図1は、本実施例のコンロバーナ10を搭載したガスコンロ1の外観形状を示した斜視図である。図1に例示したガスコンロ1は、図示しないシステムキッチンのカウンタートップに嵌め込んで設置されるビルトインタイプのガスコンロ1であり、上面が開口した箱形状の本体ケース2と、本体ケース2の上面を覆って設置される天板3とを備えている。
本体ケース2の内部には、後述する親バーナと子バーナとが上下二段に組み合わされたコンロバーナ10が、左右に並べて2つ収容されており、これらのコンロバーナ10は、上部が天板3に形成された挿通孔から突出した状態となっている。また、天板3からコンロバーナ10が突出した箇所には五徳4が設置されている。五徳4は、金属製で円環形状の五徳リング4aと、五徳リング4aから立設した複数本の五徳爪4bとを備えている。五徳リング4aは、天板3から突出したコンロバーナ10を取り囲むように(コンロバーナ10が五徳リング4aの内側となるように)設置されており、五徳リング4aの複数箇所(図示した例では6箇所)からは、コンロバーナ10に向かって五徳爪4bが延設されている。このため、五徳爪4bの上に鍋などの調理容器を置くことで、調理容器を下方からコンロバーナ10で加熱することが可能となっている。
更に、コンロバーナ10には、中央を貫通した状態で温度センサ5が内蔵されている。温度センサ5は図示しない付勢バネによって上方に付勢されており、温度センサ5の上部がコンロバーナ10の上面中央から突出した状態となっている。そして、五徳4に調理容器を置くと、調理容器の底面が温度センサ5を押し下げることで温度センサ5の上端が調理容器の底面に当接した状態となって、調理容器の温度を検出することが可能となる。
また、ガスコンロ1の前面にはグリル扉7が設けられており、グリル扉7の奥には図示しないグリル庫やグリルバーナが搭載されている。グリル扉7の右方には、2つのコンロバーナ10に対応して2つのコンロ操作ボタン8が設けられており、ガスコンロ1の使用者は何れかのコンロ操作ボタン8を操作することによって、対応するコンロバーナ10に点火したり、消火したり、火力を調節したりすることができる。また、グリル扉7の左方には、グリル操作ボタン9が設けられており、使用者はグリル操作ボタン9を操作することによって、グリルバーナに点火したり、消火したり、火力を調節したりすることができる。
図2は、本実施例のコンロバーナ10の大まかな形状を示した斜視図である。図示されるようにコンロバーナ10は、板金製部材を組み合わせて形成されたバーナ本体11と、略円筒形状のバーナヘッド20とを備えている。バーナ本体11には、略円筒形状のバーナボディ11bと、バーナボディ11bに接続された親混合管12と、親混合管12よりも小径でバーナボディ11bに接続された子混合管13とが形成されている。また、バーナボディ11bの上には、バーナヘッド20が載置されている。更に、バーナヘッド20の中央には挿通孔20hが形成されており、この挿通孔20hには、図1を用いて前述した温度センサ5が挿通されるようになっている。
バーナヘッド20は、バーナヘッド20は上下二段に分割された部材であり、アルミニウム合金あるいは真鍮を用いて、鋳造あるいはダイカストによって形成されている。以下では、バーナヘッド20を構成する上側の部材を上バーナヘッド21と称し、下側の部材を下バーナヘッド22と称する。図示したように下バーナヘッド22の上に上バーナヘッド21を載置した状態では、図2中に拡大して示したように、上バーナヘッド21の外周側面に複数の上側主炎口21fが形成され、下バーナヘッド22の外周側面には複数の下側主炎口22fが形成されている。そして、上バーナヘッド21と下バーナヘッド22とは、上側主炎口21fと下側主炎口22fとが互い違いとなる位置で組み合わされるようになっている。
更に、本実施例のコンロバーナ10では、上バーナヘッド21の外周側面の複数箇所に、上側主炎口21fの代わりに凹溝21mが形成された部分が存在しており、下バーナヘッド22の外周側面の複数箇所にも、下側主炎口22fの代わりに凹溝22mが形成された部分が存在している。そして、下バーナヘッド22の上に上バーナヘッド21を載置すると、凹溝22mと凹溝21mとが上下に繋がって、一体の凹溝20mを形成するようになっている。このような凹溝20mが形成されている理由については、後ほど詳しく説明する。
