JP7737709B2 - ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプに係り、特に、流体の流路を切り替える切替弁を一体に備えたポンプに関する。
近年、自動車の熱交換システムは複雑になってきている。カーボンニュートラルの観点から自動車の電動化が進み、車両室内だけでなくモータやバッテリなど冷却対象が増えたためである。
このような熱交換システムでは、冷却水を循環させる経路を運転状況に応じて様々に切り替え、効率的な冷却を行うために切替弁とウォーターポンプが備えられる(例えば下記特許文献2及び特許文献3参照)。
また、ポンプに切替弁を一体に備え、羽根車を駆動する電動機の駆動力によって切替弁を作動させるポンプを開示する文献として、下記特許文献1がある。
特開2007-113623号公報 特開2008-213583号公報 特開2011-98628号公報
ところで、切替弁とウォーターポンプはセットで通常使用されるが、EV車(電気自動車)やハイブリッド車では、切替弁とウォーターポンプのセットを複数組み込んで熱交換システムを構築することが多く、切替弁とウォーターポンプそれぞれに制御用のモータが搭載されている。
したがって、現状の熱交換システムには、例えば、切替弁とポンプを一体化し、あるいは、切替弁を駆動する電動機とポンプを駆動する電動機を共通化することでシステムの簡素化や省スペース化、省エネ化を図るなどの改良の余地がある。
一方、前記特許文献1には、切替弁を一体に備えたポンプが示されている。しかしながらこのポンプは2位置3方向切替弁で、切替弁はデフォルト位置とフルリフト位置の2位置で制御される。このため当該文献記載のポンプでは、単に吐出口または吸入口の切り替えを行う(2つある吐出口又は吸入口のいずれかを選択的に開放する)制御に留まり、より多様な制御、例えば2つの吐出口を同時に開放したり閉鎖すること、さらに、吐出口を3つ以上備えたり2以上の吸入口を備えてこれらの間で流路の切り替えを行うようなことは出来ない。
したがって、本発明の目的は、ポンプを駆動する電動機を利用して流路の切替えを行う切替弁一体型のポンプにおいて、より多様な流路の切替制御を可能とする点にある。
〔第1発明〕
前記課題を解決し目的を達成するため、本願の第1の発明に係るポンプは、流体を吸い込む吸入口および流体を吐き出す2以上の吐出口を有するポンプ室と、第1回転方向への回転駆動力および当該第1回転方向とは逆方向である第2回転方向への回転駆動力を生じさせることが可能な電動機と、ポンプ室内に回転可能に備えられ電動機によって回転駆動されることにより吸入口から流体をポンプ室に流入させて当該流体を吐出口から流出させる流体の流れを生じさせる羽根車と、吐出口を開閉する弁体部を有し羽根車を介して電動機によって回転駆動される切替弁を備えたポンプである。
また上記弁体部は、吐出口を閉鎖する2以上の遮壁部と、吐出口を開放する2以上の開孔部を有する。これらの遮壁部および開孔部は、羽根車を取り囲むように配置され、且つ、弁体部の回転位置(回転角度)によって吐出口を開放または閉鎖できるように弁体部の周方向に交互に配列させてある。また上記2以上の吐出口は、弁体部の外周面に沿うように羽根車周囲のポンプ室の内周面に形成する。さらに上記ポンプには、羽根車と切替弁との間に介在され第2回転方向への回転駆動力を羽根車から切替弁に伝達する一方、第1回転方向への回転駆動力を羽根車から切替弁に伝達しない一方向回転伝達機構を備える。
本願の第1の発明に係るポンプは、流体の流路を切り替える切替弁を一体に備えたポンプで、ポンプ(羽根車)を駆動する電動機を利用して切替弁を駆動することを可能としたものである。
ポンプ(羽根車)を駆動するには、電動機を第1回転方向へ回転させれば良い。電動機からの回転駆動力を受けて羽根車は第1回転方向へ回転し、この羽根車の回転により吸入口からポンプ室へ流体が吸い込まれ、吸い込まれた流体は開放されている吐出口からポンプ室外へ吐き出される。なお、この第1回転方向への回転駆動力は、羽根車と切替弁との間に一方向回転伝達機構を介在させてあるため、切替弁には伝達されない。また本願では、当該第1回転方向への回転を「正転」、これとは逆方向である第2回転方向への回転を「逆転」とそれぞれ称することがある。
切替弁を駆動する(流路を切り替える)には、電動機を逆転(第2回転方向へ回転)させれば良い。電動機を逆転させると、羽根車と切替弁との間に介在させてある一方向回転伝達機構が当該第2回転方向への回転駆動力を羽根車から切替弁に伝達するから、この回転駆動力を受けて切替弁が第2回転方向へ回転する。これにより流路を切り替えることが出来る。
切替弁の弁体部は、吐出口を塞ぐ遮壁部と、吐出口を開く開孔部とを備えており、これらの遮壁部と開孔部は、羽根車を取り囲むように配置され、且つ、弁体部の周面に沿って(周方向に)特定の配置パターン(周方向に関する配置順序や配置数や個々の遮壁部・開孔部の周方向の長さ)で配列されている。
一方、ポンプ室から流体を流出させる吐出口(2以上の吐出口)は、弁体部の外周面に沿うように羽根車周囲のポンプ室の内周面に形成する。弁体部は、各吐出口(吐出口の縁部)に接触した状態で回転摺動し、遮壁部が吐出口に正対すれば(吐出口の形成位置に配置されれば)当該吐出口は閉鎖され、開孔部が吐出口に正対すれば(吐出口の形成位置に配置されれば)当該吐出口は開放される。
流路の切替状態、すなわち2以上有る吐出口のうちのどの吐出口が開放されてどの吐出口が閉鎖されるかは、弁体部の回転位置(回転角度)によって決定される。なお、弁体部の回転位置(回転角度)を検出するには、例えばホール素子を使用した回転角度センサを備えれば良い。
また、どのような切替状態(複数の異なる切替状態)を実現できるようにするかは、吐出口の数やそれらの配置位置、遮壁部と開孔部の数やそれらの配置位置、各遮壁部の周方向の長さ等により様々に設定することが可能である。
