JP7764838B2 - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置

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Description

本発明は、成膜装置に関し、特に固相電析法に適した成膜装置に関する。
固相電析法に適した成膜装置として、例えば下記特許文献1に記載されたように、陽極と陰極である基材との間に配置される電解質膜と、陽極及びめっき液を収容し、基材側に開口した開口部を電解質膜で覆った収容体と、陽極と基材との間に電圧を印加する電源部とを備え、電圧の印加によりめっき液中の金属イオンに由来した金属皮膜を基材の表面に成膜するものが知られている。
特開2016-169399号公報
しかし、上述の成膜装置では、電解質膜の面積が一定である場合、複数の基材に対して同時に成膜処理を行うことができないので、生産性の向上を図り難い問題があった。一方、電解質膜の面積を拡大する場合は、成膜時に電解質膜と基材との均一接触を確保し難くなる問題が新たに生じてしまう。すなわち、電解質膜の面積拡大には制約がある。
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、生産性を向上できる成膜装置を提供することを目的とする。
本発明に係る成膜装置は、板状の陽極と、前記陽極と陰極である基材との間に配置される電解質膜と、めっき液を収容する収容体と、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源部とを備え、前記電解質膜が前記基材と接触した状態で、前記電圧の印加により前記めっき液中の金属イオンに由来した金属皮膜を前記基材の表面に成膜する成膜装置であって、前記陽極と前記陽極を挟むように該陽極の両側に配置された一対の前記電解質膜とからなる第1ユニットを少なくとも一つ有することを特徴とする。
本発明に係る成膜装置では、陽極と陽極を挟むように該陽極の両側に配置された一対の電解質膜とからなる第1ユニットを少なくとも一つ有するので、一つの第1ユニットを挟むように該第1ユニットの両側に2個の基材を配置することができる。これによって、陽極の両面を活用し、2個の基材に対し同時に片面成膜を行うことができる。その結果、単位時間あたりの生産量を倍増することができ、生産性を向上することが可能になる。
本発明に係る成膜装置において、前記第1ユニットの両側には、前記陽極と前記陽極の片側に配置された前記電解質膜とからなる第2ユニットがそれぞれ設けられ、前記第2ユニットは、その電解質膜が前記第1ユニットの電解質膜と隣接するように前記第1ユニットと対向して配置されていることが好ましい。このようにすれば、第2ユニットの電解質膜と第1ユニットの電解質膜との間に基材を配置することができ、すなわち基材の両面にそれぞれ電解質膜を配置することができる。その結果、複数の基材に対して同時且つ両面成膜を行うことが可能になるので、生産性の向上を更に高めることができる。
本発明に係る成膜装置において、前記第1ユニットは、複数であり、一対の前記第2ユニットの間に積層されていることが好ましい。このようにすれば、隣接する第1ユニットの電解質膜同士の間に基材を配置することができ、すなわち基材の両面にそれぞれ電解質膜を配置することができる。これによって、同時且つ両面成膜を行える基材を更に増やすことができるので、生産性の大幅な向上を期待することができる。
本発明によれば、生産性を向上することができる。
第1実施形態に係る成膜装置を示す概略断面図である。 収容体を開いた状態を示す概略断面図である。 第2実施形態に係る成膜装置を示す概略断面図である。 収容体を開いた状態を示す概略断面図である。 搬送フォークで基材を配置する様子を示す概略断面図である。 基材が配置された状態を示す概略断面図である。 収容体を閉じた状態を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る成膜装置の実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複説明を省略する。また、以下の説明において、上下や左右の各方向は、図面に表示された状態に対応する便宜的な方向であって、成膜装置の姿勢や配置を限定するものではない。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態の成膜装置1は、固相電析法を用いて基材12の表面に金属皮膜を形成する(言い換えれば、皮膜する)ためのめっき装置である。この成膜装置1は、板状の陽極11と、陽極11と基材12との間に配置された電解質膜13と、基材12及びめっき液S等を収容する収容体14と、陽極11と基材12との間に電圧を印加する電源部15と、を備えている。
