JP7764672B2 - 塵埃抑制処理剤組成物 - Google Patents
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Description
このような塵埃抑制技術としては、下記特許文献1において、PTFE(TFE重合体)を粉末状物質と混合し、該混合物に約20~200℃の温度で圧縮-剪断作用を施すことによりTFE重合体をフィブリル化して粉末状物質の塵埃発生を抑制する方法が提案されている。
式中、
X2:前記共重合体と同濃度のTFE重合体の水性分散液15gを、温度
20℃、回転速度3000rpmにて30分間、遠心分離機により
遠心分離した後、再分散させた際の、下記式(2)にて示される再
分散後の固形分沈降割合(%)
X3:前記共重合体の水性分散液15gを、温度20℃、回転速度300
0rpmにて30分間、遠心分離機により遠心分離した後、再分散
させた際の、下記式(2)にて示される再分散後の固形分沈降割合
(%)
再分散後の固形分沈降割合(%)
=(再分散後の固形分沈降量)/(遠心分離前の固形分量) ×100
・・・(2)
本発明の塵埃抑制処理剤組成物を発塵性物質と混合し、該混合物に約20~200℃の温度で圧縮-剪断作用を施すことにより、非溶融流動性のTFE共重合体をフィブリル化して発塵性物質の塵埃の発生を抑制することが可能である。
前述した通り、塵埃抑制処理剤組成物中の固形分であるTFE重合体粒子は沈降し易いため、TFE重合体の水性分散液が長期間静置された場合には、TFE重合体粒子が沈降し、沈降したTFE重合体粒子が強固に固まり攪拌等で再分散させることが困難であるが、本発明の塵埃抑制処理剤組成物においては、上記非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液の再分散沈降率が60%以下であることにより、沈降した非溶融流動性のTFE共重合体粒子が強固に固まることを抑制し、再分散性を顕著に向上することが可能となる。その結果、少量の塵埃抑制処理剤組成物を均一に発塵性物質と混合することができるため、発塵性物質の塵埃の発生を効率よく抑制することが可能となる。更に難分解性のパーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が10ppb未満であることから、環境性能にも優れている。
遠心分離沈降試験及び遠心分離沈降再分散試験の結果を表す図1からも明らかなように、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液の再分散沈降率が60%以下である本発明の塵埃抑制処理剤組成物は、再分散沈降率が60%を超えるTFE重合体の水性分散液に比して沈降量が低減されている。
また後述する実施例1~3に示すように、本発明の塵埃抑制処理剤組成物は、上記式(1)で示す再分散沈降率が60%以下、好ましくは50%以下、好適には30%以下であることにより、良好に再分散できることが明らかである。更に、本発明の非溶融流動性のTFE共重合体は、沈降し易い棒状粒子が少ないため、沈降安定性に優れると考えられる。
本発明に用いる非溶融流動性のTFE共重合体は、テトラフルオロエチレン(TFE)と、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エチレン、及びヘキサフルオロプロピレンから選択される少なくとも1種のコモノマーとの非溶融流動性の共重合体であることが好ましい。
本発明に用いる非溶融流動性TFE共重合体は、融点以上の温度において溶融成形性を示さない共重合体であって、ASTM D1238(372℃、荷重5kg)に準拠して、融点より高い温度でMFRを測定できない共重合体であることが好ましい。この様な非溶融流動性のTFE共重合体は、溶融流動性を有し溶融成形が可能なTFE共重合体とは異なる共重合体である。
非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液中の上記コロイド粒子は、累積体積百分率が84%の時の粒径(d84)が250nm以下、好ましくは50~250nm、より好ましくは50~225nmのコロイド粒子であることが望ましい。d84が50nmより小さい場合には、上記範囲にある場合に比して、発塵性物質の塵埃を抑制する効果が低くなるおそれがあり、一方d84が250nmを超える場合には、コロイド粒子の沈降安定性(分散安定性)が低くなるため、好ましくない。
粒径(d84)が250nm以下であることは、粒径(d50)が250nm以下の場合とは異なり、一次粒子に極端に大きなものが無いことを意味し、水性分散液の沈降安定性に優れることを意味している。
