下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、本開示における表面性状測定装置および表面性状測定方法について詳細に説明する。
A.表面性状測定装置
本開示における表面性状測定装置は、被測定面に、明領域および暗領域を有する照明光を照射する照射部と、上記被測定面に焦点を合わせて、上記被測定面で反射し、上記照明光の上記明領域および上記暗領域に対応する明領域および暗領域を有する反射光を受光し、上記被測定面における上記反射光の光強度分布を検出する光検出部と、上記被測定面における上記反射光の光強度分布において、上記明領域の光強度のピーク値、または上記明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める第1処理部と、上記第1処理部で求めた上記光強度のばらつきを数値化する第2処理部と、を有する。
本開示の表面性状測定装置について図面を参照して説明する。図1は、本開示の表面性状測定装置を例示する図である。図1に示すように、表面性状測定装置10は、被測定面1に、明領域および暗領域を有する照明光L1を照射する照射部2と、被測定面1に焦点を合わせて、被測定面1で反射し、照明光L1の明領域および暗領域に対応する明領域および暗領域を有する反射光L2を受光し、被測定面1における反射光L2の光強度分布を検出する光検出部5と、被測定面1における反射光L2の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値、または明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める第1処理部6と、第1処理部6で求めた光強度のばらつきを数値化する第2処理部7と、を有する。
照射部2は、光源3と、マスク4とを有している。例えば図2に示すように、マスク4は、長方形状の透過領域11および遮光領域12を有している。照明部2においては、光源3からの光がマスク4を通過することで、被測定面1に、線状明領域および暗領域を有する照明光L1が照射される。
被測定面1に照明光L1が照射されると、照明光L1は被測定面1で反射される。図3に示すように、この反射光L2は、照明光L1の線状明領域および暗領域に対応する、線状明領域21(21a~21d)および暗領域22を有する。
例えば図1において、光検出部5が撮像装置である場合、光検出部5は、被測定面1に焦点を合わせて、反射光L2を撮像する。これにより、例えば図3に示すような、被測定面1における反射光の画像が得られる。また、撮像装置(光検出部5)では、ピクセル毎に反射光L2の光強度を検出し、被測定面1における反射光L2の光強度分布を検出する。
例えば図3において、被測定面における反射光の画像が、反射光の線状明領域の長手方向D1にN個のピクセル、反射光の線状明領域の短手方向D2にM個のピクセルを有する場合、被測定面における反射光の画像を、反射光の線状明領域の長手方向D1にN個の分割領域A1~Anに分割する。各分割領域A1~Anでの反射光の光強度分布は、例えば図4に示すような光強度分布となる。図4に示す光強度分布のグラフにおいて、横軸は、反射光の線状明領域の短手方向D2の位置である。
第1処理部6では、分割領域A1~An毎に、反射光の光強度分布において、線状明領域21(21a~21d)の光強度のピーク値、または線状明領域21(21a~21d)の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める。
図5(a)は、各分割領域A1~Anでの反射光の光強度分布を示すグラフであり、明領域の光強度のピーク値を求める場合の例である。図3に示すように、反射光L2は4つの線状明領域21(21a~21d)を有するため、図5(a)に示す反射光の光強度分布では、線状明領域21a~21d毎に光強度のピーク値P1j~P4jを求める。そして、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21a~21d毎に、光強度のピーク値P1j~P4j(j=1~n)を求める。
また、図5(b)は、各分割領域A1~Anでの反射光の光強度分布を示すグラフであり、明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める場合の例である。図3に示すように、反射光L2は4つの線状明領域21(21a~21d)を有するため、図5(b)に示す反射光の光強度分布では、まず、線状明領域21a~21d毎に光強度のピーク値P1j~P4jを示す位置q0、r0、s0、t0を求める。また、各線状明領域21a~21dの光強度分布をそれぞれの光強度のピーク値P1j~P4jを境界として左側光強度分布23および右側光強度分布24に分割する。次に、線状明領域21aの左側光強度分布23において、光強度のピーク値P1jを示す位置q0から、所定の値q1離れた位置の光強度の値Q1kを求める。同様に、線状明領域21aの右側光強度分布24において、光強度のピーク値P1jを示す位置q0から、所定の値q2離れた位置の光強度の値Q2kを求める。そして、線状明領域21a~21d毎かつ左側光強度分布23および右側光強度分布24毎に、光強度のピーク値P1j~P4jを示す位置q0、r0、s0、t0から、所定の値q1~q2、r1~r2、s1~s2、t1~t2離れた位置の光強度の値Q1k~Q2k、R1k~R2k、S1k~S2k、T1k~T2kを求める。さらに、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21a~21d毎かつ左側光強度分布23および右側光強度分布24毎に、光強度の値Q1k~Q2k、R1k~R2k、S1k~S2k、T1k~T2k(k=1~n)を求める。
第2処理部7では、第1処理部6で求めた光強度のばらつきを数値化する。
第1処理部6において、例えば図5(a)に示すように、反射光の光強度分布において、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21(21a~21d)毎に光強度のピーク値を求める場合は、具体的には、以下のようにして光強度のばらつきを数値化することができる。まず、一つの線状明領域21aについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P1j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21aの光強度の変動係数とする。同様に、他の線状明領域21bについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P2j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21bの光強度の変動係数とする。また、他の線状明領域21cについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P3j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21cの光強度の変動係数とする。さらに、他の線状明領域21dについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P4j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21dの光強度の変動係数とする。次に、各線状明領域21a~21dの光強度の変動係数の算術平均値を算出する。この各線状明領域21a~21dの光強度の変動係数の算術平均値を、光強度のばらつきとする。
