以下に、実施形態に係る情報通信システムについて、図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的又は概念的なものである。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号が付されている。参照符号を構成する文字の後の数字等は、同じ文字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。同じ文字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素は文字のみを含んだ参照符号により参照される。
<1>第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る情報通信システム1について説明する。
<1-1>構成
<1-1-1>全体構成
図1は、第1実施形態に係る情報通信システム1の全体構成の一例を示す概念図である。図1に示すように、情報通信システム1は、例えば、基地局(Access Point)APと、少なくとも一つの無線端末装置(Wireless Terminal Apparatus)WTAと、サーバーSVとを備える。
基地局APは、無線LANアクセスポイント又は無線LANルーターである。基地局APは、ネットワークNWに接続可能に構成される。基地局APは、一種類又は複数種類の帯域を用いて、一つ以上の無線端末装置WTAと無線で接続可能に構成される。
無線端末装置WTAは、スマートフォンやタブレットコンピュータなどの無線端末(Wireless Terminal)である。無線端末装置WTAは、リンクを確立した基地局APと通信可能に構成される。無線端末装置WTAは、デスクトップコンピュータやラップトップコンピュータなどの電子機器であってもよい。無線端末装置WTAには、端末識別子AIDが付加される。基地局APは、無線接続された複数の無線端末装置WTAを、端末識別子AIDにより識別し得る。本例では、AID=#1の無線端末装置WTA1と、AID=#2の無線端末装置WTA2とが、基地局APに接続されている。
サーバーSVは、ネットワークNWに接続可能に構成されたコンピュータである。サーバーSVは、ネットワークNWを介して基地局APと通信可能に構成される。サーバーSVは、例えば、無線端末装置WTAを対象としたコンテンツのデータを記憶する。サーバーSVは、基地局APを介して、無線端末装置WTAとの間でデータを送受信し得る。基地局APとサーバーSVとの間の通信には、無線通信が使用されてもよいし、無線通信と有線通信との組み合わせが使用されてもよい。
基地局APと無線端末装置WTAとの間の無線通信は、IEEE802.11規格に準じている。IEEE802.11規格は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第1層と第2層のMAC副層とを規定する。OSI参照モデルでは、通信機能が、7階層(第1層:物理層、第2層:データリンク層、第3層:ネットワーク層、第4層:トランスポート層、第5層:セッション層、第6層:プレゼンテーション層、第7層:アプリケーション層)に分割される。第2層(データリンク層)は、LLC(Logical Link Control)副層と、MAC(Media Access Control)副層とを含む。LLC副層とMAC副層とのそれぞれの概要については後述する。
また、基地局APは、無線端末装置WTAとの通信に、TWT(Target Wake Time)機能を使用し得る。TWT機能が使用された場合、基地局APと無線端末装置WTAとの間で一定の周期が設定され、基地局APが一定の周期毎に無線端末装置WTAに送信機会を与える。無線端末装置WTAは、TWT機能で設定された一定の周期以外の期間を省電力な状態に設定することにより、消費電力を抑制し得る。TWT機能において、基地局APが無線端末装置WTAに送信機会を与える期間(以下では、TWTサービス期間とも呼ぶ)は、例えば、消費電力の抑制を優先する場合に短く設定され、レイテンシの改善を優先する場合に長く設定される。また、無線端末装置WTAは、TWTサービス期間において、低遅延が要求されたデータ(以下では、低遅延データと呼ぶ)を優先的に送信することにより、低遅延データのレイテンシを改善し得る。第1実施形態におけるTWT機能は、無線端末装置WTAから基地局APへのアップリンクデータの送信の遅延をさらに抑制するための処理を実行する。実施形態におけるTWT機能の詳細な動作については後述する。
(基地局AP及び無線端末装置WTAが使用する周波数帯)
図2は、第1実施形態に係る情報通信システム1における無線通信で使用される周波数帯の一例を示す概念図である。図2に示すように、基地局APと無線端末装置WTAとの間の無線通信は、例えば、2.4GHz帯、5GHz帯、及び6GHz帯を使用する。各周波数帯は、複数のチャネルを含む。図2は、2.4GHz帯、5GHz帯、及び6GHz帯のそれぞれが、3つのチャネルCH1、CH2及びCH3を含む場合を例示している。なお、無線通信には、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯以外の周波数帯が使用されてもよい。各周波数帯には、少なくとも一つのチャネルCHが割り当てられていればよい。
<1-1-2>ハードウェア構成
以下に、基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれのハードウェア構成について説明する。
(基地局APのハードウェア構成)
図3は、第1実施形態に係る情報通信システム1が備える基地局APのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、基地局APは、例えば、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、無線通信モジュール13、及び有線通信モジュール14を備える。
CPU10は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であり、基地局APの全体の動作を制御する。ROM11は、不揮発性の半導体メモリであり、基地局APを制御するためのプログラムや制御データ等を記憶する。RAM12は、例えば揮発性の半導体メモリであり、CPU10の作業領域として使用される。無線通信モジュール13は、無線信号によるデータの送受信に使用される回路であり、アンテナと接続可能に構成される。また、無線通信モジュール13は、複数の周波数帯にそれぞれ対応する複数の通信モジュールを含み得る。有線通信モジュール14は、有線信号によるデータの送受信に使用される回路であり、ネットワークNWに接続可能に構成される。なお、基地局APは、その他のハードウェア構成であってもよい。例えば、基地局APがネットワークNWと無線接続される場合に、有線通信モジュール14が基地局APから省略されてもよい。
(無線端末装置WTAのハードウェア構成)
図4は、第1実施形態に係る情報通信システム1が備える無線端末装置WTAのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、無線端末装置WTAは、例えば、CPU20、ROM21、RAM22、無線通信モジュール23、ディスプレイ24、及びストレージ25を備える。
CPU20は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であり、無線端末装置WTAの全体の動作を制御する。ROM21は、不揮発性の半導体メモリであり、無線端末装置WTAを制御するためのプログラムや制御データ等を記憶している。RAM22は、例えば揮発性の半導体メモリであり、CPU20の作業領域として使用される。無線通信モジュール23は、無線信号によるデータの送受信に使用される回路であり、アンテナと接続可能に構成される。また、無線通信モジュール23は、例えば、複数の周波数帯にそれぞれ対応する複数の通信モジュールを含み得る。ディスプレイ24は、例えばアプリケーションソフトに対応するGUI(Graphical User Interface)等を表示する。ディスプレイ24は、無線端末装置WTAの入力インタフェースとしての機能を有していてもよい。ストレージ25は、不揮発性の記憶装置であり、例えば無線端末装置WTAのシステムソフトウェア等を記憶する。なお、無線端末装置WTAは、その他のハードウェア構成であってもよい。例えば、無線端末装置WTAがIoT(Internet of Things)端末等である場合に、ディスプレイ24が無線端末装置WTAから省略されてもよい。
<1-1-3>機能構成
以下に、基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれの機能構成について説明する。
(基地局APの機能構成)
図5は、第1実施形態に係る情報通信システム1が備える基地局APの機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、基地局APは、例えば、LLC処理部110、データ処理部120、マネジメント部130、MACフレーム処理部140、及び無線信号処理部150を備える。LLC処理部110は、例えば、CPU10と有線通信モジュール14の組み合わせによって実現され得る。データ処理部120、マネジメント部130、MACフレーム処理部140、及び無線信号処理部150のそれぞれの処理は、例えば、無線通信モジュール13、又はCPU10及び無線通信モジュール13の組み合わせによって実現され得る。
LLC処理部110は、例えば、入力されたデータに対して第2層のLLC副層の処理と、第3層から第7層の処理とを実行する。データ処理部120、マネジメント部130、及びMACフレーム処理部140は、入力されたデータに対して第2層のMAC副層の処理を実行する。無線信号処理部150は、入力されたデータに対して第1層の処理を実行する。以下では、基地局APが備えるデータ処理部120、マネジメント部130、及びMACフレーム処理部140の組のことを、“基地局APのリンクマネジメント部MLD”とも呼ぶ。
以下に、基地局APが備える各機能構成の詳細について説明する。
LLC処理部110は、例えば、ネットワークNWを介してサーバーSVからデータを受け取る。そして、LLC処理部110は、受け取ったデータにDSAP(Destination Service Access Point)ヘッダ及びSSAP(Source Service Access Point)ヘッダなどを付加して、LLCパケットを生成する。そして、LLC処理部110は、生成したLLCパケットを、データ処理部120に入力する。また、LLC処理部110は、データ処理部120からLLCパケットを受け取り、受け取ったLLCパケットからデータを抽出する。そして、LLC処理部110は、抽出したデータを、ネットワークNWを介してサーバーSVに送信する。
データ処理部120は、LLC処理部110から入力されたLLCパケットにMACヘッダを付加して、MACフレームを生成する。そして、データ処理部120は、生成したMACフレームをMACフレーム処理部140に入力する。また、データ処理部120は、MACフレーム処理部140からMACフレームを受け取り、受け取ったMACフレームからLLCパケットを抽出する。そして、データ処理部120は、抽出したLLCパケットをLLC処理部110に入力する。以下では、データを含むMACフレームのことを、“データフレーム”とも呼ぶ。
