JP7765248B2 - 画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び画像形成装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び画像形成装置

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Description

本開示は、画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び画像形成装置に係り、特にインクジェット印刷などのデジタル印刷に適用される画像処理技術に関する。
特許文献1には、インクジェット印刷装置におけるインクジェットヘッドの使用条件を調整してインク濃度を個別に調整する工程と、テストパターンを印刷する工程と、該テストパターンを撮像する工程と、撮像した該テストパターンのデータに基づき補正データを算出する工程と、該補正データに基づき印刷すべき画像全体を変換することで被印刷物に印刷される画像全体におけるインク濃度誤差を補正する工程を有するインク濃度誤差補正方法が記載されている。
特許文献2には、決められた補正特性に応じて補正手段により補正された階調値と、該階調値により出力装置が出力したトナー像の濃度の測定値との対応関係を表す出力特性を取得する取得手段と、予め決められた基準階調値が、補正された前記階調値の取り得る範囲に含まれない場合に、該基準階調値により前記出力装置が出力するときのトナー像の濃度を、取得手段が取得した出力特性に基づいて推測する推測手段と、推測手段が推測した濃度と予め決められた閾値とを比較して補正特性の変更の要否を診断する診断手段と、を有する診断装置が記載されている。
特許文献3には、複数の画像記録素子と所定の方向に配列したマルチ記録ヘッドと、画像入力信号を量子化する複数の量子化手段と、この量子化手段を選択するための選択手段と、マルチ記録ヘッドに均一な画像入力信号を与えてテストパターンを印字させる印字手段と、このテストパターンを読み取って読み取り信号を出力する読み取り手段と、この読み取り信号の値からマルチ記録ヘッドの濃度むら量を算出する演算手段を用いて濃度むらの補正を行う濃度むら補正手段とを有し、選択された量子化手段の量子化処理方法に応じて、画像入力信号の演算処理を切換える画像記録方法が記載されている。
特許第6416432号 特許第6428357号 特開平11-165407号公報
特許文献1では複数段階の濃度パターンを含むテストパターンを印刷し、テストパターンの測定結果からノズルごとの補正の際に離散的な測定データを補完している。しかしながら、テストパターンで測定される濃度領域の領域外については考慮されておらず、高濃度部の補正において、より高階調の補正を使用しようとするときに、誤差が生じる懸念がある。
特許文献2では階調値と濃度測定値との対応関係を示す出力特性に基づき補外演算により、濃度を推測しているが、記録素子ごとに実施しておらず、記録素子ごとに発生するむらには対応できない。
特許文献3では濃度むら補正と量子化の特性に応じて、量子化手段を切り替える構成と
しているが、特許文献1と同等に、テストパターンの印字に使用している濃度領域外についての考慮がなく、高濃度部での補正に誤差が生じやすくなり、量子化の処理の切り替えでは複数の量子化手段を持つ必要や、切り替えの判定が必要になり計算負荷が増大する。
本開示はこのような事情に鑑みてなされたもので、高濃度領域において濃度むらを抑制する補正値の予測精度を向上させることができる画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る画像処理方法は、複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて画像を形成する際の第1の方向における色材量分布に起因する濃度むらを補正する画像処理方法であって、第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を記録ヘッドによって形成することにより得られるテスト画像のそれぞれのパッチについての記録素子ごとの濃度測定値をプロセッサが取得することと、プロセッサが濃度測定値から記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出することと、を含み、プロセッサが、補正値を算出する際に、複数のパッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの濃度測定値に基づき、第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行うことと、第1のパッチと第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を満たすハーフトーン処理を行うことと、を含む。
本態様によれば、最終段のパッチの設定濃度よりも高い濃度の領域における補正値の予測精度を向上させることができる。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、特性は、視認される濃度と相関がある光学特性であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、テスト画像における複数のパッチは、第1の方向と直交する第2の方向に並んで配置される構成であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、テスト画像は、記録素子ごとに予め定められた第1の補正値を用いて、濃度むらを補正する補正処理が施された画像データに基づいて形成され、プロセッサは、テスト画像を基に取得された記録素子ごとの濃度測定値から算出される補正値としての第2の補正値により第1の補正値を修正する構成であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、テスト画像は、第1のパッチと第2のパッチとのそれぞれのパッチについての記録素子ごとの入力階調値及び濃度測定値によって求められる線形近似直線と、第1のパッチと第2のパッチとのパッチ間の入力階調値に対応する濃度測定値との差が、第1のパッチと第2のパッチとのそれぞれのパッチの濃度測定値の差分の10%未満となる、第1のパッチと第2のパッチを含む構成であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、プロセッサが、記録素子ごとの第1のパッチ及び第2のパッチのパッチ間における階調に対する特性から算出された外挿処理によって補正値を算出する演算を実施する構成であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、プロセッサが、記録ヘッドのすべての記録素子の第1のパッチ及び第2のパッチのそれぞれから得られる濃度測定値の平均値を用いて算出された外挿処理によって補正値を算出する演算を実施する構成であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、プロセッサが、記録ヘッドの複数の記録素子の第1のパッチ及び第2のパッチのそれぞれから得られる濃度測定値を平滑処理して得られる値を用いて算出された外挿処理によって補正値を算出する演算を実施する構成であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理方法において、平滑処理する記録素子の数は2以上記録ヘッドの記録素子の総数以下であってもよい。
本開示の他の態様に係る画像処理装置は、複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて画像を形成する際の第1の方向における色材量分布に起因する濃度むらを補正する画像処理装置であって、プロセッサと、プロセッサが実行するプログラムが記憶されるメモリと、を備え、プロセッサは、プログラムを実行することにより、第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を記録ヘッドによって形成することにより得られるテスト画像のそれぞれのパッチについての記録素子ごとの濃度測定値を取得する処理と、濃度測定値から記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出する処理と、を行い、補正値を算出する際に、複数のパッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの濃度測定値に基づき、第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行い、第1のパッチと第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を満たすハーフトーン処
理を行う。
本開示の他の態様に係るプログラムは、複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて画像を形成する際の第1の方向における色材量分布に起因する濃度むらを補正する画像処理の機能をコンピュータに実現させるプログラムであって、第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を記録ヘッドによって形成することにより得られるテスト画像のそれぞれのパッチについての記録素子ごとの濃度測定値を取得する機能と、濃度測定値から記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出する機能と、をコンピュータに実現させ、補正値を算出する際に、複数のパッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの濃度測定値に基づき、第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行う機能と、第1のパッチと第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を
満たすハーフトーン処理を行う機能と、を実現させる。
本開示の他の態様に係る画像形成装置は、複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドと、記録媒体と記録ヘッドとを相対移動させる相対移動機構と、記録ヘッドを用いて記録媒体に形成された画像の濃度を測定する濃度測定装置と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を記録ヘッドによって形成させる処理と、記録ヘッドによって形成されたテスト画像のそれぞれのパッチの濃度を濃度測定装置によって測定させ、それぞれのパッチに
ついての記録素子ごとの濃度測定値を取得する処理と、濃度測定値から記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出する処理と、画像形成対象の画像データに対して補正値を用いて、補正された画像データを生成する補正処理と、を行い、補正値を算出する際に、複数のパッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの濃度測定値に基づき、第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行い、第1のパッチと第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を満たすハーフトーン処理を行い、記録ヘッドは、補正値を用いて補正処理が施さ
れた画像データに基づいて画像形成を行う。
本開示の他の態様に係る画像形成装置において、記録ヘッドは、記録素子としてのノズルを有するインクジェットヘッドであってもよい。
本開示によれば、最終段のパッチよりも先の高濃度領域において濃度むらを抑制する補正値の予測精度を向上させることができる。
