JP7767720B2 - 塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法 - Google Patents

塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法

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Description

この発明は、塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法に関する。
パワー半導体モジュールは、1つまたは複数のパワー半導体チップを内蔵して変換接続の一部または全体を構成し、かつ、パワー半導体チップと積層基板または金属基板との間が電気的に絶縁された構造を持つパワー半導体デバイスである。パワー半導体モジュールは、産業用途としてエレベータなどのモータ駆動制御インバータなどに使われている。さらに近年では、車載用モータ駆動制御インバータに広く用いられるようになっている。車載用インバータでは、燃費向上のため小型・軽量化や、エンジンルーム内の駆動用モータ近傍に配置されることから、高温動作での長期信頼性が求められる。
ここで、車載用パワー半導体モジュールは、産業用パワー半導体モジュールに比べ、設置空間の制約から小型、軽量化が求められる。また、モータを駆動するための出力パワー密度が高くなるため、運転時における半導体チップ温度が高くなるとともに、高温動作時の長期信頼性の要求も高まってきている。このため、高温動作・長期信頼性を有したパワー半導体モジュール構造が要求されてきている。
このようなパワー半導体モジュールでは、半導体チップ上面と電極パターン間を金属ワイヤで接続して、半導体チップと金属ワイヤの保護のため、パワー半導体モジュールのケース内に、封止樹脂を充填させている。封止樹脂は、例えばエポキシ樹脂であり、ゲル状の状態でケース内に注入して、加熱硬化させている。
また、従来、自動車や産業機器には多数の物理量センサが用いられている。物理量センサには圧力センサや加速度センサなどがあり、高温多湿の厳しい環境で使用されることが多い。物理量センサ装置では、凹部にセンスエレメントが配置される樹脂ケースと、センスエレメントの信号を外部に伝達するためのインタフェースとなるソケット部と、によってパッケージが構成される技術が提案されている。物理量センサは、物理量を測定するセンサチップが樹脂ケースに配置される。物理量センサが圧力センサである場合、センサチップは、圧力センサチップであり、圧力が印加された際におもて面に発生する歪を抵抗値に変換する。
このような物理量センサでも、センサチップと、外部に信号を取り出すためのリード端子との間を金属ワイヤで接続して、センサチップと金属ワイヤの保護のため、樹脂ケース内にゲル状の液剤を注入している。
パワー半導体モジュールおよび物理量センサで、液剤を注入する際、液剤内の気泡対策、液剤注入時の注入ばらつき低減および注入時間低減のため、真空下で液剤注入を実施する場合がある。例えば、真空室内で樹脂吐出部より液状樹脂をワークに塗布することで、液状樹脂とワークの界面に気泡を巻き込んで封止されることがない技術が公知である(下記、特許文献1参照)。
図7は、従来のパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示す断面図である。図8は、従来のパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示すフローチャートである。
図7および図8は、従来のパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法において、パワー半導体モジュールおよび物理量センサにゲル注入を行う工程を示している。図7は、スクリューディスペンサー110を備える塗布装置101の例である。
従来の液剤注入を行う工程では、まず、シリンジ114を交換して、切り替えバルブ120を開き、交換時に空気混入した液剤113を排出する(ステップS101)。次に、塗布装置101の塗布圧力および塗布時間を設定する(ステップS102)。次に、真空室123内に被塗布装置112を配置し真空室123の真空引きを行い(ステップS103)、真空室123を真空にする。被塗布装置112は、パワー半導体モジュールまたは物理量センサである。
次に、初期塗布量を確認後、塗布を開始する(ステップS104)。例えば、切り替えバルブ120を閉じ、塗布装置101は、シリンジ114内の液剤113をスクリューディスペンサー110内の液剤貯留部115に注入させる。次に、塗布装置101は、回転軸119を回転させることで、スクリュー型回転子117を回転させ、液剤圧送部116に圧力をかけ、液剤113をノズル111から被塗布装置112内に注入する。この際、ノズル111と被塗布装置112を真空室123内におくことで、真空下で液剤113の注入を実施している。
次に、真空室123を大気に開放し、被塗布装置112を取り出す(ステップS105)。これにより、一台の被塗布装置112に対する液剤113の注入は終了して、被塗布装置112台数分、ステップS103~ステップS105を繰り返す。
特開2005-2170006号公報
しかしながら、従来の方法では、ノズル111の先端および被塗布装置112は、真空室123内に配置されるが、塗布装置101のモーノポンプ、スクリューポンプ、プランジャーポンプ等の可動部は、大気圧下に設定されている。図7のスクリューディスペンサー110の場合は、液剤圧送部116がスクリューポンプに対応する。