例えば、後述する第1実施形態では、2つの吐出口を弁体部の回転軸を挟んで対向する各位置にそれぞれ備え、弁体部に遮壁部と開孔部をそれぞれ3つずつ備えることにより、流体の吐出口を第1の吐出口と第2の吐出口との間で単に切り替える(2通りの切替状態を実現する)だけでなく、4通りの切替状態、すなわち(1)第1吐出口を開放し第2吐出口を閉鎖した状態(吸入口から流入した流体を第1吐出口から吐出させる流路の形成)と、(2)第1吐出口を閉鎖し第2吐出口を開放した状態(吸入口から流入した流体を第2吐出口から吐出させる流路の形成)に加えて、(3)第1吐出口と第2吐出口の双方を開放した状態(吸入口から流入した流体を第1吐出口と第2吐出口の双方から吐出させる流路の形成)と、(4)第1吐出口と第2吐出口の双方を閉鎖した状態(流路の遮断)を実現した。
なお、上記第1実施形態以外にも本発明(本願で「本発明」と言う場合、上記第1発明と後述する第2発明の双方を含む)によれば、例えば吐出口の数を3つ以上にしたり、遮壁部や開孔部を4つ以上備えたり、各遮壁部の長さ(周方向の長さ)を変更すること等により、上述した4通りの切替状態以外の様々な切替状態を実現できるようにすること、例えば、吐出口を3つ備えてこれらのうちの任意の1つ又は2つ又は3つの吐出口から流体を吐出させたり、後述する第2の発明や第2実施形態のように吸入口を2以上備えて流体を流入させる吸入口を切り替えられるようにすることも可能である。
切替弁は、弁体部を支持して弁体部と一緒に回転する支持部を有することがあり、一方向回転伝達機構は、当該支持部と羽根車との間に介在するように備えたワンウェイクラッチ(例えばカムクラッチ等)の場合がある。なお、本発明に言う一方向回転伝達機構はその種類を問わない。ワンウェイクラッチ以外にも本発明の一方向回転伝達機構は、例えばラチェット機構やその他、一方向への回転力を伝達し逆方向への回転力を伝達しない機構を有するものであれば如何なるものであっても良い。
また上記第1発明では、切替弁が第2回転方向へ回転することを許容する一方、切替弁が第1回転方向へ回転することを阻止する一方向回転阻止機構を備えることが好ましい。切替弁をより確実に停止状態に維持して現状の流路の切替状態を保つためである。より詳しくは、電動機を第1回転方向へ回転させてポンプ(羽根車)を駆動させたときには、当該第1回転方向への回転駆動力は、上記一方向回転伝達機構を介在させてあることによって切替弁には伝達されないが、羽根車と切替弁との間に生じる摩擦力により、回転する羽根車に切替弁が引き摺られて第1回転方向へ回転し、流路の切替状態が変わってしまう可能性がある。したがって、これを防ぐため、上記一方向回転阻止機構を備えることが好ましい。
また当該態様においては、弁体部を支持して弁体部と一緒に回転する支持部を切替弁が備え、当該支持部とポンプ室の内面との間に介在するように上記一方向回転阻止機構を備えることがある。一方向回転阻止機構としては、例えばラチェット機構を使用することが出来る。
また上記第1発明では、羽根車と弁体部を同軸状に配置する(言い換えれば、羽根車の回転軸と弁体部の回転軸とを一致させる)ことがある。
さらに上記第1発明の典型的な一態様では、吐出口が、弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ配置された第1吐出口と第2吐出口とからなり、弁体部が、開孔部として第1開孔部と第2開孔部と第3開孔部とを有し、遮壁部として第1遮壁部と第2遮壁部と第3遮壁部とを有し、第1開孔部と第3開孔部は前記弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ形成され、第2開孔部は弁体部の周方向について第1開孔部と第3開孔部との間に形成され、第1遮壁部は第1開孔部と第2開孔部との間に延在し、第2遮壁部は第2開孔部と第3開孔部との間に延在し、第3遮壁部は第3開孔部と第1開孔部との間に延在する。
また上記第1発明では、羽根車の回転軸と平行な方向を上下方向としたときに、吸入口を羽根車の下方のポンプ室の底面に備え、電動機を羽根車の上方に備えることがある。
〔第2発明〕
本願の第2の発明に係るポンプは、ポンプ室に流体を吸い込む吸入口を2以上備え、吐出口だけでなく、これら2以上の吸入口についても開閉や切替えを行えるようにしたものである。
具体的には当該ポンプは、流体を吸い込む2以上の吸入口および流体を吐き出す2以上の吐出口を有するポンプ室と、第1回転方向への回転駆動力および第1回転方向とは逆方向である第2回転方向への回転駆動力を生じさせることが可能な電動機と、ポンプ室内に回転可能に備えられて電動機によって回転駆動されることにより吸入口から流体をポンプ室に流入させて当該流体を吐出口から流出させる流体の流れを生じさせる羽根車と、吐出口を開閉する第1弁体部および吸入口を開閉する第2弁体部を有して羽根車を介して電動機によって回転駆動される切替弁とを備えたポンプであって、第1弁体部は、吐出口を閉鎖する2以上の遮壁部と、吐出口を開放する2以上の開孔部とを有し、2以上の遮壁部および2以上の開孔部は、羽根車を取り囲むように配置され、且つ、弁体部の回転位置によって吐出口を開放または閉鎖できるように弁体部の周方向に交互に配列され、2以上の吐出口は、弁体部の外周面に沿うように羽根車の周囲のポンプ室の内周面に形成され、第2弁体部は、第1弁体部と一緒に回転することにより吸入口を開閉し、前記ポンプは、羽根車と切替弁との間に介在されて第2回転方向への回転駆動力を羽根車から切替弁に伝達する一方、第1回転方向への回転駆動力を羽根車から切替弁に伝達しない一方向回転伝達機構を備えている。
また上記第2発明に係るポンプでは、第1弁体部および第2弁体部を支持し第1弁体部および第2弁体部と一緒に回転する支持部を切替弁が有し、一方向回転伝達機構を、支持部と羽根車との間に介在させたワンウェイクラッチにより構成する場合がある。
また、この第2発明においても前記第1発明と同様の理由により、切替弁が第2回転方向へ回転することを許容する一方、切替弁が前記第1回転方向へ回転することを阻止する一方向回転阻止機構を備えることが好ましい。
またその場合、切替弁が、第1弁体部および第2弁体部を支持して第1弁体部および第2弁体部と一緒に回転する支持部を有し、当該支持部とポンプ室の内面との間に介在するように備えたラチェット機構により上記一方向回転阻止機構を構成する場合がある。
さらに、羽根車と第1弁体部と第2弁体部は、これらを同軸状に配置する(羽根車の回転軸と、第1弁体部の回転軸と、第2弁体部の回転軸を一致させる)ことがある。
