との干渉光を検出し、
    前記干渉光学系が検出した前記干渉光の検出信号に基づき、前記患者眼の断層像を生成する断層像生成部を備える請求項に記載の顕微鏡。
  10. 前記対物レンズが、前記観察光学系に用いられる第1対物レンズと、前記第1照射光学系に用いられる第2対物レンズと、を含む請求項1からのいずれか1項に記載の顕微鏡。
  11. 前記対物レンズが、前記観察光学系に用いられる第1対物レンズと、前記第1照射光学系及び前記第2照射光学系に用いられる第2対物レンズと、を含む請求項又はに記載の顕微鏡。
  12. 前記第1対物レンズの一部分が切り欠かれており、前記第1対物レンズの切り欠かれている部分に前記第2対物レンズが配置されている請求項10又は11に記載の顕微鏡。
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