JP7760708B2 - 車両 - Google Patents

車両

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Description

本発明は、車両に関する。
従来、車両において、電動機を冷却する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、モータのケーシングと、ケーシングを覆うハウジングとの間に走行風を流す流路を形成し、流路内にフィンを複数配置することにより、モータの熱を効率的に放熱している。
特開2000-116062号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、熱せられた空気は車両停止時などに流路内に滞留する可能性があり、放熱効率を向上するにあたり、改善の余地があった。また、車両としての鞍乗り型車両に電動機を適用する場合には、走行風と共に流入する砂や小石などの異物を排除可能な構造が望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、熱せられた冷却媒体が循環され易く放熱効率の向上された回転電機を備える車両を提供することを目的とする。
車両は、車軸と略平行に配置された回転軸を中心に回転するロータと、ステータと、からなる回転電機と、前記回転電機の外周を囲む内壁と、前記内壁と所定間隔を開けて配置される外壁と、を有する車両であって、前記外壁には少なくとも二つの開口が設けられ、前記二つの開口のうち少なくとも一方は前記回転軸よりも上方に設けられる、ことを特徴とする。
熱せられた冷却媒体が循環され易く放熱効率の向上された回転電機を備える車両を提供することができる。
図1は、本実施の形態に係る鞍乗り型車両の左側面図である。 図2は、スイングアームの後部を左後方から見た斜視図である。 図3は、モータ装着部の断面図である。 図4は、モータ装着部の周辺を示すスイングアームの左側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
[実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る鞍乗り型車両10の左側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、駆動輪である後輪12を駆動する電動モータ13と、前輪14を操舵自在に支持するフロントフォーク15と、後輪12を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える電動の自動二輪車である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。本実施の形態の鞍乗り型車両10は、低床のフロア部18を有する電動スクータである。
車体フレーム11は、前端部のヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20から後ろ斜め下方に延びるダウンフレーム21と、ダウンフレーム21の下端から後方に延びる左右一対のアンダーフレーム22と、アンダーフレーム22の後端から後ろ斜め上方に延びる左右一対のサイドフレーム23と、を有する。左右一対のサイドフレーム23は、それぞれのアンダーフレーム22から後ろ斜め上方に延びる立ち上げフレーム部24と、立ち上げフレーム部24から後方に延出するリアフレーム部25とを有する。左右一対のリアフレーム部25の後端は、テールパイプ26で連結されている。
ヘッドパイプ20には、左右一対のフロントフォーク15が操舵自在に取り付けられている。フロントフォーク15の上部には、操舵用ハンドル19が取り付けられている。フロントフォーク15の下端には、車軸14aを介して、前輪14が取り付けられている。
アンダーフレーム22とサイドフレーム23との間には、後方に延出するピボットブラケット27が設けられている。ピボットブラケット27の後端には、左右方向(車幅方向)に延びるピボット軸28が支持される。
ピボット軸28には、鞍乗り型車両10の前後方向に沿って延びるスイングアーム16が軸支されている。スイングアーム16は、ピボット軸28から後輪12の左側方に延びている。スイングアーム16の後端部は、車軸12aを介して後輪12を支持する。
スイングアーム16には、電動モータ13が内蔵される。電動モータ13は、後輪12の左側方に位置する。よって、スイングアーム16は、スイング式のパワーユニットとして構成される。スイングアーム16の後端部と左側のリアフレーム部25との間には、リアクッション29が連結されている。
