JP7768768B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

水中油型乳化化粧料

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Description

本発明は、水中油型乳化化粧料に関する。より詳しくは、適度な粘度のクリーム状でありながら、塗布時に加わる剪断力によってクリーム状から液体状へと急激に粘度が低下するチキソトロピー性を有し、肌上でなめらかに伸びて、肌にすっと馴染み、べたつきのないみずみずしい使用性を与える水中油型乳化化粧料に関する。
スキンケア等の皮膚に塗布される化粧料において、その使い心地は重要な要素である。特にクリーム化粧料の場合は、保管時には適度な粘度を維持しつつ、塗布開始時には柔らかく崩れ、塗布終了時までなめらかで、かつ、きしむことなく伸び広がることが望ましい。
これらの使用感触に影響を与える要因の1つとして、化粧料の増粘方法が挙げられる。水中油型乳化化粧料の代表的な増粘方法としては、例えば水溶性高分子によるものと界面活性剤によるものが知られている。
水溶性高分子は水相の増粘剤として用いられるが、そのような水溶性高分子としては、従来から一般的に用いられているカルボマーや多糖類に加えて、比較的良好な使用性と電解質添加時の安定性をもたらすためにアルキル基やイオン性基(スルホン酸基)を導入した多糖類等も使用されている(特許文献1)。しかし、いずれの水溶性高分子を用いる場合も、化粧料の長期保管下での安定性を維持するのに十分な量を添加すると、塗布の際の濃縮にともなうぬめりやのびの重さ、べたつきを生じる場合がある。
また、界面活性剤による増粘としては、油相の乳化に必要な界面活性剤を単独もしくは他の成分と組み合わせて用いる方法が挙げられる。例えば特許文献2では、アシルメチルタウリン塩とベヘニルアルコールを組み合わせてαゲルを形成してのびのよい化粧料を調製する方法が報告されている。しかしながら、αゲルにより十分な硬さを実現するには一般的に比較的多量の界面活性剤や高級アルコールが必要とされており、それによって、皮膚に塗布した時にのびが重くなったり、べたついたりするなど、使用感の悪さを生じる場合がある。
従って、水中油型乳化化粧料において上記のような使用感触を与えるチキソトロピー性を実現することは技術的に容易ではない。
その一方で、こうした使用感触を実現することに加えて、つや感のある仕上がりを実現する、コクのある使用感を付与する、あるいは、極性油に溶解する油溶性薬剤を多量に配合する等のために、水中油型乳化化粧料に極性油を高配合することが検討されている。
ところが、極性油を高配合すると、べたつきを生じ、水中油型乳化化粧料のせっかくのみずみずしい使用感触が損なわれることがある。特に、αゲルを形成している水中油型乳化化粧料において極性油を高配合するには、ゲルを安定化させるために高級アルコールの配合量を増やす必要があり、結果的に、化粧料が硬くなり塗布時の伸びが著しく損なわれてしまう。
かくして、塗布の際に容易に崩れて、なめらかにのび、べたつきのない優れた使用性を有する水中油型乳化化粧料が求められている。
特開平9-235301号公報 特開2010-6716号公報
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、保管時には適度な粘度のクリーム状でありながら、塗布時に加わる剪断力によってクリーム状から液体状へと急激に粘度が低下し流動性を発揮するチキソトロピー性を有し、なめらかに伸びて、肌にすっと馴染み、べたつきのないみずみずしい使用感触を与える水中油型乳化化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体、非イオン性界面活性剤、高級アルコール、並びに、極性油を含む油分を配合し、なおかつ、成分間の配合比率を特定の範囲に調節することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体、
(B)非イオン性界面活性剤、
(C)高級アルコール、及び
(D)前記(C)高級アルコール以外の油分
を含み、
(D)油分の少なくとも一部が(E)IOBが0.1~0.5の極性油であり、かつ
(A)~(E)の配合量(質量%)が以下の条件:
E/D≧0.65、及び
(E/D)/(A/(B+C))>7.4
を満たす、水中油型乳化化粧料を要旨とするものである。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、上記構成とすることによって、保管時には粘度が適度に高いクリーム状である一方、指で塗り広げる際に加わる剪断力によって粘度が急激に低下して、クリーム状から液体状へと簡単に崩れて流動性を発現するというチキソトロピー性を実現することができる。これにより、化粧水のようになめらかに伸びて、肌にすっと馴染み、べたつきがなく、みずみずしい使用性を与えることができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、所定の配合比率のもと、(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体、(B)非イオン性界面活性剤、(C)高級アルコール、及び(D)油分を含み、(D)油分の少なくとも一部が(E)極性油であることを特徴とする。以下、本発明の水中油型乳化化粧料について詳述する。
<(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体>
本発明の水中油型乳化化粧料に配合される(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体は、
(a1)アクリル酸またはメタクリル酸、
(a2)アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキル、
(a3)アクリル酸またはメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル、
の共重合体である。