また、第1処理部6において、例えば図5(b)に示すように、反射光の光強度分布において、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21(21a~21d)毎かつ左側光強度分布23および右側光強度分布24毎に光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める場合は、具体的には、以下のようにして光強度のばらつきを数値化することができる。まず、一つの線状明領域21aの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値Q1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21aの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、一つの線状明領域21aの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値Q2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21aの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。同様に、他の線状明領域21bの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値R1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21bの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、線状明領域21bの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値R2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21bの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。また、他の線状明領域21cの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値S1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21cの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、線状明領域21cの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値S2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21cの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。さらに、他の線状明領域21dの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値T1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21dの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、線状明領域21dの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値T2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21dの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。次に、各線状明領域21a~21dの左側光強度分布23および右側光強度分布24の光強度の変動係数の算術平均値を算出する。この各線状明領域21a~21dの左側光強度分布23および右側光強度分布24の光強度の変動係数の算術平均値を、光強度のばらつきとすることができる。
本開示の表面性状測定装置においては、物体表面の凹凸やうねり等の表面性状、いわゆる、ゆず肌を、例えば上記の光強度の変動係数等として定量的に評価することができる。したがって、ゆず肌の数値化が可能である。
また、従来の装置では、光源に焦点を合わせて、反射光を撮像するのが一般的である。これに対し、本開示においては、光源に焦点を合わせるのではなく、被測定面に焦点を合わせて、反射光を受光し、反射光の光強度分布を検出する。このように被測定面に焦点を合わせることで、ゆず肌を強調させることができる。
また、従来の装置のように、明領域のピッチを求める場合、ピッチによる明領域同士の相対的な歪みを数値化することになる。この場合、例えば明領域の歪みが比較的小さいと、明領域のピッチのばらつきが小さくなる傾向にあるため、ゆず肌を十分に評価することができない。これに対し、本開示においては、明領域の光強度のピーク値、または明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求めるため、1つの明領域の絶対的な歪みを数値化することができる。そのため、明領域の歪みが比較的小さい場合であっても、ゆず肌を定量的に評価することができる。
以下、本開示の表面性状測定装置の構成について説明する。
1.照明部
本開示における照明部は、被測定面に、明領域および暗領域を有する照明光を照射する。
照明部により照射される照明光において、明領域および暗領域は、それぞれ1つ以上であればよい。中でも、照明光は、複数の明領域を有することが好ましい。被測定面に、このような照明光を照射することにより、データの個数(サンプルサイズ)を多くすることができ、被測定面の表面性状を正確に測定することができる。
また、明領域の形状は、特に限定されず、例えば、線状、点状、面状等が挙げられる。
明領域が線状である場合、線状明領域の形状は、線状であれば特に限定されず、例えば、直線状であってもよく、曲線状であってもよい。
また、明領域が点状である場合、点状の明領域の形状は、点状であれば特に限定されず、例えば、正方形状、長方形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。
また、明領域が面状である場合、面状の明領域の形状は、面状であれば特に限定されず、例えば、正方形状、長方形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。
中でも、照明光は、線状明領域を有することが好ましく、複数の線状明領域を有することがより好ましい。特に、照明光が複数の線状明領域を有する場合、ストライプ状の明領域および暗領域を有することが好ましい。被測定面に、このような照明光を照射することにより、データの個数(サンプルサイズ)を多くすることができ、被測定面の表面性状を正確に測定することができる。
