JP7762060B2 - 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

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Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
近年、CG技術や撮像技術、計算機性能の向上によって、物体(対象物)の質感を情報端末上で表現することが可能になりつつある。特にインターネットショッピングにおいて商品の訴求力を高めるべく屋内外の様々な周囲環境における商品の質感を確認する要求が高まっている。
特許文献1に記載される方法では、視線方向をコンテンツ作成者が予め手動で設定し、ユーザに提示する。光沢感、色をはじめとする商品の質感が現れやすい視線方向をユーザに提示することで、ユーザは視線方向を様々に変化させて観察する労力をかけることなく、効果的に商品の質感を確認できる。
特開平11-265462号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、対象物の質感の観察に適した視線方向をコンテンツ作成者が手動で指定する必要がある。一般に周囲環境が変化すると質感の観察に適した視線方向も変わる。そのため、周囲環境が変化したような場合に、質感の観察に適した視線方向をユーザに提示することが難しいという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、対象物の質感の観察に適した視線方向を把握するための技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の一態様による情報処理装置は、
対象物の質感を示す質感情報を取得する質感情報取得手段と、
前記対象物を照明するための照明情報を取得する照明情報取得手段と、
前記質感情報と前記照明情報とに基づいて、前記対象物の質感観察するための観察視線方向を算出する視線方向算出手段と、
前記観察視線方向を示す情報を描画する描画手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、対象物の質感の観察に適した視線方向を容易に把握することができる。従って、ユーザは、視線方向を様々に変化させて観察する労力をかけることなく、効果的に物体の質感を確認することができる。
色・光沢感を説明する概念図 凹凸感を説明する概念図 実施形態1、2、3における情報処理装置のハードウェア外観例を示す図 実施形態1、2、3における情報処理装置のハードウェア構成例を示す図 実施形態1、2における情報処理装置の機能構成例を示す図 実施形態1、2におけるメイン処理フロー 環境マップの説明図 実施形態1におけるS503の詳細処理フロー 被反射領域算出の説明図 実施形態1におけるS507の詳細処理フロー 実施形態1、2におけるユーザインターフェイスの例 実施形態2におけるS503の詳細処理フロー 実施形態2におけるS1109の補足図 実施形態3の使用例の補足図 実施形態3における情報処理装置のシステム構成例を示す図 実施形態3におけるメイン処理フロー 実施形態3におけるユーザインターフェイスの例を示す図 実施形態3におけるS1612の詳細処理フロー
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(実施形態1)
本実施形態では、周囲の環境(照明環境)から、表示画面上に表示した物体(対象物)の質感の観察に適した視線方向を算出して提示する例を説明する。対象物があたかもその位置にあるかのように、現在の照明環境で質感を確認したりすることを可能とする。例えば、インターネットショッピングで布地の商品を閲覧している場合に、その布地の商品画像をタブレット情報端末などに表示させることがある。その際に、ユーザが存在する部屋などにおける照明環境でその商品がどのように見えるかを表現しつつ、表示画面に対してどの方向から見ると質感を観察しやすいかを把握できるようにする。
本実施形態の説明の前に、質感を構成する要素の例と、その観察に適した視線方向について説明する。
<質感の要素の説明>
物体(素材、対象物)の質感の要素として、例えば色、光沢感、凹凸感がある。色は素材の拡散反射成分から知覚することができ、光沢感は素材の鏡面反射成分から知覚することができる。
図1は、拡散反射と鏡面反射について説明する図である。素材表面101に入射する光102は、観察する角度に依存する強度分布103に従って反射する。反射光強度分布103は素材内部での乱反射によって生じる拡散反射成分104と、素材表面での反射によって生じる鏡面反射成分105の和として表すことができる。鏡面反射成分105は、入射角と反射角が等しくなる角度領域にピークを持つ。そのため、入射光102の正反射方向となる視線方向位置106は、鏡面反射成分105の割合が他の視線方向と比較して大きく観察されることから素材の光沢感の観察に適する。同様に入射光102の正反射方向から離れた視線方向位置107では、鏡面反射成分と比較して拡散反射成分が主に観察されることから素材の色の観察に適する。
そして、凹凸感は、素材表面の微細な凹凸に応じた拡散反射と鏡面反射の見えの変化から知覚することができる。図2(a)は微細な凹凸がある素材表面を表す図である。素材表面101に微細な凹凸があり、法線方向108が場所によって変化している。拡散反射強度と比較して鏡面反射強度が強く、正反射方向近傍での反射光強度変化が大きい素材の場合、素材表面の微細な法線変化は鏡面反射成分の変化として知覚することができる。その場合、小さい光源の正反射方向から観察すると凹凸感が効果的に観察できることを以下で説明する。
図2(b)、図2(c)は、素材表面で法線方向Nが異なる2つの面での正反射を表す図である。素材表面205で法線方向が違う2つの面での正反射光が視線方向位置204で観察される際の2つの光線202、光線203において、光源200が照明する場合、光線202は光源の存在しない領域を始点としているため視線方向204では観察されない。そのため、二つの面の法線の違いは正反射光が存在する、しないことによる輝度差として知覚される。一方で、光源200よりも大きな光源201が照明する場合には、光線202、光線203は両方とも観察されるため、二つの面の法線の違いは正反射光によって識別することが困難である。よって、鏡面反射強度が強い素材の場合、小さい光源の正反射方向から観察することで凹凸感が効果的に観察できる。