陽極11は、金属材料により平板状に形成され、上下両面が収容体14内に充填されるめっき液Sと接触できる状態で収容体14の内部に架設されている。より具体的には、陽極11は、その上面及び下面が共に収容体14内に充填されるめっき液Sと接触できるように、電極支持体16を介して収容体14の中央部に横架されている。電極支持体16は、めっき液Sに対して不溶性を有し、且つ導電性を有する金属材料により形成され、収容体14の周壁に固定される固定端と、電解質膜13の周縁部を保持する保持端とを有する。また、収容体14内に充填されるめっき液Sの上下方向の行き来もできるように、電極支持体16は、網状又は複数の貫通孔を有するように形成されている。
電極支持体16は、導線を介して電源部15の正極と電気的に接続されている。従って、電極支持体16に支持された陽極11は、該電極支持体16及び導線を介して電源部15の正極と電気的に接続されることになる。なお、陽極11は、基材12に形成される金属皮膜と同じ材料(例えば銅)からなる可溶性の陽極、又は、めっき液Sに対して不溶性を有する材料(例えばチタン)からなる陽極のいずれであってもよい。
電解質膜13は、いわゆる固体電解質膜であり、一定の可撓性を有する。電解質膜13は、収容体14に収容されためっき液Sに接触させることにより、めっき液Sに含まれた金属イオンをその内部に含浸(含有)する。そして、電圧が印加されたときに、電解質膜13と接触する陰極(基材12)の表面に金属イオン由来の金属を析出する。
電解質膜13の厚みは、例えば5~200μmである。電解質膜13の材料としては、例えばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、AGC社製のセレミオン(CMV、CMD、CMFシリーズ)などのイオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
図1に示すように、本実施形態では、電解質膜13は、2つである。これらの2つの電解質膜13は、陽極11を挟むように陽極11の上下両側に配置されている。より具体的には、2つの電解質膜13のうち、陽極11の上側に配置された上側電解質膜13は、陽極11との間にめっき液Sを収容する空間が形成されるように、陽極11と対向した状態で収容体14に取り付けられている。同様に、陽極11の下側に配置された下側電解質膜13は、陽極11との間にめっき液Sを収容する空間が形成されるように、陽極11と対向した状態で収容体14に取り付けられている。
そして、陽極11と、陽極11の両側に配置された一対の電解質膜13(すなわち、上側電解質膜13及び下側電解質膜13)は、第1ユニット10を構成する。本実施形態の成膜装置1は、このような第1ユニット10を1つ有する。
基材12は例えば板状部材である。基材12の材料として、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、鉄などの金属材料からなってもよく、樹脂、セラミックスなどの表面に上述した金属からなる金属層が被覆されていてもよい。本実施形態では、基材12は2つである。そのうちの一つ(上側基材12)は上側電解質膜13と接触した状態で該上側電解質膜13の上方に配置され、もう一つ(下側基材12)は下側電解質膜13と接触した状態で該下側電解質膜13の下方に配置されている。
上側基材12は、収容体14の天板に取り付けられた基材ホルダ17に保持されている。より具体的には、上側基材12は、例えば真空吸着で基材ホルダ17に固定されており、該基材ホルダ17及び導線を介して電源部15の負極と電気的に接続されている。下側基材12は、収容体14の底板に取り付けられた基材ホルダ17に保持されている。より具体的には、下側基材12は、例えば真空吸着で基材ホルダ17に固定されており、該基材ホルダ17及び導線を介して電源部15の負極と電気的に接続されている。
基材ホルダ17は、例えば導電性を有する材料によって平板状に形成されている。基材ホルダ17で基材12を保持する方法としては、上述の真空吸着のほか、上下方向に分離可能な2つの枠体を用いて基材12の周縁部を挟持する方法も挙げられる。そして、収容体14の天板に取り付けられた基材ホルダ17と、収容体14の底板に取り付けられた基材ホルダ17とは、導線を介して電源部15と並列接続されている。
収容体14は、めっき液に対して不溶性の材料により形成されており、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143を有する。図2に示すように、下側収容体141は、例えば有底筒状を呈しており、収容体14の底板に取り付けられた基材ホルダ17と、該基材ホルダ17に保持された下側基材12を収容する。上側収容体143は、例えば有頂筒状を呈しており、収容体14の天板に取り付けられた基材ホルダ17と、該基材ホルダ17に保持された上側基材12を収容する。
中間収容体142は、下側収容体141と上側収容体143との間に配置され、筒状を呈しており、陽極11、2つの電解質膜13及びめっき液Sを収容する。中間収容体142の中央部には、陽極11が電極支持体16を介して横架されている。上側電解質膜13は、中間収容体142の上端開口を塞ぐように中間収容体142の上端部に取り付けられている。下側電解質膜13は、中間収容体142の下端開口を塞ぐように中間収容体142の下端部に取り付けられている。
