(本開示の基礎となった知見)
固体電解質を含む固体電解質層を備える全固体電池等の電池を製造する場合、負極活物質層の面積を正極活物質層の面積よりも大きくすることが一般的である。これは、負極活物質層の容量を正極活物質層の容量よりも大きくして、負極活物質層に取り込まれなかった金属イオン由来の金属の析出等を抑制することで電池の性能を安定化させ、電池の信頼性を向上させることが目的である。また、負極活物質層の端部への電界集中を抑制して、端部でのデンドライト成長(金属の析出)を抑制することで、電池の信頼性を向上させることも目的である。また、負極活物質層の面積を大きくする場合、対向して配置される正極活物質層の周囲には、例えば、固体電解質層が配置される。これにより、正極活物質層の端部が露出しないため、正極活物質層と固体電解質層とが剥離しにくくなることでも信頼性を高めている。
しかしながら、このように正極活物質層の面積と負極活物質層の面積とを精密に制御して電池を製造することは難しい。又は、信頼性の確保のために、正極活物質層の形成時の寸法精度も考慮に入れて正極活物質層を形成する必要がある。そのため、正極活物質層が小さくなり、電池の体積エネルギー密度が低下するという課題がある。また、正極活物質層の寸法精度を高めるためには、検査等の工程数の増加及び設備費用の増加が懸念される。
そこで、本開示では、信頼性の高い電池を提供する。特に、本開示では、エネルギー密度の高められた電池でありながら、信頼性の高い電池を提供する。
本開示の一態様の概要は、以下の通りである。
本開示の一態様に係る電池は、電極層と、前記電極層に対向して配置されている対極層と、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層と、前記電極層と前記固体電解質層との間に位置する絶縁層と、を備え、前記電極層は、集電体と、前記集電体と前記固体電解質層との間、及び、前記集電体と前記絶縁層との間に位置する電極活物質層と、を有し、前記絶縁層は、平面視において、前記電極活物質層の端部に位置し、前記絶縁層は、平面視における前記電極活物質層の外周からの長さが1mm以下の領域に位置する。
これにより、平面視における電極活物質層の端部に、電極活物質層、絶縁層及び固体電解質層がこの順で積層された領域が存在する。そのため、異種接合界面のため剥離が生じやすい電極活物質層及び固体電解質層の端部において、固体電解質層が剥離しても電極活物質層の露出が抑制され、電極活物質層と他の部材との接触に起因した破損又は短絡等が生じにくくなる。よって、電池の信頼性を高めることができる。
また、これにより、絶縁層が存在することによって電極活物質層が電極として機能しにくくなる領域を、電極活物質層の外周から一定の距離以下の範囲にすることができるため、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
また、例えば、前記絶縁層の側面と前記電極活物質層の側面とが面一である。
これにより、絶縁層の側面と電極活物質層の側面とが面一であるため、絶縁層と電極活物質層とを一括で切断する等によって、容易に絶縁層の面積を調整して電池を製造できる。そのため、絶縁層が存在することで、電極活物質層と固体電解質層との金属イオンの授受が抑制され、電極活物質層が電極として機能しにくい領域が形成されるものの、絶縁層の面積を調整することで当該領域を最小限に抑制できる。よって、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
また、例えば、前記電極層は、正極層であり、前記対極層は、負極層であってもよい。
これにより、平面視で絶縁層と重なる領域の電極活物質層、すなわち、平面視で絶縁層と重なる領域の正極活物質層からの金属イオンは、固体電解質層には到達しにくいため、当該領域の正極活物質層は電極として機能しにくい。そのため、実質的に正極活物質層の面積を削減している効果が得られる。その結果、負極層の対極活物質層、すなわち、負極活物質層の面積よりも、正極活物質層の面積が、実質的に小さくなりやすい。よって、負極活物質層の容量が、正極活物質層の容量よりも大きくなりやすくなるため、負極活物質層に取り込まれなかった金属イオン由来の金属の析出が抑制され、電池の信頼性をさらに高めることができる。
また、例えば、前記絶縁層は、樹脂を含んでもよい。
これにより、絶縁層に含まれる樹脂が電極活物質層及び固体電解質層に食い込むアンカー効果によって、絶縁層と電極活物質層及び固体電解質層との接合性を高め、絶縁層と電極活物質層及び固体電解質層との剥離を抑制できる。
また、例えば、前記絶縁層は、金属酸化物を含んでもよい。
これにより、絶縁層が硬くなるため、電池の製造時に絶縁層を薄く形成した場合でも、他の層と積層される際に絶縁層が変形しにくく、均一な厚みの薄層の絶縁層が形成できる。
また、例えば、前記絶縁層の厚みは、5μm以下であってもよい。また、例えば、前記絶縁層の厚みは、2μm以下であってもよい。
これにより、電極活物質層と固体電解質層との間に位置する絶縁層が薄くなる。そのため、電池の体積エネルギー密度を高める等の目的で、集電体に積層された電池の各層に高圧プレス処理を行う場合であっても、絶縁層が各層のプレスへ与える影響を小さくでき、電極活物質層等の各層が均一に圧縮されやすくなる。その結果、各層が不均一に圧縮されて剥離等が生じる可能性を低減できる。よって、エネルギー密度を高めながら、信頼性の高い電池を実現できる。
また、例えば、前記対極層は、前記電極活物質層と対向して配置されている対極活物質層を有し、前記固体電解質層、前記集電体、前記電極活物質層、前記対極活物質層及び前記絶縁層それぞれの側面が露出していてもよい。
これにより、電池の端部まで、電池の充放電性能に寄与する各層が存在する。そのため、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
また、例えば、前記電極層の側面と前記対極層の側面と前記固体電解質層の側面と前記絶縁層の側面とは、面一であってもよい。
これにより、電池の各層の側面に段差がなく、凹凸が存在しない。そのため、凹凸が存在することによって形成される電池の充放電性能に寄与しない空間が存在せず、実質的な電池のエネルギー密度の低下を抑制できる。よって、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
また、例えば、前記対極層は、前記電極活物質層と対向して配置されている対極活物質層を有し、平面視において、前記電極活物質層と前記対極活物質層とは、同じ形状及び位置であってもよい。
これにより、対極活物質層と電極活物質層との容量差を小さくできるため、対極活物質層又は電極活物質層の容量を最大化できる。
また、電極層が正極層であり、対極層が負極層である場合には、平面視における正極活物質層及び負極活物質層の形状及び位置が同じであり、絶縁層が平面視で正極活物質層の端部に位置するため、負極活物質層の端部と対向する位置の正極活物質層は電極として機能しにくい。その結果、負極活物質層の端部への電界集中が抑制され、端部でのデンドライト成長が抑制される。よって、電池の信頼性が向上する。
また、例えば、前記電池の側面は、積層方向に対して、平面視における前記対極層の面積が前記電極層の面積よりも大きくなる方向に傾斜していてもよい。
これにより、電池の側面において、積層方向に対して固体電解質層の側面も傾斜するため、側面が傾斜していない場合と比べて、固体電解質層の側面が大きくなる。その結果、電池の側面における、固体電解質層で隔てられた電極層と対極層との間の距離が長くなる。よって、電極層と対極層とが接触しにくくなり、短絡が抑制される。
また、例えば、前記電池の側面は、切断面であってもよい。
これにより、電池の端部となる側面が切断して形成されるため、切断位置により絶縁層の面積を調整することによって、絶縁層が存在することによって電極活物質層が電極として機能しにくくなる領域の面積を小さくすることができ、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。また、電池の側面が切断面であることで、容易に、電極層の側面と対極層の側面と固体電解質層の側面と絶縁層の側面とを面一にすることができる。
また、例えば、前記切断面の形状は、矩形又は台形であってもよい。
これにより、切断面の端部が直線となる形状である。そのため、端部が直線でないために形成される電池の充放電性能に寄与しない空間が存在せず、実質的な電池のエネルギー密度の低下を抑制できる。よって、電池のエネルギー密度を高めることができる。
また、例えば、前記絶縁層は、平面視において、前記電極活物質層の外周部に位置し、枠状であってもよい。
これにより、平面視における電極活物質層の外周部のどの位置においても絶縁層が設けられている効果が得られる。
また、例えば、前記固体電解質層は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含んでもよい。
これにより、固体電解質を含むリチウムイオン電池において、電池の信頼性を高めることができる。
以下、実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
また、本明細書において、平行、面一などの要素間の関係性を示す用語、及び、平坦、矩形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、z軸方向を電池の積層方向としている。また、z軸の正の方向をz軸方向上側とし、z軸の負の方向をz軸方向下側としている。また、本明細書において「平面視」とは、z軸に沿って電池を見た場合を意味する。また、本明細書における「厚み」とは、各層の積層方向の長さである。
また、本明細書において、電池の構成における「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る電池について説明する。実施の形態1に係る電池は、電極活物質層及び対極活物質層をそれぞれ1つずつ含む単電池である。
[構成]
まず、実施の形態1に係る電池の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る電池の例を示す概略上面図である。図2は、図1のII-II線で示される位置での断面図である。
図1及び図2に示されるように、本実施の形態に係る電池50は、電極層10と、電極層10に対向して配置されている対極層20と、電極層10と対極層20との間に位置する固体電解質層30とを備える。つまり、電池50は、電極層10、固体電解質層30及び対極層20がこの順で積層された構造を有する。また、電池50は、さらに、電極層10と固体電解質層30との間に位置する絶縁層13を備える。