また第2発明の典型的な一態様では、吐出口が、第1弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ配置された第1吐出口と第2吐出口とからなり、第1弁体部が、開孔部として第1開孔部と第2開孔部と第3開孔部とを有し、遮壁部として第1遮壁部と第2遮壁部と第3遮壁部とを有し、第1開孔部と前記第3開孔部が弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ形成され、第2開孔部が弁体部の周方向について第1開孔部と第3開孔部との間に形成され、第1遮壁部が第1開孔部と第2開孔部との間に延在し、第2遮壁部が第2開孔部と第3開孔部との間に延在し、第3遮壁部が第3開孔部と第1開孔部との間に延在する。
さらに第2発明の別の態様では、第2弁体部が、円筒状の形状を有するとともに第1弁体部と同軸状に備えられ、吸入口を閉鎖する1以上の遮壁部および吸入口を開放する1以上の開孔部を有し、遮壁部および開孔部が第2弁体部の回転位置によって吸入口を開放または閉鎖できるように第2弁体部の周方向に沿って配列され、前記ポンプが第2弁体部を摺動回転可能に収容する円筒状の吸入室を有し、前記2以上の吸入口が吸入室の内周面に開口することがある。
また上記別の態様では、羽根車の回転軸と平行な方向を上下方向としたときに、吸入室をポンプ室の下面部に備え、電動機を羽根車の上方に備えることがある。
本発明によれば、ポンプを駆動する電動機を利用して流路の切替えを行う切替弁一体型のポンプにおいて、より多様な流路の切替制御が可能となる。
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基いて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。また各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るポンプを示す斜視図である。 図2は、前記第1実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 図3は、前記第1実施形態に係るポンプを示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図4は、前記第1実施形態に係るポンプを示す水平端面図(図2のX2-X2切断部端面図)である。 図5は、前記第1実施形態に係るポンプの切替弁による第1切替状態を示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図6は、前記第1実施形態に係るポンプの切替弁による第2切替状態を示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図7は、前記第1実施形態に係るポンプの切替弁による第3切替状態を示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図8は、前記第1実施形態に係るポンプの切替弁による第4切替状態を示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図9は、前記第1実施形態に係るポンプの変形例を示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図10は、前記第1実施形態に係るポンプの別の変形例を示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図11は、前記第1実施形態に係るポンプのさらに別の変形例を示す水平端面図(図2のX1-X1切断部端面図)である。 図12は、本発明の第2の実施形態に係るポンプを示す斜視図である。 図13は、前記第2実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 図14は、前記第2実施形態に係るポンプの切替弁による第1切替状態を示す水平端面図(図13のX3-X3切断部端面図)である。 図15は、前記第2実施形態に係るポンプの切替弁による第2切替状態を示す水平端面図(図13のX3-X3切断部端面図)である。 図16は、前記第2実施形態に係るポンプの切替弁による第3切替状態を示す水平端面図(図13のX3-X3切断部端面図)である。 図17は、前記第2実施形態に係るポンプの切替弁による第4切替状態を示す水平端面図(図13のX3-X3切断部端面図)である。 図18は、前記第2実施形態に係るポンプの変形例の切替弁による第1切替状態を示す水平端面図(図13のX3-X3切断部端面図)である。 図19は、前記第2実施形態に係るポンプの変形例の切替弁による第2切替状態を示す水平端面図(図13のX3-X3切断部端面図)である。 図20は、前記第2実施形態に係るポンプの変形例の切替弁による第3切替状態を示す水平端面図(図13のX3-X3切断部端面図)である。
〔第1実施形態〕
図1から図4に示すように、本発明の第1の実施形態に係るポンプ11は、ポンプ室13を内部に有する筐体12と、ポンプ室13の内部に回転可能に設置した羽根車21と、流体をポンプ室13に吸入する吸入管15と、流体をポンプ室13から吐出する吐出口P21,P22を有する2本の吐出管(第1吐出管16及び第2吐出管17)と、吐出口P21,P22を開閉する切替弁31と、羽根車21と切替弁31を回転駆動する電動機(モータ)41と、羽根車21と切替弁31との間に介在させたワンウェイクラッチ(一方向回転伝達機構)51と、切替弁31と筐体12(ポンプ室13の内周面13a)との間に介在させたラチェット機構(一方向回転阻止機構)61と、ポンプ室13の天面を閉塞する蓋体14とを備えている。
ポンプ室13は、円形の平面形状を有し、羽根車21を取り囲むように垂直に起立する環状の内周面13aを有する。また、第1吐出管16と第2吐出管17は、ポンプ室を挟んで互いに対向するように備えられ、第1吐出管16のポンプ室13に対する開口である第1吐出口P21と、第2吐出管17のポンプ室13に対する開口である第2吐出口P22は、ポンプ室13の中心軸Aを挟んで互いに対向するようにポンプ室13の内周面13aに形成されている。
