JP7749898B2 - PCa接合部材 - Google Patents

PCa接合部材

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Description

本発明は、PCa接合部材に関する。
例えば、RC(Reinforced Concrete)造の上下階の柱同士の柱接合部や、RC造の柱と梁の柱梁接合部、RC造の柱とS(Steel)造の梁のハイブリッド構造の柱梁接合部等を、現場におけるコンクリート打設により施工する場合、工期の長期化が課題としてあり、高層建築物の場合はこの課題が一層顕著になる。そこで、上下階の柱、あるいは柱と仕口をいずれもプレキャストコンクリート(以下、適宜「PCa」とする)製とし、PCa柱やPCa仕口(いずれもPCa部材に含まれる)を現場に搬送して組み付けてPCa接合部材とすることにより、最小限のグラウト充填のみで一体化を図る施工方法が適用されることがある。このPCa接合部材の施工方法によれば、高層建築物を含め、工期を格段に短縮できるとともに、上下階に連続する柱や柱梁接合部がPCa部材により形成されることから、構造信頼性の高い建築物を施工することが可能になる。PCa接合部材の施工方法の中でも、PCa部材同士をPC(Prestressed Concrete)鋼棒やPC鋼線等の緊張材にて緊張し、相互に締め付けることによってプレキャストプレストレストコンクリート(以下、適宜「PCaPC」とする)接合部材を施工することにより、工期のより一層の短縮を図ることができる。本明細書では、PCaPC接合部材はPCa接合部材に含まれるものとし、その構成部材であるPCaPC部材はPCa部材に含まれるものとする。
上記するPCa部材はその内部に複数のシース管を備えており、相互に接合されるPCa部材は、対応する双方のシース管を連通させて連通シース管を形成し、連通シース管に緊張材が挿入されて緊張された後、連通シース管の内部にグラウトが充填されて緊張材がボンド状態とされることにより、複数の緊張されたボンド状態の緊張材によりPCa部材同士の接続が図られるのが一般的である。しかしながら、連通シース管の内部にグラウトを充填する作業には手間がかかり、連通シース管の本数の増加や、建築物の高層化によりグラウト充填箇所が増加することによって、この課題は一層顕著になる。さらに、連通シース管に充填されたグラウトが所定の強度を発現するまでの養生期間が、工期の長期化に少なからず影響を及ぼし得るといった課題もある。
ここで、特許文献1には、プレキャストプレストレストコンクリート柱を備えた高層建物が提案されている。この高層建物は、コンクリート柱体に緊張材が鉛直方向に挿通された複数のプレキャストプレストレストコンクリート柱と、建物の揺れを抑制する複数の制振装置とを備えた高層建物であり、プレキャストプレストレストコンクリート柱は、緊張材がアンボンド状態でコンクリート柱体に配設され、制振装置は、高層建物の揺れによる緊張材の変形が緊張材の弾性範囲内に収まるように高層建物の揺れを抑制するものである。
特開2019-19664号公報
特許文献1に記載される高層建物によれば、アンボンド状態の緊張材を適用することにより、グラウトを充填する際の上記課題を解消することができる。ところで、緊張材がシース管の内部にアンボンド状態で緊張している形態では、緊張材がグラウトにより防護されていないことから、PCa部材の接合領域における緊張材の発錆が課題となり得る。また、建築物の地震時の変形の際に、例えば上記接合領域において緊張材がシース管に衝突して破損する恐れがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、アンボンド状態の緊張材によりPCa部材同士が接合されているPCa接合部材において、PCa部材同士の接合領域における緊張材の発錆や緊張材がシース管に衝突することによる破損を抑制もしくは抑止できる、PCa接合部材を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるPCa接合部材の一態様は、
プレキャストコンクリート製で複数のシース管を備えているPCa部材が、対応する前記シース管を連通させて連通シース管を形成しながら相互に接合されている、PCa接合部材であって、
全ての前記連通シース管には緊張材が挿入され、前記緊張材はアンボンド状態で緊張されており、
前記緊張材のうち、少なくとも二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に防錆材が塗布されていることを特徴とする。
