JP7741471B2 - 加熱用光源装置、加熱用光源モジュール及び光加熱システム - Google Patents

加熱用光源装置、加熱用光源モジュール及び光加熱システム

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Description

本発明は、光源装置に関し、特に、光照射によって被処理基板を加熱するための加熱用光源装置、そして、当該加熱用光源装置に搭載される加熱用光源モジュール及び光加熱システムに関する。
半導体製造プロセスでは、半導体ウェハ等の被処理基板に対して、成膜処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理といった様々な熱処理が行われ、これらの処理は、非接触での処理が可能な光照射による加熱処理方法が多く採用されている。例えば、下記特許文献1には、半導体ウェハの被処理面に対して加熱用の光を照射して、シリコンウェハを加熱処理するための熱処理装置が記載されている。
特開2016-58722号公報
近年、半導体の製造プロセスは、様々なプロセスが存在している。しかしながら、プロセスごとに各工程で用いる処理装置を個別に導入しようとすると、莫大な導入コストや、装置を配置するための広大なスペースが必要となる。このため、一台で、複数のプロセスの処理工程に対応できる処理装置が求められており、熱処理装置においても一台で複数のプロセスに対応できることが期待されている。
熱処理装置の設計を決める要素の1つとしては、被処理基板のサイズが挙げられ、例えば、被処理基板がシリコンウェハである場合は、φ200mmやφ300mmのサイズが一般的である。
従来の熱処理装置は、処理対象とする特定のサイズの被処理基板をムラなく加熱処理できるように、一つの基板上に複数の発光素子が所定の位置に載置されて構成されている。当該構成の熱処理装置であっても、対象とする被処理基板よりも小さな被処理基板であれば、被照射面全体に、発光素子から出射される加熱用の光(以下、「加熱光」と称する。)を照射することができるため、加熱処理することはできる。
しかしながら、熱処理装置は、一般的に処理対象とする特定のサイズの被処理基板のみをムラなく加熱処理できるように、支持部材やの形状や発光素子の配置密度等が最適化されている。このため、熱処理装置は、対象とする特定のサイズ以外の被処理基板を加熱処理した場合には加熱ムラを生じさせるおそれがあり、そのまま転用することは難しい。
そこで、上記特許文献1には、シリコンウェハと同等の大きさの台座となる支持板上に、シリコンウェハと比較して十分小さい複数の発光素子ユニットが載置された熱処理装置が記載されている。当該構成の熱処理装置は、シリコンウェハのサイズに応じて、加熱処理におけるムラを抑制するように、支持板上の発光素子ユニットの配置パターンを適宜変更することができる。
ところが、単に複数の発光素子ユニットを組み合わせた当該熱処理装置では、発光素子ユニットの移動に応じて、発光素子を冷却するための冷却機構が移動したり変形したりすることがない。したがって、発光素子ユニットは、配置位置を変更すると期待される程に冷却されないことがあった。
LED素子等の半導体発光素子は、温度が上昇すると、輝度が低下する性質を有している。このため、例えば、発光素子ユニットが配置される支持板において、領域ごとに冷却性能に差異が生じていた場合、十分に冷却される発光素子ユニットと十分に冷却されない発光素子ユニットが混在することになり、発光素子ユニットごとに温度差が生じてしまう。そして、発光素子ユニットごとに温度差が生じてしまうと、発光素子ユニットごとの輝度に差が生じてしまい、結果として、被処理基板の被照射面上に照射される加熱光の照度にムラが生じてしまう。
このため、熱処理装置に搭載されている各発光素子ユニットは、実質的には、配置位置を自由に変更することができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、様々なサイズや形状の被処理基板の加熱処理に用いることができると共に、被処理基板の被照射面に対する照射ムラが抑制された加熱用光源装置、加熱用光源モジュール及び光加熱システムを提供することを目的とする。
本発明の加熱用光源装置は、
複数の加熱用光源モジュールが配置された加熱用光源装置であって、
前記複数の加熱用光源モジュールのそれぞれは、
発光素子基板と、
前記発光素子基板に搭載された複数の発光素子と、
前記発光素子基板の面のうちの、前記複数の発光素子が搭載されている面とは反対側の面に接触する冷却部材とを備え、
前記冷却部材は、
前記冷却部材の内部に形成された、前記発光素子を冷却するための冷却媒体を通流させる冷却流路と、
前記冷却流路に対して前記冷却媒体を導入する流入口と、