図1は、実施形態に係るインクジェット印刷機の全体構成図である。 図2は、インクジェット印刷機を制御する制御装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。 図3は、インクジェット印刷機及び制御装置を含む印刷システムにおける制御系の構成を概略的に示す機能ブロック図である。 図4は、濃度補正チャートの例である。 図5は、実際に印刷された濃度補正チャートを模式的に示す図である。 図6は、あるノズルについて取得される読取濃度値のデータ点をプロットしたグラフである。 図7は、印刷システムにおける階調の設定例を示す説明図である。 図8は、あるノズルについての濃度補正の処理の概念図である。 図9は、最終段のパッチの読取濃度値が目標濃度値よりも低い場合の例を示すグラフである。 図10は、線形予測による予測値の外挿の例を示すグラフである。 図11は、最終段のパッチより高濃度の階調領域において傾きを0に近づけるように予測値を外挿する傾き変動予測の例を示すグラフである。 図12は、最終段のパッチより高濃度の階調領域における特性の傾きが増大する場合の例を示すグラフである。 図13は、最終段のパッチより高濃度の階調領域における特性の傾きが小さくなる場合の例を示すグラフである。 図14は、予測可能な特性の条件を説明するグラフである。 図15は、パッチ設定外領域階調における特性の例を示すグラフである。 図16は、比較例に係るハーフトーン処理による光学濃度特性の例を示すグラフである。 図17は、実施形態に係るインクジェット印刷機において採用されるハーフトーン処理による光学濃度特性の例を示すグラフである。 図18は、実施形態の濃度補正チャートにおいて採用されるパッチ階調の選定例を示すグラフである。 図19は、比較例に係るパッチ階調の選定例を示すグラフである。 図20は、外挿に用いる傾きの算出方法の例1を示す図表である。 図21は、外挿に用いる傾きの算出方法の例2を示す図表である。 図22は、外挿に用いる傾きの算出方法の例3を示す図表である。 図23は、本実施形態による濃度むら補正を行う画像処理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。 図24は、濃度むらの補正に適用される補正値の算出処理の手順の例を示すフローチャートである。 図25は、印刷対象の画像を形成する際の印刷処理の手順の例を示すフローチャートである。 図26は、インクジェットヘッドの構成例を示す斜視図である。 図27は、インクジェットヘッドをノズル面側から見た部分拡大図である。 図28は、ヘッドモジュールのノズル面の平面図である。 図29は、ヘッドモジュールにおける1つのイジェクタの立体的構造を示す縦断面図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。本実施形態では、画像形成装置の一例としてインクジェット印刷機とその制御装置とを含む印刷システムについて説明する。
《インクジェット印刷機の構成》
図1は、実施形態に係るインクジェット印刷機1の全体構成図である。インクジェット印刷機1は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色のインクを使用して、枚葉紙である用紙Pに所望の画像をシングルパス方式で印刷するインクジェット方式のカラーデジタル印刷装置である。本実施形態では描画用のインクとして水性インクを用いる例を説明する。水性インクは、水及び/又は水に可溶な溶媒に顔料や染料などの色材を溶解又は分散させたインクをいう。
インクジェット印刷機1は、給紙部10と、処理液付与部20と、処理液乾燥部30と、描画部40と、インク乾燥部50と、集積部60と、を備える。
給紙部10は、給紙装置12と、フィーダボード14と、給紙ドラム16と、を備える。用紙Pは、多数枚が積み重ねられた束の状態で給紙台12Aに載置される。用紙Pの種類は特に限定されないが、例えば、上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする印刷用紙を用いることができる。
給紙装置12は、給紙台12Aにセットされた束の状態の用紙Pを上から順に1枚ずつ取り出して、フィーダボード14に供給する。フィーダボード14は、給紙装置12から受け取った用紙Pを給紙ドラム16へと搬送する。
給紙ドラム16は、フィーダボード14から給紙される用紙Pを受け取り、受け取った用紙Pを処理液付与部20へと搬送する。
処理液付与部20は、用紙Pに処理液を塗布する。「処理液」という用語は「前処理液」と同義である。処理液は「プレコート」、「プレコンディショナー」、「下塗り液」又は「処理剤」などと呼ばれる場合がある。処理液は、インク中の色材成分を凝集、若しくは不溶化又は増粘させる機能を備えた液体である。処理液付与部20は、処理液塗布ドラム22と、処理液塗布装置24と、を備える。
処理液塗布ドラム22は、給紙ドラム16から用紙Pを受け取り、受け取った用紙Pを
処理液乾燥部30へと搬送する。処理液塗布ドラム22は、ドラム周面にグリッパ23を備え、グリッパ23で用紙Pの先端部を把持して回転することにより、用紙Pをドラム周面に巻き付けて搬送する。
処理液塗布装置24は塗布ローラを備え、処理液塗布ドラム22によって搬送される用紙Pに処理液を塗布する。塗布ローラは、用紙Pと接触して処理液を用紙Pに塗布する塗布位置と、用紙Pから離間して処理液の塗布を不実施とする退避位置とに移動可能な不図示の接触/離間機構に支持されている。処理液を塗布する方式は、ローラ塗布方式に限らず、ブレード塗布方式、インクジェット方式又はスプレー方式などであってもよい。
処理液乾燥部30は、処理液が塗布された用紙Pを乾燥処理する。処理液乾燥部30は、処理液乾燥ドラム32と、温風送風機34と、を備える。処理液乾燥ドラム32は、処理液塗布ドラム22から用紙Pを受け取り、受け取った用紙Pを描画部40へと搬送する。処理液乾燥ドラム32は、ドラム周面にグリッパ33を備える。処理液乾燥ドラム32は、グリッパ33により用紙Pの先端部を把持して回転することにより、用紙Pを搬送する。
温風送風機34は、処理液乾燥ドラム32の内部に設置される。温風送風機34は、処理液乾燥ドラム32によって搬送される用紙Pに温風を吹き当てて、処理液を乾燥させる。
描画部40は、描画ドラム42と、ヘッドユニット44と、用紙押さえローラ47と、スキャナ48と、を備える。描画ドラム42は、処理液乾燥ドラム32から用紙Pを受け取り、受け取った用紙Pをインク乾燥部50へと搬送する。描画ドラム42は、ドラム周面にグリッパ43を備え、グリッパ43で用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pをドラム周面に巻き付けて搬送する。描画ドラム42は、不図示の吸着機構を備え、ドラム周面に巻き付けられた用紙Pをドラム周面に吸着させて搬送する。吸着には、負圧が利用される。描画ドラム42は、周面に多数の吸着孔を備え、この吸着孔を介して描画ドラム42の内部から吸引することにより、用紙Pを描画ドラム42の周面に吸着させる。
ヘッドユニット44は、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kを含んで構成される。インクジェットヘッド46Cは、シアンのインクの液滴を吐出する記録ヘッドである。インクジェットヘッド46Mは、マゼンタのインクの液滴を吐出する記録ヘッドである。インクジェットヘッド46Yは、イエローのインクの液滴を吐出する記録ヘッドである。インクジェットヘッド46Kは、ブラックのインクの液滴を吐出する記録ヘッドである。インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kのそれぞれには、対応する色のインク供給源である不図示のインクタンクから不図示の配管経路を介して、インクが供給される。
インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの各々は、描画ドラム42によって搬送される用紙Pに対して1回の走査によって、つまりシングルパス方式によって、印刷可能なラインヘッドで構成される。インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kは、各々のノズル面が描画ドラム42の周面に対向して配置される。インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kは、描画ドラム42による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。
図1には示さないが、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの各々のノズル面には、インクの吐出口である複数個のノズルが二次元配列されている。「ノズル面」とは、ノズルが形成されている吐出面をいい、「インク吐出面」或いは「ノズル形成
面」などの用語と同義である。二次元配列された複数個のノズルのノズル配列を「二次元ノズル配列」という。
インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの各々は、複数個のヘッドモジュールを用紙幅方向に繋ぎ合わせて構成することができる。ここでいう用紙幅は、用紙Pの搬送方向と直交する方向の用紙幅を指す。用紙Pの搬送方向をY方向という。また、Y方向と直交する用紙幅方向をX方向という。インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの各々は、X方向に関して用紙Pの全記録領域を、1回の走査で規定の印刷解像度による画像記録が可能なノズル列を有するライン型の記録ヘッドである。このような記録ヘッドは「フルライン型の記録ヘッド」或いは「ページワイドヘッド」とも呼ばれる。
規定の印刷解像度とは、インクジェット印刷機1によって予め定められた印刷解像度であってもよいし、ユーザの選択により、若しくは、印刷モードに応じたプログラムによる自動選択により設定される印刷解像度であってもよい。印刷解像度として、例えば、X方向1200dpi(dots per inch)、Y方向1200dpiとすることができる。
用紙Pの搬送方向と直交する用紙幅方向(X方向)をラインヘッドのノズル列方向と呼び、用紙Pの搬送方向(Y方向)をノズル列垂直方向と呼ぶ場合がある。
二次元ノズル配列を有するインクジェットヘッドの場合、二次元ノズル配列における各ノズルをノズル列方向に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、ノズル列方向について、最大の記録解像度を達成するノズル密度で各ノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。「概ね等間隔」とは、インクジェット印刷装置で記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差及び/又は着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列は実質的なノズル列に相当する。投影ノズル列を考慮すると、ノズル列方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、各ノズルにノズル位置を表すノズル番号を対応付けることができる。ノズル列方向はノズル並び方向と同義である。
インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの各々におけるノズルの配列形態は限定されず、様々なノズル配列の形態を採用することができる。例えば、マトリクス状の二次元配列の形態に代えて、一列の直線配列、V字状のノズル配列、V字状配列を繰り返し単位とするW字状などのような折れ線状のノズル配列なども可能である。
描画ドラム42によって搬送される用紙Pに向けて、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kのうち少なくとも1つのヘッドからインクの液滴が吐出され、吐出された液滴が用紙Pに付着することにより、用紙Pに画像が形成される。
描画ドラム42は、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kと用紙Pとを相対移動させる相対移動機構として機能している。描画ドラム42は、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kに対して、用紙Pを相対的に移動させる機構の一形態である。インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kのそれぞれの吐出タイミングは、描画ドラム42に設置された不図示のロータリエンコーダから得られるロータリエンコーダ信号に同期させる。吐出タイミングとは、インクの液滴を吐出するタイミングであり、打滴タイミングと同義である。
なお、本例では、CMYKの4色のインクを用いる構成を例示したが、インク色及び色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、
特色インクなどを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成、及び/又は、緑色若しくはオレンジ色若しくは白色などの特色のインクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成なども可能である。また、各色のインクジェットヘッドの配置順序も特に限定はない。