本態様によれば、相互に接合されるPCa部材の備えるシース管により形成される連通シース管に、緊張材がアンボンド状態で緊張されているPCa接合部材において、緊張材のうち、少なくとも二つのPCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に防錆材が塗布されていることにより、緊張材の接合領域における発錆を抑制もしくは抑止できる。
ここで、「接合界面を跨ぐ接合領域」とは、接合界面を跨いで双方のPCa部材の内部にそれぞれ、例えば数cm乃至数十cm程度の範囲の領域を意味している。また、「少なくとも二つのPCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に塗布する」とは、防錆材を接合領域にのみ塗布する形態の他に、例えば緊張材の全域に塗布する形態を含む意味である。特に接合領域における緊張材の発錆が懸念されることとコストの双方を勘案すると、緊張材の接合領域のみに防錆材を塗布するのが好ましい。尚、上記するように、本態様のPCa接合部材はPCaPC接合部材を含み、PCa部材はPCaPC部材を含み、PCa仕口はPCaPC仕口を含み、PCa柱はPCaPC柱を含み、PCa梁はPCaPC梁を含んでいる。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様は、
プレキャストコンクリート製で複数のシース管を備えているPCa部材が、対応する前記シース管を連通させて連通シース管を形成しながら相互に接合されている、PCa接合部材であって、
全ての前記連通シース管には緊張材が挿入され、前記緊張材はアンボンド状態で緊張されており、
前記連通シース管と前記緊張材の間の隙間のうち、少なくとも二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に粘弾性材が配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、相互に接合されるPCa部材の備えるシース管により形成される連通シース管に、緊張材がアンボンド状態で緊張されているPCa接合部材において、連通シース管と緊張材の間の隙間のうち、少なくとも二つのPCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に粘弾性材が配設されていることにより、少なくとも二つのPCa部材の接合領域における緊張材がシース管に衝突することによる緊張材の破損を抑制もしくは抑止できる。本態様においても、粘弾性材を接合領域にのみ配設する形態の他に、例えば緊張材の全域に配設する形態があるが、接合領域の他に、建物変形時に緊張材が大きく変形する領域を抽出して粘弾性材が配設されてもよい。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様は、
プレキャストコンクリート製で複数のシース管を備えているPCa部材が、対応する前記シース管を連通させて連通シース管を形成しながら相互に接合されている、PCa接合部材であって、
全ての前記連通シース管には緊張材が挿入され、前記緊張材はアンボンド状態で緊張されており、
前記緊張材のうち、少なくとも二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に防錆材が塗布されており、
前記連通シース管と前記緊張材の間の隙間のうち、少なくとも二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に粘弾性材が配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、相互に接合されるPCa部材の備えるシース管により形成される連通シース管に、緊張材がアンボンド状態で緊張されているPCa接合部材において、緊張材のうち、少なくとも二つのPCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に防錆材が塗布されていること、及び、連通シース管と緊張材の間の隙間のうち、少なくとも二つのPCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域に粘弾性材が配設されていることにより、緊張材の接合領域における発錆と、緊張材がシース管に衝突することによる緊張材の破損の双方を抑制もしくは抑止できる。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様は、
二つの前記PCa部材の接合界面を跨いでそれらの外周を囲繞している、補剛材をさらに備えていることを特徴とする。
