JP7740558B2 - 伝達特性補正装置、伝達特性補正方法、プログラム - Google Patents

伝達特性補正装置、伝達特性補正方法、プログラム

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Description

本開示は、外耳道を塞がない装着式スピーカ(以下、装着式オープンイヤー型スピーカ)で立体音響再生をするために、使用毎の装着位置による伝達特性のズレを補正する伝達特性補正装置、伝達特性補正方法、プログラムに関する。
立体音響再生とは、スピーカ(例えば装着式スピーカ、ヘッドフォン、イヤフォン)の外側にある音源から音が伝達しているかのようにスピーカで音を再生する技術のことである。立体音響再生においては、スピーカからユーザの耳までの音の伝達特性が音源の定位感に大きな影響を与える。
定位感を精度よく知覚させるためには、装着式スピーカ筐体が耳元に存在することに基づく音の伝達特性を打ち消し、聞かせたい音と実際に聞く音との間の周波数特性を平坦に近づける必要がある。
非特許文献1に、ヘッドフォンの外側と内側にマイクを設置し、耳介内にマイクを挿入し、適応フィルタを用いた伝達特性補正システムが開示されている。
Natural Listening over Headphones in Augmented Reality Using Adaptive Filtering Techniques, Rishabh Ranjan and Woon-Seng Gan, IEEE/ACM TASLP, vol. 23, no. 11, NOVEMBER 2015
装着式オープンイヤー型スピーカで立体音響再生しようとすると、ハードウェア特有の伝達特性が影響して、立体音響効果が低減する。
図1に示すように、装着式オープンイヤー型スピーカにおいては、ハードウェア特有の伝達特性、すなわち同図において破線枠内に示した伝達特性を打ち消すような補正が必要である。しかし装着式オープンイヤー型スピーカはヘッドフォンと比較して使用毎の装着位置の変動が大きいため、装着位置による伝達特性を事前に測定しておくことができなかった。
なお、非特許文献1の伝達特性補正システムは外耳道を塞ぐタイプの装着式スピーカを前提としており、装着式オープンイヤー型スピーカには適用できない。
そこで本開示は、伝達特性を打ち消すイコライジングのためのパラメータをユーザに選択させることができる伝達特性補正装置を提供することを目的とする。
本開示の伝達特性補正装置は、表示制御部と、入力受付部と、イコライザ処理部を含む。
表示制御部は、装着式オープンイヤー型スピーカのスピーカドライバから外耳道入口までの伝達特性をグラフィカルイコライザの形式で表示する制御を実行する。入力受付部は、グラフィカルイコライザに対するユーザ入力に基づいて、伝達特性を補正するためのパラメータである補正用イコライザパラメータを決定する。イコライザ処理部は、補正用イコライザパラメータに基づいて、音響信号に対するイコライジングを実行する。
本開示の伝達特性補正装置によれば、伝達特性を打ち消すイコライジングのためのパラメータをユーザに選択させることができる。
従来技術の課題を示す図。 実施例1の伝達特性補正装置の機能構成を示すブロック図。 実施例1の伝達特性補正装置の動作を示すフローチャート。 実施例1の伝達特性補正装置による音響特性補正の例を示す図。 補正用イコライザパラメータの例を示す図。 補正用イコライザの例を示す図。 補正後の伝達特性の例を示す図。 コンピュータの機能構成例を示す図。
以下、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
以下、図2を参照して実施例1の伝達特性補正システム、伝達特性補正装置の機能構成について説明する。同図に示すように、伝達特性補正システム1は、装着式オープンイヤー型スピーカ11と、伝達特性補正装置12と、モニター13を含む。装着式オープンイヤー型スピーカの例として、例えばオープンイヤー型イヤフォン、オープンイヤー型ヘッドフォン、ネックスピーカーなどがある。
伝達特性補正システム1は、装着式オープンイヤー型スピーカ11とユーザの間の伝達特性をモニター13にグラフィカルイコライザの形式で表示し、イコライジングのためのパラメータをユーザに選択させるインターフェースを含むことを特徴とする。
伝達特性補正装置12は、伝達特性測定部121と、表示制御部122と、入力受付部123と、イコライザ処理部124を含む。以下、図3を参照して伝達特性補正装置12内の各構成要件の動作を詳細に説明する。
<伝達特性測定部121>
伝達特性測定部121は、任意のインパルス応答測定手法を用いて、装着式オープンイヤー型スピーカ11のスピーカドライバから外耳道入口までの伝達特性を測定する(S121)。なお、装着式オープンイヤー型スピーカから外耳道までの伝達特性を事前に別の装置で測定、記録しておく場合には、伝達特性測定部121は省略できる。
<表示制御部122>
表示制御部122は、測定された伝達特性をグラフィカルイコライザの形式でモニター13に表示する制御を実行する(S122)。ユーザは、表示されたグラフィカルイコライザを用いて、測定された伝達特性がフラットな特性となるように入力を開始する。
<入力受付部123>
入力受付部123は、表示されたグラフィカルイコライザに対するユーザ入力を受け付け、受け付けたユーザ入力に基づいて、伝達特性を補正するためのパラメータである補正用イコライザパラメータを決定する(S123)。
<イコライザ処理部124>
イコライザ処理部124は、補正用イコライザパラメータに基づいて、伝達特性を補正するためのイコライザを形成し、音響信号に対するイコライジングを実行する(S124)。
伝達特性をリアルタイム測定する場合、イコライザ処理部124は、音響処理ソフトウェアを介して対話的にパラメータを調整(Human-in-the-Loopに相当、図2の破線部参照)すれば好適である。
具体的には、イコライザ処理部124は、イコライジング実行済みの音響信号を伝達特性測定部121に出力し、伝達特性測定部121は、イコライジング実行済みの音響信号に基づいて伝達特性を再度測定し、表示制御部122は、再度測定された伝達特性をグラフィカルイコライザの形式でモニター13に表示する制御を実行する。
これにより、補正用イコライザパラメータをユーザの感覚に基づいて繰り返し選択させることができ、繰り返し選択された補正用イコライザパラメータに基づいて音響信号に対するイコライジングを実行することにより、柔軟に定位感の向上を図ることができる。
図4に、音響特性補正の例を示す。図5に、補正用イコライザパラメータの例を示す。図6に、補正用イコライザの例(実線のグラフ)を示す。図7に、補正後の伝達特性の例を示す。図7において、補正前の伝達特性の例を破線のグラフで示し、補正後の伝達特性の例を実線のグラフで示した。同図に示すように、本実施例の伝達特性補正システム1、伝達特性補正装置12による補正により、補正前よりもフラットな伝達特性(特に250Hz~16kHzの範囲、より好適な範囲として250Hz~8kHz)が得られていることが分かる。
<補記>
本開示の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本開示の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
上述の各種の処理は、図8に示すコンピュータ10000の記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (4)

