JP7750221B2 - 硫化防止剤、物品及び硫化防止方法 - Google Patents

硫化防止剤、物品及び硫化防止方法

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Description

本発明は、紫外線硬化性オルガノポリシロキサン、特にはクマリン構造含有基等の特定の光二量化官能基を有し、硬化させるのに多くのエネルギーを必要としない紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを主剤として含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなり、硫化水素ガスなどの腐食性ガスに対して優れたバリア性を発現する硬化物(シリコーンゴム硬化物)を与えることができる硫化防止剤、及び該硫化防止剤の硬化物層を有する物品並びに物品の硫化防止方法等に関するものである。
オルガノポリシロキサン組成物の硬化物(特には、シリコーンゴム硬化物)は電気特性(電気絶縁性)、耐熱性、耐寒性等に優れていることから電気・電子分野、建築分野など幅広い用途で使用されている。このオルガノポリシロキサン組成物の硬化方法として紫外線等の光を用いるものがある。光硬化性(紫外線硬化性)オルガノポリシロキサン組成物は省エネルギーでかつ高生産性という特徴があり、特に電気・電子分野では、使用される被着体(樹脂系)に対する接着・コーティング適性から、液晶周辺や電源回路基板のコーティング剤としても使用されている。しかしながら、光硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなるコーティング剤の硬化物(特には、シリコーンゴム硬化物)は、その主目的である、電気・電子回路の絶縁、防湿と言った性能は満足しているが、例えば、硫化水素ガスなどの腐食性ガス等に対する腐食防止機能は殆どない。これらの光硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物(シリコーンゴム硬化物)は、一般的に気体透過性が高いため、硫黄性腐食ガス、具体的には硫化水素や二酸化硫黄のような分子量の小さいガスを容易に透過させてしまい、該光硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物(シリコーンゴム硬化物)の被膜が被覆している下地の基板と硫黄性腐食ガスが反応してしまう。下地の基板と硫黄性腐食ガスが反応してこれらの硫化物が形成されると、電気・電子製品としての特性を失うことがある。
オルガノポリシロキサン組成物の硬化物に硫化防止性を付与させたもの、又は光二量化官能基含有シロキサンとしては、過去以下が例示されている。
特許第4186071号公報(特許文献1)には、オルガノポリシロキサン組成物に、硫黄及び/又は硫黄ガスによって硫化される金属粉、好ましくは銅粉及び/又は真鍮粉を0.1質量%以上20質量%未満添加した室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が開示されている。これらの金属は硫黄及び/又は硫黄ガスとの反応性が高く、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に微量添加することで、その硬化物に硫化防止性を発現させることが可能である。しかし、硫黄含有ガスをこの金属粉がトラップすることにより硫化防止しているが、すべての金属粉が硫黄含有ガスをトラップし終えた後はこの機能を失う。
更に特開2021-165363号公報(特許文献2)には、耐熱衝撃性及び耐硫化性に優れる硬化物を与える付加硬化型シリコーン樹脂組成物が開示されている。フェニル基を含むオルガノポリシロキサンを用いており、熱衝撃に対してパッケージからの剥離やクラックが少ないLED封止材として開示されている。この発明においては、シリコーン樹脂組成物の硬化に加熱が必要であり、多くのエネルギーが必要となるという問題がある。
特開2014-098080号公報(特許文献3)には、光二量化官能基含有オルガノポリシロキサン、それを含む活性エネルギー線硬化型オルガノポリシロキサン組成物、及びその硬化物が開示されている。ベースとなるオルガノポリシロキサン成分は平均3個の光二量化官能基を有しており、様々な光二量化可能な光二量化官能基含有オルガノポリシロキサンを含む活性エネルギー線硬化型オルガノポリシロキサン組成物について記載されている。しかしながら、「紫外線等の活性エネルギー線の照射により速やかに硬化する」との記載はあるものの、硫化防止性能に関する記載はなく、光二量化官能基含有シロキサンを用いた組成物を製造したことが記載されているだけである。
特許第4186071号公報 特開2021-165363号公報 特開2014-098080号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、硬化させるのに多くのエネルギーを必要としない紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを主剤として含有し、硫化水素ガスなどの腐食性ガスに対して優れたバリア性を発現する硬化物(シリコーンゴム硬化物)を与えることができる紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる硫化防止剤、及び該硫化防止剤の硬化物層を有する物品並びに物品の硫化防止方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、分子鎖末端及び/又は側鎖のケイ素原子に結合する1価の置換基としてクマリン含有基等の光二量化官能基を分子中に平均3個以上有し、主鎖がオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサン化合物を主剤として含有し、必要に応じて光増感剤、及び有機溶剤等を配合してなる紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硫化防止剤として適用することによって、上記要求を満足することができるものであることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記の硫化防止剤及び該硫化防止剤の硬化物層を有する物品並びに該物品の硫化防止方法を提供するものである。