本態様によれば、接合界面を跨いでそれらの外周を囲繞している補剛材をさらに備えていることにより、補剛材が接合領域におけるPCa部材のかぶり部のコンクリートの剥離を防止することができる。さらに、補剛材が接合領域の外周を囲繞することにより、外気や雨水等が界面内部へ浸入することを抑制でき、このことによっても緊張材の発錆を抑制することが可能になる。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様は、
前記防錆材が、前記連通シース管に挿入されている前記緊張材の全域に塗布されていることを特徴とする。
本態様によれば、緊張材の全域に防錆材が塗布されていることにより、緊張材の全域における発錆を抑制もしくは抑止できる。また、緊張材への防錆材の塗布の際には、例えば接合領域を特定して塗布する必要がないことから、この接合領域の特定に要する手間を解消することができる。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様は、
前記粘弾性材が、前記連通シース管の全域の隙間に配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、連通シース管の全域の隙間に粘弾性材が配設されていることにより、連通シース管の全域における緊張材の衝突に起因する破損を抑制もしくは抑止できる。また、接合領域の他に、例えば建物変形時に緊張材が大きく変形する領域を抽出して粘弾性材を配設する際のこの変形領域の抽出が必要ないことから、この抽出に要する手間を解消することができる。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様において、
相互に接合される前記PCa部材は、PCa柱とPCa柱であることを特徴とする。
本態様によれば、相互に接合されるPCa部材がいずれもPCa柱であることにより、縦方向に連続するPCa柱の少なくとも接合領域における、緊張材の発錆及び/又は緊張材のシース管への衝突に起因する破損を抑制もしくは抑止できる。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様において、
相互に接合される前記PCa部材は、PCa柱とPCa仕口であることを特徴とする。
本態様によれば、相互に接合されるPCa部材がPCa柱とPCa仕口であることにより、柱梁接合部の少なくとも接合領域における、緊張材の発錆及び/又は緊張材のシース管への衝突に起因する破損を抑制もしくは抑止できる。
また、本発明によるPCa接合部材の他の態様において、
相互に接合される前記PCa部材は、PCa梁とPCa梁であることを特徴とする。
本態様によれば、相互に接合されるPCa部材がいずれもPCa梁であることにより、横方向に連続するPCa梁の少なくとも接合領域における、緊張材の発錆及び/又は緊張材のシース管への衝突に起因する破損を抑制もしくは抑止できる。
以上の説明から理解できるように、本発明のPCa接合部材によれば、アンボンド状態の緊張材によりPCa部材同士が接続されているPCa接合部材において、PCa部材同士の接合領域における緊張材の発錆や緊張材がシース管に衝突することによる破損を抑制もしくは抑止できる。
第1実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図である。 図1のII-II矢視図である。 第2実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図である。 第3実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図である。 第4実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図である。
以下、各実施形態に係るPCa接合部材の一例について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1実施形態に係るPCa接合部材]
はじめに、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係るPCa接合部材の一例について説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図であり、図2は、図1のII-II矢視図である。