スキャナ48は、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kによって用紙Pに記録された画像を光学的に読み取り、その読取画像を示す電子画像データを生成する画像読取装置である。スキャナ48は、用紙P上に記録された画像を撮像して画像情報を示す電気信号に変換する撮像デバイスを含む。スキャナ48は、撮像デバイスの他、読み取り対象を照明する照明光学系及び撮像デバイスから得られる信号を処理してデジタル画像データを生成する信号処理回路を含んでよい。
スキャナ48は、カラー画像の読み取りが可能な構成であることが好ましい。本例のスキャナ48は、例えば、撮像デバイスとしてカラーCCD(Charge-Coupled Device)リ
ニアイメージセンサが用いられる。カラーCCDリニアイメージセンサはR(赤),G(緑),B(青)各色のカラーフィルタを備えた受光素子が直線状に配列したイメージセンサである。なお、カラーCCDリニアイメージセンサに代えて、カラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)リニアイメージセンサを用いることもできる。ス
キャナ48は、描画ドラム42による用紙Pの搬送中に用紙P上の画像の読み取りを行う。このように用紙搬送経路に設置されるスキャナは「インラインスキャナ」と呼ばれる場合がある。また、スキャナ48はカメラであってもよい。
インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの少なくとも1つを用いて画像が記録された用紙Pは、スキャナ48の読取領域を通過する際に、用紙P上の画像が読み取られる。用紙Pに記録される画像としては、印刷ジョブで指定される印刷対象のユーザ画像の他、ノズルごとの吐出状態を検査するための不良ノズル検知パターン、濃度むら補正用テストパターン、その他の各種のテスト画像が含まれ得る。
スキャナ48によって読み取られた読取画像のデータを基に、印刷画像の検査が行われ、画質異常の有無が判断される。また、スキャナ48によって読み取られた読取画像のデータを基に、画像の濃度及びインクジェットヘッド46K、46C、46M、46Yの各ノズルの吐出状態などの情報が得られる。本例のスキャナ48は、ヘッドユニット44と、インク乾燥部50との間の用紙搬送経路に配置され、インク乾燥前に画像の読み取りを行う形態であるが、スキャナ48に代えて、又はこれと組み合わせて、インク乾燥後に画像の読み取りを行うスキャナを配置する形態も可能である。
インク乾燥部50は、描画部40によって画像が形成された用紙Pを乾燥処理する。インク乾燥部50は、チェーングリッパ70と、用紙ガイド80と、加熱乾燥処理部90と、を備える。
チェーングリッパ70は、描画ドラム42から用紙Pを受け取り、受け取った用紙Pを集積部60へと搬送する。チェーングリッパ70は、規定の走行経路を走行する一対の無端状のチェーン72を備え、その一対のチェーン72に備えられたグリッパ74によって用紙Pの先端部を把持した状態で用紙Pを規定の搬送経路に沿って搬送する。グリッパ74は、チェーン72に一定の間隔で複数備えられる。
本例のチェーングリッパ70は、第1スプロケット71Aと、第2スプロケット71Bと、チェーン72と、複数のグリッパ74と、を含んで構成され、一対の第1スプロケット71A及び第2スプロケット71Bに、一対の無端状のチェーン72が巻き掛けられた構造を有している。図1には、一対の第1スプロケット71A及び第2スプロケット71
B並びに一対のチェーン72のうち、一方のみが図示されている。
チェーングリッパ70は、チェーン72の送り方向(長さ方向)における複数の位置に複数のグリッパ74が配置される構造を有している。また、チェーングリッパ70は、一対のチェーン72の間に、用紙幅方向に沿って複数のグリッパ74が配置される構造を有している。図1には、一対のチェーン72の間に配置される複数のグリッパ74のうち、1つのグリッパ74のみが図示されている。
チェーングリッパ70による用紙Pの搬送経路は、用紙Pを水平方向に沿って搬送する水平搬送領域と、水平搬送領域の終端から用紙Pを斜め上方向に搬送する傾斜搬送領域とを含んでいる。水平搬送領域を第1搬送区間といい、傾斜搬送領域を第2搬送区間という。
用紙ガイド80は、チェーングリッパ70による用紙Pの搬送をガイドする機構である。用紙ガイド80は、第1用紙ガイド82と第2用紙ガイド84を含んで構成される。第1用紙ガイド82は、チェーングリッパ70の第1搬送区間を搬送される用紙Pをガイドする。第2用紙ガイド84は、第1搬送区間の後段の第2搬送区間を搬送される用紙をガイドする。第1用紙ガイド82の詳細な構造は図示されていないが、第1用紙ガイド82として、吸引式の吸着ベルトを用いた吸着搬送装置が適用される。
加熱乾燥処理部90は、描画部40によって画像が形成された用紙Pに熱を加えてインクの溶媒を蒸発させ、用紙Pを乾燥させる。加熱乾燥処理部90は、例えば、温風送風ユニットであり、第1用紙ガイド82と対向して配置され、チェーングリッパ70によって搬送される用紙Pに温風を吹き当てる。
集積部60は、チェーングリッパ70によってインク乾燥部50から搬送されてくる用紙Pを受け取り、集積する集積装置62を備える。チェーングリッパ70は、所定の集積位置で用紙Pをリリースする。集積装置62は集積トレイ62Aを備え、チェーングリッパ70からリリースされた用紙Pを受け取り、集積トレイ62Aの上に束状に集積する。集積部60は排紙部に相当する。
《制御装置100のハードウェア構成例》
図2は、インクジェット印刷機1を制御する制御装置100のハードウェア構成の例を示すブロック図である。制御装置100は、例えば、コンピュータのハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって構成される。制御装置100は、プロセッサ102と、非一時的な有体物であるコンピュータ可読媒体104と、通信インターフェース106と、入出力インターフェース108とを含む。プロセッサ102はCPU(Central Processing Unit)を含む。プロセッサ102はGPU(Graphics Processing Unit)を含んで
もよい。プロセッサ102は、バス110を介してコンピュータ可読媒体104、通信インターフェース106及び入出力インターフェース108と接続される。
コンピュータ可読媒体104は、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)112と、リードオンリーメモリ(Read-only Memory:ROM)114と、ストレージ116とを含む。RAM112は主記憶装置として機能するメモリである。ストレージ116は補助記憶装置である。ストレージ116は、例えば、ハードディスク(Hard Disk Drive:HDD)装置、若しくはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)装置又はこれらの複数の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読媒体104の記憶領域の一部又は全部は、プロセッサ102に含まれていてもよい。
コンピュータ可読媒体104には、制御装置100としての機能を実現させるプログラ
ム及びデータ等が記憶される。なお、プログラムという用語はプログラムモジュールの概念を含む。制御装置100の処理機能の一部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)に代表される集積回路を用いて実現しても
よい。
制御装置100は、入力装置122及び表示装置124と接続される。入力装置122は、例えば、キーボード、マウス、マルチタッチパネル、若しくはその他のポインティングデバイス、若しくは音声入力装置、又はこれらの適宜の組み合わせによって構成される。表示装置124は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(organic electro-luminescence:OEL)ディスプレイ、若しくは、プロジェクタ、又はこれらの適宜の組み合わせ
によって構成される。なお、タッチパネルのように入力装置122と表示装置124とが一体的に構成されてもよい。入力装置122及び表示装置124は、制御装置100に含まれてもよく、制御装置100、入力装置122及び表示装置124が一体的に構成されてもよい。
《インクジェット印刷機1の制御系の概要》
図3は、インクジェット印刷機1及び制御装置100を含む印刷システム101における制御系の構成を概略的に示す機能ブロック図である。プロセッサ102は、コンピュータ可読媒体104に記憶されたプログラムの命令を実行することにより、各種の処理を行う処理部及び/又は制御部として機能する。プロセッサ102は、システム制御部310、画像処理部311、搬送制御部312、給紙制御部313、処理液付与制御部314、処理液乾燥制御部316、描画制御部318、インク乾燥制御部320及び排紙制御部324として機能する。これらの各部の処理機能は、複数のプロセッサを用いて実現されてもよい。
制御装置100は、通信部304と、画像メモリ332と、パラメータ記憶部334と、プログラム記憶部336とを含む。通信部304は、通信インターフェース106(図2参照)を含む。制御装置100は、通信部304を介してホストコンピュータ350と接続され、ホストコンピュータ350との間でデータの送受信を行うことができる。なお、「接続」には、有線接続、無線接続、又はこれらの組み合わせが含まれる。通信部304には、通信処理を高速化するためのバッファメモリが搭載されてもよい。通信部304は、印刷対象の画像を表す画像データを取得するための画像入力インターフェース部としての役割を果たす。
通信部304を介してホストコンピュータ350から取り込まれた画像データは、画像メモリ332に記憶される。画像メモリ332は、画像データを含む各種データの一時記憶部として機能する。
パラメータ記憶部334には、インクジェット印刷機1に使用される各種パラメータが記憶される。パラメータ記憶部334に記憶された各種パラメータは、プロセッサ102を介して読み出され、装置各部に設定される。
プログラム記憶部336には、インクジェット印刷機1の各部に使用されるプログラムが記憶される。プログラム記憶部336に記憶された各種プログラムは、プロセッサ102を介して読み出され、装置各部において実行される。コンピュータ可読媒体104は、画像メモリ332、パラメータ記憶部334及びプログラム記憶部336として機能する。
システム制御部310は、インクジェット印刷機1の各部を統括的に制御する全体制御部として機能する。また、システム制御部310は、各種演算処理を行う演算部として機
能する。更に、システム制御部310は、記憶装置302におけるデータの読み出し、及びデータの書き込みを制御する。
画像処理部311は、印刷対象の画像データに対する各種の変換処理、及び補正処理、並びにハーフトーン処理を行う。変換処理には、画素数変換、階調変換、及び色変換などが含まれる。補正処理には、濃度むらを抑制するためのむら補正を含む濃度補正、及び吐出不良ノズルによる画像欠陥の視認性を抑制するための不吐出補正などが含まれる。ハーフトーン処理は、一般的には、m値(mは3以上の整数)の多階調画像データを量子化してn値(nは2以上m未満の整数)のデータに変換する処理である。例えば、各色8ビット(256階調)以上の多階調画像データは、実質的に連続階調の画像データと理解される。画像処理部311は、例えばCMYKの各色の連続階調の画像データを画素単位で、3値以上の多値のドット配置を表すドットデータに変換する。
本例のインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kは、小滴、中滴、大滴の3種類の滴サイズ(ドットサイズ)を打ち分けることができる。この場合、画像処理部311は、連続階調の各色の分版画像データから、「大滴インクを吐出する」、「中滴インクを吐出する」、「小滴インクを吐出する」、「吐出しない(滴なし)」の4階調(n=4)の信号に変換する。このようなハーフトーン処理には、例えばディザ法又は誤差拡散法などが適用される。また、画像処理部311は、スキャナ48から得られる読取画像を基に補正処理を行う。画像処理部311の処理機能を実現するプロセッサ102とコンピュータ可読媒体104との組み合わせは画像処理装置の役割を果たす。
搬送制御部312は、搬送機構11の動作を制御する。搬送機構11は、図1で説明した給紙部10から集積部60までの用紙Pの搬送に関わる機構の要素を含んでいる。搬送機構11には、図1に示された給紙ドラム16、処理液塗布ドラム22、処理液乾燥ドラム32、描画ドラム42及びチェーングリッパ70などが含まれる。また、搬送機構11には、動力源としての不図示のモータ及び不図示のモータ駆動回路などの駆動部が含まれる。搬送制御部312は、システム制御部310からの指令に応じて搬送機構11による用紙Pの搬送速度を制御し、かつ、給紙部10から集積部60まで用紙Pが搬送されるように制御する。