他に、端が鮮明な光源の正反射方向から観察することによって凹凸感が効果的に観察できる。端が鮮明な光源とは、例えば蛍光灯、スポットライトなどの光源であり、端が鮮明でない光源とは、例えばカーテンのかかった窓からの外光などの光源である。図2(d)は、端が鮮明な光源の正反射方向、端が鮮明でない光源の正反射方向のそれぞれから素材を観察したイメージを示している。端が鮮明な光源の正反射方向から観察した画像206において、光源の正反射像の端のゆらぎは素材表面の微細な法線変化を反映しているため、素材の凹凸感が視認できる。一方で、端が鮮明でない光源の正反射方向から観察した画像207においては、光源の正反射像の端で輝度差が少ないことにより反射像から表面の凹凸感が視認しづらい。
また、拡散反射強度と比較して鏡面反射強度が弱く、正反射光近傍での反射光強度変化が小さい素材の場合、素材表面の微細な法線変化は拡散反射強度の変化として知覚することができる。その場合、光線に垂直な方向から観察することによって凹凸感が効果的に観察できることを以下で説明する。
図2(e)は、光源から凹凸のある素材表面に光が入射して拡散反射する様子を説明する図である。図2(e)では、光源201から素材の光源方向に水平な法線を持つ面に入射する光線208と、光源方向となす角がθとなる法線を持つ面に入射する光線209を示している。それぞれの拡散反射強度をIn、Iθとすると、この二つの強度の関係は近似的に次式のランベルトの余弦則で表される。
式1をθで微分すると次式のようになる。
拡散反射強度が最も変化するθの領域はθが90度付近である。図2(f)は、素材の法線方向の分布を表している。素材表面の法線は平均法線方向Naveを中心に分布210を持つ。分布210のうち入射光線と法線ベクトルのなす角が90度付近の領域211の面が最も輝度変化が大きい。
この入射光線と法線ベクトルのなす角が90度付近の面を観察するために、光源と垂直な方向から観察する。図2(g)は、法線と入射光線とのなす角が0度、5度、85度、90度の面を、入射光線と水平な視線方向、入射光源と垂直な視線方向の2方向から見た際の面の見えを示す図である。入射光線と水平な視線方向からの見え212では、法線と入射光線のなす角が小さい面が大きく見える。一方で、入射光線と垂直な視線方向からの見え213では法線と入射光線のなす角が90度に近い面が大きく見える。さらに、法線と入射光線のなす角が90度付近では法線の変化で拡散反射強度が大きく変化するため、素材表面の微細な法線変化が輝度変化として観察することができる。よって、鏡面反射強度が弱い場合は光線に垂直な方向から観察することによって凹凸感が効果的に観察できる。
本実施形態では、情報処理装置としてタブレット型情報端末を用い、前に述べた質感の要素のうち、色と光沢感の観察に適した視線方向を算出して提示する。位置姿勢を固定したタブレット型情報端末のディスプレイ上に、対象物として質感情報をマッピングした平面モデルを表示し、ユーザの視線の変化に応じて対象物の見えを動的に変化させ質感を観察するアプリケーションを想定する。
<適用場面>
本実施形態に係るタブレット型情報端末を用いた適用場面の一例を説明する。例えば、インターネットショッピングなどで、ウェブ上に展示されている商品を閲覧、確認する際に、その商品の質感を確認したいような状況が想定される。商品の一例として布地を閲覧しているような場合、その布地の商品をユーザが選択したことに応じて、そのウェブ上に予め格納されているその布地の質感情報をタブレット型情報端末が取得する。
次に、現在ユーザがいる部屋などの照明環境下でその布地がどのように観察されるかを把握するために、ユーザの部屋の照明情報を取得する。照明情報は、ユーザがタブレット型情報端末を、例えば部屋の中心位置で所持して回転しながら部屋全体を撮影することによって取得することが考えられる。あるいは、部屋の中心位置に配置した全方位カメラなどを用いて照明情報を取得するように構成してもよい。
そして、ユーザが部屋の中でタブレット型情報端末に布地の画像を表示させた際に、そのタブレット型情報端末の位置姿勢とユーザの視線方向とに応じて、布地の見えを変化させる。タブレット型情報端末に布地の画像を表示させた場合、タブレット型情報端末の位置に布地を保持しているかのような状況となり、そのときの布地の見えが表示されることになる。このときに、質感の観察に適した観察方向を表示させることによって、現在のユーザの視線方向が、質感の観察に適した観察方向からずれていることを容易に把握することができる。よって、ユーザはタブレット型情報端末の保持位置を固定したまま(すなわち、タブレット型情報端末の空間的な位置姿勢を動かさないまま)、ユーザの視線方向を、質感の観察に適した観察方向に近づくように変化させることが容易となる。例えば、当初はタブレット型情報端末の画面に正対して、正面から布地を観察していたときに、やや右斜め方向から観察すると質感の観察に適した観察方向となることを把握できる。ユーザが頭の位置を右にずらして斜め方向にタブレット型情報端末の画面を見るように視線方向を変化させることで、布地画像の見えが変化し、より質感を観察しやすくすることができる。
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態で説明する情報処理装置の外観図である。1は情報処理装置本体である。情報処理装置1は、液晶や有機EL等のパネルで構成されるタッチパネル機能を備えたディスプレイ304、ディスプレイ304と同じ面に存在するカメラ308を備える。カメラ308は、例えばCMOSセンサによって1280×720ピクセルの2次元8ビットRGB画像を取得する。
図4は、情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、前述したディスプレイ304、カメラ308に加え、CPU(中央演算処理装置)301、ROM(リードオンリーメモリ)302、RAM(ランダムアクセスメモリ)303、HDD(ハードディスクドライブ)305を備える。また、加速度センサ306、方位センサ307、NIC(ネットワークインターフェイスカード)309を備える。
CPU301は、RAM303をワークメモリとして、ROM302、HDD305などに格納されたOS(オペレーティングシステム)や各種プログラムを実行する。CPU301は、システムバス310を介して各構成要素を制御する。NIC309は、インターネットに接続し、外部装置との間で情報の入力および出力を行う。CPU301は、HDD305やROM302、インターネット上の記録メディアをデータ格納領域として使用する。また、CPU301は、プログラムによって提供されるUI(ユーザインターフェイス)をディスプレイ304に表示し、ディスプレイ304のタッチパネルを介してユーザからの入力を受け付ける。加速度センサ306は、例えば静電容量方式等により図3に示した座標軸のx、y、zの3軸方向の加速度を出力する。この加速度は、ディスプレイ304が真上(空)を向いている場合、重力加速度をgとすると(0,0,g)を出力する。方位センサ307は、地磁気を計測するセンサであり、図2に示したx、y、z座標系において北の方向を示す3次元ベクトルを出力する。
