以下、図面を参照しながら本開示について、以下の順に従って説明する。
A.前提とするシステム
B.衛星受信局を使用したシステム構成
C.第1の実施例
C-1.通信シーケンス例
C-2.装置構成
C-3.フレーム構成
C-4.端末の処理動作
C-5.衛星受信局の処理動作
D.第2の実施例
D-1.フレーム構成例
D-2.フレーム受信情報フレームの受信動作
E.第3の実施例
E-1.通信シーケンス例
E-2.フレーム構成例
E-3.衛星受信局の処理動作
F.第4の実施例
F-1.通信シーケンス例
F-2.フレーム構成例
F-3.隣接衛星受信局情報リスト
G.第5の実施例
G-1.通信シーケンス例
G-2.フレーム構成例
G-3.衛星受信局の処理動作
H.効果
I.第6の実施例
I-1.システム構成
I-2.通信シーケンス例
I-3.装置構成
I-4.フレーム構成例
I-5.端末の処理動作
I-6.衛星受信局の処理動作
I-7.効果
A.前提とするシステム
無線通信システムにおいて、受信局は、端末が送信したデータを復調するためには、変調方式、変調レート、符号、暗号鍵といった復調に必要な情報や、データ送信に使用する無線リソース(時刻・周波数)を、端末毎に知っている必要がある。
LTE(Long Term Evolution)のような双方向通信が可能な無線通信システムでは、データ送信前に端末と受信局間で必要な情報を交換するシグナリングを行うことで、受信局は端末にデータを送信する無線リソース(時刻・周波数)を指定し、それ以降は指定した無線リソース(時刻・周波数)で送信されているデータ内に格納されている変調方式や変調レートを用いて復調を行うことができる。
これに対し、IoT向けの無線通信方式であるLPWAでは、シグナリングを行うことは端末の消費電力の観点から望ましくない。また、端末から受信局への一方向通信しかサポートされていない場合には、シグナリングは成立しない。そこで、LPWA無線通信システムにおいて、端末がデータ送信に使用する無線リソースを受信局側で把握する方法について考察する。
図1には、LPWA無線通信システムの構成例を模式的に示している。同図に示す例では、システムは、受信局と複数の端末で構成される。端末は、搭載するセンサーなどでセンシングした情報を定期的に送信する送信機である。受信局は、端末が送信したデータを受信し、復調処理を行う。また、受信局は、必要に応じて復調結果(ユーザデータ)をクラウド上のアプリケーションサーバ(図示しない)に送信する。図1に示す無線通信システムでは、システム内(受信局と各端末間)で時刻同期していることを前提とする。時刻同期する方法としてGPS情報を用いることなどが考えられる。
図2には、図1に示したシステム内での端末と受信局間の通信シーケンス例を示している。
まず、端末は、自身のIDを通知するため、通知フレームを送信する(SEQ201)。通知フレームの送信には、あらかじめシステム内で通知フレーム送信用に割り当てられている無線リソース(時刻・周波数)の中からランダムに選択したものを用いる。
受信局は、通知フレーム送信用の無線リソースに対して、通知フレームの受信及び復調処理を実行する(SEQ202)。そして、受信局は、復調処理に成功した場合には、通知フレームから取得したIDを受信対象端末リストに登録する(SEQ203)。
端末は、あらかじめシステム内で決められた規則(後述)に基づいて、自分のIDを用いてもデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、データフレームを生成し送信する(SEQ204)。
ここでは、通知フレーム送信からデータフレーム送信までの時間は十分に短く、次に送信されるデータフレームは同一衛星受信局で受信できると仮定する。
受信局は、自分の受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末と同じ規則に基づいて、端末のIDから端末がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームを受信し復調する(SEQ205)。また、受信局は、必要に応じて復調結果(ユーザデータ)をクラウド上のアプリケーションサーバ(図示しない)に送信する。
図3には、図1に示したシステムにおいて端末として動作する通信装置100(以下、端末100とする)の機能的構成例を示している。図示の端末100は、無線通信部101と、無線制御部102と、フレーム生成部103と、センサー104と、無線資源決定部105と、記憶部106を備えている。なお、受信局が地上局又は衛星受信局のいずれであっても、端末100の機能的構成は同一でよい。
無線通信部101は、無線信号の送信を行う。無線通信部101は、無線制御部102からの制御により、フレーム生成部103で生成されたフレームを無線信号に変換して送信する。
無線制御部102は、無線資源決定部105から得られる送信時刻及び送信周波数でフレームを送信するように、無線通信部101を制御する。
フレーム生成部103は、端末100が送信するフレームを生成する。フレーム生成部103は、フレーム生成に必要なプリアンブル、同期情報、及びスクランブルパターンを、無線資源決定部105から取得する。また、フレーム生成部103は、フレームのペイロードに、例えばセンサー部104が取得したセンサー情報を記載する。
センサー104は、端末100の外部又は内部情報を取得するセンサーであり、例えば温度センサーや加速度センサーなどである。
無線資源決定部105は、記憶部106から得た端末100自身のID及び初期値を用いて、フレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)や、フレーム生成に必要なフレーム生成に必要なプリアンブル、同期情報、及びスクランブルパターンを生成する。
記憶部106は、無線資源を決定するために必要な情報である端末100自身のIDと初期値を保持する。もちろん、記憶部106はその他の情報を保持していてもよい。
図4には、図1に示したシステムにおいて受信局として動作する通信装置200(以下、受信局200とする)の機能的構成例を示している。図示の受信局200は、無線通信部201と、無線制御部202と、フレーム検出・復調部203と、無線資源決定部204と、記憶部205を備えている。図示の受信局200は、地上に設置された地上局を想定している。
無線通信部201は、無線信号の受信を行う。無線通信部201は、無線制御部202からの制御により、電波を受信し、無線信号へと変換し、フレーム検出・復調部203へ渡す。
無線制御部202は、無線資源決定部204から得られる受信時刻及び受信周波数でフレームを受信するように、無線通信部201を制御する。
フレーム検出・復調部203は、受信信号からフレームを検出し復調する。具体的には、フレーム検出・復調部203は、無線資源決定部204から取得したプリアンブル、同期情報、及びスクランブルパターンから既知パターンを生成し、受信信号と既知パターンとの相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にフレームを検出したと判定する。そして、フレーム検出・復調部203は、フレーム検出に成功した場合に、受信信号からフレームに該当する部分の信号を取り出し、スクランブルを解除した後、ペイロードを取り出し、誤り訂正符号の復号化処理、CRC(CyclicRedundancy Code)を用いた誤り検出を行う。フレーム検出・復調部203は、フレームの復調に成功した場合、復調されたデータを上位層(図示しない)に通知する。
無線資源決定部204は、記憶部205から得た端末100のID及び初期値を用いて、端末100がフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)や、フレーム復調に必要なプリアンブル、同期情報、及びスクランブルパターンを生成する。
記憶部205は、無線資源を決定するために必要な情報である端末100のIDと初期値を保持する。また、記憶部205は、受信局200が受信対象とする端末100のIDを保持した受信対象端末リストを保持する。
図5には、図1に示したシステム内で使用されるフレームの構成例を示している。フレームは、ID、DATA、及びCRCの各フィールドを含む。端末から送信される通知フレーム及びデータフレームはともに、図5に示したフレーム構成であるものとする。
IDフィールドには、送信元である端末100の固有の識別子であるIDが格納される。DATAフィールドには、送信データが格納される。データフレームの場合には、センサー104から取得したデータなどが格納される。通知フレームの場合には、通知フレーム送信からデータフレーム送信までの送信間隔や、定期的に送信されるデータフレームの送信間隔などが格納される。CRCフィールドには、IDフィールドとDATAフィールドに格納された情報に対して計算したCRC値が格納される。受信側では、CRC値を用いて復調成功判定が行われる。
上記のID、DATA、及びCRCを連結した系列に対して、誤り訂正(Forward Error Correction:FEC)符号化や順番の並べ替え(インタリーブ)を行って、ペイロードを生成する。さらにペイロードの先頭に、フレーム検出と同期獲得に使用する既知パターンであるプリアンブルと同期情報を連結した後、ビット毎にスクランブルパターンとの排他的論理和(XOR)をとることによって、フレームが生成される。
フレーム送信に用いる無線リソース(時刻・周波数)、フレーム生成に必要なプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンの生成方法について、図6を参照しながら説明する。
システム内には、フレーム送信に用いる無線リソース(時刻・周波数)、フレーム生成に必要なプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンの生成方法をそれぞれ決定するための各規則1~4が、あらかじめ決定されている。フレーム送信に用いる時刻(Time)は、規則1に時刻算出用の2つの初期値Seed(T)-1とSeed(T)-2を入力することで決定される。フレーム送信に用いる周波数(Freq)は、規則2に周波数算出用の2つの初期値Seed(F)-1とSeed(F)-2を入力することで決定される。プリアンブル及び同期情報(Preamble/Sync)は、規則3にプリアンブル及び同期情報算出用の2つの初期値Seed(P)-1とSeed(P)-2を入力することで決定される。スクランブルパターンは、規則4にスクランブルパターン用の2つの初期値Seed(S)-1とSeed(S)-2を入力することで決定される。
各初期値は、あらかじめシステム内で決まっており、端末100内の記憶部106及び受信局200内の記憶部205にそれぞれ保持されている。データフレーム送信時には、各2つ目の初期値(Seed(T)-2、Seed(F)-2、Seed(P)-2、Seed(S)-2)に、データフレームの送信元の端末100の固有の識別子であるIDをそれぞれ入力する。一方、通知フレーム送信時には、各2つ目の初期値(Seed(T)-2、Seed(F)-2、Seed(P)-2、Seed(S)-2)に、あらかじめ通知フレーム用に割り当てられているいくつかの初期値からランダムに選択し、入力される。
この方法を用いることで、端末100から受信局200へ端末IDを通知するだけで、フレーム送信に用いる無線リソース(時刻・周波数)及びフレーム復調に必要な情報を得ることができる。
B.衛星受信局を使用したシステム構成
図7には、衛星受信局を使用したLPWA無線通信システムの構成例を模式的に示している。同図に示す例では、地上に設置された複数の受信局(以下、「地上局」とする)と、地球上を周回する複数の衛星受信局(以下、単に「衛星受信局」とも言う)と、地上に散在する無数の端末で構成される。システム内では、すべての端末及び受信局が時刻同期していることを前提とする。時刻同期する方法としてGPS情報を用いることなどが考えられる。なお、各衛星受信局は、例えば、極近傍の上空を通過する極軌道に近く、衛星の軌道面に入射する太陽からの光の角度が同じになり、赤道を常に同じ現地時間で通過する太陽同期軌道で地球上を周回する。
端末は、搭載するセンサーなどでセンシングした情報を定期的に送信する送信機である。衛星受信局は、端末が送信したデータを受信し、復調処理を行う。また、衛星受信局は、必要に応じて復調結果(ユーザデータ)をクラウド上のアプリケーションサーバ(図示しない)に送信する。また、衛星受信局は衛星間通信を可能とする。衛星受信局間の通信方式は限定されないが、常時接続及び高速通信であることが望ましい。地上局は衛星受信局と通信を行う送受信機である。衛星受信局と地上局間の通信方式は限定されないが、高速通信であることが望ましい。
地上受信局の場合、端末が静止端末又は移動範囲が狭い場合、端末が送信したデータ(電波)を受信可能な受信局は常に同じである。よって、端末は電源オンしたときとそれ以降は数日に1回程度の低頻度で通知フレームを送信すれば問題ない。
一方、低軌道衛星は衛星軌道上を毎秒数kmの速さで移動し続けているので、端末が送信したデータを受信可能な受信局は固定されない。例えば、ある端末が通知フレームを送信したときに衛星受信局701が受信可能である場合、その端末が位置する場所が衛星受信局701の受信可能範囲711である間は、衛星受信局701はその端末が送信したデータフレームを受信し復調することができる。一方、時間が経過し、その端末が位置する場所が衛星受信局701の受信可能範囲711から外れ、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局702の受信可能範囲712となった場合には、衛星受信局701はその端末が送信したデータフレームを受信し復調することができない。
但し、図7に示す例では、衛星軌道上で隣接する衛星受信局701と衛星受信局702のそれぞれの受信可能範囲711と受信可能範囲712が重複しないようなネットワーク設計であるとする。衛星受信局701と衛星受信局702は、例えば同一軌道を周回しているが、隣接軌道を周回していてもよい。
図8には、衛星軌道上で隣接する衛星受信局701及び衛星受信局702と端末801間の通信シーケンス例を示している。衛星受信局701と衛星受信局702は、それぞれ衛星軌道上を毎秒数kmの速さで移動し続けているので、端末801が位置する場所が衛星受信局701の受信可能範囲711となる時間帯と、衛星受信局701の受信可能範囲711から外れて衛星受信局702の受信可能範囲712となる時間帯がある。