発塵性物質への非溶融流動性のTFE共重合体の分散効果を高めるためには、非溶融流動性のTFE共重合体濃度は低いほど好ましく、非溶融流動性のTFE共重合体濃度が高いと沈降安定性(分散安定性)が損なわれるおそれがあるため好ましくない。その一方、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液を輸送する際には、その濃度が高いほど輸送コストが節約できる。従って、本発明の塵埃抑制処理剤組成物中の非溶融流動性のTFE共重合体濃度は、10質量%以上、特に20~80質量%の範囲であることが好ましい。
また、発塵性物質へ混合する際には、塵埃抑制処理剤組成物中の非溶融流動性のTFE共重合体の分散効果を高めるため、非溶融流動性のTFE共重合体濃度が5質量%以下となるように上記塵埃抑制処理剤組成物を水で希釈して使用することも可能である。
非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液中のパーフルオロオクタン酸及びその塩の濃度は、ポリエチレン容器に入れた非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液10mlを-20℃の冷凍庫に入れて凍らせ、非溶融流動性のTFE共重合体を凝集させて水と分離した後、ポリエチレン容器の中身を全てソックスレーの抽出器に移し、約80mlのメタノールで7時間抽出し、メスアップしたサンプル液を液体クロマトグラフで測定することにより算出することが出来る。
例えば、前述した特許文献3及び特許文献4に開示されているように、重合時に重合剤としてパーフルオロオクタン酸及びその塩を使用せず、フルオロモノエーテル酸(C3F7-0-CF(CF3)COOH)のアンモニウム塩及びフルオロポリエーテル酸(C3F7-O-[CF(CF3)CF2]n-CF(CF3)COOH)のアンモニウム塩を用いてTFE共重合体を重合する方法が挙げられる。
本発明の塵埃抑制処理剤組成物を用いた塵埃抑制処理方法は、本発明の塵埃抑制処理剤組成物を発塵性物質と混合し、該混合物に20~200℃、好ましくは50~150℃の温度で圧縮-剪断作用を施し、該組成物中の非溶融流動性のTFE共重合体をフィブリル化することにより、発塵性物質の塵埃の発生を抑制することができる。
すなわち、本発明に用いる特定の非溶融流動性のTFE共重合体は、上記したような適度な条件下で圧縮-剪断作用を施すとクモの巣状にフィブリル化し超微細繊維化するため、本発明の塵埃抑制処理剤組成物を用いて処理された塵埃抑制処理物は、発塵性物質がクモの巣状の微細繊維に捕捉凝集されて塵埃抑制されていると考えられる。
なお、添加量の目安としては、例えば、発塵性粉末状物質に対して塵埃抑制処理剤組成物を非溶融流動性のTFE共重合体樹脂固形分換算で0.001~1.0質量%、好ましくは0.005~0.50質量%の範囲で添加することにより、発塵性粉末状物質から発生する塵埃を抑制することができる。
本発明において各物性の測定は、下記の方法によって行った。
非溶融流動性のTFE共重合体粒子の粒径(d84)、またはTFE重合体粒子の粒径は、マイクロトラックUPA150 Model No.9340(日機装社製)を用いて測定した。
ASTM D-4894により測定した。
乳化重合により得られる非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液を、純水を用いて15質量%濃度に調整した。その後ポリエチレン容器(500ml容量)に上記濃度に調整された非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液を約750ml入れ、手で激しく振蕩して固形分を凝集させ分離した。分離した固形分を150℃で2時間乾燥した。乾燥した固形分(樹脂粉末)12.0gを直径2.85cmの円筒形型中に入れてならし、30秒後に最終圧力が350kg/cm2となるよう圧力を次第に増加し、350kg/cm2の最終圧力で2分間保持した。このようにして得られた予備成形体(1サンプルに対して2個作成)を空気炉中で290℃から2℃/minで380℃まで昇温して380℃にて30分間保持、1℃/minで294℃まで降温、294℃で1分間保持した後、空気炉中から取り出し室温(23±1℃)で冷却して標準試料とした。室温(23±1℃)における同体積の水の質量に対する標準試料の質量比を標準比重とした。この場合、2個の試料の標準比重の平均値を求めて標準比重とした。
この標準比重は平均分子量の目安となり、一般に標準比重が低い程分子量は大きい。
