JP7761128B2 - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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Description

本技術は、二次電池に関する。
携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度が得られる電源として二次電池の開発が進められている。この二次電池は、正極および負極と共に電解液を備えており、その二次電池の構成に関しては、様々な検討がなされている。
具体的には、電解液がRF 1-S(=O)2 -NH-S(=O)2 -NH-S(=O)2 -RF 2で表されるイミド化合物を含んでいる(例えば、特許文献1参照。)。また、電解液の電解質塩がF-S(=O)2 -N- -C(=O)-N- -S(=O)2 -FまたはF-S(=O)2 -N- -S(=O)2 -C6 4 -S(=O)2 -N- -S(=O)2 -Fで表されるイミドアニオンを含んでいる(例えば、非特許文献1,2参照。)。
中国特許第102786443号明細書
二次電池の構成に関する様々な検討がなされているが、その二次電池の電池特性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
優れた電池特性を得ることが可能である二次電池が望まれている。
本技術の一実施形態の二次電池は、正極と、負極と、電解質塩を含む電解液と、その正極に電気的に接続された複数の正極端子と、その負極に電気的に接続された複数の負極端子とを備えたものである。電解質塩は、イミドアニオンを含み、そのイミドアニオンは、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)のそれぞれで表されるアニオンのうちの少なくとも1種を含む。
(R1およびR2のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。W1、W2およびW3のそれぞれは、カルボニル基(>C=O)、スルフィニル基(>S=O)およびスルホニル基(>S(=O)2 )のうちのいずれかである。)
(R3およびR4のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。X1、X2、X3およびX4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
(R5は、フッ素化アルキレン基である。Y1、Y2およびY3のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
(R6およびR7のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。R8は、アルキレン基、フェニレン基、フッ素化アルキレン基およびフッ素化フェニレン基のうちのいずれかである。Z1、Z2、Z3およびZ4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
本技術の一実施形態の二次電池によれば、正極に複数の正極端子が電気的に接続されており、負極に複数の負極端子が電気的に接続されており、電解液の電解質塩がイミドアニオンとして式(1)、式(2)、式(3)および式(4)のそれぞれに示したアニオンのうちの少なくとも1種を含んでいるので、優れた電池特性を得ることができる。
なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
本技術の一実施形態における二次電池の構成を表す斜視図である。 図1に示した電池素子の構成を表す断面図である。 図2に示した正極の構成を表す平面図である。 図2に示した負極の構成を表す平面図である。 二次電池の製造方法を説明するための斜視図である。 比較例の二次電池の構成を表す斜視図である。 二次電池の適用例の構成を表すブロック図である。
以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.二次電池
1-1.構成
1-2.動作
1-3.製造方法
1-4.作用および効果
2.変形例
3.二次電池の用途
<1.二次電池>
まず、本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。
ここで説明する二次電池は、電極反応物質の吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池であり、正極および負極と共に電解液を備えている。
この二次電池では、負極の充電容量が正極の放電容量よりも大きくなっている。すなわち、負極の単位面積当たりの電気化学容量は、正極の単位面積当たりの電気化学容量よりも大きくなるように設定されている。充電途中において負極の表面に電極反応物質が析出することを防止するためである。
電極反応物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、電極反応物質は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などの軽金属である。アルカリ金属の具体例は、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどであると共に、アルカリ土類金属の具体例は、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどである。ただし、電極反応物質の種類は、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
以下では、電極反応物質がリチウムである場合を例に挙げる。リチウムの吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池である。このリチウムイオン二次電池では、リチウムがイオン状態で吸蔵放出される。
<1-1.構成>
図1は、二次電池の斜視構成を表していると共に、図2は、図1に示した電池素子20の断面構成を表している。図3は、図2に示した正極21の平面構成を表していると共に、図4は、図2に示した負極22の平面構成を表している。ただし、図1では、外装フィルム10と電池素子20とが互いに分離された状態を示していると共に、図2では、電池素子20の一部だけを示している。
この二次電池は、図1および図2に示したように、外装フィルム10と、電池素子20と、複数の正極端子31と、複数の負極端子32と、正極リード41と、負極リード42と、封止フィルム51,52とを備えている。
ここで説明する二次電池は、上記したように、複数の正極端子31および複数の負極端子32を備えているため、いわゆる多集電構造を有している。また、二次電池は、上記したように、可撓性または柔軟性を有する外装フィルム10を外装部材として用いているため、いわゆるラミネートフィルム型の二次電池である。
[外装フィルム]
外装フィルム10は、図1に示したように、電池素子20を収納する外装部材であり、その電池素子20が内部に収納された状態において封止された袋状の構造を有している。これにより、外装フィルム10は、後述する正極21および負極22と共に電解液を収納している。
ここでは、外装フィルム10は、1枚のフィルム状の部材であり、折り畳み方向Fに折り畳まれている。この外装フィルム10には、電池素子20を収容するための窪み部10U(いわゆる深絞り部)が設けられている。
具体的には、外装フィルム10は、融着層、金属層および表面保護層が内側からこの順に積層された3層のラミネートフィルムであり、その外装フィルム10が折り畳まれた状態において、互いに対向する融着層のうちの外周縁部同士が互いに融着されている。融着層は、ポリプロピレンなどの高分子化合物を含んでいる。金属層は、アルミニウムなどの金属材料を含んでいる。表面保護層は、ナイロンなどの高分子化合物を含んでいる。
ただし、外装フィルム10の構成(層数)は、特に、限定されないため、1層または2層でもよいし、4層以上でもよい。
[電池素子]
電池素子20は、図1~図4に示したように、正極21と、負極22と、セパレータ23と、電解液(図示せず)とを含む発電素子であり、外装フィルム10の内部に収納されている。
ここでは、電池素子20は、いわゆる積層電極体である。すなわち、電池素子20では、正極21および負極22がセパレータ23を介して互いに積層されている。より具体的には、電池素子20は、複数の正極21と、複数の負極22と、複数のセパレータ23とを含んでいるため、その正極21および負極22は、セパレータ23を介して交互に積層されている。正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれの数は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
(正極)
正極21は、図2および図3に示したように、正極集電体21Aおよび正極活物質層21Bを含んでいる。図3では、正極活物質層21Bに網掛けを施している。
正極集電体21Aは、正極活物質層21Bが設けられる一対の面を有している。この正極集電体21Aは、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その金属材料の具体例は、アルミニウムなどである。
正極活物質層21Bは、リチウムを吸蔵放出可能である正極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、正極活物質層21Bは、さらに、正極結着剤および正極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
ここでは、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの両面に設けられている。ただし、正極活物質層21Bは、正極21が負極22に対向する側において正極集電体21Aの片面だけに設けられていてもよい。正極活物質層21Bの形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
正極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウム含有化合物などである。このリチウム含有化合物は、リチウムと共に1種類または2種類以上の遷移金属元素を構成元素として含む化合物であり、さらに、1種類または2種類以上の他元素を構成元素として含んでいてもよい。他元素の種類は、リチウムおよび遷移金属元素のそれぞれ以外の元素であれば、特に限定されないが、具体的には、長周期型周期表中の2族~15族に属する元素である。リチウム含有化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウム含有化合物は、酸化物、リン酸化合物、ケイ酸化合物およびホウ酸化合物などである。