[1]
下記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる硫化防止剤。
(式中、R1は独立に、炭素原子数1~10の非置換若しくは置換の1価炭化水素基、水酸基、アルコキシ基又は下記一般式(2)
(式中、eは1~10の整数であり、fは0又は1である。)
で表されるクマリン構造含有基であり、R1のうち少なくとも平均3個は上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である。aは2以上の整数であり、b、c及びdはそれぞれ0以上の整数であり、b+c+dは4以上の整数であり、a+b+c+dは6以上の整数である。但し、(R1SiO3/2)単位中のR1は、2個のR1同士が結合してアルキレン基を形成してもよい。)
[2]
一般式(1)においてR1のうち少なくとも平均4個以上が上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である[1]に記載の硫化防止剤。

紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサン100質量部と、光増感剤0.001~10質量部及び/又は有機溶剤0.1~100質量部とを含有するものである[1]又は]のいずれかに記載の硫化防止剤。

[1]~[]のいずれかに記載の硫化防止剤の硬化物層を有する物品。

物品の表面の少なくとも一部又は全部に、[1]~[]のいずれかに記載の硫化防止剤を塗布し、該硫化防止剤に紫外線を照射して該硫化防止剤の硬化物層を形成する工程を含む物品の硫化防止方法。

本発明によれば、クマリン構造含有基等の特定の光二量化官能基有し、硬化させるのに多くのエネルギーを必要としない紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを主剤として含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなり、硫化水素ガスなどの腐食性ガスに対して優れたバリア性を発現する硬化物(シリコーンゴム硬化物)を与えることができる硫化防止剤、及び該硫化防止剤の硬化物層を有する物品並びに物品の硫化防止方法を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の硫化防止剤は、後述する一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなることを特徴とするものである。
[紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物]
まず、本発明の硫化防止剤を構成する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物は下記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを主剤(ベースポリマー)として含有するものである。
(式中、R1は独立に、炭素原子数1~10の非置換若しくは置換の1価炭化水素基、水酸基、アルコキシ基又は1価の光二量化官能基であり、R1のうち少なくとも平均3個は1価の光二量化官能基である。aは2以上の整数であり、b、c及びdはそれぞれ0以上の整数であり、b+c+dは4以上の整数であり、a+b+c+dは6以上の整数である。但し、(R1SiO3/2)単位中のR1は、2個のR1同士が結合してアルキレン基を形成してもよい。)
上記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、分岐鎖状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなり分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサン(a=2、bが4以上の整数、c=d=0)であるか、分子中のシロキサン単位が(R1 3SiO1/2)単位、(R1 2SiO2/2)単位及び(R1SiO3/2)単位からなる分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(aが2以上の整数、b及びcが1以上の整数でb+cが4以上の整数、d=0)、分子中のシロキサン単位が(R1 3SiO1/2)単位、(R1 2SiO2/2)単位及び(SiO4/2)単位からなる分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(aが2以上の整数、b及びdが1以上の整数でb+dが4以上の整数、c=0)、分子中のシロキサン単位が(R1 3SiO1/2)単位及び(SiO4/2)単位からなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサン(aが2以上の整数、dが4以上の整数、b=c=0)、又は分子中のシロキサン単位が(R1 3SiO1/2)単位、(R1SiO3/2)単位及び(SiO4/2)単位からなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサン(aが2以上の整数、c及びdが1以上の整数でc+dが4以上の整数、b=0)であることが好ましい。