電極層10は、集電体11と、集電体11と固体電解質層30との間、及び、集電体11と絶縁層13との間に位置する電極活物質層12とを有する。集電体11と電極活物質層12とは、平面視において、同じ形状及び位置である。
対極層20は、集電体21と、集電体21と固体電解質層30との間に位置する対極活物質層22とを有する。
電池50は、例えば、全固体電池である。電池50の側面は、積層方向と平行である。また、電池50の側面は、平坦な平面である。言い換えると、電極層10の側面と対極層20の側面と固体電解質層30の側面と絶縁層13の側面とは、段差がない状態であり、同一の平坦な平面に位置する。つまり、電極層10の側面と対極層20の側面と固体電解質層30の側面と絶縁層13の側面とは、面一である。なお、側面とは、電池50の各構成要素において、積層方向と垂直な平面を主面とした場合、主面の端部から主面と交差する方向に延びる面である。また、電極層10の積層方向と垂直な方向の端部において、絶縁層13の側面と電極活物質層12の側面と集電体11の側面とが面一である。また、対極層20の積層方向と垂直な方向の端部において、対極活物質層22の側面と集電体21の側面とが面一である。つまり、電池50の積層方向と垂直な方向の端部において、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21のそれぞれの側面は、面一であり、同一の平坦な平面を形成している。これにより、電池50の各層の側面に段差がなく、凹凸が存在しないため、凹凸によって電池として機能しない空間が形成されず、実質的な電池50の体積エネルギー密度が向上する。また、各層を一括で切断する等によって各層の側面を面一にできるため、容易に絶縁層13の面積を調整して電池50を製造できる。
電池50の側面は、例えば、切断面である。具体的には、電池50の側面は、カッター等の刃で切断されることによって形成される面であり、例えば、微細な溝等の切断痕を有する面である。このように、電池50に切断された切断面が形成されていることで、絶縁層13が形成される位置を調整できるため、電池50の充放電性能に寄与しない部分(絶縁層13の形成されている部分、詳細は後述)の面積を小さくすることができ、体積エネルギー密度を向上させることができる。また、切断面であることで、容易に、電極層10の側面と対極層20の側面と固体電解質層30の側面と絶縁層13の側面とを面一にすることができる。なお、切断痕は、研磨等によって平滑化されてもよい。切断面の形状は、制限されないが、電池50の場合には、矩形である。
また、電池50において、集電体11、絶縁層13、電極活物質層12、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21それぞれの側面は露出している。これにより、電池50の端部まで、電池50の充放電性能に寄与する各層が存在するため、電池50の体積エネルギー密度が向上する。
また、電池50において、集電体11、電極活物質層12、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21は、平面視で同じ形状及び位置である。また、集電体11、電極活物質層12、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21の平面視形状は矩形であるが、特に制限されず、円形、楕円形又は多角形等であってもよい。
集電体11は、電極活物質層12の下面と接し、電極活物質層12の下面を覆っている。集電体11の厚みは、例えば、5μm以上100μm以下である。
集電体11の材料としては、公知の材料が用いられうる。集電体11には、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、白金若しくは金、又は、これらの2種以上の合金などからなる箔状体、板状体又は網目状体などが用いられる。
電極活物質層12は、集電体11の上方で、集電体11を覆うように積層されている。電極活物質層12の下面は、集電体11と接している。平面視における電極活物質層12の端部には、絶縁層13が積層されている。電極活物質層12の上面は、絶縁層13及び固体電解質層30と接する。電極活物質層12と対極活物質層22とは、固体電解質層30を挟んで対向している。電極活物質層12は、平面視で絶縁層13と重ならない領域を有する。また、平面視において、電極活物質層12と対極活物質層22とは、同じ形状及び位置である。電極活物質層12の厚みは、例えば5μm以上300μm以下である。電極活物質層12に用いられる材料については後述する。
絶縁層13は、電子及び金属イオンに対して絶縁性を有する層である。絶縁層13は、電極活物質層12と固体電解質層30との間に位置する。また、絶縁層13は、平面視において、電極活物質層12の端部に位置する。絶縁層13の上面及び平面視での内側の側面は、固体電解質層30と接する。絶縁層13は、平面視で電極活物質層12の端部において電極活物質層12と接している。絶縁層13の側面と電極活物質層12の側面とは面一である。絶縁層13の下面は、電極活物質層12と接する。また、絶縁層13は、平面視において、対極活物質層22と重なる。
絶縁層13は、図示されている例では、平面視において、電極活物質層12の外周部に位置し、枠状である。つまり、絶縁層13は、積層方向と垂直な方向の電極活物質層12のすべての端部において、電極活物質層12と固体電解質層30との間に位置する。
絶縁層13は、例えば、樹脂及び金属酸化物の少なくとも一方を含む。樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はポリイミド樹脂等が挙げられる。樹脂は、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂であってもよい。絶縁層13が、樹脂を含むことにより、樹脂が電極活物質層12及び固体電解質層30に食い込むアンカー効果等によって、絶縁層13と電極活物質層12及び固体電解質層30との接合性を高めることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン又は酸化アルミ等が挙げられる。絶縁層13が、金属酸化物を含むことにより、絶縁層13が硬くなるため、電池50の製造時に絶縁層13を薄く形成した場合でも、他の層と積層される際に絶縁層13が変形しにくく、均一な厚みの薄層の絶縁層13が形成できる。
絶縁層13の厚みは、電極活物質層12及び固体電解質層30の厚みよりも薄く、例えば、電極活物質層12及び固体電解質層30の厚みと比較して十分薄い。絶縁層13の厚みは、電極活物質層12及び固体電解質層30の厚みよりも薄いことにより、電極活物質層12及び固体電解質層30等の積層時に高圧プレス処理を行う場合であっても、絶縁層13の影響を小さくできるため、電極活物質層12及び固体電解質層30等が均一に圧縮されやすくなる。絶縁層13の厚みは、電極活物質層12及び固体電解質層30等の積層時に高圧プレス処理を行う場合であっても、電極活物質層12及び固体電解質層30等が均一に圧縮されやすくなる観点から、例えば、5μm以下である。絶縁層13の厚みは、電池特性の観点から、2μm以下であってもよく、1μm以下であってもよい。絶縁層13は、例えば、完全に絶縁性であるが、求められる電池特性によっては、絶縁層13の構成材料及び厚みによって僅かに導電性を有していてもよい。
また、絶縁層13は、発電に寄与する有効面積の観点、すなわち体積エネルギー密度の観点から、例えば、平面視における、電極活物質層12の外周からの長さが、1mm以下の領域に位置する。また、絶縁層13が枠状又はライン状等で形成されている場合の絶縁層13の幅は、体積エネルギー密度の観点から、例えば、1mm以下であり、0.5mm以下であってもよく、0.1mm以下であってもよい。絶縁層13の幅は、例えば、求められる電池特性によって変更される。
集電体21は、対極活物質層22の上面と接し、対極活物質層22の上面を覆っている。集電体21の厚みは、例えば、5μm以上100μm以下である。集電体21の材料としては、上述の集電体11の材料が用いられうる。
対極活物質層22は、固体電解質層30上に積層され、電極活物質層12と対向して配置されている。対極活物質層22の上面は、集電体21と接する。対極活物質層22の厚みは、例えば5μm以上300μm以下である。対極活物質層22に用いられる材料については後述する。
固体電解質層30は、電極活物質層12と対極活物質層22との間に位置する。固体電解質層30は、電極活物質層12の上方に、電極活物質層12上の絶縁層13を覆うように積層されている。固体電解質層30の上面は、対極活物質層22と接している。固体電解質層30の下面は、絶縁層13及び電極活物質層12と接している。固体電解質層30の厚みは、例えば5μm以上150μm以下である。
固体電解質層30は、少なくとも固体電解質を含み、必要に応じて、バインダー材料を含んでいてもよい。固体電解質層30は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含んでいてもよい。
固体電解質としては、リチウムイオン伝導体、ナトリウムイオン伝導体又はマグネシウムイオン伝導体など公知の金属イオンを伝導する材料が用いられうる。固体電解質には、例えば、硫化物固体電解質、ハロゲン系固体電解質又は酸化物固体電解質等の固体電解質材料が用いられる。硫化物固体電解質としては、リチウムイオンを伝導できる材料の場合、例えば、硫化リチウム(Li2S)及び五硫化二リン(P2S5)からなる合成物が用いられる。また、硫化物固体電解質としては、Li2S-SiS2、Li2S-B2S3又はLi2S-GeS2などの硫化物が用いられてもよく、上記硫化物に添加剤としてLi3N、LiCl、LiBr、Li3PO4及びLi4SiO4のうち少なくとも1種が添加された硫化物が用いられてもよい。
酸化物固体電解質としては、リチウムイオンを伝導できる材料の場合、例えば、Li7La3Zr2O12(LLZ)、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3(LATP)又は(La,Li)TiO3(LLTO)などが用いられる。
バインダー材料としては、例えば、エラストマー類が用いられ、ポリフッ化ビニリデン、アクリル樹脂又はセルロース樹脂などの有機化合物が用いられてもよい。
本実施の形態において、電極活物質層12を有する電極層10及び対極活物質層22を有する対極層20のうち、一方が正極活物質層を有する正極層であり、他方が負極活物質層を有する負極層である。