酸化物の具体例は、LiNiO2 、LiCoO2 、LiCo0.98Al0.01Mg0.012 、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 、LiNi0.8 Co0.15Al0.052 、LiNi0.33Co0.33Mn0.332 、Li1.2 Mn0.52Co0.175 Ni0.1 2 、Li1.15(Mn0.65Ni0.22Co0.13)O2 およびLiMn2 4 などである。リン酸化合物の具体例は、LiFePO4 、LiMnPO4 、LiFe0.5 Mn0.5 PO4 およびLiFe0.3 Mn0.7 PO4 などである。
正極結着剤は、合成ゴムおよび高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムの具体例は、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子化合物の具体例は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドおよびカルボキシメチルセルロースなどである。
正極導電剤は、炭素材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その炭素材料の具体例は、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。ただし、導電性材料は、金属材料および高分子化合物などでもよい。
ここでは、図3に示したように、正極集電体21Aの一部が突出しているため、その正極集電体21Aは、正極活物質層21Bよりも外側に向かって突出した部分(以下、「正極集電体21Aの突出部分」と呼称する。)を含んでいる。この正極集電体21Aの突出部分には、正極活物質層21Bが設けられていないため、その正極集電体21Aの突出部分は、正極端子31として機能している。なお、正極端子31の詳細に関しては、後述する。
(負極)
負極22は、図2および図3に示したように、負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bを含んでいる。図3では、負極活物質層22Bに網掛けを施している。
負極集電体22Aは、負極活物質層22Bが設けられる一対の面を有している。この負極集電体22Aは、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その金属材料の具体例は、銅などである。
負極活物質層22Bは、リチウムを吸蔵放出可能である負極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、負極活物質層22Bは、さらに、負極結着剤および負極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
ここでは、負極活物質層22Bは、負極集電体22Aの両面に設けられている。ただし、負極活物質層22Bは、負極22が正極21に対向する側において負極集電体22Aの片面だけに設けられていてもよい。負極活物質層22Bの形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法、気相法、液相法、溶射法および焼成法(焼結法)などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
負極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、炭素材料および金属系材料のうちの一方または双方などである。高いエネルギー密度が得られるからである。炭素材料の具体例は、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素および黒鉛(天然黒鉛および人造黒鉛)などである。金属系材料は、リチウムと合金を形成可能である金属元素および半金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含む材料であり、その金属元素および半金属元素の具体例は、ケイ素およびスズのうちの一方または双方などである。この金属系材料は、単体でもよいし、合金でもよいし、化合物でもよいし、それらの2種類以上の混合物でもよいし、それらの2種類以上の相を含む材料でもよい。金属系材料の具体例は、TiSi2 およびSiOx (0<x≦2、または0.2<x<1.4)などである。
負極結着剤および負極導電剤のそれぞれに関する詳細は、正極結着剤および正極導電剤のそれぞれに関する詳細と同様である。
ここでは、図4に示したように、負極集電体22Aの一部が突出しているため、その負極集電体22Aは、負極活物質層22Bよりも外側に向かって突出した部分(以下、「負極集電体22Aの突出部分」と呼称する。)を含んでいる。
この負極集電体22Aの突出部分の突出方向は、正極集電体21Aの突出部分の突出方向と同様の方向である。また、負極集電体22Aの突出部分の位置は、正極21および負極22がセパレータ23を介して交互に積層された際に正極集電体21Aの突出部分と重ならない位置である。
この負極集電体22Aの突出部分には、負極活物質層22Bが設けられていないため、その負極集電体22Aの突出部分は、負極端子32として機能している。なお、負極端子32の詳細に関しては、後述する。
(セパレータ)
セパレータ23は、図2に示したように、正極21と負極22との間に介在している絶縁性の多孔質膜であり、その正極21と負極22との接触(短絡)を防止しながらリチウムイオンを通過させる。このセパレータ23は、ポリエチレンなどの高分子化合物を含んでいる。
(電解液)
電解液は、液状の電解質である。この電解液は、正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれに含浸されており、電解質塩を含んでいる。より具体的には、電解液は、電解質塩と共に、その電解質塩を分散または溶解させる溶媒を含んでいる。
[電解質塩]
電解質塩は、溶媒中において電離する化合物であり、アニオンおよびカチオンを含んでいる。ただし、電解質塩の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
(アニオン)
アニオンは、イミドアニオンを含んでおり、そのイミドアニオンは、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)のそれぞれで表されるアニオンのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。すなわち、電解質塩は、アニオンとしてイミドアニオンを含んでいる。
以下では、式(1)で表されるアニオンを「第1イミドアニオン」、式(2)で表されるアニオンを「第2イミドアニオン」、式(3)で表されるアニオンを「第3イミドアニオン」、式(4)で表されるアニオンを「第4イミドアニオン」とそれぞれ呼称する。
ただし、第1イミドアニオンの種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。このように種類が1種類でも2種類以上でもよいことは、第2イミドアニオン、第3イミドアニオンおよび第4イミドアニオンのそれぞれに関しても同様である。
(R1およびR2のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。W1、W2およびW3のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
(R3およびR4のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。X1、X2、X3およびX4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
(R5は、フッ素化アルキレン基である。Y1、Y2およびY3のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
(R6およびR7のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。R8は、アルキレン基、フェニレン基、フッ素化アルキレン基およびフッ素化フェニレン基のうちのいずれかである。Z1、Z2、Z3およびZ4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
アニオンがイミドアニオンを含んでいる理由は、以下で説明する通りである。第1に、電解液を用いた二次電池の充放電時において、電解質塩に由来する良質な被膜が正極21および負極22のそれぞれの表面に形成されるからである。これにより、電解液(特に溶媒)と正極21および負極22のそれぞれとの反応が抑制されるため、その電解液の分解が抑制される。第2に、上記した被膜を利用して、正極21および負極22のそれぞれの表面近傍においてカチオンの移動速度が向上する。第3に、電解液の液中においても、カチオンの移動速度が向上する。
第1イミドアニオンは、式(1)に示したように、2個の窒素原子(N)および3個の官能基(W1~W3)を含む鎖状のアニオン(2価のマイナスイオン)である。
R1およびR2のそれぞれは、フッ素基(-F)およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかであれば、特に限定されない。すなわち、R1およびR2のそれぞれは、互いに同じ基でもよいし、互いに異なる基でもよい。これにより、R1およびR2のそれぞれは、水素基(-H)およびアルキル基などではない。
フッ素化アルキル基は、アルキル基のうちの1個または2個以上の水素基(-H)がフッ素基により置換された基である。ただし、フッ素化アルキル基は、直鎖状でもよいし、1本または2本以上の側鎖を有する分岐状でもよい。
フッ素化アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、具体的には、1~10である。第1イミドアニオンを含む電解質塩の溶解性および電離性が向上するからである。
フッ素化アルキル基の具体例は、パーフルオロメチル基(-CF3 )およびパーフルオロエチル基(-C2 5 )などである。
