JP7750712B2 - エアーベッド - Google Patents
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Description
従来技術1の構成は、上記ベルトの存在により空気袋の上面側から鉛直下方に荷重がかかった際には、空気袋の撓みが防止されてベッドとしての使用が可能であるものの、空気袋に対し荷重が鉛直下方以外の方向にかかった際には、複数の空気台の上端部付近(空気袋と空気台の接合部付近)または上下方向中間部が屈曲し、当該複数の空気台が傾斜してベッド全体が押し潰れてしまうという問題があった。つまり、使用者が横たわる際、または寝返りなどを打った際に、従来技術1のエアーベッドではしっかりと空気袋を支持することが困難であり安定性が不十分あった。
これに対し、直方体の従来のエアーベッドであれば、床面から就寝面までの高さを確保する設計は容易であるが、これではエアーベッドの内室の容積がさらに増え、気体をエアーベッド内部に封入するための作業の労力と時間がさらに大きくなってしまう。また従来技術1では、脚部(即ち空気台)の上下方向の長さを長くすることで就寝面の高さを高くすることは可能であるが、脚部の当該長さを長くするほど、エアーベッドの安定性が欠如し、使用時の傾斜や潰れが顕著になる。
なお、本発明の説明に用いるいくつかの用語に関し、以下のとおり定義する。本発明に関し、上下方向という場合には、エアーベッドを設置面に設置した状態における、天地方向を意味する。本発明に用いられる第一エアー体および第二エアー体をまとめて、エアー体と総称する場合がある。下記の説明において示す、エアーベッドまたはこれを構成する各部分の寸法(高さ寸法t1、厚み寸法t2、短手寸法t3、長手寸法t4、厚み寸法t5)はいずれも、エアー体に空気を封入して膨張させる前の設計上の寸法を指す。なお、エアー体に気体が封入されて膨張しベッドとして使用可能な状態であるエアーベッドは、当該エアー体の膨張により、設計上の寸法と数cm程度、変動する場合がある。
以下に図1~図3を用いて本発明の第一実施形態であるエアーベッド100について、説明する。図1は、本発明の第一実施形態のエアーベッド100の斜視図である。図2Aは図1に示すエアーベッド100のA-A線断面図であり、図2Bは図1に示すエアーベッド100のB-B線断面図である。図3は、図1に示すエアーベッド100のC-C線断面図である。
枠体部10は、内部に気体を封入可能な第一エアー体より構成されており、気体が封入されて膨張することで安定して自立することができる。本発明に関し、枠体部10の下端面から上面部20の上面までの距離である高さ寸法t1は30cm以上であり、かつ枠体部10の厚み寸法t2は4cm以上である。上述のとおり、エアーベッド100は、十分な厚み寸法t2を有し周方向に連続してなる枠体部10によって上面部20が支持されているため、上面部20の上に人が横たわっても、安定した起立状態を維持することができる。また本発明は、高さ寸法t1が十分に高く確保されているため、避難所などで使用した際に、エアーベッド100に横たわる使用者が床面上の埃などを吸い込むことを防止または抑制可能である上、高齢者にも乗り降りし易い高さのエアーベッドを提供することができる。
第一エアー体および後述する第二エアー体をなすエアー体は、内部に気体を封入可能な内室を有し、当該内室に気体が封入されることで膨張する。本発明に用いられるエアー体は概ね0.2mm~0.5mm程度の非通気性のシートから構成されるため、上記内室の容積は、エアー体の外寸から計算される体積とほぼ同じであるため、便宜上、これらは同じものとして説明する。
エアーベッド100の高さ寸法t1と同じ高さであって、枠体部10の横断面における外縁で規定された面積と同じ底面積を有する直方体のエアーベッドと比較して、エアーベッド100は、気体の封入量が少なく、設置のための時間や労力を軽減することができる。なお、このようにエアーベッド100の高さ寸法t1と枠体部10の横断面における外縁で規定された面積とから算出される体積を、以下において「エアーベッド100の外寸から求められた仮想体積」または単に「仮想体積」という場合がある。
なお、本実施形態における枠体部10は、図3に示すとおり、横断面における外縁が長方形であり、短手寸法t3は当該長方形の短辺の長さであり、また長手寸法t4は当該長方形の長辺の長さである。ただし、本発明は、横断面における外縁が長方形以外(たとえば楕円形など)である枠体部を備えるエアーベッドを包含する。枠体部10の横断面における外縁が楕円形などの非長方形である場合には、上述する短手寸法は短軸の長さ、長手寸法は長軸の長さと読み替えることができる。
次に上面部20について説明する。本実施形態における上面部20は、内部に気体を封入可能な第二エアー体から構成されている。即ち、本実施形態のエアーベッド100は、枠体部10だけでなく、上面部20もエアー体で構成されている。そのため、エアーベッド100はクッション性が高く寝心地が良い上、エアーベッド100に使用者が横たわった際に、上面部20の下方への過度な沈み込みが良好に防止される。
次に枠体部10について説明する。
