JP7750221B2 - 硫化防止剤、物品及び硫化防止方法 - Google Patents
硫化防止剤、物品及び硫化防止方法Info
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Description
[1]
下記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる硫化防止剤。
で表されるクマリン構造含有基であり、R1のうち少なくとも平均3個は上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である。aは2以上の整数であり、b、c及びdはそれぞれ0以上の整数であり、b+c+dは4以上の整数であり、a+b+c+dは6以上の整数である。但し、(R1SiO3/2)単位中のR1は、2個のR1同士が結合してアルキレン基を形成してもよい。)
[2]
一般式(1)においてR1のうち少なくとも平均4個以上が上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である[1]に記載の硫化防止剤。
[3]
紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサン100質量部と、光増感剤0.001~10質量部及び/又は有機溶剤0.1~100質量部とを含有するものである[1]又は[2]のいずれかに記載の硫化防止剤。
[4]
[1]~[3]のいずれかに記載の硫化防止剤の硬化物層を有する物品。
[5]
物品の表面の少なくとも一部又は全部に、[1]~[3]のいずれかに記載の硫化防止剤を塗布し、該硫化防止剤に紫外線を照射して該硫化防止剤の硬化物層を形成する工程を含む物品の硫化防止方法。
本発明の硫化防止剤は、後述する一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなることを特徴とするものである。
まず、本発明の硫化防止剤を構成する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物は下記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを主剤(ベースポリマー)として含有するものである。
上記一般式(1)において、R1は1価の光二量化官能基を除いて、メチル基、メトキシ基であることが好ましく、メチル基及びメトキシ基を含む場合、メチル基とメトキシ基の含有比率はメチル基とメトキシ基の合計に対してメチル基が90モル%以上(90~100モル%)、メトキシ基が10モル%以下(0~10モル%)であることが好ましい。
R1は同一の基であっても異種の基であってもよい。
また、本発明の硫化防止剤を構成する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、上記成分以外に、本発明の特性を損なわない範囲で、下記充填剤や添加剤などを配合しても差し支えない。
充填剤としては、粉砕シリカ、煙霧状シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、湿式シリカなどが挙げられる。
添加剤としては、例えば、ウェッターやチキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としての非反応性ジメチルシリコーンオイル(例えば、分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン)などが挙げられる。
1)硫黄性腐食ガスと反応しやすい金属(銀や銅など)の基材上に本発明の硫化防止剤(紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物)を塗布し硬化させて、基材上に硫化防止剤の硬化物層を形成(積層)してなる試験体を作製する。
2)1)で作製した試験体を密封可能な容器に入れる。
3)2)の容器内に硫黄粉末を配置、あるいは硫化水素や二酸化硫黄ガスを封入して密閉し、硫化防止剤の硬化物層が積層された金属面の腐食の有無及び腐食状態を目視にて確認する。試験温度は常温(20℃±5℃)~90℃の範囲、また試験期間は1~60日の範囲から任意に選択できる。例えば、試験体を密封した容器内の硫化水素の濃度を3~10ppmの範囲で一定とし、室温(25℃)で7日間保持した後の試験体の腐食状態を目視で観察する。
なお、粘度は25℃において回転粘度計により測定したものを示す。Me、Vi、Prはそれぞれ、メチル基、ビニル基、プロピル基を示し、以下の室温は25℃を意味する。硫化防止剤の硬化物層(シリコーンコーティング被膜)の膜厚は厚み測定器((株)尾崎製作所製、UPRIGHT DIAL GAUGE)により硫化防止剤の硬化物層(シリコーンコーティング被膜)の形成前後の基板の厚みの差を測定することにより求めた。
500mLセパラブルフラスコに下記式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン20.0g、下記式(4)で表されるクマリン誘導体5.96g、及びトルエン30gに白金触媒(上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンに対して白金質量換算で20ppmとなる量)を加えて、100℃で4時間攪拌を行った。なお、式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)1モルに対する式(4)で表されるクマリン誘導体中のビニル基のモル比(Vi/SiH比)は0.9であった。
減圧下でトルエンを除去した後、メタノールによる洗浄と除去を行うことで、下記式(5)で表される褐色のオイルを16.6g得た。この反応の進行は、29Si-NMRスペクトル、1H-NMRスペクトルにて、反応する官能基のピーク消失により確認された。
500mLセパラブルフラスコに下記式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン20.0g、上記式(4)で表されるクマリン誘導体15.7g、及びトルエン80gに白金触媒(上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンに対して白金質量換算で20ppmとなる量)を加えて、100℃で6時間攪拌を行った。なお、式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)1モルに対する式(4)で表されるクマリン誘導体中のビニル基のモル比(Vi/SiH比)は1.0であった。