リアフレーム部25は、乗員が着座するシート17を下側から支持する。シート17の下方には、バッテリ30が配置されている。バッテリ30は、左右一対のサイドフレーム23と、立ち上げフレーム部24を前方で連結するパイプ24aと、によって支持されている。
バッテリ30の後ろ斜め下方には、電子部品としてのPCU(パワーコントロールユニット)31が支持されている。PCU31は、左右の立ち上げフレーム部24によって支持される。PCU31は、インバータ等を含み構成され、例えば、バッテリ30から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を電動モータ13に供給する。また、PCU31は、電動モータ13の回生時には、電動モータ13が発電した交流電力を直流電力に変換し、バッテリ30に充電する。なお、図1に示すバッテリ30及びPCU31の配置箇所は、一例であって、鞍乗り型車両10内の他の箇所に配置してもよい。例えば、左右一対のアンダーフレーム22の間の空間にバッテリ30を配置してもよい。
車体フレーム11は、車体カバー40によって覆われる。
車体カバー40は、フロントカバー41、ハンドルカバー42、レッグシールド43、左右一対のフロアサイドカバー44、シート下カバー45及びリアサイドカバー46等を備える。
フロントカバー41は、ヘッドパイプ20等の車体フレーム11の前端部を前方から覆う。ハンドルカバー42は、フロントカバー41の上方で、操舵用ハンドル19の左右中央部を覆う。レッグシールド43は、フロントカバー41の後部に接続され、ヘッドパイプ20及びダウンフレーム21を後方から覆う。シート下カバー45は、シート17の下方の空間を前方から覆う。
フロアサイドカバー44は、レッグシールド43及びシート下カバー45に連結され、左右一対のアンダーフレーム22を左右両側から覆う。リアサイドカバー46は、シート下カバー45の後縁部に接続され、PCU31等を左右両側から覆う。
フロントフォーク15には、前輪14を上方から覆うフロントフェンダ47が取り付けられている。また、リアフレーム部25には、後輪12を上方から覆うリアフェンダ48が取り付けられている。さらに、スイングアーム16には、リアフェンダ48と後輪12との間で後輪12を上方から直接覆い、且つ、スイングアーム16と共に揺動可能なハガーフェンダ49が取り付けられている。
スイングアーム16の側方には、メインスタンド50が配設されている。
また、左側の立ち上げフレーム部24の近傍には、サイドスタンド51が配設されている。
図2は、スイングアーム16の後部を左後方から見た斜視図である。
スイングアーム16は、スイングアーム本体60と、スイングアーム本体60に取り付けられるスイングアームカバー61と、を有する。
スイングアーム本体60は、内部が空洞の部材である。図1に示すように、スイングアーム本体60は、ピボット軸28の近傍で車幅方向に延びる前端部60Aと、前端部60Aの左側から後方に延出する連結部60Bと、連結部60Bの後部に設けられ後輪12の左側方に配置されたモータ装着部60Cと、モータ装着部60Cの後方に設けられた後端部60Dと、を有する。
スイングアーム本体60の前端部60Aは、軸受(不図示)を介して、ピボット軸28に軸支されている。
連結部60Bは、側面視で、前方から後方に向って徐々に広がる形状をしている。
モータ装着部60Cは、側面視で略円形状に形成され、且つ、右方(車幅方向内側)に凹むように形成されている。
後端部60Dには、リアクッション29が連結されている。
スイングアーム本体60において、連結部60Bの後部及びモータ装着部60Cは、左方(車幅方向外側)に開口している。この開口部分は、スイングアームカバー61で左方から覆われている。スイングアームカバー61は、複数のボルト62によってスイングアーム本体60に取り付けられる。
図3は、モータ装着部60Cの断面図である。
モータ装着部60Cには、電動モータ(回転電機)13が収容される。電動モータ13は、三相交流モータである。電動モータ13は、ステータ90と、ロータ91とを備える。
ステータ90は、積層鋼板からなる円筒状のステータコア90Aを有する。ステータコア90Aには、電動モータ13の周方向に複数のスロット90Bが形成されている。複数のスロット90Bは、所定の角度間隔で周方向に形成される。スロット90Bには導線が挿通されステータコア90Aに巻回される。これにより、ステータコア90Aには、コイル90Cが設けられる。ステータコア90Aの外周部(径方向外部)には、モータ軸92の軸方向(左右方向、車幅方向)に貫通する挿通孔90D、90Eが形成される。本実施の形態では、挿通孔90Dと挿通孔90Eとは同様の孔形状である。挿通孔90Dと挿通孔90Eとの全体は、それぞれが、所定の角度間隔で周方向に形成される。挿通孔90D、90Eがコイル90Cに応じた位置に形成されている。このうち、挿通孔90Eには、ボルト121(図3、図4参照)が挿通される。挿通孔90Eのボルト121は、円板状のケース板94、95をステータ90の軸方向両側に固定する。ケース板94、95は、軸方向視で、ステータ90と同径の円形状に形成される。