PCa接合部材(PCaPC接合部材)100は、下階のPCa柱(PCaPC柱)10(PCa部材(PCaPC部材)の一例)と上階のPCa柱(PCaPC柱)20(PCa部材(PCaPC部材)の一例)が相互に接合されることにより形成される。ここで、図示を省略するが、PCa接合部材は図示例の他にも、PCa柱(PCaPC柱)とPCa仕口(PCaPC仕口)の接合部材や、PCa梁(PCaPC梁)とPCa梁(PCaPC梁)の接合部材があり、これら様々なPCa接合部材により、複数階の建築物を構成するハイブリッド架構体が形成される。
ここで、「ハイブリッド架構体」とは、プレキャストのRC(Reinforced Concrete)造の柱であるPCa柱10,20と、同様にプレキャストのRC造の仕口である不図示のPCa仕口と、PCa仕口同士を繋ぐ不図示の鉄骨梁とを備えた構造である。PCa仕口は詳細には、鉄骨梁の一部を形成するブラケットを内蔵している、SRC(Steel Reinforced Concrete)造とも言える。
下階のPCa柱10は、直方体状のPCaコンクリート体11を有し、PCaコンクリート体11の内部には複数(図示例は十本)のシース管16が埋設されており、各シース管16にはアンボンドPC鋼材17(緊張材の一例)が挿通されている。ここで、アンボンドPC鋼材17はPC鋼棒であるが、その他、PC鋼線等であってもよい。図示を省略するが、PCa柱10は、鉛直方向に延設する複数の柱主筋を有し、各柱主筋の外周を包囲する複数の矩形枠状の帯筋を有している。
アンボンドPC鋼材17は、PCaコンクリート体11の上端12から上方に突出しており、緊張された状態でナット19を締め付けることにより、定着プレート18がPCaコンクリート体11の上端12に定着され、アンボンドPC鋼材17の緊張状態が保持される。
シース管16の内部の隙間Gにはグラウトが充填されておらず、従って、アンボンドPC鋼材17は、文字通りシース管16の内部においてアンボンド状態となっている。
一方、上階のPCa柱20は、直方体状のPCaコンクリート体21を有し、PCaコンクリート体21の内部における各シース管16に対応する位置には、複数(図示例は十本)のシース管26が埋設されており、各シース管26にはアンボンドPC鋼材27(緊張材の一例)が挿通されている。ここで、アンボンドPC鋼材27はPC鋼棒である。ここで、アンボンドPC鋼材17,27の本数は図示例に限定されない。
アンボンドPC鋼材17の上端とアンボンドPC鋼材27の下端は、カップラー等の機械式継手35を介して相互に繋がれる。また、シース管16、26が上下に連通することにより連通シース管30が形成され、相互に繋がれたアンボンドPC鋼材17,27が連通シース管30に挿通されている。
ここで、上方にあるシース管26の下方は、管径が拡大している拡幅シース管26Aとなっており、この拡幅シース管26Aの内部に機械式継手35が収容されるようになっている。
図示を省略するが、アンボンドPC鋼材27は、PCaコンクリート体21の上端から上方に突出しており、緊張された状態でナットを締め付けることにより、定着プレートがPCaコンクリート体21の上端に定着され、アンボンドPC鋼材27の緊張状態が保持される。シース管26にもグラウトは充填されておらず、従って、アンボンドPC鋼材27は、文字通りシース管26の内部においてアンボンド状態となっている。
このように、各階のアンボンドPC鋼材17,27は、対応するPCaコンクリート体11,21の上端において定着プレートを介して定着される。
PCaコンクリート体11の上端12における定着プレート18の周囲には、上方に突出するアンボンドPC鋼材17を囲繞する養生部材37が設置され、PCa柱10の上端12とPCa柱20の下端22の間の目地空間41に打設される目地材40が、上下のシース管26,16に入り込まないようにされている。
ここで、養生部材37には、例えばジャバラジョイントが適用され、目地材には、モルタル等のグラウトが適用される。
アンボンドPC鋼材17,27のうち、二つのPCa柱10,20の接合界面80を跨ぐ接合領域Aには、防錆材50が塗布されている。図示例では、定着プレート18やナット19,機械式継手35の周囲にも防錆材50が塗布されているが、アンボンドPC鋼材17,27の接合領域Aにのみ防錆材50が塗布されてもよい。
ここで、接合領域Aは、接合界面80を跨いで双方のPCa柱10,20の内部にそれぞれ、例えば数cm乃至数十cm程度の範囲の領域であるが、この範囲は、建築物の立地環境等に応じて、アンボンドPC鋼材17,27に発錆が生じると想定される範囲に設定される。
ここで、図示を省略するが、アンボンドPC鋼材17,27の全域に防錆材50が塗布されてもよい。