<機能構成>
図5は、本実施形態の情報処理装置の機能構成を示す構成図である。OS3はオペレーティングシステムであり、入出力の制御及びアプリケーションの起動や切り替えを行う命令群である。デバイスドライバ408はOS3に含まれる命令群であり、情報処理装置1に内蔵されるディスプレイ304、カメラ308、及び各種センサを制御する。各種アプリケーションはOS3に所定の命令を送ることにより、これらの機器を制御することができる。
質感表示アプリケーション2は、HDD305やインターネット上の記録メディアから情報を読み込み、ディスプレイ304に表示する命令群である。質感表示アプリケーション2は、質感情報取得部401、照明情報取得部402、ユーザ視線方向取得部403、質感観察視線方向算出部404、対象物画像描画部405、質感観察視線方向描画部406、出力画像合成部407を含む。
質感情報取得部401は、対象物の質感情報として、拡散反射強度、鏡面反射強度、光沢度、法線マップを取得する。照明情報取得部402は、照明情報として環境マップを取得する。環境マップの詳細については後述する。ユーザ視線方向取得部403は、カメラ308で取得したRGB画像から情報処理装置1に対するユーザの眼の位置を推定し、ディスプレイ304に表示された対象物を見る際の視線方向を取得する。質感観察視線方向算出部404は、環境マップから対象物の質感が視認しやすい視線方向を算出する。対象物画像描画部405は、質感情報と、環境マップと、ユーザ視線方向とから、対象物が環境マップによって照明された際のユーザ視線方向からの見えを表す画像I1を描画する。質感観察視線方向描画部406は、ユーザ視線方向と質感観察視線方向を示す画像I2を描画する。出力画像合成部407は、画像I1と画像I2とを合成し、ディスプレイ304に表示する画像を生成する。
<処理>
図6は、質感表示アプリケーション2で実行される処理を示すフロー図である。以下、図6を用いて、質感表示アプリケーション2で実行される処理の詳細を説明する。以下、各工程は符号の前にSを付けて表す。
S501において、質感情報取得部401は、ユーザからの指示に基づいて、質感情報として拡散反射強度ρd(x、y、i)、鏡面反射強度ρs(x,y,i)、光沢度σ(x,y,i)、法線N(x、y、k)をデータ格納領域から取得する。ここで、データ格納領域とは、例えば、ユーザがアクセスしたインターネットショッピングのWebサイトで閲覧した商品ついて、そのWebサイト上に予め格納されている情報である。ここでx、yは対象物上の位置座標を示している。iはR,G,B色信号のいずれであるかを示している。kは法線方向のx成分、y成分、z成分のいずれであるかを示している。本実施形態での拡散反射強度、鏡面反射強度、光沢度は、位置座標毎かつ色信号毎に8ビットの情報を持つ配列である。法線方向は位置座標毎かつ成分毎に8ビットの情報を持つ配列であり、各成分の-1から1の範囲を0から255の値に対応付けている。なお、本実施形態での質感情報の形式は一例であり、例えば鏡面反射強度を32ビットの浮動小数点の情報として保持してもよい。
S502において、照明情報取得部402は、ユーザからの指示に基づいて、照明情報として環境マップE(θa、φa、i)をデータ格納領域から取得する。その後、情報処理装置1の姿勢に基づき現実世界と座標系が整合するように環境マップE(θa、φa、i)を回転させる。
ここで、環境マップの詳細について、環境マップE(θa、φa、i)の作成方法を表す図7(a)と、作成された環境マップEの例を表す図7(b)とを用いて説明する。環境マップEは任意の点O(例えば部屋の床面の中央位置や、情報処理装置1を操作することが予定されるような位置)に設置された全方位カメラ601によって取得することができる。具体的には、任意の点Oから視線方向(θa、φa)に対して光の強度を測定し、視線方向(θa、φa)毎、色信号i毎に測定した光の強度を格納することで環境マップEを作成する。環境マップEは光の強度を表した画像であり、全方位画像のようなものとなる。
ここで、全方位カメラ601の撮像面の位置Oを原点とし、θa、φaは撮像面の法線方向Nに対する極角、方位角をそれぞれ表す。本実施形態では、真上(空)をθa=0、北方向をφa=0となる環境マップE(θa、φa、i)を取得し、環境マップEは角度毎、色信号毎に8ビットの強度情報を格納する。ピクセル数は1920×1080とする。
また、全方位カメラ601を用いるのではなく、任意の点Oにユーザが情報処理装置1を保持し、その位置で360°回転しながら周囲を撮影することにより、その位置での環境マップEを取得するように構成してもよい。
なお、本実施形態での照明情報の形式は一例であり、例えば環境マップの信号強度を32ビットの浮動小数点の情報として保持してもよく、極角と方位角の原点を前述のように決定しなくてもよい。
次に、情報処理装置1の方位センサ307を介して北の方向を表す3次元ベクトルdを、加速度センサ306を介して情報処理装置1の加速度を表す3次元ベクトルaをそれぞれ取得する。2つのベクトルd、ベクトルaに基づき、x軸が東、y軸が北、z軸が真上(空)を指す基準座標系から、図3に示された、情報処理装置1に固定された座標系への変換を表すロール、ピッチ、ヨー方向における3つの回転角(r、p、y)を算出する。この算出方法については公知であるため説明を省略する。回転角(r、p、y)に基づき、環境マップE(θa、φa、i)の真上(空)方向、北方向が現実空間での真上(空)方向、北方向と一致するように環境マップE(θa、φa、i)を回転させ、現実空間と座標系を整合させる。その結果、特に観察を行う周囲照明環境を反映した環境マップを利用する際に現実空間との光学的整合性を保つことができる。
S503において、質感観察視線方向算出部404は、色と光沢感の観察に適した視線方向を照明情報から算出する。ここで、図8はS503の詳細を表すフロー図である。以下図8を用いて説明する。
S701において、ユーザ視線方向取得部403は、まずカメラ308を介してユーザの顔を含むRGB画像を取得する。そしてRGB画像に基づき、ユーザの眼の位置からディスプレイ304の中心に表示された対象物を臨む視線方向(R、Θ、Φ)を推定する。ここで、視線方向(R、Θ、Φ)は、ディスプレイ304の法線方向の極角をΘ、方位角をΦ、原点をディスプレイ304の中心点とした3次元極座標系で表す。公知であるRGB単眼画像を用いた深度推定技術によって推定したユーザの眼のカメラ308からの距離と、画像中のユーザの眼の2次元位置とから、カメラ308から眼の位置に向かうベクトル(xr、yr、zr)を得る。カメラ308からディスプレイ304の中心点に向かうベクトル(X,Y,0)を用いて、ディスプレイ304に表示された対象物を見る際の視線方向(R、Θ、Φ)を次式で求める。
