JP7738302B2 - 光子計数検出器要素の複数のアレイを有する光学顕微鏡とその方法 - Google Patents

光子計数検出器要素の複数のアレイを有する光学顕微鏡とその方法

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Description

本開示は、光学顕微鏡と光学顕微鏡の動作方法とに関する。
光学顕微鏡は、ライフサイエンス又は材料試験などの広範な用途で使用される。
具体的には、生体細胞への関心の高まりは、特に高い感度を有する光学顕微鏡を必要とする。標本を照らす励起光のピーク強度は、高い光強度によって引き起こされる生物組織の光毒性効果を回避するために低くされるべきである。しかしながら、標本から所望の情報を収集するには、取得されたデータは十分な信号対雑音比(SNR)を有していなければならない。よって、量子雑音とは別の雑音源は回避すべきである。
共通のレーザ走査顕微鏡(LSM)では、蛍光は、一般には光子束を高増幅電流に変換する光電倍増管又は光電子倍増管(PMT)を用いて検出される。しかし、増幅プロセスは、増倍雑音を電流信号に追加する。よって、測定信号のSNRは、ポワソン分布での光子束の量子限界に対して低減される。光毒性を低減するために光子束を減少させると同時に、取得された画像において特定の動的範囲を達成するためにPMT利得を増大させる場合、このことが更に当てはまる。
原則的には、増倍雑音は、光子計数によって完全に回避することができる。この場合、電気信号が増幅され、それにより、単一光子検出事象に割り当て可能な単一パルスを区別することができる。これらのパルスは計数され、パルスの数は、特定の期間内にセンサに当たる光子束強度の尺度である。増幅雑音は、パルス高の統計的変形を単に生じさせるだけで、パルスの数に影響を及ぼさず、したがって、測定には悪影響を及ぼさない。
しかしながら、センサに当たる光子によってトリガされたパルスが検出された後、センサはセンサに当たる別の光子を記録できず、感光性状態にリセットされる必要がある。追加の光子が検出されない期間は不感時間と呼ばれ、第1の光子が検出される瞬間から、センサが完全にリセットされて第2の光子を検出するまで続く。不感時間は、数十ナノ秒に達し、光子計数センサの計数率の限界にまで至る場合がある。単一検出器要素の計数率の限界は、一般には、数メガヘルツ程度である。
計数率の限界は、少なくとも10個の光子計数検出器要素のアレイにわたって検出点拡がり関数(PSF)を分布させることによって、約10分の1増大させることができる。一般に、計数率の限界は、光強度の空間分布に応じて、信号が少なくともN個の要素にわたって分布される場合、Nだけ増大させることができる。このようなアレイは、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)を含んでもよい。この場合、検出光、例えば、蛍光の光子は、アレイ上の横方向位置に対して統計的に分布されたセンサアレイに当たる。よって、光子がちょうどリセットされるセンサ要素に(よって、不感時間内に)当たる確率は大幅に低減される。したがって、計数率の限界は、光子計数アレイのサイズ、すなわち、照射することができる光子計数検出器要素の総数、及び光強度の空間分布に依存する。
ポアソン計数プロセスのSNRは検出された事象の数の平方根に比例するため、10倍の信号増大はSNRを約3倍増大させる。しかしながら、照射光(励起光)のピーク強度の増大は回避されるべきであり、このことはまた、照射される検出器要素の数を制限する。
不当に高い励起強度を回避しつつSNRを更に増大させるため、特定のサンプル位置からの信号は、延長された有効ピクセル休止時間にわたって平均化されるべきである。このため、その位置から検出される光子の数が増加し、SNRは光子数の平方根に依存するため、画質も向上する。平均化は様々な方法で実施され得る。例えば、LSMの走査ミラーの頻度を低減することによって、ピクセル休止時間を直接増加させることができる。代替的に、同じサンプル位置が何回か走査されてもよく、次いで、様々なデータ値が追加される。しかしながら、どちらのアプローチも、従来のLSMの画像取得時間を延長させ、これは、例えば生体標本の生物学的プロセスが調査されるときのように、望ましくない場合がある。
画像取得時間を延長させずに、標本にわたって複数のレーザスポットを同時に走査することが可能である。よって、光学顕微鏡の一般的な動作方法は、1つ又は複数の光源から標本位置決め位置に向けて、複数の照射光ビームとして照射光を放射及び誘導することと、標本位置決め位置において複数の分離された照射光スポットを形成することと、標本位置決め位置で照射光スポットから発せられる検出光ビームを、複数のセンサアレイを備える検出器まで誘導することと、を含む。各センサアレイは、光子計数検出器要素を備え、検出光は、センサアレイ上に複数の(検出)光スポットを形成し、標本位置決め位置における異なる照射光スポットからの検出光ビームは、異なるセンサアレイに誘導される。
同様に、一般的な光学顕微鏡は、標本位置決め位置において複数の分離された照射光スポットを形成する複数の照射光ビームで標本位置決め位置において標本を照射するために、少なくとも1つの光源、及び光学要素、例えば、対物レンズ、集光レンズ、又はその他のレンズ若しくはミラーを備える。顕微鏡は、複数のセンサアレイを有する検出器を更に備える。各センサアレイは、標本から発せられる検出光ビームによってセンサアレイに形成される光スポットを測定するための光子計数検出器要素を備える。標本位置決め位置における異なる照射光スポットからの検出光ビームは、異なるセンサアレイに誘導される。顕微鏡は、少なくとも1つ又は複数の光源及び検出器を制御するためのコントローラを更に備える。
しかしながら、標本にわたって走査されるために同時に使用される光スポットの数の増加は、必要な光子計数検出器要素の数も増加させる。これらのピクセル要素の各々は検出器の暗雑音全体に寄与し、よって、ピクセル要素の数の増加はSNRにも悪影響を及ぼし得る。
本発明の目的は、過度に長い測定期間なしに、特に高い画像品質及び測定感度を達成する光学顕微鏡及び方法を提供することである。
上記の目的は、請求項1の特徴を含む方法、及び請求項13に記載の光学顕微鏡によって達成される。
好適な実施形態は、従属請求項だけでなく、特に添付図面と組み合わせて以下の説明で提示される。
本発明による上記の方法は、少なくとも、センサアレイからの測定信号を分析して、センサアレイ上の光スポットに関する位置情報を判定し、位置情報に基づいて、光スポットがセンサアレイに当たる場所を調節する調節プロセスを実行する工程を特徴とする。本発明によれば、上記の種類の光学顕微鏡は、コントローラが、センサアレイからの測定信号を分析して、センサアレイ上の光スポットに関する位置情報を判定し、位置情報に基づいて、光スポットがセンサアレイに当たる場所を調節するように調節デバイスに命令するように構成されることを特徴とする。
複数の光スポットを使用し、センサアレイ上の光スポットの正確な位置合わせを確保することによって、実際の測定のために、全てのセンサ要素の大部分を効率的に使用することができる。センサ要素が照射されず、暗雑音に寄与することを概して回避することができる。光スポットは、所定の標本領域を走査するのに好適であり得る比較的小さいピッチを有することができ、それにもかかわらず、センサアレイは、適切に位置決めされて、光スポットを正確に区別する。光スポットが部分的にのみセンサアレイに当たるという状況を回避することができる。
検出光スポットとセンサアレイとの相対位置の調節
調節プロセスでは、以下の調節のうちの1つ又は複数が、光子計数検出器要素からの測定信号に応じて実行され得る。
調節プロセスは、全ての検出光スポットと全てのセンサアレイとの位置関係に、特に均等に影響を及ぼす調節工程を含む。プロセスは、単一検出光スポットとそれが当たるセンサアレイとの間の位置関係の追加の個々の調節を更に含み得る。個々の調節は、検出光スポット間の距離がセンサアレイ間の距離に一致するように達成され得る。全ての検出光スポットと全てのセンサアレイとの位置関係の(一括)調節は、検出光スポットのアレイが全体として適切に位置合わせされるように達成され得る。
概して、光スポットがセンサアレイに当たる場所の調節は、光スポットとセンサアレイとの相対移動によって実行され得る。例えば、検出光の光路は、例えば、反射又は屈折要素などの可動光学要素によって調節され得る。具体的には、共通の光学要素が調節され得、全ての検出光ビームは、この共通の光学要素、例えば、傾斜可能ガラスプレートを介して移動する。代替的に又は追加的に、センサアレイは、標本観察中、初回較正手順中、及び/又は顕微鏡又は検出器の製造中、全体として又は互いに独立して移動させ得る。センサアレイは、特に光学軸に垂直な面内で、センサアレイに当たる検出光ビームの光学軸を横断するように共同で移動させられ得る。これらの変形について、以下より詳細に説明する。
センサアレイは通常、検出光ビームの光学軸に垂直に配置されるが、センサアレイはまた傾斜可能に搭載させることもできる。例えば、全てのセンサアレイが配置されるプリント回路基板(PCB)は、検出光ビームの光学軸に対して傾斜させることができるように支持され得る。この場合、全てのセンサアレイは、共同で傾斜させることができる。センサアレイは、例えば、検出光ビームの軸方向位置が相互に異なる場合、検出光ビーム間の差に応じて傾斜され得る。検出光ビームはまた異なる強度を有してもよく、その場合、センサアレイを傾斜させることによってセンサアレイ上の光スポットサイズを変動させることが有用であり得る。コントローラは、光子計数検出器要素からの測定信号に応じて、及び/又は光源がどのように制御されるかに応じて、傾斜を実行するように調節デバイスに命令するように構成され得る。