前記冷却流路から前記冷却部材に外側に前記冷却媒体を排出する排出口とを備え、
前記冷却流路は、前記冷却部材の主面と直交する方向から見たときに、前記発光素子基板の中央部側から徐々に周端部側に向かうように渦巻形状を呈していることを特徴とする。
また、本明細書において、発光素子基板と冷却基板とが「接触する」とは、冷却部材の第一主面と発光素子基板とが、直接接触するように配置されている場合の他に、熱伝導性を高めるためのグリスや高熱伝導性シート等を介して、熱的に接触するように配置されている場合も含まれる。
上記構成とすることで、加熱用光源モジュールの配置位置を変更するために移動させると、発光素子基板と、同じ加熱用光源モジュールが備える冷却部材とが一緒に移動するため、発光素子基板は常に特定の冷却部材で冷却される。したがって、加熱用光源モジュールがどの位置に移動しても、搭載されている発光素子は十分な冷却性能が得られるため、所望の輝度で点灯することができる。つまり、上記構成の加熱用光源装置は、被処理基板の加熱用光源モジュールは、被処理基板に照射される加熱光の照度差が抑制され、被処理基板全体を均一に加熱処理することができる。
上記加熱用光源装置において、
前記冷却部材は、
前記発光素子基板が載置される第一主面と、
前記第一主面とは反対側に位置する第二主面と、
前記第一主面と前記第二主面とを一箇所以上で連絡する切り欠き、又は貫通孔とを備え、
前記加熱用光源モジュールは、前記切り欠き、又は前記貫通孔に挿通された、前記複数の発光素子に給電するための給電線を備えていても構わない。
発光素子に対して電流を供給するための給電線は、発光素子から出射されて被処理基板に照射される加熱光を遮ることがないように、発光素子が載置されている冷却部材の第一主面側ではなく、第二主面側で配線される。
しかしながら、冷却部材の第一主面に載置されている発光素子基板に対して給電線を接続するためには、給電線が、接続先となる発光素子基板が搭載されている加熱用光源モジュールの周辺で、冷却部材の第二主面側から第一主面側へと引き出されなければならない。
ここで、フレーム上に載置された隣接する加熱用光源モジュールの間に、給電線を通すための十分な領域が確保されている場合は、当該領域を通して給電線を冷却部材の第一主面側に引き出すことができる。しかしながら、上述したように、加熱用光源モジュールが密接して配置されていると、加熱用光源モジュール同士の隙間が非常に狭いため、給電線を冷却部材の第二主面側から第一主面側に引き出すための領域を確保することが難しい場合がある。
そこで、上記構成とすることで、加熱用光源装置は、加熱用光源モジュールを密に配置しつつ、それぞれの加熱用光源素子モジュールの周辺で、冷却部材の第二主面側から第一主面側に給電線を引き出すための領域を確保することができる。
なお、切り欠き、又は貫通孔は冷却部材に一箇所だけに設けられて、当該箇所に一つの発光素子基板に設けられた各電極に接続される二本の給電線が同じ切り欠き、又は貫通孔を挿通するように構成されていても構わない。ただし、当該切り欠き、又は当該貫通孔は、正極に接続される給電線と負極に接続される給電線との間で、ショートやリーク電流が発生することを抑制する観点から、冷却部材において二箇所に設けられていることが好ましい。
なお、冷却部材は、給電線を引き出すための切り欠きや貫通孔以外に、別の目的のための切り欠きや貫通孔がさらに設けられていても構わない。
上記加熱用光源装置は、
前記複数の加熱用光源モジュールが搭載されたフレームと、
前記フレームの主面と直交する方向における前記発光素子基板の位置、及び前記フレームの主面に対する前記発光素子基板の主面の傾斜角の少なくとも一方を調整する調整機構とを備えていても構わない。
上記構成とすることで、被処理基板のサイズや形状に応じて、被処理基板の被照射面上の領域ごとに、照射される加熱光の照度を適宜調整することができる。
上記加熱用光源装置において、
前記冷却部材は、前記冷却部材の主面と直交する方向から見たときの形状が、三角形状、四角形状、五角形状、又は六角形状を呈するように構成されていても構わない。
上記構成とすることで、加熱用光源モジュールがより密に配置されやすくなる。なお、本発明の加熱用光源装置及び加熱用光源モジュールは、主にシリコンウェハの加熱処理に用いられることが想定される。このため、シリコンウェハ等の被照射面が円形状を呈する被処理基板を加熱処理する場合、被照射面上における加熱光の照度分布は、被処理基板の被照射面上において同心円状となることが好ましい。
上述のような場合、加熱用光源装置は、発光素子基板の発光素子が載置された面に向かって見たときに、加熱用光源モジュールが同心円状に配置されることが好ましい。そして、当該配置構成を実現することと、密に配置しやすいという観点から、加熱用光源モジュールは、冷却部材の主面と直交する方向から見たときに、三角形状や四角形状に比べて円形状に近い六角形状を呈するように構成されていることが好ましい。