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、必要に応じて、固体電解質、導電助剤及びバインダー材料のうち少なくとも1つを含んでもよい。
正極活物質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はマグネシウムイオンを吸蔵及び放出(挿入及び脱離、又は、溶解及び析出)できる公知の材料が用いられうる。正極活物質としては、リチウムイオンを離脱及び挿入することができる材料の場合、例えば、コバルト酸リチウム複合酸化物(LCO)、ニッケル酸リチウム複合酸化物(LNO)、マンガン酸リチウム複合酸化物(LMO)、リチウム‐マンガン‐ニッケル複合酸化物(LMNO)、リチウム‐マンガン‐コバルト複合酸化物(LMCO)、リチウム‐ニッケル‐コバルト複合酸化物(LNCO)又はリチウム‐ニッケル‐マンガン‐コバルト複合酸化物(LNMCO)などが用いられる。
固体電解質としては、上述の固体電解質材料が用いられうる。また、導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト又はカーボンファイバーなどの導電材料が用いられる。また、バインダー材料としては、上述のバインダー材料が用いられうる。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含み、必要に応じて、正極活物質層と同様の固体電解質、導電助剤及びバインダー材料のうち少なくとも1つを含んでもよい。
負極活物質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はマグネシウムイオンを吸蔵及び放出(挿入及び脱離、又は、溶解及び析出)できる公知の材料が用いられうる。負極活物質としては、リチウムイオンを離脱及び挿入することができる材料の場合、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維若しくは樹脂焼成炭素などの炭素材料、金属リチウム、リチウム合金又はリチウムと遷移金属元素との酸化物などが用いられる。
電池を製造する場合、上述のように、信頼性の向上を目的として、平面視において、負極活物質層の面積を正極活物質層の面積よりも大きくすることが一般的である。さらに、負極活物質層の端部を正極活物質層の端部よりも外側に配置することで、負極活物質層の端部への電界集中を抑制してデンドライト成長(金属の析出)を抑制できる。
ここで、平面視において、負極活物質層の面積が正極活物質層の面積よりも大きい、比較例に係る電池950及び950aについて説明する。図3及び図4は、比較例に係る電池の例を示す概略断面図である。
図3に示されるように、電池950は、正極層910と、負極層920と、正極層910と負極層920との間に位置する固体電解質層930とを備える。正極層910は、集電体911と、集電体911と固体電解質層930との間に位置する正極活物質層912とを有する。負極層920は、集電体921と、集電体921と固体電解質層930との間に位置する負極活物質層922を有する。固体電解質層930は、正極活物質層912及び負極活物質層922の側面を覆い、集電体911及び集電体921と接している。電池950においては、平面視において、正極活物質層912の面積よりも負極活物質層922の面積が大きく、負極活物質層922の端部が正極活物質層912の端部よりも外側に位置する。このように、電池950では、正極活物質層912の面積よりも負極活物質層922の面積が大きくすることで、金属の析出を抑制している。また、電池950の端部に固体電解質層930が存在するため、端部から集電体911及び集電体921が剥離した場合であっても、正極活物質層912及び負極活物質層922が露出することが抑制される。
正極活物質層912及び負極活物質層922が存在する領域2Cは、電池として機能する。一方、正極活物質層912及び負極活物質層922がいずれも存在しない領域2Aは、電池として機能しない。また、負極活物質層922が存在するものの、正極活物質層912が存在しない領域2Bも、電池として機能しない。領域2Bは、正極活物質層912と負極活物質層922との面積差に相当する領域である。平面視で領域2B及び領域2Aが広くなるほど、電池950における発電に寄与しない領域の割合が増加することになり、電池950の体積エネルギー密度が低下する。一方、平面視で領域2Bが狭くなるほど、各層を積層する工程等の製造工程で必要とされるアライメント精度が高くなり、要求精度が高くなることに伴う、検査等の工程数の増加及び設備費用の増加が懸念される。
また、領域2A、2B及び2Cでは、それぞれ厚み方向に存在する集電体911及び921以外の層の種類と数とが異なる。すなわち、領域2Aには固体電解質層930のみの1層が存在し、領域2Bには負極活物質層922及び固体電解質層930の2層が存在し、領域2Cには正極活物質層912、負極活物質層922及び固体電解質層930の3層が存在する。粉体材料で構成される全固体電池では、粉体材料同士の良好な界面(例えば、粉体材料同士の接合性が良く、粒界抵抗が小さい界面)を形成するため、つまり電池の信頼性を向上させるため、また、高充填化して体積エネルギー密度を向上するため、製造工程に高圧プレス処理を含む場合がある。このとき、領域2A、2B及び2Cでは、構成する層の種類と数とが異なり、また各層の圧縮されやすさも異なる。そのため、電池950全体をプレスしたときに各領域において圧縮度が異なる、つまり、均一に圧縮されない懸念がある。例えば、領域2A及び2Bでは、領域2Cと比較して圧縮不足となり、各層の剥がれなどの信頼性の低下の懸念がある。
つまり、電池950においては、電池950を容易に製造しにくく、且つ、信頼性の向上が不十分になる問題がある。また、厚み方向の層が固体電解質層930のみの領域2Aは、電池の基本的な充放電性能には特に寄与しない部分であるので、体積エネルギー密度を向上させる観点からは、領域2Aは少ない方が好ましい。
また、図4に示される電池950aは、集電体911a及び正極活物質層912aを有する正極層910aと、集電体921a及び負極活物質層922aを有する負極層920aと、固体電解質層930aを備える。電池950aは、電池950と比べて、固体電解質層930aが負極活物質層922aの側面を被覆していない点で相違している。電池950aは、領域2Aのような正極活物質層912及び負極活物質層922がいずれも存在しない領域は有さないものの、正極活物質層912aが存在しない領域3Aを有する。そのため、領域3Aは、発電に寄与せず、領域2Bと同様の問題が、電池950aの領域3Aにおいても生じる。
一方、電池50は、上述のように、電極層10と、電極層10に対向して配置されている対極層20と、電極層10と対極層20との間に位置する固体電解質層30とを備える。電池50は、さらに、電極層10と固体電解質層30との間に位置する絶縁層13を備える。電極層10は、集電体11と、集電体11と固体電解質層30との間、及び、集電体11と絶縁層13との間に位置する電極活物質層12とを有する。電極活物質層12は、平面視で絶縁層13と重ならない領域を有する。絶縁層13は、平面視において、電極活物質層12の端部に位置する。絶縁層13の側面と電極活物質層12の側面とが面一である。さらには、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21のそれぞれの側面は、面一である。
これにより、剥離が生じやすい電極活物質層12及び固体電解質層30の端部において、電極活物質層12と固体電解質層30との間に絶縁層13が存在するため、固体電解質層30が剥離しても電極活物質層12の露出が抑制され、電極活物質層12と他の部材との接触に起因した破損又は短絡等が生じにくくなる。よって、電池50の信頼性が向上する。
集電体11、絶縁層13、電極活物質層12、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21のそれぞれの側面は、面一であるため、各層を一括で切断する等によって、容易に絶縁層13の面積を調整して電池50を製造できる。そのため、絶縁層13が存在することで、電極活物質層12と固体電解質層30との金属イオンの授受が抑制され、電極活物質層12が電極として機能しにくい領域が形成されるものの、絶縁層13の面積を調整することで当該領域を最小限に抑制できる。よって、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
また、電極活物質層12と固体電解質層30との間に絶縁層13が位置するため、絶縁層13下にも電極活物質層12が存在する。そのため、高圧プレス処理を行う場合であっても、例えば、上述の比較例に係る電池のように電極活物質層の側面に固体電解質層が存在する場合と比べ、全ての領域が均一に圧縮されやすい。よって、電池50の各層の剥がれなどが生じにくく、高圧プレス処理によって電池50の信頼性及び体積エネルギー密度を向上させることが可能である。
また、電池50において、例えば、電極活物質層12を有する電極層10は、正極活物質層を有する正極層であり、対極活物質層22を有する対極層20は、負極活物質層を有する負極層である。この場合、絶縁層13に接する正極活物質層(電極活物質層12)からの金属イオンは、固体電解質層30には到達しにくいため、図1及び図2に示される領域1Aの正極活物質層は電極として機能しにくい。一方、領域1Bの正極活物質層は電極として機能する。そのため、電池50において、領域1Aは電池として機能しにくく、領域1Bは電池として機能する。電池50においては、平面視における正極活物質層及び負極活物質層(対極活物質層22)の面積が同じであるが、領域1Aにおける正極活物質層が電極として機能しにくいため、実質的に正極活物質層の平面視における面積を削減している効果が得られる。つまり、電池50においては、平面視における正極活物質層及び負極活物質層の面積が同じであっても、金属の析出が抑制される。
また、平面視における正極活物質層及び負極活物質層の形状及び位置が同じであり、絶縁層13が平面視において正極活物質層(電極活物質層12)の端部に位置するため、負極活物質層の端部と対向する位置の正極活物質層は電極として機能しにくい。その結果、負極活物質層の端部への電界集中が抑制され、端部でのデンドライト成長が抑制される。よって、電池50の信頼性が向上する。
さらに、電池50の製造において、実質的な正極活物質層の面積を絶縁層13によって調整可能であるため、正極活物質層及び負極活物質層の位置及び面積を精度良く形成する必要が無い。よって、電池50を容易に製造できる。例えば、正極層(電極層10)と絶縁層13と固体電解質層30と負極層(対極層20)とが積層された積層体を、絶縁層13を含む領域で切断することで、電池50は、容易に製造される。