ステータ90の径方向内側には、ロータ91が配置されている。ロータ91は、積層鋼板からなる円筒状のロータコア91Aを有する。ロータコア91Aには、電動モータ13の周方向に複数のスロット91Bが形成されている。複数のスロット91Bは、所定の角度間隔で周方向に形成される。スロット91Bには磁石91Cが配置される。ロータコア91Aの径方向中心には、車幅方向に延びるモータ軸(回転軸)92が配置される。
モータ軸92はロータコア91Aを貫通した状態でロータコア91Aに固定される。モータ軸92は、左右のケース板94、95に、軸受93A、93Bを介して回転可能に支持される。よって、ロータ91がモータ軸92と一体に、ケース板94、95に回転可能に支持されている。すなわち、ロータ91は、後輪12の車軸12a(図1参照)と略平行に配置されたモータ軸92を中心に回転する。なお、本実施の形態の説明において、略平行とは、機械的な公差等により平行でない場合も平行に含むという意味で使用している。
モータ軸92の左端部(軸方向一端部)92Aは、左側のケース板94から車幅方向外側(左方向)に突出している。左側のケース板94には、モータ軸92の位置に対応して、車幅方向内側に凹んだ凹部94Aが形成されている。モータ軸92の左端部92A及び凹部94Aは、カバー部材96によって左方から覆われている。
凹部94Aには、モータ軸92の回転角度を検出するレゾルバ(回転角度検出部)100が配設されている。レゾルバ100は、モータ軸92に取り付けられたレゾルバロータ100Aと、レゾルバロータ100Aに対向するレゾルバステータ100Bと、を有する。レゾルバステータ100Bは、左側のケース板94に固定される。
モータ軸92の右端部(軸方向他端部)92Bは、右側のケース板95から車幅方向内側(右方向)に突出している。モータ軸92の右端部96Bは、スイングアーム本体60の右側に設けられた減速機収容部98に突出する。減速機収容部98には、減速機構99が配置されており、モータ軸92の右端部92Bがギアを介して減速機構99に接続される。減速機構99により、ロータ91の回転に伴う駆動力が、後輪12の車軸12aに伝達される。
右側のケース板95とモータ軸92との間には、減速機収容部98からケース板95への潤滑油の漏洩を阻止するためのオイルシール97AやOリング97Bが設けられている。
本実施の形態では、ステータ90、ロータ91、モータ軸92、軸受93A、93Bなどが、ケース板94、95間に配置され、ケース板94、95がステータ90にボルト121により固定される。これにより、ステータ90、ロータ91、モータ軸92、軸受93A、93B、ケース板94、95が一体化されて、本実施の形態の電動モータ13が構成される。
電動モータ13は、モータ装着部60Cに装着される。電動モータ13がモータ装着部60Cに装着されることにより、モータ軸92の右端部96Bが減速機収容部98に突出する。電動モータ13は、ケース板94の孔、ステータ90の挿通孔90D、および、ケース板95の孔に挿通されたボルト120により、スイングアーム本体60に固定される。挿通孔90Dのボルト120は、挿通孔90Eのボルト121よりも長い。
なお、挿通孔90E、90Dの個数及び形成位置や、挿通孔90E、90Dに螺合するボルト120、121(図4参照)の種類及び個数は任意であり、スイングアーム16及び電動モータ13の仕様等に応じて変更可能である。
図3に示すように、スイングアーム本体60のモータ装着部60Cは、円環状の基部70を備える。基部70には、電動モータ13がボルト120により固定される。基部70の外周部(径方向外側部)には、基部70から径方向外側に延出する延出部71が形成される。延出部71は、モータ軸92の軸方向視では円環状である。
延出部71の外周部には、電動モータ13の外周を覆う円筒状の外周壁(外壁)72が形成される。外周壁72は、電動モータ13の外周面に対して所定の間隔を空けて形成される。外周壁72は、延出部71から車幅方向一側に延出している。基部70、延出部71、および、外周壁72により、本実施の形態のモータ装着部60Cが構成される。
外周壁72の径方向内側には、円筒状の内周壁(内壁)80が配置される。内周壁80は、外周壁72との間に所定の隙間を形成する。内周壁80は、金属製である。本実施の形態では、電動モータ13の外周部に圧入される。内周壁80は、電動モータ13のステータコア90Aの外周部に加圧された状態で当接されている。