以降のS702からS707まで、観察方向を走査しながら処理を行い、走査する観察方向が無くなったとき、S707によって繰り返しを終了する。
走査する観察方向は次のように決定する。まず、対象物の平均法線方向の極角をθ、方位角をφ、対象物の中心位置を原点とした3次元極座標系を考える。この時、対象物のθの0度から90度の範囲かつφの0度から360度の範囲にある環境マップの半球領域が対象物を照明する。この半球領域において観察方向を順に走査し、対象物の色と光沢感の観察に適するか否かを後述する処理において判定する。この時、走査する視点の原点からの距離は固定とし、S701で得られた眼の対象物からの距離Rと等しくなるように設定する。本実施形態では、半球領域でのθとφをそれぞれ20分割し走査する観察方向(θl、φl)を決定する。
ここで、図9(a)は、走査する順序を説明するための図である。走査する観察方向803と取得したユーザ視線方向802との距離801で順序付けし、距離が近いものから順に走査する。それにより、ユーザ視線方向から近い視線方向を優先的に提示することができるため、ユーザが元の視線方向から質感観察視線方向へと移動させる際の距離を短くすることができ、利便性の向上が期待できる。なお、本実施形態では走査する観察方向の順序付けのために距離を用いるが、例えばユーザ視線方向からの相対的な角度の大きさによって順序付けしてもよい。
S702において、質感観察視線方向算出部404は、観察方向を上述した方法で順序付け、ユーザ視線方向との距離が最も近い観察方向を選択する。繰り返しの2回目以降は順序付けられた観察方向のうち、ユーザとの距離が近い観察方向を順に選択する。このように、ユーザ視線方向とのなす角が小さい方向を、対象物の質感の観察に適した観察視線方向として決定する。
S703において、質感観察視線方向算出部404は、対象物805に映りこむ環境マップの部分領域(被反射領域)を算出する。
ここで、図9(b)は、被反射領域の算出を説明する図であり、図9(c)は、被反射領域となる環境マップの部分領域を表す図である。まず、走査する視線方向位置804から長方形の対象物805の四隅に向かう方向806(θjc、φjc)を算出する。ここでjは対象物805の各隅を表す添え字である。対象物805は例えば、情報処理装置1のディスプレイ304の縦の長さをd、横の長さをwとしたときに、-w/4≦x≦w/4,-d/4≦y≦d/4,z=0なる矩形領域とする。(θjc、φjc)は具体的に、次式のように求める。
ここで、(xj,yj)は対象物805の四隅を表す4つの点の座標のx成分とy成分(-w/4,-d/4)、(-w/4,d/4)、(w/4,-d/4)、(w/4,d/4)を表す。平均法線方向を基準にそれぞれの方向806が正反射する方向807(θjr、φjr)を計算する。具体的には、次式によって求める。
4つの方向807を含む環境マップの部分領域808を被反射領域として指定する。指定の方法として、例えば4つの方向807の極角θの最小値から最大値の範囲、方位角φの最小値から最大値の範囲に対応する環境マップの領域を被反射領域とする。
S704において、質感観察視線方向算出部404は、対象物の光沢感の観察に適した視線方向を決定する。光沢感の観察に適した視線方向とは前述の通り、光源が視線の正反射方向に存在し、鏡面反射強度と光沢度が視認できる視線方向である。すなわち、照明情報のうち照明(光源)が存在する部分が対象物に映り込む観察方向を、対象物の光沢感を観察するのに適した観察視線方向として決定する。本実施形態では、被反射領域をグレースケール化し、視線方向の判定を行う。座標毎かつ色信号毎に8ビットの強度情報を持つ配列である環境マップを、座標毎に輝度値を8ビットの情報で保持する配列に変換する。変換方法に関しては公知の技術であるため説明を省略する。なお、グレースケール化を行った際の形式は一例であり、例えば輝度値を32ビットの浮動小数点の情報として保持してもよい。
被反射領域に輝度が閾値E1以上の画素が閾値S1以上あるとき、その時点での観察方向を光沢感観察視線方向と決定する。ここでの閾値E1は例えば、環境マップ全領域の最大輝度値から輝度値の標準偏差を引いた値とし、閾値S1は例えば、被反射領域総画素の10%とすることができる。観察方向を走査する際に本ステップS704は繰り返し実行されるが、光沢感観察視線方向が一度決定した際にはフラグを設定することによって、以降の走査で光沢感観察視線方向の判定をスキップする。
S705において、質感観察視線方向算出部404は、対象物の色の観察に適した視線方向を決定する。色の観察に適した視線方向とは、前述の通り、光源が視線の正反射方向に存在せず、鏡面反射成分と比較して拡散反射成分が支配的となる視線方向である。本実施形態では、被反射領域をグレースケール化し、被反射領域の最大輝度が閾値E2以下であるとき、その時点での観察方向を色観察視線方向と決定する。ここでの閾値E2は例えば、環境マップ全領域の輝度の第一四分位数とすることができる。すなわち、照明情報のうち照明(光源)が存在しない部分が対象物に映り込む観察方向を、対象物の色を観察するのに適した観察視線方向として決定する。観察方向を走査する際に本ステップS705は繰り返し実行されるが、色観察視線方向が一度決定した際にはフラグを設定することによって、以降の走査で色観察視線方向の判定をスキップする。
S706において、光沢感観察視線方向と色観察視線方向が両方決定した際は走査を終了する。両方が決定していない場合は、S707へ進む。
S707において、質感観察視線方向算出部404は、走査する観察方向が他に存在するか否かを判定する。走査する観察方向が他に存在する場合、S702に戻る。一方、走査する観察方向が他に存在しない場合、処理を終了する。
以上で図8のフロー図の説明を終了し、図6のフロー図の説明に戻る。
以降のS504からS509までの処理は、ユーザの終了指示を受け付けるまで繰り返す。
S505において、ユーザ視線方向取得部403は、ユーザ視線方向(R,Θ,Φ)を取得する。本処理はS701と処理が同一であるため説明を省略する。
S506において、対象物画像描画部405は、公知のイメージベーストライティング技術を用いることで、対象物805が環境マップE(θa,φa,i)によって照明された際のユーザ視線方向(R,Θ,Φ)における見えを表す画像I1を描画する。画像I1のサイズは、例えばS704において算出に用いた対象物805のサイズと同じであり、情報処理装置1のディスプレイ304のサイズの50%とする。また、ディスプレイ304の法線と対象物805の平均法線が一致するように描画する。このとき、ユーザ視線方向(R、Θ、Φ)の座標系とS704において算出に用いた際の座標系を一致させる。
S507において、質感観察視線方向描画部406は、質感観察視線方向とユーザ視線方向とを提示する画像I2を描画する。処理の詳細は後述する。