[製造方法]
次に、本実施の形態に係る電池の製造方法について説明する。なお、以下で説明する電池50の製造方法は一例であり、電池50の製造方法は、以下の例に限らない。
電池50の製造方法は、第1積層工程と、第2積層工程と、切断工程と、第3積層工程とを含む。以下、各工程について、詳細に説明する。
(1)第1積層工程
まず、第1積層工程について説明する。図5は、本実施の形態に係る電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。
第1積層工程では、集電体11の少なくとも一方の面に積層された電極活物質層12の集電体11側とは反対側の面に絶縁層13を積層する。具体的には、まず、集電体11を準備する(図5のステップS11)。そして、準備した集電体11の少なくとも一方の面に、電極活物質層12を積層する(図5のステップS12)。例えば、集電体11の上面に、電極活物質層12を形成することで集電体11に電極活物質層12を積層する。そして、電極活物質層12の集電体11側とは反対側の面に絶縁層13を積層する(図5のステップS13)。
図6A、図6B及び図6Cは、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11の例を示す概略図である。図6Aの(a)は、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11の例を示す概略上面図であり、図6Aの(b)は、図6Aの(a)のVIa(b)-VIa(b)線で示される位置での概略断面図である。絶縁層13は、例えば、図6Aに示されるように、格子状に形成される。また、図6Bは、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11の別の例を示す概略上面図である。図6Bには、断面図が図示されていないが、図6Bに示される電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11は、図6Aの(b)と同様の断面構造である。絶縁層13は、図6Bに示されるようにストライプ状に形成されてもよい。このような、格子又はストライプ等の長尺部分を有する比較的単純な平面視形状に絶縁層13を積層することで、容易に電極活物質層12上に絶縁層13を形成することができる。また、後述する切断工程で、絶縁層13の長尺方向に沿って、絶縁層13が分割されることで、電池50の端部に沿って絶縁層13の形成された電池50を容易に形成することができる。図6A及び6Bにおいて、点線で記載されている矩形の領域1E及び1Fは、一つの電池50の大きさに相当する。このように、集電体11は、後の製造工程において、複数の電池に分割できるように、電極活物質層12及び絶縁層13が積層されてもよい。
また、図6Cの(a)は、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11のさらに別の例を示す上面図であり、図6Cの(b)は、図6Cの(a)のVIc(b)-VIc(b)線で示される位置での断面図である。図6Cに示されるように、複数種類のパターン(例えば、格子間隔)の格子状の絶縁層13が電極活物質層12上に形成されてもよい。
このように、絶縁層13が格子状又はストライプ状に積層され、後述する切断工程において絶縁層13の格子又はストライプの長尺方向に沿って絶縁層13が分割されることで、それぞれが同じ形状又は異なる形状の複数の電池50を同時に製造することが可能である。これにより、電池50の製造効率が向上する。
電極活物質層12は、例えば、湿式コーティング法を用いて順に形成される。湿式コーティング法を用いることにより、容易に電極活物質層12を集電体11に積層することができる。湿式コーティング法としては、ダイコート法、ドクターブレード法、ロールコーター法、スクリーン印刷法又はインクジェット法等のコーティング方法が用いられるが、これらの方法に限定されるものではない。
湿式コーティング法を用いる場合、電極活物質層12を形成する材料(上述の正極活物質層又は負極活物質層の材料)と溶媒とを適宜混合してスラリーを得る塗料化工程を行う。
塗料化工程に用いられる溶媒には、公知の全固体電池(たとえば、リチウムイオン全固体電池)を作製する際に用いられる公知の溶媒が用いられうる。
塗料化工程で得られた各層のスラリーを、集電体11に、電極活物質層12の積層塗工を実施する。スラリーの塗工後に、例えば、溶媒及びバインダー材料を除去する熱処理を実施する。また、必要に応じて、スラリーの塗工後に、材料の充填を促進する高圧プレス処理を実施してもよい。これにより、集電体11上に電極活物質層12が形成される。
絶縁層13の形成方法については、様々なプロセスが考えられるが、量産性の観点からは、例えば、塗布プロセスが用いられる。例えば、ロールtoロール方式などの連続プロセスで、グラビアロール法又はインクジェット法等の高精度の塗工方法により、絶縁層13の材料として絶縁性物質(例えば、金属酸化物)を溶媒に分散させた塗料を電極活物質層12上に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発することで絶縁層13を得ることができる。これにより、絶縁層13を薄く積層することが可能であるため、厚みが均一で薄層の絶縁層13が形成される。そのため、後述する第2積層工程で他の層を積層する際に高圧プレス処理を行う場合に、絶縁層13の影響を受けにくく、他の層が均一に圧縮されやすい。また、このような高精度の塗工方法を用いることで、実質的に電極として有効な電極活物質層12の面積の精度が高められる。
絶縁層13の材料として、樹脂が用いられる場合には、樹脂を溶解又は分散させた溶液が電極活物質層12上に塗布されてもよいし、紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が電極活物質層12上に塗布されて、硬化処理が行われてもよい。なお、絶縁層13の形成は、ロールtoロール方式などの連続プロセスに限定されず、1枚の集電体11ごとに絶縁層13を形成するバッチ式プロセスであってもよい。
絶縁層13の形成に用いられる溶媒には、金属酸化物又は樹脂を分散又は溶解させる一般的な有機溶媒又は水系溶媒等が用いられうる。
(2)第2積層工程
次に、第2積層工程について説明する。第2積層工程では、第1積層工程において電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11に、固体電解質層30及び対極活物質層22をこの順で、固体電解質層30が電極活物質層12と絶縁層13とを被覆するように積層する。これにより、電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22がこの順で積層された発電要素部40が、集電体11上に形成される。また、第2積層工程では、固体電解質層30が電極活物質層12と絶縁層13とを被覆する被覆構造が形成される。具体的には、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11に、固体電解質層30及び対極活物質層22の各層をこの順で積層する(図5のステップS14及びS15)。例えば、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11に、電極活物質層12と絶縁層13とを被覆するように固体電解質層30を積層し、さらに対極活物質層22を積層する。さらに、必要に応じて、ステップS14及びS15で積層された固体電解質層30及び対極活物質層22に高圧プレス処理を行う(図5のステップS16)。また、必要に応じて、ステップS14及びS15で積層された固体電解質層30及び対極活物質層22に熱処理を行う。これにより、電極活物質層12と固体電解質層30との間に絶縁層13が設けられた発電要素部40が形成されることで、集電体11上に、発電要素部40が積層された積層極板が得られる。
図7A、図7B及び図7Cは、本実施の形態に係る積層極板の例を示す概略断面図である。図7Aに示されるように、積層極板41では、電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22がこの順で積層された発電要素部40が集電体11上に積層されている。また、発電要素部40の中で、絶縁層13は電極活物質層12上に積層されている。積層極板41は、電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22それぞれの平面視での面積及び位置が同じになるように形成されている。また、対極活物質層22の上面は露出している。
積層極板41の構造は、この例に限定されない。例えば、図7Bに示されるように、電極活物質層12の側面及び上面を固体電解質層30が被覆し、固体電解質層30の側面及び上面を対極活物質層22が被覆するように、積層極板41aは形成されている。これにより、電極活物質層12の側面及び上面が固体電解質層30で被覆されるため、第2積層工程において、電極活物質層12と対極活物質層22との接触による短絡の発生が抑制される。
また、例えば、図7Cに示されるように、電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22が、この順に平面視で小さい面積になるように、積層極板41bは形成されている。また、平面視において、対極活物質層22は固体電解質層30の内側に位置し、固体電解質層30は電極活物質層の内側に位置する。対極活物質層22が固体電解質層30の内側に位置する設計であるため、対極活物質層22を積層する際に、平面視における積層する位置がずれても、固体電解質層30によって、電極活物質層12と対極活物質層22との接触による短絡の発生が抑制される。
本実施の形態における積層極板は、積層極板41、41a及び41bのいずれの構造であってもよく、電極活物質層12上に絶縁層13が積層されている構造を含む発電要素部40が集電体11上に積層された構造であれば、積層極板41、41a及び41b以外の構造であってもよい。
発電要素部40を構成する固体電解質層30及び対極活物質層22は、それぞれ、例えば、上述の電極活物質層12の形成と同様の湿式コーティング法を用いて順に形成される。
湿式コーティング法を用いる場合、固体電解質層30及び対極活物質層22のそれぞれを形成する材料(上述の固体電解質層30、及び、正極活物質層又は負極活物質層それぞれの材料)と溶媒とを適宜混合してスラリーを得る塗料化工程を行う。