上記[2]と同一の方法にて、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液から得られた乾燥した固形分(樹脂粉末)0.8±0.050gを直径2.85cmの円筒形型中に入れアルミ箔の間でならし、30秒後に最終圧力が496kg/cm2になるように圧力を次第に増加し、この最終圧力をかけたまま2分間保ち、測定用の試料を得た。同様にPFBE含有量(質量%)が既知の樹脂粉末(PFBE含有量が0質量%と0.03質量%の2点)についても測定試料を作成した。これらの試料の赤外線スペクトルを測定し、以下の式(3)により吸光度比Xを求めた。
吸光度比X=(C-B)/(A-B)・・・(3)
A:936cm-1ピーク高さ(吸光度)
B:887cm-1ピーク高さ(吸光度)
C:875cm-1ピーク高さ(吸光度)
PFBE含有量(質量%)が既知の試料2点のPFBE含有量(質量%)と吸光度比Xから検量線を作成し、当該試料の吸光度比Xから当該試料のPFBE含有量(質量%)を求めた。
上記[2]と同一の方法にて、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液から得られた乾燥した固形分(樹脂粉末)1.75±0.005gを直径2.85cmの円筒形型中に入れアルミ箔の間でならし、30秒間圧力をかけて次第に増加させて最後の圧力が1470kg/cm2になるようにし、この最終圧力をかけたまま2分間保ち、測定用の試料1を得た。同様にPPVEの含有量(質量%)が既知の樹脂粉末(PPVE含有量が0質量%と0.75質量%の2点)についても測定試料を作成した。これらの試料の赤外線スペクトルを測定し、以下の式(4)、(5)により吸光度比および吸光度比X1を求めた。
吸光度比X1=(試料1の吸光度比/既知の樹脂粉末の吸光度比)×
0.75・・・(4)
吸光度比=B1/A1・・・(5)
A1:936cm-1ピーク高さ(吸光度)
B1:994cm-1ピーク高さ(吸光度)
PPVE含有量(質量%)が既知の試料2点のPPVE含有量(質量%)と吸光度比X1から検量線を作成し、当該試料の吸光度比X1から当該試料のPPVE含有量(質量%)を求めた。
上記[2]と同一の方法にて、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液から得られた乾燥した固形分(樹脂粉末)のサンプル1.75±0.005gを直径2.85cmの円筒形型中に入れアルミ箔の間でならし、30秒間圧力をかけて次第に増加させて最後の圧力が1470kg/cm2になるようにし、この最終圧力をかけたまま2分間保ち、測定用の試料を得た。同様にHFP含有量(質量%)が既知の樹脂粉末(HFP含有量が0.06質量%、0.08質量%、0.12質量%の3点)についても測定試料を作成する。これらの試料の赤外線スペクトルを測定し、以下の式(6),(7)により吸光度比および吸光度比X2を求めた。
吸光度比X2=(試料の吸光度比/既知試料の吸光度比)×0.42
・・・(6)
吸光度比=B2/A2・・・(7)
A2:936cm-1ピーク高さ(吸光度)
B2:983cm-1ピーク高さ(吸光度)
HFP含有量(質量%)が既知の試料3点のHFP含有量(質量%)と吸光度比X2から検量線を作成し、当該試料の吸光度比X2から当該試料のHFP含有量(質量%)を求めた。
6g未満の非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液を、風袋質量計量済みのアルミ皿に計り取り、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液の質量(乾燥前質量)を計量(小数点以下4桁まで計量)した。その後、105℃の乾燥機中で2時間静置し水分を除去し、380℃の恒温オープンで20分間焼成し室温まで冷却した後、その質量(乾燥後質量)を計量し、下記式(8)にて固形分質量%を算出した。
固形分質量%=[(乾燥後質量-アルミ皿の風袋質量)/乾燥前質量]×
100・・・(8)
上記[2]と同一の方法にて、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液、またはTFE重合体水性分散液から得られた乾燥した固形分(樹脂粉末)を、測定用スーパークリーンアルミニウム製サンプルパン(株式会社パーキンエルマージャパン製)に10.0±0.3mg入れた後カバーを乗せ、標準クリンパープレスを用いて密閉し測定用サンプルを作成した。その測定用サンプルを入力補償型示差走査熱量測定装置Diamond DSC(株式会社パーキンエルマージャパン製)を用い、空のスーパークリーンアルミニウム製サンプルパンを基準物質とし、200℃から370℃まで10℃毎分で昇温しながら熱量を測定した。測定の結果、観測された吸熱ピークが最大となる点の温度を測定用サンプル(樹脂粉末)の融点とした。
