JP7750101B2 - 異常診断装置および異常診断方法 - Google Patents

異常診断装置および異常診断方法

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Description

本発明は、制御基板等の、所定の製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置における異常診断装置および異常診断方法に関する。
製造プロセスに用いられる製造設備には、フィールド機器であるセンサや制御回路基板またはプログラマロジックコンピュータによる指示でモータなどの負荷を駆動させる制御装置が設けられている。制御装置は外的要因や経年劣化により故障を生じるため、装置自体に、過電流、過電圧、電源喪失やセンサ故障を検知・表示する機能を有しており、このような機能が異常発生後の対応に役立っている。最新の技術では、センサや装置、制御回路基板(制御基板)からのデータを外付けのデータ収集装置を用いて収集し、トレンド波形確認できる機能も用いられている。
一方で、制御基板は、制御装置ならびに情報処理装置により所定の製造設備を動作させるための電子回路基板であり、その異常を診断する場合、上記機能だけでは異常箇所を診断できない。このため、外部出力されていない自身が有するデータおよび採取しているセンサからのデータ、過電流、過電圧、電源喪失やセンサ故障の表示等の情報を用いて故障箇所の診断を行うためトラブル対処に時間がかかる。
また、制御装置の中には、メーカー保守中止・撤退した装置は有識者がおらず、後日制御基板を調査しても、根本原因が分からない場合がある。このような場合は、故障後のマニュアル整備などの対応改善に繋がらない。その結果、解析によるトラブル対処時間(平均故障復旧時間=MTTR)が拡大するという課題がある。
この課題に対し、例えば特許文献1では、制御基板のデータとセンサーデータをあらかじめ収集し、データの期待値と比較し、異常検知した場合前後のログを解析するシステムを提案している。
また、予防保全として、制御基板を定期的に交換し、劣化が予想される素子の交換・修理を行い、その際取り外した電解コンデンサの容量を調査し、劣化傾向の判定を行い、同年代の制御装置の基板を重点的に点検することが行われている。しかしながら、上記予防保全では、修理不要な制御基板まで修理し、コスト流出につながることがあり、また、修理後の試験環境が無く試験ができない場合が多く、制御回路としての健全性を完全には保証することができない。
この課題に対し、例えば特許文献2では、電源基板の電解コンデンサの劣化を、電源波形のリップルを測定し、閾値判定によりプログラマロジックコンピュータの劣化診断を行い、予防保全に繋げている。
特開2008-250594号公報 特開2003-248515号公報
しかしながら、特許文献1では、診断方法が期待値による判断であるため、設定によっては故障を見逃すことがある。また、基板故障発生時の周辺情報しかわからず、故障の直接原因が基板のどの部分で発生しているかまでは検知できないため、真の故障原因の診断に解析時間がかかることは解決できない。一方、特許文献2の技術は電源装置のみの技術であり、制御基板そのものの劣化診断技術は確立されていない。
したがって、本発明は、制御基板のような、所定の製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置の異常診断を簡易かつ確実に行うことができる技術を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の[1]~[19]を提供する。
[1]所定の製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置の異常を診断する異常診断装置であって、
前記信号処理装置から複数の信号を取得する信号取得部と、
前記所定の製造設備の動作が正常時の複数の信号についてスパース構造解析を行って学習させることにより生成された信号間の学習済モデルを用いて、前記信号取得部で取得した前記所定の製造設備の操業時における各信号の実績の、前記学習モデルによる予測からの乖離を表す異常スコアを算出する異常スコア算出部と、