(A)成分としては、例えば、ICID(International Cosmetic Ingredient Dictionary)収載名で、アクリレーツ/セテス-20メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-25メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-50メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ベヘネス-25メタクリレートクロスポリマー等が挙げられる。なかでも、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマー(「(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー」と称する場合がある)またはアクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマーが特に好ましい。
これらは水分散液(ポリマーエマルジョン)として市販されており、好ましい市販品としては、例えば、アキュリン22(アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマー(ローム・アンド・ハース社))、アキュリン28(アクリレーツ/ステアレス-25メタクリレートコポリマー(ローム・アンド・ハース社))、アキュリン88(アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー(ローム・アンド・ハース社))、および、アリストフレックスHMB(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマー(クラリアントプロダクションUK社))が挙げられる。
(A)成分には、その粘性を調節するために中和剤を配合することができる。中和剤は特に限定されず、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、トリエタノールアミンやイソプロパノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基を用いることができる。
本発明の化粧料における(A)成分の配合量は、化粧料全量に対して0.1~1.0質量%、好ましくは0.12~0.8質量%、より好ましくは0.15~0.5質量%である。配合量が上記範囲外では、べたつきを生じたり、のびが重くなったりするなど、使用性に劣る場合がある。
<(B)非イオン性界面活性剤>
本発明の水中油型乳化化粧料に配合される(B)非イオン性界面活性剤は、化粧品分野において通常使用されているものを配合できる。
具体例としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレンべへニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、マルチトールヒドロキシ脂肪族アルキルエーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油グリセリル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、テトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレン-エチレンジアミン縮合物、ポリオキシエチレン-ミツロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド、ポリオキシエチレン-プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン-アルキルアミン、ポリオキシエチレン-脂肪酸アミド、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸などが挙げられる。
なかでも、HLBが10~19の範囲、より好ましくはHLBが12~18の範囲、さらに好ましくはHLBが14~18の範囲の親水性の非イオン性界面活性剤が好ましい。例えば、ベヘネス-20等のポリオキシエチレン(10~50モル)べへニルエーテル、ポリソルベート60等のモノステアリン酸ポリオキシエチレン(20~60モル)ソルビタン、イソステアリン酸PEG-60グリセリル等のポリオキシエチレン(10~80モル)脂肪酸グリセリル、PPG-8セテス-20等のポリオキシエチレン(10~50モル)ポリオキシプロピレン(2~30モル)セチルエーテル、PEG-60水添ヒマシ油等のポリオキシエチレン(20~100モル)硬化ヒマシ油、ステアリン酸PEG-40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
特に(B)成分として、ポリオキシエチレン(10~50モル)べへニルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20~60モル)ソルビタン、ポリオキシエチレン(10~50モル)ポリオキシプロピレン(2~30モル)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20~100モル)硬化ヒマシ油から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
(B)成分の好ましい市販品としては、例えば、NIKKOL BB-20、BB-30等(日光ケミカルズ社)を挙げることができる。
本発明の化粧料における(B)成分の配合量は、化粧料全量に対して、0.1~10質量%、好ましくは0.3~7質量%、より好ましくは0.5~5質量%である。(B)成分が0.1質量%未満であると、油性成分を安定に乳化させることができず、10質量%を超えるとべたつきを生じるなど使用感が悪化する場合がある。
<(C)高級アルコール>
本発明の水中油型乳化化粧料に配合される(C)高級アルコールは、化粧品分野において使用できる炭素数14~22の高級アルコールであれば特に限定されない。(C)成分の好ましい例としては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコールなどが挙げられる。その中でも、直鎖非分岐であるセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