このため、塗布装置101の可動に伴い周辺空気を巻き込む場合がある。この場合、被塗布装置112への注入環境が真空下であったとしても、動作中に可動部の微小な隙間から周囲の空気を巻き込み、塗布装置101内に気泡が混入する可能性がある。例えば、図7の場合、回転軸119の回転により軸受け118から空気が進入して、液剤貯留部115内に、気泡124が混入する可能性がある。気泡が混入した場合、注入量がばらつき、周辺が汚染され、製品品質に影響を及ぼすと想定される。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、塗布装置の可動部からの周辺空気の巻き込みを減少させ、気泡の混入を低減できる塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる塗布装置は、次の特徴を有する。液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、前記ディスペンサー、およびケース内に半導体チップが配置された被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる装置真空室と、を備える。前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、前記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる塗布装置は、次の特徴を有する。液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、ケース内に半導体チップが配置された被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる真空室と、前記ディスペンサーの可動部を内部に配置し、内部を真空に保持できる可動部真空室と、を備える。前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、前記可動部の中で、大気と接する前記軸受け、および液剤貯留部より外部に飛び出した前記回転軸の部分が前記可動部真空室内に設けられ、前記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法は、次の特徴を有する。液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、前記ディスペンサー、およびパワー半導体モジュールまたは物理量センサからなる被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる装置真空室と、を備える塗布装置において、前記装置真空室内に前記被塗布装置を配置し、前記装置真空室内を真空にする第1工程を行う。次に、前記装置真空室内を真空にした後、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する第2工程を行う。次に、前記液剤を塗布後、前記装置真空室内を大気に開放して、前記被塗布装置を取り出す第3工程を行う。前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、前記第2工程では、前記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法は、次の特徴を有する。液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、パワー半導体モジュールまたは物理量センサからなる被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる真空室と、前記ディスペンサーの可動部を内部に配置し、内部を真空に保持できる可動部真空室と、を備える塗布装置において、前記可動部真空室を真空にする第1工程を行う。次に、前記真空室内に前記被塗布装置を配置し、前記真空室内を真空にする第2工程を行う。次に、前記可動部真空室内および前記真空室内を真空にした後、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する第3工程を行う。次に、前記液剤を塗布後、前記真空室内を大気に開放して、前記被塗布装置を取り出す第4工程を行う。前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、前記可動部の中で、大気と接する前記軸受け、および液剤貯留部より外部に飛び出した前記回転軸の部分が前記可動部真空室内に設けられ、前記第3工程では、前記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する。
また、この発明にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法は、上述した発明において、前記第1工程より前に、前記シリンジを交換して、交換時に空気混入した前記液剤を前記シリンジ内から排出する第5工程を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法は、上述した発明において、前記液剤は、前記パワー半導体モジュールおよび前記物理量センサ内の半導体チップと金属ワイヤが接続される領域に塗布されることを特徴とする。