また、バーナボディ11bの上にバーナヘッド20を載置すると、下バーナヘッド22とバーナボディ11bとの間に、複数の小さな炎口(以下、小炎口22u)が形成されるようになっている。後述するようにバーナボディ11bの内部には、親混合管12が接続された空間と、子混合管13が接続された空間とが形成されている。そして、下バーナヘッド22とバーナボディ11bとの間に形成された小炎口22uは、子混合管13が接続された空間に連通している。また、上バーナヘッド21に形成された上側主炎口21fと、下バーナヘッド22に形成された下側主炎口22fとは、親混合管12が接続された空間に連通している。このため、後述するように、子混合管13に燃料ガスを供給すると、その燃料ガスが小炎口22uから流出し、親混合管12に燃料ガスを供給すると、その燃料ガスが上側主炎口21fおよび下側主炎口22fから流出することになる。尚、本実施例の上側主炎口21fおよび下側主炎口22fは、本発明における「主炎口」に対応する。
親混合管12および子混合管13には、次のようにして燃料ガスが供給される。先ず、親混合管12はバーナボディ11bに接続されていない側が開口端12oとなっており、子混合管13もバーナボディ11bに接続されていない側が開口端13oとなっている。親混合管12の開口端12oを臨む位置にはガス噴射ノズル43pが設けられており、子混合管13の開口端13oを臨む位置にはガス噴射ノズル43cが設けられている。尚、以下では、親混合管12側に設けられたガス噴射ノズル43pを「親側のガス噴射ノズル43p」と称し、子混合管13側に設けられたガス噴射ノズル43cを「子側のガス噴射ノズル43c」と称することがある。そして、親側のガス噴射ノズル43pには接続パイプ40pが接続されており、子側のガス噴射ノズル43cには接続パイプ40cが接続されている。これら2つの接続パイプ40p、40cは、ガス供給パイプ40から分岐している。
ガス供給パイプ40に燃料ガスを供給すると、燃料ガスが接続パイプ40pと接続パイプ40cとに分岐して、親側のガス噴射ノズル43pと子側のガス噴射ノズル43cとに供給される。そして、親側のガス噴射ノズル43pの先端に形成されたノズル孔44pから、親混合管12の開口端12oに向かって燃料ガスが噴射される。噴射された燃料ガスは、エジェクタ効果によって周囲の空気を巻き込みながら親混合管12内に流入し、親混合管12内で空気と混合した後、上側主炎口21fおよび下側主炎口22fから流出する。同様に、子側のガス噴射ノズル43cの先端に形成されたノズル孔44cからも、子混合管13の開口端13oに向かって燃料ガスが噴射される。噴射された燃料ガスは、エジェクタ効果によって周囲の空気を巻き込みながら子混合管13内に流入し、子混合管13内で空気と混合した後、小炎口22uから流出する。
ここで、親側のガス噴射ノズル43pに形成されたノズル孔44pは、子側のガス噴射ノズル43cに形成されたノズル孔44cよりも大きな径に設定されている。このため、親側のガス噴射ノズル43pは子側のガス噴射ノズル43cよりも多量の燃料ガスを噴射することが可能となっている。また、このことに対応して、親混合管12は子混合管13よりも大径に形成されている。また、ガス供給パイプ40の途中には、燃料ガスのガス流量を調節するためのガス流量調節弁41が取り付けられている。更に、親混合管12に燃料ガスを供給する接続パイプ40pの途中には、接続パイプ40pを開閉する開閉弁42が取り付けられている。
また、バーナ本体11には、バーナボディ11bの外周面に近接して、点火プラグ30と火炎センサ32とが設けられている。更に、点火プラグ30の上方には、バーナヘッド20の外周面から点火ターゲット31が突設されている。開閉弁42を全閉状態とした状態で、点火プラグ30から点火ターゲット31に向かって火花放電させながら、ガス流量調節弁41を開弁させると、小炎口22uから燃料ガスが流出し、その燃料ガスが着火して燃焼が開始される。ここで、隣接する小炎口22uの間隔は、一方の小炎口22uに炎が形成されると、その炎によって隣の小炎口22uにも炎が形成される間隔に設定されている。このため、点火プラグ30の近くの小炎口22uで燃焼が開始されると、その炎が隣の小炎口22uに次々と火移りしていく結果、全ての小炎口22uで燃料ガスの燃焼が開始されるようになっている。火炎センサ32は、小炎口22uで生じた炎を検知することができる。そして、小炎口22uで炎が形成されている状態で開閉弁42を開弁させると、上側主炎口21fおよび下側主炎口22fからも燃料ガスが流出する。ここで、小炎口22uと、その上方の下側主炎口22fとの距離は、小炎口22uに炎が形成されると、その炎によって上方の下側主炎口22fにも炎が形成される距離に設定されている。このため、小炎口22uの炎によって、下側主炎口22fおよび上側主炎口21fでも燃料ガスの燃焼が開始されるようになっている。