さらに本発明においては、(C)成分として、上記の2種以上の混合物を用いるのが好ましく、例えば、ステアリルアルコールとベヘニルアルコールとの組み合わせが特に好ましい。
本発明の化粧料における(C)成分の配合量は、化粧料全量に対して、0.1~10質量%、好ましくは0.3~7質量%、より好ましくは1~3質量%である。(C)成分の配合量が0.1質量%未満では十分な安定性が得られず、10質量%を超えるとべたつきを生じ、伸びが悪くなる場合がある。
<(D)油分>
本発明の水中油型乳化化粧料に配合される(D)油分は、(C)高級アルコール以外のあらゆる油分を指し、(D)油分の一部として(E)極性油を必須に含む。以下、(E)極性油、それ以外の(D)油分の順序で説明する。
<(E)極性油>
本発明の水中油型乳化化粧料に配合される(E)極性油は、IOB値が0.1~0.5の範囲であり、さらにIOB値が0.2~0.5の範囲のものがより好ましい。
ここでIOB値とは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比(Inorganic Organic Balance)であり、「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,vol.2,2,pp.163-173(1954)、「化学の領域」vol.11,10,pp.719-725(1957)、「フレグランスジャーナル」,vol.50.pp.79-82(1981)等に説明されている。すなわち、すべての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物は、すべてメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、結合様式(単結合、二重結合、三重結合の違い)、環等にそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値、無機性値を求め、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである。有機概念図については、「有機概念図-基礎と応用-」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
(E)極性油の具体例としては、特に限定されないが、セバシン酸ジイソプロピル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、エチルヘキサン酸セチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、トリイソステアリン、ジイソステアリン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、パルミチン酸イソプロピル、マカダミアナッツ脂肪酸フィトステリル、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、ネオペンタン酸イソデシル等が挙げられる。
特に、本発明に係る水中油型乳化化粧料は、紫外線吸収剤の持つ紫外線防御力を効率よく引き出せるため、(E)極性油の一部として油溶性紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
油溶性紫外線吸収剤としては、上記IOB値を満たすものであれば特に限定されない。例えば、メトキシケイヒ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾイル誘導体、カンファー誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、及びポリシリコーン系が挙げられる。
具体的には、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、オキシベンゾン、4-t-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸-2’-エチルヘキシルエステル、ポリシリコーン-15、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチル、p-メチルベンジリデンカンファーなどが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上の組み合わせで配合することができる。
本発明の化粧料における(E)成分の配合量は、化粧料全量に対して、1~20質量%、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~10質量%である。(E)極性油の配合量が1質量%未満ではしっとりさが得られず、20質量%を超えるとべたつきを生じ、伸びが悪くなる場合がある。
<(E)極性油以外の(D)油分>
(D)油分に含まれる油分のうち、(E)極性油以外の油分としては、特に限定されないが、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、シリコーン等が挙げられる。
油脂としては、アボカド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;カカオ脂、ヤシ油、馬油、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂などが例示される。
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが例示される。
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の油分が例示される。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが例示される。
シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状ポリシロキサン;3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴムなどが例示される。
なかでも、(D)成分としてロウを配合することが好ましい。ロウを配合する場合のロウの配合量は、化粧料全量に対して、好ましくは0.3~5質量%、より好ましくは0.5~4質量%であり、さらに好ましくは1~3質量%である。ロウを0.3質量%以上配合することにより、安定性をさらに改善できる傾向がある。一方、ロウの配合量が5質量%を超えると、却って塗布時ののびが重くなる場合がある。