前記異常スコア算出部で算出された異常スコアに基づいて信号が異常か否かを判定する異常判定部と、
を有する、異常診断装置。
[2]前記学習済モデルは、前記所定の製造設備が正常時に取得した複数の信号の各信号が出力となり得るようにして前記複数の信号のうち出力として選択した信号の他の信号を入力とするモデル構造を構築し、前記スパース構造解析を行って学習させたものである、[1]に記載の異常診断装置。
[3]前記所定の設備は、搬送対象を搬送する製造設備であり、前記学習済モデルを作成する入力信号は、前記搬送対象の加速時、定常時、減速時で層別される、[1]または[2]に記載の異常診断装置。
[4]前記信号処理装置は、前記所定の設備を制御する制御装置に設けられた制御基板である、[1]から[3]のいずれかに記載の異常診断装置。
[5]前記複数の信号の前記異常スコアを可視化するマップを作成するマップ作成処理部をさらに有し、
前記マップは、横軸を時間、縦軸を信号の種類として、前記複数の信号の前記異常スコアの度合いをカラー諧調で表したカラーマップであり、
前記マップの表示は、前記複数の信号の取得周期単位の表示と所定時間までの拡大表示が可能である、[1]から[4]のいずれかに記載の異常診断装置。
[6]所定の設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置に授受される複数の信号を処理する信号処理装置の異常を診断する異常診断方法であって、
前記信号処理装置から複数の信号を取得する信号取得ステップと、
前記所定の製造設備の動作が正常時の複数の信号についてスパース構造解析を行って学習させることにより生成された前記信号間の学習済モデルを用いて、前記信号取得ステップで取得した前記所定の製造設備の操業時における各信号の実績の、前記学習モデルによる予測からの乖離を表す異常スコアを算出する異常スコア算出ステップと、
前記異常スコア算出ステップで算出された異常スコアに基づいて信号が異常か否かを判定する異常判定ステップと、
を有する、異常診断方法。
[7]前記学習済モデルは、前記所定の製造設備が正常時に取得した複数の信号の各信号が出力となり得るようにして前記複数の信号のうち出力として選択した信号の他の信号を入力とするモデル構造を構築し、前記スパース構造解析を行って学習させたものである、[6]に記載の異常診断方法。
[8]前記複数の信号の前記異常スコアを可視化するマップを作成するマップ作成処理ステップをさらに有し、
前記マップは、横軸に時間をとり、縦軸に信号の種類をとって、前記複数の信号の前記異常スコアの度合いをカラー諧調で表したカラーマップであり、
前記マップの表示は、前記複数の信号の取得周期単位の表示から、所定時間までの拡大表示が可能である、[6]または[7]に記載の異常診断方法。
[9]所定の設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置の異常診断モデルを生成する異常診断モデル生成方法であって、
前記信号処理装置から複数の信号を取得し、
前記所定の製造設備の動作が正常時に取得した複数の信号が出力となり得るようにして前記複数の信号のうち出力として選択した信号の他の信号を入力とするモデル構造を構築し、スパース構造解析を行って学習させることにより前記信号間の学習済モデルを生成する、異常診断モデル生成方法。
本発明によれば、制御基板のような、所定の製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置の異常診断を簡易かつ確実に行うことができる技術が提供される。このため、MTTRの拡大を防止することができる。また、本発明は、自己診断機能を元々持たない制御装置へ適応可能であり、対象の深い知見、熟練技能がなくても異常診断可能である。
本発明の一実施形態に係る異常診断装置の機能ブロック図である。 スパース構造解析を説明するための図である。 静止型サイリスタレオナード2の主要構成を示すブロック図である。 目的変数として図3中の電流変動制御(ACCR)の信号を用い、制御機器の解析可能な全信号を正規化した形で構造解析し、目的変数への影響度が上位16の説明変数を挙げた例を示す図である。 マップ作成処理部で作成された異常スコアのマップの例である2次元マップを示す図である。 図1の異常診断装置により異常診断方法を実施する際の処理フローを示すフロー図である。 制御基板内のコンデンサ劣化による特性変化を模擬させて、異常診断装置で検出できるか確認した実験例の結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<異常診断装置>