上記一般式(1)において、R1は独立に、炭素原子数1~10の非置換若しくは置換の1価炭化水素基、水酸基、アルコキシ基又は1価の光二量化官能基であり、R1のうち少なくとも平均3個は1価の光二量化官能基である。このうち、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基等の炭素原子数1~10のアルキル基;シクロヘキシル基等の炭素原子数3~10のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等の炭素原子数2~10のアルケニル基;フェニル基、トリル基等の炭素原子数6~10のアリール基、及びこれらの基の水素原子の一部が、ハロゲン原子やメトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1~4の低級アルコキシ基で置換されたアルキル基、例えば、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基、フェニル基等が好ましい。また、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素原子数1~4の低級アルコキシ基等が挙げられる。
上記一般式(1)において、R1は1価の光二量化官能基を除いて、メチル基、メトキシ基であることが好ましく、メチル基及びメトキシ基を含む場合、メチル基とメトキシ基の含有比率はメチル基とメトキシ基の合計に対してメチル基が90モル%以上(90~100モル%)、メトキシ基が10モル%以下(0~10モル%)であることが好ましい。
1は同一の基であっても異種の基であってもよい。
なお、上記一般式(1)において、cが2以上のとき、2個の(R1SiO3/2)単位が、それぞれの1価炭化水素基であるR1同士が結合してなる炭素原子数2~20の2価炭化水素基、特にはアルキレン基を介して連結した構造を有していてもよい。即ち、分岐構造を形成する(R1SiO3/2)単位中のR1は、2個の1価炭化水素基であるR1同士が結合して炭素原子数2~20の2価炭化水素基、特にはアルキレン基(例えば、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ドデシレン基等)を形成してもよい。
上記一般式(1)中のR1のうち少なくとも平均3個、好ましくは平均4個以上、より好ましくは平均4~50個が1価の光二量化官能基(光架橋基)である。含有される1価の光二量化官能基としては、例えば、アントラセニル基、カルコン基、クマリン基、ケイ皮酸基、スチルベニル基、チミン基、マレイミド基、アゾベンジル基、及びスチレン基等が挙げられるほか、これらの各例示基の結合手にアルキレン基又はオキシアルキレン基が結合した基等を挙げることができる。これらの1価の光二量化官能基において、好ましくは下記一般式(2)で表される1価のクマリン構造含有基(即ち、クマリン基の結合手にアルキレン基又はオキシアルキレン基が結合した基)を挙げることができる。
(式中、eは1~10の整数であり、fは0又は1である。)
上記式(2)中、eは1~10の整数、好ましくは2~10の整数、より好ましくは3~10の整数、更に好ましくは6~10の整数である。fは0又は1であり、好ましくは1である。
上記一般式(1)において、aは2以上の整数、好ましくは2~10の整数、より好ましくは2~6の整数であり、b、c及びdはそれぞれ0以上の整数であり、好ましくは、bは2~1,000の整数、cは0~10の整数、dは0~10の整数であり、より好ましくは、bは10~500の整数、cは0~5の整数、dは0~5の整数である。また、b+c+dは4以上の整数、好ましくは4~1,000の整数、より好ましくは12~500の整数であり、a+b+c+dは6以上の整数、好ましくは10以上の整数、より好ましくは10~1,000の整数、更に好ましくは20~500の整数である。また、上記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が25~500,000mPa・s、特には500~100,000mPa・sであることが好ましく、上記a+b+c+dの値(該オルガノポリシロキサンの重合度)は、該紫外線硬化性オルガノポリシロキサンの粘度が上記の範囲となるものであることが好ましい。
なお、本発明において、分子中のオルガノシロキサン単位の合計数であるa+b+c+dの値(重合度)又は分子量は、通常、トルエン等を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる(以下、同じ)。また、粘度は、回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)によって測定することができる(以下、同じ)。
上記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンの製造方法としては、例えば、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンに、末端にアルケニル基を有する光二量化官能基誘導体を混合し、反応させることにより製造することができる。
ここで、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を分子中に少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記一般式(1A)で示されるものが例示できる。
(式中、R2は独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。a1及びa2はそれぞれ0以上の整数であり、a1+a2は2以上の整数である。b1及びb2はそれぞれ0以上の整数であり、c、dは上記と同じである。a2+b2は3以上の整数であり、b1+b2+c+dは4以上の整数であり、a1+a2+b1+b2+c+dは6以上の整数である。但し、(R1SiO3/2)単位中のR1は、2個のR1同士が結合してアルキレン基を形成してもよい。)
上記式(1A)におけるR2の炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基としては、上記式(1)におけるR1の炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基と同様のものを例示することができる。中でも、メチル基及びフェニル基が好ましい。
