JP7747263B2 - 鋼管ねじ継手 - Google Patents
鋼管ねじ継手Info
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Description
上述したような従来のAGF工法で用いられる杭用鋼管としては、施工のし易さの観点から、鋼管端部の接合部に鋼管ねじ継手が加工されたものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、ケーシングシューは一般的に鋼管から製造され、鋼管部材と鋼管ねじ継手を介して連結されるが、この継手には引張強度に代表される一般的な構造性能をさらに向上させたねじ継手が求められていた。
とくに、ケーシングシューと先頭管を締結する鋼管ねじ継手は掘削中に破断しやすく、掘削を中断させてしまう。このように掘削の中断による施工効率が低下するという問題があり、その点で改善の余地があった。
つまり、本発明では、テーパーねじからなる鋼管ねじ継手を使用することで、引張強度に密接に関係する継手断面積を確保しやすくなる。さらに、本発明では、ケーシングシューに雄ねじを有するピンを設け、鋼管に雌ねじを有するボックスを設けているので、ケーシングシュー側にボックスが設けられ、鋼管側にピンが設けられる場合のように、管軸方向に引張荷重が作用したときにピンが径方向内側に縮径し、ねじの嵌合がはずれて早期に破断するいわゆる「ジッパー効果」を防止することができる。
さらにまた、本発明では、ケーシングシューの材料引張強度が鋼管の材料引張強度よりも高いことから、ねじ継手をボックスの危険断面から破断させることができ、ケーシングシューの内側に配置される部材をより確実に保護することができる。
ドリルビット3およびインナービット5は、鋼管2およびケーシングシュー4とは切り離された状態で一体的に回転する。
ドリルビット3は、地盤に対して切削する際の回転によって、硬い岩盤に対して管軸方向Xに前後に脈動する。この際にインナービット5の被衝突面51aはケーシングシュー4の衝突面40aに繰り返し衝突することになる。
ケーシング本体40の外面側における後部40Bとピン41との境界部には、ピン41の外面との間で段差を形成するショルダー部42を有している。
図2に示すように、本実施形態による鋼管ねじ継手1によれば、鋼管ねじ継手部分の引張強度が鋼管2の管体よりも高く、破断位置がケーシングシュー4ではなく鋼管2側とすることができるため、トンネル補強工法の施工中における鋼管ねじ継手1の破断を抑制することができる。
さらにまた、本実施形態では、ケーシングシュー4の材料引張強度が鋼管2の材料引張強度よりも高いことから、鋼管ねじ継手をボックス21の危険断面Q2から破断させることができ、ケーシングシュー4の内側に配置される部材をより確実に保護することができる。
さらに、本変形例による鋼管ねじ継手1Aでは、ケーシングシュー4の全長を上述した実施形態の鋼管ねじ継手1よりも短くすることができる。そのため、より低コストでケーシングシュー4を製造できる。
第1実施例では、数値シミュレーション解析(有限要素解析)を使用して、鋼管ねじ継手に管軸方向の引張荷重を与え、鋼管ねじ継手の応力とひずみ集中の状態を確認し、耐衝撃性について評価した。すなわち、地盤の掘削時にドリルビットの回転に起因してインナービットがケーシングシューに対して衝撃的に繰り返し接触し、ケーシングシューの危険断面付近から破断するおそれがある。これを防止するためには、危険断面付近(図1に示す符号Q1部分)の応力およびひずみ集中を抑制する必要があり、第1実施例ではこれを検証した。
解析ケース2は、図2に示すように上述した実施形態で示すテーパー状の鋼管ねじ継手1において、ケーシングシュー4のピン41の雄ねじ43における危険断面Q1を不完全ねじ部43Aとしたものである。このとき、ボックス21の雌ねじ22は不完全ねじ部22A(図2参照)である。
図5に示す解析ケース3は、ボックス21とピン41のねじ継手として一般的な平行ねじを採用した構成である。
図6に示すように、解析ケース3、解析ケース1、解析ケース2の順で高応力部の面積が減少していることが確認され、その順で応力が緩和されていることがわかる。ここで、図6において、各解析ケース1、2、3における高応力部をそれぞれ符号K1、K2、K3で示している。
解析ケース1では、ピン41の完全ねじ部43Bの終端部(先端部)において高応力部K1が発生している。高応力部K1は、ピン41の危険断面Q1における雄ねじのねじ底の範囲で応力が高くなっていることが確認された。
また、解析ケース2では、ピン41の不完全ねじ部43Aとボックス21の雌ねじ22の接触部のみで高応力部K2が発生していることが確認された。
この結果、解析ケース1の鋼管ねじ継手が略75%であり、解析ケース2の鋼管ねじ継手が20%以下であり、最もひずみ量が緩和されていることがわかる。
第2実施例では、上述した鋼管ねじ継手の引張強度を引張試験により確認した。第2実施例では、表1に示すように実施例1~3と比較例1~3の6つの試験ケースにおいて、それぞれ以下に示す条件の試験体を作成して引張試験を行った。表1は、第2実施例で使用した6つの試験毎の試験体の条件と引張試験結果を示している。