S508において、出力画像合成部407は2つの画像I1、画像I2を合成し、ディスプレイ304に表示する画像を生成する。
ここで、図10は、S507の詳細なフロー図であり、図11(a)は、出力画像合成部407で出力する画像の例である。図11(a)に示す対象物画像1001は、対象物画像描画部405において描画される画像I1である。画像I2は、3次元半球モデル1002、ユーザ視線方向マーカ1003、質感観察視線方向マーカ1004、注目領域マーカ1005で構成される。以下、図10を用いてS507の処理の詳細を説明する。
まず、S901において、質感観察視線方向描画部406は、前述の処理S704とS705において質感観察視線方向が決定しているかを判定する。決定している場合、S903へ進む。一方、決定していない場合はS902へ進む。
S902において、質感観察視線方向描画部406は、質感観察視線方向が存在しない旨をユーザに通知することで、質感観察を行いたいユーザにタブレット姿勢もしくは環境マップの変更を促す効果が得られる。ここで、図11(b)は警告表示の例を示す図である。警告表示1006によってユーザに通知する。図示の例では、対象物の色の観察に適した視線方向が決定されていないことが示されている。
S903において、質感観察視線方向描画部406は、取得したユーザ視線方向(Θ、Φ)と2種類の質感確認視線方向(θc、φc)(θl、φl)との相対角度(Δθc、Δφc)(Δθl、Δφl)を算出する。相対角度は、例えば以下の式として算出する。
S904において、質感観察視線方向描画部406は、S903で算出したユーザ視線方向との相対角度を示す画像を描画する。この画像は、図11の3次元半球モデル1002、ユーザ視線方向マーカ1003、質感観察視線方向マーカ1004に対応する。3次元半球モデル1002の、底面中心から天頂部へ向かう方向に対する極角、方位角をT、Pとすると、ユーザ視線方向マーカ1003をT=0、P=0の球面上に表示する。そして、質感観察視線方向マーカ1004を(T,P)=(Δθc、Δφc)、(Δθl、Δφl)の球面上の2か所に表示する。3次元半球モデルの球面は概形が分かるように、例えば極角T、方位角Pを一定の間隔に分割した格子として表示する。
S905において、質感観察視線方向描画部406は、S903で算出した相対角度の大きさからS906で描画する注目領域マーカ1005の描画透明度を決定する。相対角度の大きさAを、例えば次式のように定義する。
ここでΔθ、Δφはそれぞれ2種類の質感確認視線方向とユーザ視線方向との相対極角、方位角を表す。相対角度の大きさAが大きいとき注目領域マーカ1005の描画透明度を0%とし、相対角度の大きさAが小さくなるにつれ注目領域マーカ1005の描画透明度を100%に近づける。例えば、Aが90度以上のときに透明度を0%、A=10度以下のときに透明度を100%とし、その間はAの値に対して線形に透明度を変化させる。その結果、ユーザは、注目領域の質感を観察する際は注目領域マーカ1005によって観察を阻害されず、質感観察視線方向を探す際は注目領域マーカ1005によって注目すべき領域を把握することができる。
S906において、質感観察視線方向描画部406は、S905で決定した透明度に基づき注目領域マーカ1005を描画する。注目領域マーカ1005は例えば、対象物画像I1の中心位置を中心とし、サイズをディスプレイ304のサイズの10%とする。
このように、3次元半球モデルの球面の天頂部(例えば1003)をユーザ視線方向として示し、対象物の質感の観察に適した観察視線方向をユーザ視線方向に対する相対的な方向として球面上の点(例えば1004)として示した3次元半球モデルを描画する。ユーザは、この表示を見て自分の視線方向をどのように変えれば、質感を観察するのに適した視線方向になるのかを直感的に把握することが可能となる。
以上で図6の処理フローの説明を終える。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態では、対象物の質感を示す質感情報と、対象物を照明するための照明情報(環境マップの情報)とを取得する。そして、それらの情報に基づいて、対象物の質感の観察に適した観察視線方向(対象物の色、光沢感を視認しやすい視線方向)を算出し、その観察視線方向を示す情報を描画してユーザに提示する。
その結果、ユーザは、どの方向から観察すればよいかを把握しやすくなるので、効果的に対象物の色や、光沢感といった質感を確認できるようになる。
<変形例>
なお、図6のS503の処理は、ユーザの指示により環境マップと質感情報を取得したのちに実行されるが、次のように処理順を変更してもよい。環境マップと質感情報からS503と同様の処理によって予め算出し、質感観察視線方向をデータの格納先に格納する。その後、ユーザの指示により環境マップと被写体情報を取得する際に同時に対応する質感観察視線方向をデータの格納先から取得し提示する。
なお、S502において照明情報として環境マップを取得したが、照明情報として光源の3次元位置、方向、強度情報を取得して、一般的なCGレンダリング技術であるベイク処理を行うことによって環境マップに変換して取得することもできる。
なお、S505とS701においてユーザ視線方向を情報処理装置に内蔵のRGBカメラによって得たが、測距センサとの併用で視線方向を推定してもよいし、複数のカメラから得られる視差情報を用いてもよい。また、例えば赤外線カメラなどの可視光以外のカメラを用いてもよい。さらに、ディスプレイとの相対位置が取得できるならば内蔵でなくてもよい。他にも視線追跡装置を用いてユーザ視線方向を取得してもよい。
また、S704の説明で述べた被反射領域の算出方法は一例であり、例えば対象物の法線のばらつきに応じて環境マップ部分領域を拡大することで、対象物の法線のばらつきによる被反射領域の変化の効果を取り入れてもよい。また、実際に対象物の各点に関して逆向きに光線追跡を行うことで、対象物の位置毎の法線方向を加味した被反射領域を求めてもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、被写体の色、光沢感の観察に適した視線方向を算出、提示する例について説明した。本実施形態においては、被写体の凹凸感の観察に適した視線方向を算出、提示する例について説明する。
実施形態2における情報処理装置の外観、ハードウェア構成、機能構成、S503以外の処理フローは実施形態1と同一であるため説明を省略する。本実施形態におけるS503の処理の詳細を図12に示す。以下、図12を用いて処理の詳細を説明する。
<処理>
S1101において、ユーザ視線方向取得部403は、ユーザの視線方向を取得する。この処理は、S701と同様の処理であるために説明を省略する。