また、照明光が複数の点状の明領域を有する場合、明領域が格子点状に配置された照明光であってもよい。
照明部は、明領域および暗領域を有する照明光を照射することができるものであれば特に限定されず、例えば、光源と、透過領域および遮光領域を有するマスクとを有する照明部や、光源等が挙げられる。中でも、照明部は、光源と、透過領域および遮光領域を有するマスクとを有することが好ましい。マスクを用いることで、明領域の形状を容易に制御することができる。
照明部が、光源と、マスクとを有する場合、光源は、特に限定されず、例えば、LED(発光ダイオード)、OLED(有機発光ダイオード)、ハロゲンランプ、タングステンランプ等が挙げられる。中でも、OLEDが好ましい。OLED光源は、光強度の均一性が高い。
また、マスクは、透過領域および遮光領域を有する。マスクにおいて、透過領域および遮光領域の数は、それぞれ1つ以上であればよい。
また、透過領域の形状は、特に限定されず、例えば、線状、点状、面状等が挙げられる。
透過領域が線状である場合、線状の透過領域の形状は、線状であれば特に限定されず、例えば、直線状であってもよく、曲線状であってもよい。
また、透過領域が点状である場合、点状の明領域の形状は、点状であれば特に限定されず、例えば、正方形状、長方形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。
また、透過領域が面状である場合、面状の透過領域の形状は、面状であれば特に限定されず、例えば、正方形状、長方形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。
中でも、マスクは、線状の透過領域を有することが好ましく、複数の線状の透過領域を有することがより好ましい。特に、マスクが複数の線状の透過領域を有する場合、透過領域はストライプ状に配置されていることが好ましい。このようなマスクを用いることにより、データの個数(サンプルサイズ)を多くすることができ、被測定面の表面性状を正確に測定することができる。
また、マスクが複数の点状の透過領域を有する場合、透過領域は格子点状に配置されていてもよい。
例えば図2は、透過領域11が線状かつ直線状であり、透過領域がストライプ状に配置されている例であり、この場合、透過領域11の平面視形状は長方形状となる。また、例えば図6(a)は、透過領域11が線状かつ曲線状である例であり、この場合、透過領域11の平面視形状は円弧状とすることができる。また、例えば図6(b)は、透過領域11が点状であり、透過領域11が格子点状に配置されており、透過領域11の平面視形状が正方形状である例である。また、例えば、図6(c)は、透過領域11が面状であり、透過領域11の平面視形状が長方形状である例である。
マスクが複数の線状の透過領域を有し、透過領域がストライプ状に配置されている場合、線状の透過領域の線幅、長さ、ピッチはそれぞれ、等しくてもよく、異なっていてもよいが、中でも、等しいことが好ましい。線状の透過領域の線幅、長さ、ピッチは、特に限定されず、適宜設定される。
また、マスクが複数の点状の透過領域を有し、透過領域が格子点状に配置されている場合、点状の透過領域の大きさ、ピッチはそれぞれ、等しくてもよく、異なっていてもよいが、中でも、等しいことが好ましい。点状の透過領域の大きさ、ピッチは、特に限定されず、適宜設定される。
また、マスクが面状の透過領域を有する場合、面状の透過領域の大きさは、特に限定されず、適宜設定される。
マスクは、透過領域および遮光領域を有していればよく、例えば、透明基板と、透明基板の一方の面に配置されたパターン状の遮光層とを有していてもよく、あるいは、遮光基板と、遮光基板を貫通する開口部とを有していてもよい。
また、照明部が光源である場合、光源は、例えば、線光源、点光源、面光源等が挙げられる。中でも、線光源が好ましい。線光源は、線状明領域を有する照明光を照射することができる。
線光源は、例えば、蛍光灯、線状のLED光源、線状のOLED光源が挙げられる。
面光源は、例えば、面状のLED光源、面状のOLED光源等が挙げられる。
また、照明部として、ディスプレイを用いてもよい。この場合、ディスプレイには、明領域および暗領域を有するパターンを表示する。
被測定面への照明光の入射角度は、光検出部で被測定面からの反射光を受光することができれば特に限定されず、通常、90°未満である。また、照明光の入射角毎に、上記光強度のばらつきを数値化してもよい。なお、被測定面への照明光の入射角度は、被測定面への照明光の入射方向と、被測定面の法線方向とのなす角である。
被測定面と照明部との距離は、照明部から照射された照明光が被測定面で反射され、光検出部で明領域および暗領域を有する反射光を受光することができれば特に限定されず、適宜設定される。
2.光検出部
本開示における光検出部は、被測定面に焦点を合わせて、被測定面で反射し、上記照明光の明領域および暗領域に対応する明領域および暗領域を有する反射光を受光し、被測定面における上記反射光の光強度分布を検出する。
光検出部は、被測定面に焦点を合わせることができ、また、被測定面からの反射光を受光し、被測定面での反射光の光強度分布を検出することができれば特に限定されず、例えば、光を電気信号に変換する光電変換装置等が挙げられる。光電変換装置としては、例えば、撮像装置、フォトダイオードアレイ等が挙げられる。また、光電変換装置は、単一のフォトダイオードをステッピングモーター等の駆動装置を用いてに走査する装置であってもよい。中でも、光電変換装置が好ましく、撮像装置がより好ましい。
撮像装置では、被測定面に焦点を合わせて、被測定面で反射し、上記照明光の明領域および暗領域に対応する明領域および暗領域を有する反射光を撮像する。そして、得られた画像から、被測定面における反射光の光強度分布を得る。
撮像装置は撮像素子を有する。撮像素子は、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等が挙げられる。また、撮像装置は、例えば、デジタルカメラ等が挙げられる。また、撮像装置は、例えば、エリアカメラ、ラインカメラのいずれも用いることができる。ラインカメラの場合において、反射光が線状明領域を有する場合には、反射光の線状明領域の長手方向に走査することが好ましい。また、ラインカメラの場合において反射光が格子点状の明領域を有する場合には、反射光の明領域の格子点のx方向またはy方向に走査することが好ましい。
光検出部は、上記照明光の正反射光を受光する。そのため、反射光の受光角度は、上記照明光の入射角度と等しい。なお、反射光の受光角度は、被測定面の法線方向に対する角度をいう。また、反射光の受光角度θ2が、照明光の入射角度θ1と等しいとは、θ1±10°以内であることをいい、θ1±5°以内が好ましく、θ1±3°以内がより好ましい。
被測定面と光検出部との距離は、光検出部で明領域および暗領域を有する反射光を受光することができれば特に限定されず、適宜設定される。被測定面と光検出部との距離は、被測定面と照明部との距離と同じであってもよく、異なっていてもよい。
光検出部が撮像装置である場合、撮像素子の画素数は、適宜設定することができる。