まず、端末801は、自身のIDを通知するため、通知フレームを送信(ブロードキャスト)する(SEQ801)。通知フレームの送信には、あらかじめシステム内で通知フレーム送信用に割り当てられている無線リソース(時刻・周波数)を用いる。この時点で、端末801は衛星受信局701の受信可能範囲711にいる。したがって、衛星受信局701は、通知フレーム送信用の無線リソースに対して、通知フレームの受信及び復調処理を実行して(SEQ811)、通知フレームから取得したIDを受信対象端末リストに登録する(SEQ812)。一方、端末801からの通知フレームは衛星受信局702には届かないので、衛星受信局702は、端末801のIDを受信対象端末リストに登録しない。
次いで、端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDからデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、データフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ802)。
衛星受信局701は、受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームを受信し復調する(SEQ813)。
さらに、端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDから次のデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、次のデータフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ803)。
衛星受信局701は、受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームの受信及び復調処理を試みる(SEQ814)。しかしながら、端末801が位置する場所が受信可能範囲711から外れて衛星受信局702の受信可能範囲712となっているため、端末801からのデータフレームの復調処理に失敗する。また、端末801からのデータフレームは衛星受信局702に届くが、衛星受信局702は、端末801のIDを受信対象端末リストに登録していないので、端末801からのデータフレームの受信・復調処理を行わない。
図8に示したような、各衛星受信局の衛星軌道上の移動により端末のデータフレームをいずれの衛星受信局も受信できなくなるという事態を回避するために、端末が高頻度で通知フレームを送信すればよいが、端末の消費電力の観点、及び無線リソースの利用効率の観点から望ましくない。また、衛星受信局が受信可能領域から外れた端末に対して受信・復調処理を実行するのは、衛星受信局のリソース使用効率の観点から望ましくない。
そこで、本開示では、衛星受信局が衛星軌道上を移動することを考慮することで、端末が通知フレームを高頻度で送信しなくても、端末がデータフレーム送信時にその端末が位置する場所を受信可能範囲とする衛星受信局がその端末を受信対象とする方法について提案する。
C.第1の実施例
第1の実施例として、図7に示したようなシステム構成において、複数の衛星受信局間でフレーム受信情報を共有して、端末が位置する場所を受信可能範囲とする衛星受信局がその端末を受信対象とする方法について説明する。
C-1.通信シーケンス例
図9には、本開示に係る方法を適用する場合の衛星受信局701及び衛星受信局702と端末801間の通信シーケンス例を示している。衛星受信局701と衛星受信局702は、それぞれ衛星軌道上を毎秒数kmの速さで移動し続けているので、端末801が位置する場所が衛星受信局701の受信可能範囲711となる時間帯と、衛星受信局701の受信可能範囲711から外れて衛星受信局702の受信可能範囲712となる時間帯がある。
まず、端末801は、自身のIDを通知するため、通知フレームを送信(ブロードキャスト)する(SEQ901)。端末801は、通知フレームの送信には、あらかじめシステム内で通知フレーム送信用に割り当てられている無線リソース(時刻・周波数)を用いる。
この時点で、端末801は衛星受信局701の受信可能範囲711にいる。したがって、衛星受信局701は、通知フレーム送信用の無線リソースに対して、通知フレームの受信及び復調処理を実行して(SEQ911)、通知フレームから取得したIDを受信対象端末リストに登録する(SE912)。
そして、衛星受信局701は、端末801から受信した通知フレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続に位置する衛星受信局702に送信する(SEQ913)。フレーム受信情報は、通知フレームの送信元の端末ID、データ送信間隔、通知フレームの受信時に測定した周波数誤差推定結果及び伝搬遅延推定結果を含む。衛星受信局が通知フレームを受信する処理手順については後述する(図13を参照されたい)。
一方、端末801からの通知フレームは衛星受信局702には届かないので、衛星受信局702は、端末801のIDを受信対象端末リストに登録しない。また、衛星受信局702は、同じ衛星軌道上の前方に位置する衛星受信局701から受信したフレーム受信情報に基づいて、端末801を自身の受信対象端末リストに登録すべきか否かを判定する(SEQ921)。衛星受信局がフレーム受信情報フレームを受信する処理手順並びに具体的な判定条件については後述する(図15を参照されたい)。図9に示す通信シーケンス例では、端末801が次にデータフレームを送信するタイミングではまだ端末801が位置する場所が受信可能範囲712の外であることなど、判定条件を満たしていないことから、衛星受信局702は端末801を受信対象端末リストに登録しない。
次いで、端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDからデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、データフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ902)。
衛星受信局701は、受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームを受信し復調する(SEQ914)。そして、衛星受信局701は、端末801から受信したデータフレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続に位置する衛星受信局702に送信する(SEQ915)。衛星受信局がデータフレームを受信する処理手順については後述する(図14を参照されたい)。
衛星受信局702は、同じ衛星軌道上の前方に位置する衛星受信局701から受信したフレーム受信情報に基づいて、端末801を自身の受信対象端末リストに登録すべきか否かを判定する(SEQ922)。ここでは、端末801が位置する場所が次のデータフレームの送信タイミングでは受信可能範囲712内であるなど、判定条件を満たすことから、衛星受信局702は端末801を受信対象端末リストに登録する。
さらに、端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDから次のデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、次のデータフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ903)。
衛星受信局701は、受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームの受信及び復調処理を試みる(SEQ916)。しかしながら、端末801が位置する場所が受信可能範囲711から外れて衛星受信局702の受信可能範囲712となっているため、端末801からのデータフレームの復調処理に失敗する。
また、端末801からのデータフレームは衛星受信局702に届く。衛星受信局702は、端末801から受信したフレーム受信情報に基づいて端末801のIDを自身の受信対象端末リストに登録しているので、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームの受信及び復調処理を試みる。そして、端末801が位置する場所が受信可能範囲712内であることから、衛星受信局702は端末801からのデータフレームの復調処理に成功する(SEQ924)。
C-2.装置構成
フレーム受信情報を共有するシステムでも、端末の構成は図3と同じでよいので、このC項では端末の構成についての説明を省略する。
図10には、フレーム受信情報を共有するシステムにおける衛星受信局1000の機能的構成例を示している。衛星受信局1000は、図7に示した衛星軌道のいずれかで地球上を周回する低軌道衛星に搭載して用いられる。衛星受信局1000は、LPWA部1200と衛星間通信部1300を備えている。
LPWA部1200は、地上の端末が送信したフレームを受信する。LPWA部1200は、図4に示した受信局200と同一の構成要素については図4と同じ参照番号を付けている。LPWA部1200内はさらに対象端末判定部206を備えている。対象端末判定部206は、同じ衛星軌道上の前方にいる衛星受信局から受信したフレーム受信情報に基づいて、該当端末を自身の受信対象端末リストに登録すべきか否かを判定する。また、フレーム検出・復調部203は、受信した通知フレーム又はデータフレームの送信元の端末ID、フレーム送信間隔、通知フレームの受信時に測定した周波数誤差推定結果及び伝搬遅延推定結果を、衛星間通信部1300側のフレーム生成部1303に出力する。
衛星間通信部1300は、無線通信部1301と、無線制御部1302と、フレーム生成部1303と、フレーム検出・復調部1304を備えている。
無線通信部1301は、無線信号の送受信を行う。無線通信部1301は、無線制御部1302からの制御により、電波を受信し、無線信号へ変換し、フレーム検出・復調部1304に渡す。また、無線通信部1301は、無線制御部1302からの制御により、フレーム生成部1303で生成されたフレームを無線信号に変換し、送信する。
無線制御部1302は、衛星受信局間でフレームを送受信できるように、無線通信部1301を制御する。
フレーム生成部1303は、LPWA部1200側のフレーム検出・復調部203から取得したフレーム受信情報をデータに格納して、所定のフォーマットに応じたフレームを生成する。
フレーム検出・復調部1304は、無線通信部1301の受信信号からフレームを検出し復調する。フレーム検出・復調部1304は、フレームの復調に成功した場合、受信したデータすなわちフレーム受信情報を対象端末判定部206に渡す。
C-3.フレーム構成
この項では、本開示に係るLPWA無線通信システムで使用されるフレーム構成について説明する。但し、端末から衛星受信局に送信される通知フレーム及びデータフレームは、図5に示したフレーム構成と同じなので、ここでは詳細な説明を省略する。
図11には、フレーム受信情報フレームのデータ部分のフレーム構成例を示している。データ部分以外のフォーマットは、使用する通信方式に応じたものとする。フレーム受信情報フレームは、衛星受信局が端末から受信したフレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局に通知するフレームである。
nSTAフィールドには、データ部分に格納されているフレーム受信情報(Frame Rx Info)の個数が格納される。nSTAフィールドの後に、nSTAフィールドに記載された個数分のFrame Rx Infoフィールドが続く。各Frame Rx Infoフィールドには各端末から受信したフレームに関するフレーム受信情報が格納される。図11に示すフレーム構成例では、nSTAフィールドには値nを示す情報が格納され、n個のFrame Rx Infoフィールドが格納されている。
各Frame Rx Infoフィールドは、IDフィールドと、Ftypeフィールドと、Freq.Errorフィールドと、Propagation Delayフィールドと、Data Tx Intervalフィールドと、Next Data Tx Intervalフィールドをそれぞれ含む。
IDフィールドには、受信したフレームの送信元の端末のID(端末ID)が格納される。Ftypeフィールドには、受信したフレームの種類を示す値が格納される。具体的には、Ftypeフィールドに格納された値が0のときには通知フレームを示し、1のときにはデータフレームを示す。Freq.Errorフィールドには、受信したフレームの周波数誤差推定結果が格納される。Propagation Delayフィールドには、受信したフレームの伝搬遅延推定結果が格納される。Data Tx Intervalフィールドには、データフレーム送信間隔が格納される。Next Data Tx Intervalフィールドには次のデータフレームが送信されるまでの時間が格納される。Ftypeが0、つまり通知フレームを受信したときのみ、Next Data Tx Intervalフィールドが付加される。
C-4.端末の処理動作
図12には、端末が行う処理動作をフローチャートの形式で示している。
端末は、まず電源オン直後又は前回通知フレームを送信してからα時間経過したか否かを判定する(ステップS1201)。通知フレームの送信間隔αはあらかじめ設定されているものとする。
電源オン直後又は前回通知フレームを送信してからα時間経過すると(ステップS1201のYes)、端末は通知フレームの送信処理を実行する。
通知フレームを送信する場合、端末は、まず、通知フレームの送信に使用する無線リソース(時刻、周波数)、フレーム生成に必要なプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンなどの情報を、上述した規則1~4に基づいて算出する(ステップS1202)。
次いで、端末は、ステップS1202で算出したプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンを用いて、通知フレームを生成する(ステップS1203)。
