JP7772033B2 - 電子楽器及び電子鍵盤楽器 - Google Patents

電子楽器及び電子鍵盤楽器

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Description

本発明は、電子楽器及び電子鍵盤楽器に関する。
従来から、本物のピアノに近い打鍵感覚や音色を得ることができる電子鍵盤楽器において、筐体内に鍵盤を覆うためのキーカバーが収納されるものが知られている。例えば特許文献1には、楽器本体と、楽器本体に配設された鍵盤部と、楽器本体の内部において楽器本体の後部に配設された面スピーカユニットと、楽器本体に配設された鍵盤蓋と、を備える電子鍵盤楽器が開示されている。この電子鍵盤楽器では、鍵盤蓋は、前蓋と後蓋が回動自在に連結されてなり、閉状態で鍵盤部を上方から覆い、開状態で鍵盤部を開放して演奏可能にするようになっている。
特開2012-145803号公報
上記特許文献1の電子鍵盤楽器では、面スピーカユニットから前方側に放たれた音は、楽器本体に設けられた開口部を抜けて演奏者側に放音される。しかしながら、鍵盤蓋は開状態で楽器本体の内部に収納され、鍵盤部の後端部が面スピーカユニットの中央位置よりも下に位置することとなるため、鍵盤蓋の後端部の下側を通って鍵盤側に至る放音経路では放音経路が狭くなり、面スピーカユニットから放たれて鍵盤側に向かう音が十分に放音されず、良好な音像が得られない虞があった。また、鍵盤蓋の後端部の下側に放音のための十分なスペースを設けると、楽器本体のサイズが大きくなってしまう問題があった。
本発明は、筐体内にキーカバーが収納される構成において、省スペース化を図りながら良好な音像を得ることが可能な電子楽器及び電子鍵盤楽器を提供することを目的とする。
本発明の電子楽器は、筐体と、前記筐体に設けられた操作子と、前記筐体内に設けられた放音部材と、前記筐体内の前記操作子と前記放音部材との間に出し入れ自在に収納され、前記筐体内から出された状態で前記操作子を覆うカバー部材と、を備え、前記筐体内は、前記カバー部材が前記筐体内に収納された状態で、前記カバー部材により前記操作子側の第1空間と前記放音部材側の第2空間とに分けられ、前記筐体内において前記カバー部材側に露出するとともに前記カバー部材と近接する板面上に前記第1空間と前記第2空間とに跨るように設けられた凹部を有し、前記凹部は、前記筐体を上側から平面に見た場合に、前記放音部材と前記操作子を操作する演奏者とを結ぶ仮想直線上及びその近傍に配置され、前記筐体内に、前記放音部材から放たれる音が、前記第2空間から前記凹部内を通って前記第1空間に至り、前記筐体の外側に到達する放音経路を有する。
本発明によれば、筐体内にキーカバーが収納される構成において、省スペース化を図りながら良好な音像を得ることが可能な電子楽器及び電子鍵盤楽器を提供することができる。
実施形態に係る電子鍵盤楽器を前方側から見た全体斜視図である。 実施形態に係る電子鍵盤楽器の本体部を後方側から見た斜視図であって、後面板を外した状態の斜視図である。 実施形態に係る電子鍵盤楽器の本体部の上面図であって、前方側天板及び後方側天板を外した状態の上面図である。 図3における凹部近傍の拡大図である。 実施形態に係る電子鍵盤楽器の本体部の断面図であって、図3におけるV-V断面の断面図である。 実施形態に係る電子鍵盤楽器の本体部の斜視断面図であって、図4の断面図に対応する断面の斜視断面図である。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に示す電子鍵盤楽器(電子楽器)1は、本体部10と、脚部100とを備えている。図1に示すように、本体部10は、白鍵22W及び黒鍵22Bからなる複数の鍵22を有し、打鍵部分が露出して設けられた鍵盤(操作子)20と、鍵盤20を囲んで保持する本体ケース(筐体)30とを備えている。脚部100は、一対の側板部材110と、ペダルフレーム120と、ペダル装置130とを備えている。なお、以下では、鍵盤20の複数の鍵22の配列方向を左右方向(図1の左側を左方向とする)とし、各鍵22の延在方向を前後方向(図1の手前側を前方向とする)とし、電子鍵盤楽器1の上下方向を上下方向(図1の上側を上方向とする)として説明する。