防錆材50には、溶融亜鉛メッキや有機系ジンクリッチペイント、エポキシ樹脂等の樹脂系防錆材等が適用される。防錆材50に例えば溶融亜鉛メッキが適用される場合、通常は亜鉛浴に緊張材が浸漬されてめっきが施されることになるが、本明細書ではこのような浸漬やスプレー塗装なども「塗布」に含まれるものとする。
PCa接合部材100によれば、PCa柱10,20のシース管16,26にそれぞれ挿通されているアンボンドPC鋼材17,27が機械式継手35を介して繋がれ、双方のアンボンドPC鋼材17,27が緊張されていることにより、シース管16,26にグラウトを充填することに依拠する工期の長期化を解消することができる。
さらに、アンボンドPC鋼材17,27のうち、少なくとも二つのPCa柱10,20の接合界面80を跨ぐ接合領域Aに防錆材50が塗布されていることにより、アンボンドPC鋼材17,27の接合領域Aにおける発錆を抑制もしくは抑止できる。
[第2実施形態に係るPCa接合部材]
次に、図3を参照して、第2実施形態に係るPCa接合部材の一例について説明する。ここで、図3は、第2実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図である。
PCa接合部材100Aは、アンボンドPC鋼材17,27の接合領域Aに防錆材50が塗布されていることに代わり、連通シース管30とアンボンドPC鋼材17,27の間の隙間Gのうち、接合領域Aの範囲に粘弾性材60が配設されている点においてPCa接合部材100と相違する。
ここで、図示を省略するが、連通シース管30の全域の隙間Gに粘弾性材60が配設されてもよい。
粘弾性材60には、ゴムをはじめとする粘弾性で液状や半固体状、固体状の樹脂材の他、ガムテープ(登録商標)やセロテープ(登録商標)等が適用される。
PCa接合部材100Aによれば、連通シース管30とアンボンドPC鋼材17,27の間の隙間Gのうち、少なくとも二つのPCa柱10,20の接合界面80を跨ぐ接合領域Aに粘弾性材60が配設されていることにより、少なくとも二つのPCa部材の接合領域AにおけるアンボンドPC鋼材17,27がシース管16,26に衝突することによるアンボンドPC鋼材17,27の破損を抑制もしくは抑止できる。
[第3実施形態に係るPCa接合部材]
次に、図4を参照して、第3実施形態に係るPCa接合部材の一例について説明する。ここで、図4は、第3実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図である。
PCa接合部材100Bは、アンボンドPC鋼材17,27の接合領域Aに防錆材50が塗布され、さらに、連通シース管30とアンボンドPC鋼材17,27の間の隙間Gのうち、接合領域Aの範囲に粘弾性材60が配設されている点においてPCa接合部材100,100Aと相違する。
PCa接合部材100Bによれば、アンボンドPC鋼材17,27の接合領域Aに防錆材50が塗布され、さらに連通シース管30とアンボンドPC鋼材17,27の間の隙間Gの接合領域Aに粘弾性材60が配設されていることにより、アンボンドPC鋼材17,27の接合領域Aにおける発錆と、シース管16,26に衝突することによるアンボンドPC鋼材17,27の破損の双方を抑制もしくは抑止できる。
[第4実施形態に係るPCa接合部材]
次に、図5を参照して、第4実施形態に係るPCa接合部材の一例について説明する。ここで、図5は、第4実施形態に係るPCa接合部材の一例の縦断面図であって、相互に接合されるPCa柱の接合領域の周辺の拡大図である。
PCa接合部材100Cは、PCa接合部材100Bに対して、PCa柱10,20の接合界面80を跨いでそれらの外周(側面13,23)を囲繞している、補剛材70をさらに備えている。ここで、PCa接合部材100Bに代わり、PCa接合部材100,100Aに対してさらに補剛材70を備えている形態であってもよい。
補剛材70は、ボルト75によりPCa柱10,20に固定される。
図示する補剛材70は、鋼板や炭素繊維シートであるが、その他、複数の形鋼材や鋼管、角パイプ等によるフレーム架構等が適用されてもよい。
PCa接合部材100Cによれば、アンボンドPC鋼材17,27の接合領域Aにおける発錆や破損を抑制できることに加えて、補剛材70が接合領域AにおけるPCa柱10,20の外周を囲繞することにより、PCa柱10,20のかぶり部のコンクリートの剥離を防止することができる。さらに、補剛材70にて外気や雨水等が接合界面80へ浸入することを抑制でき、このことによってもアンボンドPC鋼材17,27の発錆を抑制することが可能になる。