また、本実施例のコンロバーナ10は、小炎口22uから流出する燃料ガスに点火するための点火プラグ30は備えているが、下側主炎口22fや上側主炎口21fから流出する燃料ガスに点火するための点火プラグは備えていない。この理由は次のようなものである。図2を用いて上述したように、上側主炎口21fおよび下側主炎口22fは、小炎口22uに比べて大きな開口面積に設定されている。また、バーナ本体11の内部で上側主炎口21fおよび下側主炎口22fと連通している親混合管12は、小炎口22uと連通している子混合管13よりも大径に形成されている。更に、ガス噴射ノズル43pはガス噴射ノズル43cよりも多量の燃料ガスを噴射することができる。従って、上側主炎口21fおよび下側主炎口22fでは、小炎口22uよりも多量の燃料ガスを燃焼させて、大火力を発生させることができる。このため、コンロバーナ10は、必要な火力が小さい間は小炎口22uで燃料ガスを燃焼させておき、大火力が必要になったら上側主炎口21fおよび下側主炎口22fでも燃料ガスを燃焼させる。その後、小さな火力に戻す場合は、小炎口22uでの燃焼は継続したままで、上側主炎口21fおよび下側主炎口22fでの燃焼を終了させる。このように、本実施例のコンロバーナ10は、すなわち、上側主炎口21fおよび下側主炎口22fの燃焼を開始する際には、必ず小炎口22uで燃料ガスが燃焼中となっている。従って、小炎口22uから流出する燃料ガスに、点火プラグ30で点火することができれば、小炎口22uの炎を火移りさせることによって、下側主炎口22fおよび上側主炎口21fでの燃焼も開始させることができる。このような理由から、小炎口22uに点火する点火プラグ30を搭載しておけば、下側主炎口22fや上側主炎口21fに点火するための点火プラグは搭載する必要がないためである。
図3は、本実施例のコンロバーナ10のバーナボディ11bおよびバーナヘッド20の内部構造を示した分解組立図である。図示されるように、略円筒形状のバーナボディ11bは、上端側が内向きに折り曲げられることによって、バーナヘッド20を載置する円環状の載置面11aが形成されている。また、バーナボディ11bの内側には、円筒形状の中央筒体14が立設されており、バーナボディ11bと中央筒体14との間に、混合ガスが供給される環状の混合室16が形成されている。
更に、バーナボディ11bと中央筒体14との間には、略円筒形状の仕切り筒体15が設けられており、この仕切り筒体15によって、混合室16は仕切り筒体15よりも内側の空間と、仕切り筒体15よりも外側の空間とに分けられている。仕切り筒体15よりも内側の空間が後述する親混合室16pとなり、仕切り筒体15よりも外側の空間が後述する子混合室16cとなる。仕切り筒体15は、バーナボディ11bと同様に板金部材によって形成されており、円筒形状の上端側が内向きに折り曲げられた後、折り曲げられた部分の内縁が下向きに折り曲げられることによって短い円筒形状の嵌合面15aが形成されている。
バーナヘッド20は、前述したように上バーナヘッド21と下バーナヘッド22とから形成されており、バーナボディ11bの載置面11aの上に下バーナヘッド22を載置して、その下バーナヘッド22の上に上バーナヘッド21を載置するようになっている。図示されるように、下バーナヘッド22は略円環形状の部材であり、内縁部分からは下方に向けて円筒形状の隔壁筒22aが垂設されている。また、下バーナヘッド22の周縁部分の底面側からは、隔壁筒22aよりは短い円筒形状の底面側筒状壁22bが、下方に向けて垂設されており、底面側筒状壁22bの下端面(バーナボディ11bの載置面11aに当接する面)には、下バーナヘッド22の中心に対して放射状に複数の小炎口溝22cが上方に向けて穿設されている(後述する図4を参照)。更に、下バーナヘッド22の周縁部分の上面側からは、底面側筒状壁22bよりも長い円筒形状の下側筒状壁22dが、上方に向けて立設されており、下側筒状壁22dの上端面には、下側筒状壁22dの中心に対して放射状に複数の下側主炎口溝22eが下方に向けて穿設されている(後述する図4を参照)。
図4は、下バーナヘッド22の周縁部分を縦方向に切断することによって、底面側筒状壁22bや下側筒状壁22dの詳細な形状を示した説明図である。図4(a)中にA-Aで示した切断位置は、小炎口溝22cや下側主炎口溝22eが形成されていない位置での切断位置であり、図4(a)中にB-Bで示した切断位置は、小炎口溝22cおよび下側主炎口溝22eが形成されている位置での切断位置である。また、図4(a)中にC-Cで示した切断位置については後述する。