上記加熱用光源装置において、
前記冷却部材は、前記発光素子が載置されている側の面上であって、前記発光素子基板が載置されている箇所以外の少なくとも一部の箇所に形成された反射領域を備えていても構わない。
また、上記加熱用光源装置において、
前記反射領域は、無機粒子層で形成されていても構わない。
上記構成とすることで、被処理基板の被照射面によって光源モジュール側に反射された加熱光の一部が、再び被処理基板側に向かって進行するように反射される。したがって、光源モジュール側に反射された加熱光の少なくとも一部を、被処理基板を加熱するための加熱光として再利用することができ、加熱効率が向上される。
上記加熱用光源装置において、
前記冷却流路は、前記冷却部材の主面と直交する方向に関し、全体が前記発光素子基板と対向するように構成されていても構わない。
上記構成とすることで、各発光素子で発生した熱が、冷却部材の第一主面と平行な方向に拡散しにくくなり、順次冷却流路を流れてくる冷却媒体によって吸収されるため、より冷却効率が向上される。
上記加熱用光源装置において、
前記冷却部材の主面と直交する方向から見たときの前記冷却流路の流路幅は、前記流路幅をw、前記複数の発光素子の長辺の長さの平均値をc、前記冷却部材の主面と直交する方向に関する前記冷却部材の主面と前記冷却流路との離間距離をdとしたときに、下記(1)式を満たすように構成されていても構わない。

1mm≦w≦c+2d (1)
冷却媒体が、基板の中心の周りを周回しながら、徐々に中央部側から周端部側に向かって通流するように冷却流路が形成されている場合、基板に載置されている発光素子のそれぞれを冷却するために、発光素子の配置パターンに沿って基板の中心の周りを周回するような冷却流路が形成されていることが好ましい。
流路表面積が広くなるように冷却流路が構成されていても、冷却流路が発光素子から離れすぎると、冷却部材が持つ熱抵抗の影響が大きくなり、冷却性能は低下してしまう。このため、冷却流路の表面積、特に冷却流路の流路幅wは、冷却流路と発光素子との離間距離dを考慮して調整されることが好ましい。
発光素子で発生した熱が冷却流路に到達するまでの間に冷却部材の内部で拡がる幅は、「発明を実施するための形態」において、図8Bを参照しながら説明されるが、冷却部材の内部を等方的に拡散すると仮定するとc+2dとなる。つまり、発光素子領域の温度分布を平均化するには、冷却流路の流路幅が、c+2d以下であることが好ましく、冷却性能を向上させるには、冷却流路は、発光素子の直下に形成されていることが特に好ましい。
ただし、冷却部材は、流路幅が1mm未満の非常に狭い冷却流路を形成しようとすると、高精度な加工が可能な加工装置や加工技術が必要となり、製造コストが増大する。したがって、製造コストを抑え、かつ、効率良く冷却するためには、冷却流路の幅wは、上記(1)式に示す範囲とすることが好ましい。
本発明の加熱用光源モジュールは、
上記加熱用光源装置に搭載される加熱用光源モジュールである。
本発明の光加熱システムは、
被処理基板を収容するチャンバと、
前記チャンバ内において、前記被処理基板を支持する支持部材と、
前記被処理基板の被照射面に向かって加熱光を出射するように配置された、上記加熱用光源装置とを備えることを特徴とする。
上記光加熱システムにおいて、
前記支持部材は、前記支持部材の中心を前記被処理基板の前記面と直交する方向に通過する軸の周りに、支持している前記被処理基板を回転させるための回転機構を備えていても構わない。
上記構成とすることで、各発光素子から照射される加熱光が、回転している被処理基板の被照射面に対して照射される。したがって、加熱処理時における被処理基板の被照射面上における温度分布が、周方向にわたって均一化される。
本発明によれば、様々なサイズや形状の被処理基板の加熱処理に用いることができると共に、被処理基板の被照射面に対する照射ムラが抑制された加熱用光源装置、加熱用光源モジュール及び光加熱システムが実現される。
光加熱システムの一実施形態をY方向に見たときの模式的な断面図である。 図1のチャンバを+Z側から見たときの図面である。 図1の加熱用光源装置を-Z側から見たときの図面である。 図1の加熱用光源装置を+Z側から見たときの図面である。 図1の一つの加熱用光源モジュールの全体斜視図である。 図1の一つの加熱用光源モジュールを-Z側から見たときの図面である。 図1の一つの加熱用光源モジュールを+Z側から見たときの図面である。 加熱用光源モジュールの冷却部材を、流入口を通過するYZ平面で切断したときの断面図である。 図8Aの領域A3の拡大図である。 加熱用光源モジュールの別実施形態を模式的に示す全体斜視図である。 別実施形態の加熱用光源装置の構成を-Z側から見たときの模式的な図面。 別実施形態の加熱用光源装置の構成を-Z側から見たときの模式的な図面。 別実施形態の加熱用光源装置の構成を-Z側から見たときの模式的な図面。