また、中間収容体142には、めっき液Sが供給される供給口142aと、めっき液Sが排出される排出口142bとが設けられている。上下方向において、供給口142aは中間収容体142に配置された陽極11の下方に位置し、排出口142bは陽極11の上方に位置している。供給口142aおよび排出口142bは、配管を介してタンク(図示せず)に接続されている。タンクから送液ポンプ(図示せず)によって送り出されためっき液Sは、供給口142aから収容体14の内部に流入し、網状又は複数の貫通孔を有する電極支持体16を通り抜け、排出口142bから排出されてタンクに戻る。排出口142bの下流側には圧力調整弁(図示せず)が更に設けられることが好ましい。このようにすれば、圧力調整弁および送液ポンプにより収容体14内のめっき液Sを所定の圧力で加圧することが可能である。
下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143は、それぞれ昇降装置によって昇降できるように形成されている。昇降装置は、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143を昇降させることができるものであればよく、例えば、油圧式または空圧式のシリンダ、電動式のアクチュエータ、リニアガイドおよびモータ、伸縮構造等によって構成されている。
本実施形態において、昇降装置は、例えば収容体14の左右両側に立設された一対のガイドレール18と、ガイドレール18が挿通されるとともにガイドレール18に沿ってスライド自在な複数のスライドブロック19とを有するリニアガイドである。スライドブロック19は、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143の左右両側にそれぞれ配置され、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143の外壁に固定されている。
このような構造を有するリニアガイドを用いることで、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143をそれぞれ昇降させることができる。例えば成膜後であって収容体14内のめっき液Sを排出した後に、上側収容体143及び中間収容体142を順次昇降させることで、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143をそれぞれ離間させ、収容体14を開くことができる(図2参照)。従って、成膜された基材12をそれぞれ取り外し、新しい基材12(すなわち、これから成膜しようとする基材12)を取り付けることができる。
なお、収容体14を開く際に、例えば中間収容体142を動かさずに、下側収容体141を下降させ、上側収容体143を上昇させることで、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143を離間させることもできる。更に、上側収容体143を動かさずに、下側収容体141及び中間収容体142を順次下降させることで、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143を離間させることもできる。
本実施形態の成膜装置1では、陽極11と陽極11を挟むように該陽極11の両側に配置された一対の電解質膜13とからなる第1ユニット10を有するので、第1ユニット10を挟むように該第1ユニット10の上下両側に2個の基材12を配置することで、陽極11の両面を活用し、2個の基材12に対して同時に片面成膜を行うことができる。これによって、単位時間あたりの生産量を倍増することができるので、生産性を向上することが可能になる。
以下、本実施形態の成膜装置1を用いた成膜方法を簡単に説明する。
初めに、ガイドレール18及びスライドブロック19を有する昇降装置を利用し、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143をそれぞれ離間させることで、収容体14を開く。続いて、下側収容体141の基材ホルダ17及び上側収容体143の基材ホルダ17に基材12をそれぞれ固定する。続いて、ガイドレール18及びスライドブロック19を有する昇降装置を利用し、下側収容体141、中間収容体142及び上側収容体143を接近させることで収容体14を閉じる。収容体14を閉じると、上側電解質膜13は上側基材12の下面と、下側電解質膜13は下側基材12の上面とそれぞれ接触する。
続いて、送液ポンプを駆動してタンクに貯留されためっき液Sを収容体14に送る。これによって、タンクに貯留されためっき液Sは、中間収容体142の供給口142aから中間収容体142の内部に流入する。そして、めっき液Sの液圧を受け、上側電解質膜13は上側基材12、下側電解質膜13は下側基材12をそれぞれ押圧する。
続いて、電源部15を用いて、陽極11と陰極である基材12との間に電圧を印加する。電圧が印加されると、電解質膜13から金属イオン由来の金属が析出し、上側基材12の下面及び下側基材12の上面に金属皮膜がそれぞれ形成される。所望の膜厚の金属皮膜が形成されると、電圧印加を終了し、排出口142bから中間収容体142の内部に圧縮空気を供給し、中間収容体142に収容されためっき液Sを供給口142aから排出する。