上記一般式(1A)において、a1及びa2はそれぞれ0以上の整数、好ましくは0~10の整数、より好ましくは0~6の整数であり、a1+a2は2以上の整数、好ましくは2~10の整数、より好ましくは2~6の整数である。b1及びb2はそれぞれ0以上の整数、好ましくは0~1,000の整数であり、b1+b2は好ましくは0~1,000の整数、0~500の整数である。c及びdはそれぞれ0以上の整数であり、好ましくは、cは0~10の整数、dは0~10の整数であり、より好ましくは、cは0~5の整数、dは0~5の整数である。a2+b2は3以上の整数、好ましくは4以上の整数であり、より好ましくは4~50の整数である。また、b1+b2+c+dは4以上の整数、好ましくは4~1,000の整数、より好ましくは12~500の整数であり、a1+a2+b1+b2+c+dは6以上の整数、好ましくは10以上の整数、より好ましくは10~1,000の整数、更に好ましくは20~500の整数である。また、上記一般式(1A)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃における粘度が25~500,000mPa・s、特には500~100,000mPa・sであることが好ましく、上記a1+a2+b1+b2+c+dの値(該オルガノポリシロキサンの重合度)は、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの粘度が上記の範囲となるものであることが好ましい。
末端にアルケニル基を有する光二量化官能基誘導体としては、アントラセニル基、カルコン基、クマリン基、ケイ皮酸基、スチルベニル基、チミン基、マレイミド基、アゾベンジル基、スチレン基、及びこれらの各例示基の結合手にアルキレン基又はオキシアルキレン基が結合した基のいずれかの基の末端にアルケニル基(好ましくはビニル基)が1つ結合した基を挙げることができる。これらの光二量化官能基誘導体において、好ましくは下記一般式(2A)で表されるクマリン誘導体(即ち、クマリン基にアルキレン基、オキシアルキレン基又は酸素原子を介してビニル基が結合した基)を挙げることができる。
(式中、e´は0~8の整数、好ましくは1~8の整数、より好ましくは4~8の整数である。fは0又は1であり、好ましくは1である。)
上記化合物を反応させる際の末端にアルケニル基を有する光二量化官能基誘導体の混合割合は、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)1モルに対する末端にアルケニル基を有する光二量化官能基誘導体中のアルケニル基のモル比(Vi/SiH比)が0.5~1.2となる量が好ましく、0.7~1.1となる量がより好ましい。Vi/SiH比が少なすぎると硬化に十分な量の光二量化官能基をオルガノポリシロキサンに導入できない場合がある。
上記反応条件としては、上記化合物にトルエンなどの有機溶剤及び白金族系金属触媒(上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンに対して白金質量換算で1~100ppmとなる量)を添加して室温(23℃±15℃)~100℃にて2~12時間混合することが好ましい。この混合後、減圧下でトルエンなどの有機溶剤を除去し、次いでメタノール等の炭素原子数5以下の低級アルコールによる洗浄と除去を行うことで、上記式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを得ることができる。なお、式(1)におけるR1のうち、アルコキシ基は上記低級アルコールで洗浄した際に上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中の未反応の残存ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)と低級アルコールとの反応に起因するものである。以上の反応の進行及び終了は、29Si-NMRスペクトル、1H-NMRスペクトルにて、反応する官能基のピーク消失により確認することができる。
本発明の硫化防止剤を構成する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、主剤(ベースポリマー)としての上記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンに加えて、光増感剤、有機溶剤等の任意成分を必要に応じて配合することができる。
光増感剤として、カルボニル基を含む芳香族化合物が使用されることが多いが、光増感効果があり、紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物と混和性がある化合物であれば特に限定はされない。例えば、イソプロピル-9H-チオキサンセン-9-オン、キサントン、アントラセン、アントロン、アントラキノン、ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2'-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-オン、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロバン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、及びビス(2,4,6-リメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。