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:PCa柱(下階のPCa柱、PCa部材、PCaPC柱)
11:PCaコンクリート体
12:上端
13:側面
16:シース管
17:アンボンドPC鋼材(緊張材)
18:定着プレート
19:ナット
20:PCa柱(上階のPCa柱、PCa部材、PCaPC柱)
21:PCaコンクリート体
22:下端
23:側面
26:シース管
26A:拡幅シース管
27:アンボンドPC鋼材(緊張材)
30:連通シース管
35:機械式継手
37:養生部材(ジャバラジョイント)
40:目地材
41:目地空間
50:防錆材
60:粘弾性材
70:補剛材(鋼板)
75:ボルト
80:接合界面
100,100A,100B,100C:PCa接合部材(PCaPC接合部材)
A:接合領域
G:隙間

Claims (9)

  1. プレキャストコンクリート製で複数のシース管を備えているPCa部材が、対応する前記シース管を連通させて連通シース管を形成しながら相互に接合されている、PCa接合部材であって、
    全ての前記連通シース管には緊張材が挿入され、緊張材は該緊張材の延伸方向に所定の長さを有する機械式継手を介してアンボンド状態で緊張されており、
    前記緊張材のうち、二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域であって該緊張材の延伸方向において前記所定の長さよりも長い所定の長さを有する該接合領域に防錆材が塗布されていることを特徴とする、PCa接合部材。
  2. プレキャストコンクリート製で複数のシース管を備えているPCa部材が、対応する前記シース管を連通させて連通シース管を形成しながら相互に接合されている、PCa接合部材であって、
    全ての前記連通シース管には緊張材が挿入され、緊張材は該緊張材の延伸方向に所定の長さを有する機械式継手を介してアンボンド状態で緊張されており、
    前記連通シース管と前記緊張材の間の隙間のうち、二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域であって該緊張材の延伸方向において前記所定の長さよりも長い所定の長さを有する該接合領域に粘弾性材が配設されていることを特徴とする、PCa接合部材。
  3. プレキャストコンクリート製で複数のシース管を備えているPCa部材が、対応する前記シース管を連通させて連通シース管を形成しながら相互に接合されている、PCa接合部材であって、
    全ての前記連通シース管には緊張材が挿入され、緊張材は該緊張材の延伸方向に所定の長さを有する機械式継手を介してアンボンド状態で緊張されており、
    前記緊張材のうち、二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ接合領域であって該緊張材の延伸方向において前記所定の長さよりも長い所定の長さを有する該接合領域に防錆材が塗布されており、
    前記連通シース管と前記緊張材の間の隙間のうち、二つの前記PCa部材の接合界面を跨ぐ前記接合領域に粘弾性材が配設されていることを特徴とする、PCa接合部材。
  4. 二つの前記PCa部材の接合界面を跨いでそれらの外周を囲繞している、補剛材をさらに備えていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のPCa接合部材。
  5. 前記防錆材が、前記連通シース管に挿入されている前記緊張材の全域に塗布されていることを特徴とする、請求項1,3,請求項1,3に従属する請求項4のいずれか一項に記載のPCa接合部材。
  6. 前記粘弾性材が、前記連通シース管の全域の隙間に配設されていることを特徴とする、請求項2,3,請求項2,3に従属する請求項4のいずれか一項に記載のPCa接合部材。
  7. 相互に接合される前記PCa部材は、PCa柱とPCa柱であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のPCa接合部材。
  8. 相互に接合される前記PCa部材は、PCa柱とPCa仕口であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のPCa接合部材。
  9. 相互に接合される前記PCa部材は、PCa梁とPCa梁であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のPCa接合部材。
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