表1に示す組成の非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液またはTFE重合体水性分散液15gを、遠沈管(コーニング株式会社製、15ml遠沈管)に入れ、遠心分離機(クボタ株式会社製、テーブルトップ冷却遠心機5500、アングルローター RA508)を用い、温度20℃、回転数3000rpmにて30分間遠心分離を行った。遠心分離後の遠沈管から遠沈管の底に沈降した固形分以外(液部分:上澄み及び沈降していない固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分間静置し液部分を更に除去して、その質量(遠沈管の質量と遠沈管の底に沈降した固形分質量の合計)を測定し、そこから遠沈管の質量を減じた質量を固形分沈降量として、下記式(10)から固形分沈降割合、及び下記式(9)から沈降率を算出した。
式中、
X0:比較例1に示すTFE重合体水性分散液15gを、温度20℃、回
転速度3000rpmにて30分間、遠心分離機により遠心分離し
た後、遠沈管の底に沈降した固形分以外(液部分:上澄み及び沈降
していない固形分)を除去した際の下記式(10)で示される固形
分沈降割合(%)である。
X1:実施例に示す非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液15gを、
温度20℃、回転速度3000rpmにて30分間、遠心分離機に
より遠心分離した後、遠沈管の底に沈降した固形分以外(液部分:
上澄み及び沈降していない固形分)を除去した際の下記式(10)
で示される固形分沈降割合(%)である
固形分沈降割合(%)
=(固形分沈降量)/(遠心分離前の固形分質量)×100・・・(10)
上記[6]において液部分を除去した遠沈管の質量を測定し、該遠沈管に10gの純水を加え、遠沈管の底に沈降した固形分を、38kHzにて1分間超音波分散した後、遠沈管の底に沈降した固形分以外(液部分及び再分散した固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分間静置し液部分を更に除去して、その重量(遠沈管の質量と遠沈管の底に沈降した固形分質量の合計)を測定し、そこから遠沈管の質量を減じた質量を再分散後の固形分沈降量として、下記式(2’)から再分散後の固形分沈降割合、及び下記式(1’)から再分散沈降率を算出した。
式中、
X2:比較例1に示すTFE重合体の水性分散液15gを、温度20℃、
回転速度3000rpmにて30分間、遠心分離機により遠心分離
した後、再分散させた際の下記式(2’)で示される固形分沈降割
合(%)である。
X3:実施例に示す非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液15gを、
温度20℃、回転速度3000rpmにて30分間、遠心分離機に
より遠心分離した後、再分散させた際の下記式(2’)で示される
固形分沈降割合(%)である。
再分散後の固形分沈降割合(%)
=(再分散後の固形分沈降量)/(遠心分離前の固形分質量)×100
・・・(2’)
表2に示すように、15gの非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液またはTFE重合体水性分散液を遠沈管に入れ、遠沈管の口を閉じた後に、30日間及び60日間、90日間、各々室温にて静置した。30日間または60日間、90日間静置後、遠沈管の口を開け、沈降している固形分以外(液部分:上澄み及び沈降していない固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分間静置し液部分を更に除去して、その質量(遠沈管の質量と遠沈管の底に沈降した固形分質量の合計)を測定し、そこから遠沈管の質量を減じた質量を静置後の固形分沈降量として、下記式(12)から固形分沈降割合、及び下記式(11)から沈降率を算出した。
式中、
X4:比較例1に示すTFE重合体水性分散液15gを、遠沈管の口を閉
じた後に、30日間及び60日間、90日間、各々室温にて静置し
た後、沈降している固形分以外(液部分:上澄み及び沈降していな
い固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分間静置し液部分
を更に除去した際の下記式(12)で示される固形分沈降割合(%
)である。
X5:実施例に示す非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液15gを、
遠沈管の口を閉じた後に、30日間及び60日間、90日間、各々
室温にて静置した後、沈降している固形分以外(液部分:上澄み及