本発明にかかる塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法によれば、塗布装置の可動部からの周辺空気の巻き込みを減少させ、気泡の混入を低減できるという効果を奏する。
実施の形態1にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示す断面図である。 実施の形態1にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかるパワー半導体モジュールの構造を示す断面図である。 実施の形態1にかかる物理量センサの構造を示す断面図である。 実施の形態2にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示す断面図である。 実施の形態2にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示すフローチャートである。 従来のパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示す断面図である。 従来のパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示す断面図である。図2は、実施の形態1にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示すフローチャートである。図1および図2は、実施の形態1にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法における、パワー半導体モジュールおよび物理量センサにゲル注入を行う工程を示している。パワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法の他の工程は、従来、一般的に行われている工程と同様であるため、説明を省略する。
ここで、塗布装置1は、液剤13を定量吐出するディスペンサーと、液剤13を蓄えるシリンジ14とから構成され、被塗布装置12に液剤13を塗布する装置である。図1は、ディスペンサーとして、スクリューディスペンサー10を備える塗布装置1の例である。ディスペンサーとは、液体定量吐出装置のことであり、液体を精度良く定量供給する装置である、ディスペンサーとして、スクリューディスペンサー10以外に、モーノディスペンサー等を使用してもよい。また、往復駆動により液剤13を送り出すピストン構造を備えるピストン式ディスペンサーであってもよいし、ここで挙げない他の方式によるディスペンサーであってもよい。
スクリューディスペンサー10は、液剤圧送部16であるスクリュー型回転子17と、液剤13を貯留する液剤貯留部15とを有する。スクリュー型回転子17は、軸受け18で液剤貯留部15内部に保持されて、回転軸19を中心として回転する。スクリューディスペンサー10は、一方の端部にノズル11が設けられ、スクリュー型回転子17の回転により生じた圧力により液剤13をノズル11の先端部から液剤13が吐出される。液剤13は、加熱により流動性を失ったゲル状の硬化物となる粘性を持つ液体であってもよい。粘性を持つ液体は、例えば、粘度が0.1[Pa・s]~1000[Pa・s]の液剤である。
シリンジ14は、液体や気体を注入および吸引するために用いられる器具であり、液剤13がシリンジ14に滞留され、液剤貯留部15に送られる。シリンジ14には、切り替えバルブ20が接続され、切り替えバルブ20を開くことにより、液剤13を外部に排出することができる。
装置真空室21は、塗布装置1のスクリューディスペンサー10および被塗布装置12を内部に配置している。塗布装置1のディスペンサーを内部に配置してもよい。装置真空室21は、気密性のある材料、例えば、ガラス等で作成され、内部を真空(例えば13Pa~7000Paより好ましくは1.3Pa~700Pa)に保持することができる。また、装置真空室21には、図示していない真空ポンプが接続されており、真空ポンプを作動させることにより装置真空室21内に真空空間を形成することができる。また、装置真空室21内を真空にすることではなく、装置真空室21内を減圧させてもよい。
さらに、図1には図示していないが、スクリューディスペンサー10の位置や移動速度の制御と、液剤13の送出の制御と、スクリューディスペンサー10から吐出される液剤13の量の制御と、スクリュー型回転子17の回転速度や回転方向等を制御する制御部を備える。
制御部は、CPU、RAMおよびROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUはいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
次に、パワー半導体モジュールおよび物理量センサの構造について説明する。図3は、実施の形態1にかかるパワー半導体モジュールの構造を示す断面図である。図3に示すように、パワー半導体モジュール44においては、絶縁基板32の一方の面であるおもて面に銅などの第1導電性板33、他方の面である裏面には銅などの第2導電性板34が配置されて積層基板35を構成する。積層基板35の第1導電性板33のおもて面には、はんだ等の接合層41を介して、複数のパワー半導体チップ31が搭載されている。外部に信号を取り出す金属端子39は、ケース37内に接合されている。さらにパワー半導体チップ31のおもて面には、接合層41を介して、アルミワイヤ等の金属ワイヤ40が取り付けられ、パワー半導体チップ31と金属端子39を電気的に接続している。パワー半導体チップ31、積層基板35、金属ワイヤ40等の被封止部材上には、密着性を向上させるためにプライマー層43が積層されている。また、ケース37内部にもプライマー層43が設けられ、プライマー層43と接触して封止材として封止樹脂38が充填されている。封止樹脂38は、例えばエポキシ樹脂であり、ゲル状の状態でケース37内に注入して、加熱硬化させ、パワー半導体チップ31および金属ワイヤ40を外部の水分等から保護している。