図4(b)には、図4(a)中のA-Aの位置で下バーナヘッド22の周縁部分を切断した時に得られる断面図が示されている。図示されるように、下バーナヘッド22の周縁部分からは、下方に向けて底面側筒状壁22bが形成され、上方に向けて下側筒状壁22dが形成されている。また、図4(c)には、図4(a)中のB-Bの位置で下バーナヘッド22の周縁部分を切断した時に得られる断面図が示されている。図示されるように、底面側筒状壁22bには底面側から上方に向かって小炎口溝22cが穿設されており、小炎口溝22cは、底面側筒状壁22bの外周側面25(図4(b)参照)に貫通している。このため、下バーナヘッド22をバーナボディ11bの載置面11aの上に載置すると、底面側筒状壁22bの外周側面25に貫通した小炎口溝22cの底面が載置面11aで塞がれることによって、底面側筒状壁22bの外周側面25に開口した小炎口22u(図2参照)が形成されることになる。
また、図4(c)に示されるように、下側筒状壁22dには、上端面から下方に向かって下側主炎口溝22eが穿設されており、下側主炎口溝22eは、下側筒状壁22dの外周側面24(図4(b)参照)に貫通している。また、図4(a)に示したように、下バーナヘッド22の下側筒状壁22dには、複数の下側主炎口溝22eが等間隔で形成されているが、下側主炎口溝22eが形成されていない箇所が、複数箇所に存在する。そして、下側主炎口溝22eが形成されていない箇所では、下側筒状壁22dの外周側面24に凹溝22mが形成されている。図4(a)中にC-Cで示した切断位置は、凹溝22mが形成されている位置での切断位置である。図4(d)には、図4(a)中のC-Cの位置で下バーナヘッド22の周縁部分を切断した時に得られる断面図が示されている。図示されるように、下側筒状壁22dの外周側面24に形成された凹溝22mは、下端側は下バーナヘッド22を貫通していないが、凹溝22mの上端側は下側筒状壁22dの上端面まで貫通している。
更に、図3に示すように、下バーナヘッド22の下側筒状壁22dの外周側面24(図4(b)参照)からは、前述した点火プラグ30の上方の位置まで、点火ターゲット31が突設されている。
以上では、下バーナヘッド22の形状について説明したが、下バーナヘッド22の上には上バーナヘッド21が載置される。図3に示したように、上バーナヘッド21は円環形状に形成されており、内縁部分からは、図示しない円筒形状の内筒が下方に向けて垂設されている。更に、周縁部分からは下方に向けて筒状の上側筒状壁21aが設けられており、上側筒状壁21aの下端面には、上側筒状壁21aの中心に対して放射状に複数の上側主炎口溝21bが形成されている(後述する図5を参照)。
図5は、上バーナヘッド21の周縁部分を縦方向に切断することによって、上側筒状壁21aの詳細な形状を示した説明図である。図5(a)中にD-Dで示した切断位置は、上側主炎口溝21bが形成されていない位置での切断位置であり、図5(a)中にE-Eで示した切断位置は、上側主炎口溝21bが形成されている位置での切断位置である。また、図5(a)中にF-Fで示した切断位置については後述する。
図5(b)には、図5(a)中のD-Dの位置で上バーナヘッド21の周縁部分を切断した時に得られる断面図が示されている。図示されるように、上バーナヘッド21の周縁部分からは、下方に向けて上側筒状壁21aが形成されている。また、図5(c)には、図5(a)中のE-Eの位置で上バーナヘッド21の周縁部分を切断した時に得られる断面図が示されている。図示されるように、上側筒状壁21aには下端面から上方に向かって上側主炎口溝21bが穿設されており、上側主炎口溝21bは、上側筒状壁21aの外周側面23(図5(b)参照)に貫通している。
また、図5(a)に示したように、上バーナヘッド21の上側筒状壁21aにも、複数の上側主炎口溝21bが等間隔で形成されているが、上側主炎口溝21bが形成されていない箇所が複数箇所に存在しており、上側主炎口溝21bが形成されていない箇所では、上側筒状壁21aの外周側面23に凹溝21mが形成されている。図5(a)中にF-Fで示した切断位置は、凹溝21mが形成されている位置での切断位置である。図5(d)には、図5(a)中のF-Fの位置で上バーナヘッド21の周縁部分を切断した時に得られる断面図が示されている。図示されるように、上側筒状壁21aの外周側面23に形成された凹溝21mは、上側筒状壁21aを上下に貫通することによって、上側筒状壁21aの下端面と、上バーナヘッド21の上面21cに開口している。