び沈降していない固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分
間静置し液部分を更に除去した後、静置後の固形分沈降量(質量)
を測定し、下記式(12)で示される固形分沈降割合(%)である
。
固形分沈降割合(%)
=(静置後の固形分沈降量)/(静置前の固形分質量)×100
・・・(12)
上記[8]において静置した試験管の質量を測定し、該遠沈管に10gの純水を加え、遠沈管の底に沈降した固形分を、38kHzにて1分間超音波分散した後、遠沈管の底に沈降した固形分以外(液部分及び再分散した固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分間静置し液部分を更に除去して、その質量(遠沈管の質量と遠沈管の底に沈降した固形分量の合計)を測定し、そこから遠沈管の質量を減じた質量を再分散後の固形分沈降量として、下記式(14)から再分散固形分沈降割合、及び下記式(13)から再分散沈降率を算出した。
式中、
X6:比較例1に示すTFE重合体水性分散液15gを、遠沈管の口を閉
じた後に、30日間及び60日間、90日間、各々室温にて静置し
た後、沈降している固形分以外(液部分:上澄み及び沈降していな
い固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分間静置し液部分
を更に除去した後、再分散させた際の下記式(14)で示される固
形分沈降割合(%)である。
X7:実施例に示す非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液15gを、
遠沈管の口を閉じた後に、30日間及び60日間、90日間、各々
室温にて静置した後、沈降している固形分以外(液部分:上澄み及
び沈降していない固形分)を除去し、遠沈管を逆さの状態で30分
間静置し液部分を更に除去した後、再分散させた際の下記式(14
)で示される固形分沈降割合(%)である。
再分散後の固形分沈降割合(%)
=(再分散後の固形分沈降量)/(遠心分離前の固形分質量)×100
・・・(14)
内径39cm、高さ59cmの円筒容器の頂部投入口より試料(塵埃抑制処理物)200gを自然落下させ、底面より高さ45cmの位置の容器内の浮遊粉塵量(相対濃度(CPM:Count per Minute)を散乱光式デジタル粉塵計により測定した。
浮遊粉塵量の測定は、試料投入後1分間の計測を連続5回行い、試料投入前の測定値(ダークカウント)を差し引いた値の幾何平均値x(CPM)を当該試料の「落下発塵量」とした。幾何平均値xは下記式(15)により求めた。
Log x=(1/5)×Σlog(xi‐d)・・・(15)
式中、xi:個々の浮遊粉塵量、d:ダークカウントである。
この落下発塵量(CPM)が50以下である場合には、防塵性能がより優れているため更に好ましい。
(非溶融流動性のTFE共重合体の重合)
攪拌翼及び温度調節用ジャケットを備えた、内容量が4リットルのステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブに、パラフィンワックスを60g、脱イオン水を2087 ml、フルオロモノエーテル酸(式C3F7-0-CF(CF3)COOH)のアンモニウム塩を12.03g、フルオロポリエーテル酸(C3F7-O-[CF(CF3)CF2]n-CF(CF3)COOH)のアンモニウム塩を1.0g、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを0.01g仕込み、80℃に加温しながら窒素ガスで3回系内を置換し酸素を除いた後、真空引きを行った。その後、PFBEを4.4g、フルオロモノエーテル酸のアンモニウム塩を0.2g、及び脱イオン水を199.8ml仕込んだ後、テトラフルオロエチレン(TFE)を供給して、内圧を1.90-1.98MPaにし、110rpmで攪拌しながら、内温を80℃に保った。
PFBEを表1に示す量とした以外は実施例1と同様にして、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液を得た。得られた非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液について、累積体積百分率84%における粒径(d84)、SSG、PFBE含有量、固形分質量、融点、並びにパーフルオロオクタン酸及びその塩の量を測定した。また、遠心分離沈降試験、遠心分離沈降再分散試験を行った。結果を表1及び図1に示す。