調節は、センサアレイと検出光ビームとの相対回転を実行することも含んでよい。これらの場合、回転軸は、検出光ビームの光学軸に平行である。例えば、センサアレイは、共同で(すなわち、全てのセンサアレイが配置されるPCBなどの共通の構成要素を回転させることによって)回転させられ得る。代替的に、画像回転プリズムなどの画像ロテータは、検出光ビームのビーム路に配置され得、センサアレイの配置とセンサアレイ上の光スポット間の回転不一致を回避するように調節され得る。
更に、光学ズーム要素は、照射光ビームのビーム路及び/又は検出光ビームのビーム路に設けられ得る。全ての光ビームはこのズーム要素を介して方向付けられるため、光ビーム間、よってセンサアレイ上の光スポット間のピッチは、ズーム要素を調節することによって変更することができる。ズーム要素は、検出光スポットのピッチがセンサアレイのピッチに合致するように調節され得る。
センサアレイの位置の調節
光スポットがセンサアレイに当たる調節は、更に又は加えて、検出器の製造中に実行されてもよい。このような場合、複数のセンサアレイはまず、検出器要素が完全に機能し、読み出すことができるように、共通のPCB上に可動に配置され、動作可能に接続される。例えば、接合材料は、センサアレイとPCBとの間の微調整移動を可能にするように温めてもよい。次に、照射光が放射されて、センサアレイ上に複数の光スポットを形成する。他の場所に記載されるように、照射光はそれ自体、センサアレイ上に光スポットを形成し得る、又は蛍光などの検出光を放射する標本若しくは規準対象に衝突し得る。ここで使用される光源は、標本観察に使用される光源と同じ又は異なる光源であり得る。光スポットは、標本検査に使用される同じアレイを、より低い又は異なる強度で形成し得る。コントローラは、センサアレイの測定信号、例えば光子計数値を解釈し、センサアレイの移動に従って位置決めコマンドを出力する。例えば、コントローラは、測定信号からスポット位置を判定し得、位置決めコマンドは、それぞれのセンサアレイの中心と位置合わせされるようにスポット位置を調節するものである。代替的に、コントローラは、各センサアレイに対して総信号(例えば、1つのセンサアレイの全ての検出器要素に対して合計又は平均化された光子計数値)を判定してもよく、位置決めコマンドは、総信号を最大化するように選択される。最適化ルーチンは、測定信号に基づいてセンサアレイの位置を調節するために使用され得る。各センサアレイはそれぞれのチップによって形成され得、他のチップから独立して移動させられ得る。代替的に、センサアレイの一部又は全ては、PCBに対して移動される1つのチップによって形成され得る。
センサアレイの正面での可動光学要素の調節
光スポットがセンサアレイに当たる場所を調節するための上記の手順の変形では、センサアレイは可動ではなく、その代わりに、光学要素がセンサアレイの正面に可動に配置される。光学要素は、センサアレイへのビーム路に配置され、相互に独立して移動して、センサアレイ上の光スポットの位置に独立して影響を及ぼすことができる。光学要素の数はセンサアレイの数に一致させてもよく、又は代替的に、隣接するセンサアレイは共通の光学要素を共有してもよい。光学要素の例は、傾斜可能ガラスプレート又はレンズ、可動透明ウェッジ、又は反射要素である。光学要素は、センサアレイ上に直接配置されてもよく、又はセンサアレイから遠ざけられるが、センサアレイに結合されて、調節後のセンサアレイとの安定的な位置関係を確実にしてもよい。光は、光学要素を介してセンサアレイまで移動し、センサアレイの測定信号は、上述したようにコントローラに供給される。コントローラは、測定信号に基づいて位置決めコマンドを生成し、光学要素は位置決めコマンドに従って移動させられる。これらの工程は、光スポットがセンサアレイの中心に来るまで、最適化ルーチンにおいて繰り返されてもよい。
例えば、光学要素は、センサアレイの正面又は上に配置される傾斜可能透明プレート/ガラスプレートであってもよい。各ガラスプレートは、光学軸に対して2方向に(例えば、光学軸と一致するZ軸に垂直であるX及びY軸に向けて)傾斜可能であるように支持される。
上記の手順は、検出器の製造中に実行されてもよく、光学要素は、任意選択的に、位置決めコマンドに従っていったん適切に傾斜させられると、接着剤で固定され得る。
代替的に、上記の手順は、標本測定の前又は間に動的再調節として実行されてもよい。具体的には、これらの場合、光学要素は、センサアレイとの自動位置合わせが可能になるように、電動ユニット上に搭載され得る。
位置情報に基づくビニング
複数のスーパーピクセルでのビニングパターンは、検出器に対して可変に設定され得る。各スーパーピクセルは、光子計数検出器要素のいくつかを共同で読み出して、共通の光子計数値を生成することによって形成される。各検出器要素は、作動停止させてもよく、又はスーパーピクセルのうちの1つに割り当てられてもよい。ビニングパターンは、所定の位置情報に応じて設定されてもよい。例えば、センサアレイ上の各光スポットの中心位置は、位置情報から判定されてもよく、その後、スーパーピクセルは、中心位置に対して位置合わせされてもよい。具体的には、1つ又は複数のスーパーピクセルは、各光スポットに割り当てられ、それぞれの光スポットに対して対称に配置されてもよい。円形又はリング状のスーパーピクセルの場合、対称配置は、円又はリング形状の中心が、それぞれの光スポットの判定された中心位置に一致すると理解されるものとする。また、同じスーパーピクセルにビニングされる検出器要素の数は、位置情報に応じて、特に、光スポットの断面形状又はサイズに基づいて設定され得る。光スポットが異なるサイズを有する場合、異なる光スポットに対するスーパーピクセルも、異なるサイズを有するように、すなわち、異なる数の検出器要素を備えるように設定され得る。ビニングパターンを設定することは、調節プロセスの一部又は全部を形成し得る、又は、代替的に、ビニングパターンを設定することは、記載される例示的な調節プロセスに加えて、別個のプロセスを形成し得る。
センサアレイの設計
いくつかの実施形態では、各センサアレイは、検出光スポットのうちの1つによって照射される。センサアレイは、同じチップの異なる領域又は異なるチップによって形成され得る。これらの設計は、図面を参照して以下更に説明され、センサアレイが共通のPCB上又は共通のチップパッケージ内に配置される点で共通する。センサアレイは、光ビーム/光スポットのマトリックスパターンに対応するマトリックス状に精密に位置合わせされるものとする。典型的には、光スポットのパターンは固定されたままであり、よって、センサアレイの配置は、それに応じて選択されるべきである。センサアレイ間のピッチ(距離)は、光スポットのピッチと一致させるべきである。更に、検出器に対する全体としての光スポットアレイと全てのセンサアレイとの相対位置は、適切に位置合わせされるように調節されるものとする。
共通のPCB又はパッケージを使用することは、いくつかの利点、特に、センサアレイが相互に精密に定義された位置に置かれるという利点を有する。たとえ検出器が輸送中の衝撃又は温度変化を受ける場合も、センサアレイ間の距離は安定する。システムはまた、様々な光路間の相互の位置合わせ不良に対してロバストであり得る。異なるセンサアレイの検出器要素間の精密なタイミングは、短い電力線及び/又は対称信号ツリー、例えば対称クロックツリーに起因してより容易に可能になる。センサアレイは製造ウェハ上に互いに隣接してモジュールとして配置されるため、共通のPCB上の複数のセンサアレイの配置は、例えば、CMOS製造を通じて、より高いチップ生産密度を可能にする。このようなセンサアレイは、何個のモジュールが1つのパッケージ又は1つのPCB内で組み合わされるかに応じて多数の用途で使用することができるが、センサアレイ間の間隔は調節可能である。センサアレイは、個々のセンサアレイ間に間隔を置かずに、単独の大型センサアレイに一体化させることができる。
画像走査技術(エアリースキャン又は光子再配置技術)の場合、センサアレイは、PSF径の約10分の1の精度で、互いに位置決めされるべきである。これにより、誤った位置決めに起因する、最終的な画像におけるアーチファクトが回避される。例示的実施例として、センサアレイのうちの1つ上に撮像されたPSFは、PSF径に沿った5つのSPADピクセルの領域を覆い得る。次いで、位置合わせは、約10μm~20μmであり得るピクセルピッチの半分の精度で達成すべきである。このような精度での位置合わせは、アレイをPCB上に位置決めするとき、光学制御機構を必要とする。位置決めは、ロボット動作によって自動的に達成され得るため、センサアレイは、半田付け前及び中に適所に固定させておくことができる。表面搭載デバイスに共通であるピックアンドプレイスのような精密製造方法は、大型チップの位置決め及び半田付けに適用可能であるが、かなり小さな光学有効センサ領域を含む。同様のアプローチは、ボンディング前に、同じパッケージ内に複数のセンサアレイを精密に位置決めするためにも適用され得る。
いくつかの変形では、センサアレイは、相互に直接隣接して配置されて、1つのチップ内又は1つのプリント回路基板上に共通のアレイを形成する。
センサアレイ毎に複数のボンディングパッドを設けてもよい。センサアレイの少なくともいくつかは、間にボンディングパッドを存在させずに、互いに直接隣接して配置されてもよい。例えば、センサアレイは、矩形形状の4つの側のうち2つの側のみにボンディングパッドを有する矩形であってもよい。測定光子計数信号を出力するためのボンディングパッドの総数は、任意選択的に、光子計数検出器要素の総数よりも少なく、その場合、いくつかの光子計数検出器要素の測定光子計数信号は、同じボンディングパッドを通じて出力される。