図1は本発明の一実施形態に係る異常診断装置の機能ブロック図である。
本実施形態においては、所定の製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置として静止型サイリスタレオナード2の制御基板を用いた場合を例にとって説明する。
異常診断装置1は、静止型サイリスタレオナード2の制御基板(信号処理装置)から複数の信号を取り込み、正常時の複数の信号についてスパース構造解析を行って学習させることにより信号間のモデルを作成し、作成したモデルを用いて操業時の信号の異常スコアを算出することにより、操業時の信号の正常からの乖離度を正規化して定量化し、信号の異常を判定する。
静止型サイリスタレオナード2は、例えば、電動モータでテーブルモータを回転させることにより鋼板等の搬送対象を搬送する製造設備に用いられ、交流電流を直流電流に変換するとともに直流電動機(電動モータ)に供給する電圧を制御し、円滑な速度制御を行うための制御装置である。静止型サイリスタレオナード2は、複数、例えば数十個の信号を処理(解析)可能な、10枚以上の制御基板を有し、上位制御PLC3によって制御される。静止型サイリスタレオナード2の制御基板は、アナログ回路を有し、外部からの信号の増幅・制御を行う。
上位制御PLC3は、静止型サイリスタレオナード2の制御基板に制御指令を与え、同時に異常診断装置1にも解析のトリガ、例えば操業中か否か、搬送対象を搬送しているときは、それが加速中か、定常搬送中か、減速中か、などの区分を与える。
次に、異常診断装置1について具体的に説明する。
異常診断装置1は、解析部10と、記憶部20とを有する。解析部10は、解析PLCとして構成され、信号サンプリング処理部(信号取得部)11と、異常スコア算出部12と、異常判定部13と、警報出力部14と、マップ作成処理部15とを有する。
信号サンプリング処理部11は、上位制御PLC3からの解析トリガ(収集起動トリガ)を受け取とり、それに基づいて静止型サイリスタレオナード2の信号処理装置である制御基板からの信号をサンプリング(取得)する。
異常スコア算出部12は、所定の製造設備が正常時の複数の信号についてスパース構造解析を行って学習させることにより生成された信号間の学習済モデルを用いて、信号サンプリング処理部11でサンプリングした操業時における各信号の実績の、学習モデルによる予測からの乖離を表す異常スコアを算出する。なお、所定の製造設備が正常時とは、信号処理装置である制御基板の信号により所定の製造設備が通常操業できる状態をいう。また、搬送対象を搬送する装置に適用される場合は、正常時のモデルを作成する入力信号は、(1)加速時、(2)定常時(定速時)、(3)減速時で層別して作成されることが好ましい。
スパース構造解析は変数間の因果関係(相関関係)を表現する手法であり、弱い相関関係は無視して強い相関関係を持つ本質的な変数間の関係のみを残すという特徴を有する。出力変数の予測は、例えば図2に示すように、ラッソ回帰に基づいてスパース構造解析を行うことにより行うことができる。図2(a)は正常時のモデルを模式的に示すものであり、対象信号のある区間のデータでラッソ回帰が行われ、その結果、微小の回帰係数は0となる。例えばX2の変数に関しては、X1とX4以外の因果関係(相関関係)は持たないようにモデリングされる。このように因果関係を持たない変数間の回帰係数が0となるように全変数の変数間のモデリングが作成されるのが特色である。図2(b)は異常時の例を模式的に示すものであり、何等かの原因でX2とX4との間の因果関係(相関関係)が崩れてしまっている。
より詳細に説明する。