また、図4は、実施の形態1にかかる物理量センサの構造を示す断面図である。図4では、物理量センサとして圧力センサのセンサエレメント51のみを記載している。図4に示すように、センサエレメント51は、樹脂ケース52、樹脂ケース52の凹部に収納された、圧力センサチップ(半導体チップ)53、台座部材54、ダイアフラム59を備える。台座部材54と圧力センサチップ53とは、静電接合によって接合されている。台座部材54と樹脂ケース52とは、接着剤55によって接着されている。リード端子57は、センサエレメント51の信号を取り出すための端子ピンであり、複数配置される。
リード端子57は、それぞれ、樹脂ケース52と一体成形されている。リード端子57の一方の端部は、樹脂ケース52の内部に突出し、圧力センサチップ53のおもて面上のパッド部に設けられた各電極にボンディングワイヤ55により接続されている。
樹脂ケース52内部には封止材として封止ゲル58が充填されている。封止ゲル58は、例えばフッ素ゲルであり、圧力センサチップ53、ボンディングワイヤ55およびリード端子57を被測定圧力媒体から保護している。封止ゲル58を設けるために注入される液剤は、例えば、信越化学工業株式会社製SIFEL(登録商標)を用いることができる。
以下に、実施の形態1において、パワー半導体モジュール44に封止樹脂38となる液剤を注入する方法、物理量センサのセンサエレメント51にゲル部材58となる液剤を注入する方法の詳細を説明する。
実施の形態1の液剤注入を行う工程では、まず、シリンジ14を交換して、切り替えバルブ20を開き、交換時に空気混入した液剤13を排出する(ステップS11:第5工程)。このように、液剤13を事前に脱泡しておくことで、シリンジ14からスクリューディスペンサー10への経路内から、気泡が混入することを防止できる。
次に、被塗布装置12を配置し、装置真空室21の真空引きを行い(ステップS12:第1工程)、装置真空室21を真空にする。ここで、被塗布装置12は、パワー半導体モジュール44や、物理量センサのセンサエレメント51である。次に、塗布装置1の塗布圧力および塗布時間を設定する(ステップS13)。
次に、初期塗布量を確認後、塗布を開始する(ステップS14:第2工程)。例えば、切り替えバルブ20を閉じ、塗布装置1は、シリンジ14内の液剤13をスクリューディスペンサー10内の液剤貯留部15に注入させる。次に、塗布装置1は、回転軸19を回転させることで、スクリュー型回転子17を回転させ、液剤圧送部16に圧力をかけ、液剤13をノズル11から被塗布装置12内に注入する。
次に、装置真空室21を大気に開放し、被塗布装置12を取り出す(ステップS15:第3工程)。これにより、一台の被塗布装置12に対する液剤13の注入は終了して、被塗布装置12台数分、ステップS13~ステップS15を繰り返す。
実施の形態1では、図1に示すように、装置真空室21は、塗布装置1の可動部(図1では、液剤貯留部15、液剤圧送部16、スクリュー型回転子17、軸受け18および回転軸19)にも配置されている。このため、塗布装置1の可動部を真空下に設置することが可能になり、塗布装置1の動作時に空気を巻き込んだとしても、巻き込まれる空気の量はごくわずかとなる。このため、巻き込まれた空気が減少することにより、塗布装置1内に気泡が混入することを低減できる。これにより、気泡混入による製品品質への影響は大幅に抑制され、さらに、注入量のばらつきの低減、周辺汚染の抑制も可能になる。
また、塗布装置1にはノズル11の先端からの液ダレを発生しなくするような機構(例えば、塗布後真空引き・塗布後逆回転)が存在し、塗布装置1から液剤13が漏れ出すことはない。また、塗布装置1の隙間は前述のノズル11や塗布時可動部があるが、塗布時可動部も微小なエアリークがあったとしても、空気(エア)に比べて圧倒的に粘度が高い液剤13が漏れ出すような隙間がない構造となっている。
また、液剤13の投入口はシリンジ14やバレルといった専用の容器が設置されて、シリンジ14やバレルから液剤が投入されている。図1は、シリンジ14の例である。シリンジ14やバレルにはネジ溝が切ってあり、投入口に対して締めこむ形で接続され、塗布装置1内へは空気が入らない構造となっている。ただし、液剤13の補充時(シリンジ14交換時)には、接続部にごくわずかに空気が入る場合があるが、実施の形態1では、シリンジ14交換時に、液剤13の投入口近くの切り替えバルブ20を開け、交換時に生じた空気混入の液剤13を排出しているため、塗布装置1内に空気が入ることはない。