延出部71と、外周壁72と、内周壁80と、スイングアームカバー61とによって囲まれた空間により、本実施の形態の冷却流路Sが形成される。本実施の形態の冷却流路Sは円環状である。
図4は、モータ装着部60Cの周辺を示すスイングアーム16の左側面図である。図4では、左側のケース板94とカバー部材96の図示を省略している。また、図4では、スイングアームカバー61を二点鎖線で示す。さらに、外周壁72と内周壁80とには、網掛けを付している。
外周壁72には、厚み方向に開口する開口状の前開口72A、上開口72Bおよび下開口72Cが形成される。前開口72A、上開口72Bおよび下開口72Cは、周方向に互いに離間して形成される。前開口72A、上開口72Bおよび下開口72Cにより、冷却流路Sが外部と連通する。これにより、冷却流路S内には、外部から空気(冷却媒体)Aが流入して冷却流路S内を循環して流出する。
前開口(他方の開口)72Aは、モータ軸92よりも前方且つ下方に形成される。前開口72Aは、モータ軸92よりも前方且つ下方に設けられるので、前開口72Aを通じて、走行風Wなどによる空気Aが冷却流路S内に取り入れ易くなっている。前開口72Aから流入した空気Aは、内周壁80により、上方に向かって流れる空気Aと、下方に向かって流れる空気Aと、に分かれる。
上開口(一方の開口)72Bは、モータ軸92よりも上方に形成される。上開口72Bは、円筒状の外周壁72の最上部に対応して形成される。具体的には、上開口72Bは、モータ軸92の中心を通過する鉛直線Lを跨ぐように形成される。よって、冷却流路Sは、前開口72Aと上開口72Bとの間をモータ軸92の前側で結ぶ第1の流路S1と、第1の流路S1よりも周方向に長い第2の流路S2と、により構成される。
ここで、走行風Wが得られる場合には、前開口72Aから冷却流路S内に流入した空気Aは、冷却流路S内を移動して上開口72Bから流出する。よって、冷却流路S内の空気Aにより電動モータ13が冷却される。このとき、空気Aは電動モータ13からの熱により昇温するため上昇し易くなる。よって、上開口72Bにより、鞍乗り型車両10の停止時などで走行風Wが得られなくても、昇温した空気Aが冷却流路Sから流出し易くなっている。したがって、本実施の形態では、空気Aが内周壁80と外周壁72との間に滞留し難くて、冷却流路S内を空気が循環し易くなっている。よって、電動モータ13の放熱効率が向上している。
第2の流路S2に対応して、外周壁72には下開口(第三の開口)72Cが形成される。下開口72Cは、前開口72Aよりも後方且つ下方に設けられる。本実施の形態では、冷却流路Sの最下部に対応して形成される。具体的には、下開口72Cは、モータ軸92を通過する鉛直線Lを跨いで形成される。前開口72Aと下開口72Cとの間では、冷却流路Sは後方に進むに連れて下方に傾斜している。ここで、前開口72Aからは走行風Wなどによって空気Aが流入する際に、砂や水などの異物も流入する場合がある。砂などの異物は冷却流路S内では、自重により第2の流路S2に移動し易く、下開口72Cに向けて移動し易い。よって、冷却流路S内に流入した異物が最下部の下開口72Cから排出可能であるため、異物が、外周壁72と内周壁80との間に詰まることが抑制される。また、冷却流路S内に異物が残存することにより、異物が壁面に接触して異音が発生することを抑制できる。
前開口72Aの形成位置に応じて、外周壁72には、導入壁部(羽根)72Dが設けられている。導入壁部72Dは、前開口72Aの下縁72A1から前方に延びている。導入壁部72Dは前方に進むに連れて下方に傾斜する導入面72D1を有する。導入面72D1は、前開口72Aの上縁72A2よりも前方に延出する。導入壁部72Dにより前後方向に流れる走行風Wを前開口72Aに取り入れ易くなっている。
上開口72Bの形成位置に応じて、外周壁72には、上方延出部72Eが設けられている。上方延出部72Eは、上開口72Bを上方から覆う。上方延出部72Eは後上がりに延びる庇状である。具体的には、上方延出部72Eは、上開口72Bの前縁72B1から外周壁72の接線方向に延びている。上方延出部72Eは、上開口72Bの後縁72B2よりも後方まで延出する。上方延出部72Eにより、上開口72Bから雨水や泥等が冷却流路S内に進入することを防ぎ易くなっている。
下開口72Cの形成位置に応じて、外周壁72には、下方延出部(第2の羽根)72Fが設けられている。下方延出部72Fは、前下がりに延びる板状である。具体的には、下方延出部72Fは、下開口72Cの後縁72C1から外周壁72の接線方向に延びている。下方延出部72Fは、鉛直線Lよりも前方まで延出する。下方延出部72Fにより、走行風Wを、異物が排出される下開口72Cからも流入させ易くできる。