ポンプ室13の中心部には回転軸Aが垂直方向(図2中の上下方向)になるように羽根車21を配置し、羽根車21の下部(ポンプ室13の底面中心部)に、吸入管15のポンプ室13に対する開口となる吸入口P11を形成する。なお、本実施形態のポンプ11の中心軸Aと、ポンプ室13の中心軸Aと、吸入管15(及び吸入口P11)の中心軸Aと、羽根車21の回転軸Aと、後述するロータ42の回転軸Aと、切替弁31の回転軸Aは、いずれも垂直方向に延び、平面から(垂直方向から)見て互いに一致する(重なり合う)。
羽根車21の上部には、羽根車21と切替弁31を駆動するモータ41を備える。モータ41は、下端に羽根車21を一体に備えた回転子(ロータ)42と、コイル44を含んでロータ42を回転させる磁界を発生させる固定子(ステータ)43とを有し、これらを蓋体14の上面部に形成した樹脂モールドカバー45で覆ってある。ロータ42は、ポンプ室13の天面(上面)を水密状態に閉塞する蓋体14の中心部から上方へ突出するように形成した円筒部14aの中に収容し、当該円筒部14aの外側にステータ43を配置する。
また、上記ロータ42、羽根車21および切替弁31は、ポンプ11の中心軸Aに沿うように垂直に延びるシャフト46により回転可能に支持してある。このシャフト46は、ロータ42と羽根車21と切替弁31の中心部を貫通する。また、シャフト46の上端は、蓋体14の円筒部14aの上面部に固定し、シャフト46の下端は、吸入口P11の中心部に配置した軸受部材47に固定してある。軸受部材47は、脚部48によって吸入管15の上部内周面に支持してある。
羽根車21は、回転軸Aに対して放射状に延びる複数の羽根24を底板部23と天板部22との間に有するとともに、底板部23の下面中心部に、垂直下方に延びる無底無蓋の円筒状の高台部25を有する。なお、天板部22および底板部23ならびにこれらの間に備えた羽根24を羽根車本体部と称する。
底板部23の中心部には、高台部25に連通する中心孔を形成し、高台部25を通じて羽根車本体部の内部(底板部23と天板部22の間の空間)と吸入口P11とが連通するようにする。したがって、羽根車21の回転によって吸入口P11からポンプ室13内に吸い込まれる流体(図2の矢印W1参照)は、高台部25の内部を通って底板部23の中心孔から羽根車本体部の内部(底板部23と天板部22の間の空間)に流入し、回転する羽根車21の遠心力によって各羽根24の間からポンプ室13の内周面13aに向けて放出され、開放されている吐出口P21,P22から吐出管16,17を通って外部へ吐き出される(図2の矢印W2参照)。
羽根車21の周囲には、切替弁31を備える。切替弁31は、羽根車本体部を取り囲む円筒状の弁体部32と、高台部25を取り囲むように円筒状の形状を有して弁体部32を下方から支持する支持部33と、支持部33の下端部からシャフト46に向け延びて支持部33(切替弁31)を回転可能にシャフト46に支持するアーム部34とを有する。
なお、弁体部32は、典型的には本実施形態のように円筒状の形状を有するが、例えば円錐台状あるいは扁平な樽状の形状を有していても良い。またその場合、吐出口P21,P22が形成される弁体部周囲のポンプ室内周面13aは、当該弁体部32によって吐出口P21,P22を開閉できるように弁体部32の周面形状に対応した(弁体部32の外周面に沿うように広がる)形状を有するようにすれば良い。
弁体部32は、周方向に配列させた複数の遮壁部26(26a,26b,26c)と複数の開孔部27(27a,27b,27c)とを有し、切替弁31の回転に伴ってポンプ室13の内周面13aに対して摺動回転する(ポンプ室13の内周面13aに接触した状態で回転する)ことにより吐出口P21,P22を開閉する。
より具体的には、本実施形態では、吐出口P21,P22を閉鎖する3つの遮壁部26、すなわち第1遮壁部26a、第2遮壁部26bおよび第3遮壁部26cと、吐出口P21,P22を開放する3つの開孔部27、すなわち第1開孔部27a、第2開孔部27bおよび第3開孔部27cとを備える。また、第1開孔部27aと第3開孔部27cは、弁体部32の回転軸Aを挟んで対向する位置にそれぞれ形成し、弁体部32の周方向について第1開孔部27aと第3開孔部27cとの間に第2開孔部27bを形成する。
また、第1遮壁部26aは第1開孔部27aと第2開孔部27bとの間に延在し、第2遮壁部26bは第2開孔部27bと第3開孔部27cとの間に延在し、第3遮壁部26cは第3開孔部27cと第1開孔部27aとの間に延在する。そして、遮壁部26が吐出口P21,P22に正対すれば当該吐出口は閉鎖され、開孔部27が吐出口P21,P22に正対すれば当該吐出口は開放される。なお、切替弁31による吐出口P21,P22の開閉動作については、図5から図8を参照して後に詳細に述べる。
羽根車21と切替弁31との間に介在させたワンウェイクラッチ51は、羽根車21と切替弁31の双方を共通のモータ41で駆動できるようにするもので、本実施形態ではカムクラッチを使用する(図4参照)。より具体的には、当該カムクラッチ51は、羽根車21の高台部25と、高台部25を取り囲む支持部33との間に介在されるように支持部33に備えてあり、高台部25から支持部33へ第2回転方向R2への回転力を伝えるが、第1回転方向R1への回転力は伝達しない。
したがって、モータ41を正転させ、ロータ42と一体となった羽根車21を第1回転方向R1へ回転させた場合(ポンプの駆動時)には、モータ41の回転駆動力は羽根車21(高台部25)から切替弁31(支持部33)へは伝達されないが、モータ41を逆転させ、羽根車21を第2回転方向R2へ回転させた場合(切替弁31の駆動時/流路切替時)には、モータ41の回転駆動力が羽根車21(高台部25)から切替弁31(支持部33)へ伝達されるから、切替弁31を(従って弁体部32を)第2回転方向R2へ回転させることが出来る。
一方、切替弁31とポンプ室13の内周面13aとの間に介在させたラチェット機構61は、切替弁31が第1回転方向R1へ回転することを防ぐものである。
具体的には、当該ラチェット機構61は、支持部33の外周面に形成した複数の歯33aと、ポンプ室13の内周面13aから支持部33に向けて延びる係止ピン62とからなり、支持部33が第2回転方向R2へ回転するときには、係止ピン62が外方へ逃げて歯33aと係合せず、支持部33(切替弁31)の第2回転方向R2への回転を許容するが、支持部33が第1回転方向R1へ回転するときには、係止ピン62が歯33aに係合することにより支持部33(切替弁31)の第1回転方向R1への回転を阻止する。