S1102において、質感観察視線方向算出部404は、対象物の光沢感の強弱を判定する。本実施形態では、拡散反射強度ρsと鏡面反射強度ρdをグレースケール変換し、座標毎に例えば8ビットの輝度値情報を保持する配列を得る。対象物全領域での平均鏡面反射輝度と、平均拡散反射輝度との比が閾値R1以下であるか否かを判定する。ここで閾値R1は、例えば1とする。
S1103からS1108の処理は、対象物の光沢感が強い場合の凹凸感の観察に適した視線方向の算出のステップとなる。上述の通り、凹凸感の観察に適した視線方向とは、この場合、小さい光源、端が鮮明な光源の正反射方向である。被反射領域にこれらの光源が存在している場合、被反射領域は空間周波数の高い成分を多く含む。そのため、被反射領域の空間周波数情報を算出することでこれらの光源の有無を判定することができる。
S1103、S1104、S1108については、それぞれS702、S703,S707と処理が同一であるために説明を省略する。
S1105において、質感観察視線方向算出部404は、被反射領域に対して二次元FFT処理を行い、空間周波数情報へ変換を行う。
S1106において、質感観察視線方向算出部404は、観察方向が凹凸感の観察に適しているか否かを判定する。被反射領域の空間周波数成分のうち、絶対値で閾値F1以上の成分が閾値D1以上含まれているとき、その時点での観察方向(θb、φb)を凹凸感観察視線方向と決定する。閾値F1は例えば、対象物805の幅の逆数2/wの10倍、閾値D1は例えば、被反射領域808に含まれる全周波数成分の10%とする。
このように、鏡面反射強度が拡散反射強度以上である場合、照明情報のうち閾値以上の空間周波数成分が存在する部分が対象物に映り込む観察方向を、対象物の凹凸感を観察するのに適した観察視線方向として決定する。
S1107において、質感観察視線方向算出部404は、S1106で凹凸感観察視線方向が決定すれば観察方向の走査を終了する。一方、凹凸感観察視線方向が決定されていない場合、S1108へ進む。
一方、S1109からS1111の処理は、対象物の光沢感が弱い場合の凹凸感の観察に適した視線方向の算出のステップとなる。上述の通り、光沢感が弱い場合の凹凸感の観察に適した視線方向とは、光源に垂直な方向である。ただし、環境マップには複数の光源が含まれていることがある。そのため本実施形態では環境マップに含まれる最も強い光源の方向と、それ以外の光源を積分した方向の2つに対して直交する観察方向を対象物の光沢感が弱い場合の凹凸感の観察に適した視線方向とする。
ここで、図13は、対象物の光沢感が弱い場合の凹凸感の観察に適した視線方向を算出する方法について説明する図である。
S1109において、質感観察視線方向算出部404は、対象物の平均法線方向の極角をθ、方位角をφとした際の0°≦θ≦90°に相当する環境マップの部分領域をグレースケール画像に変換する。そしてθとφを例えばそれぞれ10分割することで小領域1201に分割する。小領域1201をパラメータθ1、θ2、φ1、φ2を用いてθ1≦θ≦θ2、φ1≦φ≦φ2と表すとき、大きさを小領域の輝度の積分値、向きを次式に表す(θ12,φ12)とするベクトル1202を小領域ごとに算出する。
S1110において、質感観察視線方向算出部404は、各小領域に対して求めたベクトルのうち、最も大きさが大きいものを主光源方向L1と定義する。主光源方向L1を除く各小領域のベクトルの和を副光源方向L2と定義する。
S1111において、質感観察視線方向算出部404は、主光源方向L1と副光源方向L2の双方と直交する(垂直な)視線方向のうちユーザ視線方向(Θ、Φ)に近い視線方向(θb、φb)を凹凸感観察視線方向とする。
このように、鏡面反射強度が拡散反射強度よりも小さい場合、照明情報に含まれる光源に垂直な観察方向を、対象物の凹凸感を観察するのに適した観察視線方向として決定する。
以上で図12の処理フローの説明を終える。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態における情報処理装置は、対象物の凹凸感を視認しやすい視線方向を環境マップ情報から算出し、ユーザに提示する。その結果、ユーザは効果的に対象物の凹凸感を確認できるようになる。
<変形例>
なお、本実施形態では、S1103において、対象物が高光沢であるか否かの判定は鏡面反射強度と拡散反射強度との比に基づいて行ったが、例えば視覚特性に基づいた他の鏡面反射強度と拡散反射強度の関数値によって判定してもよい。
また、S1105において、周波数変換手法は二次元FFTに限らず、例えばWavelet変換でもよい。
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態1、2と同じく、情報処理装置としてタブレット型情報端末を用いる。図14は、本実施形態の使用例を表す。質感情報を付与した3次元形状モデルである対象物1401を現実空間の座標に固定されるように表示し、環境マップによって照明された際の見えを再現する画像1402を表示する。また、情報処理装置1の位置姿勢から、情報処理装置1のディスプレイ304の面と垂直な方向をユーザの視線方向1403として算出し、視線方向の動的な変化に対応して見えを動的に変化させて対象物1401の質感を観察するアプリケーションを想定する。本実施形態では、アプリケーションにおいて凹凸感の観察に適した視線方向を提示する。
本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成については、実施形態1と同一であるため説明を省略する。
<機能構成>
図15は、本実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置1の質感表示アプリケーション2は、実施形態1で示した構成要素に加えて、形状情報取得部409、部分領域指定部410、質感観察モード切替部411をさらに含む。
形状情報取得部409は、対象物の3次元形状を表す形状情報を取得する。質感観察モード切替部411は、ユーザからの指示に基づき、対象物の見えのみを表示する第一の表示モードから、対象物の見えに加えて質感観察に適した視線方向を提示する第二の表示モードに遷移させることができる。部分領域指定部410は、質感観察視線方向算出部404で用いる対象物形状上の部分領域を指定する。他の構成については、実施形態1の同じ番号を付した構成と同一であるため説明を省略する。
<処理>
図16は、本実施形態に係る情報処理装置1の質感表示アプリケーション2で実行される処理を示すフロー図である。以下、図16を用いて処理の詳細を説明する。
S1601において、質感情報取得部401は、対象物の質感情報を取得する。本処理は、S501と同一の処理であるため説明を省略する。
S1602において、形状情報取得部409は、対象物の3次元形状を表す形状情報を取得する。形状情報は、例えばWavefront OBJ形式で記述された3次元形状データである。