バーナヘッド20は、以上のような形状の上バーナヘッド21を下バーナヘッド22の上に載置することによって形成されているが、下バーナヘッド22の上に上バーナヘッド21を載置する際には、上バーナヘッド21の上側主炎口溝21bと、下バーナヘッド22の下側主炎口溝22eとが重ならないように位置決めした状態で載置する。このため、下バーナヘッド22の下側筒状壁22dの上端面に穿設された下側主炎口溝22eの上面が、上バーナヘッド21の上側筒状壁21aの下端面で塞がれて、その結果、下側筒状壁22dの外周側面24に下側主炎口溝22eが開口した箇所には下側主炎口22f(図2参照)が形成されることになる。また、上バーナヘッド21の上側筒状壁21aの下端面に穿設された底面側筒状壁22bの底面が、下バーナヘッド22の下側筒状壁22dの上端面で塞がれて、上側筒状壁21aの外周側面23に上側主炎口溝21bが開口した箇所には上側主炎口21f(図2参照)が形成されることになる。その結果、上側主炎口21fと下側主炎口22fとは、図2に示したように、互い違いの位置に(従って、周方向に位置をずらした状態で)形成されることになる。また、上バーナヘッド21の外周側面23に形成された凹溝21mと、下バーナヘッド22の外周側面24に形成された凹溝22mとは上下に繋がって、凹溝20mが形成される(図2参照)。
また、バーナヘッド20をバーナボディ11bに載置する際には、図3に示すように、下バーナヘッド22の内縁部分から下方に垂設された隔壁筒22aを、仕切り筒体15の嵌合面15aの内側に挿入しつつ、上バーナヘッド21の内縁部分から下方に垂設された図示しない内筒を、中央筒体14の内側に挿入しながら、バーナヘッド20を下降させる。すると、下バーナヘッド22の周縁部分から下方に突設された下側主炎口溝22eが、バーナボディ11bの載置面11aに当接して、バーナヘッド20がバーナボディ11bに載置される。
バーナヘッド20をバーナボディ11bに載置した状態では、下バーナヘッド22の隔壁筒22aが仕切り筒体15の嵌合面15aに嵌合し、上バーナヘッド21の図示しない内筒が中央筒体14の上部の内周面に嵌合した状態となる。その結果、仕切り筒体15の外側には、仕切り筒体15とバーナボディ11bと下バーナヘッド22とで囲まれた子混合室16cが形成される。この子混合室16cは子混合管13と連通している。また、仕切り筒体15の内側には、中央筒体14と仕切り筒体15と隔壁筒22aと上バーナヘッド21とで囲まれた親混合室16pが形成される。この親混合室16pは親混合管12と連通している。
以上のような構造を有する本実施例のコンロバーナ10は、必要とされる火力が小さい間は、開閉弁42(図2参照)を用いて接続パイプ40pを閉鎖しておくことで、小炎口22uで燃料ガスを燃焼させる。また、必要とされる火力が大きくなったら、開閉弁42を全開状態とすることで、上側主炎口21fおよび下側主炎口22fでも燃料ガスを燃焼させる。このようにすることで、小火力から大火力までの広い火力範囲を実現することが可能となっている。また、図3および図4を用いて前述したように、下バーナヘッド22の外周側面24には、複数の下側主炎口溝22eが等間隔で形成された部分と、下側主炎口溝22eの代わりに凹溝22mが形成された部分とが存在する。同様に、上バーナヘッド21の外周側面23にも、図3および図5で示したように、複数の上側主炎口溝21bが等間隔で形成された部分と、上側主炎口溝21bの代わりに凹溝21mが形成された部分とが存在する。ここで、下バーナヘッド22の外周側面24上で凹溝22mが形成される位置、および上バーナヘッド21の外周側面23上で凹溝21mが形成される位置は、五徳4の五徳爪4bとの位置関係によって決定されている。
図6は、本実施例のコンロバーナ10を上面視(図1中の矢印Pの方向)することによって、上バーナヘッド21の外周側面23に形成された凹溝21m、および下バーナヘッド22の外周側面24に形成された凹溝22mと、五徳4の五徳爪4bとの位置関係を示した説明図である。上バーナヘッド21および下バーナヘッド22の外側の位置には五徳4の五徳リング4aが設置されており、五徳リング4a上に等間隔に設定された複数箇所(図示した例では6箇所)からは、上バーナヘッド21および下バーナヘッド22に向かって五徳爪4bが延設されている。このため、下バーナヘッド22の外周側面24は、複数箇所(図示した例では6箇所)で、五徳爪4bに対向していることになる。以下では、下バーナヘッド22の外周側面24の中で、五徳爪4bに対向する部分を「対向外周側面24a」と称することにする。下バーナヘッド22の凹溝22mは、対向外周側面24aに形成されている。また、下バーナヘッド22の外周側面24の中で、対向外周側面24a以外の部分(すなわち、五徳爪4bに対向していない部分)を「非対向外周側面24b」と称する。下バーナヘッド22の下側主炎口溝22eは、非対向外周側面24bに開口する位置に形成されている。尚、6箇所の対向外周側面24aの中の1箇所の対向外周側面24aには、凹溝22mの代わりに点火ターゲット31が突設されている。