マネジメント部130は、基地局APと無線端末装置WTAとの間のリンクの状態を管理する。マネジメント部130とMACフレーム処理部140との間では、リンクの制御や管理などに関する情報がやりとりされ得る。また、マネジメント部130は、MACフレーム処理部140に指示を実行させることができる。マネジメント部130は、例えば、リンク管理情報131、アソシエーション処理部132、認証処理部133、リンク制御部134、ビーコン管理部135、トリガー生成部136、及び遅延判定部137を含む。
リンク管理情報131は、基地局APと無線接続された無線端末装置WTAとのリンクに関する情報を含むテーブルである。リンク管理情報131は、TWT機能に関する設定を記憶し得る。
アソシエーション処理部132は、無線端末装置WTAからの接続要求を受信した場合に、アソシエーションに関するプロトコルを実行する。
認証処理部133は、アソシエーションに後続する認証に関するプロトコルを実行する。以下では、アソシエーションや認証などの制御に関連する情報を含むMACフレームのことを、“マネジメントフレーム”とも呼ぶ。
リンク制御部134は、無線接続された無線端末装置WTAのSTA機能のリンクの状態をAID毎に制御する。STA機能は、基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれが備える無線信号処理部に対応する。STA機能は、一つ以上のチャネルを使用し得る。以下の説明では、STA機能が一つのチャネルを使用するものとする。一つのリンクは、基地局APのSTA機能と無線端末装置WTAのSTA機能とが対となって形成される。
ビーコン管理部135は、基地局APがビーコン信号として発信する情報を管理する。ビーコン管理部135は、例えば、マネジメント情報を含むMACフレームを生成し、当該MACフレームをMACフレーム処理部140に入力する。マネジメント情報は、後述されるTWT機能で使用される制御値を含む。ビーコンは、マネジメントフレームの一種である。
トリガー生成部136は、トリガー情報を含むMACフレームを生成し、MACフレーム処理部140に入力する。トリガー情報は、TWT機能の利用時にアップリンクデータを送信する無線端末装置WTAに対して、送信するためのリソース(周波数、送信タイミング、期間を示す情報を含む。以下では、トリガー情報を含むMACフレームのことを、“トリガーフレーム”と呼ぶ。
遅延判定部137は、基地局APが受信したMACフレームに含まれた遅延情報に基づいて、当該トラヒックの送信における遅延時間が所定の閾値を超えているか否かを判定する。そして、遅延判定部137は、判定結果をリンク制御部134などに通知し得る。
MACフレーム処理部140は、データ処理部120又はマネジメント部130からMACフレームを受け取り、受け取ったMACフレームを一時的に格納(バッファリング)する。そして、MACフレーム処理部140は、キャリアセンスを実行する。キャリアセンスは、チャネルの状況を確認する処理である。チャネルがビジー状態である場合、MACフレーム処理部140は、キャリアセンスを継続する。チャネルがアイドル状態である場合、MACフレーム処理部140は、無線信号処理部150にMACフレームを入力する。また、MACフレーム処理部140は、無線信号処理部150からMACフレームを受け取り、MACフレームの種別に応じてMACフレームをデータ処理部120又はマネジメント部130に入力する。具体的には、MACフレーム処理部140は、MACフレームがデータフレームである場合に、MACフレームをデータ処理部120に入力し、MACフレームがマネジメントフレームである場合に、MACフレームをマネジメント部130に入力する。
無線信号処理部150は、MACフレーム処理部140から入力されたデータにプリアンブルやPHY(物理層)ヘッダなどを付加して、無線フレームを生成する。そして、無線信号処理部150は、無線フレームに対して所定の変調動作を行うことにより、無線フレームを無線信号に変換し、アンテナを介して無線信号を放射(送信)する。所定の変調動作などは、例えば、畳み込み符号化、インタリーブ、サブキャリア変調、逆高速フーリエ変換(IFFT;Inverse Fast Fourier Transform)、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調、及び周波数変換を含む。また、無線信号処理部150は、アンテナを介して無線端末装置WTAからの無線信号を受信し、受信した無線信号に対して所定の復調動作を行って無線フレームを得る。所定の復調動作などは、例えば、周波数変換、OFDM復調、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)、サブキャリア復調、デインタリーブ、及びビタビ復号を含む。そして、無線信号処理部150は、無線フレームからMACフレームを抽出し、抽出したMACフレームをMACフレーム処理部140に入力する。以下では、無線信号処理部150のことを、それぞれ基地局APのSTA(又は、STA機能)とも呼ぶ。なお、基地局APは、複数の無線信号処理部を備えていてもよい。
(基地局APのMACフレーム処理部140の機能構成)
図6は、第1実施形態に係る情報通信システム1が備える基地局APのMACフレーム処理部140の機能構成の一例を示すブロック図である。図6は、MACフレーム処理部140のチャネルアクセス機能の詳細を示している。図6に示すように、MACフレーム処理部140は、例えば、分類部141、送信キュー142A、142B、142C及び142D、キャリアセンス実行部143A、143B、143C及び143D、及び衝突管理部144を備える。
分類部141は、データ処理部120から受け取ったMACフレームを、MACヘッダに含まれたトラヒック種別(TID)に基づいて複数のアクセスカテゴリに分類する。トラヒック種別は、例えば、“VO(Voice)”、“VI(Video)”、“BE(Best Effort)”、“BK(Background)”、“LL(Low Latency)”を含む。そして、分類部141は、MACフレームを、対応する送信キュー142A、142B、142C及び142Dのいずれかに入力する。本例において、分類部141は、VOのデータを送信キュー142Aに入力し、VIのデータを送信キュー142Bに入力し、BEのデータを送信キュー142Cに入力し、BKのデータを送信キュー142Dに入力する。また、分類部141は、トリガー生成部136から受け取ったトリガーフレームTF、又はトリガーフレームTFの生成指示を、例えば送信キュー142を介さずに、衝突管理部144に入力する。
送信キュー142A、142B、142C及び142Dのそれぞれは、入力されたMACフレームをバッファする。本例において、送信キュー142A、142B、142C及び142Dは、それぞれVO、VI、BE、及びBKのデータをバッファする。
キャリアセンス実行部143A、143B、143C及び143Dのそれぞれは、キャリアセンス実行部143毎に予め設定されたアクセスパラメータに従って、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)に基づくキャリアセンスを実行する。アクセスパラメータは、アクセスカテゴリごとに設定され、例えば、無線信号の送信が“VO”、“VI”、“BE”、“BK”の順に優先されるように設定される。キャリアセンス実行部143A、143B、143C及び143Dは、それぞれ送信キュー142A、142B、142C及び142DにバッファされているMACフレームに対するキャリアセンスを実行する。例えば、キャリアセンス実行部143Aは、送信権を獲得した場合(すなわち、チャネルがアイドルである場合)、送信キュー142AからMACフレームを取り出す。そして、キャリアセンス実行部143Aは、取り出したMACフレームを、衝突管理部144を介して、無線信号処理部150に出力する。
衝突管理部144は、複数のキャリアセンス実行部143が同一のリンクについて送信権を獲得した場合に、データの送信の衝突を防止する。言い換えると、衝突管理部144は、同一のSTA機能で送信権が獲得されたデータの送信タイミングを調整して、優先度の高いアクセスカテゴリのデータからSTA機能に出力する。なお、トリガーフレームTFは、送信キュー142を介さずにキャリアセンスが実行されるため、他のトラヒックよりも低遅延で処理され得る。また、衝突管理部144は、トリガーフレームTFの生成指示が入力された場合に、他のトラヒックよりも優先してSTA機能に出力してもよい。
なお、実施形態では、MACフレーム処理部140がチャネルアクセス機能を実装する場合が例示されているが、これに限定されない。例えば、無線信号処理部150が、チャネルアクセス機能を実装してもよい。アクセスパラメータとしては、例えば、CWmin、CWmax、AIFS、TXOPLimitが使用される。CWmin及びCWmaxは、衝突回避のための送信待ちの時間であるコンテンションウインドウの最小値及び最大値をそれぞれ示している。AIFS(Arbitration Inter Frame Space)は、優先制御機能を備える衝突回避制御のためにアクセスカテゴリごとに設定された固定の送信待ちの時間を示している。TXOPLimitは、チャネルの占有時間に対応するTXOP(Transmission Opportunity)の上限値を示している。送信キュー142は、CWmin及びCWmaxが短いほど、送信権を得やすくなる。送信キュー142の優先度は、AIFSが小さいほど高くなる。一度の送信権で送信されるデータの量は、TXOPLimitの値が大きいほど多くなる。
(無線端末装置WTAの機能構成)
図7は、第1実施形態に係る情報通信システム1が備える無線端末装置WTAの機能構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、無線端末装置WTAは、例えば、アプリケーション実行部200、LLC処理部210、データ処理部220、マネジメント部230、MACフレーム処理部240、及び無線信号処理部250を備える。アプリケーション実行部200及びLLC処理部210のそれぞれの処理は、例えば、CPU20及びRAM22によって実現され得る。データ処理部220、マネジメント部230、MACフレーム処理部240、及び無線信号処理部250のそれぞれの処理は、例えば、CPU20、RAM22、及び無線通信モジュール23の組み合わせによって実現され得る。
アプリケーション実行部200は、入力されたデータに対して第7層の処理を実行する。LLC処理部210は、入力されたデータに対して第2層のLLC副層の処理と、第3層から第6層の処理とを実行する。データ処理部220、マネジメント部230、及びMACフレーム処理部240は、入力されたデータに対して第2層のMAC副層の処理を実行する。無線信号処理部250は、入力されたデータに対して第1層の処理を実行する。以下では、無線端末装置WTAが備えるデータ処理部220、マネジメント部230、及びMACフレーム処理部240の組のことを、“無線端末装置WTAのリンクマネジメント部MLD”とも呼ぶ。
以下に、無線端末装置WTAが備える各機能構成の詳細について説明する。