W1~W3のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかであれば、特に限定されない。すなわち、W1~W3のそれぞれは、互いに同じ基でもよいし、互いに異なる基でもよい。もちろん、W1~W3のうちの任意の2つだけが互いに同じ基でもよい。
第2イミドアニオンは、式(2)に示したように、3個の窒素原子および4個の官能基(X1~X4)を含む鎖状のアニオン(3価のマイナスイオン)である。
R3およびR4のそれぞれに関する詳細は、R1およびR2のそれぞれに関する詳細と同様である。
X1~X4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかであれば、特に限定されない。すなわち、X1~X4のそれぞれは、互いに同じ基でもよいし、互いに異なる基でもよい。もちろん、X1~X4のうちの任意の2つだけが互いに同じ基でもよいし、X1~X4のうちの任意の3つだけが互いに同じ基でもよい。
第3イミドアニオンは、式(3)に示したように、2個の窒素原子、3個の官能基(Y1~Y3)および1個の接続基(R5)を含む環状のアニオン(2価のマイナスイオン)である。
R5であるフッ素化アルキレン基は、アルキレン基のうちの1個または2個以上の水素基がフッ素基により置換された基である。ただし、フッ素化アルキレン基は、直鎖状でもよいし、1本または2本以上の側鎖を有する分岐状でもよい。
フッ素化アルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、具体的には、1~10である。第3イミドアニオンを含む電解質塩の溶解性および電離性が向上するからである。
フッ素化アルキレン基の具体例は、パーフルオロメチレン基(-CF2 -)およびパーフルオロエチレン基(-C2 4 -)などである。
Y1~Y3のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかであれば、特に限定されない。すなわち、Y1~Y3のそれぞれは、互いに同じ基でもよいし、互いに異なる基でもよい。もちろん、Y1~Y3のうちの任意の2つだけが互いに同じ基でもよい。
第4イミドアニオンは、式(4)に示したように、2個の窒素原子(N)、4個の官能基(Z1~Z4)および1個の接続基(R8)を含む鎖状のアニオン(2価のマイナスイオン)である。
R6およびR7のそれぞれに関する詳細は、R1およびR2のそれぞれに関する詳細と同様である。
R8は、アルキレン基、フェニレン基、フッ素化アルキレン基およびフッ素化フェニレン基のうちのいずれかであれば、特に限定されない。
アルキレン基は、直鎖状でもよいし、1本または2本以上の側鎖を有する分岐状でもよい。アルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、具体的には、1~10である。第4イミドアニオンを含む電解質塩の溶解性および電離性が向上するからである。アルキレン基の具体例は、メチレン基(-CH2 -)、エチレン基(-C2 4 -)およびプロピレン基(-C3 6 -)などである。
R8であるフッ素化アルキレン基に関する詳細は、R5であるフッ素化アルキレン基に関する詳細と同様である。
フッ素化フェニレン基は、フェニレン基のうちの1個または2個以上の水素基がフッ素基により置換された基である。フッ素化フェニレン基の具体例は、モノフルオロフェニレン基(-C6 3 F-)などである。
Z1~Z4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかであれば、特に限定されない。すなわち、Z1~Z4のそれぞれは、互いに同じ基でもよいし、互いに異なる基でもよい。もちろん、Z1~Z4のうちの任意の2つだけが互いに同じ基でもよいし、Z1~Z4のうちの任意の3つだけが互いに同じ基でもよい。
第1イミドアニオンの具体例は、式(1-1)~式(1-30)のそれぞれで表されるアニオンなどである。
第2イミドアニオンの具体例は、式(2-1)~式(2-22)のそれぞれで表されるアニオンなどである。
第3イミドアニオンの具体例は、式(3-1)~式(3-15)のそれぞれで表されるアニオンなどである。
第4イミドアニオンの具体例は、式(4-1)~式(4-65)のそれぞれで表されるアニオンなどである。
(カチオン)
カチオンの種類は、特に限定されない。具体的には、カチオンは、軽金属イオンのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。すなわち、電解質塩は、カチオンとして軽金属イオンを含んでいる。高い電圧が得られるからである。
軽金属イオンの種類は、特に限定されないが、具体的には、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンなどである。アルカリ金属イオンの具体例は、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンなどである。アルカリ土類金属イオンの具体例は、ベリリウムイオン、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンなどである。この他、軽金属イオンは、アルミニウムイオンなどでもよい。
中でも、軽金属イオンは、リチウムイオンを含んでいることが好ましい。十分に高い電圧が得られるからである。
(含有量)
電解液における電解質塩の含有量は、特に限定されないため、任意に設定可能である。中でも、電解質塩の含有量は、0.2mol/kg~2mol/kgであることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。ここで説明した「電解質塩の含有量」とは、溶媒に対する電解質塩の含有量である。
電解質塩の含有量を特定する場合には、二次電池を解体することにより、電解液を回収したのち、高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma(ICP))発光分光分析法を用いて電解液を分析する。これにより、溶媒の重量および電解質塩の重量のそれぞれが特定されるため、その電解質塩の含有量が算出される。
ここで説明した含有量の特定手順は、後述する電解質塩以外の電解液の成分の含有量を特定する場合に関しても同様である。「電解質塩以外の電解液の成分」とは、他の電解質塩および添加剤などである。
[溶媒]
溶媒は、非水溶媒(有機溶剤)のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その非水溶媒を含んでいる電解液は、いわゆる非水電解液である。非水溶媒は、エステル類およびエーテル類などであり、より具体的には、炭酸エステル系化合物、カルボン酸エステル系化合物およびラクトン系化合物などである。
炭酸エステル系化合物は、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルなどである。環状炭酸エステルの具体例は、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンなどである。鎖状炭酸エステルの具体例は、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルなどである。
カルボン酸エステル系化合物は、鎖状カルボン酸エステルなどである。鎖状カルボン酸エステルの具体例は、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、トリメチル酢酸エチル、酪酸メチルおよび酪酸エチルなどである。
ラクトン系化合物は、ラクトンなどである。ラクトンの具体例は、γ-ブチロラクトンおよびγ-バレロラクトンなどである。
なお、エーテル類は、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソランおよび1,4-ジオキサンなどでもよい。
[他の電解質塩]
なお、電解液は、さらに、他の電解質塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。正極21および負極22のそれぞれの表面近傍においてカチオンの移動速度がより向上すると共に、電解液の液中においてもカチオンの移動速度がより向上するからである。電解液における他の電解質塩の含有量は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
他の電解質塩の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウム塩などの軽金属塩である。ただし、上記した電解質塩は、ここで説明するリチウム塩から除かれる。
リチウム塩の具体例は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO2 2 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3 SO2 3 )、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiB(C2 4 2 )、ジフルオロオキサラトホウ酸リチウム(LiBF2 (C2 4 ))、ジフルオロジ(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiPF2 (C2 4 2 )、テトラフルオロオキサラトリン酸リチウム(LiPF4 (C2 4 ))、モノフルオロリン酸リチウム(Li2 PFO3 )およびジフルオロリン酸リチウム(LiPF2 2 )などである。
中でも、他の電解質塩は、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムおよびジフルオロリン酸リチウムのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。正極21および負極22のそれぞれの表面近傍においてリチウムイオンの移動速度が十分に向上すると共に、電解液の液中においてもリチウムイオンの移動速度が十分に向上するからである。
[添加剤]
また、電解液は、さらに、添加剤のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。電解液を用いた二次電池の充放電時において、添加剤に由来する被膜が正極21および負極22のそれぞれの表面に形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。なお、電解液における添加剤の含有量は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