本発明の化粧料における(D)油分((E)成分を含む)の配合量は、化粧料全量に対して、10~30質量%、好ましくは12~27質量%、より好ましくは15~25質量%である。(D)油分の配合量が10質量%未満では十分な安定性が得られず、30質量%を超えるとべたつきを生じ、伸びが悪くなる場合がある。
<E/D比>
(D)油分全体に対する(E)極性油の配合質量比(%)、すなわちE/D比(以下、当該配合質量比を「極性油分率」と称する場合がある)は、0.65以上であり、好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上である。極性油分率が0.65未満ではべたつきを生じ、伸びが悪くなる傾向がある。また、紫外線吸収剤を配合した場合に、その紫外線防御力を十分に引き出せなくなることがある。一方、極性油分率に特に上限はなく、(E)極性油が(D)油分の全てを占めてもよい。
<(E/D)/(A/(B+C))>
一般に、極性油分率(E/D)が大きいほど、(B)非イオン性界面活性剤及び(C)高級アルコールが油相に溶けやすくなり、ゲルを形成しにくくなる傾向があることが知られている。このため、ゲル形成にあたって(E/D)と(B+C)との相関関係に着目し、これらのバランスをとることが重視される。
本発明ではさらに(A)成分を含有するため、(A)成分がゲル形成に与える影響をも考慮する必要がある。本発明者らが検討したところ、(A)成分は(B)非イオン性界面活性剤及び(C)高級アルコールと相互作用し、(A)成分が多いほど粘度が高くなって崩れにくくなり、みずみずしい感触が失われてしまうことを見出した。
そこでさらなる検討の末、所望の使用性を達成するためには、極性油分率(E/D)と、(B)非イオン性界面活性剤及び(C)高級アルコールの合計配合量(B+C)と、(A)成分の配合量(A)との3者が、以下の条件を満たす必要があることを見出した。
(E/D)/(A/(B+C))>7.4
すなわち、(E/D)/(A/(B+C))が7.4より大きければ、前記3者間のバランスが保たれ、保管時には適度な粘度のクリーム状でありながら、塗布時に加わる剪断力によってクリーム状から液体状へと急激に粘度が低下し流動性を発揮し、なめらかに伸びて、べたつきのないみずみずしい使用感触を与えることができる。また、使用感触をより確実に達成するには、(E/D)/(A/(B+C))は、8.3より大きいことが好ましく、10より大きいことがさらに好ましい。
一方、(E/D)/(A/(B+C))の上限は特に限定されないが、のびの重さを考慮すると、25以下が好ましく、17以下がさらに好ましい。
<任意配合成分>
本発明の水中油型乳化化粧料には、上記(A)~(E)成分の他、通常の水中油型乳化化粧料に用いられる増粘多糖類、水溶性紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、保湿剤、香料、酸化防止剤、防腐剤、美容成分等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
特に、増粘多糖類を水中油型乳化化粧料に配合すると、一般的には使用性が損なわれる傾向があるが、本発明の化粧料においてはむしろ使用性が向上し、のびの滑らかさをさらに改善することができる。増粘多糖類(多糖類系増粘剤)としては、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系増粘剤;ジェランガム、カラギーナン、グアーガム、ローカストビンガム、アラビアガム、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン等の天然高分子多糖類などを挙げることができる。増粘多糖類を配合する場合の配合量は、化粧料全量に対して、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.05~3質量%である。増粘多糖類を0.01質量%以上配合することにより、安定性をさらに改善できる傾向がある。一方、増粘多糖類の配合量が5質量%を超えると、却って塗布時ののびが重くなる場合がある。
一方、同じ水溶性の増粘剤であっても、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)などのビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミドなどのアクリル系高分子のような合成高分子は、ぬめりやのびの重さ、べたつきを生じる場合があるため配合を避けるのが好ましい。
また、紫外線防御効果を付与もしくは改善するために、水溶性紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を配合することができる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばフェニルベンズイミダゾールスルホン酸、2-ヒドロキシ4-メトキシベンゾフェノンスルホン酸等を挙げることができる。
紫外線散乱剤としては、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。また、これらを表面疎水化処理したものでもよく、表面処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン処理;アルキルシラン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N-アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;その他、レシチン処理;金属石鹸処理;脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理等がある。
ただし、紫外線散乱剤を配合すると、塗布後の白浮きや粉っぽい使用感を生じる場合があるため、配合量は2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%未満である。
<粘度>