アプリケーション実行部200は、LLC処理部210から入力されたデータを利用することが可能なアプリケーションを実行する。また、アプリケーション実行部200は、アプリケーションの動作に応じて、LLC処理部210にデータを入力し、LLC処理部210からデータを取得する。アプリケーション実行部200は、アプリケーションの情報をディスプレイ24に表示させることができる。また、アプリケーション実行部200は、入力インタフェースによる操作に応じた処理を実行し得る。
LLC処理部210は、アプリケーション実行部200から受け取ったデータにDSAPヘッダ及びSSAPヘッダなどを付加して、LLCパケットを生成する。そして、LLC処理部210は、生成したLLCパケットを、データ処理部220に入力する。また、LLC処理部210は、データ処理部220からLLCパケットを受け取り、受け取ったLLCパケットからデータを抽出する。そして、LLC処理部210は、抽出したデータを、アプリケーション実行部200に入力する。
データ処理部220は、LLC処理部210から入力されたLLCパケットにMACヘッダを付加して、MACフレームを生成する。そして、データ処理部220は、生成したMACフレームをMACフレーム処理部240に入力する。また、データ処理部220は、MACフレーム処理部240からMACフレームを受け取り、受け取ったMACフレームからLLCパケットを抽出する。そして、データ処理部220は、抽出したLLCパケットをLLC処理部210に入力する。
マネジメント部230は、基地局APと無線端末装置WTAとの間のリンクの状態を管理する。マネジメント部230とMACフレーム処理部240との間では、リンクの制御や管理などに関する情報がやりとりされ得る。また、マネジメント部230は、MACフレーム処理部240に所定の処理の実行を指示することができる。マネジメント部230は、例えば、リンク管理情報231、アソシエーション処理部232、認証処理部233、リンク制御部234、ビーコン管理部235、及び遅延測定部236を含む。
リンク管理情報231は、無線接続された基地局APとのリンクに関する情報を含むテーブルである。リンク管理情報231は、TWT機能に関する設定を記憶し得る。
アソシエーション処理部232は、基地局APに接続要求を送信する場合に、アソシエーションに関するプロトコルを実行する。
認証処理部233は、アソシエーションに後続する認証に関するプロトコルを実行する。リンク制御部234は、無線接続された基地局APとのリンクの状態を制御する。
ビーコン管理部235は、基地局APから受信したビーコンに含まれた情報を管理する。ビーコン管理部235は、例えば、ビーコンに含まれたマネジメント情報を受信し、マネジメント情報に基づいたリンクの制御をリンク制御部234に指示する。ビーコン管理部235は、マネジメント情報の内容をデータ処理部220に通知してもよい。
遅延測定部236は、無線端末装置WTAが低遅延データ(トラヒック)を送受信する場合に、データのキュー遅延、すなわちキュー遅延時間QLを測定し、測定したキュー遅延時間QLをMACフレーム処理部240に出力する。キュー遅延時間QLは、例えば、MACフレーム処理部240に低遅延データが入力された場合に、MACフレーム処理部240に入力されてから、STA機能に出力されるまでの時間に対応する。これに限定されず、キュー遅延時間QLは、キュー遅延を一定の基準で評価することが可能であれば、その他の基準が使用されてもよい。
MACフレーム処理部240は、データ処理部220又はマネジメント部230からMACフレームを受け取り、受け取ったMACフレームを一時的に格納(バッファリング)する。そして、MACフレーム処理部240は、キャリアセンスを実行する。チャネルがビジー状態である場合、MACフレーム処理部240は、キャリアセンスを継続する。チャネルがアイドル状態である場合、MACフレーム処理部240は、無線信号処理部250にMACフレームを入力する。また、MACフレーム処理部240は、無線信号処理部250からMACフレームを受け取り、MACフレームの種別に応じてMACフレームをデータ処理部220又はマネジメント部230に入力する。例えば、MACフレーム処理部240は、MACフレームがデータフレームである場合に、MACフレームをデータ処理部220に入力し、MACフレームがマネジメントフレームである場合に、MACフレームをマネジメント部230に入力する。
無線信号処理部250は、MACフレーム処理部240から入力されたデータにプリアンブルやPHY(物理層)ヘッダなどを付加して、無線フレームを生成する。そして、無線信号処理部250は、無線フレームに対して所定の変調動作を行うことにより、無線フレームを無線信号に変換し、アンテナを介して無線信号を放射(送信)する。また、無線信号処理部250は、アンテナを介して無線端末装置WTAからの無線信号を受信し、受信した無線信号に対して所定の復調動作を行って無線フレームを得る。そして、無線信号処理部250は、無線フレームからMACフレームを抽出し、抽出したMACフレームをMACフレーム処理部240に入力する。以下では、無線信号処理部250のことを、無線端末装置WTAのSTA(又は、STA機能)とも呼ぶ。なお、無線端末装置WTAは、複数の無線信号処理部を備えていてもよい。
(無線端末装置WTAのMACフレーム処理部240の機能構成)
図8は、第1実施形態に係る情報通信システム1が備える無線端末装置WTAのMACフレーム処理部240の機能構成の一例を示すブロック図である。図8は、MACフレーム処理部240のチャネルアクセス機能とダウンリンクデータの受信機能との詳細を示している。図8に示すように、MACフレーム処理部240は、例えば、分類部241、送信キュー242A、242B、242C及び242D、キャリアセンス実行部243A、243B、243C、243D及び243E、並びに衝突管理部244を備える。
分類部241は、データ処理部220から受け取ったMACフレームを、MACヘッダに含まれたTIDに基づいて複数のアクセスカテゴリに分類する。そして、分類部241は、MACフレームを、対応する送信キュー242A、242B、242C及び242Dのいずれかに入力する。本例において、分類部241は、VOのデータを送信キュー242Aに入力し、VIのデータを送信キュー242Bに入力し、BEのデータを送信キュー242Cに入力し、BKのデータを送信キュー242Dに入力する。また、分類部241は、LLのデータを、例えば、送信キュー242を介さずに、キャリアセンス実行部243Eに入力する。LLは、他のトラヒックよりも高い優先度に設定され、低遅延が要求されるトラヒック(低遅延データ)である。
送信キュー242A、242B、242C及び242Dのそれぞれは、入力されたMACフレームをバッファする。本例において、送信キュー242A、242B、242C及び242Dは、それぞれVO、VI、BE、及びBKのデータをバッファする。
キャリアセンス実行部243A、243B、243C、243D及び243Eのそれぞれは、キャリアセンス実行部243毎に予め設定されたアクセスパラメータに従って、CSMA/CAに基づくキャリアセンスを実行する。そして、キャリアセンス実行部243A、243B、243C、243D及び243Eのそれぞれは、送信権を獲得したMACフレームを、衝突管理部244を介して無線信号処理部250に出力する。アクセスパラメータは、例えば、無線信号の送信が“LL”、“VO”、“VI”、“BE”、“BK”の順に優先されるように設定される。キャリアセンス実行部243A、243B、243C及び243Dは、それぞれ送信キュー242A、242B、242C及び242DにバッファされているMACフレームに対するキャリアセンスを実行する。キャリアセンス実行部243Eは、分類部241から受け取ったLLのMACフレームに対するキャリアセンスを実行する。このように、LLのMACフレームは、送信キュー242を介さずにキャリアセンスが実行されるため、他のトラヒックよりも低遅延で処理され得る。なお、キャリアセンス実行部243Eは、トリガーフレームTFを受信したことに対するデータ送信である場合に、キャリアセンスをスキップしてもよい。
衝突管理部244は、複数のキャリアセンス実行部243が送信権を獲得した場合に、データの送信の衝突を防止する。言い換えると、衝突管理部144は、送信権が獲得されたデータの送信タイミングを調整して、優先度の高いアクセスカテゴリのデータからSTA機能に出力する。
なお、MACフレーム処理部240は、自局を宛先とするトリガーフレームTFを受信すると、低遅延データから生成したMACクレームと、当該MACフレームのキュー遅延時間QLとをセットでSTA機能に出力する。すなわち、MACフレーム処理部240は、低遅延データについては、CSMA/CAによる送信ではなくトリガーフレームTFへのレスポンスとして、データとキュー遅延時間とを合わせてSTA機能に出力する。
なお、第1実施形態では、MACフレーム処理部240がチャネルアクセス機能を実装する場合が例示されているが、これに限定されない。例えば、無線信号処理部250が、チャネルアクセス機能を実装してもよい。
<1-2>TWT機能
以下に、第1実施形態におけるTWT機能の詳細について説明する。
基地局AP又は無線端末装置WTAのリンクマネジメント部MLDは、例えば、低遅延データをやり取りするためにTWT機能のセットアップを実行する。TWT機能のセットアップは、リンクのセットアップ時に実行されてもよいし、リンクが確立された後に、無線端末装置WTAからの低遅延データの送信要求に基づいて実行されてもよい。TWT機能で使用されるパラメータ(以下では、TWT設定と呼ぶ)は、基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれのリンクマネジメント部MLDにより設定される。第1実施形態におけるTWT設定は、基地局APと無線端末装置WTAとの一対でセットアップ及び管理される。基地局APは、TWT設定を、無線端末装置WTA毎に管理してもよいし、グループ毎に管理してもよい。第1実施形態では、基地局APがTWT設定を無線端末装置WTA単位で管理する場合について説明する。
TWT設定は、基地局APのマネジメント部130と、無線端末装置WTAのマネジメント部230とにより管理される。TWT設定は、例えば、TWT開始時刻、TWT周期、及びTWT継続期間を含む。TWT開始時刻は、TWTサービス期間の開始時刻に対応する。TWT周期は、TWTサービス期間の周期に対応する。TWT周期の1周期は、“TWT間隔”と呼ばれてもよい。TWT継続期間は、無線端末装置WTAに送信機会を与える期間に対応する。TWT継続期間において、基地局APにより送信機会が与えられた無線端末装置WTAのリンクは、無線信号を受信可能な状態に設定される。TWT機能が使用されている場合、1周期のTWTサービス期間は、TWT開始時刻とTWT継続期間とによって特定され得る。