中でも、被測定面と光検出部との距離、および撮像素子の画素数は、1ピクセルのサイズが、例えば、1μm以上1000μm以下、さらに10μm以上100μm以下、特に10μm以上30μm以下になるように設定することが好ましい。ヒトの目の分解能は、個人差があるものの、例えば30cmの距離で100μm程度である。そのため、1ピクセルのサイズは、小さくても、ヒトの目の分解能を多少超える程度であればよいと考えられる。1ピクセルのサイズが上記範囲内であれば、被測定面の表面性状を十分に測定することができる。
光検出部では、被測定面に焦点を合わせる。焦点は多少ずれていてもよい。被測定面に焦点を合わせる方法としては、例えば、被測定面にアライメントマークを配置し、このアライメントマークに焦点を合わせる方法や、被測定面から法線方向に所定の距離離れた位置に、目印を配置し、この目印に焦点を合わせる方法が挙げられる。被測定面から法線方向に所定の距離離れた位置に、目印を配置する場合、被測定面と目印との距離は、例えば、3cm以下である。
被測定面からの反射光は、上記照明光の明領域および暗領域に対応する明領域および暗領域を有する。反射光における明領域および暗領域は、上記照明光における明領域および暗領域と同様である。
3.第1処理部
本開示における第1処理部では、上記被測定面における上記反射光の光強度分布において、上記明領域の光強度のピーク値、または上記明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める。
反射光が線状明領域を有する場合、第1処理部では、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割し、分割領域毎に光強度を求めることが好ましい。また、反射光が複数の線状明領域を有する場合には、第1処理部では、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割し、分割領域毎かつ線状明領域毎に光強度を求めることが好ましい。データの個数(サンプルサイズ)を多くすることができ、被測定面の表面性状を正確に測定することができる。
上記の場合、分割領域の数(N個)は、特に限定されない。例えば光検出部が撮像装置である場合には、撮像装置で得られた反射光の画像における、反射光の線状明領域の長手方向のピクセル数を、分割領域の数(N個)とすることができる。分割領域の数(N個)が多いほど、データの個数(サンプルサイズ)を多くすることができ、被測定面の表面性状を正確に測定することができる。また、例えば光検出部が撮像装置である場合、ピクセル毎に反射光の光強度が検出されるため、分割領域の数(N個)の上限は、反射光の線状明領域の長手方向のピクセル数以下とする。
ここで、反射光の線状明領域の長手方向とは、反射光の線状明領域が延びる方向をいう。例えば、反射光の線状明領域の形状が直線状である場合には、反射光の線状明領域の長手方向は、直線状の線状明領域が延びる方向である。また、例えば、反射光の線状明領域の形状が曲線状である場合には、反射光の線状明領域の長手方向は、曲線状の線状明領域が延びる方向である。
例えば、反射光の線状明領域の形状が直線状である場合には、反射光の線状明領域の長手方向は、直線状の線状明領域が延びる方向であり、例えば図3において符号D1で示される。また、例えば、反射光の線状明領域の形状が曲線状である場合には、反射光の線状明領域の長手方向は、曲線状の線状明領域が延びる方向であり、例えば図7において符号D1で示される。
反射光が面状の明領域を有する場合、第1処理部では、被測定面における反射光の光強度分布を、任意の方向にN個の分割領域に分割し、分割領域毎に光強度を求めることができる。データの個数(サンプルサイズ)を多くすることができる。被測定面における反射光の光強度分布をN個の分割領域に分割する方向は、特に限定されず、面状の明領域の形状に応じて適宜設定される。
例えば図8(a)に示すように、面状の明領域21の平面視形状が長方形状である場合、まず、被測定面における反射光の画像の長方形状の明領域21の短手方向D4に、暗領域22、明領域21および暗領域22が順に並ぶように、被測定面における反射光の画像を、枠線31で切り取ることができる。この場合、例えば図8(b)に示すような、反射光の画像が得られる。次いで、図8(b)に示すように、反射光の画像を、図8(a)に示す元の長方形状の明領域21の長手方向D3に、N個の分割領域A1~Anに分割し、分割領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎に光強度を求めてもよい。
あるいは、例えば図8(a)に示すように、面状の明領域21の平面視形状が長方形状である場合、まず、被測定面における反射光の画像の長方形状の明領域21の長手方向D3に、暗領域22、明領域21、暗領域22が順に並ぶように、被測定面における反射光の画像を、枠線32で切り取ることができる。この場合、例えば図8(c)に示すような、反射光の画像が得られる。次いで、図8(c)に示すように、反射光の画像を、図8(a)に示す元の長方形状の明領域21の短手方向D4に、N個の分割領域A1~Anに分割し、分割領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎に光強度を求めてもよい。
上記の場合、分割領域の数(N個)は、特に限定されない。例えば光検出部が撮像装置である場合には、撮像装置で得られた反射光の画像における、上記の任意の方向のピクセル数を、分割領域の数(N個)とすることができる。
また、反射光が格子点状の明領域を有する場合には、明領域毎に光強度を求めることができる。この際、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の明領域の格子点のx方向に分割して、明領域毎に光強度を求めてもよい。あるいは、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の明領域の格子点のy方向に分割して、明領域毎に光強度を求めてもよい。
例えば図9に示すような、被測定面における反射光の画像においては、反射光の明領域の格子点のx方向はD5で示され、反射光の明領域の格子点のy方向はD6で示される。
また、例えば図9に示すように、被測定面における反射光の画像が、反射光の明領域の格子点のx方向D5に4個、反射光の明領域の格子点のy方向D6に9個の明領域を有する場合において、被測定面における反射光の画像を、反射光の明領域の格子点のx方向D5に分割して、明領域毎に光強度を求める場合には、例えば図10(a)に示すような光強度分布が得られる。図10(a)に示す光強度分布のグラフにおいて、横軸は、反射光の明領域の格子点のx方向D5の位置である。また、上記の場合において、被測定面における反射光の画像を、反射光の明領域の格子点のy方向D6に分割して、明領域毎に光強度を求める場合には、例えば図10(b)に示すような光強度分布が得られる。図10(b)に示す光強度分布のグラフにおいて、横軸は、反射光の明領域の格子点のy方向D6の位置である。
例えば光検出部が撮像装置である場合において、反射光が線状明領域を有する場合であって、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割する際には、撮像装置で得られた反射光の画像を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割してもよい。この際、反射光が直線状の線状明領域を有する場合は、画像の角度を調整して、線状明領域の長手方向が水平または垂直になるように、角度調整処理を行ってもよい。