上開口72Bの形成位置に応じて、内周壁80には、上開口72Bに向けて突出する突出部80Aが形成されている。突出部80Aは、側面視では、略直角三角形状である。突出部80Aは、後方に進むに連れて上方に傾斜する前面80Bと、前面80Bの後端から径方向中心に向かって延びる後面80Cとを備える。前面80Bにより、第1の流路S1の空気Aを上開口72Bに案内できる。後面80Cにより、第2の流路S2の空気Aを上開口72Bに案内できる。
冷却流路Sには、冷却流路Sに沿って延びる熱伝導管(熱伝導部材)81が配置される。熱伝導管81は金属製である。本実施の形態の熱伝導管81は、ハニカム構造を有する(図3参照)。熱伝導管81は、内周壁80と外周壁72との間に圧入により装着される。熱伝導管81により空気Aとの接触面積が増大し、冷却効率が増大する。
熱伝導管81は、前開口72Aと上開口72Bとの間に配置される第1の熱伝導管81Aと、下開口72Cと上開口72Bとの間に配置される第2の熱伝導管81Bと、を備える。よって、前開口72Aと下開口72Cとの間には、熱伝導管81は配置されない。これにより、熱伝導管81により冷却効率を増大させつつ、異物が混入する可能性がある冷却流路S部分は広い空間とすることができる。すなわち、異物によって熱伝導管81の隙間が埋められてしまうことを抑制できる。
第1の熱伝導管81Aは、前開口72Aから所定の距離だけ上開口72B側に離間させた状態で配置される。また、第2の熱伝導管81Bは、下開口72Cから所定の距離だけ上開口72B側に離間させた状態で配置される。これにより、前開口72Aや下開口72Cから流入した空気Aが、冷却流路S内で屈曲し過ぎることが抑制されており、熱伝導管81の抵抗で前開口72Aや下開口72Cから空気Aが進入し難くなることを抑制できる。
モータ装着部60Cは、スイングアームカバー61で覆われる。スイングアームカバー61には、前開口72A、上開口72Bおよび下開口72Cのそれぞれの位置に応じて、開口状の切り欠き61A、61B、61C(図2、図4参照)が形成される。切り欠き61A、61B、61Cにより、前開口72A、上開口72Bおよび下開口72Cのそれぞれは、スイングアームカバー61の外部に連通する。また、切り欠き61A、61B、61Cにより、導入壁部72D、上方延出部72E、および、下方延出部72Fのそれぞれと、スイングアームカバー61とが接触することが回避される。上方延出部72Eと、下方延出部72Fとは、スイングアームカバー61の外側まで延出している(図1参照)。
図4に示すように、電動モータ13には、PCU31(図1参照)から延びるハーネス101が接続される。ハーネス101は、コネクタ(接続部)105を介して電動モータ13に電気的に接続される。コネクタ105は、モータ装着部60Cの延出部71に形成された不図示の開口を通じて、電動モータ13のコネクタ(不図示)に接続される。コネクタ105はモータ軸92の前方に配置されている。コネクタ105は、前開口72Aよりも上方に配置される。コネクタ105は、前開口72Aよりも上方に配置されるため、前開口72Aから冷却流路S内に水が入り込んだ場合でも、コネクタ105に水がかかることを抑制できる。
ハーネス101は、スイングアーム本体60の開口60B1を通じてスイングアーム本体60の右面に配索され、PCU31に接続される。本実施の形態では、ハーネス101は、給電線102と、通信線103、104により構成される。
給電線102は、U相、V相、W相のコイル90Cに給電可能に接続される。給電線102は、電動モータ13に交流電力を供給する。
第1の通信線103は、レゾルバ100に電気的に接続される。第1の通信線103を介して、ロータ91及びモータ軸92のレゾルバ100による回転角度の検出結果がPCU31に送受信される。
第2の通信線104は、U相、V相、W相に対応する温度センサ(温度検出装置)111、112、113に電気的に接続される電気ケーブルである。温度センサ111、112、113は、U相、V相、W相に対応するコイル90C部分のステータコア90Aに配置される。
温度センサ111~113は、前開口72Aよりも上方に設けられる。本実施の形態では、12個のコイル90Cが設けられる。第1の温度センサ111は、モータ軸92の水平方向で且つ前方のコイル90C部分のステータコア90Aに配置される。第2の温度センサ112および第3の温度センサ113は、第1の温度センサ111よりも上方に配置される。具体的には、第1の温度センサ111に対して、時計回り方向に、一つ置きのコイル90C毎に、第2の温度センサ112と、第3の温度センサ113とが配置される。温度センサ111~113は、モータ軸92を通過する水平面以上に配置される。温度センサ111~113は、前開口72Aよりも上方に配置されるため、前開口72Aから冷却流路Sに水が入り込んだ場合に、温度センサ111~113に水がかかることを抑制できる。