無線端末装置WTAのリンクマネジメント部MLDは、TWTサービス期間になるまで低遅延データの送信を待ち、TWTサービス期間内のトリガーフレームTFの受信に基づいて、STA機能に低遅延データを送信させる。TWTサービス期間の周期は、無線端末装置WTAの低遅延データの送信周期に合わせて設定されることが好ましい。TWT開始時刻(TWT間隔)やTWT継続期間を含むTWT設定の初期値は、様々な方法で設定され得る。TWT設定の初期値の決定には、TWT低遅延トラヒック(データ)を生成するアプリケーションから通知されたトラヒックの生起間隔やデータ量などのトラヒックの属性が使用されてもよい。基地局APは、ネットワークNW上のサーバーSVに対してトラヒックの種別を通知することにより、対応するトラヒックの属性を取得して、TWT設定の初期値を決定してもよい。また、TWT設定の初期値としては、基地局APや無線端末装置WTAに設定されたデフォルト値が使用されても良い。
なお、TWT開始時刻は、TWT周期(TWT間隔)によって表現されてもよい。無線端末装置WTAは、前回のTWT開始時刻を起点として、TWT周期を加えた時刻を、次回のTWT開始時刻として認識し得る。言い換えると、無線端末装置WTAは、前回のTWT開始時刻にTWT周期を加えた時刻を、次のTWT継続期間の開始時刻として認識し得る。
(アップリンクデータの送信方法の概要)
図9は、第1実施形態に係る情報通信システム1においてTWT機能が使われた場合のアップリンクデータの送信方法の一例を示すシーケンス図である。図9は、連続した2つのTWT間隔TI<1>及び<2>のそれぞれにおいてアップリンクデータが送信される場合を例示している。TWT間隔TI<1>及び<2>のそれぞれは、TWT継続期間TDと、待機期間WPとを有している。待機期間WPは、TWT機能が使われている間で、送信機会が与えられていない期間に対応する。以下に、図9を参照して、アップリンクデータの送信方法の概要について説明する。
無線端末装置WTAは、TWT間隔TI<1>の前に、アップリンクデータDAT1をバッファする(S10)。TWT間隔TI<1>の開始時刻になると、基地局APは、TWT継続期間TD内でトリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S11)。トリガーフレームTFが送信されるタイミングは、好ましくは、TWT開始時刻である。トリガーフレームTFがTWT開始時刻に送信されるために、STA機能は、EDCA(Enhanced distributed channel Access)の最も優先度の高いカテゴリを用いてトリガーフレームTFを送信してもよいし、EDCAとは異なる優先的な送信手段によりトリガーフレームTFを送信しても良い。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT1を基地局APに送信する(S12)。基地局APは、アップリンクデータDAT1の受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S13)。無線端末装置WTAは、アップリンクデータDAT1を送信した後にAckを受信することで、DAT1の送信に成功したことを認識し、DAT1を破棄する。S11~S13の処理は、TWT間隔TI<1>のTWT継続期間TD内に実行される。
TWT間隔TI<1>内でTWT継続期間TDが終了すると、待機期間WPに移行する。本例では、TWT間隔TI<1>の待機期間WP中に、無線端末装置WTAがアップリンクデータDAT2をバッファしている(S14)。TWT間隔TI<2>の開始時刻になると、基地局APは、TWT継続期間TD内でトリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S15)。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT2を基地局APに送信する(S16)。基地局APは、アップリンクデータDAT2の受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S17)。無線端末装置WTAは、アップリンクデータDAT2を送信した後にAckを受信することで、DAT2の送信に成功したことを認識し、DAT2を破棄する。S25~S27の処理は、TWT間隔TI<2>のTWT継続期間TD内に実行される。その後、TWT間隔TI<2>の待機期間WPになる。
以上で説明されたように、TWT機能が使用される場合、基地局APは、各TWT間隔TIのTWT継続期間TDにおいて、トリガーフレームTFを用いて無線端末装置WTAにデータの送信機会を通知する。そして、無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信する度に、バッファしているデータの基地局APへの送信を試みる。
なお、図9では、無線端末装置WTAがアップリンクデータDAT1をバッファしてから(S10)、基地局APに送信するまで(S12)の時間が“キュー遅延時間QL1”として示され、無線端末装置WTAがアップリンクデータDAT2をバッファしてから(S14)、基地局APに送信するまで(S16)の時間が“キュー遅延時間QL2”として示されている。キュー遅延時間QL1及びQL2のそれぞれは、遅延測定部236によって測定され得る。
また、TWT開始時刻において、基地局APは、トリガーフレームTFを最優先で送信するために、他のキューのCSMA/CAを一時停止してもよい。このために、基地局APのマネジメント部130は、リンク(STA機能)に対して、トリガーフレームTFの送信開始時刻を通知してもよい。
(トリガーフレームTFのフォーマット)
図10は、実施形態に係る情報通信システム1のTWTサービス期間において送信されるトリガーフレームのフォーマットの一例を示す概念図である。図10に示すように、トリガーフレームに含まれる複数のフィールドは、例えば、フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレスフィールド(RA及びTA)、共通情報フィールド、ユーザー情報リストフィールド、パディングフィールド、及びFCS(Frame Check Sequence)フィールドを含む。
フレームコントロールフィールドは、様々な制御情報を格納する。例えば、フレームコントロールフィールドは、当該無線フレームのフレームタイプを示す情報を含む。デュレーションフィールドは、無線回線を使用する予定期間を示す。アドレスフィールドは、BSSID、送信元アドレス、あて先アドレス、送信者端末のアドレス、受信者端末のアドレスなどを示す。共通情報フィールドは、トリガーフレームのタイプなどを示す情報を含む。ユーザー情報リストフィールドは、例えば、“AID”と、“RU(Resource Unit)割り当て(RU Allocation)”とを含む。無線端末装置WTAは、AIDにより、自局向けの割り当てであることを認識する。また、無線端末装置WTAは、RU割り当てにより、割り当てられたリソースを認識する。パディングは、無線フレームのデータ長を調整する領域である。FCSフィールドは、MACヘッダとフレーム本体フィールドとの組の誤り検出符号を格納し、当該データフレームにおけるエラーの有無の判定に使用される。
(ビーコン信号のフォーマット)
基地局APは、無線端末装置WTAにTWT設定を通知する方法として、例えば、ビーコンを使用する。TWT設定を含むビーコンは、例えば、基地局APのビーコン管理部135によって生成され、送信される。また、無線端末装置WTAにより受信されたビーコンに含まれたTWT設定は、ビーコン管理部235によって取得され、管理される。これにより、基地局APのビーコン管理部135は、無線端末装置WTAに対して、低遅延データを送信させるためのTWTサービス期間を通知し得る。
図11は、第1実施形態に係る情報通信システム1において使用されるTWT設定を含むビーコンのフォーマットの一例を示す概念図である。図11に示すように、ビーコンは、基地局APに無線接続された無線端末装置WTAのAIDと、AID毎のTWT設定とを含み得る。具体的には、ビーコンは、“AID#1”、“AID#1のTWT設定”、“AID#2”、“AID#2のTWT設定”のように、AIDとTWT設定との組を、順に格納する。無線端末装置WTAは、AIDとTWT設定との組によって、自局向けのTWT設定であるか否かを判別し得る。なお、ビーコンは、無線端末装置WTAによりAIDとTWT設定との組を判別可能であれば、その他のフォーマットであってもよい。また、TWT設定がグループで管理される場合、基地局APは、例えば、TWT設定を共有する無線端末装置WTAのグループの識別子と、当該グループに対応付けられたTWT設定との組の情報を含むビーコンを送信する。
ビーコンに含まれたAID毎のTWT設定は、例えば、TWT開始時刻、TWT継続期間、及び送信抑制期間を含む。送信抑制期間は、無線端末装置WTAに対してアップリンクデータの送信を抑制又は禁止する期間を示している。送信抑制期間は、例えば、TWT開始時刻に開始して、TWT継続期間に亘って継続する期間に対応する。つまり、TWT継続期間と、送信抑制期間とは重複し得る。無線端末装置WTAのSTA機能は、マネジメント部230によりTWT開始時刻、TWT継続期間、(及び送信抑制期間)が入力された場合、これらの情報により示された期間を送信抑制期間として設定する。すなわち、無線端末装置WTAのSTA機能は、低遅延データ以外の送信権を獲得した場合、送信完了までに要する期間を算出し、送信抑制期間と当該期間との重複が有る場合に、当該期間にかかる送信を抑制する。一方で、TWT開始時刻に自局宛のトリガーフレームTFを受信した場合、LLの送信キュー242Eから低遅延データを取得して送信する。
各無線端末装置WTAのビーコン管理部235は、ビーコンを受信すると、TWT開始時刻、TWT継続時間、及び送信抑制期間を取得し、リンク(STA機能)に通知する。これにより、基地局APは、無線接続された複数の無線端末装置WTAのうち、低遅延データの送信が割り当てられた無線端末装置WTA以外の無線端末装置WTAに対して、低遅延データが送信されるTWTサービス期間内のアップリンクデータの送信を自律的に抑制させることができる。
(TWT設定の更新方法)
図12は、第1実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の更新方法の一例を示すフローチャートである。以下に、図12を参照して、第1実施形態におけるTWT設定の更新方法について、基地局APの動作に注目して説明する。
あるTWT周期のTWT開始時刻になると、基地局APは、トリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S100)。無線端末装置WTAは、アップリンクデータの低遅延データの入力があった場合に、例えば、低遅延データの入力から当該トリガーフレームTFを受信するまでの時間を測定し、キュー遅延時間QLを生成する。そして、無線端末装置WTAは、キュー遅延時間QLと低遅延データとを合わせて、基地局APに送信する。すなわち、無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFの受信に基づいて低遅延データを送信するとともに、当該低遅延データのキュー遅延時間QLを基地局APに通知する。
次に、基地局APは、無線端末装置WTAからキュー遅延時間QLと低遅延データとを含む無線フレームを受信する(S110)。
次に、基地局APは、“QL>QLth”が満たされるか否かを判定する(S120)。具体的には、基地局APは、受信したMACフレームに含まれたキュー遅延時間QLに基づいて、当該トラヒックにおけるキュー遅延時間が所定の閾値QLthを超えているか否かを判定(評価)する。QLthは、キュー遅延時間の閾値であり、例えば、低遅延データのフロー毎に設定される。基地局APは、QLthとして、低遅延データの送受信に関する過去の情報の統計値を使用してもよい。QLthは、無線端末装置WTA毎に異なる数値が設定されてもよい。