給紙制御部313は、システム制御部310からの指令に応じて給紙部10を動作させる。給紙制御部313は、用紙Pの供給開始動作、及び用紙Pの供給停止動作などを制御する。
処理液付与制御部314は、システム制御部310からの指令に応じて処理液付与部20を動作させる。処理液付与制御部314は、プレコート機能のON/OFF、処理液の付与量、及び付与タイミングなど、処理液塗布装置24の塗布動作を制御する。
処理液乾燥制御部316は、システム制御部310からの指令に応じて処理液乾燥部30を動作させる。処理液乾燥制御部316は、乾燥温度、乾燥気体の流量、及び乾燥気体の噴射タイミングなどを制御する。
描画制御部318は、システム制御部310からの指令に応じて描画部40を動作させる。描画制御部318は、不図示の波形記憶部、波形生成部、及び駆動回路を含んで構成される。波形記憶部はインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの吐出エネルギー発生素子に印加する駆動電圧の波形が記憶される。波形生成部は駆動電圧の波形を生成する。駆動回路はドットデータに応じた駆動波形を有する駆動電圧を生成する。
描画制御部318は、画像処理部311のハーフトーン処理を経て生成された各インク
色のドットデータに基づき、描画ドラム42により搬送される用紙Pに画像を記録するように、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kのそれぞれの吐出動作を制御する。すなわち、画像処理部311による処理を経て生成されたドットデータに基づいて、各画素位置の吐出タイミング、インク吐出量が決められ、各画素位置の吐出タイミング、インク吐出量に応じた駆動電圧、各画素の吐出タイミングを決める制御信号が生成され、この駆動電圧がインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kに供給され、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kから吐出させたインクによって用紙Pにドットが記録される。
インク乾燥制御部320は、システム制御部310からの指令に応じてインク乾燥部50を動作させる。インク乾燥制御部320は、乾燥気体温度、乾燥気体の流量、又は乾燥気体の噴射タイミングなどを制御する。
排紙制御部324は、システム制御部310からの指令に応じて集積部60を動作させる。図1に示された集積装置62が昇降機構を含む場合に、排紙制御部324は、用紙Pの増減に応じて昇降機構の動作を制御する。
入力装置122を介して入力された情報は、システム制御部310に送られる。システム制御部310は、入力装置122から入力された情報に応じて各種処理を実行させる。
表示装置124は、システム制御部310からの指令に応じて、装置の各種設定情報、又は異常情報などの各種情報を表示し得る。ユーザ(オペレータ)は、表示装置124に表示される内容を見ながら入力装置122を使って各種パラメータの設定及び各種情報の入力並びに編集が可能である。
《濃度補正方法の概要》
本実施形態に係る印刷システム101では、インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kのそれぞれは、ノズルごとの各入力階調に対する出力階調を定めた入出力階調テーブルを持ち、濃度測定用テスト画像の印刷結果を測定して得られるノズルごとの濃度測定値に基づいて、この入出力階調テーブルを修正することにより、濃度補正を実施する。
濃度補正は、ノズル並び方向のインク量分布に起因する濃度むら(濃度の不均一性)を抑制する補正であり、「濃度むら補正」あるいは単に「むら補正」と呼ばれることがある。インクは本開示における「色材」の一例であり、インク量分布は本開示における「色材量分布」の一例である。濃度むらを補正するには、各ノズルについて補正値を算出する必要がある。濃度むら補正用の補正値の算出は、濃度測定用テスト画像の印刷結果をスキャナ48によって読み取ることにより行われる。濃度補正の補正値を求める際に濃度むらの状態を把握するために印刷される濃度測定用テスト画像を「濃度補正チャート」という。
図4は、濃度補正チャート400の例である。図4の横方向はノズル並び方向(X方向)であり、縦方向は用紙搬送方向(Y方向)である。X方向は本開示における「第1の方向」の一例であり、Y方向は本開示における「第2の方向」の一例である。ここでは、4色のヘッドのうちの1色のヘッドによって描画されるチャートを示す。各色のインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kによって同様のチャートが描画される。ここでは、インクジェットヘッド46Kを用いて描画する例を説明する。
濃度補正チャート400は、ノズル並び方向に一様の濃度となるように階調が設定された複数のパッチPTを含む。図4では、低濃度から高濃度まで段階的に濃度を変えた8段のパッチPTを含む濃度補正チャート400の例が示されているが、パッチPTの段階数
及び配置順序はこの例に限らない。
各段のパッチPTのX方向の長さはインクジェットヘッド46Kによる最大描画幅であり、Y方向の長さはスキャナ48を用いた濃度の測定に必要な所定の長さに設定される。このような濃度測定用のパッチPTは「濃度パッチ」と呼ばれることがある。濃度補正チャート400は1枚の用紙Pに印刷されてもよいし、複数枚の用紙Pに分けて印刷されてもよい。
図4に示す濃度補正チャート400の画像データに対して、ノズルごとに予め定められている初期の入出力階調テーブルを適用して濃度補正を行い、チャート印刷を実行することにより、印刷結果として例えば、図5のような濃度補正チャート402の印刷物が得られる。
図5は、実際に印刷された濃度補正チャート402を模式的に示す図である。図5に示す濃度補正チャート402は、ノズル番号NZ1からNZnまでの全ノズルのうち一部分のノズル範囲NRに対応する領域の濃度が相対的に低くなっている。図5では、ノズル並び方向の濃度差(濃度むら)を模式的に図示するが、実際の印刷結果においては、ノズルごとに印刷濃度のばらつきがありうる。
図5のような濃度補正チャート402をスキャナ48によって読み取り、読取画像から各ノズルのノズル番号NZiに対応する位置ごとの各段のパッチPTの濃度測定値を取得することにより、ノズルごとに8段階の離散的な入力階調に対応する濃度測定値のデータが得られる。濃度測定値は、例えば、スキャナ48から得られる読取濃度値であってよい。スキャナ48の読取濃度値は、反射光のRGB輝度によって算出される。なお、ノズル番号NZiの表記における添字のiはインデックス番号であり、1からnまでの整数を表す。
印刷された画像の濃度が高いとスキャナ48のイメージセンサへの入射光量が減少し、イメージセンサの出力信号は小さい値を示す。一方、画像の濃度が低いとイメージセンサへの入射光量が増大し、イメージセンサの出力信号は大きい値を示す。したがって、スキャナ48を用いて測定を行う場合、イメージセンサの出力信号の大小関係を反転させて濃度測定値を求める。スキャナ48は本開示における「濃度測定装置」の一例である。スキャナ48に代えて、オフラインのスキャナを用いてもよい。
図6は、あるノズルについて取得される読取濃度値のデータ点をプロットしたグラフである。図6の横軸は入力階調、縦軸は読取濃度値を表す。図中の黒丸がデータ点を表す。プロセッサ102は、図6のようなノズルごと測定結果を基に、異なるノズル間で同一パッチPT内における濃度差(濃度むら)を抑制するように、ノズルごとの入出力階調テーブルを補正する。
《階調の設定例》
図7は、印刷システム101における階調の設定例を示す説明図である。本システムでは、インクジェット印刷機1として使用可能(出力可能)な階調のすべての領域は印刷の際に使用しておらず、通常印刷時に使用する階調の領域と、補正印刷で使用する階調の領域とが存在する。通常印刷とは、仕様上(設計上)想定されている標準的な範囲内の条件による印刷を意味する。通常印刷で使用する階調の領域を「通常使用階調領域」という。補正印刷とは、濃度むらの補正処理を適用する印刷である。補正印刷で使用する階調の領域を「補正使用階調領域」という。補正使用階調領域は、通常使用階調領域よりもさらに高濃度の補正を行うことができるように、通常使用階調領域よりもさらに高濃度側の階調領域を含む。なお、図7に示す横軸の入力階調の1500、1800、2000という目
盛りの数値はあくまでも一例である。
例えば、インクジェット印刷機1において使用可能な階調は2048階調であり、インクの色によってそれぞれの色の100%濃度の出力をどの階調と対応付けるかが定められる。例えば、通常印刷では1500階調まで使えば十分な濃度が出せるという場合には、通常使用階調領域は1500階調とする。そして補正に関しては、例えば、1800階調までを使用して濃度不足に対する補正を可能とし、濃度むらを抑制する。
濃度補正チャート400、402において最も高い濃度に設定される最終段のパッチPTの設定階調は、通常使用階調領域内に設定されてもよいし、補正使用階調領域内に設定されてもよい。少なくとも最終段のパッチPTよりも高い濃度の階調を補正に使用できればよい。
《ノズルごとに処理される補正の概要》
図8は、あるノズルについての濃度補正の処理の概念図である。図8の横軸は入力階調を表し、縦軸はスキャナ48による読取濃度値である。図8に示すデータ点DP(k)は、濃度補正チャート402における第k段目のパッチPT(k)の読取濃度値を表す。データ点DP(k+1)は、第(k+1)段目のパッチPT(k+1)の読取濃度値を表す。濃度補正チャート402における異なる濃度のパッチPTの段階数(総段数)をLとすると、kは1≦k≦L-1を満たす整数である。
データ点DP(k)は、パッチPTkの入力階調値GV(k)と、これに対応する読取濃度値RD(k)とが関連付けされており、DP(k)=[GV(k),RD(k)]として表される。同様に、データ点DP(k+1)は、入力階調値GV(k+1)と、これに対応する読取濃度値RD(k+1)とが関連付けされており、DP(k+1)=[GV(k+1),RD(k+1)]として表される。
図8のデータ点DP(k)のように、入力階調値GV(k)に対応する読取濃度値RD(k)が目標濃度値TD(k)よりも低い値を示す場合、目標濃度値TD(k)を実現するために必要な入力階調値(補正された入力階調値)は、2つのデータ点DP(k)、DP(k+1)を結ぶ直線が示す一次関数を適用した内挿法(補間法)によって算出される。
その一方で、図9に示すように、最終段のデータ点DP(L)の読取濃度値RD(L)が目標濃度値TD(L)よりも低い値を示す場合、入力階調値GV(L)に対する目標濃度値TD(L)を実現するために必要な入力階調値(補正値)は、内挿法によって算出することができない。
この点、本実施形態では、最終段のデータ点DP(L)と、その1つ前の第(L-1)段目のデータ点DP(L-1)とに基づいて、最終段より先の(最終段よりも高濃度側の)未取得の読取濃度値が予測され、外挿処理により、補正された入力階調値が算出される。
《最終段の濃度補正方法》
プロセッサ102は、濃度補正チャート402のパッチPTのうち最も高い濃度の設定されている最終段(第L段目)において、濃度を上げる補正を行う際に、取得されている読取濃度値から、さらに高い階調領域の濃度プロファイルを外挿し、外挿された濃度プロファイルから、補正濃度(目標濃度値)を出力する階調(補正された入力階調値)を算出する。
外挿する濃度プロファイルは、最終段とその1つ前の段とのそれぞれの読取濃度値から算出される。例えば、プロセッサ102は、最終段とその1つ前の段とにおけるそれぞれ各ノズルの平均濃度からパッチ間の特性の傾きを算出し、線形の濃度プロファイルとしてもよい。この傾きは、階調に対する濃度の変化の割合を示す。
あるいはまた、プロセッサ102は、高濃度部において階調の増加に伴い濃度の上昇が減衰していく場合は、傾きが0に収束するように濃度プロファイルを設定してもよい。
図10は、線形予測による予測値の外挿の例を示すグラフである。例えば、図10に示すように、最終段のパッチPTの読取濃度値よりも高い濃度領域の予測値を線形予測に基づき、外挿によって求めることが考えられる。
図11は、最終段のパッチPTより高濃度の階調領域において傾きを0に近づけるように予測値を外挿する傾き変動予測の例を示すグラフである。高濃度部において濃度の上昇が減衰していく場合は、例えば、図11に示すように、最終段の読取濃度値よりも高い濃度領域において傾きを0に近づけるように予測値を外挿することが考えられる。
このように、最終段とその1つ前のパッチのそれぞれの読取濃度値から、最終段の先の未取得の読取濃度値を予測して、その結果を外挿することで、目標濃度値が得られる入力階調値を求めることができる。