以上説明したように、本発明を適用した本実施の形態によれば、車軸12aと略平行に配置されたモータ軸92を中心に回転するロータ91と、ステータ90と、からなる電動モータ13と、電動モータ13の外周を囲む内周壁80と、内周壁80と所定間隔を開けて配置される外周壁72と、を有する鞍乗り型車両10であって、外周壁72には少なくとも二つの開口72A、72Bが設けられ、二つの開口72A、72Bのうち少なくとも一方はモータ軸92よりも上方に設けられる。
この構成によれば、内周壁80と外周壁72の間に流入した空気Aは熱せられて上方に移動し易いので、上方に開口があることで空気Aを循環させ易くできる。よって、この構成によれば、熱せられた空気Aが循環され易く放熱効率の向上された鞍乗り型車両10を提供することができる。
本実施の形態では、二つの開口72A、72Bのうち他方はモータ軸92よりも前方且つ下方に設けられる。
この構成によれば、前開口72Aにより走行風Wを内周壁80と外周壁72との間に取り入れ易く、且つ内周壁80と外周壁72との間において電動モータ13の下方から上方への空気Aの流れを作ることができる。
また、本実施の形態では、外周壁72はさらに下開口72Cを有し、下開口72Cは前開口72Aよりも後方且つ下方に設けられる。
この構成によれば、前開口72Aから流入した空気Aに砂や水などの異物が含まれていた場合に、下開口72Cから異物を落下させることができる。よって、異物が、外周壁72と内周壁80との間に詰まったり、残存した異物が外周壁72と内周壁80に接触して異音が発生したりすることを抑制できる。
また、本実施の形態では、内周壁80と外周壁72との間には熱伝導管81が配置され、熱伝導管81は、前開口72Aと下開口72Cとの間には配置されない。
この構成によれば、熱伝導管81によって、前開口72Aから下開口72Cに移動する異物の移動の障害となることを回避できる。
また、本実施の形態では、電動モータ13には給電線102と通信線103、104がコネクタ105を介して接続されており、前開口72Aはコネクタ105よりも下方に設けられる。
この構成によれば、外周壁72と内周壁80の間に水が入り込んだ場合に、コネクタ105に水がかかることを抑制できる。
また、本実施の形態では、ステータ90にはステータ90の温度を検出する温度センサ111~113が取り付けられ、前開口72Aは温度センサ111~113よりも下方に設けられる。
この構成によれば、外周壁72と内周壁80の間に水が入り込んだ場合に、温度センサ111~113に水がかかることを抑制できる。
また、本実施の形態では、外周壁72には、前開口72Aに風の流入を促進する導入壁部72Dが設けられている。
この構成によれば、前開口72Aから走行風Wを流入させ易くなり、冷却性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、外周壁72には、下開口72Cに風の流入を促進する下方延出部72Fが設けられている。
この構成によれば、異物が排出される下開口72Cからも、走行風Wを流入させ易くできる。
また、本実施の形態では、外周壁72には、上開口72Bを、上方から覆う上方延出部72Eが設けられている。
この構成によれば、上開口72Bから雨水や泥等が侵入することを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、熱伝導管81は、開口72A、72Cから所定距離離間している。
この構成によれば、走行風Wが熱伝導管81の抵抗で開口72A、72Cから進入し難くなることを抑制できる。
[他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
上記実施の形態では、外周壁72には、冷却流路Sを外部に連通させる3つの開口、すなわち、前開口72A、上開口72Bおよび下開口72Cが形成される構成を例示したが、少なくとも二つの開口が形成されていればよい。
上記実施の形態では、導入壁部72D、上方延出部72E、下方延出部72Fが設けられる構成を説明した。導入壁部72D、上方延出部72E、下方延出部72Fは設けられることが望ましいが、導入壁部72D、上方延出部72E、下方延出部72Fは、適宜に省略した構成でもよい。
上記実施の形態では、外壁に対応する外周壁72がスイングアーム本体60に形成され、内壁に対応する内周壁80がスイングアーム本体60とは別体の一部品として形成された構成を説明したが、これに限定されず、外周壁72と内周壁80とは一体に構成されてもよい。例えば、内周壁80と、外周壁72とは、スイングアーム本体60に一体に形成してもよい。また、例えば、内周壁80と、外周壁72とは、スイングアームカバー61に一体に形成してもよい。また、これらの場合には、熱伝導部材も、外周壁72と内周壁80と一体に形成してもよい。