以上、説明したように、実施の形態1の塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法によれば、装置真空室は、塗布装置の可動部にも配置されている。このため、塗布装置の可動部を真空下に設置することが可能になり、塗布装置の動作時に空気を巻き込んだとしても、巻き込まれる空気の量はごくわずかとなる。このため、巻き込まれた空気が減少することにより、塗布装置内に気泡が混入することを低減できる。これにより、製品品質への影響は大幅に抑制され、さらに、注入量のばらつきの低減、周辺汚染の抑制も可能になる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示す断面図である。図6は、実施の形態2にかかるパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法を示すフローチャートである。実施の形態2でも実施の形態1と同様に、図5および図6は、パワー半導体モジュールおよび物理量センサにゲル注入を行う工程を示している。パワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法の他の工程は、従来、一般的に行われている工程と同様であるため、説明を省略する。
実施の形態2では、塗布装置1全体ではなく、塗布装置1のノズル11と被塗布装置12が真空室23内に設けられ、塗布装置1の軸受け18等の可動部が可動部真空室22内に設けられている。実施の形態2では、塗布装置1の可動部の中で、大気と接する軸受け18および液剤貯留部15より外部に飛び出した回転軸19の部分が可動部真空室22内に設けられている。また、可動部真空室22および真空室23には、図示していない真空ポンプが接続されており、真空ポンプを作動させることにより可動部真空室22および真空室23内に真空空間を形成することができる。他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態2において、パワー半導体モジュール44に封止樹脂38を注入する方法、物理量センサのセンサエレメント51にゲル部材58を注入する方法の詳細を説明する。ここで、図5は、スクリューディスペンサー10を備える塗布装置1の例である。スクリューディスペンサー10以外に、モーノディスペンサー等を使用してもよい。
実施の形態2の液剤注入を行う工程では、まず、シリンジ14を交換して、切り替えバルブ20を開き、交換時に空気混入した液剤13を排出する(ステップS21:第5工程)。このように、液剤13を事前に脱泡しておくことで、シリンジ14からスクリューディスペンサー10への経路内から、気泡が混入することを防止できる。
次に、可動部真空室22の真空引きを行い(ステップS22:第1工程)、可動部真空室22を真空にする。次に、塗布装置1の塗布圧力および塗布時間を設定する(ステップS23)。次に、真空室23内に被塗布装置12を配置し真空室23の真空引きを行い(ステップS24:第2工程)、真空室23を真空にする。ここで、被塗布装置12は、パワー半導体モジュール44や、物理量センサのセンサエレメント51である。
次に、初期塗布量を確認後、塗布を開始する(ステップS25:第3工程)。例えば、切り替えバルブ20を閉じ、塗布装置1は、シリンジ14内の液剤13をスクリューディスペンサー10内の液剤貯留部15に注入させる。次に、塗布装置1は、回転軸19を回転させることで、スクリュー型回転子17を回転させ、液剤圧送部16に圧力をかけ、液剤13をノズル11から被塗布装置12内に注入する。
次に、真空室23を大気に開放し、被塗布装置12を取り出す(ステップS26:第4工程)。これにより、一台の被塗布装置12に対する液剤13の注入は終了して、被塗布装置12台数分、ステップS24~ステップS26を繰り返す。
実施の形態2では、図5に示すように、塗布装置1の可動部に可動部真空室22が配置されている。このため、塗布装置1の可動部を真空下に設置することが可能になり、塗布装置1の動作時に空気を巻き込んだとしても、巻き込まれる空気の量はごくわずかとなる。このため、巻き込まれた空気が減少することにより、塗布装置1内に気泡が混入することを低減できる。これにより、製品品質への影響は大幅に抑制され、さらに、注入量のばらつき低減、周辺汚染抑制も可能になる。また、実施の形態2では、塗布装置1の可動部のみを真空にしているため、実施の形態1に比べて、真空引き時間を短縮でき、大規模な真空装置が不要となる。
以上、説明したように、実施の形態2の塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法によれば、可動部真空室が、塗布装置の可動部に配置されている。このため、実施の形態1と同様の効果を有する。さらに、実施の形態2では、塗布装置の可動部のみを真空にしているため、実施の形態1に比べて、真空引き時間を短縮でき、大規模な真空装置が不要となる。
以上のように、本発明にかかる塗布装置、およびパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法は、インバータなどの電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置や自動車のイグナイタなどに使用されるパワー半導体モジュールや、センサチップを備えた物理量センサ装置に有用であり、特に圧力センサ装置に適している。
1、101 塗布装置
10、110 スクリューディスペンサー
11、111 ノズル
12、112 被塗布装置
13、113 液剤
14、114 シリンジ
15、115 液剤貯留部
16、116 液剤圧送部
17、117 スクリュー型回転子
18、118 軸受け
19、119 回転軸