各光子計数検出器要素は、少なくとも第1のメモリ要素及び第2のメモリ要素を備え、光子検出事象をこの光子計数検出器要素の第1のメモリ要素に記録することができる露光時間中、第2のメモリ要素からの測定信号の読出しを可能にし得る。各光子計数検出器要素は、任意選択的に、第1のメモリ要素を形成するSPADアノードを備える単一光子アバランチェ検出器によって形成され得、第2のメモリ要素は、第1のメモリ要素から測定信号を受信するように構成される。
いくつかの変形では、同じセンサアレイの光子計数検出器要素は、列及び行で配置される。次いで、共通の読出し線が、同じ列の光子計数検出器要素をボンディングパッドのうちの1つに接続し得る。光子計数検出器要素についての行アドレスを使用して、同じ列の光子計数検出器要素からの測定信号を区別し得る。
代替的に又は追加的に、必要なボンディングパッドの数を低減するために、マルチビットカウンタが設けられてもよい。マルチビットカウンタは、同じ又は異なる光子計数検出器要素のいくつかの光子検出事象を計数する。
更に、複数のシリコン貫通ビアが、追加的に又は代替的に、各センサアレイに対して設けられてもよい。好ましくは、光子計数検出器要素のいくつかは、シリコン貫通ビアのうちの1つを共有する。
全般的特徴
照射光スポットは、照射光の光分布によって形成され得る。同様に、検出光スポットは、検出光の光分布によって形成され得る。光スポットの位置は、光分布の質量中心として理解され得る。光分布は、一般に、1つの連続領域又は2つ以上の分離された領域を形成し得る任意の断面強度分布を有することができる。具体的には、1つの光分布は、捩れ又は二重螺旋PSF内で、及び/又はPSFの3D符号化のために使用されるような2つ以上の分離された領域を含み得る。1つの検出光スポットは、よって、本明細書で理解されるように、一般的に任意の形状の横方向に分離された領域を含む検出光分布によって形成され得る。異なる検出光スポットは一般に、検出器上で部分的に重複し、それらが異なる照射光分布によって引き起こされるという点で相互に区別される。
異なる照射光スポットから異なるセンサアレイへ検出光ビームを誘導することによって、各検出光スポット/分布は個別のセンサアレイで測定され得る。代替的に、異なる照射光スポットからの検出光ビームのいくつかは異なるセンサアレイに方向付けられる一方、いくつかの検出光ビームは同じセンサアレイを共有するという特徴が実装され得る。センサアレイの数は、検出又は照射光スポットの数と等しくてもよい。代替的に、センサアレイの数はまた、スポット数よりも多くてもよく、その場合、1つ又は複数のセンサアレイは、照射光スポットのうちの1つから発せられる検出光を受光しない。それらのセンサアレイは、一時的に動作停止されるか、又は他の目的、例えば、較正のため、正規化のため、若しくはトリガとして使用され得る。捩れPSF又はPSFの3D符号化の場合、1つのセンサアレイは、同じPSF/光分布に属する2つ以上の横方向に分離された光スポット部分を受け入れる。
センサアレイ上に形成される光スポットは、任意の形状を有し得る。円形断面の照射光ビームは、(検出)光スポットとしてガウス状の分布を引き起こし得る。代替的に、各照射光ビームは、長断面を有して、センサアレイ上の光スポットとして線を生じさせてもよい。画像取得速度を高めるために標本を走査するには、複数の照射線が好ましい場合がある。光ビームは、要素を形成する共通の又は個々のビームを有してもよい。様々なビームの光分布はまた異なっていてもよい。
光学顕微鏡は、標本位置決め位置を提供する標本ホルダと、画像距離を無限に設定する対物レンズ、特に、無限遠補正対物レンズとを備えるものとして定義され得る。標本位置決め位置は、検査される標本が配置されるべき位置として理解されたい。現在の状況に応じて、基準対物レンズが標本の代わりに使用されてもよく、又は例えば、特定の較正工程のために、対物レンズが全く使用されなくてもよい。対物レンズは、標本上に照射光を誘導又は集束させるように配置され得る。対物レンズは、追加的に又は代替的に、標本から発せられる検出光を受け取り、検出光をセンサアレイに向けて誘導するように配置されてもよい。一般的に、個別の照射及び検出対物レンズが使用され得る。
調節デバイスは、本明細書に記載される調節プロセスのいずれかを実行するように構成され得る。具体的には、調節デバイスは、1つ又は複数のモータ、アクチュエータ、圧電要素、又は調節プロセスに対して、記載される構成要素を移動させることに適したその他の手段を含み得る。これらの構成要素は、具体的には、ウェッジ、傾斜可能ガラスプレート、光学ズーム要素、他の光学要素、空間光変調器、又は検出器自体を含み得る。制御される構成要素に応じて、調節デバイスはまた、可動要素なしに電子機器によって形成され得る。具体的には、調節デバイスは、プロセッサ若しくは検出器のビニングパターンを設定するように構成された他の算出ユニットを含み得る、又はそれによって形成され得る。いくつかの変形では、調節デバイスとコントローラは、1つのユニットによって形成される。
光学顕微鏡は、対物レンズと検出器との間でビーム路に配置されて、対物レンズからの光を(中間)画像面に集束させる結像レンズ付きのチューブを更に備えてもよい。他の光学システムとは全く異なり、光学顕微鏡は少なくとも1つの中間画像面を生成する。光学顕微鏡は、光源が接続される照射ポート、例えば、1つ又は複数のレーザを更に備えてもよい。標本から発せられる検出光は、任意の種類の光、例えば、蛍光若しくは燐光、他の機構を介して標本によって散乱、反射、回析、又は影響される照射光、標本を介して透過される照射光、例えば、線形レーザ励起、多光子励起、燐光、CARS(コヒーレント反ストークスラマン散乱)、SRS(誘導ラマン散乱)、又はインコヒーレント若しくは部分的にコヒーレントな光励起に起因して、照射光によって少なくとも部分的に生じ得る、その他の理由により標本から発せられる光であってもよい。概して、検出光はまた、標本の照射に関連しない作用により発せられてもよい。更に、検出光という用語は、基準測定又は試験測定でも使用され、例えば、(他の)光源が検出器を照射し標本が提供されない場合に検出器によって測定される任意の光を指すことができる。
照射光ビームは、標本位置決め位置において、横方向に異なる場所に方向付けられる光ビームとして理解されるものとする。照射光ビームは、一部又は全ての光学要素を共有し、例えば、全ての照射光ビームは、同じ対物レンズを通じて方向付けられ得る。照射光と検出光(ビーム)との区別は、光が標本位置決め位置に向けて移動するか、あるいは標本位置決め位置から検出器に向けて移動するかを示すものとする。しかしながら、これらの用語は、照射光及び検出光の異なる波長又は特性を必ずしも示すとは限らない。「検出光スポット」及び「センサアレイ上の光スポット」という用語は、一般には、同義に使用される。対照的に、照射光スポットは、標本位置決め位置において互いに離間した光スポットを指す。いくつかの記載される変形では、照射光スポットは、標本位置決め位置において、標本面内で横方向に離れた光スポットである。しかし、これらの変形はまた、照射スポットが標本位置決め位置において、互いに軸方向に離間するように修正されてもよい。軸方向距離は、追加的に又は代替的に、照射光スポット間の横方向距離に対して生成され得る。具体的には、照射光ビームは、WO2015/121188A1に記載されるように形成され得る。
センサアレイ上の光スポットについての位置情報は、センサアレイ上の光スポットの位置を示すか、又はそれに依存する検出器要素の測定信号から導出される任意の情報として理解され得る。例えば、位置情報は、1つのセンサアレイのどの又は何個の検出器要素が、信号を測定する(例えば、所定値を超える光子計数レートを有する)かを説明する情報を指してもよい。位置情報はまた、対応するセンサアレイに対する光スポットの中心を指してもよい。また、光子計数値(複数可)は、検出光スポットの位置がセンサアレイと位置合わせされているかどうかに依存するため、1つ、いくつか、又は全てのセンサアレイから総計される光子計数値が位置情報として使用されてもよい。
本明細書に記載される調節プロセスは、記載される構成要素のうちの1つを調節する1つの工程を備えてもよく、又は、構成要素が数回調節されるルーチンを備えてもよく、それぞれの場合、検出器要素からの測定信号は、構成要素の調節方法を決定するために分析される。例えば、全ての検出光ビーム(照射光ビームではなく)が透過する透明ガラスプレートは、異なる角度に傾斜させられ得る。コントローラは、例えば、傾斜角に応じて全てのセンサアレイの総光子計数値の最大値を求めることによって、検出光スポットの位置がセンサアレイの位置に最も良く合致する傾斜角を判定し得る。各総光子計数値は、現在の傾斜角設定に関する位置情報を構成し得る。光子計数値は、信号チェーンの任意の段階で、又はそれぞれの取得画面から導出することができる。ルーチンは、まず異なる傾斜角で測定を行い、次いで、位置情報を分析してもよい、又はルーチンは、測定値が取得されるとすぐに測定値を分析して、試験される次の傾斜角、又はより一般的には、調節される構成要素の次の設定を判定してもよい。調節プロセスはまた、いくつかの構成要素、例えば、全ての検出光ビームに影響を及ぼす構成要素、及び検出光ビームのうちの1つ又は一部のみに影響を及ぼす1つ又は複数の構成要素の調節を含んでいてもよい。
「測定信号」という用語は、1つ又は複数の光子計数検出器要素の出力、又はそこから導出される信号を指す。その用語は、光子計数信号と同義に使用され得る。光子計数値、すなわち、検出された光子の数を示す数字は、測定信号、例えば、測定信号の数から導出され得る。