塗料化工程で得られた各層のスラリーを、集電体11上の電極活物質層12及び絶縁層13の上に、固体電解質層30及び対極活物質層22の順番で積層塗工を実施する。この際、先に積層塗工されている層の積層塗工が終わってから、次の層が積層塗工されてもよく、先に積層塗工されている層の積層塗工途中に、次の層の積層塗工が開始されてもよい。つまり、ステップS14及びS15は、同時並行で行われる場合があってもよい。各層のスラリーを順次塗工し、全ての層の塗工後に、例えば、溶媒及びバインダー材料を除去する熱処理、及び、各層の材料の充填を促進する高圧プレス処理を実施する。なお、各層の塗工ごとに熱処理及び高圧プレス処理を実施してもよい。つまり、ステップS14及びS15それぞれの間にも、ステップS16が行われてもよい。熱処理及び高圧プレス処理は、固体電解質層30及び対極活物質層22の塗工積層において、2層すべての塗工積層後に一括で実施されてもよい。また、高圧プレス処理には、例えば、ロールプレス又は平板プレス等が用いられる。なお、熱処理及び高圧プレス処理は、少なくとも一方が行われなくてもよい。
このように積層塗工法を行うことで、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30及び対極活物質層22の各層の界面の接合性の向上及び界面抵抗の低減ができる。また、電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22に用いられる粉体材料における接合性の向上及び粒界抵抗の低減ができる。すなわち、発電要素部40の各層の間及び各層内部の粉体材料の間において、良好な界面が形成される。
なお、第1積層工程と第2積層工程とは、ロールtoロール方式などの1連の連続プロセスで行われてもよい。
(3)切断工程及び第3積層工程
次に、切断工程及び第3積層工程について説明する。図8は、本実施の形態に係る電池の製造方法における切断工程を説明するための図である。切断工程では、第1積層工程及び第2積層工程において形成された発電要素部40が積層された集電体11、つまり、積層極板41、41a又は41bを一括で、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に切断する(図5のステップS17)。図8に示されるように、積層極板41を、例えば、絶縁層13が配置されている破線C1、C2、C3及びC4の位置で、刃又はレーザ光等によって切断する。破線C1、C2、C3及びC4の位置においては、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30及び対極活物質層22がこの順で積層されており、これらを一括で切断する。これにより、発電要素部40の各層を切断後の形状で積層する必要がないため、容易に電池50を製造できる。例えば、絶縁層13が、平面視で、図6A、図6B及び図6Cに示されるような長尺部分を有する格子状又はストライプ状に積層されている場合には、発電要素部40が積層された集電体11を一括で、絶縁層13の格子又はストライプの長尺方向に沿って切断する。これにより、製造される電池50の切断面側の端部全域に絶縁層13が位置する電池50が得られる。
次に、第3積層工程では、切断工程において切断された後の積層極板41における発電要素部40の集電体11側とは反対側の面(発電要素部40の積層方向に垂直な面のうち集電体11が積層されていない面)に、追加集電体として集電体21を積層する(図5のステップS18)。具体的には、切断された積層極板41の露出している対極活物質層22の上面に、プレス処理等によって集電体21を接合する。プレス処理は、例えば、ステップS16における高圧プレス処理よりも低い圧力で行われる。これにより、図1及び図2で示される電池50が得られる。
なお、切断工程と第3積層工程とは、順序が入れ替わってもよい。つまり、切断工程において切断される前の積層極板41における発電要素部40の集電体11側とは反対側の面に、集電体21を積層してから、集電体21が積層された積層極板41を、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に切断してもよい。また、第3積層工程では、追加集電体として、集電体21の代わりに導電性を有する基板又は筐体が、発電要素部40の集電体11側とは反対側の面に積層されてもよい。
このように、電池50の製造方法は、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30及び対極活物質層22が積層された位置を切断する切断工程を含む。これにより、積層方向と垂直な方向における端部において、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21それぞれの側面が露出する。なお、切断した後、露出した側面を保護するために、側面を被覆する封止部材などを配置してもよい。すなわち、封止部材などの他の部材で側面を被覆する場合には、全ての層の側面が露出しない場合もある。
このように、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30及び対極活物質層22が積層された位置を切断する切断工程を含むことにより、集電体11、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30、対極活物質層22及び集電体21それぞれの、積層方向と垂直な方向の端部が露出する。
(4)効果等
以上のように、本実施の形態に係る電池50の製造方法は、第1積層工程と、第2積層工程と、切断工程と、第3積層工程とを含む。第1積層工程では、電極活物質層12の集電体11側とは反対側の面の一部に絶縁層13を積層する。第2積層工程では、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11に、固体電解質層30及び対極活物質層22をこの順で、固体電解質層30が絶縁層13と電極活物質層12とを被覆するように積層する。切断工程では、発電要素部40が積層された集電体11を、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に一括で切断する。第3積層工程では、切断工程において切断される前又は後の発電要素部40の集電体11側とは反対側の面に集電体21を積層する。
これにより、発電要素部40が積層された集電体11が、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に一括で切断される。そのため、発電要素部40の各層を切断後の形状で積層する必要がないため、容易に電池50を製造できる。
また、電極活物質層12上に絶縁層13が積層されている構造を含む発電要素部40が積層された集電体11が、絶縁層13を分割する位置で積層方向に切断されるため、平面視で電極活物質層12の端部に絶縁層13が積層された電池が製造される。さらに、電極活物質層12に積層された絶縁層13を被覆するように固体電解質層30が積層されているため、製造される電池50の端部では、電極活物質層12、絶縁層13及び固体電解質層30がこの順で積層される。そのため、接合界面で剥離が生じやすい電極活物質層12及び固体電解質層30の端部において、固体電解質層30が剥離しても、絶縁層13が露出するため、電極活物質層12の露出が抑制される。その結果、電極活物質層12と他の部材との接触に起因した破損又は短絡等が生じにくくなる。よって、信頼性の高い電池を製造できる。
また、切断位置を調整するだけで、絶縁層13の寸法を決定できる。そのため、絶縁層13が存在することで、電極活物質層12と固体電解質層30とのリチウムイオンの授受が抑制され、電極活物質層12が電極として機能しにくい領域が形成されるものの、絶縁層13の寸法を調整することで当該領域を最小限に抑制できる。よって、体積エネルギー密度の高い電池50を容易に製造できる。
また、電極活物質層12が正極活物質層であり、対極活物質層22が負極活物質層である場合、絶縁層13が正極活物質層の端部に積層されていることにより、固体電解質層30の端部に正極活物質層からの金属イオンが直接到達しないため、端部における正極活物質層の電極としての機能が抑制される。つまり、平面視での正極活物質層の実質的な面積が削減される。また、発電要素部40を積層方向に切断しているため、正極活物質層と負極活物質層(対極活物質層22)とは、平面視で同じ形状及び位置であり、面積も同じである。そのため、正極活物質層は、負極活物質層に比べて実質的な面積(電極として機能する面積)が狭くなり、且つ、平面視で負極活物質層の内側に位置する。その結果、上述のように負極活物質層に金属が析出することが抑制される。よって、製造される電池50の信頼性がより向上する。
また、積層方向に切断されることで、発電要素部40が積層された集電体11(例えば、積層極板41、41a又は41b)が一括で切断され、電極活物質層12の端部に絶縁層13が積層された電池が得られる。そのため、面積差をつけた形状の正極活物質層及び負極活物質層を単電池ごとに個別に積層する必要がないため、容易、且つ、生産効率良く電池50を製造できる。
絶縁層13が無い場合には、発電要素部40が積層された集電体11を一括で切断したとしても、電極活物質層12の端部にも固体電解質層30が積層されるため、固体電解質層30の端部が剥離した際に、電極活物質層12の露出が抑制できない上に、電極活物質層12と対極活物質層22との実質的な面積の差がない電池が製造される。そのため、電池を容易に製造できたとしても、電池の信頼性が低下するため、製造方法として採用しにくい。一方、本実施の形態に係る製造方法においては、上述のように、絶縁層13を分割する位置で、発電要素部40が積層された集電体11を一括で切断する。そのため、発電要素部40が積層された集電体11を一括で切断することで、容易に電池を製造できることに加え、電極活物質層12の露出の抑制、電極活物質層12の電極として機能する面積の削減、及び、絶縁層13の面積の調整が可能である。このように、絶縁層13を電極活物質層12に積層する第1積層工程と、電極活物質層12上に絶縁層13が積層されている構造を含む発電要素部40が積層された集電体11を、絶縁層13を分割する位置で切断する切断工程とを組み合わせることで、信頼性の高い電池でありながら、体積エネルギー密度の高い電池を容易に製造できる。
(5)その他の製造方法
本実施の形態に係る電池の製造方法は、上述の例に限定されず、例えば、以下に示す製造方法であってもよい。