続いて、上述したように収容体14を開き、成膜後の基材12を取り外す。そして、両面成膜を要する場合は取り外した基材12を反転させて基材ホルダ17に固定し、両面成膜を要しない場合は新しい基材12を基材ホルダ17に固定する。その後、上述の手順を繰り返し行う。
[第2実施形態]
以下、図3~図7を基に成膜装置の第2実施形態を説明する。本実施形態の成膜装置1Aは、複数(3つ)の第1ユニット10が積層される点、及び、積層された複数の第1ユニット10の両側に第2ユニット20が更に配置される点において、上述の第1実施形態と相違している。以下では、その相違点のみを説明する。
図3に示すように、本実施形態の成膜装置1Aは、上下方向に沿って積層された3つの第1ユニット10と、積層された3つの第1ユニット10の上側及び下側にそれぞれ配置された第2ユニット20とを備えている。第2ユニット20は、陽極11と該陽極11の片側に配置された電解質膜13とからなる。
より具体的には、成膜装置1Aの収容体14Aは、上下方向に沿って積層された3つの中間収容体142と、3つの中間収容体142の下側に配置された下側収容体144と、3つの中間収容体142の上側に配置された上側収容体145とを有する。図4に示すように、下側収容体144は、例えば有底筒状を呈しており、陽極11、電解質膜13及びめっき液Sを収容する。陽極11は、電極支持体16を介して下側収容体144の中央部に横架されている。電解質膜13は、陽極11の上方に配置されるとともに、下側収容体144の開口を塞ぐように下側収容体144の上端部に取り付けられている。
この陽極11及び電解質膜13は、第2ユニット20を構成する。ここでは、第2ユニット20は、該ユニットを構成する電解質膜13が第1ユニット10の電解質膜13と隣接するように、第1ユニット10と対向して配置されている。
また、下側収容体144には、めっき液Sが供給される供給口144aと、めっき液Sが排出される排出口144bとが設けられている。上下方向において、供給口144aは下側収容体144に配置された陽極11の下方に位置し、排出口144bは陽極11の上方に位置している。供給口144aおよび排出口144bは、配管を介して上述のタンクに接続されている。
上側収容体145は、例えば有頂筒状を呈しており、陽極11、電解質膜13及びめっき液Sを収容する。陽極11は、電極支持体16を介して上側収容体145の中央部に横架されている。電解質膜13は、陽極11の下方に配置されるとともに、上側収容体145の開口を塞ぐように上側収容体145の下端部に取り付けられている。同様に、この陽極11及び電解質膜13は、第2ユニット20を構成する。そして、この第2ユニット20は、該ユニットを構成する電解質膜13が第1ユニット10の電解質膜13と隣接するように、第1ユニット10と対向して配置されている。
また、上側収容体145には、めっき液Sが供給される供給口145aと、めっき液Sが排出される排出口145bとが設けられている。上下方向において、供給口145aは上側収容体145に配置された陽極11の下方に位置し、排出口145bは該陽極11の上方に位置している。供給口145aおよび排出口145bは、配管を介して上述のタンクに接続されている。
なお、本実施形態では、タンク及び送液ポンプは、まとめて一つであってもよく、各中間収容体142、下側収容体144及び上側収容体145毎に1つずつ配置されてもよい。
また、本実施形態において、各中間収容体142、下側収容体144及び上側収容体145も、ガイドレール18とスライドブロック19とを有する昇降装置によって、それぞれ昇降できるように形成されている。
本実施形態の成膜装置1Aでは、上方から下方に向かって、第2ユニット20、積層された3つの第1ユニット10、及び第2ユニット20が順に配置されており、すなわち、一対の第2ユニット20の間に3つの第1ユニット10が積層されている。しかも、各第2ユニット20は、そのユニットを構成する電解質膜13が第1ユニット10の電解質膜13と隣接するように第1ユニット10と対向して配置されている。このため、第2ユニット20の電解質膜13と第1ユニット10の電解質膜13との間、及び、隣接する第1ユニット10の電解質膜13同士の間に基材12をそれぞれ配置することができる。すなわち、基材12の上下両面にそれぞれ電解質膜13を配置することができる。これによって、複数(ここでは4つ)の基材12に対して同時且つ両面成膜を行うことができるので、生産性の向上を更に大幅に高めることができる。
図3に示すように、本実施形態の成膜装置1Aにおいて、5つの陽極11は、それぞれの電極支持体16及び導線を介して電源部15の正極と並列接続されており、4つの基材12は、導線を介して電源部15の負極と並列接続されている。
以下、本実施形態の成膜装置1Aを用いた成膜方法を簡単に説明する。
初めに、ガイドレール18及びスライドブロック19を有する昇降装置を利用し、上側収容体145、各中間収容体142及び下側収容体144をそれぞれ離間させることで収容体14Aを開く(図4参照)。