上バーナヘッド21の外周側面23についても同様に、対向外周側面23aと非対向外周側面23bとが存在する。すなわち、上バーナヘッド21の外周側面23の中で、五徳爪4bに対向する部分が「対向外周側面23a」となり、それ以外の部分(すなわち、五徳爪4bに対向していない部分)が「非対向外周側面23b」となる。上バーナヘッド21の凹溝21mは、対向外周側面23aに形成されている。また、上バーナヘッド21の上側主炎口溝21bは、非対向外周側面23bに開口する位置に形成されている。そして、下バーナヘッド22の上に上バーナヘッド21を載置すると、下バーナヘッド22の対向外周側面24aと上バーナヘッド21の対向外周側面23aとが上下に並んだ状態となり、これに伴って、下バーナヘッド22の凹溝22mと上バーナヘッド21の凹溝21mとも、上下に並んだ状態となる(図2参照)。尚、下バーナヘッド22の対向外周側面24aの1つには、凹溝22mの代わりに点火ターゲット31が突設されているが、この対向外周側面24a(点火ターゲット31が突設された対向外周側面24a)の上に位置する上バーナヘッド21の対向外周側面23aには、凹溝21mは形成されていない。
本実施例のコンロバーナ10では、上バーナヘッド21および下バーナヘッド22に凹溝21m,22mが形成されている理由は、上バーナヘッド21および下バーナヘッド22での燃料ガスの燃焼状態を改善するためである。この理由を説明する準備として、上バーナヘッド21および下バーナヘッド22に凹溝21m,22mが形成されていない従来の上バーナヘッド91および下バーナヘッド92では、燃料ガスの燃焼状態が悪化する理由について説明する。
図7は、従来の上バーナヘッド91および下バーナヘッド92で燃料ガスが燃焼する様子を、上バーナヘッド91および下バーナヘッド92の上方から見た様子が示されている。尚、従来の上バーナヘッド91は、図5を用いて前述した本実施例の上バーナヘッド21に対して、外周側面23に凹溝21mが形成されていない点で異なるが、他の点については本実施例の上バーナヘッド21と同様である。また、従来の下バーナヘッド92は、図4を用いて前述した本実施例の下バーナヘッド22に対して、外周側面24に凹溝22mが形成されていない点で異なるが、他の点については本実施例の下バーナヘッド22と同様である。そこで、従来の上バーナヘッド91および下バーナヘッド92についての詳細な説明は省略する。また、上バーナヘッド91および下バーナヘッド92の外周側面は、それぞれ外周側面93、外周側面94と附番し、上バーナヘッド91および下バーナヘッド92の対向外周側面は、それぞれ対向外周側面93a、対向外周側面94aと附番し、上バーナヘッド91および下バーナヘッド92の非対向外周側面は、それぞれ非対向外周側面93b、非対向外周側面94bと附番することにする。
図7では、上バーナヘッド91の外周側面93で燃料ガスを燃焼することによる炎が実線で示されており、下バーナヘッド92の外周側面94で燃料ガスを燃焼することによる炎が破線で示されている。図4および図5を用いて前述した本実施例の上バーナヘッド21および下バーナヘッド22と同様に、従来の上バーナヘッド91および下バーナヘッド92でも、燃料ガスの燃焼による炎は非対向外周側面93b,94bに形成され、対向外周側面93a,94aには炎は形成されない。このため、対向外周側面93a,94aとの境の位置に形成される炎(図中に斜線を付した炎)は、片側にしか炎が形成されないので、隣で燃焼する炎の熱を十分に受けることができない。特に、主炎口(上バーナヘッド21の上側主炎口21fおよび下バーナヘッド22の下側主炎口22f)で形成される炎が小さい設定火力では、隣の炎から受け取る熱が少なくなるため、燃料ガスの良好な燃焼状態を維持することが困難となる。
加えて、そのような小さな炎が形成される設定火力では、親側のガス噴射ノズル43pが親混合管12の開口端12oに向けて噴射する燃料ガスの流量が小さいので、十分なエジェクタ効果を得ることができず、親混合管12内に流入する空気が不足気味となる。その結果、親混合管12内で燃料ガスと空気とが混合することによって得られる混合ガスは、燃料ガスの濃度が高めとなるので、この点からも、最適な燃焼状態とは若干異なる燃焼状態となる。
これに対して、本実施例の上バーナヘッド21および下バーナヘッド22では、上バーナヘッド21の上側主炎口21fおよび下バーナヘッド22の下側主炎口22fで形成される炎が小さい設定火力の場合でも、対向外周側面23aおよび対向外周側面24aに形成された凹溝21mおよび凹溝22mの働きによって、良好な燃焼状態を維持することができる。