添加剤の種類は、特に限定されないが、具体的には、不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステル、スルホン酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、硫酸エステル、ニトリル化合物およびイソシアネート化合物などである。
不飽和環状炭酸エステルは、不飽和炭素結合(炭素間二重結合)を含む環状炭酸エステルである。不飽和炭素結合の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。不飽和環状炭酸エステルの具体例は、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレンおよび炭酸メチレンエチレンなどである。
フッ素化環状炭酸エステルは、フッ素を構成元素として含む環状炭酸エステルである。すなわち、フッ素化環状炭酸エステルは、環状炭酸エステルのうちの1個または2個以上の水素基がフッ素基により置換された化合物である。フッ素化環状炭酸エステルの具体例は、モノフルオロ炭酸エチレンおよびジフルオロ炭酸エチレンなどである。
スルホン酸エステルは、環状モノスルホン酸エステル、環状ジスルホン酸エステル、鎖状モノスルホン酸エステルおよび鎖状ジスルホン酸エステルなどである。環状モノスルホン酸エステルの具体例は、1,3-プロパンスルトン、1-プロペン-1,3-スルトン、1,4-ブタンスルトン、2,4-ブタンスルトンおよびメタンスルホン酸プロパルギルエステルなどである。環状ジスルホン酸エステルの具体例は、シクロジソンなどである。
ジカルボン酸無水物の具体例は、無水コハク酸、無水グルタル酸および無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物の具体例は、無水エタンジスルホン酸および無水プロパンジスルホン酸などである。硫酸エステルの具体例は、エチレンスルファート(1,3,2-ジオキサチオラン 2,2-ジオキシド)などである。
ニトリル化合物は、1個または2個以上のシアノ基(-CN)を含む化合物である。ニトリル化合物の具体例は、オクタンニトリル、ベンゾニトリル、フタロニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリル、1,3,6-ヘキサントリカルボニトリル、3,3’-オキシジプロピオニトリル、3-ブトキシプロピオニトリル、エチレングリコールビスプロピオニトリルエーテル、1,2,2,3-テトラシアノプロパン、テトラシアノプロパン、フマロニトリル、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン、シクロペンタンカルボニトリル、1,3,5-シクロヘキサントリカルボニトリルおよび1,3-ビス(ジシアノメチリデン)インダンなどである。
イソシアネート化合物は、1個または2個以上のイソシアネート基(-NCO)を含む化合物である。イソシアネート化合物の具体例は、ヘキサメチレンジイソシアネートなどである。
[複数の正極端子および複数の負極端子]
正極端子31は、図3に示したように、正極21に電気的に接続されており、より具体的には、正極集電体21Aに電気的に接続されている。また、電池素子20では、上記したように、正極21および負極22がセパレータ23を介して交互に積層されているため、その電池素子20は、複数の正極21を含んでいる。これにより、二次電池は、複数の正極端子31を備えている。正極端子31の数は、2本以上であれば特に限定されないため、任意に設定可能である。
正極端子31は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の種類は、特に限定されない。具体的には、正極端子31は、正極集電体21Aの形成材料と同様の材料を含んでいる。
ここでは、上記したように、正極集電体21Aの突出部分が正極端子31として機能しているため、その正極端子31は、正極集電体21Aと物理的に一体化されている。正極集電体21Aと正極端子31との接続抵抗が低下するため、二次電池全体の電気抵抗が低下するからである。
複数の正極端子31は、後述するように、溶接法などの接合法を用いて互いに接合されているため、図1に示したように、1本のリード状の接合部31Zを形成している。
負極端子32は、図3に示したように、負極22に電気的に接続されており、より具体的には、負極集電体22Aに電気的に接続されている。また、電池素子20では、上記したように、正極21および負極22がセパレータ23を介して交互に積層されているため、その電池素子20は、複数の負極22を含んでいる。これにより、二次電池は、複数の負極端子32を備えている。負極端子32の数は、2本以上であれば特に限定されないため、任意に設定可能である。
負極端子32は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の種類は、特に限定されない。具体的には、負極端子32は、負極集電体22Aの形成材料と同様の材料を含んでいる。
ここでは、上記したように、負極集電体22Aの突出部分が負極端子32として機能しているため、その負極端子32は、負極集電体22Aと物理的に一体化されている。負極集電体22Aと負極端子32との接続抵抗が低下するため、二次電池全体の電気抵抗が低下するからである。
複数の負極端子32は、後述するように、溶接法などの接合法を用いて互いに接合されているため、図1に示したように、1本のリード状の接合部32Zを形成している。
二次電池が多集電構造を有しているため、その二次電池が複数の正極端子31および複数の負極端子32を備えているのは、その二次電池が単一の正極端子および単一の負極端子を備えている場合と比較して、二次電池全体の電気抵抗が低下するからである。この多集電構造を有する二次電池では、電流が集中せずに分散されやすくなるため、充放電時において温度が上昇しにくくなる点においても利点が得られる。
[正極リードおよび負極リード]
正極リード41は、図1に示したように、接合部31Zに接続されており、外装フィルム10の内部から外部に導出されている。この正極リード41は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の種類は、特に限定されない。具体的には、正極リード41は、正極集電体21Aの形成材料と同様の材料を含んでいる。正極リード41の形状は、特に限定されないが、具体的には、薄板状および網目状などのうちのいずれかである。
負極リード42は、図1に示したように、接合部32Zに接続されており、外装フィルム10の内部から外部に導出されている。この負極リード42は、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の種類は、特に限定されない。具体的には、負極リード42は、負極集電体22Aの形成材料と同様の材料を含んでいる。なお、負極リード42の導出方向は、正極リード41の導出方向と同様の方向である。また、負極リード42の形状に関する詳細は、正極リード41の形状に関する詳細と同様である。
[封止フィルム]
封止フィルム51は、外装フィルム10と正極リード41との間に挿入されていると共に、封止フィルム52は、外装フィルム10と負極リード42との間に挿入されている。ただし、封止フィルム51,52のうちの一方または双方は、省略されてもよい。
この封止フィルム51は、外装フィルム10の内部に外気などが侵入することを防止する封止部材である。なお、封止フィルム51は、正極リード41に対して密着性を有するポリオレフィンなどの高分子化合物を含んでおり、そのポリオレフィンの具体例は、ポリプロピレンなどである。
封止フィルム52の構成は、負極リード42に対して密着性を有する封止部材であることを除いて、封止フィルム51の構成と同様である。すなわち、封止フィルム52は、負極リード42に対して密着性を有するポリオレフィンなどの高分子化合物を含んでいる。
<1-2.動作>
二次電池の充電時には、電池素子20において、正極21からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、二次電池の放電時には、電池素子20において、負極22からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して正極21に吸蔵される。これらの充電時および放電時には、リチウムがイオン状態で吸蔵および放出される。
<1-3.製造方法>
図5は、二次電池の製造方法を説明するために、図1に対応する斜視構成を示してる。ただし、図5では、電池素子20の代わりに、その電池素子20を作製するために用いられる積層体20Zを示している。なお、積層体20Zの詳細に関しては、後述する。
二次電池を製造する場合には、以下で説明する一例の手順により、正極21および負極22のそれぞれを作製すると共に、電解液を調製したのち、その正極21、負極22および電解液を用いて二次電池を組み立てると共に、その二次電池の安定化処理を行う。
[正極の作製]
最初に、正極活物質、正極結着剤および正極導電剤が互いに混合された混合物(正極合剤)を溶媒に投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製する。この溶媒は、水性溶媒でもよいし、有機溶剤でもよい。続いて、正極端子31が一体化されている正極集電体21Aの両面(正極端子31を除く。)に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層21Bを形成する。最後に、ロールプレス機などを用いて正極活物質層21Bを圧縮成形する。この場合には、正極活物質層21Bを加熱してもよいし、圧縮成形を複数回繰り返してもよい。これにより、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが形成されるため、正極21が作製される。
[負極の作製]
上記した正極21の作製手順と同様の手順により、負極22を形成する。具体的には、最初に、負極活物質、負極結着剤および負極導電剤が互いに混合された混合物(負極合剤)を溶媒に投入することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製する。溶媒に関する詳細は、上記した通りである。続いて、負極端子32が一体化されている負極集電体22Aの両面(負極端子32を除く。)に負極合剤スラリーを塗布することにより、負極活物質層22Bを形成する。最後に、負極活物質層22Bを圧縮成形する。これにより、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが形成されるため、負極22が作製される。