以下、本発明の加熱用光源装置、加熱用光源モジュール及び光加熱システムについて、図面を参照して説明する。なお、加熱用光源装置、加熱用光源モジュール及び光加熱システムに関する以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
(光加熱システム1)
図1は、光加熱システム1の一実施形態をY方向に見たときの模式的な断面図であり、図2は、図1のチャンバ2を+Z側から見たときの図面である。図1に示すように、光加熱システム1は、加熱用光源装置10と、被処理基板W1が収容されるチャンバ2と、冷却機構3と、第一主流路3aと、第二主流路3bとを備える。
図3は、図1の加熱用光源装置10を-Z側から見たときの図面であり、図4は、図1の加熱用光源装置10を+Z側から見たときの図面である。図3に示すように、本実施形態における加熱用光源装置10は、複数の加熱用光源モジュール20と、フレーム11とを備える。なお、図4は、説明のために、フレーム11の-Z側に配置されて、フレーム11によって隠されている加熱用光源モジュール20の外縁の一部が、破線によって図示されている。
図5は、図1の一つの加熱用光源モジュール20の全体斜視図であり、図6は、図1の一つの加熱用光源モジュール20を-Z側から見たときの図面であり、図7は、図1の一つの加熱用光源モジュール20を+Z側から見たときの図面である。図5に示すように、本実施形態における加熱用光源モジュール20は、複数の発光素子21と、発光素子基板22と、冷却部材23とを備える。なお、図5は、説明のために、発光素子基板22と冷却部材23とが分離された状態で図示されている。また、図7は、説明のために、実際には見えない、冷却部材23の-Z側に載置されている発光素子21及び発光素子基板22が破線によって図示されている。
以下の説明においては、図1に示すように、加熱用光源装置10と被処理基板W1とが対向する方向をZ方向とし、Z方向に直交する平面をXY平面とする。なお、加熱用光源モジュール20単体の構造を説明する場合は、説明の便宜のために、発光素子21がX方向及びY方向に配列されていることとし、発光素子基板22が備える後述の電極22bが対向する方向をX方向として説明される。
また、方向を表現する際に、正負の向きを区別する場合には、「+Z方向」、「-Z方向」のように、正負の符号を付して記載され、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「Z方向」と記載される。
チャンバ2は、図1に示すように、加熱用光源装置10から出射される加熱光H1を、内側に取り込むための透光窓2aを備える。そして、チャンバ2は、透光窓2aから取り込まれた加熱光H1が、照射対象である被処理基板W1の被照射面W1aに照射されるように、被処理基板W1を支持するための支持部材2bとを備える。
支持部材2bは、図1及び図2に示すように、複数の突起2cが設けられており、被処理基板W1は、それぞれの突起2cの先端に載置されて支持される。
本実施形態の支持部材2bは、図1に示すように、複数のローラ2dによる回転機構が設けられており、加熱処理が行われる際には、図2に示すように、支持部材2bの中心をZ方向に通過する軸z1を中心として、被処理基板W1をXY平面上で回転させる。
図1に示すように、第一主流路3aは、冷却機構3から供給される冷却媒体C1を各加熱用光源モジュール20の冷却部材23に導くための流路であり、第二主流路3bは、各加熱用光源モジュール20の冷却部材23内を通流した後の冷却媒体C2を冷却部材23から排出するための流路である。
(加熱用光源装置10)
次に、本実施形態の光加熱システム1が備える加熱用光源装置10の詳細について説明する。本実施形態の加熱用光源装置10は、図1に示すように、-Z側に配置されたチャンバ2に向かって加熱光H1を出射するように配置されている。加熱用光源装置10から出射された加熱光H1は、チャンバ2の透光窓2aを介して、支持部材2bに支持されている被処理基板W1の被照射面W1aに照射される。
本実施形態におけるフレーム11は、図3に示すように、Z方向に見たときの形状が円形状を呈する円板状の部材であって、材料はアルミニウムである。フレーム11の材料は、アルミニウムの他に、例えば、ステンレス等であってもよい。なお、フレーム11は、Z方向に見たときの形状が、楕円形状や多角形状等、円形状以外の形状を呈していても構わない。