光増感剤を配合する場合、その配合量は、特に限定されないが、上記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.001~10質量部、特に0.1~1質量部が好ましい。0.001質量部未満では硬化時間が長くなる場合があり、10質量部を超える場合にはコストが高くなる場合がある。光増感剤は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機溶剤は、前記紫外線硬化性オルガノポリシロキサンと光増感剤とを溶解可能であり、光反応性を阻害しなければ、その種類は特に限定されない。例えば、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,4-ジオキサン、ジブチルエーテル、アニソール、4-メチルアニソール、エトキシベンゼン、クロロベンゼン、エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、2-メトキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、1-エトキシ-2-プロピルアセテート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、及びヘキサメチルジシロキサンが挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
有機溶剤を配合する場合、その配合量は、特に限定されないが、上記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.1~100質量部が好ましい。有機溶剤が0.1質量部未満では溶剤としての効果(組成物の粘度低下)が不十分となるおそれがあり、100質量部を超えると、得られる硬化物の硬度が著しく低下すると共に本発明の目的とする硫化防止性が得られない場合がある。
[その他の成分]
また、本発明の硫化防止剤を構成する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、上記成分以外に、本発明の特性を損なわない範囲で、下記充填剤や添加剤などを配合しても差し支えない。
充填剤としては、粉砕シリカ、煙霧状シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、湿式シリカなどが挙げられる。
添加剤としては、例えば、ウェッターやチキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としての非反応性ジメチルシリコーンオイル(例えば、分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン)などが挙げられる。
更に必要に応じて、顔料、染料等の着色剤、蛍光増白剤、防かび剤、抗菌剤、ブリードオイルとしての非反応性フェニルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤も添加してよい。
本発明の硫化防止剤を構成する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、室温(25℃±15℃)ではオイル状(液状)であり、紫外線を照射することで硬化させることができる。
本発明の硫化防止剤を構成する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させるために紫外線発生源は高圧水銀灯、中圧水銀ランプ、LEDランプが好適であり、その波長は365nmが好ましく、その際の照射量(積算光量)は1,000~50,000mJ/cm2が好ましい。例えば、波長365nmの紫外線の光を100W/cm2の強度で10~500秒程度照射するとよい。
本発明の硫化防止剤は、エアコン、パソコン、電動工具等の電子機器に好適に用いることができ、具体的には、それらの電子機器における電気・電子部品を搭載した回路基板や液晶表示素子用の金属基板等の金属基材などの硫化防止用のコーティング剤として適用することができる。
本発明の硫化防止剤の硫化防止性能の評価は、上記した本発明の硫化防止剤(紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物)を基材の表面に、常法により所定の厚さ(例えば、通常、10~2,000μm、特には10~1,000μm程度)に塗布(コーティング)し、該コーティング被膜を紫外線照射にて硬化させて、該紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物(シリコーンゴム硬化物)からなる所定の厚さの硫化防止剤の硬化物層(シリコーンゴム硬化物層)を基材の表面に形成した試験体を用いて行うことができる。
そして、このようにして作製した、紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなる硫化防止剤の硬化物層を形成した基材(試験体)の硫化防止性能については、下記のような評価方法によって評価することができる。
[硫化防止性試験方法]
1)硫黄性腐食ガスと反応しやすい金属(銀や銅など)の基材上に本発明の硫化防止剤(紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物)を塗布し硬化させて、基材上に硫化防止剤の硬化物層を形成(積層)してなる試験体を作製する。
2)1)で作製した試験体を密封可能な容器に入れる。
3)2)の容器内に硫黄粉末を配置、あるいは硫化水素や二酸化硫黄ガスを封入して密閉し、硫化防止剤の硬化物層が積層された金属面の腐食の有無及び腐食状態を目視にて確認する。試験温度は常温(20℃±5℃)~90℃の範囲、また試験期間は1~60日の範囲から任意に選択できる。例えば、試験体を密封した容器内の硫化水素の濃度を3~10ppmの範囲で一定とし、室温(25℃)で7日間保持した後の試験体の腐食状態を目視で観察する。
上記塗布される硫化防止剤の厚みは特に限定はされないが、好ましくは10~2,000μm、特には10~1,000μmの範囲である。2,000μmを超える場合は、1回で塗工するのが難しく、作業性あるいはタクトタイムが悪化してしまう。