枠体部10は、内部に気体を封入可能であって、気体が封入され膨張した状態で上面部20を支持可能な第一エアー体により構成されている。枠体部10は、図3に示すとおり、上面視において周方向に連続している。そのため、枠体10は、上面部20に使用者が横たわった際に、従来技術1における脚部のように屈曲し難く、優れた安定性を示す。
ところで、本実施形態におけるエアー体は内部に釣り布30が設けられている。釣り布30とは、エアー体内部において互いに対向する内周面間に亘って設けられた所定幅のシート部材である。釣り布30は、一方の内周面とこれに対向する他方の内周面とに接合されており、エアー体の内部に気体が封入された際、釣り布30が設けられた箇所において対向する内周面間の距離が釣り布30の幅の寸法内に維持される。そのため、エアー体全体が膨らみ過ぎて必要以上に丸みを帯びることを防止することができる。釣り布30を設ける代わりに、エアー体内部において互いに対向する内周面同士を所定箇所において直接に接合してもよい。ただしこの場合、エアー体の表面の凹凸が顕著になり、寝心地が低下し、あるいは凹部分において屈曲し易くなる場合がある。
本実施形態では、枠体部10を構成する第一エアー体の内部に設けられた釣り布30は、枠体部10の厚み寸法t2と同程度の幅を有するシート部材であって、上下方向に延設されている。かかる釣り布30は複数設けられており、枠体部10の周方向に並列するよう設けられている。このように、第一エアー体の内部において上下方向に延設された釣り布30が周方向に複数設けられることによって、上方から荷重を受けた際に枠体部10が上下方向中間部において屈曲することが防止されるため好ましい。
以下に図4、図5を用いて本発明の第二実施形態であるエアーベッド120について説明し、図6を用いて第二実施形態の変形例であるエアーベッド140について説明する。図4は、本発明の第二実施形態のエアーベッド120の斜視図である。図5は、図4に示すエアーベッド120のD-D線断面図である。図6は、第二実施形態の変形例であるエアーベッド140の縦断面図である。
枠体部11は、内部に気体を封入可能な第一エアー体より構成されており、気体が封入されて膨張することで安定して自立することができる。
上面部25を構成するシート体は、エアーベッド100の使用者が横たわる面となるため、それに耐えられる程度の強度を有する部材であることが好ましい。当該シート体は、織布や網布などの生地から構成されてもよいし、樹脂シートから構成されてもよい。上記樹脂シートとしては、熱可塑性ポリウレタン樹脂シート、塩化ビニル系樹脂シート、および熱可塑性ポリウレタン樹脂または塩化ビニル系樹脂が生地の少なくとも一方面側に積層されてなる積層シート(ターポリンを含む)が例示される。上記積層シートで上面部25のシート体を構成する場合には、使用者に肌触りの良いベッドを提供するという観点から、生地が上面側となるよう用いるとよい。
上述するとおり本実施形態のエアーベッド120は、枠体部11の上端開口および下端開口がいずれもシート部材で覆われており、内部に本体中空部42を有する中空体をなしている。かかるエアーベッド120では、枠体部11、上面部25、および下面部40のいずれか一か所以上に、エアーベッド120の本体中空部42と外部とを通気可能に連通する通気孔27が設けられている。
もちろん、通気孔27にも封止栓が設けられていても良い。たとえば、エアーベッド120全体の膨張度合いを使用者の好みにより調整する等のために、枠体部11の膨張により完成されたエアーベッド120に対し、さらに人為的に通気孔27から本体中空部42に気体を封入し、その状態を保つために通気孔27を図示省略する封止栓で封止してもよい。なお、上面部25および下面部40を構成するシート体は、通気性または非通気性のいずれでもよいが、特に通気孔27を封止栓で封止する態様においては、上面部25および下面部40を構成するシート体はいずれも非通気性であることが好ましい。これによって、エアーベッド120を内部空間が密閉された中空体とすることができる。
以下に図7を用いて本発明の第三実施形態であるエアーベッド160について、説明する。図7Aは本発明の第三実施形態のエアーベッド160の斜視図であり、図7Bは図7AのE-E線断面図である。
(実施例1)
図6に示す第二実施形態の変形例(エアーベッド140)と同様の構成である実施例1を作製した。具体的には、第一エアー体からなる枠体部および枠体部の上端開口を覆うシート体からなる上面部を備え、下面部は設けず、下端開口のエアーベッドを作製した。上記枠体部を構成する部材としては、厚さ0.25mm、生地の片面にTPUを張り合わせた引布から構成されるシート状部材を用いた。また第一シート体を構成する部材としては、上記枠体部を構成する部材と同様のシート状部材を用いた。枠体部の内部には、図1と同様に対向する側面間を亘り上下方向に延設された10cm×30cmの釣り布を長辺方向において19箇所、短辺方向において9箇所設けた。エアーベッドの外形寸法、第一エアー体の厚み、内部の気体が排出された不使用時のサイズ、第一エアー体の設計上の総体積、エアーベッドの外形寸法から計算される見掛け体積については、表1に示す。