  1. 装着式オープンイヤー型スピーカのスピーカドライバから外耳道入口までの伝達特性をグラフィカルイコライザの形式で表示する制御を実行する表示制御部と、
    前記グラフィカルイコライザに対するユーザ入力に基づいて、前記伝達特性を補正するためのパラメータである補正用イコライザパラメータを決定する入力受付部と、
    前記補正用イコライザパラメータに基づいて、音響信号に対するイコライジングを実行するイコライザ処理部を含む
    伝達特性補正装置。
  2. 請求項1に記載の伝達特性補正装置であって、
    イコライジング実行済みの音響信号に基づいて伝達特性を測定する伝達特性測定部を含み、
    前記表示制御部は、
    測定された前記伝達特性をグラフィカルイコライザの形式で表示する制御を実行する
    伝達特性補正装置。
  3. 伝達特性補正装置が実行する伝達特性補正方法であって、
    装着式オープンイヤー型スピーカのスピーカドライバから外耳道入口までの伝達特性をグラフィカルイコライザの形式で表示する制御を実行するステップと、
    前記グラフィカルイコライザに対するユーザ入力に基づいて、前記伝達特性を補正するためのパラメータである補正用イコライザパラメータを決定するステップと、
    前記補正用イコライザパラメータに基づいて、音響信号に対するイコライジングを実行するステップを含む
    伝達特性補正方法。
  4. コンピュータを請求項1に記載の伝達特性補正装置として機能させるプログラム。
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