本発明の物品は、上述した本発明の硫化防止剤の硬化物層を有するものである。具体的には、電気・電子部品を搭載した回路基板や液晶表示素子等の物品の表面の一部又は全部を本発明の硫化防止剤の硬化物層で被覆したものなどが挙げられる。この硬化物層の膜厚は10~2,000μmが好ましく、10~1,000μmがより好ましい。2,000μm超では硫化防止性能がそれ以上改善されない場合があり、10μm未満では、耐久性が低下するおそれがある。
本発明の物品の硫化防止方法は、物品の表面の少なくとも一部又は全部に、上述した本発明の硫化防止剤を塗布し、該硫化防止剤に紫外線を照射して該硫化防止剤の硬化物層を形成する工程を含むことを特徴とする。即ち、電気・電子部品を搭載した回路基板や液晶表示素子等の表面の一部又は全部について、本発明の硫化防止剤を常法(ナイフコート、刷毛塗りなど)により所定の厚さ(例えば、通常、10~2,000μm、特には10~1,000μm程度)に塗布(コーティング)し、該コーティング被膜を上記条件の紫外線照射にて硬化させて、該紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成の硬化物(シリコーンゴム硬化物)からなる所定の膜厚の硫化防止剤の硬化物層(シリコーンゴム硬化物層)を回路基板や液晶表示素子等の表面に形成するとよい。
以下、本発明を具体的に説明する実施例及び比較例を示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、粘度は25℃において回転粘度計により測定したものを示す。Me、Vi、Prはそれぞれ、メチル基、ビニル基、プロピル基を示し、以下の室温は25℃を意味する。硫化防止剤の硬化物層(シリコーンコーティング被膜)の膜厚は厚み測定器((株)尾崎製作所製、UPRIGHT DIAL GAUGE)により硫化防止剤の硬化物層(シリコーンコーティング被膜)の形成前後の基板の厚みの差を測定することにより求めた。
[合成例1]
500mLセパラブルフラスコに下記式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン20.0g、下記式(4)で表されるクマリン誘導体5.96g、及びトルエン30gに白金触媒(上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンに対して白金質量換算で20ppmとなる量)を加えて、100℃で4時間攪拌を行った。なお、式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)1モルに対する式(4)で表されるクマリン誘導体中のビニル基のモル比(Vi/SiH比)は0.9であった。
減圧下でトルエンを除去した後、メタノールによる洗浄と除去を行うことで、下記式(5)で表される褐色のオイルを16.6g得た。この反応の進行は、29Si-NMRスペクトル、1H-NMRスペクトルにて、反応する官能基のピーク消失により確認された。
[合成例2]
500mLセパラブルフラスコに下記式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン20.0g、上記式(4)で表されるクマリン誘導体15.7g、及びトルエン80gに白金触媒(上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンに対して白金質量換算で20ppmとなる量)を加えて、100℃で6時間攪拌を行った。なお、式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)1モルに対する式(4)で表されるクマリン誘導体中のビニル基のモル比(Vi/SiH比)は1.0であった。
減圧下でトルエンを除去した後、メタノールによる洗浄と除去を行うことで、下記式(7)で表される褐色のオイルを12.1g得た。この反応の進行は、29Si-NMRスペクトル、1H-NMRスペクトルにて、反応する官能基のピーク消失により確認された。
[実施例1]
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサンをAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で30秒間(積算光量3,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚150μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体1を得た。
[実施例2]
(実施例2-1)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚140μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-1を得た。
(実施例2-2)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚800μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-2を得た。
(実施例2-3)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚160μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-3を得た。
(実施例2-4)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚70μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-4を得た。
(実施例2-5)
上記式(5)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物1を得た。組成物1をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で30秒間(積算光量3,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚170μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体2-5を得た。