光学顕微鏡は、対物レンズと光源との間に配置されるスキャナを更に備えてもよい。コントローラは、照射光が標本上で走査される標本走査を実行するようにスキャナを制御する。任意選択的に、スキャナはまた、対物レンズから来る検出光を光子計数検出器アレイに向けて方向付けてもよい(非走査構成)。スキャナは、光ビームを調節可能に偏向させるように構成された装置として理解されてもよい。スキャナは、ミラー、レンズ、又はプリズムなどの1つ又は複数の可動光学要素を備えてもよい。代替的に、スキャナはまた、音響光学効果又は電気光学効果に基づき、照射光を調節可能に偏向させてもよい。
PSFは、どのように照射光及び検出光が光学顕微鏡によって誘導されるかを定義すると理解され得る。具体的には、PSFは照射PSFと検出PSFから成るとみなすことができ、照射PSFは、どのように光源の点が標本面に撮像されるかを定義し、検出PSFは、どのように標本面に位置する点がセンサアレイの面に撮像されるかを定義する。センサアレイ上の検出光スポットのサイズは、画像走査技術又は共焦点撮像におけるPSFサイズに相当し得る。センサアレイは、画像面又は中間画像面内又はその近傍に位置決めされ得る。しかしながら、センサアレイはまた、画像面、例えば、瞳孔面又は分離された瞳孔を有する面内又はその近傍から離れていてもよい。
簡潔化のため「検出器要素」とも称される光子計数検出器要素は、具体的には、いわゆるガイガーモードで特に動作するSPAD(単一光子アバランシェダイオード)であってもよい。ガイガーモードでは、超過バイアス電圧によってダイオードの降伏電圧を超える電圧VOPが、SPADのダイオードに印加される。その結果、光子吸収が、電荷アバランシェ、ひいては計数可能な事象を引き起こし得る。それに応じて、センサアレイはSPADアレイと称されてもよい。
コントローラは、単一ユニット又は分散システムとして形成され得るFPGA又は処理ユニットなどの電子構成要素を備えてもよい。コントローラの機能は、ソフトウェア及び/又はハードウェアとして実装されてもよい。コントローラ又はその部品は、具体的には、センサアレイに隣接するオンチップユニットとして配置されてもよい。コントローラの各部はまた、ネットワーク上で光学顕微鏡の他の構成要素と通信するサーバ又はコンピュータアプリケーションを介して提供されてもよい。
分かりやすくするため、「光スポット」という表現は、本開示では、標本又はセンサアレイ(複数可)上の光分布を指すために使用される場合が多い。より一般的には、「光スポット」は、光分布、例えば、リング状パターン、1つ又は複数のライン、又はスポット若しくはリングとして理解され得る。
本発明は、顕微鏡を必ずしも必要としない他のセンサ装置、例えば、材料分析、カメラ又は監視システム、天文又は製造監視などに適用されてもよい。本明細書に記載される検出器、光源、及びコントローラは、例えば、携帯/手持ち装置や医療装置又は車両センサにおける、距離測定、品質管理、監視のための他の光測定装置の一部であってもよい。これらに関して、標本は、任意の種類の対象を示し得る。本発明の光学顕微鏡の様々な実施形態の意図される使用は、本発明の方法の変形をもたらす。同様に、本発明の光学顕微鏡は、本発明の上述の例示的な方法を実行するように構成されてもよい。具体的には、コントローラは、本明細書に記載の方法工程を実行するために、センサアレイ又は光学顕微鏡の他の構成要素を制御するように構成されてもよい。
本発明及び本発明の様々な他の特徴及び利点のより十分な理解は、限定ではなく単に例として示される概略的な図面と関連して、以下の説明によって容易に得られるであろう。図面中の同様の参照符号は、類似の又は略類似の構成要素を指すことができる。
本発明による光学顕微鏡の一実施形態を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡の検出器を概略的に示している。 図2の検出器及び光学顕微鏡の追加の構成要素の概略断面図を示している。 本発明の光学顕微鏡の検出器の別の例示的な実施形態を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡の検出器の別の例示的な実施形態を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡の検出器の光子計数検出器要素の例示的な設計を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡の検出器の別の例示的な実施形態を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡の検出器の別の例示的な実施形態を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡の検出器の別の例示的な実施形態を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡のモジュール式検出器の例示的な実施形態を概略的に示している。 本発明の光学顕微鏡のモジュール式検出器の別の例示的な実施形態を概略的に示している。
図1
図1は、本発明の光学顕微鏡100の一実施形態を概略的に示す。光学顕微鏡は、標本6が配置され得る標本位置決め位置6Aまで誘導される照射光2を放射する光源1を備える。他の実施形態では単に任意選択的であるが、図1の例は、スキャナ3、光学要素4、及び対物レンズ5を介して誘導される照射光を示す。スキャナ3は、標本6にわたって照射光2を走査し、スキャナ位置に応じて異なるビーム路3A、3Bをもたらす。
図1は、標本6から発せられる検出光11が、対物レンズ5、光学要素4、及びスキャナ3を用いて、照射光2から検出光11を分離するビームスプリッタ7へ誘導される非走査機構を示す。非走査機構を使用しない他の設計も可能である。検出光11は、更なる光学要素8を用いて、検出器10まで誘導される。光学顕微鏡100がレーザ走査顕微鏡として使用される場合、ピンホール又はピンホールアレイは、任意選択的に、例えば、中間画像面において追加され得る。代替的に、検出器10の検出器要素は、検出された光分布のサイズを制限することによってピンホールの機能を提供するように動作し得る。後者の場合、検出器は、中間画像面に直接配置されてもよく、そのようにしてピンホール自体に置き換えてもよい。
スキャナ3は、例えば、ガルバノメータスキャナ、特に、準静的又は共鳴ガルバノメータスキャナ、MEMS(微小電気機械システム)、調節可能な光偏向要素又は調節可能な屈折率を有する音響光学スキャナ又は異なるタイプのスキャナであってもよい。また、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)及びSLM(空間光変調器)又は光ビームの方向を変更するその他の任意の手段が含まれる。
図1の例示的な実施形態では、検出光11は蛍光であってもよいが、他の実施形態では、検出光11は、概要の説明のセクションでより詳細に記載したように様々な方法で生成され得る。
測定の高速化と画質の改善のために、マルチビーム照射が使用される。図1の上側は照射光2の単純なビーム路を示しているが、照射光2は、図1の下側の拡大差込み図に示すように、複数の光ビームによって形成されると理解すべきである。複数の光ビームは、標本位置決め位置6Aにおいて複数の照射光分布又は照射光スポット2A、2B、2C、2Dを形成する。
再度図1の上側に戻ると、光源1は、光ビーム、又は光ビームが形成される照射光を提供するために、異なる発光要素又は共通の発光要素を備えてもよい。例えば、マトリックス要素は、照射ビーム路(図示せず)に追加されてもよく、照射光で照らされて別個の光ビームを形成する複数の個別の光転送要素(孔、ミラー、又はレンズなど)を含み得る。また、1つ又は複数の部分的反射面を有する光分割手段を使用して、複数の光ビームを生成してもよい。単独の光ビームから複数の光ビームを生成することは、例えば、独国特許出願公開第102014017003号明細書又は国際公開第2018/073170号に記載されるような光学中継システムを使用して、ビームスプリッタ7とスキャナ3との間で行い得る。
コントローラ70は、少なくとも光源1、スキャナ3、調節デバイス75、及び任意で検出器10を制御するために設けられる。概要の説明に記載されるように、コントローラ70は、任意の適切なハードウェア算出構成要素、及び/又は算出ユニットによって実行されるソフトウェアによって形成され得る。
検出器10は、SPADなどの光子計数検出器要素を備え、マルチビーム照射の課題に特に適して形成されるものとする。
図1及び図2
例示的な検出器10の拡大図を図2に示す。検出器10は、それぞれがいくつかの光子計数検出器要素40を有する複数のセンサアレイ31~34を備える。この例では、各センサアレイ31~34は別個のチップ20上に形成され、全てのチップ20は共通のPCB19上に搭載される。代替的な設計では、センサアレイ31~34は同じチップ上に形成され、次いでPCB19上に搭載される。光子計数検出器要素40の数は、各検出器要素(ピクセル)40が検出器10の暗雑音全体に寄与するのに必要な程度まで少なく維持されるべきである。このようなセンサアレイ31~34のピクセルピッチは10~50μm程度であるため、検出器要素40と検出光スポットの位置とを可能な限り精密に位置合わせすることが重要である。更に、検出光スポットのピッチは、標本内の照射光スポットのピッチに関連し、このピッチは、標本にわたって走査される視野、及び電子走査-ズームに関する柔軟性に関して過度に制限されないように最小限に維持される。更に、光スポットのピッチは、結果として得られる画像の一定の変位を取得して、マイクロレンズアレイ又はピンホールアレイのようなアレイ光学要素に適合させるように、それぞれ精密に合致させるべきである。