フレーム11は、図3に示すように、主面11bに加熱用光源モジュール20が載置されたときに、加熱用光源モジュール20が抜け落ちず、かつ、加熱用光源モジュール20が備える冷却部材23に設けられた流入口23pや排出口23qを塞がないように、図4に示すような冷却部材23よりも小さい開口11cが形成されている。
また、本実施形態におけるフレーム11は、図4に示すように、複数の開口11cに跨るように孔部11dが形成されている。孔部11dは、図3に示すように、加熱用光源モジュール20の冷却部材23に設けられた、後述される切り欠き23dが複数組み合わせられて形成される貫通領域A1と連絡するように設けられている。貫通領域A1と孔部11dは、例えば、加熱用光源装置10の+Z側から、放射温度計等の非接触型の温度計によって被処理基板W1の被照射面W1aの温度を観測するための観測窓や、処理ガスの導入口として利用することができる。
さらに、本実施形態のフレーム11は、図1に示すように、Z方向における加熱用光源モジュール20の発光素子基板22(図3参照)の位置を調整するための調整機構に相当する調整ネジ11aが設けられている。
本実施形態の調整ネジ11aは、一つの加熱用光源モジュール20に対して複数設けられており、それぞれ個別に捻じ込み具合を調整することで、加熱用光源モジュール20の発光素子基板22の主面22aと、フレーム11の主面11b(XY平面)との傾斜角を調整することができる。
本実施形態のフレーム11には、加熱用光源モジュール20のZ方向における位置や傾斜角を調整するための調整ネジ11aが複数設けられているが、フレーム11に設けられる調整ネジ11aは、一つだけであっても構わない。また、フレーム11は、調整ネジ11aが設けられておらず、単に加熱用光源モジュール20が載置されるだけの構成であっても構わない。
(加熱用光源モジュール20)
次に、本実施形態の光加熱システム1が備える加熱用光源モジュール20の詳細について説明する。
(発光素子21)
本実施形態における発光素子21は、Z方向に見たときの形状が正方形の表面実装型LED素子であり、サイズが1mm□(mm□は正方形の一辺の長さを示す。以下同じ。)の素子である。また、発光素子21は、典型的には波長が365nm~405nmである。
なお、発光素子21は、例えば、サイズが1.4mm□や2mm□のLED素子を採用してもよく、Z方向に見たときの形状が長方形のLED素子であっても構わない。さらに、発光素子21は、表面実装型以外のLED素子や、被処理基板W1の加熱処理に用いるできる発光素子であれば、例えば、LD素子や蛍光素子等のLED素子以外の素子を採用しても構わない。
(発光素子基板22)
発光素子基板22は、図1に示すように、冷却部材23の第一主面23a上に接触して載置されている。そして、本実施形態における加熱用光源モジュール20は、図6に示すように、一つの冷却部材23に対して発光素子基板22が一つ載置されている。
また、発光素子基板22は、図6に示すように、主面22a上のX方向及びY方向において、複数の発光素子21が配列されている。そして、複数の発光素子21は、一対の電極(22b,22b)の間で直並列となるように配線22cで接続されている。なお、本実施形態において、発光素子基板22の主面22aに載置されている発光素子21のピッチは、X方向及びY方向のいずれも2mmとなっている。
なお、被処理基板W1を加熱処理するために高出力な加熱用光源モジュール20を実現するためには、狭ピッチで高密度に配置されている必要があり、具体的には、X方向及びY方向において、発光素子21が3mm以下のピッチで配置されることが好ましい。
本実施形態の発光素子基板22は、窒化アルミニウム(AlN)を材料とする基板が採用されている。発光素子基板22を構成する窒化アルミニウム以外の材料としては、例えば、炭化ケイ素(SiC)等が挙げられる。
(冷却部材23)
冷却部材23は、後述される切り欠き(23d,23e)が形成される前の状態において、Z方向から見たときの形状が、図6及び図7において、一点鎖線で示すように、六角形状を呈するように構成されている。
本実施形態における冷却部材23の材料は、熱伝導率と耐熱温度が高い銅(Cu)とした。なお、冷却部材23の銅以外の材料としては、例えば、耐熱温度と熱伝導率とが高いアルミニウム等が挙げられる。
また、本実施形態における冷却部材23は、図5に示すように、第一主面23a上に発光素子基板22が載置され、第一主面23aの発光素子基板22が載置されている箇所以外の箇所に発光素子21から出射されて被処理基板W1の被照射面W1aで反射された加熱光H1を、再び被処理基板W1側に向かって反射する反射領域23c(図5におけるハッチングされている領域)が形成されている。なお、本実施形態では、反射領域23cは、発光素子21から出射される加熱光H1に対して反射性を示すように、無機粒子が塗布されて形成された無機粒子層である。無機粒子層を形成する材料としては、例えば、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al23)等を採用し得る。