次いで、端末は、ステップS1202で算出した送信時刻になったか否かを判定する(ステップS1204)。そして、通知フレームの送信時刻が到来すると(ステップS1204のYes)、端末は、ステップS1202で算出した送信周波数を用いて、ステップS1203で生成した通知フレームを送信する(ステップS1205)。
一方、電源オン直後又は前回通知フレームを送信してからα時間経過していない場合(ステップS1201のNo)、並びに通知フレームを送信した後に、端末は、前回データフレームを送信してからβ時間経過したか否かを判定する(ステップS1206)。
前回データフレームを送信してからβ時間経過した場合(ステップS1206のYes)、端末は、データフレームの送信に使用する無線リソース(時刻・周波数)、フレーム生成に必要なプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンなどの情報を、規則1~4に基づいて算出する(ステップS1207)。
次いで、端末は、ステップS1207で算出したプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンを用いて、データフレームを生成する(ステップS1208)。
次いで、端末は、ステップS1207で算出した送信時刻になったか否かを判定する(ステップS1209)。そして、送信時刻が到来すると(ステップS1209のYes)、端末は、ステップS1207で算出した送信周波数を用いて、ステップS1208で生成したデータフレームを送信する(ステップS1210)。
前回データフレームを送信してからβ時間経過していない場合(ステップS1206のNo)、並びにデータフレームを送信した後に、ステップS1201に戻り、端末は通知フレームの送信を繰り返し実行する。
C-5.衛星受信局の処理動作
本開示では、衛星受信局は、通知フレームの受信処理とデータフレームの受信処理、フレーム受信情報フレームの送受信処理を並行して実施可能であるとする。
図13には、衛星受信局が通知フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、受信対象端末リストを参照して、登録されている端末から通知フレームを受信する無線リソース(時刻・周波数)及び通知フレーム復調に必要な情報を、上述した規則1~4に基づいて算出する(ステップS1301)。
次いで、衛星受信局は、ステップS1301で算出した通知フレーム受信時刻になったか否かを判定する(ステップS1302)。通知フレーム受信時刻が到来すると(ステップS1302のYes)、衛星受信局は、ステップS1301で算出したプリアンブル及び同期情報を用いて該当端末からの通知フレームを検出し(ステップS1303)、ステップS1301で算出したスクランブルパターンを用いて受信した通知フレームを復調する(ステップS1304)。そして、衛星受信局は、通知フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS1305)。
ここで、通知フレームの復調に成功した場合には(ステップS1305のYes)、衛星受信局は、受信した通知フレームに格納されている端末ID、データ送信間隔などの情報を、受信対象端末リストに登録する(ステップS1306)。
次いで、衛星受信局は、通知フレームに格納されている端末ID、データ送信間隔、及びステップS1303~S1304で通知フレームを検出及び復調処理する際に算出した周波数誤差推定結果及び伝搬遅延推定結果、さらには通知フレーム送信からデータフレーム送信までの送信間隔を用いて、フレーム受信情報フレームを生成する(ステップS1307)。
その後、衛星受信局は、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局に、フレーム受信情報フレームを送信する(ステップS1308)。
一方、通知フレームの復調に失敗した場合には(ステップS1305のNo)、衛星受信局は、受信対象端末リストへの登録、フレーム受信情報フレームの送信を行わない。
図13に示した処理手順では、衛星受信局は通知フレームを受信する度にフレーム受信情報フレームを送信するようになっているが、衛星受信局は通知フレームを複数受信してからまとめてフレーム受信情報フレームを送信するようにしてもよい。
図14には、衛星受信局がデータフレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、衛星受信局は、受信対象端末リストに登録されている端末毎に並列してデータフレームの受信処理を実行可能であるとする。
まず、衛星受信局は、受信対象端末リストから端末IDなどの対象端末の情報を取得して(ステップS1401)、対象端末からデータフレームを受信する無線リソース(時刻・周波数)、及びデータフレーム復調に必要なプリアンブル、同期情報、スクランブルパターンを、上述した規則1~4に基づいて算出する(ステップS1402)。
次いで、衛星受信局は、ステップS1402で算出したデータフレーム受信時刻になったか否かを判定する(ステップS1403)。データフレーム受信時刻が到来すると(ステップS1403のYes)、衛星受信局は、ステップS1402で算出したプリアンブル及び同期情報を用いて該当端末からのデータフレームを検出し(ステップS1404)、ステップS1402で算出したスクランブルパターンを用いて受信したデータフレームを復調する(ステップS1405)。そして、衛星受信局は、データフレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS1406)。
ここで、データフレームの復調に成功した場合には(ステップS1406のYes)、衛星受信局は、データ送信間隔、及びステップS1404~S1405でデータフレームを検出及び復調処理する際に算出した周波数誤差推定結果及び伝搬遅延推定結果を用いて、フレーム受信情報フレームを生成する(ステップS1407)。
その後、衛星受信局は、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局に、フレーム受信情報フレームを送信する(ステップS1408)。
一方、データフレームの復調に失敗した場合には(ステップS1406のNo)、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームの送信を行わない。
図14に示した処理手順では、衛星受信局はデータフレームを受信する度にフレーム受信情報フレームを送信するようになっているが、衛星受信局はデータフレームを複数受信してからまとめてフレーム受信情報フレームを送信するようにしてもよい。
図15には、衛星受信局がフレーム受信情報フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したか否かを判定する(ステップS1501)。そして、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したときには(ステップS1501のYes)、その受信フレームを復調処理して(ステップS1502)、復調処理に成功したか否かを判定する(ステップS1503)。
衛星受信局は、フレーム受信情報フレームの復調処理に成功した場合には(ステップS1503のYes)、そのフレーム受信情報フレームに格納されているフレーム受信情報数を示すnSTAを取得して(ステップS1504)、フレーム受信情報数だけ、以降の各フレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
衛星受信局は、まず、周波数誤差推定結果(Freq.Eror)と伝搬遅延推定結果(Propagation Delay)から、通知フレーム又はデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能な残時間を推定する(ステップS1505)。
次いで、ステップS1505で推定した受信可能残時間とデータ送信間隔に基づいて、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能か否かを判定する(ステップS1506)。ここで、データ送信間隔には、Ftypeが0すなわち受信フレームが通知フレームだった場合にはNext Data Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用し、Ftypeが1すなわち受信フレームがデータフレームだった場合にはData Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用する。
そして、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能である場合には(ステップS1506のYes)、衛星受信局は、ステップS1505に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
一方、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信不可能な場合には(ステップS1506のNo)、衛星受信局は、当該フレーム受信情報(Frame Rx Info)に格納されている端末ID、データ送信間隔を自身の受信対象端末リストに登録した後(ステップS1507)、ステップS1505に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
図15に示したフローチャート中のステップS1505における周波数誤差推定及び伝搬遅延推定について補足しておく。図16には、衛星の高度が600km、周波数が2GHzの場合の周波数誤差と伝搬遅延の時間変化の一例を示している。図16は、端末の頭上を衛星が通過する場合の例であり、1台の端末に対して衛星受信局は、0~6分の6分間受信可能であるとする。周波数誤差の算出には、3GPP TR 38.811 V15.1.0(非特許文献1)に記載されているモデルを参照した。図16に示す例では、3分目に衛星受信局がちょうど端末の頭上にあり、伝搬遅延が最小になるとともに周波数誤差の符号が反転する。
端末からの受信フレームの周波数誤差推定結果及び伝搬遅延推定結果を図16のチャートと比較することで、端末からのフレームを受信可能な6分間のうちいずれの時刻に該当するかを割り出すことができる。また、衛星受信局が端末の頭上を所定速度で一方向に移動する際、割り出した時刻に該当する端末と衛星受信局との相対的な位置関係を推定することができる。
例えば、データ送信間隔が3分、フレーム受信情報フレームで通知された周波数誤差推定結果が30kHz、伝搬遅延推定結果が2.5ミリ秒の場合、受信可能な6分間のうち2分目に相当する。したがって、次のデータフレームは受信可能な6分間のうち5分目に相当するので、同一の衛星受信局では受信可能である。
一方、データ送信間隔が3分、フレーム受信情報フレームにて通知された周波数誤差推定結果が-30kHz、伝搬遅延推定結果が2.5ミリ秒の場合、受信可能な6分間のうち5分目に相当する。したがって、次のデータフレームは受信可能な6分間を経過した時刻に相当するので、同一受信局では受信不可能である。このように、衛星受信局が衛星軌道上を一方向に移動することを考慮すると、周波数誤差と伝搬遅延を組み合わせることで、端末からのフレームを受信した衛星受信局で受信可能な残り時間を推定することが可能である。
要するに、第1の実施例に係る方法では、各衛星受信局は、端末から受信したフレームの周波数誤差推定結果と伝搬遅延推定結果を含むフレーム受信情報を共有し、周波数誤差推定結果と伝搬遅延推定結果と、フレーム送信間隔と、隣接衛星受信局の位置関係に基づいて、該当端末から次に送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能か否かを判定する。
第1の実施例によれば、衛星受信局が同一軌道上の後続の衛星受信局にフレーム受信情報を送信することで、端末が頻繁に通知フレームを送信しなくても、端末が次にデータフレームを送信するときに、その端末が位置する場所を受信可能範囲とする衛星受信局がその端末からのデータフレームを受信し復調することを可能にすることができる。
D.第2の実施例
上記第1の実施例では、衛星受信局間で、端末から受信したフレームの周波数誤差推定結果と伝搬遅延推定結果を通知して、該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能か否かを判定する方法について説明した。これに対し、第2の実施例では、端末がGPS受信機を搭載している場合に、衛星受信局間で端末の位置座標(緯度・経度)を通知することで、該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能か否かを判定する方法について説明する。
D-1.フレーム構成例
図17には、端末の位置座標を通知する場合のフレーム受信情報フレームのデータ部分のフレーム構成例を示している。データ部分以外のフォーマットは、使用する通信方式に応じたものとする。上述したように、フレーム受信情報フレームは、衛星受信局が端末から受信したフレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局に通知するフレームである。
nSTAフィールドには、データ部分に格納されているフレーム受信情報(Frame Rx Info)の個数が格納される。nSTAフィールドの後に、nSTAフィールドに記載された個数分のFrame Rx Infoフィールドが続く。各Frame Rx Infoフィールドには各端末から受信したフレームに関するフレーム受信情報が格納される。図17に示すフレーム構成例では、nSTAフィールドには値nを示す情報が格納され、n個のFrame Rx Infoフィールドが格納されている。
各Frame Rx Infoフィールドは、IDフィールドと、Ftypeフィールドと、Longitudeフィールドと、Latitudeフィールドと、Frame Rx Timeフィールドと、Data Tx Intervalフィールドと、Next Data Tx Intervalフィールドをそれぞれ含む。