S1603において、照明情報取得部402はユーザからの指示に基づいて、照明情報として環境マップE(θa、φa、i)を取得する。データ形式についてはS502で説明した形式と同様であるが、本実施形態では情報処理装置1の姿勢を動的に変化させるために、環境マップの回転も動的に行う必要がある。そのため本処理中は回転を行わない。
S1604及びS1605の処理は、前述の対象物の見えのみを表示する第一の表示モードを実現するための処理である。S1604において、ユーザ視線方向取得部403は、加速度センサ306、方位センサ307を介して情報処理装置1の姿勢を取得する。図3における情報処理装置1に固定された座標系のz軸負方向を視線方向とする。S1604を初めて処理する際に取得した情報処理装置1の視線方向を初期視線方向とし、情報処理装置1の位置を初期視線位置とする。初期視線位置は直接取得することはできないが、初期視線位置からの相対位置は加速度センサ306が出力する加速度ベクトルaを積分することによって取得することができる。
S1605において、対象物画像描画部405は、現実空間に固定された環境マップによって照明された、現実空間に固定された対象物のユーザ視線方向、視線位置からの見えを表す画像I1を描画する。情報処理装置1の姿勢に応じて対象物が存在する仮想3次元座標系と環境マップを回転させ、初期視線位置からの相対位置に応じて対象物が存在する仮想3次元座標系を並進させることによって環境マップと対象物を現実空間に固定されているように表示する。環境マップについて、環境マップの真上(空)方向、北方向が現実空間での真上(空)方向、北方向と一致するように表示する。この処理の詳細は本発明の主眼ではないため詳細な説明は省略する。
S1606において、質感観察モード切替部411は、ユーザからの指示に基づき、質感の観察に適した視線方向を提示する第二の表示モードに切り替えるか否かを判定する。ユーザからの指示があった場合に切り替えを行う。ユーザからの指示がない場合は、S1604に戻る。
ここで、図17は、情報処理装置1のディスプレイ304の表示領域に表示する画像の例を示している。第一の表示モードでは、環境マップによって照明された対象物の現在のユーザ視線方向からの見えを表す画像1702がディスプレイ304の表示領域1701に表示されている。ユーザが質感確認ボタン1703を押下すると第二の表示モードに遷移する。
S1607において、部分領域指定部410は、ユーザが質感を確認する対象物表面の領域(注目領域)を指定する。次のステップであるS1608で質感確認視線方向を決定するためには注目領域を指定する必要がある。本実施形態ではボタンを押下した際に画面中心に表示されている対象物表面の点(xc、yc、zc)の周囲を注目領域に設定する。対象物表面の点を中心に、対象物表面の点での法線方向と同じ法線方向を持つ正方形領域を設定する。この正方形の辺の長さlは、対象物全体の高さ、幅、奥行きのうち最も大きいものの1/100とする。ただし、注目領域の設定方法は一例であり、注目領域の中心は、例えばユーザがディスプレイ304上に表示されている対象物の画像上の部分領域を選択することで決定してもよい。また、注目領域は、例えば長方形や円を用いて設定してもよいし、注目領域のサイズは、例えば対象物表面の点における曲率に応じて決めてもよいし、対象物表面の各点と注目領域との距離の和で決定してもよい。
S1608において、質感観察視線方向算出部404は、凹凸感の観察に適した視線方向を決定する。本処理は、実施形態2におけるS503の処理と同一であるが、実施形態2における対象物のサイズを注目領域の辺の長さlに置き換えて計算する。
そして、S1609からS1614までの処理を、ユーザから停止指示を受け付けるまで繰り返す。
S1610とS1611の処理は、それぞれS1604とS1605と同じ処理であるため説明を省略する。
S1612において、質感観察視線方向描画部406は、質感観察視線方向を提示する画像I2を描画する。画像I2は、図17における質感観察視線方向を示す3次元矢印モデル1705、質感観察視線方向を示す2次元平面モデル1706、注目領域マーカ1707の少なくとも1つを含んで構成される。図18は、S1612の詳細な処理フローを示した図である。以下図18を用いて説明する。S1801、S1802、S1803、S1804に関してはそれぞれ実施形態1で説明したS901、S902、S903、S905と処理が同一であるため説明を省略する。
S1805において、S1804で決定した描画透明度で画像I2を描画する。具体的には、情報処理装置1を観察するユーザの視線方向であるユーザ視線方向が、対象物の質感の観察に適した観察視線方向に近づくほど、3次元矢印モデル1705又は2次元平面モデル1706のうちの少なくとも1つの描画透明度を下げる処理を行う。
3次元矢印モデル1705に関しては、矢印の始点viと終点vfを、注目領域の中心点(xc、yc、zc)と注目領域の辺の長さlと質感観察視線方向(θb、φb)を用いて表す。ここで質感観察視線方向(θb、φb)は、S1608で算出した質感観察視線方向を、注目領域の中心点を原点とし、真上(空)方向に対する極角と方位角を2つの角度座標とする3次元極座標系における極角、方位角に変換したものである。具体的には、矢印の始点と終点を次式のように決定する。
それぞれの座標は、対象物が存在する仮想3次元座標におけるx座標、y座標、z座標を表す。
また、質感観察視線方向を示す2次元平面モデル1706に関しては、注目領域の中心点(xc、yc、zc)を通り質感観察視線方向(θb、φb)に垂直な平面として、次式で表される平面を描画する。サイズは、例えば注目領域の辺の長さlの20倍とする。
注目領域マーカ1707に関しては、注目領域を表す正方形モデルを表示する。質感観察視線方向を示す3次元矢印モデル1705、2次元平面モデル1706、注目領域マーカ1707は、対象物が存在する仮想3次元座標上に重ねて配置され、対象物との遮蔽関係を考慮して描画する。この質感観察方向の提示方法は、ユーザの眼が常にディスプレイ304に正対する本実施形態においては、実施形態1の質感観察方向提示方法と比較してより直感的に質感観察方向を把握することができる。
なお、質感観察視線方向を表すモデル位置、姿勢の決め方は前述の方法に限らず、質感観察視線方向を提示するためであれば他の位置、姿勢で表示してもよい。以上で図18の処理フローの説明を終え、図16の処理フローの説明に戻る。
S1613において、出力画像合成部407は、対象物画像描画部405で描画された画像I1と、質感観察視線方向描画部406で描画された画像I2とを合成し、情報処理装置1のディスプレイ304に表示する画像を生成する。