図2は、検出器10に当たる検出光によって形成される検出光分布/光スポット15を概略的に示す。各光スポット15は、図1の照射光スポット2A~2Dのうちの1つによって引き起こされ、センサアレイ31~34のうちの1つによって測定される。共焦点レーザ構成が使用される場合、光スポット15は、走査中、センサアレイ31~34上の適所に留まる。図示されるように、各光スポット15は、いくつかの検出器要素40の領域をカバーし、点拡がり関数(PSF)がいくつかの検出器要素40にわたって広がる画像走査技術(エアリースキャン)が検討される。図示される例では、検出光分布/スポット15は円形形状を有する。しかし、他の実施形態では、光分布は他の形態をとってもよく、共通のPSFに属する2つ以上の横方向に分離された部分を含み得る。
光子計数検出器要素40で特に高い画質を達成するには、光スポット15がカバーする検出器要素40がいくつであるかに関連する(光子計数検出器要素40の光強度、ピーク強度、感度、及びその他の要因に依存し得る)。更に、全く又はほとんど照射されない光子計数検出器要素40による暗雑音は、関連する懸念事項である。背景論文は、共同所有同時係属出願PCT/EP2019/051927及びPCT/EP2019/058991で提供されている。これらの開示を超える更なる改善は、図2で使用されるマルチビーム照射を用いて達成することができ、その場合、光スポット15のアレイとセンサアレイ31~34との正確な位置合わせの重要性が増大する。例えば、より適切な走査範囲、一部若しくは全ての光ビームによる光学構成要素の共有、又は光学構成要素のサイズ低減のために、光スポット15が相互間にかなり短い距離を有することが有利であり得る。このため、密にかつ正確に配置されたセンサアレイ31~34への需要が高まる。過度に大きいセンサアレイ31~34を避けることは、それ自体がコストと電源を制限する、又は例えば、暗雑音のために効率性に及ぼす影響を回避する目的でもある。
図2に示すように、光スポット15は、センサアレイ31~34に対して位置不良であり得る。その結果、光スポット15が、センサアレイ31~34に部分的にしか当たらない場合がある、又は多数の光子計数検出器要素40を、測定のために意図的に使用することができない。
図1及び図2を参照すると、コントローラ70は、光スポット15をセンサアレイ31~34に対して位置合わせするように構成されている。この目的で、光スポット15がセンサアレイ31~34に当たっている間、センサアレイ31~34からの測定信号が読み出される。測定信号から、コントローラ70は、センサアレイ31~34上の光スポット15の位置の位置情報特性を判定する。情報は、例えば、光スポット15のうちの1つの中心点の位置、又はそれぞれのセンサアレイ31~34若しくは組み合わせた全てのセンサアレイ31~34の総光子計数値(例えば、検出器要素40の光子計数値の合計又は平均)であり得る。また、異なるセンサを用いて取得される画像は、位置情報を導出するために分析され得る。
この光スポットの位置の情報特性に基づいて、コントローラ70は、光学顕微鏡100の1つ又は複数の構成要素を調節して、光スポット15がセンサアレイ31~34に当たる場所を変更するように調節デバイス75に命令する。
この調節は、全てのセンサアレイ31~34に対して共同で、全ての光スポット15間の関係に影響を及ぼし得る。したがって、異なるセンサアレイ31~34の光子計数値を別々に評価することは必須ではなく、その代わりに、全てのセンサアレイ31~34の複合値が評価され得る。
調節デバイス75は、検出光11の光学軸に対する透明(ガラス)プレート13の角度を調節し得る。全ての光ビームはこの透明プレート13を通過し、したがって、透明プレート13を傾斜させることは、全ての光スポット15の位置に共同で影響を及ぼす。
傾斜可能ガラスプレート13の代わりに、透明ウェッジ14を、検出光11のビーム路(図1に点線で示す)に設けてもよい。調節デバイス75は、光学軸に垂直な方向での検出光ビームの位置を調節するためにウェッジ14を変位させ得る。光学軸に対して異なって回転する2つの可動ウェッジ14を設けて、光学軸(Z方向)に対する検出光ビームの両方向(X及びY方向)での位置調節を可能にし得る。
任意選択的に、光学ズーム要素8Aは、光スポット15間の距離と、センサアレイ31~34間の距離(すなわち、1つのセンサアレイの中心から隣接センサアレイの中心までの距離)とを位置合わせするように、調節デバイス75によって調節されてもよい。
更に別の例示的な実施形態では、他の光学要素、特に、全ての検出光ビームを検出器10に向けて方向付ける光学要素が調節される。光学要素は、ミラー、プリズムなどの屈折要素、又は回析要素であってもよい。このような光学要素の位置又は角度は、センサアレイ31~34に対して全ての光スポット15を変位させるように調節することができる。
代替的に又は追加的に、調節デバイス75は、特に光学軸に垂直に、センサアレイ31~34を全体として移動させ得る。例えば、全てのセンサアレイ31~34のための共通のPCB19又は共通のチップを移動させ得る。
任意のペルチェクーラ21がPCB19上に配置される。有利なことに、1つのPCB19上にセンサアレイ31~34を搭載することによって、一部の又は全てのセンサアレイ31~34に対して共通のペルチェクーラ21が使用され得る。また、同じPCB19上に配置される場合、追加のリソースはいくつかのセンサアレイ31~34によって共有することができる。
更に、共通のPCB19を、検出光のスペクトル選択的検出のため、国際公開第2018/073169号に記載されるようなコンパクトな検出ユニットと共に、有利に使用することができる。具体的には、この文書に記載される光学群は、検出光のビーム路において検出器10の前に配置されてもよい。
図2は、センサアレイ31~34の1D配置と光スポット15の1Dアレイとを示し、両1Dアレイは互いに(平行に)位置合わせされる。この設計は、センサアレイの2D配置及び光スポットの2Dアレイに変更されてもよい。2Dアレイは、矩形若しくはデカルト形状、又は六角形などの任意の他の2D配置を有し得る。
更に、図2の円形光スポット15は、例えば、光スポット15がエアリーディスクを形成する場合の、単なる一例である。例えば、細長楕円又は線などの他の光ビーム断面も可能である。センサアレイ31~34はそれに従って選択され得る。センサアレイ31~34は、断面形状の異なる光ビームを考慮に入れて、異なる形状を有していてもよい。
照射光ビームは、同じ又は異なる波長の光として構成され得、したがって、図2に示す光スポット15を形成する光ビームは、同じ波長(複数可)を有してもよく、又は波長/波長領域が互いに異なっていてもよい。センサアレイ31~34は、予測される光スペクトル又は照射特性に応じて、同じように構築され動作してもよく、又は互いに異なっていてもよい。例えば、光ビームは、時間的特徴が異なっていてもよい。1つ又は複数の照射ビームは連続波照射として形成されてもよく、他の1つ又は複数の照射ビームがパルス励起を形成してもよい。これは、例えば、標準的な撮像と組み合わせたFLIM(蛍光寿命測定/顕微鏡)にとって有用であろう。
照射光ビームの少なくともいくつかは、同じ標本点を順次走査し得る。同じ標本点に対する測定信号、すなわち、同じ標本点について異なる照射光ビームで測定される光子計数値は、組み合わされ、例えば平均化されるか又は合計される。使用される照射光ビームの数は、例えば、観察下の現在の特定の標本に応じて、又は所望の画像品質又は信号対雑音比(SNR)に応じて、コントローラによって設定される平均係数に合わせて柔軟に適合され得る。
照射光ビームの数は、例えば、それぞれの光ビームを個々に閉じることによって適合され得る。代替的に、ビームの数は、マルチチャネルAOTFによって、それぞれの照射ビームのパワーを切り替え、減衰させることによって適合され得る。作動されるセンサアレイの数は、照射光ビームの数に合致するように調節することができる。作動されるセンサアレイの数は、例えば、それぞれのセンサアレイの動作バイアスを設定することによって適合され得る。
図3
図3は、図2の断面図であり、傾斜位置にあるガラスプレート13を示す。傾斜位置は、図2に示される光スポット15の位置合わせ不良を補正する。図3は更に、各センサアレイ31~34の正面に個々の透明プレート23を示す。透明プレート23は、センサアレイ31~34の相互の位置合わせ不良を補償するように傾斜させることができる。例えば、製造の困難さに起因して、各チップ20をPCB19上に配置する精度は、光子検出器40の直径の半分又は直径とほぼ同様であり得る。このような位置変動は、ガラスプレート23をそれぞれのチップ20の正面で個々に傾斜させることによって補償することができる。ガラスプレート23は、センサアレイ31~34上の光スポット15間の距離が センサアレイ31~34間の距離に合致するように傾斜させられる。この位置合わせ工程は最初にのみ実行され、次に固定されることが有益であり得る。この目的で、個々のガラスプレート23は、いったん位置合わせされると、更なる移動を回避するために接着され得る。対照的に、ガラスプレート13は、測定中/間、又はビーム路の構成要素の変更時に、再調節を可能にするように電動化されてもよい。