本実施形態における冷却部材23は、図5~図7に示すように、第一主面23aと、第一主面23aとは反対側の第二主面23bとを連絡する複数の切り欠き(23d,23e)が設けられている。切り欠き23dは、図3及び図4に示すように、加熱用光源モジュール20がフレーム11上に載置されたときに、貫通領域A1が形成されるように設けられている。
切り欠き23eは、図3及び図4に示すように、加熱用光源モジュール20がフレーム11上に載置されたときに、発光素子基板22上の発光素子21に電流を供給するための給電線12を冷却部材23の第二主面23b側から、発光素子基板22が載置された第一主面23a側へと挿通させるための挿通領域A2を形成するように設けられている。
冷却部材23の内部に形成された冷却流路23rは、冷却部材23を切削して形成されている。冷却媒体(C1,C2)としては、典型的には水が用いられるが、他には、フッ素系不活性液体(フロリナート(登録商標)、ガルデン(登録商標))等を利用することができる。
冷却流路23rを備える冷却部材23を作成する切削以外の方法としては、例えば、冷却流路23rが形成された冷却部材23の3D画像データを作成し、3D印刷によって作成する方法が挙げられる。
図1に示すように、各加熱用光源モジュール20の冷却部材23が備える冷却流路23rは、第一主流路3aと第二主流路3bとの間で並列に接続されている。
冷却流路23rは、図7に示すように、Z方向から見たときに、冷却部材23の第二主面23bの中央部に形成された流入口23pから供給された冷却媒体C1が、発光素子基板22の中央部から徐々に周端部に向かうように渦巻形状を呈している。また、冷却流路23rは、図6に示すように、Z方向に見たときに、全体が発光素子基板22と重複するように形成されている。
ここで、冷却性能をより高める観点から、冷却流路23rのより好ましい形状等について詳細に検討する。図8Aは、加熱用光源モジュール20の冷却部材23を、流入口23pを通過するYZ平面で切断した断面図であり、図8Bは、図8Aの領域A3の拡大図である。図8Aに示す、冷却流路23rの流路断面に直交する方向(図8A及び図8BにおいてはX方向)に見たときに、発光素子基板22を載置する第一主面23aと冷却流路23rとの離間距離dは、2mmとした。
なお、第一主面23aと冷却流路23rとの離間距離dは、大きくなるほど熱抵抗が大きくなり、小さくなるほど作製に高い加工技術を要することとなり、コストが増大する。したがって、第一主面23aと冷却流路23rとの離間距離dは、1mm以上3mm以下とすることが好ましく、1.5mm以上2.5mm以下とすることがより好ましい。
図8Bに示す、本実施形態における冷却流路23rの流路幅wは、発光素子21の一辺の長さをcとしたときに、上記(1)式を満たすように2mmに設定されている。ここで、上記(1)式を再掲する。

1mm≦w≦c+2d (1)
本実施形態の加熱用光源装置10に搭載されている発光素子21をZ方向に見たときの形状は、正方形であるが、搭載される発光素子21は、Z方向に見たときの形状が長方形であってもよい。この場合、cの値は、発光素子21の長辺の長さが対応する。なお、サイズが異なる発光素子21が搭載されている場合、cの値は、各発光素子21の長辺の長さの平均値となる。
上述のように、被処理基板W1のサイズや形状に応じて、フレーム11の主面11b上で加熱用光源モジュール20の配置位置を変更する場合、発光素子基板22と共に、対応する冷却部材23も一緒に移動する。このため、加熱用光源モジュール20をフレーム11の主面11b上で移動させても、それぞれの加熱用光源モジュール20に搭載されている発光素子21は、同じ加熱用光源モジュール20が備える冷却部材23によって冷却される。
したがって、発光素子基板22に載置された発光素子21の点灯時の温度が、加熱用光源モジュール20がフレーム11の主面11b上の位置に応じて変化しにくくなり、どの位置においても所望の輝度で点灯させることができる。つまり、加熱用光源モジュール20の配置構成に応じて生じる被処理基板W1に照射される加熱光H1の照度差が抑制され、被処理基板W1全体を均一に加熱処理することができる。
本実施形態の加熱用光源モジュール20は、Z方向に見たときに、冷却流路23r全体が発光素子基板22と重複するように形成されているが、冷却流路23rと発光素子基板22は、Z方向に見たときに、一部のみが重複するように構成されていても構わない。
また、本実施形態の加熱用光源モジュール20は、一つの冷却部材23に対して一つの発光素子基板22が載置されているが、一つの冷却部材23に対して、複数の発光素子基板22が載置されていても構わない。