以上で図16の処理フローの説明を終了する。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態における情報処理装置は、3次元形状を持つ対象物の凹凸感を視認しやすい視線方向を環境マップ情報から算出し、ユーザに提示する。その結果、ユーザは効果的に対象物の質感を確認できるようになる。
<変形例>
なお、本実施形態では凹凸感の観察に適した視線方向を提示したが、他の質感要素の観察に適した視線方向を表示してもよく、複数の質感観察視線方向を同時にまたはユーザの指示によって切り替えて表示してもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:情報処理装置、401:質感情報取得部、402:照明情報取得部、403:ユーザ視線方向取得部、404:質感観察視線方向算出部、405:対象物画像描画部、406:質感観察視線方向描画部、407:出力画像合成部

Claims (19)

  1. 対象物の質感を示す質感情報を取得する質感情報取得手段と、
    前記対象物を照明するための照明情報を取得する照明情報取得手段と、
    前記質感情報と前記照明情報とに基づいて、前記対象物の質感観察するための観察視線方向を算出する視線方向算出手段と、
    前記観察視線方向を示す情報を描画する描画手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記質感情報は、拡散反射強度及び鏡面反射強度の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記視線方向算出手段は、前記鏡面反射強度が前記拡散反射強度以上である場合、前記照明情報のうち閾値以上の空間周波数成分が存在する部分が前記対象物に映り込む観察方向を、前記対象物の凹凸感を観察するための観察視線方向として決定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記視線方向算出手段は、前記鏡面反射強度が前記拡散反射強度よりも小さい場合、前記照明情報に含まれる光源に垂直な観察方向を、前記対象物の凹凸感を観察するための観察視線方向として決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
  5. 前記視線方向算出手段は、前記照明情報のうち照明が存在しない部分が前記対象物に映り込む観察方向を、前記対象物の色を観察するための観察視線方向として決定することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記視線方向算出手段は、前記照明情報のうち照明が存在する部分が前記対象物に映り込む観察方向を、前記対象物の光沢感を観察するための観察視線方向として決定することを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記描画手段は、前記対象物の光沢感を観察するための観察視線方向を示す情報と、前記対象物の凹凸感を観察するための観察視線方向を示す情報と、前記対象物の色を観察するための観察視線方向とを示す情報との少なくとも1つを描画することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
  8. 前記描画手段は、前記対象物の質感観察するための観察視線方向が存在しない場合に警告を表示することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
  9. 前記情報処理装置を観察するユーザの視線方向であるユーザ視線方向を取得するユーザ視線方向取得手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記視線方向算出手段は、前記ユーザ視線方向とのなす角が小さい方向を、前記対象物の質感観察するための観察視線方向として決定することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
  11. 前記描画手段は、3次元半球モデルの球面の天頂部を前記ユーザ視線方向として示し、前記対象物の質感観察するための観察視線方向を前記ユーザ視線方向に対する相対的な方向として前記球面上の点として示した前記3次元半球モデルを描画することを特徴とする請求項9又は10に記載の情報処理装置。
  12. 前記対象物の形状を表す形状情報を取得する形状情報取得手段と、
    前記形状情報の部分領域を指定する部分領域指定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の情報処理装置。
  13. 前記部分領域指定手段は、前記情報処理装置のユーザからの指定を受け付けたことに応じて前記部分領域を指定することを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
  14. 前記視線方向算出手段は、前記部分領域を参照して、前記対象物の質感観察するための観察視線方向を算出することを特徴とする請求項12又は13に記載の情報処理装置。
  15. 前記描画手段は、前記部分領域をさらに描画することを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載の情報処理装置。
  16. 前記描画手段は、前記対象物の質感観察するための観察視線方向と同じ方向を指す矢印モデルと、前記対象物の質感観察するための観察視線方向に垂直な平面モデルとのうち少なくとも一方を描画することを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の情報処理装置。
  17. 前記描画手段は、前記情報処理装置を観察するユーザの視線方向であるユーザ視線方向が、前記対象物の質感観察するための観察視線方向に近づくほど、前記矢印モデル又は前記平面モデルのうちの少なくとも1つの描画透明度を下げることを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
  18. 情報処理装置の制御方法であって、
    対象物の質感を示す質感情報を取得する質感情報取得工程と、
    前記対象物を照明するための照明情報を取得する照明情報取得工程と、
    前記質感情報と前記照明情報とに基づいて、前記対象物の質感観察するための観察視線方向を算出する視線方向算出工程と、
    前記観察視線方向を示す情報を描画する描画工程と、
    を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  19. コンピュータを、請求項1乃至17の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
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