IDフィールドには、受信したフレームの送信元の端末のID(端末ID)が格納される。Ftypeフィールドには、受信したフレームの種類を示す値が格納される。具体的には、Ftypeフィールドに格納された値が0のときには通知フレームを示し、1のときにはデータフレームを示す。Longitudeフィールドには、端末が位置する緯度が格納される。Latitudeフィールドには、端末が位置する経度が格納される。Frame Rx Timeフィールドには、端末からフレームを受信した時刻が格納される。Data Tx Intervalフィールドには、データフレーム送信間隔が格納される。Next Data Tx Intervalフィールドには次のデータフレームが送信されるまでの時間が格納される。Ftypeが0、つまり通知フレームを受信したときのみ、Next Data Tx Intervalフィールドが付加される。
D-2.フレーム受信情報フレームの受信動作
図18には、衛星受信局がフレーム受信情報フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したか否かを判定する(ステップS1801)。そして、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したときには(ステップS1801のYes)、その受信フレームを復調処理して(ステップS1802)、復調処理に成功したか否かを判定する(ステップS1803)。
衛星受信局は、フレーム受信情報フレームの復調処理に成功した場合には(ステップS1803のYes)、そのフレーム受信情報フレームに格納されているフレーム受信情報数を示すnSTAを取得して(ステップS1804)、フレーム受信情報数だけ、以降の各フレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
まず、端末の位置座標とその端末からのフレーム受信時刻から、通知フレーム又はデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能な残時間を推定する(ステップS1805)。
次いで、ステップS1805で推定した受信可能残時間とデータ送信間隔に基づいて、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能か否かを判定する(ステップS1806)。ここで、データ送信間隔には、Ftypeが0すなわち受信フレームが通知フレームだった場合にはNext Data Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用し、Ftypeが1すなわち受信フレームがデータフレームだった場合にはData Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用する。
そして、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能である場合には(ステップS1806のYes)、衛星受信局は、ステップS1805に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
一方、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信不可能な場合には(ステップS1806のNo)、衛星受信局は、当該フレーム受信情報(Frame Rx Info)に格納されている端末ID、データ送信間隔を自身の受信対象端末リストに登録した後(ステップS1807)、ステップS1805に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
衛星受信局は、LPWAで受信したデータを地上に送信するため、衛星通信で地上局と通信を行う必要がある。そのため、一般的に衛星受信局はGPSなどで自身の位置座標を把握している。
また、衛星コンステレーションを構築する場合、同一衛星軌道上を周回する衛星受信局の情報を保持している。例えば、衛星軌道上の前方の衛星とは6分間隔で地上の同一点を通過する、といった情報を持っているとする。
具体的には、フレーム受信情報フレームを受信した時刻が12:00、端末がデータフレームで通知した位置情報が受信可能範囲になる時刻12:05、フレーム受信時刻が11:58の場合、通知フレーム又はデータフレームを受信した衛星受信局での受信可能残時間は7分となる。データ送信間隔が3分の場合、次のデータフレームは同一受信局で受信可能である。
一方、フレーム受信情報フレームを受信した時刻が12:00、端末がデータフレームで通知した位置情報が受信可能範囲になる時刻12:01、フレーム受信時刻が11:59の場合、通知フレーム又はデータフレームを受信した衛星受信局での受信可能残時間は2分となる。データ送信間隔が3分の場合、次のデータフレームは同一受信局で受信不可能である。
このように、低軌道衛星は衛星軌道上を一方向に進み、またコンステレーションによって各衛星受信局の位置関係が把握可能であることを考慮すると、端末が通知する位置情報とフレームを受信した時刻から、フレームを受信した受信局で受信可能な残り時間を推定することが可能である。
E.第3の実施例
第1の実施例(図9に示した通信シーケンス例)では、衛星受信局701は、端末801が位置する場所が自身の受信可能範囲711を通り過ぎた後も、端末801を自身の受信対象端末リストに登録したままであり、端末801からのデータフレームに対して不要な受信・復調処理を実行してしまう。これに対し、第3の実施例では、衛星受信局が、自身の受信可能範囲から通り過ぎた端末に対して不要な受信・復調処理を実行しないようにする方法について説明する。
E-1.通信シーケンス例
図19には、第3の実施例に係る方法を適用する場合の衛星受信局701及び衛星受信局702と端末801間の通信シーケンス例を示している。衛星受信局701と衛星受信局702は、それぞれ衛星軌道上を毎秒数kmの速さで移動し続けているので、端末801が位置する場所が衛星受信局701の受信可能範囲711となる時間帯と、衛星受信局701の受信可能範囲711から外れて衛星受信局702の受信可能範囲712となる時間帯がある。
まず、端末801は、自身のIDを通知するため、通知フレームを送信(ブロードキャスト)する(SEQ1901)。端末801は、通知フレームの送信には、あらかじめシステム内で通知フレーム送信用に割り当てられている無線リソース(時刻・周波数)を用いる。
この時点で、端末801は衛星受信局701の受信可能範囲711にいる。したがって、衛星受信局701は、通知フレーム送信用の無線リソースに対して、通知フレームの受信及び復調処理を実行して(SEQ1911)、通知フレームから取得したIDを受信対象端末リストに登録する(SE1912)。そして、衛星受信局701は、端末801から受信した通知フレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続に位置する衛星受信局702に送信する(SEQ1913)。フレーム受信情報は、通知フレームの送信元の端末ID、データ送信間隔、該当端末の位置座標、通知フレームの受信時刻を含む。衛星受信局701は、図13に示した処理手順に従って、通知フレームの受信・復調、及び通知フレームの送信処理を行う。
一方、端末801からの通知フレームは衛星受信局702には届かないので、衛星受信局702は、端末801のIDを受信対象端末リストに登録しない。また、衛星受信局702は、同じ衛星軌道上の前方に位置する衛星受信局701からのフレーム受信情報フレームを受信処理して、端末801を自身の受信対象端末リストに登録すべきか否かを判定する(SEQ1921)。衛星受信局がフレーム受信情報フレームを受信する処理手順については後述する(図21を参照のこと)。ここでは、衛星受信局702は、周波数誤差推定結果と伝搬遅延推定結果に基づいて推定した受信可能残時間とデータ送信間隔から、端末801から次に送信されるデータフレームが受信不可能であると判定して、端末801を自身の受信対象端末リストに登録しない。
次いで、端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDからデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、データフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ1902)。
衛星受信局701は、受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームを受信し復調する(SEQ1914)。そして、衛星受信局701は、端末801から受信したデータフレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続に位置する衛星受信局702に送信する(SEQ1915)。衛星受信局701は、図14に示した処理手順に従って、データフレームの受信・復調、及び通知フレームの送信処理を行う。
衛星受信局702は、同じ衛星軌道上の前方に位置する衛星受信局701からのフレーム受信情報フレームを受信処理して、端末801を自身の受信対象端末リストに登録すべきか否かを判定する(SEQ1922)。衛星受信局がフレーム受信情報フレームを受信する処理手順については後述する(図21を参照のこと)。ここでは、衛星受信局702は、周波数誤差推定結果と伝搬遅延推定結果に基づいて推定した受信可能残時間とデータ送信間隔から、端末801から次に送信されるデータフレームが衛星受信局702で受信可能であると判定して、端末801を受信対象端末リストに登録する(SEQ1923)。
そして、衛星受信局702は、同じ衛星軌道上の前方に位置する衛星受信局701に対して、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信して、端末801を受信対象端末リストに登録したことを通知する(SEQ1924)。衛星受信局701は、衛星受信局702から受信対象端末リスト登録通知フレームを受信すると、自身の受信対象端末リストから端末801のエントリを削除する(SEQ1916)。
さらに、端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDから次のデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、次のデータフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ1903)。
この時点で、端末801が位置する場所は衛星受信局701の受信可能範囲711の外となっている。衛星受信局701は、既に端末801を自身の受信対象端末リストから削除しているので、端末801からのデータフレームに対して不要な受信・復調処理を行わない。
また、衛星受信局702は、衛星受信局701から受信したフレーム受信情報に基づいて端末801のIDを自身の受信対象端末リストに登録しているので、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームの受信及び復調処理を試み、復調に成功する(SEQ1925)。
図19に示した通信シーケンス例によれば、衛星受信局701は、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局702からの通知により、端末801が自身の受信可能範囲711から通り過ぎた後に不要な受信・復調処理を実行しないようにすることができる。
E-2.フレーム構成例
図20には、受信対象端末リスト登録通知フレームのデータ部分のフレーム構成例を示している。データ部分以外のフォーマットは、使用する通信方式に応じたものとする。図19に示したように、受信対象端末リスト登録通知フレームは、衛星受信局が、同じ衛星軌道上の前方の衛星受信局から受信したフレーム受信情報に基づいて端末を自身の受信対象端末リストに登録したことを通知するフレームである。
nSTAフィールドには、データ部分に格納されている端末ID(STA Rx ID)の個数が格納される。nSTAフィールドの後に、nSTAフィールドに記載された個数分のSTA IDフィールドが続く。各STA IDフィールドには、受信対象端末リストに登録した端末IDの情報が格納される。
E-3.衛星受信局の処理動作
図21には、衛星受信局がフレーム受信情報フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したか否かを判定する(ステップS2101)。そして、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したときには(ステップS2101のYes)、その受信フレームを復調処理して(ステップS2102)、復調処理に成功したか否かを判定する(ステップS2103)。
衛星受信局は、フレーム受信情報フレームの復調処理に成功した場合には(ステップS2103のYes)、そのフレーム受信情報フレームに格納されているフレーム受信情報数を示すnSTAを取得して(ステップS2104)、フレーム受信情報数だけ、以降の各フレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
まず、周波数誤差推定結果(Freq.Eror)と伝搬遅延推定結果(Propagation Delay)から、通知フレーム又はデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能な残時間を推定する(ステップS2105)。
次いで、ステップS2105で推定した受信可能残時間とデータ送信間隔に基づいて、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能か否かを判定する(ステップS2106)。ここで、データ送信間隔には、Ftypeが0すなわち受信フレームが通知フレームだった場合にはNext Data Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用し、Ftypeが1すなわち受信フレームがデータフレームだった場合にはData Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用する。