最終段のパッチPTは本開示における「第1のパッチ」の一例であり、最終段の1つ前のパッチ(第L-1段目)は本開示における「第2のパッチ」の一例である。
《入力階調に対する出力》
一般的に使用するパッチPTの最終段の濃度までは、線形などによる補正及び予測が容易にできるように設計する。最終段のパッチPTの濃度が足りない(目標濃度よりも低い濃度が出力される)場合は、補正を実施する際にパッチ設定範囲外の高い階調領域の階調(以下、「パッチ設定範囲外階調」という。)を使用することになる。
この場合、パッチ設定範囲外階調の特性がパッチPTに使用している階調の特性から容易に予測できるようにすることが重要である。すなわち、外挿処理によって算出される補正値によって得られる特性と、実際の階調の特性との差が、許容範囲に収まる程度に小さくなるような出力となっていれば、パッチ設定範囲外階調を補正値として使用した場合でも精度よく補正することが可能となる。
つまり、外挿処理が機能するには、外挿領域の実際の特性が予測したものと近しいことが必要である。言い換えると、外挿領域について実際の特性が予測可能であることが必要である。外挿領域とは、パッチ設定範囲外の階調領域であり、最終段のパッチの階調よりも高い階調領域である。
ここでいう特性とは、濃度に影響する因子であり、例えば、読み取りの際に使う反射輝度、若しくは光学濃度などの光学特性、あるいはインクの滴量(インク量)などの実際に人が視認する濃度に相関があるものを指す。光学特性は、例えば、国際照明委員会(Commission International d'Eclairage :CIE)により規定されるCIE Lab値のよ
うな人間の視覚濃度特性と相関した値であることが望ましい。本実施形態におけるスキャナ48の読取濃度値は、例えば、読取画像のRGB値から算出される輝度値であってもよい。読取濃度値は、反射輝度を測定したものの一例である。
スキャナ48は、用紙Pなどの基材から反射した照明の反射光を輝度情報として入力と
し、濃度測定値(読取濃度値)を算出している。しかし、高濃度部は反射光が十分に得られず、濃度測定値の分解能が十分に得られない可能性がある。
一方、印刷後に濃度計を用いて測色を行うなどオフラインでの測定が可能な光学濃度又は机上計算が可能な滴量は、スキャナ48によって得られる濃度測定値と相関があるため、これらの値の特性を予測可能な関数の形状(線形又は滑らかな曲線など)とすることで、スキャナ48の濃度測定値においても予測可能な状態とすることができる。このような濃度むら補正を実施する際に、使用するスキャナ48の濃度測定値と相関があり、人が視認する濃度に相関がある要素を「特性」としている。
《特性の予測可能性について》
外挿領域の特性が予測可能である場合の例として、例えば、最終段のデータ点DP(L)と1つ前の段のデータ点DP(L-1)とを結ぶ直線の傾き(以下、「直前の傾き」という。)と、最終段の先の外挿領域における実際の特性の傾きが同じである場合は、一次関数を用いて予測可能である。
また、例えば、最終段の先の外挿領域における実際の特性の傾きが、最初は直前の傾きと同じ傾きで始まるが、階調の増加に伴い、その傾きが徐々に減衰していく(傾きが0に近づいていく)ような滑らかなカーブを示す特性を持つ場合も予測可能である。
その一方で、最終段の先の外挿領域における実際の特性の傾きが急激に増加しているような特性である場合、あるいは、直前の傾きと全く違う傾向を示すような特性である場合などは予測可能とは言い難い。
本実施形態においては、外挿領域の特性が直前の傾きから予測可能であることの条件として、次の2つの条件に注目する。
[条件1]直前の傾きから簡単な演算(線形予測など)で算出できること
[条件2]傾きに変化がある場合は、階調が高くなるにつれて傾きが0に近くなる方向となること
これら2つの条件は、次のように、直前の傾きuと、パッチ設定範囲外階調における傾きの条件として表わすことができる。すなわち、パッチ設定範囲外階調が容易に予測可能となるためには、最終段とその1つ前の段との階調間における特性の傾きをuとした場合に、パッチ設定範囲外階調の任意の2階調間における特性の傾きをbuとした際に、好ましくはどの2点をとっても傾きbuがuに一致することである。つまり、どの2点をとっても係数bの値がb=1であることが好ましい。b=1の場合は線形予測が可能である。
一方で、パッチ範囲外階調は高濃度あるため、最終段のパッチPTよりも高い階調は反射光が足りず、スキャナ48では濃度が潰れて濃度差を正確に読み取れない可能性がある。係数bの値が大きいと、予測に誤差がある場合に、高濃度側の濃度差を正確に認識できずに補正が不十分となり濃度むらになり得る。すなわち、例えば、図12に示すように、係数bの値が大きい場合は予測に基づく補正値の誤差が大きくなり、高濃度側に誤差が発生した場合に補正後の濃度が高くなりすぎて濃度差が読み取れなくなることで補正ができなくなる。
その一方で、図13に示すように、係数bの値を小さくすることで、誤差が小さくなり濃度差が読み取れる可能性を高くできる。係数bの値について、許容される誤差の範囲を考慮すると、係数bの好ましい条件は0≦b≦1.5である。より好ましくは、0≦b≦1.3であり、さらに好ましくは0≦b≦1.1であり、最も好ましくは、0≦b≦1である。0≦b≦1の条件を満たす場合は、傾きが一方向に減衰する。
つまり、外挿領域の特性が直前の傾きから予測可能であることの条件は、図14に示すように、パッチ範囲外階調における任意の2階調間における特性の傾きが直前の傾きuと係数bとの積buで表す場合に、0≦b≦1.5を満たすこと、すなわち、特性曲線上のどこの2点を取っても2点間を結ぶ直線の傾きがbu(0≦b≦1.5)であることとする。このような条件を満たす特性は、ハーフトーン処理によって実現される。つまり、特性はハーフトーン処理によって調整可能である。
なお、図12~図14は縦軸を読取濃度値としているが、既述のとおり、縦軸は光学濃度などの他の特性であってもよい。
図15は、入力階調と光学濃度との関係からなる光学濃度特性のグラフの例である。図12に示す4つの黒丸のそれぞれは濃度パッチのデータ点を表している。図14に示す例では、図示を簡略化するために、4つのデータ点のみを示し、最右に示すデータ点が最終段のパッチに対応するものとする。この最終段のパッチの階調よりも高い階調がパッチ設定範囲外階調である。
図15に例示する光学濃度特性を見た場合に、グラフGaのように入力階調の変化量に対する光学濃度の変化量の割合(変化率)を示す傾きがパッチ間の特性の傾きから大きくなっている場合は、予測がずれた際の誤差が大きくなり、補正の精度が下がる。
また、グラフGcのようにパッチ設定範囲外の階調領域において特性の傾きが0未満となる傾きがあると、濃度を上げるように補正を実施した場合でも濃度が下がり、補正の精度は悪くなる。
本実施形態では、補正の精度を向上させるために、グラフGb1又はグラフGb2のように、パッチで使用している階調領域(以下、「パッチ階調領域」という。)における特性の傾きuに対し、パッチ設定範囲外の階調領域の任意の2点間における特性の傾きbuが0≦b≦1.5となるハーフトーン処理が実施される。
本例のハーフトーン処理は、入力階調の画像を小滴、中滴、及び大滴の3種のドットの配置に変換する処理である。このハーフトーン処理には、例えば、滴比率、及び滴種を選択するルックアップテーブル、閾値マトリクス、ドットパターン、階調変換、ノイズ付加及び/又はノイズ除去の処理、あるいは、ぼかし処理など、様々な処理の要素や手法があり得る。ハーフトーン処理の内容を規定するこれら要素の少なくとも1つのパラメータを調整することにより、所望の特性を実現し得る。
パッチ階調領域の範囲内と範囲外との特性を合わせるために実施するハーフトーン処理は、入力階調に対する各滴を使用する比率が記録されたルックアップテーブルの選択によって実施されてもよく、ドットパターンで実施されてもよい。
パッチ設定範囲外階調におけるハーフトーン処理及び外挿演算処理は、事前に計測した特性をもとに、処理内容を定めておくことが可能であり、特性の傾きは線形若しくは滑らかに変化することが望ましい。
《ハーフトーン処理の調整について》
パッチ設定範囲外階調において予測可能な特性を実現するためのハーフトーン処理の調整は、次のような手順で行われる。ここでは、インクジェット印刷機1を用いた調整方法を説明するが、ハーフトーン処理の調整は、印刷機の個体ごとに実施する必要はなく、同じ仕様の機種ごとに実施されればよい。
[手順1]インクジェット印刷機1の動作モードを「開発モード」とし、インクジェット印刷機1が出力可能な階調のすべての階調領域を使ってハーフトーン調整用の複数のパッチを出力する。開発モードは、インクジェット印刷機1の機種の開発工程あるいは出荷前調整作業工程などにおいてインクジェット印刷機1を動作させる際に使用されるモードである。
[手順2]次に、開発モードにて出力された各パッチの測色を実施する。この測色は、スキャナ48とは別の測色計を用いてオフラインにて実施されてよい。この測色によって、各パッチの光学濃度が得られる。
[手順3]測色した結果から、インクジェット印刷機1が出力できる最大階調を含めて光学濃度が予測可能となるように、ハーフトーン処理の設計及び調整を実施する。ハーフトーン処理の設計には、ハーフトーン処理のアルゴリズムを設計することが含まれる。調整は、ハーフトーン処理において階調特性に関わる箇所のどの要素を調整してよい。例えば、調整によって、ドットパターン(ドットの配置)を修正してもよく、あるいは、滴種選択及び滴比率を修正してもよく、また階調変換を修正してもよく、複数の要素の修正を組み合わせて行ってもよい。
一例として、階調変換の調整は、例えば、1800が入力階調であるとしたときの出力階調を1850にする、などのルックアップテーブルの修正により実施される。各階調にて出力する滴種及びその比率はハーフトーン処理の設計によって決まっているため、階調変換は、実質的に滴種選択及び滴種比率選択であるとも言える。
手順1~3を繰り返して行うことにより、所望の特性を持つハーフトーン処理を実現できる。
図16は、比較例に係るハーフトーン処理による光学濃度特性の例を示すグラフである。図16は、上記したハーフトーン処理の調整が行われていない無調整の場合の特性を示す。ハーフトーン処理の調整を行わない場合、図16に示すように、通常印刷で使用する階調を超える高い階調の領域において、特性の傾きが急激に減少したり、また、急激に増加したりといった予測困難な特性となり得る。図16の矢印Aで示す箇所は、例えば、基材面がドットで埋まり、階調の増加に対して光学濃度が上がり難くなる状態を示している。また、矢印Bで示すように傾きが急激に増加しているのは、例えば、大滴が使用されて濃度が上がりやすくなることによるものである。
図17は、実施形態に係るインクジェット印刷機1において採用されるハーフトーン処理による光学濃度特性の例を示すグラフである。図17は、上記したハーフトーン処理の調整が行われた調整後の特性の例を示す。ハーフトーン処理の調整によって、例えば、線形の特性を実現できる。
《パッチ階調の選定方法》
濃度補正チャート400における複数のパッチPTのそれぞれの濃度をどのレベルの階調に設定するかについては、隣り合う2つのパッチPTからの濃度測定値に基づく内挿あるいは外挿によって算出される補正値の精度を確保できるように、ハーフトーン処理の特性を考慮して定めることが好ましい。
本実施形態では、最も濃度が高い最終段のパッチPT(L)と、最終段に次いで2番目に濃度が高い1つ前の段のパッチPT(L-1)とのノズルごとの入力階調値及び読取濃度値によって求められる線形近似直線と、これら2つのパッチ間の入力階調値に対する実
際の濃度値との差が、これら2つのパッチにおける読取濃度値の差分の10%を下回るようにそれぞれのパッチ階調が選定される。
図18は、実施形態の濃度補正チャートにおいて採用されるパッチ階調の選定例を示すグラフである。図18に示す例では、最終段のパッチPT(L)と、その1つ前の段のパッチPT(L-1)とのノズルごとの入力階調値及び読取濃度値によって求められる線形近似直線と、これら2つのパッチ間の入力階調値に対する実際の濃度値との差が、これら2つのパッチにおける読取濃度値の差分の10%未満となっている。図19のように線形近似直線と実際の濃度値との差が、各パッチPT(L)、P(L-1)の読取濃度値の差分の10%未満となる場合は、外挿による予測の誤差が小さい。
図19は、比較例に係るパッチ階調の選定例を示すグラフである。図19に示す例では、最終段のパッチPT(L)と、その1つ前の段のパッチPT(L-1)とのノズルごとの入力階調値及び読取濃度値によって求められる線形近似直線と、これら2つのパッチ間の入力階調値に対する実際の濃度値との差が、これら2つのパッチにおける読取濃度値の差分の10%以上となっている。図中の符号SLは、スキャナ48によって読み取ることができる階調の上限を表しており、SLよりも高い階調の領域は、スキャナ48では読み取りできない階調である。図19のように線形近似直線と実際の濃度値との差が、各パッチPT(L)、P(L-1)の読取濃度値の差分の10%以上となる場合は、外挿による予測の誤差が大きくなる。すなわち、外挿による予測の元となる直前の傾きの精度が悪いと、予測結果に大きな誤差が発生する。