具体的には、まず、ノイズ除去のために、撮像装置で得られた反射光の画像に平滑化処理および2値化処理を行う。平滑化処理の方法は、例えば、移動平均法、ガウシアンフィルタをかける方法等が挙げられる。次に、1つの直線状の線状明領域について、直線近似する。この際、2値化後の、1つの直線状の線状明領域において、例えば、長手方向の一方の端のデータを用いて、直線近似を行うことができる。直線近似の方法は、例えば、最小二乗法が挙げられる。次に、近似直線の傾きが0になるように画像を回転する。これにより、反射光の線状明領域の長手方向を垂直にすることができる。また、画像をさらに90°回転させると、反射光の線状明領域の長手方向を水平にすることができる。
第1処理部では、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を求めてもよく、または明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求めてもよい。中でも、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求めることが好ましい。ゆず肌は、明領域と暗領域との境界付近で見えやすいため、上記のような位置の光強度を求めることが好ましい。
図5(a)は、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を求める例であり、反射光が線状明領域21a~21dを有する例である。図5(a)に示す反射光の光強度分布では、線状明領域21a~21d毎に光強度のピーク値P1j~P4jを求める。また、反射光が線状明領域を有する場合であって、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割する場合には、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21a~21d毎に、光強度のピーク値P1j~P4j(j=1~n)を求める。
また、図5(b)は、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める場合の例であり、反射光が線状明領域21a~21dを有する例である。図5(b)に示す反射光の光強度分布では、まず、線状明領域21a~21d毎に光強度のピーク値P1j~P4jを示す位置q0、r0、s0、t0を求める。また、各線状明領域21a~21dの光強度分布をそれぞれの光強度のピーク値P1j~P4jを境界として左側光強度分布23および右側光強度分布24に分割する。次に、線状明領域21aの左側光強度分布23において、光強度のピーク値P1jを示す位置q0から、所定の値q1離れた位置の光強度の値Q1kを求める。同様に、線状明領域21aの右側光強度分布24において、光強度のピーク値P1jを示す位置q0から、所定の値q2離れた位置の光強度の値Q2kを求める。そして、線状明領域21a~21d毎かつ左側光強度分布23および右側光強度分布24毎に、光強度のピーク値P1j~P4jを示す位置q0、r0、s0、t0から、所定の値q1~q2、r1~r2、s1~s2、t1~t2離れた位置の光強度の値Q1k~Q2k、R1k~R2k、S1k~S2k、T1k~T2kを求める。さらに、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21a~21d毎かつ左側光強度分布23および右側光強度分布24毎に、光強度の値Q1k~Q2k、R1k~R2k、S1k~S2k、T1k~T2k(k=1~n)を求める。
被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める場合、明領域の光強度のピーク値を示す位置と所定の位置との距離は、特に限定されない。
例えば、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を求めたときの光強度の算術平均値を基準値とし、明領域の光強度のピーク値を示す位置から、光強度が基準値の10%以上100%以下となる位置の光強度を求めることができる。中でも、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を求めたときの光強度の算術平均値を基準値とし、明領域の光強度のピーク値を示す位置から、光強度が基準値の30%以上80%以下、特に40%以上60%以下となる位置の光強度を求めることが好ましい。ゆず肌は、明領域と暗領域との境界付近で見えやすいため、上記のような位置の光強度を求めることが好ましい。
上記の場合、例えば、まず、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を求める。具体的には、図5(a)に示す反射光の光強度分布では、線状明領域21a~21d毎に光強度のピーク値P1j~P4jを求める。また、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割する場合には、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21a~21毎に、光強度のピーク値P1j~P4j(j=1~n)を求める。そして、光強度のピーク値P1j~P4j(j=1~n)の算術平均値を求め、これを基準値とする。次に、明領域の光強度のピーク値を示す位置から、光強度が基準値の所定の範囲内となる位置の光強度を求める。
明領域の光強度のピーク値を示す位置と所定の位置との距離は、一定とすることができる。すなわち、例えば図5(b)において、所定の値q1~q2、r1~r2、s1~s2、t1~t2は一定とすることができる。
第1処理部では、光検出部で検出された被測定面における反射光の光強度分布に、明領域の光強度のピーク値の位置を求めることを目的として、予め平滑化処理を行ってもよい。反射光の光強度分布において、光強度の変動が細かいために、明領域の光強度のピーク値の位置を求めることが困難である場合には、平滑化処理を行うことが好ましい。平滑化処理を行うことにより、明領域の光強度のピーク値の位置を容易に決めることができる。また、光強度の変動が細かい場合に、単純に明領域の光強度の最大値を明領域の光強度のピーク値とすると、光強度のばらつきを正確に評価することが困難になる可能性がある。
平滑化処理の方法としては、例えば、移動平均法等が挙げられる。また、平滑化処理の方法は、フーリエ変換を行った後、ノイズとなるピークのピッチよりも高周波の成分を除去し、フーリエ逆変換を行う方法であってもよい。
平滑化処理を行う場合には、平滑化処理後の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値の位置を求める。そして、明領域の光強度のピーク値や、明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める際には、平滑化処理後の光強度分布ではなく、平滑化処理前の光強度分布から光強度を求める。すなわち、明領域の光強度のピーク値の位置は、平滑化処理後の光強度分布から求め、光強度の値は、平滑化処理前の光強度分布から求める。