図1に示すように、一対の側板部材110は、両板面を左右方向に向けた姿勢で、電子鍵盤楽器1の左右両側で設置面上に立設される板状部材であり、本体ケース30を支持する。ペダルフレーム120は、各側板部材110の下側で各側板部材110の間を接続する。ペダル装置130は、ペダルフレーム120の左右方向略中央部に設けられている。電子鍵盤楽器1では、外部に露出する本体部10の本体ケース30、及び脚部100の各側板部材110がそれぞれ木製とされており、質感に特徴を持たせている。以下、本体部10の構成について詳しく説明する。
図1~図3に示すように、本体ケース30は、上方側及び下方側から見て、左右方向を長手方向とする横長略矩形状であり、前面板32、後面板33、左側面板34、右側面板35、前方側天板36F、後方側天板36B、及び下面板(底板)37の各厚板状部材を有しており、縦断面が略L字状とされている(図5参照)。なお、図2では、後面板33を外した状態を示しており、図3では、前方側天板36F及び後方側天板36Bを外した状態を示している。前面板32は、左右方向に長い略矩形状であり、本体部10の前端部の下側部分かつ鍵盤20の下側に設けられて本体ケース30の前面を構成する。前面板32の右端部には、電源ボタン32aが設けられている(図1参照)。後面板33は、左右方向に長い略矩形状であり、本体部10の後方に設けられて本体ケース30の後面を構成する。
左側面板34及び右側面板35は、いずれも前後方向に長い略矩形状であり、前方側が鍵盤20と略等しい高さとなるように前後方向略中央部に段差が設けられている。左側面板34及び右側面板35は、夫々本体部10の左側方、右側方に設けられて本体ケース30の左側面、右側面を構成する。前方側天板36Fは、左右方向に長い略矩形状であり、本体部10の上方の後側部分の前方側に設けられて本体ケース30の上面の一部を構成する。後方側天板36Bは、左右方向に長い略矩形状であり、本体部10の上方の後側部分の後方側に設けられて本体ケース30の上面の一部を構成する。なお、図1及び図3に示すように、鍵盤20と右側面板35との間には、ボリューム摘み24a等が配置されたボリュームパネル部24が設けられている。また、鍵盤20と左側面板34との間には、種々の設定ボタン26a等が配置された設定パネル部26が設けられている。
図1及び図5に示すように、後方側天板36Bは、前方側が開くように後面板33に対して回動可能に取り付けられている。後方側天板36Bの下側には、左右方向に長い略矩形板状の覆い板11が両板面を上下方向に向けた姿勢で設けられている。覆い板11には、左右方向に間隔を開けて上方に開口する略矩形状の複数の上方開口部11aが設けられている(図5参照)。覆い板11の上面及び側面は、サランネットにより被覆されている。後方側天板36Bが開いた状態では、覆い板11により後方側天板36Bの下側の開口部が覆われて本体ケース30の内部が見えないようになっている。また、前方側天板36Fの左右方向略中央部には、譜面立て36F1が取り付けられている。下面板37は、左右方向に長い略矩形状であり、本体部10の下方に設けられて本体ケース30の下面を構成する。
図3及び図5に示すように、鍵盤20の各鍵22の後方側には、左右方向に長い略矩形板状のコンソール部材12が両板面を上下方向に向けた姿勢で設けられている。コンソール部材12は、前方側天板36Fの前端部と上下方向に重なり合う位置で、鍵盤20の各鍵22の後端部を覆うように設けられている。コンソール部材12により、電子鍵盤楽器1の外部から鍵盤20の後端部の隙間を介して本体ケース30の内部が見えないようになっている。また、各鍵22の後側にコンソール部材12が設けられていることにより、各鍵22の前後方向の移動が規制されている。
図5に示すように、コンソール部材12の下面の後端部には、両板面を前後方向に向けた姿勢で下方に伸びる略板状の複数の第1板金部材13が左右方向に沿って間隔を空けて設けられている。第1板金部材13の下端部は、下面板37に取り付けられている。第1板金部材13により、鍵盤20の後側が本体ケース30に対して固定されている。第1板金部材13の前側の空間は、鍵盤20の下方側に設けられた空間となっている。なお、第1板金部材13の下端部には、図示しない複数の切欠きが設けられている。本体ケース30の内部における第1板金部材13の前後の空間は、複数の第1板金部材13の間及び第1板金部材13に設けられた切欠きにより連通している。