羽根車21と切替弁31との間に前記カムクラッチ51を介在させることでポンプ駆動時(モータ41の正転時)にはモータ41の回転駆動力は切替弁31に伝達されないが、カムクラッチ51のみであると、羽根車21と切替弁31(カムクラッチ51)との間の摩擦力により、回転する羽根車21に切替弁31が引き摺られて回転してしまうおそれがある。これに対し、上記ラチェット機構61を備えれば、ポンプ駆動時に切替弁31を確実に停止状態に維持して流路の切替状態を保つことが可能となる。
また、上記ラチェット機構61の歯33aは、後述する切替弁31の複数の切替状態(第1切替状態から第4切替状態)の各切替状態においてちょうど係止ピン62と係合するように形成しておく。
図5から図8に基いて本実施形態に係るポンプ11の動作を説明する。
〔第1切替状態〕
図5は本実施形態に係るポンプ11の第1の切替状態を示すもので、この第1の切替状態では、弁体部32の第2開孔部27bが第1吐出口P21に正対することにより第1吐出口P21が開放されるとともに、弁体部32の第3遮壁部26cによって第2吐出口P22が閉鎖される。したがって、この第1切替状態でポンプ11を駆動する(モータ41を正転させる)と、羽根車21の回転により吸入口P11から流体がポンプ室13に吸い込まれ、当該流体が第2開孔部27bと第1吐出口P21を通って第1吐出管16から吐出される(矢印W2参照)。
なお、図5では、右上に小さく流路を示す模式図を記載したが、当該図は吸入口P11から第1吐出口P21への流路が形成されていることを表している(図6から図8、後述する第2実施形態の図14から図20にも同様の模式図を記載した)。
また、前記図2から図3では弁体部32(遮壁部26)が吐出口P21,P22の縁部だけでなく第1吐出口P21と第2吐出口P22の間の内周面13aにも接触する構造を示したのに対し、図5から図8では、吐出口P21,P22の縁部をポンプ室13の中心部に向けて突出させ、弁体部32(遮壁部26)は当該吐出口縁部だけに接触してポンプ室内周面13aの他の部分(第1吐出口P21と第2吐出口P22の間の内周面13a)には接触しない構造を示したが、本発明ならびに本実施形態および後述する第2実施形態では、これらのいずれの構造を採用しても構わない。
ただし、図5から図8に示すような吐出口P21,P22の縁部にのみ弁体部32を接触させる構造を採用する場合には、開孔部27から吐出口P21,P22に向けて流れる流体の一部が弁体部32とポンプ室内周面13aとの間の隙間へ漏れ出ることを防ぐため、弁体部32の開孔部27を吐出口P21,P22より小さく、且つ、吐出口P21,P22に正対したときに開孔部27が吐出口P21,P22の縁部の内側に納まるように構成することが好ましい。
また上記第1切替状態では、前述したラチェット機構61の係止ピン62が歯33aに係合しており(図4に示した状態となっている)、羽根車21(高台部25)が回転しても切替弁31(支持部33)が第1回転方向R1へ回転することがない。後述する第2から第4切替状態についても同様である。
〔第2切替状態〕
図6は本実施形態に係るポンプ11の第2の切替状態を示すもので、この第2の切替状態は、前記第1切替状態から切替弁31を反時計回りに(第2回転方向R2へ)180°回転させた状態である。
切替弁31を回転させるには、前述したようにモータ41を逆転駆動し、第2回転方向R2へ羽根車21を回転させれば良い。これにより、高台部25(羽根車21)と支持部33(切替弁31)との間に備えたカムクラッチ51が第2回転方向R2への回転駆動力を高台部25から支持部33に伝え、切替弁31(弁体部32)が反時計回りに回転する。なお、切替弁31の駆動時には、角度センサ(図示せず)により切替弁31の回転角度を検出し、180°回転させた位置でモータ41の駆動を停止すれば良い。
この第2切替状態では、第2開孔部27bが第2吐出口P22に正対することにより第2吐出口P22が開放されるとともに、第3遮壁部26cによって第1吐出口P21が閉鎖され、吸入口P11から第2吐出口P22への流路が形成される。この第2切替状態でポンプ11を駆動すると、流体が吸入口P11からポンプ室13に吸い込まれ、当該流体が第2開孔部27bと第2吐出口P22を通って第2吐出管17から吐出される(矢印W3参照)。
〔第3切替状態〕
図7は本実施形態に係るポンプ11の第3の切替状態を示すもので、この第3の切替状態は、前記第1切替状態から切替弁31を反時計回りに(第2回転方向R2へ)270°回転させた状態である。
この第3切替状態では、第1開孔部27aが第1吐出口P21に正対するとともに第3開孔部27cが第2吐出口P22に正対することにより、第1吐出口P21と第2吐出口P22の双方が開放され、吸入口P11から第1吐出口P21と第2吐出口P22の双方への流路が形成される。したがって、この第3切替状態でポンプ11を駆動すると、吸入口P11からポンプ室13に吸入された流体が第1吐出管16と第2吐出管17の双方から吐出される(矢印W2,W3参照)。
〔第4切替状態〕
図8は本実施形態に係るポンプ11の第4の切替状態を示すもので、この第4の切替状態は、前記第1切替状態から切替弁31を反時計回りに(第2回転方向R2へ)210°回転させた状態である。
この第4切替状態では、第1吐出口P21が第1遮壁部26aによって閉鎖されるとともに第2吐出口P22が第3遮壁部26cによって閉鎖され、流路が遮断された閉弁状態となっている。
このように本実施形態によれば、単に第1吐出口P21と第2吐出口P22との間で流路(吐出口)を切り替えるだけでなく、第1吐出口P21と第2吐出口P22の双方から流体を同時に吐出させたり(第3切替状態)、流路を遮断すること(第4切替状態)が可能となる。
吐出口(吐出管)の配置位置は、例えば図9に示すように第1吐出口P21(第1吐出管16)と第2吐出口P22(第2吐出管17)が互いに90°の角度をなすように配置したり、90°未満または90°を超える角度をなすように配置するなど様々な配置とすることが出来る。また、吐出口(吐出管)の数についても、例えば図10に示すように3つの吐出口P21,P22,P23を備えたり、図11に示すように4つの吐出口P21,P22,P23,P24を備えたり、吐出口を5つ以上備えることも可能である。