[電解液の調製]
イミドアニオンを含む電解質塩を溶媒に投入する。この場合には、溶媒にさらに他の電解質塩を添加してもよいし、溶媒にさらに添加剤を添加してもよい。これにより、溶媒中において電解質塩などが分散または溶解されるため、電解液が調製される。
[二次電池の組み立て]
最初に、セパレータ23を介して正極21および負極22を交互に積層させることにより、図5に示したように、積層体20Zを作製する。この積層体20Zは、正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれに電解液が含浸されていないことを除いて、電池素子20の構成と同様の構成を有している。
続いて、溶接法などの接合法を用いて、複数の正極端子31を互いに接合させることにより、接合部31Zを形成したのち、溶接法などの接合法を用いて、接合部31Zに正極リード41を接続させる。また、溶接法などの接合法を用いて、複数の負極端子32を互いに接合させることにより、接合部32Zを形成したのち、溶接法などの接合法を用いて、接合部32Zに負極リード42を接続させる。
続いて、窪み部10Uの内部に積層体20Zを収容したのち、外装フィルム10(融着層/金属層/表面保護層)を折り畳むことにより、その外装フィルム10同士を互いに対向させる。続いて、熱融着法などの接着法を用いて、互いに対向する融着層のうちの2辺の外周縁部同士を互いに接着させることにより、袋状の外装フィルム10の内部に積層体20Zを収納する。
最後に、袋状の外装フィルム10の内部に電解液を注入したのち、熱融着法などの接着法を用いて互いに対向する融着層のうちの残りの1辺の外周縁部同士を互いに接着させる。この場合には、外装フィルム10と正極リード41との間に封止フィルム51を挿入すると共に、外装フィルム10と負極リード42との間に封止フィルム52を挿入する。
これにより、積層体20Zに電解液が含浸されるため、積層電極体である電池素子20が作製される。よって、袋状の外装フィルム10の内部に電池素子20が封入されるため、二次電池が組み立てられる。
[二次電池の安定化]
組み立て後の二次電池を充放電させる。環境温度、充放電回数(サイクル数)および充放電条件などの各種条件は、任意に設定可能である。これにより、正極21および負極22のそれぞれの表面に被膜が形成されるため、二次電池の状態が電気化学的に安定化する。よって、二次電池が完成する。
<1-4.作用および効果>
この二次電池によれば、正極21に複数の正極端子31が電気的に接続されており、負極22に複数の負極端子32が電気的に接続されており、電解液の電解質塩がイミドアニオンとして式(1)~式(4)のそれぞれに示したアニオンのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。よって、以下で説明する理由により、優れた電池特性を得ることができる。
図6は、比較例の二次電池の斜視構成を表しており、図1に対応している。この比較例の二次電池は、以下で説明することを除いて、本実施形態の二次電池の構成(図1~図4)と同様の構成を有している。
比較例の二次電池は、図6に示したように、本実施形態の二次電池とは異なり、いわゆる単集電構造を有しているため、多集電構造を有していない。
詳細には、比較例の二次電池は、積層電極体である電池素子20の代わりに、巻回電極体である電池素子60を備えており、その電池素子60は、電池素子20と同様に、正極21、負極22およびセパレータ23を含んでいる。また、正極集電体21Aの一部(突出部分)は、正極端子31として機能していると共に、負極集電体22Aの一部(突出部分)は、負極端子32として機能している。
ただし、正極21は、正極端子31の突出方向(Y軸方向)と交差する方向(X軸方向)に延在する帯状の構造を有していると共に、負極22は、負極端子32の突出方向(Y軸方向)と交差する方向(X軸方向)に延在する帯状の構造を有している。これにより、電池素子60は、単一の正極21、単一の負極22および単一のセパレータ23を備えており、その正極21および負極22は、セパレータ23を介して互いに対向しながら巻回軸Pを中心として巻回されている。この巻回軸Pは、Y軸方向に延在する仮想軸である。
電池素子60の立体的形状は、特に限定されない。ここでは、電池素子60は、扁平状であるため、巻回軸Pと交差する電池素子60の断面(XZ面に沿った断面)は、長軸J1および短軸J2により規定される扁平形状を有している。この長軸J1は、X軸方向に延在すると共に短軸J2よりも大きい長さを有する仮想軸であると共に、短軸J2は、X軸方向と交差するZ軸方向に延在すると共に長軸J1よりも小さい長さを有する仮想軸である。ここでは、電池素子60の立体的形状は、扁平な円筒状であるため、その電池素子60の断面の形状は、扁平な略楕円である。
また、比較例の二次電池は、単一の正極端子31および単一の負極端子32を備えているため、接合部31Z,32Zを備えていない。これにより、正極21に単一の正極端子31が電気的に接続されていると共に、負極22に単一の負極端子32が電気的に接続されている。また、正極リード41は、単一の正極端子31に接続されていると共に、負極リード42は、単一の負極端子32に接続されている。
比較例の二次電池の製造方法は、以下で説明することを除いて、本実施形態の二次電池の製造方法と同様である。
二次電池を組み立てる場合には、正極集電体21Aに正極端子31が一体化されている単一の正極21を用いると共に、負極集電体22Aに負極端子32が一体化されている単一の負極22を用いる。これにより、正極端子31に正極リード41を接続させると共に、負極端子32に負極リード42を接続させたのち、セパレータ23を介して正極21および負極22を互いに対向させながら巻回させることにより、巻回体(図示せず)を作製する。この巻回体は、正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれに電解液が含浸されていないことを除いて、電池素子60の構成と同様の構成を有している。こののち、袋状の外装フィルム10の内部に巻回体を収納する。
電解液の電解質塩がイミドアニオンを含んでいる場合には、上記したように、充放電時において電解質塩に由来する良質な被膜が正極21および負極22のそれぞれの表面に形成されるため、電解液の分解が抑制される。また、正極21および負極22のそれぞれの表面近傍においてカチオンの移動速度が向上すると共に、電解液の液中においてもカチオンの移動速度が向上する。
しかしながら、比較例の二次電池は、単集電構造を有しているため、その二次電池全体の電気抵抗が増加する。
これに対して、本実施形態の二次電池は、多集電構造を有しているため、上記したように、その二次電池全体の電気抵抗が低下する。
よって、電解液を用いた二次電池において、優れた電池特性を得ることができる。
特に、電解質塩がカチオンとして軽金属イオンを含んでいれば、高い電圧が得られるため、より高い効果を得ることができる。この場合には、軽金属イオンがリチウムイオンを含んでいれば、より高い電圧が得られるため、さらに高い効果を得ることができる。
また、電解液における電解質塩の含有量が0.2mol/kg~2mol/kgであれば、高いイオン伝導性が得られるため、より高い効果を得ることができる。
また、電解液がさらに添加剤として不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステル、スルホン酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、硫酸エステル、ニトリル化合物およびイソシアネート化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいれば、その電解液の分解反応が抑制されるため、より高い効果を得ることができる。
また、電解液がさらに他の電解質塩として六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムおよびジフルオロリン酸リチウムのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいれば、リチウムイオンの移動速度がより向上するため、より高い効果を得ることができる。
また、二次電池がリチウムイオン二次電池であれば、リチウムの吸蔵放出を利用して十分な電池容量が安定に得られるため、より高い効果を得ることができる。
<2.変形例>
上記した二次電池の構成は、以下で説明するように、適宜、変更可能である。ただし、以下で説明する一連の変形例は、互いに組み合わされてもよい。
[変形例1]
図3では、正極集電体21Aの突出部分が正極端子31を兼ねているため、その正極端子31が正極集電体21Aと物理的に一体化されている。しかしながら、正極端子31は、正極集電体21Aから物理的に分離されているため、その正極集電体21Aとは別体化されていてもよい。この場合には、溶接法などの接合法を用いて、正極端子31が正極集電体21Aに接続されていてもよい。
この場合においても、正極端子31が正極21に電気的に接続されるため、同様の効果を得ることができる。ただし、上記したように、接続抵抗の低下に応じて二次電池全体の電気抵抗を低下させるためには、正極端子31は正極集電体21Aと物理的に一体化されていることが好ましい。
同様に、図4では、負極集電体22Aの突出部分が負極端子32を兼ねているため、その負極端子32が負極集電体22Aと物理的に一体化されている。しかしながら、負極端子32は、負極集電体22Aから物理的に分離されているため、その負極集電体22Aとは別体化されていてもよい。この場合には、溶接法などの接合法を用いて、負極端子32負極集電体22Aに接続されていてもよい。
この場合においても、負極端子32が負極22に電気的に接続されるため、同様の効果を得ることができる。ただし、上記したように、接続抵抗の低下に応じて二次電池全体の電気抵抗を低下させるためには、負極端子32は負極集電体22Aと物理的に一体化されていることが好ましい。
[変形例2]
図1では、積層電極体である電池素子20を用いている。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、巻回電極体である電池素子を用いてもよい。この場合には、正極21が帯状の構造を有しており、正極集電体21Aに複数の正極端子31が電気的に接続されていると共に、負極22が帯状の構造を有しており、負極集電体22Aに複数の負極端子32が電気的に接続されている。これにより、正極21および負極22は、セパレータ23を介して互いに対向しながら巻回されている。