実施例1~3の試験体は、テーパーねじの鋼管ねじ継手であり、かつボックスが不完全ねじ部を有している。また、実施例1~3の試験体は、上述した(1)式の関係(すなわち、ピンの材料引張強度Tp×危険断面積Ap>ボックス21の材料引張強度Tb×危険断面積Ab)を満たしている。ここで、表1において、「〇」は(1)式を満たしていることを示し、「×」は(1)式を満たしていないことを示している。実施例1~3は、それぞれ同じ条件の鋼管ねじ継手の試験体を作成して試験を行ったものである。
さらに、比較例2の結果より、(1)式も満たしていても、平行ねじでボックスに不完全ねじを有さない場合には、引張強度が比較例3の管体の半分近くまで低下し、破断位置もボックスになることが確認できた。
このような結果により、実施例1~3の条件であるテーパーねじの鋼管ねじ継手で、ボックスに不完全ねじを有するとともに、(1)式を満たす条件とすることで、破断位置を管体とした引張強度の高いねじ継手を実現できることがわかった。
第3実施例は、上述した鋼管ねじ継手の耐衝撃性について図8に示す試験装置100を使用して確認したものである。第3実施例では、表2に示すように実施例1、2と比較例の3つの試験ケースにおいて、それぞれ以下に示す条件の試験体を作成して耐衝撃性の試験を行った。表2は、第3実施例で使用した3つの試験毎の試験体の条件と耐衝撃性の試験結果を示している。
実施例1、2の試験体は、テーパーねじの鋼管ねじ継手であり、ボックスが不完全ねじ部を有し、かつピンが不完全ねじ部を有している。また、実施例1、2の試験体は、上述した(1)式の関係(すなわち、ピンの材料引張強度Tp×危険断面積Ap>ボックス21の材料引張強度Tb×危険断面積Ab)を満たしている。ここで、表2において、「〇」は(1)式を満たしていることを示している。また、実施例1、2の試験体におけるケーシングシューの衝突面の位置は、ピンショルダーと先端の中間(上述した実施形態の図2に示す位置)である。
本試験では、ケーシングシュー4等を先端に取り付けた鋼管2を動力機械101により回転させ、コンクリート壁102に繰り返し接触させることで鋼管ねじ継手に衝撃荷重を与えた。なお、コンクリート壁102への接触回数は、1500~2000回/分である。
そして、本試験結果として、試験時間(分)と、試験時間経過後の継手の状態を目視により確認した。
このような結果により、実施例1、2の条件であるテーパーねじの鋼管ねじ継手で、ボックス及びピンに不完全ねじを有するとともに、(1)式を満たす条件とし、さらにピンにおけるショルダー部と先端部との中間に衝突面を設けることで、耐衝撃性が向上されることが確認できた。
2 鋼管
3 ドリルビット
4 ケーシングシュー
5 インナービット
21 ボックス
22 雌ねじ
22A ボックスの不完全ねじ部
40 ケーシング本体
40a 衝突面
41 ピン
41a 衝突面
42 ショルダー部
43 雄ねじ
43A ピンの不完全ねじ部
43B ピンの完全ねじ部
51a 被衝突面
10 トンネル補強部材
Q1 ピンの危険断面
Q2 ボックスの危険断面
X 管軸方向
X1 先端側
X2 基端側
Claims (3)
- トンネル補強工法で地盤に打ち込まれる鋼管と、前記鋼管と地盤掘削用のドリルビットとの間に配置されるケーシングシューと、に加工された鋼管ねじ継手であって、
前記鋼管の内側に雌ねじ加工されたボックスと、
前記ケーシングシューの外側に雄ねじ加工されたピンと、を有し、
前記ボックスと前記ピンとに形成されるねじ列は、前記鋼管の管軸に対してテーパーを形成し、
前記ボックスは、雌ねじ山の高さが前記鋼管の径方向中心に向かうに従い漸次、小さくなる不完全ねじ部を有し、
前記不完全ねじ部の少なくとも一部が前記ピンの雄ねじと嵌合し、
前記ケーシングシューの材料引張強度は、前記鋼管の材料引張強度よりも高く設定され、
前記ドリルビットは、前記鋼管の内側に配置されるインナービットに固定され、
前記ケーシングシューは、管軸方向で掘削先端側に位置するケーシング本体と、前記ケーシング本体の基端側に連設される前記ピンと、を有し、
前記ケーシング本体の管軸方向の中央には、前記鋼管より厚肉となる管厚部を有し、
前記管厚部には、管軸方向で前記基端側から前記インナービットが衝突する衝突面が形成され、
前記ピンの材料引張強度Tpおよび危険断面積Ap、前記ボックスの材料引張強度Tbおよび危険断面積Abは、(1)式および(2)式の関係式を満たすことを特徴とする鋼管ねじ継手。
- 前記ピンの雄ねじ山の高さは、径方向外側に向かうに従い漸次、小さくなる不完全ねじ部を有することを特徴とする請求項1に記載の鋼管ねじ継手。
- 前記衝突面は、前記ピンにおける前記ボックスの先端部を向くショルダー部よりも、管軸方向で前記ケーシングシューの前記掘削先端側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管ねじ継手。
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| JP2006097272A (ja) | 2004-09-28 | 2006-04-13 | Ohbayashi Corp | 地山補強工用管体の余剰部撤去方法 |
| JP2021038643A (ja) | 2019-08-30 | 2021-03-11 | 日本製鉄株式会社 | 鋼管ねじ継手 |
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