したがって、図18で説明したように、最終段とその1つ前の段のパッチのPT(L)、PT(L-1)の読取度値から求められる傾きが実際の特性と近いものとなるように、パッチ階調を選択することが望ましい。すなわち、線形近似直線と実際の濃度値との差が、各パッチPT(L)、PT(L-1)の読取濃度値の差分の10%未満となるようにパッチ階調を定めることが望ましい。これにより、スキャナ48では読み取りができない階調における予測によって得られる補正階調の精度が向上する。また、他のパッチPT(1)~PT(L-2)についても、ハーフトーン処理の特性に基づき、階調と濃度、印刷状状態、若しくは濃度予測値の変化点にパッチ階調を設定し、同様の条件を満たすようにすることが望ましい。
《外挿に用いる傾きuの算出方法の例1》
図20は、外挿に用いる傾きuの算出方法の例1を示す図表である。図20には、ノズルごとに傾きuを計算する場合の例が示されている。ここでは、10個のノズルについて例示する。プロセッサ102は、外挿に用いる傾きuの計算をノズルごとに実施してよい。図20には、最終段のパッチPT(L)の入力階調値GV(L)が1600であり、最終段の1つ前の段のパッチPT(L-1)の入力階調値GV(L-1)が1500である場合についてのノズルごとの読取濃度値が示されている。プロセッサ102は、これらのデータを基に、ノズルごとに傾きuを算出し得る。
《外挿に用いる傾きuの算出方法の例2》
図21は、外挿に用いる傾きuの算出方法の例2を示す図表である。図21には、傾きuの計算に全ノズルの平均値を使用する場合の例が示されている。プロセッサ102は、各ノズルの読取濃度値から全ノズルの読取濃度の平均値を求め、最終段のパッチPT(L)についての全ノズルの読取濃度値の平均値と、1つ前の段のパッチPT(L-1)についての全ノズルの読取濃度値の平均値とを用いて、傾きuを算出してもよい。この場合、各ノズルに対して共通の傾きuが適用される。
《外挿に用いる傾きuの算出方法の例3》
図22は、外挿に用いる傾きuの算出方法の例3を示す図表である。図22には、各ノズルのデータを平滑処理して得られる値を用いて傾きuの計算を実施する場合の例が示されている。図22では、平滑処理の例として、3ノズルのデータの移動平均を用いる例が示されている。なお、平滑化する範囲は3ノズルに限らず、適宜の設定が可能である。平滑処理するノズル数は2以上ヘッド内の総ノズル数以下であればよい。総ノズル数は、本開示における「記録素子の総数」の一例である。
プロセッサ102は、各ノズルの読取濃度値から3ノズルの移動平均値を求め、最終段のパッチPT(L)についてのノズルごとの移動平均値と、1つ前の段のパッチPT(L-1)についてのノズルごとの移動平均値とを用いて、ノズルごとに傾きuを算出してもよい。
《画像処理装置の機能的構成》
図23は、本実施形態による濃度むら補正を行う画像処理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。制御装置100は画像処理装置360としての機能を内包する。図23において、図4に示した要素と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
画像処理装置360は、テスト画像データ記憶部362と、濃度補正チャート生成部363と、画像データ取得部364と、ドットデータ生成部365と、補正値生成部366とを含む。テスト画像データ記憶部362には、例えば、図2で例示した濃度補正チャート400のような濃度測定用テスト画像の画像データを含むテスト画像のデータが記憶される。
濃度補正チャート生成部363は、インクジェット印刷機1によって濃度補正チャート400を印刷するために必要なチャート印刷用のデータを生成する。画像データ取得部364は、印刷対象の画像データIMGを取得するインターフェースを含む。画像データIMGは本開示における「画像形成対象の画像データ」の一例である。画像データ取得部364は、通信インターフェース106を含んでもよいし、不図示のメモリカードなどの外部記憶装置からデータを読み込むメディアインターフェースを含んでもよい。
ドットデータ生成部365は、濃度補正処理部370とハーフトーン処理部372とを含み、画像データIMGに基づいてドットデータを生成する。ドットデータ生成部365は、不図示の色変換処理部及び色分解(分版)処理部などを含んでもよい。色変換処理部は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号で表された画像データIMGをインク色に対応するC、M、Y、Kの色信号で表される画像データに変換する処理を行う。色分解処理部は、例えば、C、M、Y、Kの多階調の画像データを、インク色ごとの多階調の画像データに分解(分版)する処理を行う。
濃度補正処理部370は、インク色ごとの多階調の画像データに対して、濃度むらを補正するための補正値(むら補正値)を用いて補正処理(むら補正処理)を施す。ハーフトーン処理部372は、濃度補正処理部370による補正処理後の色ごとの多階調の画像データに対してハーフトーン処理を施す。
補正値生成部366は、スキャナ48によって読み込まれた読取画像から補正値を算出する処理を行う。補正値生成部366は、測定値取得部380と、測定値記憶部382と、演算処理部384と、補正値記憶部386とを含む。
測定値取得部380は、スキャナ48によって読み取られたノズルごとの濃度測定値(読取濃度値)のデータを取得する。測定値取得部380を介して取得されたノズルことの
濃度測定値は測定値記憶部382に記憶される。演算処理部384は、測定値記憶部382に記憶されたノズルごとの濃度測定値を基に、補正値等を算出する。演算処理部384にて算出された補正値は、補正値記憶部386に記憶される。例えば、補正値記憶部386には、階調ごとの目標濃度値を出力し得る補正値を含む入出力階調テーブルが記憶されてもよい。濃度補正処理部370は、補正値記憶部386に記憶されている補正値を用いて補正処理を行う。
なお、テスト画像データ記憶部362、測定値記憶部382及び補正値記憶部386は、コンピュータ可読媒体104の記憶領域を用いて構成される。また、濃度補正チャート生成部363、ドットデータ生成部365及び演算処理部384等の各処理部の機能はプロセッサ102によって実現される。
《補正値の算出処理フロー》
図24は、濃度むらの補正に適用される補正値の算出処理の手順の例を示すフローチャートである。ここでは、現在設定されている初期の補正値を新たな補正値に更新する場合について説明する。なお、補正値は各色のインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kのヘッドごとに算出されるが、ここでは、1つのインクジェットヘッド46Kについての補正値の算出処理について説明する。
ステップS11において、プロセッサ102は、コンピュータ可読媒体104のテスト画像データ記憶部362から濃度測定用テスト画像の画像データを取得する。プロセッサ102は、例えば、図2のような濃度補正チャート400の画像データを取得する。
次いで、ステップS12において、プロセッサ102は、濃度測定用テスト画像の画像データに対して、予め定められた補正値(初期の補正値)を用いて補正処理を施す。ここで適用される補正値には、不吐出のノズルによる濃度不足を補う不吐補正の補正値成分が含まれていてもよい。ステップS12にて適用される補正値は本開示における「第1の補正値」の一例である。
次いで、ステップS13において、プロセッサ102は、補正処理が施された濃度測定用テスト画像の画像データに基づいて、インクジェットヘッド46Kからインクを吐出させ、用紙P上に濃度測定用テスト画像を形成する。
その後、ステップS14において、スキャナ48を用いて用紙P上の濃度測定用テスト画像を読み取る。そして、ステップS15において、プロセッサ102は、スキャナ48から得られた読取画像に基づいて、ノズルごとの各パッチPTの設定階調ごとの濃度測定値を取得する。
次いで、ステップS16において、プロセッサ102は、ノズルごとの各パッチPTの濃度測定値に基づき、各パッチPTの設定階調に対して目標濃度値が得られる補正値を算出する。このとき、最終段のパッチPT(L)の濃度測定値が目標濃度値TD(L)よりも低い場合に、直前の傾きuに基づき外挿処理により補正値が算出される。ステップS12にて算出した補正値は本開示における「第2の補正値」の一例である。そして、ステップS17において、プロセッサ102は、ステップS16にて算出した補正値を最新の補正値として記憶させ、補正値を更新する。ステップS17の後、プロセッサ102は、図23のフローチャートを終了する。その後は、最新の補正値が適用されて、印刷が行われる。
《画像データの印刷処理》
図25は、印刷対象の画像を形成する際の印刷処理の手順の例を示すフローチャートで
ある。例えば、印刷ジョブにおいて指定されている印刷対象の画像を形成する場合には、図25に示すフローチャートが実行される。
ステップS21において、プロセッサ102は、印刷対象の画像データを取得する。
次いで、ステップS22において、プロセッサ102は、取得した画像データに対して最新の補正値を用いて濃度を補正する補正処理を施す。
次いで、ステップS23において、プロセッサ102は、補正処理後の画像データに対してハーフトーン処理を実行し、インクの色ごとのドットデータを生成する。
そして、ステップS24において、プロセッサ102は、インクの色ごとのドットデータに基づいて、各色のインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの吐出動作を制御し、用紙Pに印刷対象の画像を形成する。
これにより、ノズル並び方向のインク量分布に起因する濃度むらを抑制でき、良好な印刷画質の印刷物が得られる。画像処理装置360によって実行される処理を含む画像処理方法は本開示における「画像処理方法」の一例である。
《インクジェットヘッドの構成例》
インクジェット印刷機1に用いられるインクジェットヘッド46K、46C、46M、46Yの構造は共通しているため、ここでは、インクジェットヘッド46として具体的な構成の例を説明する。
図26は、インクジェットヘッド46の構成例を示す斜視図である。図26では、インクジェットヘッド46の斜め下方向からノズル面を見上げた様子が図示されている。インクジェットヘッド46は、複数個のヘッドモジュール212を用紙幅方向に並べて長尺化したフルライン型のラインヘッドである。
図26では17個のヘッドモジュール212を繋ぎ合わせた例を示しているが、ヘッドモジュール212の構造やヘッドモジュール212の個数及び配列形態については、図示の例に限定されない。図中の符号214は、複数個のヘッドモジュール212をバー状に連結固定するための枠体となるベースフレームである。符号216は、各ヘッドモジュール212に接続されたフレキシブル基板である。複数個のヘッドモジュール212は、ベースフレーム214に取り付けられて一体化され、一本のバー状のインクジェットヘッド46が構成される。
図27は、インクジェットヘッド46をノズル面側から見た部分拡大図である。ヘッドモジュール212は、インクジェットヘッド46の短手方向である図27の上下方向の両側からモジュール支持部材218Bによって支持され、モジュール支持部材218Bを介してベースフレーム214に取り付けられる。また、インクジェットヘッド46の長手方向における両端部はヘッド保護部材218Dによって支持されている。
図27では個々のノズルを図示しないが、符号219を付して図示した斜めの実線は、複数個のノズルが一列に並べられたノズル列を表している。
図28は、ヘッドモジュール212のノズル面212Aの平面図である。図28では図示の便宜上、ノズル数を減して描いているが、1個のヘッドモジュール212のノズル面212Aには、例えば32×64個のノズル220が二次元配列されている。また、ノズル面212Aは、撥液膜が形成されている。
図28のY方向が用紙搬送方向であり、Y方向に直交するX方向が用紙幅方向である。ヘッドモジュール212は、X方向に対して角度γの傾きを有するV方向に沿った長辺側の端面と、Y方向に対して角度αの傾きを持つW方向に沿った短辺側の端面とを有し、平面視で平行四辺形の形状となっている。
このようなヘッドモジュール212をX方向に複数個繋ぎ合わせることにより、X方向について用紙Pの全描画範囲をカバーするノズル列が形成され、1回の描画走査で規定の記録解像度による画像記録が可能なラインヘッドが構成される。なお、シングルパス方式に適用されるフルライン型のラインヘッドは、記録媒体としての用紙Pの全面を印刷範囲とする場合に限らず、記録媒体の一部が印刷領域となっている場合(例えば、記録媒体の周囲に余白部を設ける場合等)には、印刷に必要なノズル列が形成されていればよい。