この場合においても、多集電構造を有する二次電池が実現されるため、同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
上記したように、電解液は、イミドアニオンを含む電解質塩と共に、他の電解質塩を含んでいてもよい。
中でも、電解液は、他の電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを含んでいると共に、その電解液における電解質塩の含有量は、その電解液における六フッ化リン酸リチウムの含有量との関係において適正化されていることが好ましい。
具体的には、電解質塩は、カチオンおよびイミドアニオンを含んでいる。また、六フッ化リン酸イオンは、リチウムイオンおよび六フッ化リン酸イオンを含んでいる。
この場合において、電解液におけるカチオンの含有量C1と、その電解液におけるリチウムイオンの含有量C2との和T(mol/kg)は、0.7mol/kg~2.2mol/kgであることが好ましい。また、電解液におけるイミドアニオンのモル数M1に対する、その電解液における六フッ化リン酸イオンのモル数M2の割合R(mol%)は、13mol%~6000mol%であることが好ましい。正極21および負極22のそれぞれの表面近傍においてカチオンおよびリチウムイオンのそれぞれの移動速度が十分に向上すると共に、電解液の液中においてもカチオンおよびリチウムイオンのそれぞれの移動速度が十分に向上するからである。
ここで説明した「電解液におけるカチオンの含有量」は、溶媒に対するカチオンの含有量であると共に、「電解液におけるリチウムイオンの含有量」は、溶媒に対するリチウムイオンの含有量である。なお、和Tは、T=C1+C2という計算式に基づいて算出されると共に、割合Rは、R=(M2/M1)×100という計算式に基づいて算出される。
和Tおよび割合Rのそれぞれを算出する場合には、二次電池を解体することにより、電解液を回収したのち、ICP発光分光分析法を用いて電解液を分析する。これにより、含有量C1,C2およびモル数M1,M2のそれぞれが特定されるため、和Tおよび割合Rのそれぞれが算出される。
この場合においても、電解液が電解質塩を含んでいるため、同様の効果を得ることができる。この場合には、特に、電解質塩と他の電解質塩(六フッ化リン酸リチウム)とを併用した場合において、両者の総量(和T)が適正化されると共に、両者の混合比(割合R)も適正化される。これにより、正極21および負極22のそれぞれの表面近傍においてカチオンおよびリチウムイオンのそれぞれの移動速度がさらに向上すると共に、電解液の液中においてもカチオンおよびリチウムイオンのそれぞれの移動速度がさらに向上する。よって、より高い効果を得ることができる。
[変形例4]
多孔質膜であるセパレータ23を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、高分子化合物層を含む積層型のセパレータを用いてもよい。
具体的には、積層型のセパレータは、一対の面を有する多孔質膜と、その多孔質膜の片面または両面に設けられた高分子化合物層とを含んでいる。正極21および負極22のそれぞれに対するセパレータの密着性が向上するため、電池素子20の位置ずれ(巻きずれ)が抑制されるからである。これにより、電解液の分解反応などの副反応が発生しても、二次電池の膨れが抑制される。高分子化合物層は、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子化合物を含んでいる。優れた物理的強度および優れた電気化学的安定性が得られるからである。
なお、多孔質膜および高分子化合物層のうちの一方または双方は、複数の絶縁性粒子のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。二次電池の発熱時において複数の絶縁性粒子が放熱を促進させるため、その二次電池の安全性(耐熱性)が向上するからである。絶縁性粒子は、無機材料および樹脂材料のうちの一方または双方を含んでいる。無機材料の具体例は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ベーマイト、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウムおよび酸化ジルコニウムなどである。樹脂材料の具体例は、アクリル樹脂およびスチレン樹脂などである。
積層型のセパレータを作製する場合には、高分子化合物および溶媒などを含む前駆溶液を調製したのち、多孔質膜の片面または両面に前駆溶液を塗布する。この場合には、必要に応じて、前駆溶液に複数の絶縁性粒子を添加してもよい。
この積層型のセパレータを用いた場合においても、正極21と負極22との間においてリチウムイオンが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。この場合には、特に、上記したように、二次電池の安全性が向上するため、より高い効果を得ることができる。
[変形例5]
液状の電解質である電解液を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、ゲル状の電解質である電解質層を用いてもよい。
電解質層を用いた電池素子20では、セパレータ23および電解質層を介して正極21および負極22が互いに積層されていると共に、その正極21、負極22、セパレータ23および電解質層が巻回されている。この電解質層は、正極21とセパレータ23との間に介在していると共に、負極22とセパレータ23との間に介在している。
具体的には、電解質層は、電解液と共に高分子化合物を含んでおり、その電解液は、高分子化合物により保持されている。電解液の漏液が防止されるからである。電解液の構成は、上記した通りである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデンなどを含んでいる。電解質層を形成する場合には、電解液、高分子化合物および溶媒などを含む前駆溶液を調製したのち、正極21および負極22のそれぞれの片面または両面に前駆溶液を塗布する。
この電解質層を用いた場合においても、正極21と負極22との間において電解質層を介してリチウムイオンが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。この場合には、特に、上記したように、電解液の漏液が防止されるため、より高い効果を得ることができる。
<3.二次電池の用途>
二次電池の用途(適用例)は、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、電子機器および電動車両などの主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源、または主電源から切り替えられる電源である。
二次電池の用途の具体例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオおよび携帯用情報端末などの電子機器である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。電子機器などに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用または産業用のバッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。これらの用途では、1個の二次電池が用いられてもよいし、複数個の二次電池が用いられてもよい。
電池パックは、単電池を用いてもよいし、組電池を用いてもよい。電動車両は、駆動用電源として二次電池を用いて作動(走行)する車両であり、その二次電池以外の他の駆動源を併せて備えたハイブリッド自動車でもよい。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に蓄積された電力を利用して、家庭用の電気製品などを使用可能である。
ここで、二次電池の適用例の一例に関して具体的に説明する。以下で説明する適用例の構成は、あくまで一例であるため、適宜、変更可能である。
図7は、電池パックのブロック構成を表している。ここで説明する電池パックは、1個の二次電池を用いた電池パック(いわゆるソフトパック)であり、スマートフォンに代表される電子機器などに搭載される。
この電池パックは、図7に示したように、電源71と、回路基板72とを備えている。この回路基板72は、電源71に接続されていると共に、正極端子73、負極端子74および温度検出端子75を含んでいる。
電源71は、1個の二次電池を含んでいる。この二次電池では、正極リードが正極端子73に接続されていると共に、負極リードが負極端子74に接続されている。この電源71は、正極端子73および負極端子74を介して外部と接続可能であるため、充放電可能である。回路基板72は、制御部76と、スイッチ77と、PTC素子78と、温度検出部79とを含んでいる。ただし、PTC素子78は、省略されてもよい。
制御部76は、中央演算処理装置(CPU)およびメモリなどを含んでおり、電池パック全体の動作を制御する。この制御部76は、必要に応じて電源71の使用状態の検出および制御を行う。
なお、制御部76は、電源71(二次電池)の電圧が過充電検出電圧または過放電検出電圧に到達すると、スイッチ77を切断することにより、電源71の電流経路に充電電流が流れないようにする。過充電検出電圧は、特に限定されないが、具体的には、4.20V±0.05Vであると共に、過放電検出電圧は、特に限定されないが、具体的には、2.40V±0.1Vである。
スイッチ77は、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオードなどを含んでおり、制御部76の指示に応じて電源71と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ77は、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などを含んでおり、充放電電流は、スイッチ77のON抵抗に基づいて検出される。
温度検出部79は、サーミスタなどの温度検出素子を含んでおり、温度検出端子75を用いて電源71の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部76に出力する。温度検出部79により測定される温度の測定結果は、異常発熱時において制御部76が充放電制御を行う場合および残容量の算出時において制御部76が補正処理を行う場合などに用いられる。