TFE重合体水性分散液(テフロン(登録商標)PTFEディスパージョン 312-JR、三井・ケマーズ フロロプロダクツ株式会社製)について、累積体積百分率84%における粒径(d84)、SSG、PFBE含有量、固形分質量、並びにパーフルオロオクタン酸及びその塩の量を測定した。また、遠心分離沈降試験、遠心分離沈降再分散試験を行った。また、実施例1と同様にして物性分析した。結果を表1及び図1に示す。
(実施例4、比較例2)
CaOを95.7%及びMgOを1.6%含有する粉末生石灰(2.0mmの標準網フルイを全通、1.0mmの標準網フルイ残分17.3%、600μmの標準網フルイ残分18.9%、300μmの標準網フルイ残分18.1%、150μmの標準網フルイ残分14.1%、150μmの標準網フルイ通過分31.6%の粉末生石灰)1,000gを容積5リットルの小型ソイルミキサーに投入し、回転数140rpmで攪拌しながら、実施例2または比較例1で調製した非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液またはTFE重合体水性分散液を固形分質量換算で0.05g(生石灰に対し非溶融流動性のTFE共重合体またはTFE重合体の固形分質量で0.005質量%)に相当する質量を秤量し、非溶融流動性TFE共重合体水性分散液またはTFE重合体水性分散液に含まれる水分と水との合計が100gになるように水で希釈して、該組成物を分散させた分散液を徐々に投入した。
投入開始より約1分後には生石灰の水和反応熱による水蒸気を発生し始め、その後約2分で水分のすべてが生石灰の水和による消石灰の生成のため使用され尽くし、水蒸気の発生が無くなった。攪拌開始より3分後にミキサーの攪拌を止めた。このときの温度を温度計で計測すると107℃であった。この塵埃抑制処理された生石灰は、水和反応により新たに生成した消石灰約30%を含む生石灰と消石灰の混合物であった。得られた塵埃抑制
処理物について落下発塵試験を行った。結果を表3に示す。
実施例2または比較例1で調製した非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液またはTFE重合体水性分散液を、表3に示す添加量(発塵性物質に対する固形分質量%)に相当する質量を秤量し、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液またはTFE重合体水性分散液に含まれる水分と水との合計が100gになるように水で希釈した分散液を使用した以外は、実施例4と同様にして塵埃抑制処理された生石灰と消石灰の混合物を得た。得られた塵埃抑制処理物の落下発塵試験を行った。結果を表3に示す。
非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液またはTFE重合体水性分散液を使用せず、水100gを用いた以外は、実施例4と同様にして得られた生石灰と消石灰の混合物の落下発塵試験を行った。結果を表3に示す。
(非溶融流動性のTFE共重合体の重合)
攪拌翼及び温度調節用ジャケットを備えた、内容量が4リットルのステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブに、パラフィンワックスを60g、脱イオン水を2087 ml、フルオロモノエーテル酸(式C3F7-0-CF(CF3)COOH)のアンモニウム塩を12.03g、フルオロポリエーテル酸(C3F7-O-[CF(CF3)CF2]n-CF(CF3)COOH)のアンモニウム塩を1.0g、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを0.01g仕込み、80℃に加温しながら窒素ガスで3回系内を置換し酸素を除いた後、真空引きを行った。その後、コモノマー(HFPまたはPPVE)を、表4に記載する量ポンプで注入した。その後、テトラフルオロエチレン(TFE)を供給して、内圧を1.90-1.98MPaにし、110rpmで攪拌しながら、内温を80℃に保った。
下記に示す発塵性物質、及び実施例7~13で調製した非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液を表5又は表6に示す添加量(発塵性物質に対する固形分質量%)に相当する質量を秤量し、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液に含まれる水分と水との合計が100gになるように水で希釈した分散液を使用し、下記の方法にて塵埃抑制処理物を得た。得られた塵埃抑制処理物の落下発塵試験を行った。結果を表5又は表6に示す。