図8は、本実施例の上バーナヘッド21および下バーナヘッド22で燃料ガスが燃焼する様子を、上バーナヘッド21および下バーナヘッド22の上方から見た様子が示されている。図示されているように、本実施例の上バーナヘッド21および下バーナヘッド22では、対向外周側面23a,24aに凹溝21m,22mが形成されている。そして、上バーナヘッド21の凹溝21mと、下バーナヘッド22の凹溝22mとは、上下に並んで一体の凹溝20mを形成している(図2参照)。更に、凹溝20mの上端は、上バーナヘッド21の上面21c(図5参照)まで貫通している。このため、上バーナヘッド21の上側主炎口21fおよび下バーナヘッド22の下側主炎口22fで形成される炎が小さい場合でも、凹溝20m内を下から上に向かってゆっくりと上昇する空気の流れが発生する。この結果、対向外周側面23a,24aとの境の位置に形成される炎(図中に斜線を付した炎)に、適度な流量の空気を供給することができる。図8中に太い実線で示した矢印は、凹溝20m内を上昇して、凹溝20mに隣接する炎に空気が供給される様子を表している。
前述したように、上バーナヘッド21の上側主炎口21fおよび下バーナヘッド22の下側主炎口22fで形成される炎が小さい場合は、混合ガスは燃料ガスの濃度が高めとなっている。このため、図8中の太い実線の矢印で示したように、対向外周側面23a,24aとの境の位置に形成される炎(図中に斜線を付した炎)に空気を供給することで、燃料ガスの濃度を最適な濃度に近付けることができるので、燃料ガスの燃焼状態を改善することが可能となる。
また、コンロバーナ10は、加熱調理中に上バーナヘッド21の上面21cに煮零れ汁が掛かることがある。上面21cに掛かった煮零れ汁は、上バーナヘッド21の外周側面23や下バーナヘッド22の外周側面24を伝い落ちて、上側主炎口21fや下側主炎口22fを閉塞させることがある。そして、上側主炎口21fや下側主炎口22fが閉塞すると、それらの閉塞した炎口では燃料ガスを燃焼させることができなくなり、更に、閉塞した炎口の数が多くなると、親混合管12の開口端12oから炎が噴き出す逆噴と呼ばれる現象が発生するなどの弊害が生じる。加えて、バーナヘッド20が上バーナヘッド21と下バーナヘッド22とによって形成されているコンロバーナ10では、煮零れ汁で上側主炎口21fや下側主炎口22fが閉塞すると、煮零れ汁を除去するために大きな労力が必要となる。そこで、上バーナヘッド21の上面21cの周縁部分を隆起させることによって、煮零れ汁が上バーナヘッド21の上面21cに掛かっても、上バーナヘッド21の外周側面23や下バーナヘッド22の外周側面24を伝い落ちないようにしてもよい。
図9は、上バーナヘッド21の上面21cの周縁部分に隆起部26が形成されたコンロバーナ10についての説明図である。図示されるように、上面21cの周縁部分に形成された隆起部26は、周方向に連続した形状となっている。また、凹溝21mの上端の部分では、周方向に連続した隆起部26が途切れることによって欠如部27が形成されている。このため、上バーナヘッド21の上面21cに掛かった煮零れ汁は、欠如部27に集められた後、欠如部27から凹溝20mを伝い落ちるようになる。図9中に斜線を付して表示した部分は、上バーナヘッド21の上面21cに掛かった煮零れ汁が、欠如部27から凹溝20mを伝い落ちる様子を表している。このように、煮零れ汁は凹溝20m内を流れていくので、上バーナヘッド21の上側主炎口21fや、下バーナヘッド22の下側主炎口22fが煮零れ汁で閉塞される虞がない。
尚、図9は、5箇所に形成された全ての凹溝20mについて、凹溝20mの上方では隆起部26が途切れることによって欠如部27が形成されているものとしているが、必ずしも全ての凹溝20mに対して欠如部27が形成されていなくても構わない。
また、上バーナヘッド21の上面21cに掛かった煮零れ汁は、欠如部27から凹溝20m内を伝い落ちて、下バーナヘッド22が載置されたバーナボディ11bに到達する。そして、バーナボディ11bに到達した煮零れ汁は、下バーナヘッド22が載置されたバーナボディ11bの載置面11a(図3参照)を伝って、バーナボディ11bの周方向に広がっていく。このため、煮零れ汁が伝い落ちてきた凹溝20mの下方の小炎口22uが閉塞されるだけでなく、点火プラグ30と向かい合う位置の小炎口22uや、火炎センサ32と向かい合う位置の小炎口22uを含めた多くの小炎口22uも閉塞されるようになる。すなわち、図9に示した本実施例のコンロバーナ10は、上バーナヘッド21の上面21cに煮零れ汁がかかると、その煮零れ汁を凹溝20mでバーナボディ11bまで導くことによって、点火プラグ30と向かい合う位置の小炎口22uや、火炎センサ32と向かい合う位置の小炎口22uを積極的に閉塞させていることになる。