信号間の学習済モデルは、ある制御基板について、外部のオフライン計算機(サーバ計算機、クラウド計算機など)で生成される。信号間の学習済モデルの生成は、所定の製造設備が正常時に取得した複数の信号(例えば、図2のX1~X5)の各信号が出力となり得るようにしてこれらの複数の信号のうち出力として選択した信号の他の信号を入力とするモデル構造を構築し、ラッソ回帰に基づいてスパース構造解析を行って学習させ、出力変数を予測することにより行われる。そして、操業時に得られた各信号の実績が学習済モデルに基づく予測からどの程度乖離しているかを表す異常スコアを算出する。異常スコアは、各信号に対して、以下の式で定義される。
異常スコア=(Xi実績-Xi予測)/σ
図2(b)の異常時には、この異常スコアの値が大きくなるため、この性質を利用して信号間の因果関係(相関関係)の崩れを検出して異常検出を行う。
所定の設備が鋼板等を搬送する搬送設備である場合に用いられる静止型サイリスタレオナード2の制御基板におけるモデル生成の例について具体的に説明する。図3は、静止型サイリスタレオナード2の主要構成を示すブロック図である。本例では、目的変数(入力)として図3中の電流変動制御(ACCR)の信号を用いている。制御機器の解析可能な全信号(50信号数)を正規化した形で構造解析し、図4では、目的変数への影響度が上位16の説明変数(出力)を挙げた例を示している。図4に示すように、説明変数は、上位から、電圧FB、ACR出力、ACCR中間、正転時ON信号、・・・となっている。個々の信号に対し、正常時の信号を収集し、寄与度の大きい上位の説明変数を自動で選択し、回帰モデルを作成する手法をとる。
なお、鋼板等を搬送する搬送設備の場合、上述したように、正常時のモデルを作成する入力信号は、(1)加速時、(2)定常時(定速時)、(3)減速時で層別して作成されることが好ましい。特に、静止型サイリスタレオナード2を用いた搬送設備では、制御基板はアナログ回路を持つ基板であるため、正常時のモデルを生成する入力信号は、加速時、定常時(定速時)、減速時で信号の挙動が異なる。このため、これらを層別して複数のモデルを作成する必要性が高い。
異常判定部13は、異常スコアの閾値が設定可能となっており、操業時の信号について算出された異常スコアから、その信号の正常からの乖離度を正規化して定量化し、信号が異常か否かを判定する。異常判定部13では異常スコアの閾値が設定可能となっている。そして、例えば、データ(信号)サンプリング期間中に異常スコアが閾値以上となった比率が所定値(例えば10%)以上となった場合に信号が異常であると判定するようにすることができる。
警報出力部14は、異常スコアに基づいて信号が異常と判定された場合に警報接点出力を出力し、外部アラームを発報させる。
マップ作成処理部15は、異常スコアが算出された複数の信号のデータを記憶部20から呼び出し、一定期間における複数の信号の異常スコアのマップを作成する。異常スコアのマップはWebブラウザ表示パソコン4に送信され、表示される。マップは一定期間の複数の信号の異常スコアを可視化して一目で把握できるようにする可視化手段であり、例えば、図5に示すように、横軸を時間、縦軸を信号の種類(図5の場合は11種類)とした2次元マップとし、異常スコアの値ごとに区別できるように表示する。図5のマップはグレースケールで表しているが、異常スコアを把握しやすいように、異常スコアの値に応じてカラー諧調で表したカラーマップとすることが好ましい。マップの表示は、信号のサンプリング周期単位の表示から所定時間まで(例えば最大1時間まで)の拡大表示を可能とすることができる。これにより、全体的な異常の可視化も、拡大機能を用いて瞬時的な異常を可視化して制御増幅回路中の信号のうち、どの点が最初に異常となっているかを検知することも可能となる。
<異常診断方法>
次に、以上のように構成された異常診断装置における異常診断方法のフローについて説明する。
図6は、図1の異常診断装置における異常診断方法を実施する際の処理フローを示すフロー図である。
まず、上位制御PLC3から解析トリガ(収集起動トリガ)、例えば、搬送中か否か、搬送形態(加速中、定常、減速中)等を取得し(ステップST1)、信号収集期間を演算する(ステップST2)。信号収集期間は、加速中、定常、減速中のそれぞれで設定される。