本発明の水中油型乳化化粧料は、25℃における粘度が100000mPa・s以下であることが好ましく、90000mPa・s以下であることがより好ましく、80000mPa・s以下であることがさらに好ましい。本発明において「粘度」とは、25℃でB型粘度計により測定される値である。粘度が100000mPa・sより高いと、塗布時に崩れにくくなったり、のびが悪くなったりする場合がある。
本発明の水中油型乳化化粧料は、限定されないが、例えば、(A)~(E)成分を高温で溶解して溶解油分パーツを調製し、水と他の水性成分を含む水相パーツを加温したものに前記溶解油分パーツを加えて常法により乳化して冷却することによって製造することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、日焼け止め化粧料はもちろん、メーキャップ製品、ヘア製品等にも広く応用が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。各実施例について具体的に説明する前に、採用した評価方法について説明する。
<使用性>
実施例及び比較例の各サンプルを、10名の専門パネルに実際に使用してもらい、塗布中ののびの軽さ、及び、塗布後のべたつきの無さについて評価した。
下記評価点基準に従って各専門パネルに5段階官能評価してもらい、その合計点により下記評価基準に基づいて判定した。
「評価点基準」
5:非常に優れている
4:優れている
3:普通
2:劣る
1:非常に劣る
「評価基準」
A:合計点が40点以上
B:合計点が30~39点
C:合計点が20~29点
D:合計点が19点以下
<紫外線防御効果>
測定プレート(Sプレート)(5×5cmのV溝PMMA(ポリメチルメタクリレート)板、SPFMASTER-PA01)に各例の化粧料(サンプル)を2mg/cmの量で滴下し、40秒間指で塗布し、15分間乾燥して塗膜を形成した。一方、コントロールは無塗布である。
形成された塗膜の吸光度を株式会社日立製作所製U-3500型自記録分光光度計にて測定し、吸光度(Abs)を以下の式に従って算出し、波長280~400nmの照射光について吸光度の積算値を求めた。
Abs=-log(T/To)
T:サンプルの透過率、To:無塗布の透過率
このようにして求めた紫外線防御能の数値(吸光度積算値)から、以下の評価基準に基づいて紫外線防御効果を判定した。
「評価基準」
A:吸光度積算値が80以上
B:吸光度積算値が72.5以上80未満
C:吸光度積算値が65以上72.5未満
D:吸光度積算値が65未満
<粘度>
VDA型粘度計(芝浦システム株式会社 DIGITAL VISMETRON VDA)を用いて、25℃、ローターNo.6、回転数10rpm、1分間の条件で測定した。
<実施例1~8及び比較例1~4>
以下の表1及び表2に記載の組成を有する水中油型乳化化粧料を調製し、上記の各項目について評価した。
上記の表に示されるように、(A)~(E)成分を含有し、E/D比が0.65以上、かつ、(E/D)/(A/(B+C))値が7.4を超える場合には、保管時には適度な粘度を維持するものの、塗布の際には急激に崩れて液体状になることにより肌上でののび広がりに優れ、べたつきのないみずみずしい使用性を示した(実施例1~8)。
一方、(A)成分の代わりにカルボマーで増粘させた場合や、(E/D)/(A/(B+C))値が7.4以下の場合には使用性に劣ることが確認された(比較例1~4)。特に、(E/D)/(A/(B+C))値が7.4以下では、粘度が高すぎて、塗布時に崩れにくく、のびも重いことが確認された(比較例3及び4)。さらに、E/D比が0.65未満では、紫外線吸収剤の配合量が同じでも高い紫外線防御効果が得られなかった(比較例3)。

Claims (9)

  1. (A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体、
    (B)非イオン性界面活性剤、
    (C)高級アルコール、及び
    (D)前記(C)高級アルコール以外の油分
    を含み、
    (D)油分の少なくとも一部が(E)IOBが0.1~0.5の極性油であり、かつ
    (A)~(E)成分の配合量(質量%)が以下の条件:
    (A)成分の配合量が化粧料全量に対して0.1~1.0質量%、
    (B)成分の配合量が化粧料全量に対して0.1~10質量%、
    (C)成分の配合量が化粧料全量に対して0.1~10質量%、
    (D)成分の配合量が化粧料全量に対して 10~30質量%、
    (E)成分の配合量が化粧料全量に対して1~20質量%、
    E/D≧0.65、及び
    (E/D)/(A/(B+C))が7.4より大きく、かつ、25以下
    を満たす、水中油型乳化化粧料。
  2. (B)非イオン性界面活性剤のHLBが10~19である、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. (C)高級アルコールを2種以上含む、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
  4. (D)油分としてロウを含み、ロウの配合量が化粧料全量に対して0.3~5質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の水中油型乳化化粧料。
  5. 増粘多糖類をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の水中油型乳化化粧料。
  6. 25℃における粘度が100000mPa・s以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の水中油型乳化化粧料。
  7. (E)極性油の少なくとも一部として油溶性紫外線吸収剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の水中油型乳化化粧料。
  8. 水溶性紫外線吸収剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の水中油型乳化化粧料。
  9. 紫外線散乱剤の配合量が2質量%未満である、請求項1~8のいずれか一項に記載の水中油型乳化化粧料。
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