20、120 切り替えバルブ
21 装置真空室
22 可動部真空室
23、123 真空室
31 パワー半導体チップ
32 絶縁基板
33 第1導電性板
34 第2導電性板
35 積層基板
37 ケース
38 封止樹脂
39 金属端子
40 金属ワイヤ
41 接合層
42 放熱ベース
43 プライマー層
44 パワー半導体モジュール
51 センサエレメント
52 樹脂ケース
53 圧力センサチップ
54 台座部材
55 ボンディングワイヤ
56 絶縁性部材
57 リードピン
58 液体
59 ダイアフラム
124 気泡

Claims (6)

  1. 液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、
    前記ディスペンサー、およびケース内に半導体チップが配置された被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる装置真空室と、
    を備え、
    前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、前記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布することを特徴とする塗布装置。
  2. 液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、
    ケース内に半導体チップが配置された被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる真空室と、
    前記ディスペンサーの可動部を内部に配置し、内部を真空に保持できる可動部真空室と、
    を備え、
    前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、前記可動部の中で、大気と接する前記軸受け、および液剤貯留部より外部に飛び出した前記回転軸の部分が前記可動部真空室内に設けられ、
    記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布することを特徴とする塗布装置。
  3. 液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、
    前記ディスペンサー、およびパワー半導体モジュールまたは物理量センサからなる被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる装置真空室と、を備える塗布装置において、
    前記装置真空室内に前記被塗布装置を配置し、前記装置真空室内を真空にする第1工程と、
    前記装置真空室内を真空にした後、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する第2工程と、
    前記液剤を塗布後、前記装置真空室内を大気に開放して、前記被塗布装置を取り出す第3工程と、
    を含み、
    前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、
    前記第2工程では、前記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布することを特徴とするパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法。
  4. 液剤を定量吐出する液剤圧送部と前記液剤を蓄えるシリンジとを有するディスペンサーと、
    パワー半導体モジュールまたは物理量センサからなる被塗布装置を内部に配置し、内部を真空に保持できる真空室と、
    前記ディスペンサーの可動部を内部に配置し、内部を真空に保持できる可動部真空室と、を備える塗布装置において、
    前記可動部真空室を真空にする第1工程と、
    前記真空室内に前記被塗布装置を配置し、前記真空室内を真空にする第2工程と、
    前記可動部真空室内および前記真空室内を真空にした後、前記被塗布装置に前記液剤を塗布する第3工程と、
    前記液剤を塗布後、前記真空室内を大気に開放して、前記被塗布装置を取り出す第4工程と、
    を含み、
    前記ディスペンサーは、スクリュー型回転子、軸受けおよび回転軸を有し、前記可動部の中で、大気と接する前記軸受け、および液剤貯留部より外部に飛び出した前記回転軸の部分が前記可動部真空室内に設けられ、
    前記第3工程では、前記回転軸を回転させることで、前記スクリュー型回転子を回転させ、前記被塗布装置に前記液剤を塗布することを特徴とするパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法。
  5. 前記第1工程より前に、前記シリンジを交換して、交換時に空気混入した前記液剤を前記シリンジ内から排出する第5工程を含むことを特徴とする請求項3または4に記載のパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法。
  6. 前記液剤は、前記パワー半導体モジュールおよび前記物理量センサ内の半導体チップと金属ワイヤが接続される領域に塗布されることを特徴とする請求項3~5のいずれか一つに記載のパワー半導体モジュールおよび物理量センサの製造方法。
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