そして、静止型サイリスタレオナード2の信号処理装置である制御基板からのデータ(信号)を格納する(ステップST3)。このデータを信号サンプリング処理部11が取得し、解析する(ステップST4)。このときの信号のサンプリング周期は100μs~10ms程度であることが望ましい。
次に、異常スコア算出部12において、所定の製造設備が正常時の複数の信号のスパース構造解析を行って生成された信号間の学習済モデルを用いて、信号サンプリング処理部11でサンプリングした所定の設備の操業時における各信号の異常スコアを算出する(ステップST5)。解析結果は記憶部20に格納する(ステップST6)。
異常判定部処理部13で異常スコアを算出することにより、正常からの乖離度を例えば正規化して定量化し、信号が異常か否かを判定する(ステップST7)。具体的には、データ収集期間中に異常スコアが閾値以上となった比率が所定値(例えば10%)以上となった場合に信号が異常である(スコア異常)と判定する。スコア異常と判定された場合は警報出力部14から警報接点出力を出力し(ステップST8)、外部アラームを発報させる(ステップST9)。
次に、マップ作成処理部15で複数の信号の異常スコアのマップを更新し、外部のWebブラウザ起動処理を行い(ステップST10)、外部のWebブラウザ表示パソコン4のマップ表示処理を行って表示を更新する(ステップST11)。
静止型サイリスタレオナード2は信号処理装置として10枚以上の制御基板を有しており、各制御基板が複数(数十個)の信号を収集できる構造となっていて膨大な量の信号の授受が行われる。このため、従来は、何らかの異常が生じたときに異常の信号やその原因、および取るべきアクションを決定するのは経験および熟練技術が必要であるとともに、極めて煩雑であり困難をともなうものであった。
これに対して本実施形態では、異常診断装置1を設置して、静止型サイリスタレオナード2の制御基板から取り込んだ正常時の複数の信号のスパース構造解析を行って生成された信号間のモデルを用いて操業時の信号の異常スコアを算出し、それに基づいて信号の異常を判定する。このため、制御基板のような信号処理装置の異常診断を経験および熟練技術に頼ることなく簡易にかつ確実に行うことができる。このため、MTTRの拡大を防止することができる。また、自己診断機能を元々持たない制御装置へ適応可能であり、異常診断対象装置に対する深い知見がなくても異常診断可能である。
<実験例>
次に、実験例について説明する。ここでは、図3に示す静止型サイリスタレオナードのACR基板のACCR出力処理について、制御基板の劣化を想定してACCRのゲインを変化させ、制御基板内のコンデンサ劣化による特性変化を模擬させて、異常診断装置で検出できるか確認した。図7はこのような実験例の結果を示す図である。
図7(a)は、通常のゲイン値で操業中のACCR出力の予測と実績の差(予予測-実績:予実差)とACCRゲインの異常スコアをプロットしたもので、左がACCRゲイン出力の予実差とACCRゲイン異常スコアの散布図であり、右がACCRゲイン出力の予実差のヒストグラムである。
図7(b)は、ACCRのゲインを変化させてコンデンサ劣化を模擬したときの予実差とACCRゲインの異常スコアをプロットしたもので、同様に左がACCRゲイン出力の予実差とACCRゲイン異常スコアの散布図であり、右がACCRゲイン出力の予実差のヒストグラムである。
図7(a)に示すように、通常のゲイン値で操業中のACCRゲイン出力の予実差とACCRゲイン異常スコアが小さいのに対し、図7(b)のようにACCRのゲインを変化させてコンデンサ劣化を模擬したときには、異常スコアが増大しており、またACCR出力予実差の分布も倍増していた。このことから、異常スコア監視により制御基板の劣化異常が識別できることが示唆されることが確認された。
<他の適用>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらはあくまで例示に過ぎず、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
例えば、上記実施形態では、信号処理装置として静止型サイリスタレオナードの制御基板を用いた場合を例にとって説明したが、静止型サイリスタレオナード以外の制御装置の制御基板であってもよく、また、制御基板に限らず、所定の製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置であれば適用可能である。