まず、図1及び図2に示される形状の、集電体11を準備する。そして、塗布プロセス等を用いて、図1及び図2に示される形状で、集電体11上に電極活物質層12を積層する。さらに、集電体11上に積層された電極活物質層12上に、図1及び図2に示される形状で、絶縁層13を形成する。絶縁層13を形成した電極活物質層12の全面に、固体電解質層30を積層塗工により積層し、電極板を得る。
次に、図1及び図2に示される形状の、集電体21を準備する。そして、集電体21上の全面に、対極活物質層22及び固体電解質層30の各層をこの順で積層塗工により積層し、対極板を得る。
次に、得られた電極板と対極板とを、それぞれの固体電解質層30が接するように積層する。積層された積層体を、平板プレスを用いて積層方向の両側からプレスすることにより、電池50が得られる。
[変形例1]
以下では、実施の形態1の変形例1について説明する。なお、以下の実施の形態1の変形例1の説明において、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図9は、本変形例に係る電池の例を示す概略断面図である。図9に示されるように、電池51は、実施の形態1の電池50と比較して、電池51の側面が積層方向に対して傾斜している点で相違する。
電池51は、電極層10aと、電極層10aに対向して配置されている対極層20aと、電極層10aと対極層20aとの間に位置する固体電解質層30aとを備える。電池51は、さらに、電極層10aと固体電解質層30aとの間に位置する絶縁層13aを備える。
電極層10aは、集電体11aと、集電体11aと固体電解質層30aとの間に位置する電極活物質層12aとを有する。対極層20aは、集電体21aと、集電体21aと固体電解質層30aとの間、及び、集電体21a及び絶縁層13aとの間に位置する対極活物質層22aとを有する。絶縁層13aは、平面視において電極活物質層12aの端部に位置する。
電池51の積層方向に垂直な面である2つの主面を繋ぐ側面51sは、積層方向に対して、平面視における対極層20aの面積が電極層10aの面積よりも大きくなる方向に傾斜している。言い換えると、側面51sは、積層方向に対して、電池51を積層方向に切断した場合の断面において対極層20aの幅が電極層10aの幅よりも大きくなる方向に傾斜している。つまり、電池51において、対極活物質層22aの電極活物質層12a側の主面22sの面積が、電極活物質層12aの対極活物質層22a側の主面12sの面積よりも大きい。また、積層方向から見た場合に、主面12sは、主面22sの内側に位置する。電池50aにおいて、例えば、電極活物質層12aを備える電極層10aは、正極活物質層を備える正極層であり、対極活物質層22aを備える対極層20aは、負極活物質層を備える負極層である。この場合、平面視における負極活物質層の面積が正極活物質層の面積よりも大きくなるため、電池50aにおいて、金属の析出が抑制される。
また、側面51sにおいて、積層方向に対して固体電解質層30及び絶縁層13aの側面も傾斜するため、固体電解質層30及び絶縁層13aの露出している面が大きくなり、側面51sにおける電極活物質層12aと対極活物質層22aとの距離が長くなり。そのため、電極活物質層12aと対極活物質層22aとが接触しにくくなり、短絡が抑制される。
また、電池51の側面51sは、図示されていない側面51sも含め全ての側面51sが、積層方向に傾斜しており、主面22sの面積が主面12sの面積よりも大きい。なお、電池51の側面51sは、全ての側面51sが積層方向に対して傾斜していなくてもよく、少なくとも1つの側面51sが積層方向に対して傾斜していればよい。
図10は、本変形例の係る電池の別の例を示す概略断面図である。図10に示されるように、電池52は、電極層10bと、対極層20bと、固体電解質層30bとを備える。電池52は、さらに、電極層10bと固体電解質層30bとの間に位置する絶縁層13bを備える。電極層10bは、集電体11bと、電極活物質層12bとを有する。絶縁層13bは、平面視において電極活物質層12bの端部に位置する。対極層20bは、集電体21bと、対極活物質層22bとを有する。電池52において、1つの側面52sが、積層方向に対して、平面視における対極層20bの面積が電極層10bの面積よりも大きくなる方向に傾斜している。
電池51及び52は、例えば、実施の形態1に係る電池50を積層方向と傾斜する方向に切断することで製造される。また、電池51及び52は、電池50の製造方法における切断工程において、積層方向と傾斜する方向に切断することで製造されてもよい。つまり、側面51s及び52sは切断面であってもよい。切断面の形状は、電池51の場合には台形であり、電池52の場合には矩形である。
図11は、本変形例に係る電池の製造方法における切断工程を説明するための図である。図11に示されるように、電池51及び52は、上述の切断工程において、積層方向から角度θ傾斜した方向に切断されることで製造される。角度θは、形成されている絶縁層の幅及び目的とする電池特性等から決定すればよい。角度θは、例えば、45度よりも小さい。角度θは、30度以下であってもよい。また、角度θがゼロ度の場合には、電池50が製造される。例えば、集電体21と対極活物質層22と固体電解質層30との厚みの合計を0.1mm、電池の側面からの絶縁層の幅を0.1mmとした場合、切断面の角度が45度より大きいと、絶縁層が切断により取り除かれるため、絶縁層の効果が得られない。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る電池について説明する。実施の形態2に係る電池は、単電池が積層された積層型の電池である。なお、以下の説明において、上述の実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を適宜、省略又は簡略化する。
[構成]
まず、実施の形態2に係る電池の構成について図面を参照しながら説明する。図12は、本実施の形態に係る電池の例を示す概略断面図である。図12に示されるように、電池100は、実施の形態1に係る電池50における集電体21を有さない構造の単電池が積層された構造を有する。
電池100は、複数の電池50aと集電体21とを備える。電池50aは、電池50における対極層20の集電体21を有さない対極層23を備える構造である。つまり、電池50aは、電極層10と、電極層10に対向して配置されており、対極活物質層22で構成される対極層23と、電極層10と対極層23との間に位置する固体電解質層30とを備える。電池50aは、さらに、電極層10と固体電解質層30との間に位置する絶縁層13を備える。
電池100では、複数の電池50aは、隣り合う電池50aのうちの、一方の集電体11と他方の対極活物質層22とが対面するように積層されている。これにより、集電体11の機能が隣り合う電池50aで共有される構造となる。また、集電体21は、最も上に積層されている電池50aの対極活物質層22上に積層されている。これにより、電池100は、直列積層型の電池となる。これにより、実施の形態1に係る電池50と同様の効果を発現する、直列積層型の高電圧の電池100を実現できる。
図12に示される例では、積層される電池50aの数は、5つであるが、2つ以上4つ以下であってもよく、6つ以上であってもよい。最も上に積層されている単電池である電池50bは、電池50aと集電体21とで構成され、実施の形態1に係る電池50と同じ積層構成及び形状である。
電池100の側面は、例えば、切断面である。また、電池100の側面は、平坦な平面である。言い換えると、複数の電池50a及び集電体21の側面は、面一である。電池100の側面において、各層が露出していてもよく、封止部材等が設けられていてもよい。図13は、本実施の形態に係る電池の別の例を示す概略断面図である。図13に示されるように、電池100aは、電池100の側面が封止部材60で覆われている構造を有する。つまり、電池100aを構成する各層の側面は、封止部材60で被覆されている。これにより、電池100aでは、各層の側面が露出することがなくなるため電池100aの強度が増加し、電池100aの信頼性が向上する。
電池100aの封止部材60は、例えば、電池100の側面が上方向に向くように電池100を置き、上方からディスペンサ等によって封止部材を側面に塗布することで形成される。封止部材60の材料としては、公知の電池(例えばリチウムイオン全固体電池)用の封止部材の材料が用いられうる。
[製造方法]
次に、本実施の形態に係る電池の製造方法について説明する。なお、以下で説明する電池100の製造方法は一例であり、電池100の製造方法は、以下の例に限らない。
電池100の製造方法は、電池50の製造方法と同様に、第1積層工程と、第2積層工程と、切断工程と、第3積層工程とを含む。以下、各工程について、詳細に説明する。
(1)第1積層工程
まず、第1積層工程について説明する。図14は、本実施の形態に係る電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。
第1積層工程では、まず、集電体11を複数準備する(図14のステップS21)。そして、準備した複数の集電体11それぞれの一方の面にのみ電極活物質層12を積層する(図14のステップS22)。そして、電極活物質層12の集電体11側とは反対側の面に絶縁層13を積層する(図14のステップS23)。ステップS21及びS22及びS23においては、上述のステップS11及びS12及びS13と同様の方法が用いられうる。これにより、例えば、図6A、図6B及び図6Cに示されるような、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11が複数得られる。
(2)第2積層工程
次に、第2積層工程について説明する。本実施の形態に係る製造方法においては、第2積層工程は、積層体形成工程と、積層体積層工程とを含む。積層体形成工程では、固体電解質層30が電極活物質層12と絶縁層13とを被覆するように、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された複数の集電体11それぞれに固体電解質層30及び対極活物質層22を積層する。これにより、集電体11上に発電要素部40を積層した複数の積層極板(例えば、図7A、図7B及び図7Cに示される積層極板41、41a又は41b)を形成する。具体的には、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された複数の集電体11のそれぞれに、固体電解質層30及び対極活物質層22の各層をこの順で、固体電解質層30が電極活物質層12と絶縁層13とを被覆するように積層する(図14のステップS24及びS25)。さらに、必要に応じて、ステップS24及びS25で積層された固体電解質層30及び対極活物質層22それぞれに高圧プレス処理を行う(図14のステップS26)。また、必要に応じて、ステップS24及びS25で積層された固体電解質層30及び対極活物質層22それぞれに熱処理を行う。高圧プレス処理及び熱処理は、第1積層工程におけるステップS22で積層された電極活物質層12にも行われてもよい。ステップS24、S25及びS26においては、上述のステップS14、S15及びS16と同様の方法が用いられうる。