さらに、形成すべき流路(切替状態)の組み合わせに応じて、遮壁部26や開孔部27の数を増減したり遮壁部26の周方向の長さを変えるなどの弁体部32への変更を適宜加えることにより、本実施形態や次に述べる第2実施形態以外にも様々な切替状態を備えたポンプを本発明に基いて構成することが出来る。
〔第2実施形態〕
図12から図17に示すように、本発明の第2の実施形態に係るポンプ71は、前記第1実施形態のポンプ11と同様に、ポンプ室13を内部に有する筐体12と、ポンプ室13の内部に回転可能に設置した羽根車21と、流体をポンプ室13から吐出する吐出口P21,P22を有する2本の吐出管(第1吐出管16及び第2吐出管17)と、吐出口P21,P22を開閉する切替弁31と、羽根車21および切替弁31を回転駆動するモータ41と、羽根車21と切替弁31との間に介在させたワンウェイクラッチ51と、切替弁31と筐体12(ポンプ室13の内周面13a)との間に介在させたラチェット機構と、ポンプ室13の天面を閉塞する蓋体14とを備えて吐出口P21,P22を切り替えることを可能としたものであるが、第1実施形態のポンプ11と異なり、流体をポンプ室13に吸入する複数本(本実施形態の場合2本)の吸入管73,74を備え、これら複数本の吸入管73,74に対応する複数の吸入口P11,P12を切り替えることを可能としたものである。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略し、相違点を中心に述べる。
本実施形態では、切替弁31は、前記第1実施形態の弁体部32と同様の構造を有することにより第1吐出口P21と第2吐出口P22を開閉可能な第1弁体部32を有するが、これに加え、吸入口P11,P12を開閉する第2弁体部35を有する。またポンプ室13の底面には、ポンプ室13と連通する吸入室72を備え、この吸入室72の中に第2弁体部35を配置する。さらに本実施形態では、シャフト46が吸入室72の底面部まで延び、第2弁体部35を貫通して第2弁体部35を回転可能に支持する。シャフト46の下端は、吸入室72の底面部に支持される。
第2弁体部35は、遮壁部75と開孔部76を1つずつ備えた円筒状の形状を有し、第1弁体部32や支持部33と一体に構成され、第1弁体部32と一緒に回転する。一方、吸入室72は、有底無蓋の円筒状の形状を有し、垂直に起立する内周面72aを有する。吸入室72の内周面72aには、吸入室72の中心軸を挟んで対向するように第1吸入口P11と第2吸入口P12を形成してあり、第2弁体部35が吸入室72内で摺動回転することにより第1吸入口P11と第2吸入口P12が開閉される。すなわち、第2弁体部35の開孔部76が吸入口P11,P12に正対すれば当該吸入口は開放され、第2弁体部35の遮壁部75が吸入口P11,P12に正対すれば当該吸入口は閉鎖される。
なお、吸入室72および第2弁体部35は、ポンプ室13、羽根車21、ロータ42および第1弁体部32と同軸状に備えられており、吸入室72の中心軸および第2弁体部35の回転軸Aは、いずれも垂直方向に延び、平面から(垂直方向から)見てポンプ室13の中心軸Aならびに羽根車21、ロータ42および第1弁体部32の各回転軸Aと互いに一致する。
また、第1吸入管73と第2吸入管74は、吸入室72の径方向両端部の外周面から垂直下方に延びるように備え、各吸入管73,74の上端部を吸入室72の外周面に固定してある。また当該固定部において、吸入管73,74の側壁を水平に貫通するように形成した孔と、吸入室72の側壁を水平に貫通するように形成した孔同士が接続されるようにすることで各吸入管73,74と吸入室72を連通させてある。各吸入口P11,P12は、吸入室72の側壁を貫通する上記各孔によって形成されている。
本実施形態のポンプ71の動作を説明すれば次の通りである。
〔第1切替状態〕
図14は本実施形態に係るポンプ71の第1の切替状態を示すもので、この第1の切替状態では、第2弁体部35の開孔部76が第1吸入口P11に正対することで第1吸入口P11を開放し、第2弁体部35の遮壁部75が第2吸入口P12に正対することで第2吸入口P12を閉鎖している。また、この第1切替状態において第1弁体部32は、前記図5に示した第1切替状態にある。
したがって、この第1切替状態においてポンプ71を駆動する(モータ41を正転させる)と、第1吸入口P11(第1吸入管73)から吸入室72を通ってポンプ室13に流体が吸入され(矢印W4参照)、第1弁体部32の第2開孔部27b(図5参照)および第1吐出口P21を通じて第1吐出管16から流体が吐出されることになる。
〔第2切替状態〕
図15は本実施形態に係るポンプの第2の切替状態を示すもので、この第2の切替状態は、前記第1切替状態から切替弁31を反時計回りに(第2回転方向R2へ)180°回転させた状態である。なお、切替弁31の駆動時には、前記第1実施形態と同様に角度センサ(図示せず)により切替弁31の回転角度を検出し、180°回転させた位置でモータ41の駆動を停止すれば良い。
この第2切替状態では、第2弁体部35の開孔部76が第2吸入口P12に正対することで第2吸入口P12を開放し、第2弁体部35の遮壁部75が第1吸入口P11に正対することで第1吸入口P11を閉鎖している。また、第1弁体部32と第2弁体部35は一体に(一緒に)回転するから、当該第2切替状態において第1弁体部32は、前記図6に示した第2切替状態にある。
この第2切替状態においてポンプ71を駆動すると、第2吸入口P12(第2吸入管74)から吸入室72を通ってポンプ室13に流体が吸入され(矢印W5参照)、第1弁体部32の第2開孔部27b(図6参照)および第2吐出口P22を通じて第2吐出管17から流体が吐出される。
〔第3切替状態〕
図16は本実施形態に係るポンプ71の第3の切替状態を示すもので、この第3の切替状態は、前記第1切替状態から切替弁31を反時計回りに(第2回転方向R2へ)270°回転させた状態である。
この第3切替状態では、第2弁体部35の開孔部76が第1吸入口P11と第2吸入口P12の両方を開放する。また第1弁体部32は、前記図7に示した第3切替状態にある。