続いて、図5に示すように、搬送フォーク30を利用して基材収納用ラック(図示せず)から基材12を取り出し、成膜装置1Aまで搬送する。搬送フォーク30は、同一方向に張り出した複数(ここでは、4本)のアーム31を有する。基材収納用ラックから基材12を取り出す方法としては、例えば接触式又は非接触式による基材12を吊り上げる方法が挙げられる。接触式の場合は、例えばアーム31の先端部に真空パッドを取り付け、該真空パッドで基材12を吊り上げる。非接触式の場合は、例えばアーム31の先端部にベルヌーイチャックを取り付け、該ベルヌーイチャックで基材12を吊り上げる。
図6に示すように、搬送フォーク30により搬送された基材12は、収容体14Aを閉じた状態で基材12の上下両面が電解質膜13とそれぞれ接触するように、各第1ユニット10の上側電解質膜13の上面、下側収容体144に収容される電解質膜13の上面に配置される。続いて、ガイドレール18及びスライドブロック19を有する昇降装置を利用し、下側収容体144、各中間収容体142及び上側収容体145を接近させることで収容体14Aを閉じる。収容体14Aを閉じると、各基材12の上下両面は、それぞれ電解質膜13と接触することになる(図7参照)。
続いて、送液ポンプを駆動してタンクに貯留されためっき液Sを収容体14Aに送る。これによって、タンクに貯留されためっき液Sは、供給口142a,144a,145aから中間収容体142、下側収容体144及び上側収容体145の内部に流入する。そして、めっき液Sの液圧を受け、各電解質膜13は基材12をそれぞれ押圧する。
続いて、電源部15を用いて、陽極11と陰極である基材12との間に電圧を印加する。電圧が印加されると、電解質膜13から金属イオン由来の金属が析出し、基材12の表面に金属皮膜が形成される。このとき、基材12の上面及び下面はそれぞれ電解質膜13と接触するため、基材12の上面及び下面に金属皮膜がそれぞれ同時に形成される。
所望の膜厚の金属皮膜が形成されると、電圧印加を終了する。続いて、排出口142b,144b,145bから中間収容体142、下側収容体144及び上側収容体145の内部に圧縮空気を供給し、中間収容体142、下側収容体144及び上側収容体145に収容されためっき液Sを供給口142a,144a,145aから排出する。
続いて、上述したように収容体14Aを開き、両面成膜がされた基材12を取り外し、搬送フォーク30で新しい基材12を搬送して配置する。その後、上述の手順を繰り返し行う。
本実施形態では、一対の第2ユニット20の間に3つの第1ユニット10が積層される例を挙げて説明したが、これに限らず、第1ユニット10の数を適宜増減してもよい。そして、第1ユニット10を積層する数を増加した場合、同時且つ両面成膜を行える基材12を更に増やすことができるので、生産性の大幅な向上を期待できる。
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態において、陽極11及び電解質膜13が上下方向に沿って対向するように配置される(すなわち、上下配置)例を説明したが、本発明は、陽極11及び電解質膜13が左右方向に沿って対向するように配置される(すなわち、横配置)例にも適用される。例えば、複数の第1ユニット10が左右方向に沿って積層され、積層された複数の第1ユニット10の左右両側にそれぞれ第2ユニット20が更に配置されてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1,1A:成膜装置、10:第1ユニット、11:陽極、12:基材、13:電解質膜、14,14A:収容体、15:電源部、16:電極支持体、17:基材ホルダ、18:ガイドレール、19:スライドブロック、20:第2ユニット、30:搬送フォーク、31:アーム、141,144:下側収容体、142:中間収容体、142a,144a,145a:供給口、142b,144b,145b:排出口、143,145:上側収容体

Claims (3)

  1. 板状の陽極と、前記陽極と陰極である基材との間に配置される電解質膜と、めっき液を収容する収容体と、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源部とを備え、前記電解質膜が前記基材と接触した状態で、前記電圧の印加により前記めっき液中の金属イオンに由来した金属皮膜を前記基材の表面に成膜する成膜装置であって、
    前記陽極と前記陽極を挟むように該陽極の両側に配置された一対の前記電解質膜とからなる第1ユニットを少なくとも一つ有することを特徴とする成膜装置。
  2. 前記第1ユニットの両側には、前記陽極と前記陽極の片側に配置された前記電解質膜とからなる第2ユニットがそれぞれ設けられ、
    前記第2ユニットは、その電解質膜が前記第1ユニットの電解質膜と隣接するように前記第1ユニットと対向して配置されている請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記第1ユニットは、複数であり、一対の前記第2ユニットの間に積層されている請求項2に記載の成膜装置。
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