図29は、ヘッドモジュール212における1つのイジェクタ222の立体的構造を示す縦断面図である。イジェクタ222は、ノズル220と、ノズル220に通じる圧力室250と、圧電素子252とを備える。ノズル220は、ノズル流路254を介して圧力室250と通じている。圧力室250は個別供給路224を介して供給側共通流路226に通じている。ノズル220は本開示における「記録素子」の一例である。
圧力室250の天面を構成する振動板256は、圧電素子252の下部電極に相当する共通電極として機能する導電層(不図示)を有する。圧力室250その他の流路部分の壁部や振動板256などはシリコンによって作製することができる。振動板256の材質はシリコンに限らず、樹脂などの非導電性材料によって形成する態様も可能である。振動板部材の表面に導電材料による導電層が形成される。なお、振動板256自体をステンレス鋼などの金属材料によって構成し、共通電極を兼ねる振動板としてもよい。
振動板256に圧電素子252が積層された構造により、圧電ユニモルフアクチュエータが構成される。圧電素子252の上部電極である個別電極258に駆動電圧を印加することによって圧電体260を変形させ、振動板256を撓ませることで圧力室250の容積を変化させる。この容積変化に伴う圧力変化により、ノズル220からインクが吐出される。インク吐出後に圧電素子252が元の状態に戻る際に、供給側共通流路226から個別供給路224を通って新しいインクが圧力室250に充填される。圧力室250にインクが充填される動作を「リフィル」という。本例では圧電体260のd31モードの歪み変形を利用して振動板256を撓ませる構成を例示しているが、d33モードを利用する形態やシェアモード(せん断変形)を利用して吐出を行う形態も可能である。
圧力室250の平面視形状については、特に限定はなく、四角形その他の多角形、円形、或いは楕円形など、様々な形態があり得る。
また、本例のヘッドモジュール212は、回収側共通流路280を備え、各イジェクタ222のノズル流路254に個別回収路282が接続されている。個別回収路282は回収側共通流路280に接続されている。
図29における符号266はカバープレートである。カバープレート266は圧電素子252の可動空間268を保し、かつ、圧電素子252の周囲を封止する部材である。カバープレート266の上方には、不図示の供給側インク室及び回収側インク室が形成されている。供給側インク室は、不図示の連通路を介して供給側共通流路226に連結されている。回収側インク室は、不図示の連通路を介して回収側共通流路280に連結されている。供給側共通流路226から個別供給路224を介して圧力室250に供給されたインクは、ノズル流路254を通ってノズル220から吐出される。また、吐出に使用されな
いインクは、ノズル流路254から個別回収路282を介して回収側共通流路280に回収される。
供給側共通流路226の圧力と回収側共通流路280の圧力とに圧力差があり、イジェクタ222からインクを吐出しない状態において、個別供給路224から圧力室250と個別回収路282を通って回収側共通流路280へとインクが流れる。
このようなインク循環構造を採用することにより、圧力室250内のインクの増粘が防止され、吐出安定性を高めることができる。イジェクタ222からインクの吐出を行った場合のリフィルの際には、供給側共通流路226から個別供給路224を介して圧力室250にインクが供給され、かつ、回収側共通流路280から個別回収路282を介して圧力室250にインクが供給される。つまり、回収側共通流路280は、イジェクタ222からインクを回収する役割を果たすだけでなく、リフィルの際にはイジェクタ222にインクを供給する役割も果たし得る。
《インクジェットヘッドの吐出方式について》
図29では圧電素子252を備えるインクジェットヘッド46を例示したが、他の吐出方式によるインクジェットヘッドを用いてよい。一般に、インクジェットヘッドのイジェクタは、インクを吐出するノズルと、ノズルに通じる圧力室と、圧力室内の液体に吐出エネルギーを与える吐出エネルギー発生素子と、を含んで構成される。イジェクタのノズルから液滴を吐出させる吐出方式に関して、吐出エネルギーを発生させる手段は、圧電素子に限らず、発熱素子又は静電アクチュエータなど、様々な吐出エネルギー発生素子を適用し得る。例えば、発熱素子による液体の加熱による膜沸騰の圧力を利用して液滴を吐出させる方式を採用することができる。インクジェットヘッドの吐出方式に応じて、相応の吐出エネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
《コンピュータを動作させるプログラムについて》
画像処理装置360を含む制御装置100における処理機能の一部又は全部をコンピュータに実現させるプログラムを、光ディスク、磁気ディスク、若しくは、半導体メモリその他の有体物たる非一時的な情報記憶媒体であるコンピュータ可読媒体に記録し、この情報記憶媒体を通じてプログラムを提供することが可能である。
またこのような非一時的なコンピュータ可読媒体にプログラムを記憶させて提供する態様に代えて、インターネットなどの電気通信回線を利用してプログラム信号をダウンロードサービスとして提供することも可能である。
制御装置100における処理機能の一部又は全部は、クラウドコンピューティングによって実現してもよく、また、SasS(Software as a Service)サービスとして提供す
ることも可能である。
《各処理部のハードウェア構成について》
画像処理装置360における濃度補正チャート生成部363、画像データ取得部364、ドットデータ生成部365、ドットデータ生成部365、濃度補正処理部370、ハーフトーン処理部372、補正値生成部366、測定値取得部380、及び演算処理部384、並びに、制御装置100におけるシステム制御部310、画像処理部311、搬送制御部312、給紙制御部313、処理液付与制御部314、処理液乾燥制御部316、描画制御部318、インク乾燥制御部320、排紙制御部324などの各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、例えば、次に示すような各種
のプロセッサ(processor)である。
各種のプロセッサには、プログラムを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU、画像処理に特化したプロセッサであるGPU、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプロ
グラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサで構成されてもよい。例えば、1つの処理部は、複数のFPGA、あるいは、CPUとFPGAの組み合わせ、またはCPUとGPUの組み合わせによって構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第一に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第二に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
《本実施形態による効果》
本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
[1]最終段のパッチPT(L)のインク量を減らしつつ、スキャナ48の濃度解像度が低下する高濃度領域において補正値の予測精度を向上させることができる。
[2]また、図18で説明した条件を満たすパッチ階調を選定することにより、補正値の予測精度を一層向上させることができる。
《記録媒体について》
上記した実施形態では、記録媒体として、枚葉紙である用紙Pを用いる例を説明したが、画像形成に用いられる記録媒体は、枚葉の媒体に限らず、ロール紙などの連続媒体であってもよい。また、枚葉の媒体は、予め規定のサイズに整えられたカット紙に限らず、連続媒体から随時、規定のサイズに裁断して得られるものであってもよい。「記録媒体」という用語は、用紙、記録用紙、印刷用紙、印刷媒体、印字媒体、被印刷媒体、画像形成媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体、印刷基材、あるいは基材など様々な用語で呼ばれるものを含む。記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、シール用紙、樹脂シート、フィルム、布、不織布、その他材質や形状を問わず、様々な形態がありうる。
《記録媒体の搬送機構について》
上記した実施形態では、ドラム搬送方式の印刷システム101を例示したが、記録媒体の搬送方式は、ドラム搬送方式に限らない。記録媒体を搬送する搬送機構は、ベルト搬送方式、ニップ搬送方式、チェーン搬送方式、パレット搬送方式、又はロールツーロール搬送方式など、各種形態を採用することができ、これら方式を適宜組み合わせることができる。
《変形例1》
上記した実施形態では、水性インクを用いる例を説明したが、水性インクに代えて、紫
外線硬化型インクを用いてもよい。紫外線硬化型インクが用いられる場合、インクジェット印刷機1は、加熱乾燥処理部90に代えて、又はこれに加えて紫外線照射装置を備える。
《変形例2》
上記した実施形態では、ページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット印刷機1を説明したが、本開示の適用範囲はこれに限定されず、シリアル型ヘッドなど、短尺の記録ヘッドを移動させながら、複数回のヘッド走査により画像形成を行うインクジェット印刷機についても本開示の技術を適用できる。また、画像を形成する方式はインクジェット方式に限らない。
《記録素子の説明》
「記録素子」は、記録ヘッドにおいて画像記録を行う最小構成単位であり、記録媒体の記録点に対応する位置に配置され、記録媒体にドットを形成するものをいう。例えば、インクジェット方式の記録ヘッドの場合、記録素子はノズルと理解してよい。記録素子としては、熱転写記録方式の発熱体又は電子写真記録方式のLED(Light Emitting Diode)素子などであってもよい。
《インクジェット方式以外の記録ヘッドの利用形態について》
上記の実施形態では、画像形成装置の一例としてインクジェット印刷機1を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、サーマル素子を記録素子とする記録ヘッドを備えた熱転写記録装置、LED素子を記録素子とする記録ヘッドを備えたLED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタ等、ドット記録を行う各種方式の画像形成装置についても本発明を適用することが可能である。画像形成に用いる「色材」はインクに限らず、例えば、トナーであってもよい。
《用語について》
「印刷機」という用語は、画像形成装置、印刷装置、プリンタ、印字装置、画像記録装置、画像出力装置、或いは、描画装置などの用語と同義である。「画像形成」という用語は、印刷、画像記録、印字、描画、及びプリントなどの用語の概念を含む。「描画」という用語は、デジタルデータに基づくデジタル印刷の用語の概念を含む。画像形成装置には、例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルタ製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェット装置が含まれる。
「画像」は広義に解釈するものとし、カラー画像、白黒画像、単一色画像、グラデーション画像、均一濃度(ベタ)画像なども含まれる。「画像」は、写真画像に限らず、図柄、文字、記号、線画、モザイクパターン、色の塗り分け模様、その他の各種パターン、若しくはこれらの適宜の組み合わせを含む包括的な用語として用いる。
《実施形態及び変形例等の組み合わせについて》
上記の実施形態で説明した構成や変形例で説明した事項は、適宜組み合わせて用いることができ、また、一部の事項を置き換えることもできる。
《その他》
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
1 インクジェット印刷機
10 給紙部
11 搬送機構
12 給紙装置
12A 給紙台
14 フィーダボード
16 給紙ドラム
20 処理液付与部
22 処理液塗布ドラム
23 グリッパ
24 処理液塗布装置
30 処理液乾燥部
32 処理液乾燥ドラム
33 グリッパ
34 温風送風機
40 描画部
42 描画ドラム
43 グリッパ
44 ヘッドユニット
46、46C、46M、46Y 、46K インクジェットヘッド
47 用紙押さえローラ
48 スキャナ
50 インク乾燥部
60 集積部