本技術の実施例に関して説明する。
<実施例1~10および比較例1~3>
以下で説明するように、二次電池を作製したのち、その二次電池の電池特性を評価した。
[二次電池の作製]
以下の手順により、図1~図4に示したラミネートフィルム型の二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。
(正極の作製)
最初に、正極活物質(リチウム含有化合物(酸化物)であるLiNi0.82Co0.14Al0.042 )91質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(カーボンブラック)6質量部とを互いに混合させることにより、正極合剤とした。続いて、溶媒(有機溶剤であるN-メチル-2-ピロリドン)に正極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて、正極端子31(アルミニウム箔)が一体化されている正極集電体21A(厚さ=12μmである帯状のアルミニウム箔)の両面(正極端子31を除く。)に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層21Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層21Bを圧縮成形した。これにより、正極21が作製された。
(負極の作製)
最初に、負極活物質(炭素材料である人造黒鉛,X線回折法を用いて測定される(002)面の面間隔=0.3358nm)93質量部と、負極結着剤(スチレンブタジエンゴム)7質量部とを互いに混合させることにより、負極合剤とした。続いて、溶媒(水性溶媒である水)に負極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて、負極端子32(銅箔)が一体化されている負極集電体22A(厚さ=15μmである帯状の銅箔)の両面(負極端子32を除く。)に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層22Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層22Bを圧縮成形した。これにより、負極22が作製された。
(電解液の調製)
最初に、溶媒に電解質塩を投入したのち、その溶媒を撹拌した。
溶媒としては、環状炭酸エステルである炭酸エチレンと、ラクトンであるγ-ブチロラクトンとを用いた。この場合には、溶媒の混合比(重量比)を炭酸エチレン:γ-ブチロラクトン=30:70とした。
電解質塩のカチオンとしては、リチウムイオン(Li+ )を用いた。電解質塩のアニオンとしては、式(1-5)、式(1-6)、式(1-21)および式(1-22)のそれぞれに示した第1イミドアニオンと、式(2-5)に示した第2イミドアニオンと、式(3-5)に示した第3イミドアニオンと、式(4-37)に示した第4イミドアニオンとを用いた。電解質塩の含有量(mol/kg)は、表1に示した通りであった。
これにより、電解質塩を含む電解液が調製された。この電解質塩は、アニオンとしてイミドアニオンを含むリチウム塩である。
なお、表1に示したように、比較のために、アニオンとしてイミドアニオンの代わりに六フッ化リン酸イオン(PF6 -)を用いたことを除いて同様の手順により、電解液を調製した。
(二次電池の組み立て)
最初に、セパレータ23(厚さ=15μmである微多孔性ポリエチレンフィルム)を介して正極21および負極22を互いに積層させることにより、積層体20Zを作製した。
続いて、複数の正極端子31を互いに溶接することにより、接合部31Zを形成したのち、その接合部31Zに正極リード41(アルミニウム箔)を溶接した。また、複数の負極端子32を互いに溶接することにより、接合部32Zを形成したのち、その接合部32Zに負極リード42(銅箔)を溶接した。
続いて、窪み部10Uに収容された積層体20Zを挟むように外装フィルム10(融着層/金属層/表面保護層)を折り畳んだのち、その融着層のうちの2辺の外周縁部同士を互いに熱融着させることにより、袋状の外装フィルム10の内部に積層体20Zを収納した。外装フィルム10としては、融着層(厚さ=30μmであるポリプロピレンフィルム)と、金属層(厚さ=40μmであるアルミニウム箔)と、表面保護層(厚さ=25μmであるナイロンフィルム)とが内側からこの順に積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。
最後に、袋状の外装フィルム10の内部に電解液を注入したのち、減圧環境中において融着層のうちの残りの1辺の外周縁部同士を互いに熱融着させた。この場合には、外装フィルム10と正極リード41との間に封止フィルム51(厚さ=5μmであるポリプロピレンフィルム)を挿入したと共に、外装フィルム10と負極リード42との間に封止フィルム52(厚さ=5μmであるポリプロピレンフィルム)を挿入した。これにより、積層体20Zに電解液が含浸されたため、積層電極体である電池素子20が作製された。
よって、外装フィルム10の内部に電池素子20が封入されたため、二次電池が組み立てられた。
なお、表1に示したように、比較のために、積層電極体である電池素子20の代わりに、巻回電極体である電池素子60を作製したことを除いて同様の手順により、図6に示した二次電池を組み立てた。この場合には、セパレータ23を介して正極21および負極22を互いにさせながら巻回させることにより、巻回体を作製したのち、袋状の外装フィルム10の内部に巻回体を収納した。
なお、表1では、「集電構造」の欄に二次電池の構造を示している。具体的には、「多集電型」は、積層電極体である電池素子20と共に複数の正極端子31および複数の負極端子32を備えた二次電池(図1)を組み立てたことを表している。また、「単集電型」は、巻回電極体である電池素子60と共に単一の正極端子31および単一の負極端子32を備えた二次電池(図6)を組み立てたことを表している。
(二次電池の安定化)
常温環境中(温度=23℃)において二次電池を1サイクル充放電させた。充電時には、0.1Cの電流で電圧が4.1Vに到達するまで定電流充電したのち、その4.1Vの電圧で電流が0.05Cに到達するまで定電圧充電した。放電時には、0.1Cの電流で電圧が2.5Vに到達するまで定電流放電した。0.1Cとは、電池容量(理論容量)を10時間で放電しきる電流値であると共に、0.05Cとは、電池容量を20時間で放電しきる電流値である。
これにより、正極21および負極22のそれぞれの表面に被膜が形成されたため、二次電池の状態が電気化学的に安定化した。よって、ラミネートフィルム型の二次電池が完成した。
なお、二次電池の完成後、高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma(ICP))発光分光分析法を用いて電解液を分析した。この結果、電解質塩(カチオンおよびアニオン)の種類および含有量(mol/kg)は、表1に示した通りであることを確認した。
[電池特性の評価]
電池特性を評価したところ、表1に示した結果が得られた。ここでは、高温サイクル特性、高温保存特性および低温負荷特性を評価した。
(高温サイクル特性)
最初に、高温環境中(温度=60℃)において二次電池を充放電させることにより、放電容量(1サイクル目の放電容量)を測定した。充放電条件は、上記した二次電池の安定化時の充放電条件と同様にした。
続いて、同環境中においてサイクル数の総数が100サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、放電容量(100サイクル目の放電容量)を測定した。充放電条件は、上記した二次電池の安定化時の充放電条件と同様にした。
最後に、サイクル維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100という計算式に基づいて、高温サイクル特性を評価するための指標であるサイクル維持率を算出した。
(高温保存特性)
最初に、常温環境中(温度=23℃)において二次電池を1サイクル充放電させることにより、放電容量(保存前の放電容量)を測定した。充放電条件は、上記した二次電池の安定化時の充放電条件と同様にした。
続いて、同環境中において二次電池を充電させることにより、高温環境中(温度=80℃)において充電状態の二次電池を保存(保存時間=10日間)したのち、常温環境中において二次電池を放電させることにより、放電容量(保存後の放電容量)を測定した。充放電条件は、上記した二次電池の安定化時の充放電条件と同様にした。
最後に、保存維持率(%)=(保存後の放電容量/保存前の放電容量)×100という計算式に基づいて、高温保存特性を評価するための指標である保存維持率を算出した。
(低温負荷特性)
最初に、常温環境中(温度=23℃)において二次電池を1サイクル充放電させることにより、放電容量(1サイクル目の放電容量)を測定した。充放電条件は、上記した二次電池の安定化時の充放電条件と同様にした。
続いて、低温環境中(温度=-10℃)においてサイクル数の総数が100サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、放電容量(100サイクル目の放電容量)を測定した。充放電条件は、放電時の電流を1Cに変更したことを除いて、上記した二次電池の安定化時の充放電条件と同様にした。1Cとは、電池容量を1時間で放電しきる電流値である。
最後に、負荷維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100という計算式に基づいて、低温負荷特性を評価するための指標である負荷維持率を算出した。
[考察]
表1に示したように、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のそれぞれは、二次電池の構成に応じて大きく変動した。
具体的には、単集電型の二次電池において電解質塩がイミドアニオンを含んでいない場合(比較例1)には、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率がいずれも減少した。
また、多集電型の二次電池において電解質塩がイミドアニオンを含んでいない場合(比較例2)には、単集電型の二次電池において電解質塩がイミドアニオンを含んでいない場合(比較例1)と比較して、負荷維持率は僅かに増加したが、サイクル維持率および保存維持率のそれぞれは同等であった。