下記に示す発塵性物質、及び実施例7~13で調製した非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液を表5又は表6に示す添加量(発塵性物質に対する固形分質量%)に相当する質量を秤量し、非溶融流動性のTFE共重合体水性分散液に含まれる水分と水との合計が35gになるように水で希釈した分散液を使用し、下記の方法にて塵埃抑制処理物を得た。得られた塵埃抑制処理物の落下発塵試験を行った。結果を表5又は表6に示す。
・粉末生石灰(CaOを96.0%及びMgOを0.9%含有)
(2.0mmの標準網フルイを全通、1.0mmの標準網フルイ残分0.18%、600μmの標準網フルイ残分2.48%、300μmの標準網フルイ残分20.44%、150μmの標準網フルイ残分20.58%、150μmの標準網フルイ通過分56.32%の粉末生石灰)
粉末生石灰の防塵処理(実施例14、15、21、23、24、29、30、32~35):
粉末生石灰1000gをモルタルミキサの容器に秤量し、容器をモルタルミキサにセットして低速で攪拌し、上記の水で希釈した分散液(表5に示す添加量に相当する非溶融流動性のTFE共重合体の質量+水100g)をモルタルミキサ内に投入し、攪拌開始より3分後にミキサーの攪拌を止めた。その後、モルタルミキサ内の生石灰をホーロートレイに移し、約5分間放冷して塵埃抑制処理物を得た。
(2.0mmの標準網フルイを全通、1.0mmの標準網フルイを全通、600μmの標準網フルイを全通、300μmの標準網フルイを全通、150μmの標準網フルイ残分0.22%、150μmの標準網フルイ通過分99.78%の普通ポルトランドセメント)
普通ポルトランドセメント(以下、セメントという)と前記粉末生石灰の9:1混合物の防塵処理(実施例16、22、25、31):
セメントを450g×2秤量し、ホーロー製トレイに敷均して、105℃で1昼夜加温した。粉末生石灰100gをモルタルミキサの容器に秤量し、上記の水で希釈した分散液(表5又は表6に示す添加量に相当する非溶融流動性のTFE共重合体の質量+水35g)をモルタルミキサ内に投入し、低速で1分間攪拌し材料Aを得た。得られた材料Aに、105℃に加温したセメント450gを加え、更に1分間攪拌して材料Bを得た。得られた材料Bに105℃に加温したセメント450gを加え、モルタルミキサで3分間攪拌して塵埃抑制処理物を得た。
(2.0mmの標準網フルイを全通、1.0mmの標準網フルイを全通、600μmの標準網フルイ残分0.13%、300μmの標準網フルイ残分0.22%、150μmの標準網フルイ残分11.33%、150μmの標準網フルイ通過分88.31%の無水石膏)
無水石膏の防塵処理(実施例17,26):
無水石膏を500g×2秤量し、ホーロー製トレイに敷均して、105℃で1昼夜加温した。加温した無水石膏500gをモルタルミキサの容器に秤量し、上記の水で希釈した分散液(表5又は表6に示す添加量に相当する非溶融流動性のTFE共重合体の質量+水35g)をモルタルミキサ内に投入し低速で1分間攪拌し、更に105℃に加温した無水石膏500gを加え3分間攪拌した後、ホーロー製トレイに敷き均し、105℃で1時間加温して混合物を得た。該混合物約1kgを乳鉢に入れ乳棒で9分間攪拌して塵埃抑制処理物を得た。
(2.0mmの標準網フルイを全通、1.0mmの標準網フルイを全通、600μmの標準網フルイ残分0.02%、300μmの標準網フルイ残分0.06%、150μmの標準網フルイ残分0.31%、150μmの標準網フルイ通過分99.61%の高炉水砕スラグ)
高炉水砕スラグ微粉末スラグの防塵処理(実施例18,27):
高炉水砕スラグ微粉末スラグを用いた以外は前記無水石膏の防塵処理と同様にして、塵埃抑制処理物を得た。
(2.0mmの標準網フルイを全通、1.0mmの標準網フルイ残分0.06%、600μmの標準網フルイ残分0.50%、300μmの標準網フルイ残分3.44%、150μmの標準網フルイ残分8.20%、150μmの標準網フルイ通過分87.79%のドロマイト)
ドロマイトの防塵処理(実施例19,28):
ドロマイトを500g×2秤量し、ホーロー製トレイに敷均して、105℃で1昼夜加温した。加温したドロマイト500gをモルタルミキサの容器に秤量し、上記の水で希釈した分散液(表5又は表6に示す添加量に相当する非溶融流動性のTFE共重合体の質量+水35g)をモルタルミキサ内に投入し低速で1分間攪拌し、更に105℃に加温したドロマイト500gを加え3分間攪拌した後、ホーロー製トレイに敷き均し、105℃で1時間加温して混合物を得た。該混合物約1kgをモルタルミキサに入れ3分間攪拌して塵埃抑制処理物を得た。
(2.0mmの標準網フルイを全通、1.0mmの標準網フルイを全通、600μmの標準網フルイを全通、300μmの標準網フルイ残分0.02%、150μmの標準網フルイ残分33.03%、150μmの標準網フルイ通過分66.95%の亜炭粉末)