この第3切替状態においてポンプ71を駆動すると、第1吸入口P11(第1吸入管73)と第2吸入口P12(第2吸入管74)の両方から吸入室72を通ってポンプ室13に流体が吸入され(矢印W4,W5参照)、両吐出管16,17から流体が吐出される。つまり、第1弁体部32の第1開孔部27a(図7参照)および第1吐出口P21を通じて第1吐出管16から流体が吐出されるとともに、第1弁体部32の第3開孔部27cおよび第2吐出口P22を通じて第2吐出管17から流体が吐出される。
〔第4切替状態〕
図17は本実施形態に係るポンプの第4の切替状態を示すもので、この第4の切替状態は、前記第1切替状態から切替弁31を反時計回りに(第2回転方向R2へ)210°回転させた状態である。
この第4切替状態では、第2吸入口P12は開放されているが、第1弁体部32が前記図8に示した第4切替状態にあり、第1吐出口P21が第1遮壁部26aによって閉鎖されるとともに第2吐出口P22が第3遮壁部26cによって閉鎖されているから、総ての流路が遮断された閉弁状態となっている。
図18から図20は、本実施形態の変形例を示すものである。
この変形例は、第1弁体部32と第2弁体部35の相対的な位置関係(回転方向の位置関係)を変更したもので、第1弁体部32が前記図5に示した第1切替状態にあるときに第2弁体部35が、図18に示すように前記第2実施形態(図14)に対して反時計回りに90°回転させた状態になるようにした。
したがって、この変形例によれば、図18に示す第1切替状態では、両吸入口P11,P12が開放され、両吸入管73,74から流体がポンプ室13に流入する(矢印W4,W5参照)。そして、第1弁体部32の第2開孔部27b(図5参照)と第1吐出口P21を通じて第1吐出管16から流体が吐出される。
また、第1切替状態から切替弁31を反時計回りに(第2回転方向R2へ)180°回転させた第2切替状態では、図19に示すように第1切替状態と同様に両吸入口P11,P12が開放されて両吸入管73,74から流体がポンプ室13に流入するが(矢印W4,W5参照)、第2切替状態にある第1弁体部32(図6参照)によって吐出口が第2吐出口P22に切り替えられており、第2吐出管17から流体が吐出される。
さらに、第1切替状態から反時計回りに(第2回転方向へ)270°回転させた第3切替状態では、図20に示すように第1吸入口P11が開放され、第2吸入口P12が閉鎖される。また第1弁体部32は、両吐出口P21,P22を開放した前記第3切替状態(図7参照)にある。したがって流体は、第1吸入管P11からポンプ室13に流入し(矢印W4参照)、両吐出管(第1吐出管16及び第2吐出管17)から吐出されることとなる。
なお、第1切替状態から反時計回りに(第2回転方向へ)210°回転させた第4切替状態では、第1弁体部によって両吐出口P21,P22が閉鎖されるから(図8参照)、前記第2実施形態と同様に流路が遮断された閉弁状態となる。
このように吐出口P21,P22を開閉する第1弁体部32と、吸入口P11,P12を開閉する第2弁体部35の相対的な位置関係を変更することによっても、異なる切替状態を実現できるポンプを構成することが出来る。
A 回転軸(中心軸)
P11 吸入口(第1吸入口)
P12 第2吸入口
P21 第1吐出口
P22 第2吐出口
P23,P24 吐出口
W1,W2,W3,W4,W5 流体の流れ
11,71 ポンプ
12 筐体
13 ポンプ室
13a ポンプ室の内周面
14 蓋体
14a 蓋体の円筒部
15 吸入管
16 第1吐出管
17 第2吐出管
21 羽根車
22 天板部
23 底板部
24 羽根
25 高台部
26,75 遮壁部
26a 第1遮壁部
26b 第2遮壁部
26c 第3遮壁部
27,76 開孔部
27a 第1開孔部
27b 第2開孔部
27c 第3開孔部
31 切替弁
32 弁体部(第1弁体部)
33 支持部
33a 歯
34 アーム部
35 第2弁体部
41 電動機(モータ)
42 回転子(ロータ)
43 固定子(ステータ)
44 コイル
45 樹脂モールドカバー
46 シャフト
47 軸受部材
48 脚部
51 ワンウェイクラッチ(カムクラッチ)
61 ラチェット機構
62 係止ピン
72 吸入室
73 第1吸入管
74 第2吸入管

Claims (15)

  1. 流体を吸い込む吸入口、および、前記流体を吐き出す2以上の吐出口を有するポンプ室と、
    第1回転方向への回転駆動力、および、当該第1回転方向とは逆方向である第2回転方向への回転駆動力を生じさせることが可能な電動機と、
    前記ポンプ室内に回転可能に備えられ、前記電動機によって回転駆動されることにより前記吸入口から前記流体を前記ポンプ室に流入させて当該流体を前記吐出口から流出させる前記流体の流れを生じさせる羽根車と、
    前記吐出口を開閉する弁体部を有し、前記羽根車を介して前記電動機によって回転駆動される切替弁と
    を備えたポンプであって、
    前記弁体部は、
    前記吐出口を閉鎖する2以上の遮壁部と、
    前記吐出口を開放する2以上の開孔部と
    を有し、
    前記2以上の遮壁部および前記2以上の開孔部は、前記羽根車を取り囲むように配置され、且つ、前記弁体部の回転位置によって前記吐出口を開放または閉鎖できるように前記弁体部の周方向に交互に配列され、
    前記2以上の吐出口は、前記弁体部の外周面に沿うように前記羽根車の周囲の前記ポンプ室の内周面に形成され、
    前記ポンプは、
    前記羽根車と前記切替弁との間に介在され、前記第2回転方向への回転駆動力を前記羽根車から前記切替弁に伝達する一方、前記第1回転方向への回転駆動力を前記羽根車から前記切替弁に伝達しない一方向回転伝達機構
    を備えている
    ことを特徴とするポンプ。
  2. 前記切替弁は、前記弁体部を支持し前記弁体部と一緒に回転する支持部を有し、
    前記一方向回転伝達機構は、前記支持部と前記羽根車との間に介在するように備えたワンウェイクラッチである
    請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記切替弁が前記第2回転方向へ回転することを許容する一方、前記切替弁が前記第1回転方向へ回転することを阻止する一方向回転阻止機構
    をさらに備えた
    請求項1または2に記載のポンプ。
  4. 前記切替弁は、前記弁体部を支持し前記弁体部と一緒に回転する支持部を有し、