4.第2処理部
本開示における第2処理部では、上記第1処理部で求めた上記光強度のばらつきを数値化する。
光強度のばらつきとして、例えば、標準偏差、変動係数、分散、偏差値、平均絶対偏差等を用いることができる。なお、変動係数は、標準偏差を算術平均値で除した値である。中でも、変動係数が好ましい。ここで、被測定面の反射率が比較的低い場合や、照明光の光量が比較的低い場合には、光強度のばらつきが小さくなる傾向になる。そのため、そのような場合には、変動係数を用いることにより、光強度のばらつきを十分に評価することができる。
例えば、反射光が複数の線状明領域を有する場合であって、第1処理部において、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割し、分割領域毎かつ線状明領域毎に光強度のピーク値を求めた場合には、線状明領域毎に光強度のばらつきを算出し、各線状明領域の光強度のばらつきの算術平均値を算出し、これを光強度のばらつきとすることができる。具体的には、各線状明領域の光強度のばらつきを標準偏差とする場合には、線状明領域毎に光強度の標準偏差を算出し、各線状明領域の光強度の標準偏差の算術平均値を算出し、この各線状明領域の光強度の標準偏差の算術平均値を、光強度のばらつきとすることができる。また、具体的には、各線状明領域の光強度のばらつきを変動係数とする場合には、線状明領域毎に光強度の変動係数を算出し、各線状明領域の光強度の変動係数の算術平均値を算出し、この各線状明領域の光強度の変動係数の算術平均値を、光強度のばらつきとすることができる。
第1処理部6において、例えば図5(a)に示すように、反射光の光強度分布において、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21a~21d毎に光強度のピーク値を求める場合であって、各線状明領域21a~21dの光強度のばらつきを変動係数とする場合は、具体的には、以下のようにして光強度のばらつきを数値化することができる。まず、一つの線状明領域21aについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P1j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21aの光強度の変動係数とする。同様に、他の線状明領域21bについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P2j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21bの光強度の変動係数とする。また、他の線状明領域21cについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P3j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21cの光強度の変動係数とする。さらに、他の線状明領域21dについて、各分割領域A1~Anでの光強度のピーク値P4j(j=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21dの光強度の変動係数とする。次に、各線状明領域21a~21dの光強度の変動係数の算術平均値を算出する。この各線状明領域21a~21dの光強度の変動係数の算術平均値を、光強度のばらつきとする。
また、例えば、反射光が複数の線状明領域を有する場合であって、第1処理部において、被測定面における反射光の光強度分布を、反射光の線状明領域の長手方向にN個の分割領域に分割し、分割領域毎かつ線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎に光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求めた場合には、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎に光強度のばらつきを算出し、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎の光強度のばらつきの算術平均値を算出し、これを光強度のばらつきとすることができる。具体的には、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎の光強度のばらつきを標準偏差とする場合には、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎に光強度の標準偏差を算出し、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎の光強度の標準偏差の算術平均値を算出し、この線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎の光強度の標準偏差の算術平均値を、光強度のばらつきとすることができる。また、具体的には、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎の光強度のばらつきを変動係数とする場合には、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎に光強度の変動係数を算出し、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎の光強度の変動係数の算術平均値を算出し、この線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎の光強度の変動係数の算術平均値を、光強度のばらつきとすることができる。
第1処理部6において、例えば図5(b)に示すように、反射光の光強度分布において、分割領域A1~An毎かつ線状明領域21(21a~21d)毎かつ左側光強度分布23および右側光強度分布24毎に光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める場合は、具体的には、以下のようにして光強度のばらつきを数値化することができる。まず、一つの線状明領域21aの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値Q1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21aの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、一つの線状明領域21aの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値Q2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21aの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。