上記実施の形態では、内周壁80がステータの外周部に圧入される構成が、熱伝導の点で望ましいが、内周壁80とステータコア90Aとの間に空間を空けて配置してもよい。これにより、内周壁80を圧入する場合に比べて、内周壁80を組み付けし易くなる。この場合には、内周壁80とステータコア90Aとの間の空間には、サーマルグリスなどの熱伝導促進剤を充填することが望ましい。
上記実施の形態では、熱伝導部材として、ハニカム構造の熱伝導管81の構成を説明したが、これに限定されない。熱伝導部材としては、冷却流路Sに配置されるフィン形状でもよい。
上記実施の形態では、ステータコア90Aに直接、内周壁80が当接される構成を説明したが、ステータコア90Aの外周面に、例えば、焼き嵌めによって金属筒が固定され、この金属筒の周囲に内周壁80が配置されてもよい。
上記実施の形態では、下開口72Cの形成位置に応じて、前下がりに延びる下方延出部72Fを設ける構成を説明したが、別の実施形態として、下方向延出部72Fの向きを後方に開口するように設けてもよい。例えば、下開口72Cの前側から、後下がりに延びる下方延出部を設けてもよい。これにより、前開口72Aから進入した異物を後方に排出しやすくなる。
上記実施の形態では、電動モータ13がスイングアーム16に支持される構成を説明したが、電動モータ13が車体フレーム11に支持される構成でもよい。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両10として、電動スクータの構成を説明したが、電動モータ13によって駆動する各種の電動の鞍乗り型車両に適用可能である。
上記実施の形態では、車両として、前輪14と後輪12とを有する鞍乗り型車両10を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、3輪の車両や4輪以上を備えた車両に適用可能である。
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)車軸と略平行に配置された回転軸を中心に回転するロータと、ステータと、からなる回転電機と、前記回転電機の外周を囲む内壁と、前記内壁と所定間隔を開けて配置される外壁と、を有する車両であって、前記外壁には少なくとも二つの開口が設けられ、前記二つの開口のうち少なくとも一方は前記回転軸よりも上方に設けられる、ことを特徴とする車両。
この構成によれば、内壁と外壁の間に流入した冷却媒体は熱せられて上方に移動し易いので、上方に開口があることで冷却媒体を循環させ易くできる。よって、この構成によれば、熱せられた冷却媒体が循環され易く放熱効率の向上された回転電機を備える車両を提供することができる。
(構成2)前記二つの開口のうち他方は前記回転軸よりも前方且つ下方に設けられる、ことを特徴とする構成1に記載の車両。
この構成によれば、他方の開口により走行風を内壁と外壁との間に取り入れ易く、且つ内壁と外壁との間において回転電機の下方から上方への冷却媒体の流れを作ることができる。
(構成3)前記外壁はさらに第三の開口を有し、前記第三の開口は前記他方の開口よりも後方且つ下方に設けられる、ことを特徴とする構成2に記載の車両。
この構成によれば、他方の開口から流入した冷却媒体に砂や水などの異物が含まれていた場合に、第三の開口から異物を落下させることができる。よって、異物が、外壁と内壁との間に詰まったり、残存した異物が外壁と内壁に接触して異音が発生したりすることを抑制できる。
(構成4)前記内壁と前記外壁との間には熱伝導部材が配置され、前記熱伝導部材は、前記他方の開口と前記第三の開口との間には配置されない、ことを特徴とする構成3に記載の車両。
この構成によれば、熱伝導部材によって、他方の開口から第三の開口に移動する異物の移動の障害となることを回避できる。
(構成5)前記回転電機には給電線と通信線が接続部を介して接続されており、前記他方の開口は前記接続部よりも下方に設けられる、ことを特徴とする構成2から4のいずれかに記載の車両。
この構成によれば、外壁と内壁の間に水が入り込んだ場合に、接続部に水がかかることを抑制できる。
(構成6)前記ステータには前記ステータの温度を検出する温度検出装置が取り付けられ、前記他方の開口は前記温度検出装置よりも下方に設けられる、ことを特徴とする構成2から5のいずれかに記載の車両。
この構成によれば、外壁と内壁の間に水が入り込んだ場合に、温度検出装置に水がかかることを抑制できる。
(構成7)前記外壁には、前記他方の開口に風の流入を促進する羽根が設けられている、ことを特徴とする構成2から6のいずれかに記載の車両。