そして、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能である場合には(ステップS2106のYes)、衛星受信局は、ステップS2105に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
一方、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信不可能な場合には(ステップS2106のNo)、衛星受信局は、当該フレーム受信情報(Frame Rx Info)に格納されている端末ID、データ送信間隔を自身の受信対象端末リストに登録し(ステップS2107)、次いで受信対象端末リスト登録通知フレーム(図20を参照のこと)に該当端末の端末IDを追加した後(ステップS2108)、ステップS2105に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
ステップS2101で受信したフレーム受信情報フレームに格納されているnSTA個のすべてのフレーム受信情報に対して処理を完了すると、衛星受信局は、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信する必要があるか否かを判定する(ステップS2109)。そして、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信する必要がある場合には(ステップS2109のYes)、衛星受信局は、格納されている受信対象端末リスト登録IDの個数をnSTAに格納して、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信する(ステップS2110)。
図22には、衛星受信局が受信対象端末リスト登録通知フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、受信対象端末リスト登録通知フレームを受信したか否かを判定する(ステップS2201)。そして、衛星受信局は、受信対象端末リスト登録通知フレームを受信したときには(ステップS2201のYes)、その受信フレームを復調処理して(ステップS2202)、復調処理に成功したか否かを判定する(ステップS2203)。
衛星受信局は、受信対象端末リスト登録通知フレームの復調処理に成功した場合には(ステップS2203のYes)、その受信対象端末リスト登録通知フレームに格納されているSTA IDフィールドの個数を示すnSTAを取得して(ステップS2204)、nSTA数だけ、以降の各STA IDフィールドの処理を繰り返し実行する。この繰り返し処理では、受信対象端末リスト登録通知フレームに格納された端末IDのエントリを自身の受信対象端末リストから削除する(ステッS2205)。
衛星受信局は、図22に示した処理手順に従って受信対象端末リスト登録通知フレームを処理することによって、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局で新たに受信対象となった端末を、自身の受信対象端末リストから削除することができる。
したがって、第3の実施例に係る通信シーケンスによれば、衛星受信局は、自身の受信可能範囲を通り過ぎた端末に対する不要な受信・復調処理を実行しないようにすることができる。
F.第4の実施例
上述した第1の実施例では、ある衛星受信局の受信対象となっている端末が次にデータフレームを送信するときには、その端末が位置する場所が自身又は同じ衛星軌道上で次の周回順となる衛星受信局の受信可能範囲になることを前提としている(例えば、図9に示した通信シーケンス例を参照のこと)。
しかしながら、端末のデータ送信間隔が数時間など長い場合、その端末が次にデータフレームを送信するときには、その端末を受信対象とする衛星受信局より同じ衛星軌道上で数個(2個以上)後方の衛星受信局の受信可能範囲に移動していることも想定される。
そこで、第4の実施例では、端末のデータ送信間隔において同じ衛星軌道上で数個(2個以上)先の衛星受信局の受信可能範囲に移動している場合であっても、適切な衛星受信局がデータフレームを受信できる方法について説明する。
F-1.通信シーケンス例
図23には、第4の実施例に係る方法を適用する場合の衛星受信局701~703と端末801間の通信シーケンス例を示している。衛星受信局701~703は、それぞれ衛星軌道上を毎秒数kmの速さで移動し続けているので、端末801が位置する場所が衛星受信局701の受信可能範囲711となる時間帯と、衛星受信局701の受信可能範囲711から外れて衛星受信局702の受信可能範囲712となる時間帯と、衛星受信局702の受信可能範囲712から外れて衛星受信局703の受信可能範囲713となる時間帯がある。
端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDからデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、データフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ2301)。
端末801は衛星受信局701の受信可能範囲711にいて、衛星受信局701は自身の受信対象端末リストに端末801を登録しているとする。したがって、衛星受信局701は、受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームを受信し復調する(SEQ2311)。ここでは、衛星受信局701はデータフレームの受信及び復調に成功したとする。
そして、衛星受信局701は、端末801から受信したデータフレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続に位置する衛星受信局702に送信する(SEQ2312)。フレーム受信情報は、データフレームを受信した端末ID、周波数誤差推定結果、伝搬遅延推定結果、受信した衛星受信局IDなどの情報を含む。
衛星受信局702は、同じ衛星軌道上の前方に位置する衛星受信局701からのフレーム受信情報フレームを受信処理して、端末801を自身の受信対象端末リストに登録すべきか否かを判定する(SEQ2321)。ここでは、衛星受信局702は、周波数誤差推定結果と伝搬遅延推定結果に基づいて推定した受信可能残時間とデータ送信間隔から、端末801から次に送信されるデータフレームが受信不可能であると判定して、端末801を自身の受信対象端末リストに登録しない。
次いで、衛星受信局702は、受信したフレーム受信情報に基づいて、同じ衛星軌道上の後続に位置する衛星受信局703にこのフレーム受信情報を送信すべきか否かを判定する(SEQ2322)。そして、衛星受信局702は、判定結果に基づいて、フレーム受信情報を衛星受信局703に送信する(SEQ2323)。
衛星受信局703は、同じ衛星軌道上の前方に位置する衛星受信局702からのフレーム受信情報フレームを受信処理して、端末801を自身の受信対象端末リストに登録すべきか否かを判定する(SEQ2331)。ここでは、衛星受信局703は、周波数誤差推定結果と伝搬遅延推定結果に基づいて推定した受信可能残時間とデータ送信間隔から、端末801から次に送信されるデータフレームが衛星受信局703で受信可能であると判定して、端末801を受信対象端末リストに登録する(SEQ2332)。
そして、衛星受信局703は、端末801からのデータフレームを受信した衛星受信局701に対して、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信して、端末801を受信対象端末リストに登録したことを通知する(SEQ2333)。衛星受信局701は、衛星受信局702から受信対象端末リスト登録通知フレームを受信すると、自身の受信対象端末リストから端末801のエントリを削除する(SEQ2313)。
さらに、端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDから次のデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、次のデータフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ2302)。
この時点で、端末801が位置する場所は衛星受信局701の受信可能範囲711及び衛星受信局702の受信可能範囲712の外となっている。衛星受信局701は、既に端末801を自身の受信対象端末リストから削除しているので、端末801からのデータフレームに対して不要な受信・復調処理を行わない。また、衛星受信局702は、自身の受信対象端末リストに端末801を登録していないので、端末801からのデータフレームに対して受信・復調処理を行わない。
また、衛星受信局703は、衛星受信局702から受信したフレーム受信情報に基づいて端末801のIDを自身の受信対象端末リストに登録しているので、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームの受信及び復調処理を試み、復調に成功する(SEQ2334)。
図23に示した通信シーケンス例によれば、端末801が次にデータフレームを送信するときに、端末801を受信対象とする衛星受信局701より2個後方の衛星受信局703の受信可能範囲713に移動しているが、衛星受信局703が端末801からの次のデータフレームを受信することができる。また、衛星受信局701は、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局703からの通知により、端末801が自身の受信可能範囲711から通り過ぎた後に不要な受信・復調処理を実行しないようにすることができる。
F-2.フレーム構成
図24には、フレーム受信情報フレームのデータ部分のフレーム構成例を示している。データ部分以外のフォーマットは、使用する通信方式に応じたものとする。フレーム受信情報フレームは、衛星受信局が端末から受信したフレームに関するフレーム受信情報を、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局に通知するフレームである。
nSTAフィールドには、データ部分に格納されているフレーム受信情報(Frame Rx Info)の個数が格納される。nSTAフィールドの後に、nSTAフィールドに記載された個数分のFrame Rx Infoフィールドが続く。各Frame Rx Infoフィールドには各端末から受信したフレームに関するフレーム受信情報が格納される。図24に示すフレーム構成例では、nSTAフィールドには値nを示す情報が格納され、n個のFrame Rx Infoフィールドが格納されている。
各Frame Rx Infoフィールドは、IDフィールドと、Ftypeフィールドと、Freq.Errorフィールドと、Propagation Delayフィールドと、Data Tx Intervalフィールドと、Next Data Tx Intervalフィールドと、Data Rx SAT IDをそれぞれ含む。
IDフィールドには、受信したフレームの送信元の端末のID(端末ID)が格納される。Ftypeフィールドには、受信したフレームの種類を示す値が格納される。具体的には、Ftypeフィールドに格納された値が0のときには通知フレームを示し、1のときにはデータフレームを示す。Freq.Errorフィールドには、受信したフレームの周波数誤差推定結果が格納される。Propagation Delayフィールドには、受信したフレームの伝搬遅延推定結果が格納される。Data Tx Intervalフィールドには、データフレーム送信間隔が格納される。Next Data Tx Intervalフィールドには次のデータフレームが送信されるまでの時間が格納される。Ftypeが0、つまり通知フレームを受信したときのみ、Next Data Tx Intervalフィールドが付加される。Data Rx SAT IDフィールドには、該当するフレームを受信した衛星受信局のID(SAT ID)が格納される。
F-3.フレーム受信情報フレームの受信動作
図25A及び図25Bには、衛星受信局がフレーム受信情報フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したか否かを判定する(ステップS2501)。そして、衛星受信局は、フレーム受信情報フレームを受信したときには(ステップS2501のYes)、その受信フレームを復調処理して(ステップS2502)、復調処理に成功したか否かを判定する(ステップS2503)。
衛星受信局は、フレーム受信情報フレームの復調処理に成功した場合には(ステップS2503のYes)、そのフレーム受信情報フレームに格納されているフレーム受信情報数を示すnSTAを取得して(ステップS2504)、フレーム受信情報数だけ、以降の各フレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
衛星受信局は、フレーム受信情報の処理として、まず、周波数誤差推定結果(Freq.Eror)と伝搬遅延推定結果(Propagation Delay)から、通知フレーム又はデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能な残時間を推定する(ステップS2505)。
次いで、ステップS2505で推定した受信可能残時間とデータ送信間隔に基づいて、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能か否かを判定する(ステップS2506)。ここで、データ送信間隔には、Ftypeが0すなわち受信フレームが通知フレームだった場合にはNext Data Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用し、Ftypeが1すなわち受信フレームがデータフレームだった場合にはData Tx Intervalフィールドに格納されている値を使用する。
そして、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信可能である場合には(ステップS2506のYes)、衛星受信局は、ステップS2505に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