(実施例2)
図1~図3に示す第一実施形態(エアーベッド100)と同様の構成である実施例2を作製した。具体的には、実施例1における上面部のシート体に替えて、長さ190cm、幅80cm、厚み10cmの第二エアー体を用い、ベッドの高さ寸法と第二エアー体の厚みを勘案して、第一エアー体からなる枠体部の高さを変更したこと以外は、実施例1と同様に実施例2を作成した。第二エアー体は、枠体部である第一エアー体の上面を覆って載置され、互いに一体的に接合するよう配置された。
(実施例3~5)
エアーベッドの外形寸法における高さと、第一エアー体および第二エアー体の厚みを表1に示す数値に変更し、また、ベッドの高さ寸法と第二エアー体の厚みを勘案して、第一エアー体からなる枠体部の高さを変更したこと以外は、実施例2と同様にエアーベッドを作製しこれを実施例3~5とした。
(実施例6)
枠体部の下端開口を覆うシート体からなる下面部を設けるとともに、上面部に通気孔を設けたこと以外は、実施例1と同様にエアーベッドを作製しこれを実施例6とした。実施例6の構成は図5および図6が参照される。なお、下面部を構成するシート体は、第一シート体を構成するシート状部材と同じものを用いた。
(実施例7、8)
第一エアー体の厚みを表1に示す内容に変更したこと以外は、実施例6と同様にエアーベッドを作製し実施例7、8とした。
(比較例1)
図8に示すエアーベッドを作製しこれを比較例1とした。具体的には、長さ190cm、幅80cm、厚み10cmの上面部220と、上面部220の下面に接続された3本の脚部210を備えるエアーベッド200を作製した。脚部210は、長さ80cm、幅10cm、厚み20cmの棒状体であるエアー体を3本用い、2本を上面部の下面において、短辺に沿って取り付けるとともにそれらの中間部に1本の脚部を取り付けた。
また、3本の脚部の下面側において、紐部230を張った状態で取り付けた。
各実施例、比較例に関し、エアーベッドの外形寸法から算出される見掛け体積に対し、エアーベッドに用いられたエアー体の総体積の低減率(%)を下記式(1)から算出し、表1に示した。
[数1]
体積低減率(%)=(見掛け体積-総体積)÷見掛け体積×100・・・・・(1)
◎:安定感があり、寝心地も良好であった。
〇:安定感があるが、枠体部の上端部が肩や腕に当接する感触があった。
×:安定感が悪く、上面部に横たわった際、または寝返りを行った際にエアーベッド全体が傾斜して起立状態が維持されなかった。
(1)設置面に対し上方に延在するとともに周方向に連続する枠体部と、
前記枠体部の上端開口を覆う上面部と、を有し、
前記枠体部は、内部に気体を封入可能な第一エアー体より構成されており、
前記枠体部の下端面から前記上面部までの高さ寸法が20cm以上であり、かつ前記枠体部の厚み寸法が4cm以上であることを特徴とするエアーベッド。
(2)前記上面部が、内部に気体を封入可能な第二エアー体から構成されている上記(1)に記載のエアーベッド。
(3)前記上面部が、シート体から構成されている上記(1)に記載のエアーベッド。
(4)前記枠体部の下端開口を覆う下面部を有し、
前記下面部が、シート体から構成されており、
前記枠体部、前記上面部、および前記下面部のいずれか一か所以上に、前記エアーベッドの本体中空部と外部とを通気可能に連通する通気孔が設けられている上記(3)に記載のエアーベッド。
12、52・・・給気孔
12a・・・封止栓
14・・・開口
20、25・・・上面部
27・・・通気孔
30・・・釣り布
30a・・・枠体部釣り布
30b・・・上面部釣り布
32・・・通気路
40・・・下面部
42・・・本体中空部
50・・・エアー支柱
50a・・・短手方向エアー支柱
50b・・・連通用エアー支柱
100、120、140、160・・・エアーベッド
230・・・紐部
t1・・・高さ寸法
t2、t5・・・厚み寸法
t3・・・短手寸法
t4・・・長手寸法
Claims (4)
- 設置面に対し上方に延在するとともに周方向に連続する枠体部と、
前記枠体部の上端開口を覆う上面部と、を有するエアーベッドであって、
前記枠体部は、内部に気体を封入可能な第一エアー体より構成されており、
前記枠体部の下端面から前記上面部までの高さ寸法が30cm以上であり、かつ
エアー体に空気を封入して膨張させる前の設計上の寸法において、
前記枠体部が、上下方向において一定の厚みであり、その厚み寸法が4cm以上であり、前記エアーベッドを長尺方向に観察した際の、前記枠体部の縦断面が上下方向に長尺の長方形であることを特徴とするエアーベッド。 - 前記上面部が、内部に気体を封入可能な第二エアー体から構成されている請求項1に記載のエアーベッド。
- 前記上面部が、シート体から構成されている請求項1に記載のエアーベッド。
- 前記枠体部の下端開口を覆う下面部を有し、
前記下面部が、シート体から構成されており、
前記枠体部、前記上面部、および前記下面部のいずれか一か所以上に、前記エアーベッドの本体中空部と外部とを通気可能に連通する通気孔が設けられている請求項3に記載のエアーベッド。
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