同様に、他の線状明領域21bの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値R1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21bの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、線状明領域21bの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値R2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21bの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。また、他の線状明領域21cの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値S1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21cの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、線状明領域21cの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値S2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21cの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。さらに、他の線状明領域21dの左側光強度分布23について、各分割領域A1~Anでの光強度の値T1k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21dの左側光強度分布23の光強度の変動係数とする。また、線状明領域21dの右側光強度分布24について、各分割領域A1~Anでの光強度の値T2k(k=1~n)の算術平均値および標準偏差を求め、標準偏差を算術平均値で除した変動係数を算出し、この変動係数を線状明領域21dの右側光強度分布24の光強度の変動係数とする。次に、各線状明領域21a~21dの左側光強度分布23および右側光強度分布24の光強度の変動係数の算術平均値を算出する。この各線状明領域21a~21dの左側光強度分布23および右側光強度分布24の光強度の変動係数の算術平均値を、光強度のばらつきとすることができる。
5.表示部
本開示の表面性状測定装置は、上記光強度のばらつきの数値を表示する表示部を有していてもよい。
6.用途
本開示の表面性状測定装置の用途は、特に限定されない。本開示の表面性状測定装置は、例えば、塗膜、フィルム、シート、塗装面、加工面等のゆず肌の測定に用いることができる。中でも、本開示の表面性状測定装置は、光学フィルムの表面性状の測定に用いることが好ましく、表示装置の表面部材の表面性状の測定に用いることがより好ましい。
B.表面性状測定方法
本開示における表面性状測定方法は、被測定面に、明領域および暗領域を有する照明光を照射する照射工程と、上記被測定面に焦点を合わせて、上記被測定面で反射し、上記照明光の上記明領域および上記暗領域に対応する明領域および暗領域を有する反射光を受光し、上記被測定面における上記反射光の光強度分布を検出する光検出工程と、上記被測定面における上記反射光の光強度分布において、上記明領域の光強度のピーク値、または上記明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める第1処理工程と、上記第1処理工程で求めた上記光強度のばらつきを数値化する第2処理工程と、を有する。
図11は、本開示の表面性状測定方法を例示する工程図であり、例えば図1に示す表面性状測定装置10が実行する表面性状測定方法を示す工程図である。図1および図11に示すように、まず、照射工程S11では、照射部2が、被測定面1に、明領域および暗領域を有する照明光L1を照射する。次に、光検出工程S12では、光検出部5が、被測定面1に焦点を合わせて、被測定面1で反射し、照明光L1の明領域および暗領域に対応する明領域および暗領域を有する反射光L2を受光し、被測定面1における反射光L2の光強度分布を検出する。次に、第1処理工程S13では、第1処理部5が、被測定面1における反射光L2の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値、または明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める。そして、第2処理工程S14では、第2処理部6が、第1処理工程S13で求めた光強度のばらつきを数値化する。
本開示の表面性状測定方法においては、上述の表面性状測定装置と同様に、物体表面の凹凸やうねり等の表面性状、いわゆる、ゆず肌を定量的に評価することができる。したがって、ゆず肌の数値化が可能である。
以下、本開示の表面性状測定方法における各工程について説明する。
1.照明工程
本開示における光検出工程では、被測定面に、明領域および暗領域を有する照明光を照射する。
照明工程については、上述の表面性状測定装置における照明部の項に記載した内容と同様とすることができる。
被測定面を有する被測定物において、被測定物の被測定面とは反対側の面には遮光層が配置されていてもよい。遮光層によって、裏面反射を抑制することができる。遮光層は、特に限定されず、例えば、黒色の樹脂フィルムや黒板を用いることができる。また、被測定物の被測定面とは反対側の面に、黒色の樹脂組成物を塗布して、遮光層を形成してもよい。
2.光検出工程
本開示における光検出工程では、被測定面に焦点を合わせて、被測定面で反射し、上記照明光の明領域および暗領域に対応する明領域および暗領域を有する反射光を受光し、被測定面における上記反射光の光強度分布を検出する。
光検出工程については、上述の表面性状測定装置における光検出部の項に記載した内容と同様とすることができる。
3.第1処理工程
本開示における第1処理工程では、被測定面における上記反射光の光強度分布において、上記明領域の光強度のピーク値、または上記明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求める。
第1処理工程については、上述の表面性状測定装置における第1処理部の項に記載した内容と同様とすることができる。
4.第2処理工程
本開示における第2処理工程では、上記第1処理工程で求めた上記光強度のばらつきを数値化する。
第2処理工程については、上述の表面性状測定装置における第2処理部の項に記載した内容と同様とすることができる。
5.用途
本開示の表面性状測定方法の用途は、上述の表面性状測定装置と同様である。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本開示を具体的に説明する。
[製造例1]
ガラス基材は、コーニング社製のゴリラガラス3を用いた。ガラス基材の裏面に、黒色PETフィルムを配置した。これをサンプル1とした。サンプル1の被測定面は、ガラス基材の表面とした。
[製造例2]
ガラス基材は、コーニング社製のゴリラガラス3を用いた。ガラス基材の一方の面に、光学透明粘着シート(OCA、パナック社製のPD-S1、厚さ25μm)を介して、アクリルフィルム(日東電工社製のCAT40)を配置した。また、ガラス基材の他方の面に、黒色PETフィルムを配置した。これをサンプル2とした。サンプル2の被測定面は、アクリルフィルムの表面とした。