62 集積装置
62A 集積トレイ
70 チェーングリッパ
71A 第1スプロケット
71B 第2スプロケット
72 チェーン
74 グリッパ
80 用紙ガイド
82 第1用紙ガイド
84 第2用紙ガイド
90 加熱乾燥処理部
100 制御装置
101 印刷システム
102 プロセッサ
104 コンピュータ可読媒体
106 通信インターフェース
108 入出力インターフェース
110 バス
112 RAM
114 ROM
116 ストレージ
122 入力装置
124 表示装置
212 ヘッドモジュール
212A ノズル面
214 ベースフレーム
218B モジュール支持部材
218D ヘッド保護部材
219 ノズル列
220 ノズル
222 イジェクタ
224 個別供給路
226 供給側共通流路
250 圧力室
252 圧電素子
254 ノズル流路
256 振動板
258 個別電極
260 圧電体
266 カバープレート
268 可動空間
280 回収側共通流路
282 個別回収路
302 記憶装置
304 通信部
310 システム制御部
311 画像処理部
312 搬送制御部
313 給紙制御部
314 処理液付与制御部
316 処理液乾燥制御部
318 描画制御部
320 インク乾燥制御部
324 排紙制御部
332 画像メモリ
334 パラメータ記憶部
336 プログラム記憶部
350 ホストコンピュータ
360 画像処理装置
362 テスト画像データ記憶部
363 濃度補正チャート生成部
364 画像データ取得部
365 ドットデータ生成部
366 補正値生成部
370 濃度補正処理部
372 ハーフトーン処理部
380 測定値取得部
382 測定値記憶部
384 演算処理部
386 補正値記憶部
400 濃度補正チャート
402 濃度補正チャート
Ga グラフ
Gb1 グラフ
Gb2 グラフ
Gc グラフ
GV 入力階調値
IMG 画像データ
NR ノズル範囲
NZ1、NZi、NZn ノズル番号
P 用紙
PT パッチ
DP(k)、DP(k+1)、DP(L-1)、DP(L) データ点
RD(k)、RD(L) 読取濃度値
TD(k)、TD(L) 目標濃度値
GV(k)、GV(L) 入力階調値
SL スキャナの読取可能な階調の上限
S11 ~S17 補正値の算出処理のステップ
S21~S24 印刷処理のステップ

Claims (14)

  1. 複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて画像を形成する際の前記第1の方向における色材量分布に起因する濃度むらを補正する画像処理方法であって、
    前記第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を前記記録ヘッドによって形成することにより得られる前記テスト画像のそれぞれの前記パッチについての前記記録素子ごとの濃度測定値をプロセッサが取得することと、
    前記プロセッサが前記濃度測定値から前記記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出することと、
    を含み、
    前記プロセッサが、前記補正値を算出する際に、前記複数の前記パッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、前記第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの前記濃度測定値に基づき、前記第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行うことと、
    前記第1のパッチと前記第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、前記第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における前記特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を満たすハーフトーン処理を行うことと、
    を含む、画像処理方法。
  2. 前記特性は、視認される濃度と相関がある光学特性である、請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記テスト画像における前記複数のパッチは、前記第1の方向と直交する第2の方向に並んで配置される、請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  4. 前記テスト画像は、前記記録素子ごとに予め定められた第1の補正値を用いて、前記濃度むらを補正する補正処理が施された画像データに基づいて形成され、
    前記プロセッサは、前記テスト画像を基に取得された前記記録素子ごとの前記濃度測定値から算出される前記補正値としての第2の補正値により前記第1の補正値を修正する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  5. 前記テスト画像は、
    前記第1のパッチと前記第2のパッチとのそれぞれのパッチについての前記記録素子ごとの入力階調値及び前記濃度測定値によって求められる線形近似直線と、
    前記第1のパッチと前記第2のパッチとのパッチ間の入力階調値に対応する濃度測定値との差が、前記第1のパッチと前記第2のパッチとのそれぞれのパッチの濃度測定値の差分の10%未満となる、前記第1のパッチと前記第2のパッチを含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  6. 前記プロセッサが、
    前記記録素子ごとの前記第1のパッチ及び前記第2のパッチのパッチ間における階調に対する前記特性から算出された前記外挿処理によって前記補正値を算出する演算を実施する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  7. 前記プロセッサが、
    前記記録ヘッドに備えるすべての前記記録素子の前記第1のパッチ及び前記第2のパッチのそれぞれから得られる前記濃度測定値の平均値を用いて算出された前記外挿処理によって前記補正値を算出する演算を実施する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  8. 前記プロセッサが、
    前記記録ヘッドに備える複数の前記記録素子の前記第1のパッチ及び前記第2のパッチのそれぞれから得られる前記濃度測定値を平滑処理して得られる値を用いて算出された前記外挿処理によって前記補正値を算出する演算を実施する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  9. 前記平滑処理する前記記録素子の数は、2以上前記記録ヘッドの前記記録素子の総数以下である、
    請求項8に記載の画像処理方法。
  10. 前記プロセッサが、
    前記第1のパッチよりも高濃度の領域において階調の増加に伴い、前記傾きを0に近づけるように前記外挿処理を行う、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  11. 複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて画像を形成する際の前記第1の方向における色材量分布に起因する濃度むらを補正する画像処理装置であって、
    プロセッサと、
    前記プロセッサが実行するプログラムが記憶されるメモリと、
    を備え、
    前記プロセッサは、前記プログラムを実行することにより、
    前記第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を前記記録ヘッドによって形成することにより得られる前記テスト画像のそれぞれの前記パッチについての前記記録素子ごとの濃度測定値を取得する処理と、
    前記濃度測定値から前記記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出する処理と、を行い、
    前記補正値を算出する際に、前記複数の前記パッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、前記第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの前記濃度測定値に基づき、前記第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行い、
    前記第1のパッチと前記第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、前記第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における前記特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を満たすハーフトーン処理を行う、
    画像処理装置。
  12. 複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて画像を形成する際の前記第1の方向における色材量分布に起因する濃度むらを補正する画像処理の機能をコンピュータに実現させるプログラムであって、
    前記第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を前記記録ヘッドによって形成することにより得られる前記テスト画像のそれぞれの前記パッチについての前記記録素子ごとの濃度測定値を取得する機能と、
    前記濃度測定値から前記記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出する機能と、をコンピュータに実現させ、
    前記補正値を算出する際に、前記複数の前記パッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、前記第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの前記濃度測定値に基づき、前記第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行う機能と、
    前記第1のパッチと前記第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、前記第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における前記特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を満たすハーフトーン処理を行う機能と、を実現させる、プログラム。
  13. 複数の記録素子が第1の方向に配列された記録ヘッドと、
    記録媒体と前記記録ヘッドとを相対移動させる相対移動機構と、
    前記記録ヘッドを用いて前記記録媒体に形成された画像の濃度を測定する濃度測定装置と、
    プロセッサと、を備え、
    前記プロセッサは、
    前記第1の方向に一様の濃度が設定された複数のパッチを含む濃度測定用のテスト画像を前記記録ヘッドによって形成させる処理と、
    前記記録ヘッドによって形成された前記テスト画像のそれぞれの前記パッチの濃度を前記濃度測定装置によって測定させ、それぞれの前記パッチについての前記記録素子ごとの濃度測定値を取得する処理と、
    前記濃度測定値から前記記録素子ごとの入力階調に対する出力階調を補正する補正値を算出する処理と、
    画像形成対象の画像データに対して前記補正値を用いて、補正された画像データを生成する補正処理と、を行い、
    前記補正値を算出する際に、前記複数の前記パッチのうち最も高い濃度に設定される第1のパッチと、前記第1のパッチに次いで2番目に高い濃度に設定される第2のパッチとのそれぞれのパッチの前記濃度測定値に基づき、前記第1のパッチよりも高濃度の領域における未取得の濃度測定値を予測して外挿処理を行い、
    前記第1のパッチと前記第2のパッチとのパッチ間における階調に対する特性の傾きをuとする場合に、前記第1のパッチよりも高濃度側の補正に使用する入力階調の階調領域における任意の2点の階調間における前記特性の傾きがbuであって、bの値が0≦b≦1.5を満たすハーフトーン処理を行い、
    前記記録ヘッドは、前記補正値を用いて前記補正処理が施された前記画像データに基づいて画像形成を行う、
    画像形成装置。
  14. 前記記録ヘッドは、前記記録素子としてのノズルを有するインクジェットヘッドである、
    請求項13に記載の画像形成装置。
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