さらに、単集電型の二次電池において電解質塩がイミドアニオンを含んでいる場合(比較例3)には、単集電型の二次電池において電解液がイミドアニオンを含んでいない場合(比較例1)と比較して、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のそれぞれは増加したが、そのサイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のそれぞれは十分に増加しなかった。
これに対して、多集電型の二次電池において電解質塩がイミドアニオンを含んでいる場合(実施例1~10)には、高いサイクル維持率、高い保存維持率および高い負荷維持率が得られた。すなわち、多集電型の二次電池において電解質塩がイミドアニオンを含んでいる場合(実施例3)には、単集電型の二次電池において電解質塩がイミドアニオンを含んでいない場合(比較例1)と比較して、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率がのそれぞれが大幅に増加した。
この場合(実施例1~10)には、特に、以下で説明する傾向が得られた。第1に、電解質塩がカチオンとして軽金属イオン(リチウムイオン)を含んでいると、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のそれぞれが十分に高くなった。第2に、電解質塩の含有量が溶媒に対して0.2mol/kg~2mol/kgであると、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のそれぞれが十分に高くなった。
<実施例11~28>
表2および表3に示したように、電解液に添加剤および他の電解質塩のうちのいずれかを添加したことを除いて実施例3と同様の手順により、二次電池を作製したのち、電池特性を評価した。
添加剤に関する詳細は、以下で説明する通りである。不飽和環状炭酸エステルとしては、炭酸ビニレン(VC)、炭酸ビニルエチレン(VEC)および炭酸メチレンエチレン(MEC)を用いた。フッ素化環状炭酸エステルとしては、モノフルオロ炭酸エチレン(FEC)およびジフルオロ炭酸エチレン(DFEC)を用いた。スルホン酸エステルとしては、環状モノスルホン酸エステルであるプロパンスルトン(PS)およびプロペンスルトン(PRS)と、環状ジスルホン酸エステルであるシクロジソン(CD)とを用いた。ジカルボン酸無水物としては、無水コハク酸(SA)を用いた。ジスルホン酸無水物としては、無水プロパンジスルホン酸(PSAH)を用いた。硫酸エステルとしては、エチレンスルファート(DTD)を用いた。ニトリル化合物としては、スクシノニトリル(SN)を用いた。イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMI)を用いた。
他の電解質塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiFSI)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)およびジフルオロリン酸リチウム(LiPF2 2 )を用いた。
電解液中における添加剤および他の電解質塩のそれぞれの含有量(重量%)は、表2および表3に示した通りであった。この場合には、二次電池の完成後、ICP発光分光分析法を用いて電解液を分析することにより、添加剤および他の電解質塩のそれぞれの含有量が表2および表3に示した通りであることを確認した。
表1および表2に示したように、電解液が添加剤を含んでいる場合(実施例11~23)には、電解液が添加剤を含んでいない場合(実施例3)と比較して、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のうちの1つ以上がより増加した。
また、表1および表3に示したように、電解液が他の電解質塩を含んでいる場合(実施例24~28)には、電解液が他の電解質塩を含んでいない場合(実施例3)と比較して、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のうちの1つ以上がより増加した。
<実施例29~60>
表4および表5に示したように、電解液に他の電解質塩(六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ))を含有させたことを除いて実施例3と同様の手順により、二次電池を作製したのち、電池特性を評価した。
この場合には、溶媒に電解質塩と共に他の電解質塩を添加したのち、その溶媒を攪拌した。電解質塩の含有量(mol/kg)と、他の電解質塩の含有量(mol/kg)と、和T(mol/kg)と、割合R(mol%)とは、表4および表5に示した通りであった。
表4および表5に示したように、和Tが0.7mol/kg~2.2mol/kgであると共に割合Rが13mol%~6000mol%という2つの条件が満たされている場合(実施例33など)には、その2つの条件が満たされていない場合(実施例29など)と比較して、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率のそれぞれがより増加した。
[まとめ]
表1~表5に示した結果から、正極21に複数の正極端子31が電気的に接続されており、負極22に複数の負極端子32が電気的に接続されており、電解液の電解質塩がイミドアニオンとして式(1)~式(4)のそれぞれに示したアニオンのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいると、サイクル維持率、保存維持率および負荷維持率がいずれも改善された。よって、二次電池において優れた高温サイクル特性、優れた高温保存特性および優れた低温負荷特性が得られたため、優れた電池特性を得ることができた。
以上、一実施形態および実施例を挙げながら本技術に関して説明したが、その本技術の構成は、一実施形態および実施例において説明された構成に限定されないため、種々に変形可能である。
具体的には、電池素子の素子構造が積層型(積層電極体)および巻回型(巻回電極体)である場合に関して説明した。しかしながら、電池素子の素子構造は、多集電構造が担保されていれば特に限定されないため、九十九折り型などでもよい。九十九折り型では、正極および負極がセパレータを介して互いに対向しながらジグザグに折り畳まれている。
また、電極反応物質がリチウムである場合に関して説明したが、その電極反応物質は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、上記したように、ナトリウムおよびカリウムなどの他のアルカリ金属でもよいし、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属でもよい。この他、電極反応物質は、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であるため、本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して、他の効果が得られてもよい。

Claims (4)

  1. 正極と、
    負極と、
    電解質塩を含む電解液と、
    前記正極に電気的に接続された複数の正極端子と、
    前記負極に電気的に接続された複数の負極端子と
    を備え、
    前記電解質塩は、イミドアニオンを含み、前記イミドアニオンは、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)のそれぞれで表されるアニオンのうちの少なくとも1種を含
    前記電解液における前記電解質塩の含有量は、0.2mol/kg以上2mol/kg以下であり、
    前記電解液は、さらに、六フッ化リン酸リチウムを含み、
    前記電解質塩は、カチオンおよび前記イミドアニオンを含み、
    前記六フッ化リン酸リチウムは、リチウムイオンおよび六フッ化リン酸イオンを含み、
    前記電解液における前記カチオンの含有量と、前記電解液における前記リチウムイオンの含有量との和は、0.7mol/kg以上2.2mol/kg以下であり、
    前記電解液における前記イミドアニオンのモル数に対する、前記電解液における前記六フッ化リン酸イオンのモル数の割合は、13mol%以上6000mol%以下である、
    二次電池。
    (R1およびR2のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。W1、W2およびW3のそれぞれは、カルボニル基(>C=O)、スルフィニル基(>S=O)およびスルホニル基(>S(=O)2 )のうちのいずれかである。)
    (R3およびR4のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。X1、X2、X3およびX4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
    (R5は、フッ素化アルキレン基である。Y1、Y2およびY3のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
    (R6およびR7のそれぞれは、フッ素基およびフッ素化アルキル基のうちのいずれかである。R8は、アルキレン基、フェニレン基、フッ素化アルキレン基およびフッ素化フェニレン基のうちのいずれかである。Z1、Z2、Z3およびZ4のそれぞれは、カルボニル基、スルフィニル基およびスルホニル基のうちのいずれかである。)
  2. 前記電解液は、さらに、不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステル、スルホン酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、硫酸エステル、ニトリル化合物およびイソシアネート化合物のうちの少なくとも1種を含む、
    請求項に記載の二次電池。
  3. 前記電解液は、さらに、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムおよびジフルオロリン酸リチウムのうちの少なくとも1種を含む、
    請求項に記載の二次電池。
  4. リチウムイオン二次電池である、
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の二次電池。
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