一方、次に該当端末から送信されるデータフレームが同一の衛星受信局で受信不可能な場合には(ステップS2506のNo)、衛星受信局は、ステップS2505で推定した受信可能残時間とデータ送信間隔に基づいて、次に該当端末から送信されるデータフレームを自局が受信可能か否かをさらに判定する(ステップS2507)。
そして、次に該当端末から送信されるデータフレームを自局が受信可能な場合には(ステップS2507のYes)、衛星受信局は、当該フレーム受信情報(Frame Rx Info)に格納されている端末ID、データ送信間隔を自身の受信対象端末リストに登録し(ステップS2508)、次いで受信対象端末リスト登録通知フレームに該当端末の端末IDを追加した後(ステップS2509)、ステップS2505に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
一方、次に該当端末から送信されるデータフレームを自局が受信不可能な場合には(ステップS2507のNo)、衛星受信局は、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局へ送信用のフレーム受信情報フレームに当該フレーム受信情報を追加した後(ステップS2510)、ステップS2505に戻って、次のフレーム受信情報(Frame Rx Info)の処理を繰り返し実行する。
ステップS2501で受信したフレーム受信情報フレームに格納されているnSTA個のすべてのフレーム受信情報に対して処理を完了すると、衛星受信局は、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信する必要があるか否かを判定する(ステップS2511)。そして、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信する必要がある場合には(ステップS2511のYes)、衛星受信局は、格納されている受信対象端末リスト登録IDの個数をnSTAに格納して、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信する(ステップS2512)。
次いで、衛星受信局は、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局へフレーム受信情報フレームを送信する必要があるか否かを判定する(ステップS2513)。そして、受信対象端末リスト登録通知フレームを送信する必要がある場合には(ステップS2513のYes)、衛星受信局は、格納されている受信対象端末リスト登録IDの個数をnSTAに格納して、フレーム受信情報フレームを送信する(ステップS2514)。
F-3.隣接衛星受信局情報リスト
図26には、衛星受信局が保持している隣接衛星受信局情報リストの一例を示している。図示の隣接衛星受信局情報リストは、衛星受信局が同じ衛星軌道上を周回している各隣接衛星受信局の情報を登録している。各隣接衛星受信局のエントリは、自局からの相対位置と、衛星受信局を識別する衛星IDと、自局との間隔を格納している。ここで、相対位置は、自局に対し同じ衛星軌道上の何番目に位置する衛星であるかを示す情報である。マイナスは衛星軌道上の前方、プラスは衛星軌道上の後方を示す。相対位置0は自局を示す。また、間隔は、自局との位置間隔を示す情報である。マイナスは衛星軌道上の前方、プラスは衛星軌道上の後方を示す。間隔0は自局を示す。
例えば、図16と図26に示した例においては、データ送信間隔が10min、フレーム受信情報フレームにて通知された周波数誤差推定結果が-30kHz、伝搬遅延推定結果が2.5ミリ秒、フレームを受信した衛星受信局の衛星IDが502の場合、次のデータフレームは自局が受信可能である。
一方、例えば、データ送信間隔が10min、フレーム受信情報フレームにて通知された周波数誤差推定結果が-30kHz、伝搬遅延推定結果が2.5ミリ秒、フレームを受信した衛星受信局の衛星IDが503の場合、次のデータフレームは同一の衛星受信局でも自局でも受信不可能であり、後続の衛星受信局にフレーム受信情報を送信する必要がある。
第4の実施例によれば、端末が頻繁に通知フレームを送信する必要はなく、端末の長いデータ送信間隔において数個先の衛星受信局の受信可能範囲に移動している場合であっても、該当端末を受信可能範囲とする衛星受信局が該当端末からのデータフレームを受信及び復調処理することが可能になる。
G.第5の実施例
上述した第1、第3、及び第4の実施例では、各衛星受信局は受信したフレーム受信情報を処理する必要があるため、衛星受信局の処理量が増大する可能性がある。そこで、第5の実施例では、通知フレーム又はデータフレームを受信した衛星受信局が次のデータフレームを受信する衛星受信局を判定する方法について説明する。
G-1.通信シーケンス例
図27には、第5の実施例に係る方法を適用する場合の衛星受信局701~703と端末801間の通信シーケンス例を示している。衛星受信局701~703は、それぞれ衛星軌道上を毎秒数kmの速さで移動し続けているので、端末801が位置する場所が衛星受信局701の受信可能範囲711となる時間帯と、衛星受信局701の受信可能範囲711から外れて衛星受信局702の受信可能範囲712となる時間帯と、衛星受信局702の受信可能範囲712から外れて衛星受信局703の受信可能範囲713となる時間帯がある。
端末801は、あらかじめシステム内で決められた規則1~4に基づいて、自分のIDからデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム生成に必要な符号を算出して、データフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ2701)。
端末801は衛星受信局701の受信可能範囲711にいて、衛星受信局701は自身の受信対象端末リストに端末801を登録しているとする。したがって、衛星受信局701は、受信対象端末リストに登録されているIDを用いて、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームを受信し復調する(SEQ2711)。ここでは、衛星受信局701はデータフレームの受信及び復調に成功したとする。
そして、衛星受信局701は、データフレーム受信時の端末ID、周波数誤差推定結果、伝搬遅延推定結果、隣接する衛星受信局情報に基づいて、端末801から次に送信されるデータフレームを衛星受信局703が受信可能であると判定して(SEQ2712)、受信対象端末登録フレームを衛星受信局703に送信する(SEQ2713)。
衛星受信局703は、衛星受信局701から受信した受信対象端末登録フレームに格納されている端末IDとデータ送信間隔を、自身の受信対象端末リストに登録する(SEQ2731)。
また、衛星受信局701は、端末801から次に送信されるデータフレームを自局で受信不可能であると判定したので(SEQ2712)、自身の受信対象端末リストから端末801のエントリを削除する(SEQ2714)。
その後、時間が経過して、端末801が次のデータフレームを生成し送信(ブロードキャスト)する(SEQ2702)。
この時点で、端末801が位置する場所は衛星受信局701の受信可能範囲711及び衛星受信局702の受信可能範囲712の外となっている。衛星受信局701は、既に端末801を自身の受信対象端末リストから削除しているので、端末801からのデータフレームに対して不要な受信・復調処理を行わない。また、衛星受信局702は、自身の受信対象端末リストに端末801を登録していないので、端末801からのデータフレームに対して受信・復調処理を行わない。
また、衛星受信局703は、衛星受信局701から受信した受信対象端末登録フレームに基づいて端末801のIDを自身の受信対象端末リストに登録しているので、端末801と同じ規則1~4に基づいて、端末のIDから端末801がデータフレームを送信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレームの復調に必要な符号を算出して、データフレームの受信及び復調処理を試み、復調に成功する(SEQ2732)。
図27に示した通信シーケンス例によれば、端末801が次にデータフレームを送信するときに、端末801を受信対象とする衛星受信局701より2個後ろの衛星受信局703の受信可能範囲713に移動しているが、衛星受信局701による受信可能な衛星受信局の判定処理に基づいて、衛星受信局703が端末801からの次のデータフレームを受信することができる。また、衛星受信局701は、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局703からの通知により、端末801が自身の受信可能範囲711から通り過ぎた後に不要な受信・復調処理を実行しないようにすることができる。
G-2.フレーム構成例
図28には、受信対象端末登録フレームのデータ部分のフレーム構成例を示している。データ部分以外のフォーマットは、使用する通信方式に応じたものとする。受信対象端末登録フレームは、衛星受信局が、同じ衛星軌道上の後続の衛星受信局に対して、該当端末の受信対象端末リストへの登録を指示するフレームである。
nSTAフィールドには、データ部分に格納されている端末情報(STA Info)の個数が格納される。nSTAフィールドの後に、nSTAフィールドに記載された個数分のSTA Infoフィールドが続く。各STA Infoフィールドには、送信先の衛星受信局に対して受信対象端末リストへの登録を指示する端末に関する端末情報が格納される。図28に示すフレーム構成例では、nSTAフィールドには値nを示す情報が格納され、n個のSTA Infoフィールドが格納されている。
各STA Infoフィールドは、IDフィールドと、Data Tx Intervalフィールドをそれぞれ含む。IDフィールドには、受信対象となる端末のIDが格納される。Data Tx Intervalフィールドには、該当端末のデータフレーム送信間隔が格納される。
G-3.衛星受信局の処理動作
図29には、衛星受信局が通知フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、受信対象端末リストを参照して、登録されている端末から通知フレームを受信する無線リソース(時刻・周波数)及び通知フレーム復調に必要な情報を、上述した規則1~4に基づいて算出する(ステップS2901)。
次いで、衛星受信局は、ステップS2901で算出した通知フレーム受信時刻になったか否かを判定する(ステップS2902)。通知フレーム受信時刻が到来すると(ステップS2902のYes)、衛星受信局は、ステップS2901で算出したプリアンブル及び同期情報を用いて該当端末からの通知フレームを検出し(ステップS2903)、ステップS2901で算出したスクランブルパターンを用いて受信した通知フレームを復調する(ステップS2904)。そして、衛星受信局は、通知フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS2905)。通知フレームの復調に失敗した場合には(ステップS2905のNo)、ステップS2901に戻り、衛星受信局は次の通知フレームの受信を試みる。
一方、通知フレームの復調に成功した場合には(ステップS2905のYes)、衛星受信局は、受信した通知フレームに格納されている端末ID、データ送信間隔に基づいて、次に送信されるデータフレームを受信可能な衛星受信局を判定する(ステップS2906)。そして、衛星受信局は、該当端末から次に送信されるデータフレームを自局で受信可能か否かを判定する(ステップS2907)。
ここで、該当端末から次に送信されるデータフレームを衛星受信局自身で受信可能である場合には(ステップS2907のYes)、衛星受信局は、受信した通知フレームに格納されている端末ID、データ送信間隔などの情報を、受信対象端末リストに登録する(ステップS2908)。
該当端末から次に送信されるデータフレームを衛星受信局自身で受信可能でない場合には(ステップS2907のNo)、衛星受信局は、受信対象端末登録フレームを生成し(ステップS2909)、該当端末から次に送信されるデータフレームを受信可能な他の衛星受信局にその受信対象端末登録フレームを送信する(ステップS2910)。
次いで、衛星受信局は、該当端末が自身の受信対象端末リストに存在するか否かを確認し(ステップS2911)、存在する場合には(ステップS2911のYes)、自身の受信対象端末リストから該当端末のエントリを削除する(ステップS2912)。
図30には、衛星受信局がデータフレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、衛星受信局は、受信対象端末リストに登録されている端末毎に並列してデータフレームの受信処理を実行可能であるとする。
まず、衛星受信局は、受信対象端末リストから端末IDなどの対象端末の情報を取得して(ステップS3001)、対象端末からデータフレームを受信する無線リソース(時刻・周波数)及びデータフレーム復調に必要な情報を、上述した規則1~4に基づいて算出する(ステップS3002)。
次いで、衛星受信局は、ステップS3002で算出したデータフレーム受信時刻になったか否かを判定する(ステップS3003)。データフレーム受信時刻が到来すると(ステップS3003のYes)、衛星受信局は、ステップS3002で算出したプリアンブル及び同期情報を用いて該当端末からのデータフレームを検出し(ステップS3004)、ステップS3002で算出したスクランブルパターンを用いて受信したデータフレームを復調する(ステップS3005)。そして、衛星受信局は、データフレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS3006)。データフレームの復調に失敗した場合には(ステップS3006のNo)、ステップS3001に戻り、衛星受信局は次の通知フレームの受信を試みる。
一方、データフレームの復調に成功した場合には(ステップS3006のYes)、衛星受信局は、そのデータフレームに格納されている端末ID、データ送信間隔に基づいて、次に送信されるデータフレームを受信可能な衛星受信局を判定する(ステップS3007)。そして、衛星受信局は、該当端末から次に送信されるデータフレームを自局で受信可能か否かを判定する(ステップS3008)。