また、所定の設備として鋼板等の搬送対象を搬送する搬送設備を例に挙げたが、これに限るものではない。
1 異常診断装置
2 静止型サイリスタレオナード
3 上位制御PLC
4 Webブラウザ表示PC
10 解析部
11 信号サンプリング処理部
12 異常スコア算出部
13 異常判定処理部
14 警報出力処理部
15 マップ作成処理部
20 記憶部

Claims (4)

  1. 直流電動機により搬送対象を搬送する製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置の異常を診断する異常診断装置であって、
    前記信号処理装置は、前記直流電動機への給電を制御して前記製造設備を制御する静止型サイリスタレオナードの制御基板であり、
    前記信号処理装置である前記制御基板から複数の信号を取得する信号取得部と、
    記製造設備の動作が正常時の複数の信号についてスパース構造解析を行って学習させることにより生成された信号間の学習済モデルを用いて、前記信号取得部で取得した前記製造設備の操業時における各信号の実績の、前記学習済モデルによる予測からの乖離を表す異常スコアを算出する異常スコア算出部と、
    前記異常スコア算出部で算出された異常スコアに基づいて信号が異常か否かを判定する異常判定部と、
    を有し、
    前記学習済モデルは、前記製造設備が正常時に取得した複数の信号から選択された信号を目的変数とし、前記複数の信号のうち前記選択された信号を除く信号を説明変数とするモデル構造を構築し、前記スパース構造解析を行って学習させた回帰式であり、
    前記学習済モデルを作成する入力信号は、前記搬送対象の加速時、定常時、減速時で層別される、異常診断装置。
  2. 前記複数の信号の前記異常スコアを可視化するマップを作成するマップ作成処理部をさらに有し、
    前記マップは、横軸を時間、縦軸を信号の種類として、前記複数の信号の前記異常スコアの度合いをカラー諧調で表したカラーマップであり、
    前記マップの表示は、前記複数の信号の取得周期単位の表示と所定時間までの拡大表示が可能である、請求項1に記載の異常診断装置。
  3. 直流電動機により搬送対象を搬送する製造設備の動作のための信号授受をともなう複数の信号処理を行う信号処理装置の異常を診断する異常診断方法であって、
    前記信号処理装置は、前記直流電動機への給電を制御して前記製造設備を制御する静止型サイリスタレオナードの制御基板であり、
    前記信号処理装置である前記制御基板から複数の信号を取得する信号取得ステップと、
    記製造設備の動作が正常時の複数の信号についてスパース構造解析を行って学習させることにより生成された前記信号間の学習済モデルを用いて、前記信号取得ステップで取得した前記製造設備の操業時における各信号の実績の、前記学習済モデルによる予測からの乖離を表す異常スコアを算出する異常スコア算出ステップと、
    前記異常スコア算出ステップで算出された異常スコアに基づいて信号が異常か否かを判定する異常判定ステップと、
    を有し、
    前記学習済モデルは、前記製造設備が正常時に取得した複数の信号から選択された信号を目的変数とし、前記複数の信号のうち前記選択された信号を除く信号を説明変数とするモデル構造を構築し、前記スパース構造解析を行って学習させた回帰式であり、
    前記学習済モデルを作成する入力信号は、前記搬送対象の加速時、定常時、減速時で層別される、異常診断方法。
  4. 前記複数の信号の前記異常スコアを可視化するマップを作成するマップ作成処理ステップをさらに有し、
    前記マップは、横軸に時間をとり、縦軸に信号の種類をとって、前記複数の信号の前記異常スコアの度合いをカラー諧調で表したカラーマップであり、
    前記マップの表示は、前記複数の信号の取得周期単位の表示から、所定時間までの拡大表示が可能である、請求項に記載の異常診断方法。
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