次に、積層体積層工程では、平面視で、積層体形成工程で形成された複数の積層極板それぞれの絶縁層13の位置が重なるように、複数の積層極板を積層する(図14のステップS27)。これにより、複数の積層極板が積層された多層極板が形成される。図15は、本実施の形態に係る多層極板の例を示す概略断面図である。図15には、積層極板41が積層された多層極板45が示されている。図15に示されるように、積層体積層工程では、隣り合う積層極板41のうち一方の対極活物質層22が、他方の集電体11と対面するように、複数の積層極板41を積層する。例えば、積層された複数の積層極板41の積層方向両側からプレスするプレス処理を行うことにより、複数の積層極板41同士を接合し、多層極板45を形成する。多層極板45では、隣り合う積層極板41のうち、上側の積層極板41の集電体11と、下側の積層極板41の対極活物質層22とが接している。
積層極板41を形成する際に、電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22が高圧プレス処理されている場合には、多層極板45を形成する際には、プレス処理では、高圧のプレスは必要とされない。例えば、ステップS27において、積層極板41同士を接合させるためのプレス処理の圧力は、ステップS26における高圧プレス処理の圧力よりも低い。これにより、積層体形成工程において形成された界面を破壊することなく多層極板45を形成することができる。
(3)切断工程及び第3積層工程
次に、切断工程及び第3積層工程について説明する。切断工程では、多層極板45、つまり、第2積層工程において形成された複数の発電要素部40が積層された複数の集電体11を一括で、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に切断する(図14のステップS28)。図15に示されるように、例えば、絶縁層13が配置されている破線C5、C6、C7及びC8の位置で、刃又はレーザ光等によって多層極板45を切断する。破線C5、C6、C7及びC8の位置においては、複数の積層極板41が積層されており、これらを一括で切断する。このように、複数の積層極板41を一括で切断することにより、切断後の形状の単電池を製造してから積層する必要がないため、第1積層工程及び第2積層工程において集電体11上に発電要素部40を積層する回数が大幅に削減される。よって、効率的に積層型の電池を製造することができる。
次に、第3積層工程では、切断工程で切断された後の多層極板45における発電要素部40の集電体11とは反対側の面に、追加集電体として集電体21を積層する(図14のステップS29)。具体的には、切断された多層極板45において、複数の積層極板41のうち、発電要素部40の集電体11とは反対側の面に他の積層極板41が積層されていない積層極板41における発電要素部40の集電体11とは反対側の面に、プレス処理等によって集電体21を接合する。図15に示される例では、最も上に積層されている積層極板41における上面の露出した対極活物質層22上に、集電体21を接合する。これにより、図12で示される電池100が得られる。
なお、切断工程と第3積層工程とは、順序が入れ替わってもよい。つまり、切断工程において切断される前の多層極板45における発電要素部40の集電体11とは反対側の面に、集電体21を積層してから、集電体21が積層された多層極板45を、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に一括で切断してもよい。
このように、本実施の形態に係る電池の製造方法を用いることにより、直列積層型の高電圧の電池100を製造できる。
[変形例1]
以下では、実施の形態2の変形例1について説明する。なお、以下の実施の形態2の変形例1の説明において、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
本変形例に係る電池の製造方法について説明する。本変形例に係る電池の製造方法は、実施の形態2に係る電池の製造方法と比較して、集電体11の両面に電極活物質層12が積層される構造を有する多層極板を形成する点で相違する。
まず、第1積層工程において、集電体11の両面にそれぞれ電極活物質層12及び絶縁層13の両方を積層する。両面に積層される絶縁層13のそれぞれの位置は、平面視で同じである。集電体11に電極活物質層12及び絶縁層13を積層する方法は、上述のステップS11及びS12と同様の方法が用いられうる。例えば、図6A、図6B又は6Cに示される電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11の、電極活物質層12及び絶縁層13が積層されていない面にも、電極活物質層12及び絶縁層13が積層される。
次に、第2積層工程を行う。図16は、本変形例に係る積層極板の例を示す概略断面図である。図17は、本変形例に係る多層極板の例を示す概略断面図である。まず、両面に電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11の両面それぞれに、固体電解質層30が電極活物質層12及び絶縁層13を被覆するように、固体電解質層30及び対極活物質層22をこの順で積層塗工し、集電体11の両面に発電要素部40が積層された積層体を形成する。固体電解質層30及び対極活物質層22の積層において、集電体11の一方の面ごとに各層を順次積層塗工してもよく、集電体11の両面に同時に同じ層を積層塗工してもよい。そして、集電体25に、得られた積層体を積層することで、図16に示される積層極板43aが形成される。積層極板43aでは、固体電解質層30が電極活物質層12及び絶縁層13を被覆する被覆構造が形成されている。
積層極板43aの固体電解質層30及び対極活物質層22の積層においては、上述のステップS14及びS15と同様の方法が用いられうる。さらに、必要に応じて、積層された電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22それぞれにステップS16と同様の高圧プレス処理を行う。また、必要に応じて、積層された固体電解質層30及び対極活物質層22それぞれに熱処理を行う。
次に、図17に示されるように、複数の積層極板43aそれぞれの絶縁層13の位置が重なるように、複数の積層極板43aを積層する。この際、隣り合う積層極板43aのうち一方の対極活物質層22が、他方の集電体25と対面するように、複数の積層極板43aを積層する。積層された複数の積層極板43aを、積層方向の両側からプレス処理を行うことによって、複数の積層極板43aが接合され、多層極板47が形成される。
多層極板47は、集電体11と、発電要素部40と、集電体25とを積層している構造を有する。また、多層極板47は、固体電解質層30が電極活物質層12及び絶縁層13を被覆するように積層されている構造を有する2つの発電要素部40で集電体11を挟み、且つ、集電体11と集電体25とで、2つの発電要素部40のうちの一方を挟むように積層している構造を有する。詳細は後述するが、最上部に位置する2つの発電要素部40のうち他方の、集電体11とは反対側に、集電体21が積層される。
なお、本変形例において、多層極板47において、積層される複数の積層極板43aは、3つであるが、1つ以上2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。
第1積層工程及び第2積層工程における多層極板47の形成方法は上記の例に限らない。図18及び図19は、本変形例に係る絶縁層を有する積層極板の別の例を示す概略断面図である。本変形例に係る第1積層工程及び第2積層工程においては、例えば、図18に示される集電体11上に形成された電極活物質層12に積層された絶縁層13を有する積層極板43bと、図19に示される集電体11上に形成されていない電極活物質層12に積層された絶縁層13を有する積層極板43cとを形成してもよい。積層極板43bは、例えば、一方の面に電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11に、固体電解質層30及び対極活物質層22をこの順で積層塗工することにより形成する。具体的には、固体電解質層30が電極活物質層12と絶縁層13を被覆するように、電極活物質層12及び絶縁層13が積層された集電体11の一方の面に固体電解質層30及び対極活物質層22を積層する。積層極板43bでは、固体電解質層30が電極活物質層12及び絶縁層13を被覆する被覆構造が形成されている。
また、積層極板43cの形成では、例えば、まず、樹脂フィルム等の基体を準備し、基体の一方の面に、電極活物質層12、絶縁層13、固体電解質層30及び対極活物質層22をこの順で積層塗工することで、発電要素部40を形成する。そして、形成した発電要素部40の対極活物質層22上に、集電体11と平面視形状が同じである集電体25を積層し、基体を取り外すことにより、積層極板43cを形成する。
積層極板43b及び積層極板43cの発電要素部40の積層においては、上述のステップS12、S13、S14及びS15と同様の方法が用いられうる。さらに、必要に応じて、積層された電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22それぞれに高圧プレス処理を行う。また、必要に応じて、積層された電極活物質層12、固体電解質層30及び対極活物質層22それぞれに熱処理を行う。
次に、得られた積層極板43a及び積層極板43cを用いて、積層極板43bの集電体11が、積層極板43cの電極活物質層と対面するように、積層極板43aと積層極板43bとを交互に積層することで、図17に示される多層極板47を形成する。多層極板47の形成においては、平面視で、積層極板43b及び積層極板43cのそれぞれの絶縁層13の位置が重なるように、積層極板43bと積層極板43cとを交互に積層する。積層された積層極板43bと積層極板43cとを、積層方向の両側からプレス処理を行うことによって、積層極板43bと積層極板43cとが接合され、多層極板47が形成される。