この構成によれば、他方の開口から走行風を流入させ易くなり、冷却性を向上させることができる。
(構成8)前記外壁には、前記第三の開口に風の流入を促進する第2の羽根が設けられている、ことを特徴とする構成3に記載の車両。
この構成によれば、異物が排出される第三の開口からも、走行風を流入させ易くできる。
(構成9)前記外壁には、前記一方の開口を、上方から覆う上方延出部が設けられている、ことを特徴とする構成1から8のいずれかに記載の車両。
この構成によれば、一方の開口から雨水や泥等が侵入することを防ぐことができる。
(構成10)前記熱伝導部材は、前記開口から所定距離離間している、ことを特徴とする構成4に記載の車両。
この構成によれば、走行風が熱伝導部材の抵抗で開口から進入し難くなることを抑制できる。
10 鞍乗り型車両(車両)
12a 車軸
13 電動モータ(回転電機)
72 外周壁(外壁)
72A 前開口(開口、他方の開口)
72B 上開口(開口、一方の開口)
72C 下開口(開口、第三の開口)
72D 導入壁部(羽根)
72E 上方延出部
72F 下方延出部(第2の羽根)
80 内周壁(内壁)
81 熱伝導管(熱伝導部材)
90 ステータ
91 ロータ
92 モータ軸(回転軸)
111 第1の温度センサ(温度検出装置)
112 第2の温度センサ(温度検出装置)
113 第3の温度センサ(温度検出装置)
A 空気(冷却媒体)
102 給電線
104 第2の通信線(通信線)
105 接続部(コネクタ)

Claims (8)

  1. 車軸(12a)と略平行に配置された回転軸(92)を中心に回転するロータ(91)と、ステータ(90)と、からなる回転電機(13)と、前記回転電機(13)の外周を囲む内壁(80)と、前記内壁(80)と所定間隔を開けて配置される外壁(72)と、を有する車両であって、
    前記外壁(72)には、二つの開口(72A、72B)と、第三の開口(72C)と、が設けられ、
    前記二つの開口(72A、72B)のうち、一方は前記回転軸(92)よりも上方に設けられ、
    前記二つの開口(72A、72B)のうち、他方は前記回転軸(92)よりも前方且つ下方に設けられ、
    前記第三の開口(72C)は、前記他方の開口(72A)よりも後方且つ下方に設けられており、
    前記一方の開口(72B)を上方から覆うように前記一方の開口(72B)の前縁(72B1)から後ろ上がりに延びる上方延出部(72E)と、
    前記第三の開口(72C)を下方から覆うように前記第三の開口(72C)の後縁(72C1)から前下がりに延びる下方延出部(72F)と、を備える、
    ことを特徴とする車両。
  2. 前記内壁(80)と前記外壁(72)との間には熱伝導部材(81)が配置され、
    前記熱伝導部材(81)は、前記他方の開口(72A)と前記第三の開口(72C)との間には配置されない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
  3. 前記熱伝導部材(81)は、ハニカム構造を有し、前記内壁(80)と前記外壁(72)との間に装着される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両。
  4. 前記回転電機(13)には給電線(102)と通信線(104)が接続部(105)を介して接続されており、前記他方の開口(72A)は前記接続部(105)よりも下方に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両。
  5. 前記ステータ(90)には前記ステータ(90)の温度を検出する温度検出装置(111、112、113)が取り付けられ、
    前記他方の開口(72A)は前記温度検出装置(111、112、113)よりも下方に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記外壁(72)には、前記他方の開口(72A)に風の流入を促進する羽根(72D)が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両。
  7. 前記外壁(72)には、前記第三の開口(72C)に風の流入を促進する前記下方延出部(72F)が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両。
  8. 前記熱伝導部材(81)は、前記開口(72A、72C)から所定距離離間している、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の車両。
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