本実施形態における冷却部材23は、例えば、加熱処理中の被処理基板W1の温度を熱電対等で測定する場合は、貫通領域A1を形成する必要がないため、切り欠き23dが設けられていなくても構わない。また、冷却部材23は、挿通領域A2を形成するための構成として、切り欠き23eではなく、冷却部材23の第一主面23aと第二主面23bとを連絡する貫通孔が形成されていても構わない。
さらに、本実施形態の加熱用光源モジュール20は、図3に示すように、一対の電極(22b,22b)それぞれに接続される二本の給電線(12,12)を分離して挿通するために、冷却部材23の二箇所に切り欠き23eが設けられて挿通領域A2が二つ形成されているが、切り欠き23eは、冷却部材23において一箇所だけに形成され、一つの挿通領域A2に、二本の給電線(12,12)が挿通されていても構わない。
また、例えば、フレーム11に載置された加熱用光源モジュール20の間に、給電線12を通すための領域が確保できる場合は、挿通領域A2を形成する必要がないため、切り欠き23dや貫通孔が設けられていなくても構わない。
さらに、本実施形態では、一つの冷却部材23に一つの流入口23p、排出口23q、冷却流路23rが形成されているが、一つの冷却部材23に複数の流入口23p、排出口23q、冷却流路23rが形成されていても構わない。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉 図9は、加熱用光源モジュール20の別実施形態を模式的に示す全体斜視図である。図9に示すように、本実施形態の加熱用光源モジュール20は、固定ネジ31によって冷却部材23に対して着脱可能な反射部材30が装着されることで、反射領域23cが形成されていても構わない。
上記構成とすることで、例えば、部分的に加熱用光源モジュール20のみ反射部材30を取り外したり、装着したりすることができる。当該構成によれば、被処理基板W1の被照射面W1aによって加熱用光源モジュール20側に反射された光を、再び被処理基板W1の被照射面W1aに向かって当該光を反射する領域と反射しない領域とを調整することができる。このため、相対的に温度が低くなりやすい領域は、被処理基板W1の被照射面W1aで反射された光を反射することで、再び加熱光として再利用し、相対的に温度が高くなりやすい領域には、当該光が再び被処理基板W1側に照射されないように適宜構成することができる。したがって、被処理基板W1全体の温度分布を微調整することができ、加熱処理時における被処理基板W1の温度分布がより均一に加熱処理される。
〈2〉 図10A~図10Cは、別実施形態の加熱用光源装置10の構成を-Z側から見たときの模式的な図面。なお、説明の便宜ため、図10A~図10Cにおいては、給電線12や電極22b等は図示されておらず、冷却部材23も、切り欠き(23d,23e)が設けられていない模式的な形状とした。
図10Aは、Z方向に見たときに、全て正方形状(四角形状)を呈する加熱用光源モジュール20を搭載した加熱用光源装置10の構成を示している。図10Bは、Z方向に見たときに、正方形状(四角形状)、三角形状を呈する加熱用光源モジュール20を組み合わせて搭載した加熱用光源装置10の構成を示している。図10Cは、Z方向に見たときに、四角形状、五角形状、六角形状を呈する加熱用光源モジュール20を組み合わせて搭載した加熱用光源装置10の構成を示している。
なお、加熱用光源装置10を製造するためのコストを抑える観点では、異なる形状の加熱用光源モジュール20で構成するよりも、全て同じ形状の加熱用光源モジュール20で構成されていることが好ましい。
特に、図10Cに示すように、フレーム11の形状に合わせるように、異なる多角形状を呈する加熱用光源モジュール20を組み合わせて搭載することで、発光素子21をより密に配置することができ、被処理基板W1の被照射面W1aに対して、より高い照度の加熱光H1を照射することができる。なお、ここまでは、Z方向に見たときに、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状を呈する加熱用光源モジュール20の配置パターンを説明したが、他の多角形状の加熱用光源モジュール20が搭載されていても構わない。
〈3〉 上述した光加熱システム1、加熱用光源装置10及び加熱用光源モジュール20が備える構成は、あくまで一例であり、本発明は、図示された各構成に限定されない。
1 : 光加熱システム
2 : チャンバ
2a : 透光窓
2b : 支持部材
2c : 突起部
2d : ローラ
3 : 冷却機構
3a : 第一主流路
3b : 第二主流路
10 : 加熱用光源装置
11 : フレーム
11a : 調整ネジ
11b : 主面
11c : 開口
11d : 孔部
12 : 給電線
20 : 加熱用光源モジュール