S120の処理において“QL>QLth”が満たされなかった場合(S120、NO)。基地局APは、TWT設定を調整することなく、次のTWT周期の処理に移行する。
S120の処理において“QL>QLth”が満たされた場合(S120、YES)、基地局APは、当該リンクのTWT設定を調整する(S130)。S130の処理において、基地局APは、TWT開始時刻(TWT間隔)やTWT継続期間などを調整(更新)し得る。なお、TWT設定の調整方法は、これに限定されない。例えば、基地局APは、キュー遅延時間と、低遅延データの受信時刻とに基づいて、過去の低遅延データの入力退任具の分布(周期とばらつき)を算出し、所定の割合が含まれるようなTWT間隔とTWT継続期間とを設定してもよい。基地局APは、TWT設定を更新した後に、次のTWT周期の処理に移行する。
なお、基地局APは、TWT設定を更新(調整)する場合に、更新されたTWT設定のパラメータを無線端末装置WTAに通知する。更新されたTWT設定を基地局APから無線端末装置WTAに通知する方法としては、例えば、ビーコンが使用される。又は、基地局APは、更新されたTWT設定を、TWTサービス期間中に無線端末装置WTAに通知してもよい。これにより、基地局APと無線端末装置WTAとのそれぞれは、更新されたTWT設定(例えば、TWT間隔及びTWT継続期間)が適用されたTWT機能を用いて、低遅延データをやりとりすることができる。
(TWT設定の更新方法の具体例)
図13は、第1実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の更新方法の具体例を示すシーケンス図である。図13は、第1のTWT設定が適用されたTWT間隔TI1から、第2のTWT設定が適用されたTWT間隔TI2へ遷移する際の動作の一例を示している。以下に、図13を参照して、TWT設定の更新方法の具体例について説明する。
無線端末装置WTAは、TWT間隔TI1<1>の前に、アップリンクデータDAT1をバッファする(S20)。TWT間隔TI1<1>の開始時刻になると、基地局APは、トリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S21)。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT1と当該DAT1のキュー遅延時間QL1とを基地局APに送信する(S22)。本例において、QL1は、QLthよりも短い(QL1<QLth)。基地局APは、DAT1及びQL1の受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S23)。そして、無線端末装置WTAは、Ackを受信したことに基づいてDAT1を破棄する。また、基地局APは、DAT1の受信に関する処理において、QL1<QLthであることを確認し、この時点でTWT設定の調整が不要であることを判断する(S120、NO)。
本例では、TWT間隔TI1<1>の待機期間WP中に、無線端末装置WTAがアップリンクデータDAT2をバッファしている(S24)。そして、TWT間隔TI1<2>の開始時刻になると、基地局APは、トリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S25)。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT2と当該DAT2のキュー遅延時間QL2とを基地局APに送信する(S26)。本例において、QL2は、QLthよりも長い(QL2>QLth)。基地局APは、DAT2及びQL2の受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S27)。そして、無線端末装置WTAは、Ackを受信したことに基づいてDAT2を破棄する。また、基地局APは、DAT2の受信に関する処理において、QL2>QLthであることに基づいて、TWT設定を調整する(S120、YES)。そして、基地局APは、調整されたTWT設定を、ビーコンを用いて無線端末装置WTAに通知する(S28)。その後、無線端末装置WTAは、受信したビーコンに含まれたTWT設定に基づいて、自局のTWT設定を変更(更新)する。本例では、次のTWT間隔TI2が、TWT間隔TI1よりも短く設定される。すなわち、基地局APは、例えば低遅延データの送信の遅延が大きいことを検知すると、TWTサービス期間の周期が短くなるようにTWT設定を更新する。
本例では、TWT間隔TI1<2>の待機期間WP中に、無線端末装置WTAがアップリンクデータDAT3をバッファしている(S29)。そして、更新されたTWT間隔TI2<1>の開始時刻になると、基地局APは、トリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S30)。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT3と当該DAT3のキュー遅延時間QL3とを基地局APに送信する(S31)。本例において、QL3は、QLthよりも長い(QL3>QLth)。基地局APは、DAT3及びQL3の受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S32)。そして、無線端末装置WTAは、Ackを受信したことに基づいてDAT3を破棄する。なお、基地局APは、DAT3の受信に関する処理において、QL3>QLthであることに基づいてTWT設定を調整してもよいし、TWT設定が更新された直後のTWTサービス期間であることに基づいて、TWT設定の調整を省略してもよい。
本例では、TWT間隔TI2<1>の待機期間WP中に、無線端末装置WTAがアップリンクデータDAT4をバッファしている(S33)。そして、TWT間隔TI2<2>の開始時刻になると、基地局APは、トリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S34)。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT4と当該DAT4のキュー遅延時間QL4とを基地局APに送信する(S35)。本例において、QL4は、QLthよりも短い(QL4<QLth)。先のTWT設定の更新によりTWTサービス期間の周期が短く変更されたことによって、このようにアップリンクデータのキュー遅延時間が短くなり得る。基地局APは、DAT4及びQL4の受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S36)。そして、無線端末装置WTAは、Ackを受信したことに基づいてDAT4を破棄する。以降も同様に、基地局APは、TWT設定を変更しつつTWT機能を利用することにより例えば、無線端末装置WTAのアップリンクデータを受信することができる。
なお、TWT設定の変更は、TWT設定の変更を通知するビーコン信号を送信した次のTWT間隔TIにおいて適用されてもよいし、所定の周期後のTWT間隔TIにおいて適用されてもよい。
<1-3>第1実施形態の効果
データ通信において、トラヒックが滞留していない場合には、リンクをパワーセーブ動作させることが好ましい。しかしながら、パワーセーブ動作させる期間が長くなると、アップリンクデータの送信における遅延が大きくなるおそれがある。
アップリンクにおいて低遅延データの遅延を抑制する方法としては、TWT機能を用いて周期的なアップリンクデータの送信を割り当てることが考えられる。具体的には、アップリンクデータが周期的に入力される場合に、アップリンクデータが入力される周期と、TWTサービス期間の周期とを合わせることが好ましい。これにより、低遅延データのキューの遅延時間が抑制され、且つリンクの消費電力が抑制され得る。しかしながら、TWT機能の使用時に、基地局APがアップリンクデータの入力時刻や入力周期を知ることなどができない場合に、TWT周期とアップリンクデータの入力タイミングが合っていない場合がある。この場合、TWT機能の使用により遅延が増加するおそれがある。すなわち、低遅延データが、所望の遅延時間内で伝送できなくなるおそれがある。
そこで、第1実施形態に係る基地局APは、低遅延データをやりとりする無線端末装置WTAから受信したデータ毎のキュー遅延時間QLを取得する。そして、基地局APは、キュー遅延時間QLが所定の閾値QLthを超えている場合に、例えばTWT間隔(TWT周期)が短くなるようにTWT設定を調整する。
その結果、第1実施形態に係る基地局APでは、アップリンクの低遅延データの周期性が不確かな場合であっても、データの発生タイミングに合うようにTWT設定を更新することができる。従って、第1実施形態に係る基地局APは、キュー遅延に基づいて低遅延データが伝送される頻度を高める(調整する)ことができるため、アップリンクで送信される低遅延データのキュー遅延を抑制することができる。
<1-4>第1実施形態の変形例
第1実施形態では、基地局APがビーコンを用いて無線端末装置WTAに新たなTWT設定を通知する場合を例示したが、これに限定されない。基地局APは、トリガーフレームTFを送信する無線フレームにTWT設定の情報を付加して、無線端末装置WTAに新たなTWT設定を通知してもよい。
図14は、第1実施形態の変形例に係る情報通信システム1におけるTWT設定の調整方法の具体例を示すシーケンス図である。図14に示されたフローチャートは、図13に示されたフローチャートにおいてS20~S27の処理がS40~S47の処理に置き換えられ、S28の処理が省略された構成を有する。以下に、図14を参照して、第1実施形態の変形例におけるTWT設定の更新方法について第1実施形態と異なる点を説明する。
無線端末装置WTAは、TWT間隔TI1<1>の前に、アップリンクデータDAT1をバッファする(S40)。TWT間隔TI1<1>の開始時刻になると、基地局APは、トリガーフレームTFを無線端末装置WTAに送信する(S41)。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT1と当該DAT1のキュー遅延時間QL1aとを基地局APに送信する(S42)。本例において、QL1aは、QLthよりも長い(QL1a>QLth)。基地局APは、DAT1及びQL1aの受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S43)。そして、無線端末装置WTAは、Ackを受信したことに基づいてDAT1を破棄する。また、基地局APは、DAT1の受信に関する処理において、QL1a>QLthであることを確認し、次のTWT設定を生成する。この次のTWT設定は、例えば、第1実施形態と同様に、TWTサービス期間の周期(TWT周期)が短くなるような設定である。