ここで、該当端末から次に送信されるデータフレームを衛星受信局自身で受信可能である場合には(ステップS3008のYes)、衛星受信局は、受信したデータフレームに格納されている端末ID、データ送信間隔などの情報を、受信対象端末リストに登録する(ステップS3009)。
該当端末から次に送信されるデータフレームを衛星受信局自身で受信可能でない場合には(ステップS3008のNo)、衛星受信局は、受信対象端末登録フレームを生成し(ステップS3010)、該当端末から次に送信されるデータフレームを受信可能な他の衛星受信局にその受信対象端末登録フレームを送信する(ステップS3011)。
そして、衛星受信局は、該当端末が自身の受信対象端末リストに存在するか否かを確認し(ステップS3012)、存在する場合には(ステップS3012のYes)、自身の受信対象端末リストから該当端末のエントリを削除する(ステップS3013)。
図31には、衛星受信局が受信対象端末リスト登録フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、受信対象端末リスト登録フレームを受信したか否かを判定する(ステップS3101)。そして、衛星受信局は、受信対象端末リスト登録フレームを受信したときには(ステップS3101のYes)、その受信フレームを復調処理して(ステップS3102)、復調処理に成功したか否かを判定する(ステップS3103)。
衛星受信局は、受信対象端末リスト登録フレームの復調処理に成功した場合には(ステップS3103のYes)、その受信対象端末リスト登録フレームに格納されているSTA Infoフィールドの個数を示すnSTAを取得して(ステップS2204)、nSTA数だけ、以降の各STA Infoフィールドの処理を繰り返し実行する。この繰り返し処理では、STA Infoフィールドに格納されている端末ID及びデータフレーム送信間隔といった端末情報を自身の受信対象端末リストに登録する(ステッS3105)。
衛星受信局は、図31に示した処理手順に従って受信対象端末リスト登録フレームを処理することによって、新たに受信対象となった端末を自身の受信対象端末リストに登録することができる。
したがって、第5の実施例によれば、端末が頻繁に通知フレームを送信する必要はなく、端末の長いデータ送信間隔において数個先の衛星受信局の受信可能範囲に移動している場合であっても、該当端末を受信可能範囲とする衛星受信局が該当端末からのデータフレームを受信及び復調処理することが可能になる。
H.効果
このH項では、上述した第1乃至第5の実施例によってもたらされる効果についてまとめておく。第1乃至第5の実施例によれば、以下の(1)及び(2)のような効果を得ることができる。
(1)端末は通知フレームを頻繁に送信する必要がない。端末から定期的に送信されるデータフレームを受信可能な衛星受信局が受信及び復調することが可能である。
(2)衛星受信局が、自身の受信可能範囲を通り過ぎた端末に対する不要な受信及び復調を実行しないようにすることができる。
上記(1)及び(2)よりさらに以下の効果につながる。
(3)端末の低消費電力化及び低コスト化
(4)受信局当たりの収容台数の増加
(5)システムで必要な受信局数の削減
(6)通信サービスの低コスト化
I.第6の実施例
上記の第1乃至第5の実施例では、端末が通知フレームを送信した後にデータフレームを送信するという通信シーケンスで、衛星受信局は基本的には通知フレームを受信した端末を受信対象とする。これに対し、第6の実施例では、端末は、通知フレームを送信しないで、データフレームを送信する。
図32には、端末が任意にデータフレームを送信可能なシステムにおける、端末と受信局間の通信シーケンス例を示している。受信局は、端末がデータフレームを送信する無線リソースが分からない。ここで言う無線リソースは、送信時刻、送信周波数、及び送信に用いる符号を含む。このため、受信局は、すべての無線リソース(時刻、周波数、符号)に対して、受信及び復調処理を行う必要がある。
しかしながら、すべての無線リソースに対して受信及び復調処理を実行すると、受信局において受信処理に要するリソース(メモリ使用量、演算量など)が膨大となり、受信局の高コスト化、サイズの大型化、消費電力の増大といった問題が生じる。特に、低軌道衛星に受信局を搭載するような場合、受信局を小型化及び低消費電力化する必要がある。
これに対し、第6の実施例では、端末はデータフレームに次回のデータフレームの送信に関する情報を付加する。そして、衛星受信局側では、データフレームに付加された情報に基づいて次回のデータフレームの受信及び復調処理を実行する無線リソースの管理を行う。したがって、第6の実施例によれば、衛星受信局は、受信及び復調処理を実行する無線リソースを限定することができ、受信局の低コスト化、小型化、及び低消費電力化を実現し易くなる。
I-1.システム構成
図33には、第6の実施例に係るLPWA無線通信システムの構成例を模式的に示している。同図に示す例では、地上に設置された複数の受信局(以下、「地上局」とする)と、地球上を低軌道で周回する複数の低軌道衛星受信局(以下、単に「衛星受信局」とも言う)と、地上に散在する無数の端末で構成される。
端末は、搭載するセンサーなどでセンシングした情報を定期的に送信する送信機である。衛星受信局は、端末が送信したデータを受信し、復調処理を行う。また、衛星受信局は、必要に応じて復調結果(ユーザデータ)をクラウド上のアプリケーションサーバ(図示しない)に送信する。また、衛星受信局は衛星間通信を可能とする。衛星受信局間の通信方式は限定されないが、常時接続及び高速通信であることが望ましい。地上局は衛星受信局と通信を行う送受信機である。衛星受信局と地上局間の通信方式は限定されないが、高速通信であることが望ましい。
I-2.通信シーケンス例
図33に示す例では、衛星受信局3301と衛星受信局3302は同じ衛星軌道上を周回する隣接衛星受信局である。衛星受信局3301と衛星受信局3302の衛星軌道上の移動に伴って、衛星受信局3301の受信可能範囲3311と衛星受信局3302の受信可能範囲3312もそれぞれ地上を移動する。
図34には、受信可能範囲3311又は受信可能範囲3312のいずれかに含まれる端末3401と衛星受信局3301及び衛星受信局3302間の通信シーケンス例を示している。
まず、端末3401は、初回データフレームを送信(ブロードキャスト)する(SEQ3401)。
初回データフレームとは、端末3401が電源オンにした直後などに初めて送信する際のフレームを指す。端末3401は、衛星受信局3301及び3302が常時受信対象としている無線リソース(時刻、周波数、及び符号)を用いて送信する。また、端末3401は、初回データフレーム内に、次の通常データフレームの送信に用いる無線リソースの情報を格納している。
図34に示す例では、端末3401が初回データフレームを送信した時点で、端末3401が位置する場所は衛星受信局3301の受信可能範囲3311であるので、衛星受信局3301は初回データフレームの受信及び復調に成功する(SEQ3411)。次いで、衛星受信局3301は、初回データフレームに格納されている次の通常データフレーム送信用の無線リソースに基づいて、次の通常データフレームが受信可能な衛星受信局を判定する。そして、衛星受信局3301自身が次の通常データフレームを受信可能であるので、衛星受信局3301は、端末3401の次に送信する通常データフレームの無線リソースの情報を自身の受信リストに登録する(SEQ3412)。
一方、端末3401が初回データフレームを送信した時点で、端末3401が位置する場所は衛星受信局3302の受信可能範囲3312の外であるので、衛星受信局3302は初回データフレームを受信できない。
次いで、端末3401は、初回データフレームに格納した無線リソースを用いて、通常データフレームを送信する(SEQ3402)。また、端末3401は、通常データフレーム内に、さらに次の通常データフレームの送信に用いる無線リソースの情報を格納している。
衛星受信局3301は、自身の受信リストに登録されている無線リソースに基づいて受信及び復調処理を実行することで、端末3401が送信した通常データフレームをピンポイントで受信及び復調することができる(SEQ3413)。一方、端末3401がこの通常データフレームを送信した時点で、端末3401が位置する場所は衛星受信局3302の受信可能範囲3312の外であるので、衛星受信局3302はこの通常データフレームを受信できない。
また、衛星受信局3301は、受信した通常データフレームに格納されているさらに次の通常データフレーム送信用の無線リソースに基づいて、次の通常データフレームが受信可能な衛星受信局を判定する。そして、衛星受信局3301自身がさらに次の通常データフレームを受信可能であるので、衛星受信局3301は自身の受信リストに端末3401を再び登録する(SEQ3414)。
次いで、端末3401は、前回の通常データフレームに格納した無線リソースを用いて、次の通常データフレームを送信する(SEQ3403)。また、端末3401は、通常データフレーム内に、さらに次の通常データフレームの送信に用いる無線リソースの情報を格納している。
衛星受信局3301は、自身の受信リストに登録されている無線リソースに基づいて受信及び復調処理を実行することで、端末3401が送信した通常データフレームをピンポイントで受信及び復調することができる(SEQ3415)。一方、端末3401がこの通常データフレームを送信した時点で、端末3401が位置する場所は衛星受信局3302の受信可能範囲3312の外であるので、衛星受信局3302はこの通常データフレームを受信できない。
また、衛星受信局3301は、受信した通常データフレームに格納されているさらに次の通常データフレーム送信用の無線リソースに基づいて、次の通常データフレームが受信可能な衛星受信局を判定する。そして、衛星受信局3301はさらに次の通常データフレームを受信不可能なので、受信可能な衛星受信局3302へ受信対象無線リソース情報通知フレームを送信する(SEQ3416)。
衛星受信局3302は、衛星受信局3301から受信した受信対象無線リソース情報通知フレームに格納されている無線リソースの情報を自身の受信リストに登録する(SEQ3421)。
次いで、端末3401は、前回の通常データフレームに格納した無線リソースを用いて、次の通常データフレームを送信する(SEQ3404)。
端末3401が次の通常データフレームを送信した時点で位置する場所が衛星受信局3302の受信可能範囲3312になっている。衛星受信局3302は、自身の受信リストに登録されている無線リソースに基づいて受信及び復調処理を実行することで、端末3401が送信した通常データフレームをピンポイントで受信及び復調することができる(SEQ3422)。一方、端末3401がこの通常データフレームを送信した時点で、端末3401が位置する場所は衛星受信局3301の受信可能範囲3312の外に移動しているので、衛星受信局3301はこの通常データフレームを受信できない。
なお、端末は、初回データフレームを、電源をオンにした直後だけでなく、定期的に送信するようにしてもよい。衛星受信局が通常データフレームの受信に失敗した場合でも、初回データフレームの受信に成功した時点から再度、衛星受信局の受信リストに登録されるようになるため、端末は定期的に初回データフレームを送信することが望ましい。
I-3.装置構成
第6に実施例でも、端末の構成は図3と同じでよいので、このI項では端末の構成についての説明を省略する。
図35には、第6の実施例に係るシステムにおける衛星受信局3500の機能的構成例を示している。衛星受信局3500は、図33に示した衛星軌道のいずれかで地球上を周回する低軌道衛星に搭載して用いられる。衛星受信局3500は、LPWA部3520と衛星間通信部3530を備えている。
LPWA部3520は、地上の端末が送信したフレームを受信する。LPWA部3520は、図4に示した受信局200と同一の構成要素については図4と同じ参照番号を付けている。LPWA部3520内はさらに受信可能受信局判定部3526を備えている。受信可能受信局判定部3526は、端末から受信したデータフレームに格納されている次回データフレーム送信情報に基づいて、次回データフレームを受信可能な受信局を判定する。
衛星間通信部3530は、無線通信部3531と、無線制御部3532と、フレーム生成部3533と、フレーム検出・復調部3534を備えている。
無線通信部3531は、無線信号の送受信を行う。無線通信部353は、無線制御部3532からの制御により、電波を受信し、無線信号へ変換し、フレーム検出・復調部3534に渡す。また、無線通信部3531は、無線制御部3532からの制御により、フレーム生成部3533で生成されたフレームを無線信号に変換し、送信する。
無線制御部3532は、衛星受信局間でフレームを送受信できるように、無線通信部3531を制御する。
フレーム生成部3533は、LPWA部3520側の受信可能受信局判定部3526から取得した、次回データフレーム送信情報を格納し、所定のフォーマットに応じたフレームを生成する。
フレーム検出・復調部3534は、無線通信部3531の受信信号からフレームを検出し復調する。フレーム検出・復調部3534は、フレームの復調に成功した場合、受信したデータをLPWA部3520内の記憶部205に渡す。具体的には、同一軌道上の前方の衛星受信局から受信した受信対象端末の無線リソースの情報を、記憶部205内の受信リストに記憶する。
I-4.フレーム構成
図36には、端末と衛星受信局間で送受信されるデータフレームの構成例を示している。但し、初回データフレームと通常データフレームのフレーム構成は同じであるものとする。データフレームは、ID、DATA、Time Interval、Ch、Code、及びCRCの各フィールドを含む。
IDフィールドには、送信元である端末100の固有の識別子であるIDが格納される。DATAフィールドには、送信データが格納される。データフレームの場合には、センサー104から取得したデータなどが格納される。Time Intervalフィールドには、当該データフレームを送信してから、次回データフレームを送信するまでの送信間隔に関する情報が格納される。Chフィールドには、次回データフレームを送信する際に用いる周波数に関する情報が格納される。Codeフィールドには、次回データフレームを送信する際に用いる符号に関する情報、具体的には、プリアンブル、同期情報(Sync)、及びスクランブルパターンを生成するのに必要な4つの初期値を示す情報が格納される。CRCフィールドには、IDフィールド、DATAフィールド、Time Intervalフィールド、Chフィールド、及びCodeフィールドに格納された情報に対して計算したCRC値が格納される。受信側では、CRC値を用いて復調成功判定が行われる。