色フィルタ28は、任意選択的に、スペクトル選択的検出を可能にするため、センサアレイ31~34の正面に設けられてもよい。色フィルタ28は、線形可変ダイクロイック若しくは回転可変ダイクロイックフィルタ、又はVersaChrome(登録商標)可変ダイクロイックフィルタなどの調整可能なフィルタであってもよい。。具体的には、VersaChrome(登録商標)可変ダイクロイックフィルタの場合、個々のガラスプレート23は、選択されたフィルタ波長に応じて、可変ダイクロイックフィルタによって導入される変位を補償することができるように適合可能なままであり得る。
図4
図4は、光学顕微鏡100の検出器10を概略的に示す。検出器10は複数のセンサアレイ31~34を備え、センサアレイ31~34はそれぞれ、複数の光子計数検出器要素40、具体的にはSPAD要素を備える。図4の例では、センサアレイ31~34は、同じチップ20の異なる領域として形成される。より一般的には、センサアレイ31~34の少なくともいくつかは、同じチップ40の異なる領域として形成されてもよい。各センサアレイ31~34上で、それぞれの検出光スポットが動作中に形成されて、例えば、複数の走査光ビームの並列化測定を可能にする。
複数のセンサアレイ31~34に対して同じチップ20を使用することによって、互いに対するセンサアレイ31~34の位置の特に高い精度が提供される。この精度は、350nm未満であり得るリソグラフィの精度によって制限される場合がある。
ボンディングパッド25がチップ20の外周に設けられ、光子計数検出器要素40から測定信号/光子数を出力する機能を果たす。ボンディングパッド25は、例えば、チップ20が搭載されるPCB、又はPCB上に搭載された構成要素に電気的に接続するための導電接続領域として理解され得る。図4に示すように、センサアレイ31~34が互いに離間している場合、比較的大型のボンディングパッド25を、チップ20の周囲により容易に配置することができる。しかしながら、図4に示すようなセンサアレイ31~34の配置では、センサアレイ31~34間のチップの領域は、未使用のままでも良い。この欠点は、図5に示す設計で克服される。
図5
図5は、センサアレイ31~34が相互に直接隣接して、同じチップ20内に共通のアレイを形成するという点で、図4の検出器と異なる代替の検出器10を示す。縦の破線は、センサアレイ31~34の境界を示す。よって、隣接センサアレイの光子計数検出器要素40は直接隣接し、チップ20の領域を効率的に又は柔軟に使用することができる。
センサアレイ31~34毎に複数のボンディングパッド25が設けられ、センサアレイ31~34の少なくともいくつかは、間にボンディングパッド25を存在させずに、互いに(直接)隣接して配置される。図4及び図5では、センサアレイ32及び33は、(紙面に見られるように)上側と下側にのみボンディングパッド25を有し、センサアレイ32及び33は右側又は左側にボンディングパッドを有さない。
ボンディングパッド25にとって利用可能な空間が減少することで、ボンディングパッド25の配置がより困難になり得る。この問題は、ボンディングパッド25のかなり大きなサイズによって悪化し、以下で更に評価する。
図4及び図5の設計の変形では、センサアレイ31~34の全て又は少なくとも一部は、同じパッケージ内又は共通のPCB上に配置される個々のチップによって形成される。図5の説明は、各センサアレイ31~34用の個々のチップによって共通のチップ20が置き換えられる設計にも適用され得る。チップは、間にボンディングパッドを存在させずに、例えば、80又は100μm未満の距離をおいて相互に直接隣接して配置され得る。個々のチップは不必要に占有されるシリコン領域を回避するが、同時に、同じパッケージ内又は共通のPCB上の配置は、1ピクセルサイズ程度(大抵の場合、10~20μm)の精度を達成する。このような構成では、ボンディングワイヤは、最小アレイピッチにとって限定要因であり得る。
ボンディングパッド25の数は、ボンディングパッド25が1次元(センサアレイの上及び下側、又はセンサアレイの左及び右側)のみに配置され得るように、少なく維持されるべきである。図示される実施形態の変形では、破線で示されるボンディングパッド25は省略され得、よって、ボンディングパッド25は、センサアレイ31~34の2つの対向側にのみ設けられる。これにより、個々のセンサアレイ31~34が相互に隣接して配置されるモジュール式設計が可能になる。この場合、センサアレイ31~34は、単一構成要素の領域ではなく、むしろ個々のチップ又は構成要素である。異なる数のセンサアレイ31~34を、所望の用途に応じて生産プロセスで選択することができる。同様に、図4の実施形態は、左右側のボンディングパッドを省略して、2つのみの対向側にボンディングパッド25を有するいくつかの同一のセンサアレイ31~34を使用できるように修正することができる。
各光子計数検出器要素40を個々のボンディングパッド25に接続することは、パッドピッチが50μm程度であり、光子計数検出器要素40のサイズよりも大幅に大きいために現実的ではないであろう。その代わりに、光子計数数又は信号を出力するためのボンディングパッド25の総数は、光子計数検出器要素40の総数よりも少なくされ得る。次いで、いくつかの光子計数検出器要素40の光子計数数又は信号は、同じボンディングパッドを通じて出力されてもよい。
図6
ボンディングパッドの数を低減するための好適な例を、検出器10、すなわち共通の読出し線48に接続され、他の光子計数検出器要素もそこに接続される(図示せず)光子計数検出器要素40のうちの1つの詳細を示す図6を参照して、以下に説明する。各光子計数検出器要素40は、連続的なグローバルシャッター露光を有しつつも、ローリング読出し式に読み出され得る。光子計数検出器要素40は、感光性ダイオード41、少なくとも2つのメモリ要素44及び46、ラッチ45、並びにリセット42を備える。リセット42は、例えば、感光性ダイオード41とマス43との間に接続されたトランジスタを用いて形成され得る。各光子計数検出器要素40は、それぞれのラッチ45及びリセット42を備えてもよい。検出器10全体又はセンサアレイ31~34のうちの1つの一部若しくは全てのラッチ45及びリセット42は、一括して、すなわち同じ時点で共同で、制御され得る。2つの一括リセット事象間の時間は、露光時間を決定する。各露光時間の最後に、ラッチ45は、第1のメモリ要素44から第2のメモリ要素46へデータを転送するように制御される。次いで、第2のメモリ要素46は、共通の読出し線48につながるスイッチ47を介して転動する行読出し機構に読み出される。読出しは、後続の測定インターバル間に、露光時間と並列に行われる。
図6の概略図は、記載されるコンテンツの理解を容易にするものであるが、更なる構成要素を追加してもよく、又は図6のいくつかの構成要素を除去若しくは置換してもよい。より一般的には、各光子計数検出器要素40は、少なくとも第1のメモリ要素44及び第2のメモリ要素46を備えていてもよく、この光子計数検出器要素40の露光時間中、光子検出事象が第1のメモリ要素44内に記録され、第2のメモリ要素46からの測定信号の読出しが可能になる。第2のメモリ要素46が読み出された後、第1のメモリ要素44からの信号が第2のメモリ要素46に転送され、検出器要素40のダイオード41上の電圧が回復されて、次の露光時間又は測定を可能にする。
SPADでは、SPADアノード容量は、1ビットメモリ(この場合、第1のメモリ要素44)として使用され得る。別の容量は、第2のメモリ要素46として提供され得る。このようなアーキテクチャは、データを出力するために必要なボンディングパッドの数を低減する。メモリ44及び46が1ビットメモリである場合、このピクセルの不感時間は、同じ読出し線48に接続されるアレイ又はピクセル全体の読出し時間によって決定される。10行が使用される場合、不感時間は10×読出しクロック期間(例えば、10ns)となる。これにより、行の数とピクセル不感時間とを天秤にかけることになる。ピクセル不感時間と読出し期間との依存関係は、ピクセル毎マルチビットカウンタを用いて解決することができる。このような場合、マルチビットカウンタが、各感光性ダイオード41に対して設けられて、共通の読出し線48に接続されてもよい。
より一般的には、マルチビットカウンタが、同じ光子計数検出器要素40のいくつかの光子検出事象、及び/又は異なる光子計数検出器要素40のいくつかの光子検出事象を計数するために設けられ得る。両方の場合において、必要なボンディングパッド25の数を低減することができる。マルチビットカウンタは、同じチップ20内に検出器要素40と一緒に含まれ、したがって、光子計数値は、マルチビットカウンタのうちの1つからそれぞれのボンディングパッド25を介してチップ20外へ転送される。
いくつかの光子計数検出器要素40に対して共通の読出し線48を使用することは、ボンディングパッド25の数を低減させ、図4及び図5に示すように密に配置されたセンサアレイ31~34を実現する際に有利であり得る。
図7
各センサアレイ31~34の光子計数検出器要素40は、列及び行に配置され得る。同じ列の一部又は全ての光子計数検出器要素40は、共通の読出し線を通じて読み出され得る。各読出し線は、ボンディングパッド25のうちの1つにつながる。これらの及び他の例示的な実施形態のボンディングパッド25はまた、他の電気接点で置き換えられてもよい。光子計数検出器要素についての行アドレスを使用して、同じ列の光子計数検出器要素40からの測定信号を区別し得る。
このようなアーキテクチャは、光子計数検出器要素40の1つ又は複数のセンサアレイと共にチップ20の一例を概略的に示す図7に示される。光子計数検出器要素40のいくつか、例えば1列は、行符号化に使用される共通のnビットバス49に接続される。簡潔化のため、1列のみを図7に示すが、チップ20は、光子計数検出器要素40の列毎にそれぞれのnビットバス49を備えてもよい。測定信号と共に、nビットバス49は、行識別情報、又は読出し光子計数検出器要素40を示す識別情報を送信する。このアーキテクチャは、同じ列内の活動が疎である場合、特に効率的であり得る。