本例では、TWT間隔TI1<1>の待機期間WP中に、無線端末装置WTAがアップリンクデータDAT2をバッファしている(S44)。そして、TWT間隔TI1<2>の開始時刻になると、基地局APは、トリガーフレームTFと、次のTWT設定(Next TWT)とを含む無線信号を無線端末装置WTAに送信する(S45)。無線端末装置WTAは、トリガーフレームTFを受信したことに基づいて、アップリンクデータDAT2と当該DAT2のキュー遅延時間QL2とを基地局APに送信する(S46)。基地局APは、DAT2及びQL2の受信に成功すると、Ackを無線端末装置WTAに送信する(S47)。また、無線端末装置WTAは、S45において受信した次のTWT設定を自局に適用する。S47の処理の後は、例えば第1実施形態と同様に、S29~S36の処理が順に実行される。
以上で説明されたように、基地局APのリンクマネジメント部MLDは、キュー遅延時間QLが閾値QLthを超えていたことを検知した後に無線信号処理部(例えば、STA1)に放射させるトリガーフレームを用いて、当該無線信号処理部にトリガーフレームTFを含む無線信号を放射させる周期を無線端末装置WTAに通知し得る。
その結果、第1実施形態の変形例における基地局APは、ビーコンを利用することなくTWT設定を無線端末装置WTAに通知することができ、無線端末装置WTAは、TWT設定を更新することができる。従って、第1実施形態の変形例は、第1実施形態と同様に、アップリンクで送信される低遅延データのキュー遅延を抑制することができる。また、第1実施形態の変形例は、無線端末装置WTAがビーコンの受信に要する期間を省略することができるため、第1実施形態よりも無線端末装置WTAの消費電力を抑制することができる。
<2>第2実施形態
第2実施形態に係る情報通信システム1の構成は、第1実施形態に係る情報通信システム1と同様である。第2実施形態では、TWT設定がグループ毎に管理され、各グループのTWT設定がキュー遅延時間QLに基づいて更新される。以下に、第2実施形態に係る情報通信システム1について、第1実施形態と異なる点を説明する。
<2-1>TWT機能
第2実施形態に係る基地局APは、複数の無線端末装置WTAとのリンクを確立し且つTWT機能を利用する場合に、TWTグループGRを設定する。TWTグループGRは、共通のTWT設定を利用する複数の無線端末装置WTAの組である。すなわち、第2実施形態では、同じTWTグループGRに所属する複数の無線端末装置WTAが、同じTWT設定を共有する。そして、第2実施形態に係る基地局APは、第1実施形態と同様に、各無線端末装置WTAから取得されたキュー遅延時間QLに基づいてTWT設定を調整し得る。一方で、第2実施形態に係る基地局APは、調整されたTWT設定を、無線端末装置WTA単体にではなく、TWTグループGRに対して適用する。
図15は、第2実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の更新方法の一例を示すフローチャートである。以下に、図15を参照して、第2実施形態におけるTWT設定の更新方法について、TWTグループGR1に関連した基地局APの動作に注目して説明する。
TWTグループGR1のあるTWT周期が開始すると、基地局APは、TWTグループGR内で選択された無線端末装置WTA宛のトリガーフレームTFを送信する(S200)。自局の宛のトリガーフレームTFを受け取った無線端末装置WTAは、キュー遅延時間QLと低遅延データとを含む無線フレームを基地局APに送信する。
次に、基地局APは、選択された無線端末装置WTAからキュー遅延時間QLと低遅延データとを含む無線フレームを受信する(S210)。
次に、基地局APは、“QL>QLth”が満たされるか否かを判定する(S220)。S220の処理おけるQLthの設定方法は、第1実施形態と同様である。
S220の処理において“QL>QLth”が満たされなかった場合(S220、NO)。基地局APは、TWTグループGR1のTWT設定を調整することなく、次のTWT周期の処理に移行する。
S220の処理において“QL>QLth”が満たされた場合(S220、YES)、基地局APは、当該TWTグループGR1のTWT設定を調整する(S230)。S230の処理におけるTWT設定の調整方法は、第1実施形態と同様である。基地局APは、“QL>QLth”が満たされた場合に、TWT間隔を、例えば1/2にする。TWT設定を更新した後に、基地局APは、次のTWT周期の処理に移行する。
図16は、第2実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の変更例を示すテーブルである。図16に示されたテーブルは、TWTグループGR1及びGR2にそれぞれ設定されたTWT間隔、TWT継続期間、及びAIDを示し、取り消し線及び矢印は、TWT設定の更新前後を示している。本例では、TWTグループGR1に、無線端末装置WTA1及びWTA2が割り当てられ、TWT間隔TI1と、TWT継続期間TDとが設定されている。TWTグループGR2に、無線端末装置WTA3が割り当てられ、TWT間隔TI2と、TWT継続期間TDとが設定されている。
本例において第2実施形態のTWT設定の更新方法が利用されると、無線端末装置WTA1又はWTA2のアップリンクデータにおけるキュー遅延時間QLがQLthを超えたことに基づいて、TWTグループGR1におけるTWT間隔TI1が、例えば1/2(すなわち、(TI1)/2)に変更される。なお、QL>QLthが確認された場合のTWT設定は、少なくともTWT周期が短くなるように設定されていればよい。
<2-2>第2実施形態の効果
基地局APは、TWT設定をTWTグループGR単位で管理することによって、TWT機能の管理を容易にすることができる。TWTグループGRに適用されるTWT設定は、複数の無線端末装置WTAのそれぞれにおいてトラヒックが発生するタイミングや周期に合わせて設定され、全てのトラヒックを収容できるように設定されることが理想的である。しかしながら、実際のトラヒックは、非周期的なトラヒックも存在する。このため、複数の無線端末装置WTAが割り当てられたTWTグループGRにおいて、TWT機能の初期設定の精度を高く設定することは困難である。
そこで、第2実施形態に係る基地局APは、キュー遅延時間QLが閾値QLthを超える低遅延データ(トラヒック)を検出した場合に、当該低遅延データの送信が割り当てられたTWTグループGRにおけるTWT周期を短く(例えば、半分に)する。
図17は、第2実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の変更前後のアップリンクデータの送信方法の一例を示すタイミングチャートである。図17の(1)及び(2)は、それぞれTWT設定の変更前後に対応し、同じTWTグループGRに所属する無線端末装置WTA1及びWTA2のトラヒックの状況を示している。斜線のハッチングが付加された箱は、トリガーフレームTFの送信タイミングを示している。ドット状のハッチングが付加された箱は、トラヒック(データDAT)の送信タイミングを示している。トリガーフレームTFからデータDATに向かう矢印は、当該トリガーフレームTFによって送信機会が与えられたデータDATを示している。
図17の(1)に示すように、TWT設定変更前の基地局APは、TWT間隔TI1<1>及び<2>のそれぞれのTWT継続期間TDにおいて、トリガーフレームTFを送信している。本例では、無線端末装置WTA1のトラヒックの送信周期が、TWT間隔TI1と一致している。これにより、無線端末装置WTA1は、TWT間隔TI1<1>及び<2>のそれぞれのトリガーフレームTFに基づいて、トラヒックを送信することができる。一方で、無線端末装置WTA2は、TWT間隔TI<1>において発生したトラヒックを有しているが、送信機会の割り当てができず、キュー遅延が発生している(図17の送信待ち)。
第2実施形態に係る基地局APは、このような無線端末装置WTA2のキュー遅延の発生を、キュー遅延時間QLと閾値QLthとの比較により検知すると(QL>QLthを検知)、無線端末装置WTA2を含むTWTグループGRのTWT設定を変更する。本例では、当該TWTグループGRのTWT周期が半分に変更され、“TWT間隔(TI1/2)”として示されている。
図17の(2)に示すように、TWT設定変更後の基地局APは、TWT間隔((TI1)/2)<1>、<2>及び<3>のそれぞれのTWT継続期間TDにおいて、トリガーフレームTFを送信している。TWT設定変更後の基地局APは、TWT周期が半分に設定されたことによって、無線端末装置WTA1のトラヒックと、無線端末装置WTA2のトラヒックとの両方に送信機会が割り当てることができる。
このように、第2実施形態に係る基地局APは、TWT機能の利用時に、キュー遅延時間QLの閾値QLthを超える低遅延トラヒックを救済できる機会を増やすことができる。従って、第2実施形態に係る基地局APは、アップリンクで送信される低遅延データのキュー遅延を抑制することができる。
<3>第3実施形態
第3実施形態に係る情報通信システム1の構成は、第1実施形態に係る情報通信システム1と同様である。第3実施形態では、TWT設定が第2実施形態と同様にTWTグループGR毎に管理され、無線端末装置WTAの所属するTWTグループGRがキュー遅延時間QLに基づいて変更される。以下に、第3実施形態に係る情報通信システム1について、第1及び第2実施形態と異なる点を説明する。
<3-1>TWT機能
第3実施形態に係る基地局APは、複数の無線端末装置WTAとのリンクを確立し且つTWT機能を利用する場合に、複数のTWTグループGRを設定する。そして、基地局APは、複数のTWTグループGRに、互いに異なるTWT設定を適用する。基地局APにより設定される複数のTWTグループGRは、例えば、TWT間隔の長いTWTグループGRと、TWT間隔の短いTWTグループGRとを含む。
それから、第3実施形態に係る基地局APは、各無線端末装置WTAから取得されたキュー遅延時間QLに基づいて、各無線端末装置WTAの所属するTWTグループGRの設定を変更する。例えば、第3実施形態に係る基地局APは、キュー遅延時間QLが閾値QLthを超える低遅延データ(トラヒック)を検出した場合に、当該低遅延データの送信が割り当てられた無線端末装置WTAに対するTWTグループGRの割り当てを、現在のTWTグループGRよりもTWT周期の短いTWTグループGRに変更する。
図18は、第3実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の更新方法の一例を示すフローチャートである。以下に、図18を参照して、第3実施形態におけるTWT設定の更新方法について、TWTグループGR1に関連した基地局APの動作に注目して説明する。
TWTグループGR1のあるTWT周期が開始すると、基地局APは、TWTグループGR内で選択された無線端末装置WTA宛のトリガーフレームTFを送信する(S300)。自局の宛のトリガーフレームTFを受け取った無線端末装置WTAは、キュー遅延時間QLと低遅延データとを含む無線フレームを基地局APに送信する。
次に、基地局APは、選択された無線端末装置WTAからキュー遅延時間QLと低遅延データとを含む無線フレームを受信する(S310)。
次に、基地局APは、“QL>QLth”が満たされるか否かを判定する(S220)。S320の処理おけるQLthの設定方法は、第1実施形態と同様である。
S320の処理において“QL>QLth”が満たされなかった場合(S320、NO)。基地局APは、選択された無線端末装置WTAのTWT設定を調整することなく、次のTWT周期の処理に移行する。