亜炭粉末の防塵処理(実施例20):
亜炭粉末(吸湿性を有する発塵性粉体)を500g秤量し、ホーロー製トレイに敷均して、105℃で1昼夜加温した。実施例7の水性分散液の固形分が15%になるよう純水を添加し、攪拌機をセットした造粒槽に投入した後、600~700rpmにて粉末が析出するまで攪拌し、析出後更に3~5分間攪拌を継続し、析出した粉末をメッシュで回収し水分と分離した後、150℃のオーブンにて2~15時間水分が無くなるまで乾燥し室温まで放冷して、実施例7の水性分散液からなる粉末を得た。得られた該粉末5gと加温んした亜炭粉末の約1/4を、乳鉢に入れた後、乳棒でゆっくりと混合した。更に亜炭粉末を1/4ずつ3回に分けて加えながら混合した後、ホーロー製トレイに敷き均し、105℃で1時間加温して混合物を得た。該混合物約500gを乳鉢に入れ、非溶融流動性のTFE共重合体が十分にフィブリル化するまで乳棒で混合し、塵埃抑制処理物を得た。
Claims (10)
- 非溶融流動性のテトラフルオロエチレン共重合体の水性分散液から成り、下記式にて示される共重合体の再分散沈降率が60%以下であり、前記水性分散液中のパーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が10ppb未満であり、前記共重合体の累積体積百分率が84%の時の粒径(d84)が50~250nmであり、前記非溶融流動性のテトラフルオロエチレン共重合体が、テトラフルオロエチレンと、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エチレン及びヘキサフルオロプロピレンから選択される少なくとも1種のコモノマーとの非溶融流動性の共重合体であることを特徴とする発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
再分散沈降率(%)=X3/X2×100
式中、
X2:前記共重合体と同濃度のテトラフルオロエチレン重合体の水性分散液15gを、温度20℃、回転速度3000rpmにて30分間、遠心分離機により遠心分離した後、再分散させた際の、下記式にて示される再分散後の固形分沈降割合(%)
X3:前記共重合体の水性分散液15gを、温度20℃、回転速度3000rpmにて30分間、遠心分離機により遠心分離した後、再分散させた際の、下記式にて示される再分散後の固形分沈降割合(%)
再分散後の固形分沈降割合(%)
=(再分散後の固形分沈降量)/(遠心分離前の固形分質量)×100 - 前記パーフルオロオクタン酸及びその塩の前記水性分散液中の含有量が、5ppb未満である請求項1に記載の発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
- 前記(パーフルオロアルキル)エチレン中のパーフルオロアルキル基が、炭素数1~10のパーフルオロアルキル基である請求項1または2記載の塵埃抑制処理剤組成物。
- 前記(パーフルオロアルキル)エチレンが、(パーフルオロエチル)エチレン、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン、及び(パーフルオロオクチル)エチレンから選択される少なくとも1種である請求項1または2記載の発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
- 前記コモノマーが、テトラフルオロエチレンに対し0.01~1.00質量%の量で含有されている請求項1または2に記載の発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
- 前記コモノマーが、テトラフルオロエチレンに対し0.01~0.50質量%の量で含有されている請求項1または2に記載の発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
- 前記共重合体が、塵埃抑制処理剤組成物中に10~80質量%の濃度で含有されている請求項1または2に記載の発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
- 前記共重合体の比重(SSG)が、2.27以下である請求項1または2に記載の発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
- 前記発塵性物質が、発塵性粉末状物質である請求項1または2に記載の発塵性物質の塵埃抑制処理剤組成物。
- 請求項1記載の塵埃抑制処理剤組成物を造粒後、乾燥して得られる粉末からなる発塵性物質の塵埃抑制処理剤粉末。
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