[製造例3]
ガラス基材は、コーニング社製のゴリラガラス3を用いた。ガラス基材の一方の面に、光学透明粘着シート(OCA、パナック社製のPD-S1、厚さ25μm)を配置した。また、ガラス基材の他方の面に、黒色PETフィルムを配置した。これをサンプル3とした。サンプル3の被測定面は、光学透明粘着シートの表面とした。
[製造例4]
ガラス基材は、コーニング社製のゴリラガラス3を用いた。ガラス基材の一方の面に、光学透明粘着シート(OCA、ビッグテクノス社製のZ6264)を配置した。また、ガラス基材の他方の面に、黒色PETフィルムを配置した。これをサンプル4とした。サンプル4の被測定面は、光学透明粘着シートの表面とした。
[実施例1]
(1)表面性状測定装置の構成
OLED光源は、エコリカ社製のEELM-SKY-300-Wを用いた。マスクは、金属板と、金属板を貫通する、長方形状の開口部とを有するマスクを用いた。マスクは、4つの長方形状の開口部からなる透過領域を有していた。長方形状の透過領域は、長さ65mm、線幅2.0mm、ピッチ4.0mmとした。マスクを、OLED光源に直貼りした。
カメラは、ニコン社製のデジタル一眼レフカメラD5600を用いた。レンズは、ニコン社製のAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRを用いた。カメラの設定は、絞り値f/22、露出時間1/8秒、ISO-100、焦点距離55mmとした。
光源と被測定面との距離は33cm、照明部から照射される照明光の入射角度は60°とした。また、カメラと被測定面との距離は33cm、撮像装置の反射光の受光角度は60°とした。
(2)照明および光検出
被測定面より1cm手前に目印を配置し、カメラでオートフォーカスにより目印に焦点を合わせた。被測定面に、光源からマスクを介して光を照射し、カメラで被測定面での反射光の画像を撮影した。
(3)処理
カメラで撮影した画像について、縦横50ピクセルで移動平均を取り、最大値/1.3を閾値として2値化し、ノイズを除去した。各行の左端のセルに対して、最小二乗法で直線近似し、近似直線の傾きが0になるように画像を回転した。これより、画像の位置を補正した。
また、カメラで撮影した画像の中心から、反射光の線状明領域の長手方向に1100ピクセル、反射光の線状明領域の短手方向に500ピクセルを切り取った。反射光の線状明領域の長手方向に1100個の分割領域に分割し、分割領域毎かつ線状明領域毎に、光強度のピーク値を示す位置から20ピクセル離れた位置の光強度を求めた。このとき、例えば図5(b)に示すように、1つの分割領域では、線状明領域毎に2つの光強度を求めた。
この際、各分割領域での光強度分布について、50ピクセルで移動平均を取り、移動平均処理後の光強度分布における、線状明領域の光強度の最大値の位置を、線状明領域の光強度のピーク値の位置とした。
また、光強度のピーク値を示す位置から20ピクセル離れた位置は、光強度が基準値の約50%となる位置であった。基準値は、以下のようにして求めた。まず、反射光の画像において、分割領域毎かつ線状明領域毎に光強度のピーク値を求めた。次いで、光強度のピーク値の算術平均値を算出した。この光強度のピーク値の算術平均値を、基準値とした。
次に、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎に、求めた光強度の算術平均値および標準偏差を算出し、標準偏差を算術平均値で除した値に100を乗じて、変動係数(%)を算出した。そして、線状明領域毎かつ左側光強度分布および右側光強度分布毎域の光強度の変動係数の算術平均値を算出した。
[実施例2]
(1)表面性状測定装置の構成
表面性状測定装置の構成は、実施例1と同様とした。
(2)照明および光検出
被測定面より1cm手前に目印を配置し、カメラでオートフォーカスにより目印に焦点を合わせた。被測定面に、光源からマスクを介して光を照射し、カメラで被測定面での反射光の画像を撮影した。
(3)処理
カメラで撮影した画像について、縦横50ピクセルで移動平均を取り、最大値/1.3を閾値として2値化し、ノイズを除去した。各行の左端のセルに対して、最小二乗法で直線近似し、近似直線の傾きが0になるように画像を回転した。これより、画像の位置を補正した。
また、カメラで撮影した画像の中心から、反射光の線状明領域の長手方向に1100ピクセル、反射光の線状明領域の短手方向に500ピクセルを切り取った。反射光の線状明領域の長手方向に1100個の分割領域に分割し、分割領域毎かつ線状明領域毎に、光強度のピーク値を求めた。
この際、各分割領域での光強度分布について、50ピクセルで移動平均を取り、移動平均処理後の光強度分布における、線状明領域の光強度の最大値の位置を、線状明領域の光強度のピーク値の位置とした。
次に、線状明領域毎に、求めた光強度の算術平均値および標準偏差を算出し、標準偏差を算術平均値で除した値に100を乗じて、変動係数(%)を算出した。そして、各明領域の光強度の変動係数の算術平均値を算出した。
[比較例]
(1)表面性状測定装置の構成
表面性状測定装置の構成は、下記のマスクを用いたこと以外は、実施例1と同様とした。
マスクは、金属板と、金属板を貫通する、長方形状および十字状の開口部とを有するマスクを用いた。マスクは、図12に例示するように、透過領域として、4つの長方形状の開口部からなる透過領域11aと、3つの十字状の開口部からなる透過領域11bとを有していた。長方形状の透過領域は、長さ70mm、線幅0.5mm、ピッチ1.0mmとした。
(2)照明および光検出
被測定面の反射像の十字部分に、カメラでオートフォーカスにより焦点を合わせることで、光源に焦点を合わせた。被測定面に、光源からマスクを介して光を照射し、カメラで被測定面での反射光の画像を撮影した。
(3)処理
カメラで撮影した画像の中心から、反射光の線状明領域の長手方向に1100ピクセル、反射光の線状明領域の短手方向に500ピクセルを切り取った。反射光の線状明領域の長手方向に1100個の分割領域に分割し、分割領域毎に、線状明領域のピッチを求めた。この際、線状明領域の光強度のピーク値を求め、隣接する線状明領域の光強度のピーク値間の距離を線状明領域のピッチとした。1つの分割領域では、3つのピッチの標準偏差δを求めた。1100個の分割領域でそれぞれ、同様に、3つのピッチの標準偏差δを求めた。そして、各分割領域のピッチの標準偏差δの算術平均値を算出した。
なお、比較例1は、特許文献1に記載されている平坦度測定装置による方法を模している。
[参考例]
カメラの代わりに、目視で、被測定面での反射光を観察し、下記基準にて評価した。
A:ゆず肌なし
B:ゆず肌小
C:ゆず肌中
D:ゆず肌大
比較例では、サンプル2~3の評価がサンプル1の評価と同じになり、ゆず肌を十分に数値評価できていなかった。一方、実施例1では、参考例と同様に、サンプル2~4の評価がいずれもサンプル1の評価と異なっており、ゆず肌を数値評価できていた。また、実施例2では、参考例と同様に、サンプル3~4の評価がサンプル1の評価と異なっており、ゆず肌を数値評価できていた。また、サンプル2について、実施例1~2の比較から、被測定面における反射光の光強度分布において、明領域の光強度のピーク値を示す位置から所定の値離れた位置の光強度を求めることが好ましいことが確認された。