減圧下でトルエンを除去した後、メタノールによる洗浄と除去を行うことで、下記式(7)で表される褐色のオイルを12.1g得た。この反応の進行は、29Si-NMRスペクトル、1H-NMRスペクトルにて、反応する官能基のピーク消失により確認された。
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサンをAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で30秒間(積算光量3,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚150μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体1を得た。
(実施例2-1)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚140μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-1を得た。
(実施例2-2)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚800μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-2を得た。
(実施例2-3)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚160μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-3を得た。
(実施例2-4)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚70μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-4を得た。
(実施例2-5)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で30秒間(積算光量3,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚170μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-5を得た。
上記式(7)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物2を得た。組成物2をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚170μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体3を得た。
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、25℃における粘度が600mPa・sのポリジメチルシロキサン80質量部、Me3SiO1/2単位、Me2ViSiO1/2単位、PrSiO3/2単位、及びSiO4/2単位からならなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン、キシレン、及び分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、25℃における粘度が5,000mPa・sのポリジメチルシロキサンをそれぞれ同じ質量(10質量部)計量して、それらを室温で20分間混合後、20分間減圧混合させて混合物30質量部とした。次に、γ-メルカプトプロピル基含有オルガノポリシロキサン7質量部と、(3-アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン0.4質量部と、2,2-ジエトキシアセトフェノン0.8質量部とを添加し、室温で20分間混合後、20分間減圧混合させて紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物3を得た。組成物3をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、メタルハライドランプの光を30秒間照射して硬化させ、膜厚170μmの硬化物層を形成して試験体4を得た。
・試験方法
1)作製した試験体をガス腐食試験装置((株)山崎精機研究所製、GH-180)のチャンバー内に入れる。
2)1)のチャンバー内が硫化水素濃度3ppm又は10ppmとなるように硫化水素ガスを封入して密閉し、室温の環境(湿度40~60%RH)下に置き、そのまま7日間保持する経時処理を行う。
3)経時処理後のコーティングされたAg鍍金Ni基板上の腐食の有無を目視にて確認する。
コーティングされたAg鍍金Ni基板の、Ag鍍金における腐食の有無を以下の指標にて評価した。
○:Ag鍍金が腐食せず(黒変なし、銀膜(Ag鍍金表面)の着色なし)
△:Ag鍍金が腐食(黒変)はしなかったが、銀膜(Ag鍍金表面)がわずかに黄色に着色した
×:Ag鍍金が腐食した(黒変あり)
Claims (5)
- 下記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる硫化防止剤。
(式中、R1は独立に、炭素原子数1~10の非置換若しくは置換の1価炭化水素基、水酸基、アルコキシ基又は下記一般式(2)
(式中、eは1~10の整数であり、fは0又は1である。)
で表されるクマリン構造含有基であり、R1のうち少なくとも平均3個は上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である。aは2以上の整数であり、b、c及びdはそれぞれ0以上の整数であり、b+c+dは4以上の整数であり、a+b+c+dは6以上の整数である。但し、(R1SiO3/2)単位中のR1は、2個のR1同士が結合してアルキレン基を形成してもよい。) - 一般式(1)においてR1のうち少なくとも平均4個以上が上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である請求項1に記載の硫化防止剤。
- 紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサン100質量部と、光増感剤0.001~10質量部及び/又は有機溶剤0.1~100質量部とを含有するものである請求項1に記載の硫化防止剤。
- 請求項1~3いずれか1項に記載の硫化防止剤の硬化物層を有する物品。
- 物品の表面の少なくとも一部又は全部に、請求項1~3のいずれか1項に記載の硫化防止剤を塗布し、該硫化防止剤に紫外線を照射して該硫化防止剤の硬化物層を形成する工程を含む物品の硫化防止方法。
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