別の例として、いくつかの光子計数検出器要素40はビニングされてもよく、共通の出力線を使用して、全てのビニングされた光子計数検出器要素40に対して、合計された光子計数値が出力されてもよい。この場合、マルチビットカウンタが使用され得る。この場合も、必要なボンディングパッド25の数が低減される。
図8
図8は、検出器10又はモジュール式検出器ユニット10’を概略的に示す。図示されるモジュール式検出器ユニット10’のいくつかは、行で配置されて、図5又は図7の検出器を形成する。図8は、検出器10又はモジュール式検出器ユニット10’の電気接点26及びボンディングワイヤ27を示す。電気接点26は、検出器要素40の列及び/又は行に隣接してチップ20上に配置される。検出器要素40からの光子計数信号は、電気接点26へ導かれる。ボンディングワイヤ27は、電気接点26をチップ20外のボンディングパッド25に接続する。ボンディングパッド25は、具体的にはPCB上に配置され得る。ボンディングワイヤ26は、1~3mmの長さを有し得、ボンディングパッド25は、電気接点26よりもかなり長く、例えば幅及び/又は長さ方向に少なくとも2倍とすることができる。図示されるモジュール式検出器ユニット10’のいくつかが互いに隣接して配置されて1つの検出器を形成する場合、モジュール式検出器ユニット10’が重複する千鳥状の設計が使用され得る。より具体的には、異なるモジュール式検出器ユニット10’の検出器要素40が互いに近づくように、ボンディングパッド25の領域が重複してもよい。このようにして、異なるモジュール式検出器ユニットの隣接する検出器要素間のピッチ又は間隙が回避され得る。各モジュール式検出器ユニットは、特に、他の実施形態に関して記載されるセンサアレイのうちの1つを形成し得る。
図9
ボンディングワイヤの長さに起因する制限なしにセンサアレイ31~34の高密度2D配置を可能にするため、上述のボンディングパッド25は、シリコン貫通ビア(TSV)によって置き換えられ得る。図9は、TSV50がチップ20のウェハ又はダイを通じて延在するという点で、前述の例とは異なる検出器10又はモジュール式検出器ユニット10Bの例を概略的に示す。TSV50は、PCBに直接接続することができるボールグリッドアレイ(BGA)51に導かれ得る。チップ20をPCBに接続するために、BGA51以外の接合技術が採用されてもよい。簡潔化のため、光子計数検出器要素40及びTSV50のいくつかのみを図9に示す。TSV50は、ボンディングパッド25及び他の実施形態のボンディングパッド25につながるラインを置き換えることができるが、全ての他の態様は上記の実施形態と同様であってもよい。具体的には、いくつかの光子計数検出器要素40は、同じTSV50を共有してもよい。この目的で、いくつかの光子計数検出器要素40に対して共通の出力線を使用する上述の例のいずれも、図9の実施形態に適用され得る。代替的に、特に小型のTSV50を使用して、検出器要素40毎に1つのTSV50を設けてもよい。図9に示す実施形態の更なる変形では、いくつかのセンサアレイが、同じチップ20内の異なる領域の代わりに、別個のチップ20によって形成される。1つの大型チップと比較して、複数の小型のアレイ又はチップは、雑音、消費電力、均一性、及び/又は設計の柔軟性の点で利点を有し得る。
図10
図10は、複数のモジュール式検出器ユニット10B~10Dを備える検出器10’、10’’、10’’’の例示的な設計を示す。各モジュール式検出器ユニット10B~10Dは、例えば、TSVを使用する図9のモジュール式検出器ユニット10Bと同様に形成され得る。TSVの代わりに、各モジュール式検出器ユニット10B~10Dはまた、センサアレイの少なくとも一方向(例えば、図9の左右方向)にボンディングワイヤを有さない別の技術も使用し得る。図10は、複数の(具体的には、同一の)モジュール式検出器ユニット10B~10Dが異なる配置で組み合わされて、それぞれの検出器を形成することを例示している。検出器10’は、空間なしに相互に直接隣接して配置されて光子計数検出器要素の1つの共通領域を形成する、いくつかのモジュール式検出器ユニット10B~10Dを備える。検出器10’’は、間隙によって互いに横方向に分離されたモジュール式検出器ユニット10B~10Dを備える。検出器10’’’の場合、モジュール式検出器ユニット10B~10D間の間隙又はピッチは、検出器10’’の間隙よりも大きい。よって、同じチップ設計は、異なる検出領域が必要とされ得るか、又は好適であり得る様々な用途で使用され得る。図10の検出器10’、10’’、及び10’’’は、異なる顕微鏡又は他の測定デバイスで使用されてもよい、又は、代替的に、検出器10’、10’’、及び10’’’は、同じ顕微鏡又は測定デバイスで使用されてもよい。
図11
図11は、異なるモジュール式検出器ユニット10B、10Cを備える検出器10を示す。モジュール式検出器ユニット10B、10Cは、それぞれの光子計数検出器要素の数及び/又はそれぞれのスペクトル検出効率が異なっていてもよい。具体的には、モジュール式検出器ユニット10Bの波長依存感度は、モジュール式検出器ユニット10Cの光波長とは異なる光波長にピーク感度を有し得る。PSFの波長依存サイズを補うため、モジュール式検出器ユニット10B、10Cは、異なる断面サイズを有してもよく、断面サイズは、ピーク感度の波長が増大すると共に増大する。例えば、モジュール式検出器ユニット10Bが青色光に対してピーク感度を有し得る一方、モジュール式検出器ユニット10Cは赤色光に対してピーク感度を有し、モジュール式検出器ユニット10Cの断面サイズは、モジュール式検出器ユニット10Bのサイズよりも大きい。
図面を参照して記載される実施形態は、単に例示を目的とする。他の実施形態が、これらの図面の組み合わせから生じ得る。具体的には、一実施形態の構成要素は別の実施形態に追加されてもよく、1つの図面を参照して記載される構成要素の特徴は、別の実施形態の同じ参照符号を有する構成要素に適用され得る。本発明の範囲は、添付の請求項によって決定される。
1 光源
2 照射光
2A、2B、2C、2D 照射光スポット
3 スキャナ
3A、3B スキャナ位置によるビーム路
4 光学要素
5 対物レンズ/光学要素
6 標本
6A 標本位置決め位置
7 ビームスプリッタ
8 光学要素
8A 光学ズーム要素
10、10’、10’’、10’’’ 検出器
10A、10B、10C、10D モジュール式検出器ユニット
11 検出光
13 傾斜可能透明プレート
14 可動透明ウェッジ
15 検出器10上の光スポット
19 プリント回路基板(PCB)
20 チップ
21 ペルチェクーラ
23 傾斜可能透明プレート
25 ボンディングパッド
26 電気接点
27 ボンディングワイヤ
28 色フィルタ
31~34 センサアレイ
40 光子計数検出器要素
41 検出器要素40の感光性ダイオード
42 検出器要素40のリセット
43 検出器要素40のマス
44 検出器要素40の第1のメモリ要素
45 検出器要素40のラッチ
46 検出器要素40の第2のメモリ要素
47 検出器要素40のスイッチ
48 共通の読出し線
49 nビットバス
50 シリコン貫通ビア(TSV)
51 ボールグリッドアレイ(BGA)
70 コントローラ
75 調節デバイス
100 光学顕微鏡
VOP ダイオード41に印加される電圧

Claims (22)

  1. 光学顕微鏡の動作方法であって、
    標本位置決め位置(6A)に向けて1つ又は複数の光源(1)から複数の照射光ビームとして照射光(2)を放射し誘導して、前記標本位置決め位置(6A)において複数の分離された照射光スポット(2A、2B、2C、2D)を形成することと、
    前記標本位置決め位置(6A)で前記照射光スポット(2A、2B、2C、2D)から発せられる検出光ビーム(11)を、複数のセンサアレイ(31~34)を備える検出器(10)に誘導することであって、前記センサアレイ(31~34)の各々が、光子計数検出器要素(40)を備え、前記検出光ビーム(11)が、前記センサアレイ(31~34)上に複数の光スポット(15)を形成し、前記標本位置決め位置(6A)における異なる前記照射光スポット(2A、2B、2C、2D)からの前記検出光ビーム(11)が、異なる前記センサアレイ(31~34)に誘導される、ことと、
    を備え、
    前記センサアレイ(31~34)からの測定信号を分析して、前記センサアレイ(31~34)上の前記光スポット(15)に関する位置情報を判定することと、
    前記位置情報に基づいて、前記光スポット(15)が前記センサアレイ(31~34)に当たる場所を調節する調節プロセスであって、前記調節プロセスは、全ての前記光スポット(15)と全ての前記センサアレイ(31~34)との位置関係に、均等に影響を及ぼす調節工程を含む、調節プロセスと、
    前記検出器(10)の製造中、前記光スポット(15)が前記センサアレイ(31~34)に当たる場所を調節するために、
    光学要素(23)は、前記センサアレイ(31~34)の正面に可動に配置され、前記光学要素(23)は、前記それぞれのセンサアレイ(31~34)上の前記それぞれの光スポット(15)の位置に影響を及ぼし、
    照射光が放射されて、前記センサアレイ(31~34)上に前記光スポット(15)を形成し、
    コントローラ(70)は、前記センサアレイ(31~34)の測定信号を解釈して、位置決めコマンドを生成し、
    前記光学要素(23)は、前記位置決めコマンドに従って移動させられ、