S320の処理において“QL>QLth”が満たされた場合(S320、YES)、基地局APは、選択された無線端末装置WTAのTWTグループを変更する(S330)。例えば、基地局APは、“QL>QLth”が満たされた無線端末装置WTAの所属を、現在のTWTグループよりもTWT間隔が狭い(TWT周期が短い)TWTグループに変更する。TWT設定を更新した後に、基地局APは、次のTWT周期の処理に移行する。
図19は、第3実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の変更例を示すテーブルである。図19に示されたテーブルは、TWTグループGR1及びGR2にそれぞれ設定されたTWT間隔、TWT継続期間、及びAIDを示し、取り消し線及び矢印は、TWT設定の更新前後を示している。本例では、TWTグループGR1に、無線端末装置WTA1が割り当てられ、TWT間隔TI1と、TWT継続期間TDとが設定されている。TWTグループGR2に、無線端末装置WTA2が割り当てられ、TWT間隔TI2と、TWT継続期間TDとが設定されている。TWTグループGR1及びGR2は、TWTサービス周期が異なるように設定される。TWT間隔TI2は、例えば、TWT間隔TI1の半分に設定される。
本例において第3実施形態のTWT設定の更新方法が利用されると、例えば、無線端末装置WTA2のアップリンクデータにおけるキュー遅延時間QLがQLthを超えたことに基づいて、TWTグループGR1に所属していた無線端末装置WTA2が、TWTグループGR1から、TWTグループGR1よりもTWT周期が短いTWTグループGR2に変更される。なお、変更後のTWTグループGRとしては、少なくとも変更前のTWTグループGRよりもTWT周期が短いTWTグループGRが選択されていればよい。
<3-2>第3実施形態の効果
図20は、第3実施形態に係る情報通信システムにおけるTWT設定の変更前後のアップリンクデータの送信方法の一例を示すタイミングチャートである。図20の(1)及び(2)は、それぞれTWT設定の変更前後に対応し、TWTグループGR1及びGR2に所属する無線端末装置WTAのトラヒックの状況を示している。斜線のハッチングが付加された箱は、トリガーフレームTFの送信タイミングを示している。ドット状のハッチングが付加された箱は、トラヒック(データDAT)の送信タイミングを示している。トリガーフレームTFからデータDATに向かう矢印は、当該トリガーフレームTFによって送信機会が与えられたデータDATを示している。
図20の(1)に示すように、TWT設定変更前の基地局APは、TWTグループGR1のTWT間隔TI1<1>及び<2>のそれぞれのTWT継続期間TDにおいて、トリガーフレームTFを送信し得る。本例において、無線端末装置WTA1は、TWT間隔TI1<1>及び<2>のそれぞれのトリガーフレームTFに基づいて、トラヒックを送信することができる。一方で、無線端末装置WTA2は、TWT間隔TI<1>において発生したトラヒックを有しているが、送信機会の割り当てができず、キュー遅延が発生している(図20の送信待ち)。また、TWT設定変更前の基地局APは、TWTグループGR2において、TWT間隔TI2<1>、<2>及び<3>のそれぞれにおいて、トリガーフレームTFを送信し得る。
第3実施形態に係る基地局APは、このような無線端末装置WTA2のキュー遅延の発生を、キュー遅延時間QLと閾値QLthとの比較により検知すると(QL>QLthを検知)、無線端末装置WTA2のTWTグループGRの所属を変更する。本例では、TWTグループGR1に所属している無線端末装置WTA2の所属が、TWTグループGR1の半分のTWT周期であるTWTグループGR2に変更される。
図20の(2)に示すように、TWT設定変更後の基地局APは、TWTグループGR1のTWT間隔TI1<11>及び<12>のそれぞれのTWT継続期間TDにおいてトリガーフレームTFを送信し、無線端末装置WTA1の各トラヒックに送信機会を与えることができる。そして、TWT設定変更後の基地局APは、TWT間隔TI2<11>、<12>及び<13>のそれぞれにおいてトリガーフレームTFを送信し、無線端末装置WTA2の各トラヒックに送信機会を与えることができる。
このように、第3実施形態に係る基地局APは、第2実施形態と同様に、TWT機能の利用時に、キュー遅延時間QLの閾値QLthを超える低遅延トラヒックを救済できる機会を増やすことができる。従って、第3実施形態に係る基地局APは、アップリンクで送信される低遅延データのキュー遅延を抑制することができる。
<4>第4実施形態
第4実施形態に係る情報通信システム1の構成は、第1実施形態に係る情報通信システム1と同様である。第4実施形態では、マルチリンクが、基地局APと無線端末装置WTAとの間の無線接続に使用され、TWT設定が、第2実施形態と同様にTWTグループGR毎に管理され、TWTグループGRと1以上のチャネルが対応付けて管理される。以下に、第4実施形態に係る情報通信システム1について、第1~第3実施形態と異なる点を説明する。
<4-1>マルチリンクについて
マルチリンクは、複数のリンクを用いてデータを送受信することが可能な無線接続である。マルチリンクが利用される場合、基地局APと無線端末装置WTAとのそれぞれは、複数のSTA機能(無線信号処理部)を備えている。マルチリンクでは、複数のチャネルCHが使用される。マルチリンクで使用される複数のチャネルCHは、同じ周波数帯であってもよいし、異なる周波数帯であってもよい。
(リンク状態の一例)
図21は、第4実施形態に係る情報通信システム1が備える基地局APが保持するリンク管理情報131の一例を示すテーブルである。図21は、AID=#1の無線端末装置WTAに関するリンク状態を例示している。図21に示すように、リンク管理情報131は、例えば、“STA機能”、“リンク”、“周波数帯”、“チャネルID”、“マルチリンク”、及び“TID(Traffic IDentifier)”のそれぞれの情報を含む。
“STA機能”は、STA機能に関連付けられたリンク識別子(Link ID)を示している。本例では、AID=#1の無線端末装置WTAと基地局APとの間の無線通信に3つのSTA機能(STA1、STA2、及びSTA3)が割り当てられている。
“リンク”は、リンクを確立しているか否かを示している。本例では、STA1及びSTA2のそれぞれがリンクを確立している状態であることを示し(図21の“あり”)、STA3がリンクを確立している状態でないことを示している(図21の“なし”)。
“周波数帯”は、リンクに使用される周波数帯を示している。本例では、STA1、STA2、及びSTA3に、それぞれ6GHz帯、5GHz帯、及び2.4GHz帯が割り当てられている。
“チャネルID”は、リンクに使用されているチャネルのIDを示している。本例では、STA1に6GHz帯のチャネルCH1が割り当てられ、STA2に5GHz帯のチャネルCH2が割り当てられている。
“マルチリンク”は、マルチリンクを確立しているか否かを示している。本例では、STA1及びSTA2の組が、マルチリンクを確立している(図21の“○”)。
“TID”は、リンク(STA機能)に割り当てられたトラヒック種別を示している。図21の“TID”に記載された#1~#3のそれぞれは、VO、VI、BE、BK、LLのいずれかに対応している。本例では、TID#1がSTA及びSTA2に割り当てられ、TID#2がSTA1に割り当てられ、TID#3がSTA2に割り当てられている。このように、マルチリンクでは、1つのTIDに対して一つ又は複数のSTA機能が割り当てられ得る。トラヒックとSTA機能との関連付けは、例えば、マルチリンクを構成する複数のリンクの間でトラヒック量(データ量)が均等になるように設定される。これに限定されず、互いに類似する種類(優先/非優先等)のトラヒックが、マルチリンクを構成する特定のリンクに集められてもよい。
なお、無線端末装置WTAが保持するリンク管理情報231は、例えば、図21に示された情報と同様の情報を含み得る。基地局APのリンク制御部134は、マルチリンクを確立する際に、TIDとSTA機能との対応付けを決定し得る。無線端末装置WTAのリンク制御部234は、マルチリンクを確立する際に、TIDとSTA機能との対応付けを決定し得る。基地局APのMACフレーム処理部140は、リンク管理情報131を参照して、MACフレームに含まれたデータのTIDに関連付けられたリンクを特定し得る。無線端末装置WTAのMACフレーム処理部240は、リンク管理情報231を参照して、MACフレームに含まれたデータのTIDに関連付けられたリンクを特定し得る。
(マルチリンクのセットアップ方法)
図22は、第4実施形態に係る情報通信システム1におけるマルチリンクのセットアップ方法の一例を示すフローチャートである。以下に、図22を参照して、マルチリンクのセットアップ方法について説明する。マルチリンクのセットアップは、基地局APのリンクマネジメント部MLDと無線端末装置WTAのリンクマネジメント部MLDとの間で、例えばマネジメントフレームを使用して実行される。
S50の処理において、無線端末装置WTAは、基地局APにプローブリクエストを送信(ブロードキャスト)する。プローブリクエストは、無線端末装置WTAの周辺に基地局APが存在するか否かを確認する信号である。基地局APは、プローブリクエストを受信すると、S51の処理を実行する。
S51の処理において、基地局APは、無線端末装置WTAにプローブレスポンスを送信する。プローブレスポンスは、無線端末装置WTAからのプローブリクエストに対する応答に使用される信号であり、マルチリンクの確立に必要な情報を含む。無線端末装置WTAは、プローブレスポンスを受信すると、S52の処理を実行する。
S52の処理において、無線端末装置WTAは、無線端末装置WTAのいずれかのSTA機能を介して、基地局APにマルチリンクアソシエーションリクエストを送信する。マルチリンクアソシエーションリクエストは、基地局APにマルチリンクの確立を要求する信号であり、マルチリンク接続のための情報を含む。基地局APのリンクマネジメント部MLDは、マルチリンクアソシエーションリクエストを受信すると、S53の処理を実行する。
S53の処理において、基地局APのリンクマネジメント部MLDは、マルチリンクアソシエーション処理を実行する。マルチリンクアソシエーション処理において、基地局APは、まず、無線端末装置WTAとの間で1つ目のSTA機能のアソシエーション処理を実行する。そして、1つ目のSTA機能において無線接続(リンク)が確立されると、基地局APのリンクマネジメント部MLDは、リンクが確立されている1つ目のSTA機能を用いて、2つ目のSTA機能のアソシエーション処理を実行する。少なくとも2つのSTA機能のアソシエーション処理が完了すると、基地局APは、無線端末装置WTAとのマルチリンクが確立されたことを認識し、S54の処理を実行する。
S54の処理において、基地局APのリンクマネジメント部MLDは、リンク管理情報131を更新する。リンク管理情報131が更新されると、基地局APは、S55の処理を実行する。
S55の処理において、基地局APは、無線端末装置WTAにマルチリンク確立レスポンスを送信する。マルチリンク確立レスポンスは、無線端末装置WTAからのマルチリンクリクエストに対する応答に使用される信号である。無線端末装置WTAのリンクマネジメント部MLDは、マルチリンク確立レスポンスを受信したことに基づいて基地局APとのマルチリンクが確立されたことを認識し、S56の処理を実行する。