    前記一方向回転阻止機構は、前記支持部と前記ポンプ室の内面との間に介在するように備えたラチェット機構である
    請求項3に記載のポンプ。
  5. 前記羽根車と前記弁体部を同軸状に配置した
    請求項1から4のいずれか一項に記載のポンプ。
  6. 前記吐出口は、前記弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ配置された第1吐出口と第2吐出口とからなり、
    前記弁体部は、
    前記開孔部として、第1開孔部と、第2開孔部と、第3開孔部とを有し、
    前記遮壁部として、第1遮壁部と、第2遮壁部と、第3遮壁部とを有し、
    前記第1開孔部と前記第3開孔部は、前記弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ形成され、
    前記第2開孔部は、当該弁体部の周方向について前記第1開孔部と前記第3開孔部との間に形成され、
    前記第1遮壁部は、前記第1開孔部と前記第2開孔部との間に延在し、
    前記第2遮壁部は、前記第2開孔部と前記第3開孔部との間に延在し、
    前記第3遮壁部は、前記第3開孔部と前記第1開孔部との間に延在する
    請求項1から5のいずれか一項に記載のポンプ。
  7. 前記羽根車の回転軸と平行な方向を上下方向としたときに、
    前記吸入口を、前記羽根車の下方の前記ポンプ室の底面に備え、
    前記電動機を、前記羽根車の上方に備えた
    請求項1から6のいずれか一項に記載のポンプ。
  8. 流体を吸い込む2以上の吸入口、および、前記流体を吐き出す2以上の吐出口を有するポンプ室と、
    第1回転方向への回転駆動力、および、当該第1回転方向とは逆方向である第2回転方向への回転駆動力を生じさせることが可能な電動機と、
    前記ポンプ室内に回転可能に備えられ、前記電動機によって回転駆動されることにより前記吸入口から前記流体を前記ポンプ室に流入させて当該流体を前記吐出口から流出させる前記流体の流れを生じさせる羽根車と、
    前記吐出口を開閉する第1弁体部、および、前記吸入口を開閉する第2弁体部を有し、前記羽根車を介して前記電動機によって回転駆動される切替弁と
    を備えたポンプであって、
    前記第1弁体部は、
    前記吐出口を閉鎖する2以上の遮壁部と、
    前記吐出口を開放する2以上の開孔部と
    を有し、
    前記2以上の遮壁部および前記2以上の開孔部は、前記羽根車を取り囲むように配置され、且つ、前記弁体部の回転位置によって前記吐出口を開放または閉鎖できるように前記弁体部の周方向に交互に配列され、
    前記2以上の吐出口は、前記弁体部の外周面に沿うように前記羽根車の周囲の前記ポンプ室の内周面に形成され、
    前記第2弁体部は、前記第1弁体部と一緒に回転することにより前記吸入口を開閉し、
    前記ポンプは、
    前記羽根車と前記切替弁との間に介在され、前記第2回転方向への回転駆動力を前記羽根車から前記切替弁に伝達する一方、前記第1回転方向への回転駆動力を前記羽根車から前記切替弁に伝達しない一方向回転伝達機構
    を備えている
    ことを特徴とするポンプ。
  9. 前記切替弁は、前記第1弁体部および前記第2弁体部を支持し前記第1弁体部および前記第2弁体部と一緒に回転する支持部を有し、
    前記一方向回転伝達機構は、前記支持部と前記羽根車との間に介在するように備えたワンウェイクラッチである
    請求項8に記載のポンプ。
  10. 前記切替弁が前記第2回転方向へ回転することを許容する一方、前記切替弁が前記第1回転方向へ回転することを阻止する一方向回転阻止機構
    をさらに備えた
    請求項8または9に記載のポンプ。
  11. 前記切替弁は、前記第1弁体部および前記第2弁体部を支持し前記第1弁体部および前記第2弁体部と一緒に回転する支持部を有し、
    前記一方向回転阻止機構は、前記支持部と前記ポンプ室の内面との間に介在するように備えたラチェット機構である
    請求項10に記載のポンプ。
  12. 前記羽根車と前記第1弁体部と前記第2弁体部を同軸状に配置した
    請求項8から11のいずれか一項に記載のポンプ。
  13. 前記吐出口は、前記第1弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ配置された第1吐出口と第2吐出口とからなり、
    前記第1弁体部は、
    前記開孔部として、第1開孔部と、第2開孔部と、第3開孔部とを有し、
    前記遮壁部として、第1遮壁部と、第2遮壁部と、第3遮壁部とを有し、
    前記第1開孔部と前記第3開孔部は、前記弁体部の回転軸を挟んで対向する位置にそれぞれ形成され、
    前記第2開孔部は、当該弁体部の周方向について前記第1開孔部と前記第3開孔部との間に形成され、
    前記第1遮壁部は、前記第1開孔部と前記第2開孔部との間に延在し、
    前記第2遮壁部は、前記第2開孔部と前記第3開孔部との間に延在し、
    前記第3遮壁部は、前記第3開孔部と前記第1開孔部との間に延在している
    請求項8から12のいずれか一項に記載のポンプ。
  14. 前記第2弁体部は、
    円筒状の形状を有するとともに、
    前記第1弁体部と同軸状に備えられ、
    前記吸入口を閉鎖する1以上の遮壁部、および、前記吸入口を開放する1以上の開孔部を有し、
    前記遮壁部および前記開孔部は、前記第2弁体部の回転位置によって前記吸入口を開放または閉鎖できるように前記第2弁体部の周方向に沿って配列され、
    前記ポンプは、前記第2弁体部を摺動回転可能に収容する円筒状の吸入室を有し、
    前記2以上の吸入口は、前記吸入室の内周面に開口する
    請求項8から13のいずれか一項に記載のポンプ。
  15. 前記羽根車の回転軸と平行な方向を上下方向としたときに、
    前記吸入室を、前記ポンプ室の下面部に備え、
    前記電動機を、前記羽根車の上方に備えた
    請求項14に記載のポンプ。
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