21 : 発光素子
22 : 発光素子基板
22a : 主面
22b : 電極
22c : 配線
23 : 冷却部材
23a : 第一主面
23b : 第二主面
23c : 反射領域
23d,23e : 切り欠き
23p : 流入口
23q : 排出口
23r : 冷却流路
30 : 反射部材
31 : 固定ネジ
C1,C2 : 冷却媒体
H1 : 加熱光
W1 : 被処理基板
W1a : 被照射面

Claims (12)

  1. 複数の加熱用光源モジュールが配置された加熱用光源装置であって、
    前記複数の加熱用光源モジュールのそれぞれは、
    発光素子基板と、
    前記発光素子基板に搭載された複数の発光素子と、
    前記発光素子基板の面のうちの、前記複数の発光素子が搭載されている面とは反対側の面に接触する冷却部材とを備え、
    前記冷却部材は、
    前記冷却部材の内部に形成された、前記発光素子を冷却するための冷却媒体を通流させる冷却流路と、
    前記冷却流路に対して前記冷却媒体を導入する流入口と、
    前記冷却流路から前記冷却部材外側に前記冷却媒体を排出する排出口とを備え、
    前記冷却流路は、前記冷却部材の主面と直交する方向から見たときに、前記発光素子基板の中央部側から徐々に周端部側に向かうように渦巻形状を呈し
    一の光源モジュールの排出口は、他の光源モジュールの流入口とは接続されていないことを特徴とする加熱用光源装置。
  2. 前記冷却部材は、
    前記発光素子基板が載置される第一主面と、
    前記第一主面とは反対側に位置する第二主面と、
    前記第一主面と前記第二主面とを一箇所以上で連絡する切り欠き、又は貫通孔とを備え、
    前記加熱用光源モジュールは、前記切り欠き、又は前記貫通孔に挿通された、前記複数の発光素子に給電するための給電線を備えることを特徴とする請求項1に記載の加熱用光源装置。
  3. 前記複数の加熱用光源モジュールが搭載されたフレームと、
    前記フレームの主面と直交する方向における前記発光素子基板の位置、及び前記フレームの主面に対する前記発光素子基板の主面の傾斜角の少なくとも一方を調整する調整機構とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱用光源装置。
  4. 前記冷却部材は、前記冷却部材の主面と直交する方向から見たときの形状が、三角形状、四角形状、五角形状、又は六角形状を呈することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱用光源装置。
  5. 前記冷却部材は、前記発光素子が載置されている側の面上であって、前記発光素子基板が載置されている箇所以外の少なくとも一部の箇所に形成された反射領域を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱用光源装置。
  6. 前記反射領域は、無機粒子層で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の加熱用光源装置。
  7. 前記冷却流路は、前記冷却部材の主面と直交する方向に関し、全体が前記発光素子基板と対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱用光源装置。
  8. 前記冷却部材の主面と直交する方向から見たときの前記冷却流路の流路幅は、前記流路幅をw、前記複数の発光素子の長辺の長さの平均値をc、前記冷却部材の主面と直交する方向に関する前記冷却部材の主面と前記冷却流路との離間距離をdとしたときに、下記(1)式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱用光源装置。

    1mm≦w≦c+2d (1)
  9. 請求項1又は2に記載の加熱用光源装置に搭載される加熱用光源モジュール。
  10. 請求項5に記載の加熱用光源装置に搭載される加熱用光源モジュール。
  11. 被処理基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内において、前記被処理基板を支持する支持部材と、
    前記被処理基板の被照射面に向かって加熱光を出射するように配置された、請求項1又は2に記載の加熱用光源装置とを備えることを特徴とする光加熱システム。
  12. 前記支持部材は、前記支持部材の中心を前記被処理基板の前記面と直交する方向に通過する軸の周りに、支持している前記被処理基板を回転させるための回転機構を備えることを特徴とする請求項11に記載の光加熱システム。
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