    前記光学要素(23)が前記位置決めコマンドに従って移動または傾斜させられた後、前記光学要素(23)は接着剤で固定されることと、
    を特徴とする、方法。
  2. 前記調節プロセスでは、前記センサアレイ(31~34)は、前記検出光ビーム(11)の光学軸を横断して共同で移動させられる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記調節プロセスでは、共通の光学要素(13、14)が調節され、全ての照射又は検出光ビーム(11)は、前記共通の光学要素(13、14)を介して誘導され、前記共通の光学要素(13、14)の調節は、前記検出光ビーム(11)の光学軸に垂直な前記光スポット(15)の位置に影響を及ぼす、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記調節プロセスでは、前記センサアレイ(31~34)は、前記検出光ビーム(11)間の差異に応じて、前記検出光ビーム(11)の光学軸に対して共同で傾斜させられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記調節プロセスでは、前記センサアレイ(31~34)は、前記検出光ビーム(11)の光学軸を中心にして共同で回転させられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記調節プロセスでは、前記照射又は検出光ビーム(11)のビーム路に設けられる少なくとも1つの光学ズーム要素(8A)は、前記センサアレイ(31~34)上の前記光スポット(15)間のピッチを変更するように調節され、それにより、前記ピッチは前記センサアレイ(31~34)のピッチに合致する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記照射光ビームの少なくともいくつかは、共通の標本点にわたって走査され、
    同じ前記標本点について異なる照射光ビームを用いて測定される光子計数値は合体され、
    使用される照射光ビームの数は、観察下の標本に応じて、又は所望の画像品質又は信号対雑音比に応じて、設定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記検出器(10)の製造中、前記光スポット(15)が前記センサアレイ(31~34)に当たる場所を調節するために、
    前記複数のセンサアレイ(31~34)は、共通のプリント回路基板(19)上に可動に配置され、動作可能に接続され、
    前記照射光が放射されて、前記センサアレイ(31~34)上に前記複数の光スポット(15)を形成し、
    コントローラ(70)は、前記センサアレイ(31~34)の測定信号を解釈して、位置決めコマンドを生成し、
    前記センサアレイ(31~34)は、前記位置決めコマンドに従って移動させられる、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記光学要素(23)の数は、前記センサアレイ(31~34)の数と一致している、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 光学要素として、傾斜可能透明プレート(23)が、前記センサアレイ(31~34)の正面に配置され、
    前記傾斜可能透明プレート(23)が前記位置決めコマンドに従って傾斜させられた後、前記傾斜可能透明プレート(23)は接着剤で固定される、請求項に記載の方法。
  11. 複数のスーパーピクセルを有するビニングパターンが設定され、前記スーパーピクセルの各々は、前記光子計数検出器要素(40)のいくつかを共同で読み出すことによって形成されて、共通の光子計数値を生成し、
    前記ビニングパターンは、前記位置情報に応じて設定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記センサアレイ(31~34)上の前記光スポット(15)の各々の中心位置が判定され、前記スーパーピクセルは、前記中心位置に対して位置合わせされる、請求項11に記載の方法。
  13. 光学顕微鏡であって、
    標本位置決め位置(6A)において複数の分離された照射光スポット(2A、2B、2C、2D)を形成する複数の照射光ビームで、前記標本位置決め位置(6A)において標本(6)を照射するための少なくとも1つの光源(1)及び光学要素(4、5)と、
    複数のセンサアレイ(31~34)を有する検出器(10)であって、前記センサアレイの各々は、前記標本(6)から発せられる検出光ビーム(11)によって前記センサアレイ(31~34)上に形成される光スポット(15)を測定するための光子計数検出器要素(40)を備え、前記標本位置決め位置(6A)における前記異なる照射光スポット(2A、2B、2C、2D)からの前記検出光ビーム(11)が、前記異なるセンサアレイ(31~34)に誘導される、検出器と、
    前記少なくとも1つの光源(1)及び前記検出器(10)を制御するように構成されたコントローラ(70)と、
    を備え、
    前記コントローラ(70)は、前記センサアレイ(31~34)からの測定信号を分析して、前記センサアレイ(31~34)上の前記光スポット(15)に関する位置情報を判定し、前記位置情報に基づいて、前記光スポット(15)が前記センサアレイ(31~34)に当たる場所を調節するように前記光学顕微鏡の調節デバイス(75)に命令するように構成されており、前記調節には全ての前記光スポット(15)と全ての前記センサアレイ(31~34)との位置関係に均等に影響を及ぼす調節工程が含まれ
    前記検出器(10)の製造中、前記光スポット(15)が前記センサアレイ(31~34)に当たる場所を調節するために、
    光学要素(23)は、前記センサアレイ(31~34)の正面に可動に配置され、前記光学要素(23)は、前記それぞれのセンサアレイ(31~34)上の前記それぞれの光スポット(15)の位置に影響を及ぼし、
    照射光が放射されて、前記センサアレイ(31~34)上に前記光スポット(15)を形成し、
    コントローラ(70)は、前記センサアレイ(31~34)の測定信号を解釈して、位置決めコマンドを生成し、
    前記光学要素(23)は、前記位置決めコマンドに従って移動させられ、
    前記光学要素(23)が前記位置決めコマンドに従って移動または傾斜させられた後、前記光学要素(23)は接着剤で固定される、光学顕微鏡。
  14. 前記センサアレイ(31~34)は、共通のプリント回路基板(19)上に配置され、及び/又は
    前記センサアレイ(31~34)は、1つのチップ(20)の異なる領域として形成される、請求項13に記載の光学顕微鏡。
  15. 前記センサアレイ(31~34)は、相互に直接隣接して配置されて、1つのチップ(20)内又は1つのプリント回路基板(19)上に共通のアレイを形成する、請求項13又は14に記載の光学顕微鏡。
  16. 前記センサアレイ(31~34)毎に複数のボンディングパッド(25)が設けられ、
    前記センサアレイ(31~34)の少なくともいくつかは、間にボンディングパッド(25)を存在させずに、相互に直接隣接して配置される、請求項13~15のいずれか一項に記載の光学顕微鏡。
  17. 測定光子計数信号を出力するためのボンディングパッド(25)の総数は、前記光子計数検出器要素(40)の総数よりも少なく、いくつかの前記光子計数検出器要素(40)の測定光子計数信号は、同じ前記ボンディングパッド(25)を通じて出力される、請求項13~16のいずれか一項に記載の光学顕微鏡。
  18. 同じ前記センサアレイ(31~34)の前記光子計数検出器要素(40)は、列及び行で配置され、
    共通の読出し線(48、49)は、同じ前記列の前記光子計数検出器要素(40)を前記ボンディングパッド(25)のうちの1つに接続し、前記光子計数検出器要素(40)についての行アドレスを使用して、同じ前記列の前記光子計数検出器要素(40)からの測定信号を区別する、請求項17に記載の光学顕微鏡。
  19. 必要な前記ボンディングパッド(25)の数を低減するため、同じ又は異なる前記光子計数検出器要素(40)のいくつかの光子検出事象を計数するマルチビットカウンタが設けられる、請求項17又は請求項18に記載の光学顕微鏡。
  20. 前記光子計数検出器要素(40)の各々は、少なくとも第1のメモリ要素(44)及び第2のメモリ要素(46)を備え、光子検出事象を前記光子計数検出器要素(40)の前記第1のメモリ要素(44)に記録することができる露光時間中、前記第2のメモリ要素(46)からの測定信号の読出しを可能にする、請求項13~19のいずれか一項に記載の光学顕微鏡。
  21. 前記光子計数検出器要素(40)の各々は、前記第1のメモリ要素(44)を形成するSPADアノードを備える単一光子アバランチェ検出器によって形成され、前記第2のメモリ要素(46)は、前記第1のメモリ要素(44)から測定信号を受信するように構成されている、請求項20に記載の光学顕微鏡。
  22. 前記センサアレイ(31~34)の各々に対して複数のシリコン貫通ビア(50)が設けられ、前記光子計数検出器要素(40)のいくつかが、前記シリコン貫通ビアのうちの1つを共有する、請求項13~21のいずれか一項に記載の光学顕微鏡。
JP2023505838A 2020-07-28 2020-07-28 光子計数検出器要素の複数のアレイを有する光学顕微鏡とその方法 Active JP7738302B2 (ja)

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