[実施例3]
上記式(7)で表されるクマリン構造含有基を有するオルガノポリシロキサン100質量部と2,2-ジエトキシアセトフェノン0.2質量部を混合し、組成物2を得た。組成物2をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、LEDランプから波長365nmの紫外線(LEDUV光)を100mW/cm2の強度で3分間(積算光量18,000mJ/cm2)照射して硬化させ、膜厚170μmの硫化防止剤の硬化物層を形成して試験体3を得た。
[比較例1]
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、25℃における粘度が600mPa・sのポリジメチルシロキサン80質量部、Me3SiO1/2単位、Me2ViSiO1/2単位、PrSiO3/2単位、及びSiO4/2単位からならなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン、キシレン、及び分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、25℃における粘度が5,000mPa・sのポリジメチルシロキサンをそれぞれ同じ質量(10質量部)計量して、それらを室温で20分間混合後、20分間減圧混合させて混合物30質量部とした。次に、γ-メルカプトプロピル基含有オルガノポリシロキサン7質量部と、(3-アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン0.4質量部と、2,2-ジエトキシアセトフェノン0.8質量部とを添加し、室温で20分間混合後、20分間減圧混合させて紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物3を得た。組成物3をAg鍍金したNi基板(25mm×50mm×0.5mm厚)上に塗布し、メタルハライドランプの光を30秒間照射して硬化させ、膜厚170μmの硬化物層を形成して試験体4を得た。
上記のように調製した試験体1~4を用いて、硫化水素ガスを使用した硫化防止性の評価を行った。試験体1~4の試験結果を表1、2に示す。
・試験方法
1)作製した試験体をガス腐食試験装置((株)山崎精機研究所製、GH-180)のチャンバー内に入れる。
2)1)のチャンバー内が硫化水素濃度3ppm又は10ppmとなるように硫化水素ガスを封入して密閉し、室温の環境(湿度40~60%RH)下に置き、そのまま7日間保持する経時処理を行う。
3)経時処理後のコーティングされたAg鍍金Ni基板上の腐食の有無を目視にて確認する。
・評価方法
コーティングされたAg鍍金Ni基板の、Ag鍍金における腐食の有無を以下の指標にて評価した。
○:Ag鍍金が腐食せず(黒変なし、銀膜(Ag鍍金表面)の着色なし)
△:Ag鍍金が腐食(黒変)はしなかったが、銀膜(Ag鍍金表面)がわずかに黄色に着色した
×:Ag鍍金が腐食した(黒変あり)
硫化水素ガスを使用した硫化防止性の評価において、試験体1~4の結果から、上記式(5)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサン、上記式(5)又は(7)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含む紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる硫化防止剤を硬化してなる硬化物層(シリコーンコーティング被膜)は従来の紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含む紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化物層(シリコーンコーティング被膜)よりも優れた硫化防止性能を示すことを確認した。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサンを含有する紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなる硫化防止剤。
    (式中、R1は独立に、炭素原子数1~10の非置換若しくは置換の1価炭化水素基、水酸基、アルコキシ基又は下記一般式(2)
    (式中、eは1~10の整数であり、fは0又は1である。)
    で表されるクマリン構造含有基であり、R1のうち少なくとも平均3個は上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である。aは2以上の整数であり、b、c及びdはそれぞれ0以上の整数であり、b+c+dは4以上の整数であり、a+b+c+dは6以上の整数である。但し、(R1SiO3/2)単位中のR1は、2個のR1同士が結合してアルキレン基を形成してもよい。)
  2. 一般式(1)においてR1のうち少なくとも平均4個以上が上記一般式(2)で表されるクマリン構造含有基である請求項1に記載の硫化防止剤。
  3. 紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、一般式(1)で示される紫外線硬化性オルガノポリシロキサン100質量部と、光増感剤0.001~10質量部及び/又は有機溶剤0.1~100質量部とを含有するものである請求項1に記載の硫化防止剤。
  4. 請求項1~いずれか1項に記載の硫化防止剤の硬化物層を有する物品。
  5. 物品の表面の少なくとも一部又は全部に、請求項1~のいずれか1項に記載の硫化防止剤を塗布し、該硫化防止剤に紫外線を照射して該硫化防止剤の硬化物層を形成する工程を含む物品の硫化防止方法。
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