上記のID、DATA、Time Interval、Ch、Code、及びCRCを連結した系列に対して、FEC符号化や順番の並べ替え(インタリーブ)を行って、ペイロードを生成する。さらにペイロードの先頭に、フレーム検出と同期獲得に使用する既知パターンであるプリアンブルと同期情報を連結した後、ビット毎にスクランブルパターンとの排他的論理和(XOR)をとることによって、フレームが生成される。
システム内には、フレーム生成に必要なプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンの生成方法をそれぞれ決定するための規則が、あらかじめ決定されている。フレーム生成に必要なプリアンブル及び同期情報、スクランブルパターンの生成方法は、図6に示した規則3及び規則4にそれぞれ従う。プリアンブル及び同期情報(Preamble/Sync)は、規則3にプリアンブル及び同期情報算出用の2つの初期値Seed(P)-1とSeed(P)-2を入力することで決定される。また、スクランブルパターンは、規則4にスクランブルパターン用の2つの初期値Seed(S)-1とSeed(S)-2を入力することで決定される。
各初期値は、あらかじめシステム内で決まっており、端末100内の記憶部106及び衛星受信局3500内の記憶部3525に保持されている。また、初回データフレームと通常データフレームでは使用可能な初期値が異なる。
図37には、受信対象無線リソース情報通知フレームのデータ部分のフレーム構成例を示している。データ部分以外のフォーマットは、使用する通信方式に応じたものとする。受信対象無線リソース情報通知フレームは、衛星受信局が次回の通常データフレームを自身で受信できないと判定したときに受信可能な他の衛星受信局に対して次回の通常データフレーム送信用の無線リソースを通知するフレームである。
受信対象無線リソース情報通知フレームのデータ部分は、Rx Timeフィールドと、Chフィールドと、Codeフィールドを含む。Rx Timeフィールドには、次回のデータフレームの受信時刻に関する情報が格納される。Chフィールドには、次回のデータフレームの受信周波数に関する情報が格納される。Codeフィールドには、次回のデータフレームの受信符号に関する情報、具体的には、プリアンブル、同期情報(Sync)、及びスクランブルパターンを生成するのに必要な4つの初期値を示す情報が格納される。
I-5.端末の処理動作
図38には、端末が行う処理動作をフローチャートの形式で死している。
まず、端末は、初回データフレームの送信に使用する無線リソース(時刻、周波数、符号)を決定する(ステップS3801)。
次いで、端末は、次回の通常データフレームの送信に使用する無線リソース(時刻、周波数、符号)を決定する(ステップS3802)。
次いで、端末は、初回データフレームを生成する(ステップS3803)。初回データフレームのTime Interval、Ch、Codeの各フィールドには、ステップS3802で決定した、次回の通常データフレームの送信に使用する無線リソースの各情報を格納する。
そして、初回データフレームの送信時刻が到来すると(ステップS3804のYes)、端末は、ステップS3801で算出した送信周波数を用いて、ステップS3803で生成した初回データフレームを送信する(ステップS3805)。
次いで、端末は、次々回に送信するフレームが初回データフレームか否かを判定する(ステップS3806)。
次々回に送信するフレームが初回データフレームでない場合には(ステップS3808のNo)、端末は、次々回の通常データフレームの送信に使用する無線リソース(時刻、周波数、符号)を決定する(ステップS3807)。
次いで、端末は、通常データフレームを生成する(ステップS3808)。通常データフレームのTime Interval、Ch、Codeの各フィールドには、ステップS3807で決定した、次の通常データフレームの送信に使用する無線リソースの各情報を格納する。但し、次に送信するデータフレームが初回データフレームの場合には(ステップS3806のYes)、通常データフレームのTime Interval、Ch、Codeの各フィールドを0詰めする。
そして、通常データフレームの送信時刻が到来すると(ステップS3809のYes)、端末は、ステップS3802で算出した送信周波数を用いて、ステップS3803で生成した通常データフレームを送信する(ステップS3810)。
次いで、端末は、次回に送信するフレームが初回データフレームか否かを判定する(ステップS3811)。次回に送信するフレームが初回データフレームである場合には(ステップS3811のYes)、ステップS3801に戻って、端末は、初回データフレームを送信するための処理を繰り返し実行する。また、次回に送信するフレームが初回データフレームでない場合には(ステップS3811のNo)、ステップS3806に戻って、端末は、通常データフレームを送信するための処理を繰り返し実行する。
I-6.衛星受信局の処理動作
図39には、衛星受信局が初回データフレームを受信するための処理動作をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、初回データフレームの送信に割り当てられたすべての周波数及び符号に対して受信及び復調処理を実行する(ステップS3901)。
そして、初回データフレームの受信及び復調処理に成功した場合には(ステップS3902のYes)、衛星受信局は、復調に成功した初回データフレーム内のTime Intervalフィールドに格納されている送信間隔に基づいて、次回の通常データフレームの受信予想時刻を算出する(ステップS3903)。
次いで、衛星受信局は、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局が自身であるか否かを判定する(ステップS3904)。
次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局が自身である場合には(ステップS3904のYes)、衛星受信局は、ステップS3903で算出した受信予想時刻と初回データフレームに格納されている周波数及び符号を自身の受信リストに登録する(ステップS3905)。
一方、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局が自身でない場合には(ステップS3904のNo)、衛星受信局は、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局へ、受信対象無線リソース情報通知フレームを送信する(ステップS3906)。
図39に示したフローチャート中のステップS3903及びS3904の処理について、図16を参照しながら説明する。
例えばステップS3902で復調処理に成功した初回データフレームの受信時刻が12:00:01.020、Time Intervalが00:01:00.000であった場合、次回の通常データフレームの受信予想時刻は12:01:01.020となる。しかし、地上と衛星受信局間は数百kmと距離が長いため、伝搬遅延が発生する。また、衛星受信局は移動するため、データフレーム毎に伝搬遅延量が異なることを考慮する必要がある。
図16には、衛星の高度が600km、周波数が2GHzの場合の周波数誤差と伝搬遅延の時間変化の一例を示している。これは端末の頭上を衛星が通過する場合の例であり、1台の端末に対して衛星受信局は6分間受信可能であるとする。周波数誤差の算出には、3GPP TR 38.811 V15.1.0(非特許文献1)に記載されているモデルを参照した。
例えば、データフレームの受信時の周波数誤差推定結果が40kHzであったとする。その場合、伝搬遅延量は3.5ミリ秒、Time Intervalが00:01:00.000であった場合、次回の通常データフレームの受信ときの伝搬遅延量は2.5ミリ秒となる。したがって、次回の通常データフレームの受信予想時刻は12:01:01.019となる。
続いて、次回通常データフレームが受信可能な衛星受信局が自身であるか否かを判定する。
例えば、図16に示した例において、データフレーム受信時の周波数誤差推定結果が40kHz、Time Intervalが00:01:00.000であった場合、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局は自身である。
一方、データフレーム受信時の周波数誤差推定結果が-40kHz、Time Intervalが00:01:30.000であった場合、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局は同じ衛星軌道を周回する1つ後方の衛星受信局となる。
図40には、衛星受信局が通常データフレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、衛星受信局は、受信リストに登録されている受信対象無線リソース毎に本処理を実行するものとする。
まず、衛星受信局は、受信リストから受信対象の無線リソース(時刻、周波数、符号)を取得する(ステップS4001)。そして、衛星受信局は、受信対象時刻になったか否かを判定する(ステップS4002)。
受信対象時刻が到来すると(ステップS4002のYes)、衛星受信局は、受信対象周波数に対して、受信対象符号を用いて受信及び復調処理を実行する(ステップS4003)。そして、衛星受信局は、通常データフレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS4004)。
通常データフレームの復調に失敗した場合には(ステップS4004のNo)、衛星受信局は、後続の処理ステップをすべてスキップして、当該受信対象無線リソースにおける通常データフレームの受信処理を終了する。
一方、通常データフレームの復調に成功した場合には(ステップS4004のYes)、衛星受信局は、復調した通常データフレームに、次回の通常データフレームの送信に用いる無線リソースの情報が格納されているか否かを判定する(ステップS4005)。
復調した通常データフレームに、次回の通常データフレームの送信に用いる無線リソースの情報が格納されていない場合には(ステップS4005のNo)、衛星受信局は、後続の処理ステップをすべてスキップして、当該受信対象無線リソースにおける通常データフレームの受信処理を終了する。
復調した通常データフレームに、次回の通常データフレームの送信に用いる無線リソースの情報が格納されている場合には(ステップS4005のYes)、衛星受信局は、当該通常データフレームの受信時刻と当該通常データフレームに格納されている送信間隔に基づいて、次の通常データフレームの受信予想時刻を算出する(ステップS4006)。
次いで、衛星受信局は、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局が自身であるか否かを判定する(ステップS4007)。
次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局が自身である場合には(ステップS4007のYes)、衛星受信局は、ステップS4006で算出した受信予想時刻と、ステップS4003で復調した通常データフレームに格納されている周波数及び符号を自身の受信リストに登録する(ステップS4008)。
また、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局が自身でない場合には(ステップS4007のNo)、衛星受信局は、次回の通常データフレームを受信可能な衛星受信局へ、受信対象無線リソース情報通知フレームを送信する(ステップS4009)。
図41には、衛星受信局が受信対象無線リソース情報通知フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、衛星受信局は、他の衛星受信局から受信対象無線リソース情報通知フレームを受信したか否かを判定する(ステップS4101)。そして、受信対象無線リソース情報通知フレームを受信した場合には(ステップS4101のYes)、衛星受信局は、受信対象無線リソース情報通知フレームを復調処理して(ステップS4102)、当該フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS4103)。
受信対象無線リソース情報通知フレームの復調に成功した場合には(ステップS4103のYes)、衛星受信局は、そのフレームが自局宛てか否かを判定する(ステップS4104)。
そして、復調した受信対象無線リソース情報通知フレームが自局宛ての場合には(ステップS4104のYes)、衛星受信局は、当該フレームに格納されている情報を自身の受信リストに登録する(ステップS4105)。
また、復調した受信対象無線リソース情報通知フレームが自局宛てでない場合には(ステップS4104のNo)、衛星受信局は、該当する衛星受信局へ、受信対象無線リソース情報通知フレームを転送する(ステップS4106)。
I-7.効果
このI項で説明した第6の実施例によってもたらされる効果についてまとめておく。第6の実施例によれば、以下の(1)及び(2)のような効果を得ることができる。
(1)端末と衛星受信局間で無線リソース割り当てのためのシグナリングの必要がなく、衛星受信局が受信及び復調処理を実行する無線リソースを限定することができる。
(2)端末と衛星受信局間で無線リソース割り当てのためのシグナリングの必要がなく、衛星受信局が移動し、端末が送信するデータフレームを受信可能な衛星受信局が変化した場合でも追従可能である。
上記(1)及び(2)よりさらに以下の効果につながる。
(3)端末の低消費電力化及び低コスト化
(4)受信局当たりの収容台数の増加
(5)受信局の小型化、低消費電力化
(6)システムで必要な受信局数の削減
(7)通信サービスの低コスト化