前述したように、本実施例のコンロバーナ10は、上バーナヘッド21の上側主炎口21fおよび下バーナヘッド22の下側主炎口22fの燃焼を開始させる際には、小炎口22uが常に燃焼しているので、小炎口22uの炎を火移りさせて燃焼を開始させることができる。従って、上バーナヘッド21の上側主炎口21fや下バーナヘッド22の下側主炎口22fに点火するための点火プラグは不要であり、小炎口22uに点火するための点火プラグ30があればよい。同様に、上側主炎口21fや下側主炎口22fの炎を検知する火炎センサは不要であり、小炎口22uの炎を検知するための火炎センサ32があればよい。
しかし、上側主炎口21fや下側主炎口22f用の点火プラグや火炎センサを廃止してしまうと、煮零れ汁によって上側主炎口21fや下側主炎口22fが閉塞して、上側主炎口21fや下側主炎口22fに点火することができない事態が発生したり、炎が消えたりした場合でも、そのことを検知できない虞が生じる。
これに対して、図9に示した本実施例のコンロバーナ10では、煮零れ汁を欠如部27に集めて、凹溝20mでバーナボディ11bまで導いているので、上側主炎口21fや下側主炎口22fが煮零れ汁で閉塞するよりも前に、必ず小炎口22uが閉塞するようになっている。従って、煮零れ汁によって上側主炎口21fや下側主炎口22fが閉塞する事態を考慮する必要がなく、小炎口22u用の点火プラグ30および火炎センサ32を搭載しておけば、コンロバーナ10での点火の失敗や、炎が消えたことを確実に検知することが可能となる。
以上、本実施例のコンロバーナ10やガスコンロ1について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上述した本実施例のコンロバーナ10は、バーナヘッド20が上バーナヘッド21と下バーナヘッド22とに分割可能となっており、上バーナヘッド21に形成された上側主炎口溝21bと、下バーナヘッド22に形成された下側主炎口溝22eとが互い違いとなるように組み合わされることによって、上側主炎口溝21bと下側主炎口溝22eとが別個の炎口を形成するものとして説明した。しかし、上バーナヘッド21の上側主炎口溝21bと、下バーナヘッド22の下側主炎口溝22eとを上下に合わせて組み合わせることによって、一体の炎口を形成するようにしてもよい。
また、上述した本実施例のコンロバーナ10は、上バーナヘッド21および下バーナヘッド22の何れにも主炎口溝(上側主炎口溝21bまたは下側主炎口溝22e)が形成されているものとして説明した。上バーナヘッド21および下バーナヘッド22の何れか一方にだけ主炎口溝を形成しておき、下バーナヘッド22の上に上バーナヘッド21を載置すると主炎口が形成されるようにしてもよい。
また、上述した本実施例のコンロバーナ10は、バーナヘッド20が上バーナヘッド21と下バーナヘッド22とに分割可能となっており、バーナボディ11bの上に下バーナヘッド22を載置することによって小炎口22uを形成し、下バーナヘッド22の上に上バーナヘッド21を載置することによって、小炎口22uよりも大きな主炎口(上側主炎口21fおよび下側主炎口22f)を形成するものとして説明した。しかし、バーナヘッドを一体に形成して、バーナボディ11bの上にバーナヘッドを載置することによって、主炎口を形成するようにしてもよい。
また、上述した本実施例のコンロバーナ10は、バーナボディ11bの上に下バーナヘッド22を載置した時に、バーナボディ11bと下バーナヘッド22との間に小炎口22uが形成されるようにするために、下バーナヘッド22の下面側に小炎口溝22cを形成するものとして説明した。しかし、バーナボディ11bの上面側に小炎口溝を形成することによって、バーナボディ11bの上に下バーナヘッド22が載置された時に小炎口が形成されるようにしてもよい。
また、上述した本実施例のコンロバーナ10は、点火プラグ30から火花を飛ばすことによって混合ガスに点火するものしているが、ヒータを用いて混合ガスを加熱することによって点火するようにしてもよい。
また、上述した本実施例のコンロバーナ10は、バーナヘッド20の中央に挿通孔20hが形成された円環形状のバーナヘッド20を搭載しているが、これに限らず、例えば挿通孔20hの部分が閉塞された円板形状のバーナヘッドを搭載したコンロバーナであってもよい。