S56の処理において、無線端末装置WTAのリンクマネジメント部MLDは、リンク管理情報231を更新する。これにより、基地局APと無線端末装置WTAとの双方でリンク管理情報が更新され、マルチリンクのセットアップが完了する。以後、基地局AP及び無線端末装置WTAは、マルチリンクを用いたデータ通信を実行し得る。
なお、マルチリンクのセットアップは、基地局APにより周期的に送信されたビーコンに基づいて実行されてもよい。この場合、無線端末装置WTAは、ビーコンを受信したことに基づいてS52の処理を実行する。すなわち、S50及びS51の処理は、省略され得る。また、マルチリンクをセットアップ時に、基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれのリンクマネジメント部MLDは、マルチリンクに含まれる各リンクとトラヒック種別(TID)とのマッピングを実行する。具体的には、無線端末装置WTAのリンクマネジメント部MLDが、トラヒックとリンクとの対応付けを決定し、当該対応付けの適用を基地局APのリンクマネジメント部MLDにリクエストする。その後、無線端末装置WTAが、基地局APから当該リクエストに対する肯定応答を受信すると、トラヒックとリンクとの対応付けが確定する。
<4-2>TWT機能
第4実施形態に係る基地局APは、複数の無線端末装置WTAとのリンクを確立し且つTWT機能を利用する場合に、複数のTWTグループGRを設定する。そして、基地局APは、複数のTWTグループGRに、互いに異なるTWT設定を適用する。また、第4実施形態に係る基地局APは、TWTグループGRと1つ以上のチャネルとを対応付けて管理する。そして、無線端末装置WTAは、低遅延データ(トラヒック)が割り当てられたTWTグループGRのチャネルの一部又は全部を用いて、低遅延データを送信し得る。
図23は、第4実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定の一例を示すテーブルである。図23に示されたテーブルは、TWTグループGR1及びGR2にそれぞれ割り当てられたチャネルを、図面に記載された“○”により示している。本例では、TWTグループGR1に、チャネルCH1、CH2及びCH3が割り当てられ、TWTグループGR2に、チャネルCH1及びCH2が割り当てられている。基地局APは、各TWTグループGRのTWT周期に合わせて、対応付けられたチャネルCHの全てについて、トリガーフレームTFなどを送信し得る。
図24は、第4実施形態に係る情報通信システム1における各TWTグループのチャネル割り当ての一例を示すテーブルである。図24の(1)及び(2)に示されたテーブルは、それぞれTWTグループGR1及びGR2におけるチャネルの割り当てに対応し、図23に示された条件において無線端末装置WTAに割り当てられたチャネルを、図面に記載された“○”により示している。“Active”は、当該TWTグループGRにおいてチャネルCHの利用が割り当てられていることを示している。“Disable”は、当該TWTグループGRにおいてチャネルCHの利用が割り当てられていないことを示している。
本例では、図24の(1)に示すように、TWTグループGR1に、無線端末装置WTA1及びWTA2が割り当てられている。そして、無線端末装置WTA1に、チャネルCH1、CH2及びCH3の使用が割り当てられ、無線端末装置WTA2に、チャネルCH2及びCH3の使用が割り当てられている。また、図24の(2)に示すように、TWTグループGR2に、無線端末装置WTA3が割り当てられている。そして、無線端末装置WTA3に、チャネルCH1及びCH2の使用が割り当てられている。
つまり、無線端末装置WTA1は、TWTグループGR1に割り当てられたチャネルCH1、CH2及びCH3の全てを用いて基地局APにデータなどを送信し得る。無線端末装置WTA2は、TWTグループGR1に割り当てられたチャネルCH1、CH2及びCH3のうち、チャネルCH2及びCH3のみを用いて基地局APにデータなどを送信し得る。無線端末装置WTA3は、TWTグループGR2に割り当てられたチャネルCH1及びCH2の全てを用いて基地局APにデータなどを送信し得る。
図25は、第4実施形態に係る情報通信システム1におけるTWT設定に基づくアップリンクデータの送信方法の一例を示すタイミングチャートである。図25は、無線端末装置WTA1、WTA2及びWTA3のトラヒックの送信可能なタイミングを示している。斜線のハッチングが付加された箱は、トリガーフレームTFの送信タイミングを示している。ドット状のハッチングが付加された箱は、トラヒック(データDAT)の送信タイミングを示している。
図25に示すように、基地局APは、TWTグループGR1のTWT間隔TI1<1>及び<2>のそれぞれにおいて、チャネルCH1、CH2及びCH3のそれぞれを用いてトリガーフレームTFを送信し得る。TWTグループGR1の無線端末装置WTA1は、各TWT間隔TI1において、チャネルCH1、CH2及びCH3のそれぞれを用いてトラヒックを基地局APに送信し得る。TWTグループGR1の無線端末装置WTA2は、各TWT間隔TI1において、チャネルCH2及びCH3のそれぞれを用いてトラヒックを基地局APに送信し得る。一方で、基地局APは、TWTグループGR2のTWT間隔TI2<1>、<2>及び<3>のそれぞれにおいて、チャネルCH1及びCH2のそれぞれを用いてトリガーフレームTFを送信し得る。TWTグループGR2の無線端末装置WTA3は、各TWT間隔TI2において、チャネルCH2及びCH3のそれぞれを用いてトラヒックを基地局APに送信し得る。
なお、無線端末装置WTAが使用するチャネルは、基地局APが決定してもよいし、無線端末装置WTAが決定してもよい。基地局APがチャネルを決定する場合、基地局APは、無線端末装置WTAに使用させるチャネルを、トリガーフレームTFで通知してもよいし、ビーコンで通知してもよい。無線端末装置WTAがチャネルを決定する場合、無線端末装置WTAは、使用するチャネルの情報を、例えば、割り当てられたTWTサービス期間を用いて基地局APに通知(送信)する。
<4-3>第4実施形態の効果
以上で説明されたように、第4実施形態に係る基地局APは、TWT設定をTWTグループGR毎に管理する。そして、各無線端末装置WTAには、所属するTWTグループGRに割り当てられた複数のチャネルのうち1つ以上のチャネルが割り当てられ得る。つまり、第4実施形態に係る基地局AP及び無線端末装置WTAの間では、TWTグループGRとチャネルとの対応が一意に定められている。
これにより、第4実施形態に係る基地局APは、各無線端末装置WTAの各チャネルの設定を容易に管理することができる。また、第4実施形態に係る基地局APは、TWTグループGRに対応付けられたチャネルについて、無線端末装置WTA毎に一部のチャネルの利用を許容することによって、無線端末装置WTA側のアップリンクデータの送信の柔軟性を確保することができる。
<5>その他
上記実施形態に係る情報通信システム1の構成及び機能構成は、その他の構成であってもよい。例えば、基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれが3つのSTA機能(無線信号処理部)を備える場合について例示したが、これに限定されない。基地局APは、少なくとも1つの無線信号処理部を備えていればよい。同様に、無線端末装置WTAは、少なくとも1つの無線信号処理部を備えていればよい。また、STA機能が処理することが可能なチャネルの数は、使用される周波数帯に応じて適宜設定され得る。無線通信モジュール13及び23のそれぞれは、複数の通信モジュールによって複数の周波数帯の無線通信に対応してもよいし、1つの通信モジュールによって複数の周波数帯の無線通信に対応してもよい。基地局AP及び無線端末装置WTAの機能構成は、実施形態で説明された動作を実行することが可能であれば、その他の名称及びグループ分けであってもよい。
上記実施形態に係る情報通信システム1において、基地局APが備えるCPU10と無線端末装置WTAが備えるCPU20とのそれぞれは、その他の回路であってもよい。例えば、基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれは、CPUの替わりに、MPU(Micro Processing Unit)などを備えていてもよい。実施形態において説明された処理のそれぞれは、専用のハードウェアによって実現されてもよい。基地局AP及び無線端末装置WTAのそれぞれの処理は、ソフトウェアにより実行される処理と、ハードウェアによって実行される処理とが混在していてもよいし、どちらか一方のみであってもよい。
第3実施形態におけるTWT設定の更新方法を利用する基地局APは、本段落に記載の動作を含み得る。基地局APのリンクマネジメント部MLDは、第1の周期で放射されるトリガーフレームTFを、無線端末装置WTA1を含む第1のグループの無線端末装置宛に生成する。そして、基地局APのリンクマネジメント部MLDは、第1の周期と異なる第2の周期で放射されるトリガーフレームを、第2のグループの無線端末装置宛に生成する。それから、第1の周期で放射されたトリガーフレームの集合に含まれたトリガーフレームTFに対する返答で、無線端末装置WTA1からアップリンクデータと、当該アップリンクデータのキュー遅延時間の情報とを受け取り、且つ、キュー遅延時間が所定の閾値を超えていた場合に、無線端末装置WTA1に対するTWTグループの割り当てを第1のグループから第2のグループに変更する。
第4実施形態におけるTWT設定を利用する基地局APは、前段落の内容と合わせて、本段落に記載の構成を含み得る。基地局APのリンクマネジメント部MLDは、第1のグループに対応するトリガーフレームTFを含む無線信号の放射に、第1の無線信号処理部(例えば、STA1)と第2の無線信号処理部(例えば、STA2)とを割り当て、無線端末装置WTA1と無線端末装置WTA2とのそれぞれの通信に、第1の無線信号処理部(例えば、STA1)と前記第2の無線信号処理部(例えば、STA2)とのうち1つ以上の無線信号処理部を割り当てる。なお、無線端末装置WTA1と無線端末装置WTA2とのそれぞれの通信の割り当ては、STA機能に割り当てられたチャネル単位で管理され得る。そして、第4実施形態では、同じTWTグループGRに所属する無線端末装置WTA1及びWTA2のそれぞれに割り当てられたチャネルの数が異なり得る。
上記実施形態において、動作の説明に用いたフローチャートは、あくまで一例である。実施形態で説明された各動作は、処理の順番が可能な範囲で入れ替えられてもよいし、その他の処理が追加されてもよい。例えば、第1実施形態で説明されたマルチリンクのセットアップ方法は、あくまで一例である。また、第1実施形態で説明された無線フレームのフォーマットは、あくまで一例である。情報通信システム1では、実施形態で説明された動作を実行することが可能であれば、その他のフォーマットが使用されてもよい。基地局APと無線端末装置WTAとの間の無線通信としては、IEEE802.11規格とは異なる無線通信規格が使用されてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は、適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。