なお、積層極板43bと積層極板43cとを交互に積層する場合にように、複数種類の積層極板を組み合わせて積層する場合、積層構成は、積層極板43bと積層極板43cとの構成に限らない。積層極板は、組み合わせて積層することで多層極板47が形成できる構成であれば、どのような積層構成であってもよい。また、3つ以上の積層極板に分けて積層極板を形成してもよい。
次に、切断工程を行う。切断工程では、多層極板47、つまり、第1積層工程及び第2積層工程において積層された発電要素部40、集電体11及び集電体25を一括で、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に切断する。図17に示されるように、例えば、絶縁層13が配置されている破線C9、C10、C11及びC12の位置で、多層極板47を刃又はレーザ光等によって切断する。破線C9、C10、C11及びC12の位置においては、複数の積層極板43aが積層されており、これらを一括で切断する。
次に、第3積層工程を行う。第3積層工程では、切断工程で切断された後の多層極板47における発電要素部40の集電体11が積層されていない面に、追加集電体として集電体21を積層する。具体的には、切断された多層極板47において、複数の積層極板43aのうち、最上部又は最下部に積層されている発電要素部40の露出している面に、プレス処理等によって集電体21を接合する。図20は、本変形例に係る電池の例を示す概略断面図である。このような第3積層工程を経て、図20で示される電池102が得られる。
なお、切断工程と第3積層工程とは、順序が入れ替わってもよい。
図20に示されるように、電池102は、複数の電池50cと集電体21とを備える。電池50cは、集電体25と、集電体25の上方に位置し、対向して配置される2つの対極活物質層22と、2つの対極活物質層22の間に位置し、対向して配置される2つの固体電解質層30と、2つの固体電解質層30の間に位置し、対向して配置される2つの電極活物質層12と、2つの電極活物質層12の間に位置する集電体11と、電極活物質層12と固体電解質層30との間に位置し、且つ、平面視における電極活物質層12の端部に積層された2つの絶縁層13とを備える。
電池102では、複数の電池50cは、隣り合う電池50cのうちの、一方の集電体25と他方の対極活物質層22とが対面するように積層されている。これにより、集電体25の機能が隣り合う電池50cで共有される構造となる。また、集電体21は、最も上に積層されている電池50cの対極活物質層22上に積層されている。電池102は、集電体11の両面に電極活物質層12が積層され、集電体25の両面に対極活物質層22が積層される構造を有する。これにより、電池102は、並列積層型の電池となる。電流を取り出すために、集電体21と集電体25とがリード等によって電気的に接続され、集電体11同士がリード等によって電気的に接続されることで、並列積層電池として機能する。図20に示される例では、積層される電池50cの数は、3つであるが、1つ以上2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。
電池50cにおいて、上側に位置する集電体21、対極活物質層22、固体電解質層30、絶縁層13、電極活物質層12及び集電体11とで構成される部分は、実施の形態1に係る電池50と同じ積層構成及び形状である。
電池102の側面は、上述の製造方法によって形成された切断面である。また、複数の電池50b及び集電体21の側面は面一である。つまり、電池102の側面には、平坦な1つの平面が形成されている。電池102の側面において、各層が露出していてもよく、封止部材等が設けられていてもよい。
図21は、本変形例に係る電池の別の例を示す概略断面図である。図21に示されるように、電池102aは、電池102の側面が封止部材60a及び60bで被覆されている構造を有する。封止部材60aが被覆する電池102の側面と封止部材60bが被覆する電池102の側面は、対向して配置されている側面である。電池102の側面を被覆している。また、電池102aにおいては、電池102aの側面の全面が封止部材60a又は60bで覆われていない。例えば、上述のように電気を取り出すためのリードを接続するために、封止部材60aは、集電体25が露出している部分を被覆しておらず、封止部材60bは、集電体11が露出している部分を被覆していない。
このように、本変形例に係る電池の製造方法を用いることにより、実施の形態1に係る電池50と同様の効果を発現する、並列積層型の高容量の電池102を製造できる。
(実施の形態3)
以下では、実施の形態3について説明する。なお、以下の実施の形態3の説明において、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図22は、本実施の形態に係る電池の概略構成を示す断面図である。図22に示されるように、電池104は、実施の形態1に係る電池50を複数備え、複数の電池50が積層された構造を有する。複数の電池50は、積層方向に隣り合う電池50の一方の電極層10と他方の対極層20とが対面するように積層されている。つまり、電池104は、直列積層型の電池である。これにより、実施の形態1に係る電池50を用いて、高電圧の電池104を実現できる。
電池104の側面は、平坦な平面であり、言い換えると、複数の電池50それぞれの側面は面一である。なお、複数の電池50は、リード等を接続するために、積層方向と垂直な方向にずれて積層されていてもよい。
電池104は、例えば、積層方向に隣り合う電池50の一方の電極層10と他方の対極層20とが対面するように、複数の電池50を積層することで製造される。また、切断される前の積層極板41(図7A参照)において、発電要素部40の集電体11とは反対側に、集電体21を積層し、集電体21が積層された積層極板41を複数積層してから、絶縁層13を分割する位置で、積層方向に切断することで電池104が製造されてもよい。
なお、電池50が積層される場合に、2つの集電体11及び21が隣り合う構造となっているが、隣り合う集電体11及び21のうち、一方が無い電池であってもよい。
また、図23は、本実施の形態に係る電池の別の例の概略構成を示す断面図である。図23に示されるように、電池105は、実施の形態1の変形例1に係る電池51を複数備え、複数の電池51が積層された構造を有する。複数の電池51は、積層方向に隣り合う電池51の一方の電極層10aと他方の対極層20aとが対面するように積層されている。つまり、電池105は、直列積層型の電池である。これにより、実施の形態1の変形例1に係る電池51を用いて、高電圧の電池105を実現できる。
電池104及び電池105は、直列積層型の電池であるが、隣り合う単電池の電極層同士又は対極層同士が対面するように積層された構造を有する並列積層型の電池であってもよい。並列積層型の電池においては、高容量の電池を実現できる。
このように単電池である電池50又は電池51を積層することで、電池50又は電池51と同様の効果を発現できる、高容量又は高電圧の電池を実現できる。
(他の実施の形態)
以上、本開示に係る電池及びその製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
上記実施の形態では、電池は、集電体、電極活物質層、絶縁層、固体電解質層及び対極活物質層で構成されていたが、これに限らない。例えば、電池特性が許容される範囲で、電気抵抗の低減及び接合強度の向上等のための接合層等が電池の各層の間に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、電池は、平面視における電極活物質層の端部において、電極活物質層と固体電解質層との間に位置する絶縁層を備えたが、さらに、平面視における対極活物質層の端部において、対極活物質層と固体電解質層との間に位置する第2の絶縁層を備えてもよい。この場合、平面視における、対極活物質層の外周からの第2の絶縁層の長さが、電極活物質層の外周からの絶縁層の長さよりも短くてもよい。これにより、対極活物質層側の固体電解質層の端部が剥離した場合であっても、対極活物質層の露出が抑制されるとともに、平面視で第2の絶縁層の方が絶縁層よりも狭くなるため、電極活物質層の面積が対極活物質層の面積よりも実質的に小さくなる効果も得られる。
また、上記実施の形態では、絶縁層は、平面視において、電極層の外周部に位置し、枠状であったが、これに限らない。例えば、電池において、平面視における電極層の外周部のうち、絶縁層が設けられていない領域が存在してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、絶縁層の内側の側面は、固体電解質層と接していたが、これに限らない。絶縁層の内側の側面の少なくとも一部は、電極活物質層と接していてもよい。例えば、高圧プレス処理の圧力等を調整することで、絶縁層の一部が電極活物質層に埋め込まれ、絶縁層の内側の側面の少なくとも一部が電極活物質層と接する電池が製造される。また、例えば、固体電解質層上に絶縁層を積層した後、固体電解質層及び絶縁層を被覆するように電極活物質層を積層することで、絶縁層の内側の側面が電極活物質層と接する電池が製造される。
また、例えば、上記実施の形態において、電池を筐体又は基板等で囲み、筐体又は基板の一部が集電体として機能する場合には、電池の対極活物質層側の集電体が備えられていなくてもよい。言い換えると、対極層は、対極活物質層から構成されていてもよい。
また、上記実施の形態において、集電体、電極活物質層、固体電解質層及び対極活物質層が平面視で同じ形状及び位置であったが、これに限らない。集電体、電極活物質層、固体電解質層及び対極活物質層の少なくとも1つが、平面視で異なる形状又は位置であってもよい。例えば、集電体は、平面視で電極活物質層の端部から突出する、リード等と接続されるための端子部を有していてもよい。言い換えると、集電体は、平面視で電極活物質層の外側に配置される領域を有していてもよい。
また、上記実施の形態では、第2積層工程において、発電要素部は、固体電解質層及び対極活物質層が、電極活物質層及び絶縁層が積層された集電体に順次積層されることによって形成されていたが、これに限らない。例えば、第2積層工程において、固体電解質層及び対極活物質層を、シート状の基体上に順次積層することによって形成し、形成された固体電解質層及び対極活物質層を基体から取り外して電極活物質層及び絶縁層が積層された集電体に積層してもよい。
また、上記の実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。