図5に示すように、本体ケース30は、前面板32とコンソール部材12の間の部分が前方上側に開口しており、この開口部分から鍵盤20における各鍵22の打面部分である上面及び前面の一部が外部に露出している。図5及び図6に示すように、本体部10には、鍵盤20のうち外部に露出する部分を覆うキーカバー38が設けられている。キーカバー38は、厚板状の部材であり、左右方向に長い略矩形状の板状部材である前方カバー部(第1カバー)38aと後方カバー部(第2カバー)38bが前後に並列して構成されている。前方カバー部38aは、横長形状の前方取り付け部材14を介して、本体ケース30に固定された前方リンク部材FLと回転自在に接続されている。
後方カバー部38bは、横長形状の後方取り付け部材15を介して、本体ケース30に固定された後方リンク部材BLと回転自在に接続されている。前方カバー部38aと後方カバー部38bは、ヒンジを介して2つ折り可能に連結されており、コンソール部材12と後述する操作板18との間の隙間から本体ケース30の内部における第1板金部材13の後方側の空間に出し入れ自在に収納される。本実施形態では、このようにキーカバー38が2つ折りされて本体ケース30の内部に収納されることにより、本体ケース30の省スペース化が図られている。なお、前方取り付け部材14の中央寄りの部分(持ち手部分)には、前方取り付け部材14を貫通するように開口する横長略矩形状の2つの取り付け開口部(連通孔)14aが左右方向の両側に夫々設けられている(図1等参照)。
図5に示すように、前方カバー部38aは、下面板37に対して略水平となるような姿勢で第1板金部材13の後方側の空間に収納され、後方カバー部38bは、下面板37に対して略垂直となるような姿勢で第1板金部材13の後方側の空間に収納される。前方カバー部38aが第1板金部材13の後方側の空間に収納された状態では、前方取り付け部材14が鍵盤20の後端部と前方カバー部38aとの間を覆うような姿勢となり、前方取り付け部材14により電子鍵盤楽器1の外部から本体ケース30の内部が視認できないものとされる(目隠し機能)。電子鍵盤楽器1では、演奏終了後等に、キーカバー38を本体部10の内部から引き出すことにより、鍵盤20が露出する本体ケース30の開口が覆われ、鍵盤20の露出部分が覆われるようになっている。
電子鍵盤楽器1では、キーカバー38により鍵盤20が覆われた状態では、後方取り付け部材15によりコンソール部材12と操作板18との間の隙間が覆われる。また、電源がオンされてキーカバー38が第1板金部材13の後方側の空間に収納された状態では、下面板37と後方取り付け部材15との間にわずかな隙間が生じている。このため、キーカバー38が収納された状態では、本体ケース30の内部は、キーカバー38の前方側(鍵盤20側)に設けられた前方側空間(第1空間)FSとキーカバー38の後方側(後述する各スピーカ50R、50L側)に設けられた後方側空間(第2空間)BSとに分けられる。換言すれば、本体ケース30の内部は、キーカバー38の前方側の領域とキーカバー38の後方側の領域とに区画される。キーカバー38が本体ケース30内に収納された状態では、取り付け開口部14aにより本体ケース30の外側と前方側空間FSとの間が連通する。
図5及び図6に示すように、前方側天板36F(図3では不図示)の下面には、左右方向に伸びる第2板金部材16が取り付けられている。第2板金部材16は、図5に示す断面視において前方下側から後方上側にかけて略階段状となっており、その下側部分の前端部に、左右方向に長い略矩形厚板状の操作板18が、両板面を前後方向に向けた姿勢で設けられている。操作板18は、その上下両側に前方側に開口する隙間を空けた配置でキーカバー38と前方側天板36Fとの間に設けられている。操作板18によりキーカバー38と前方側天板36Fとの間の大部分が覆われて後方側空間BSが見えないようになっている。操作板18の前面の一部はタッチパネルとされており、タッチ操作を受け付ける図示しない複数のスイッチが設けられている。このため、操作板18は、内部にタッチ操作を行うためのタッチ操作検出機構及びスイッチを照光するLED照光機構を有している。
略階段状とされた第2板金部材16の上側部分の前端部には、左右方向に長い略矩形板状の有孔部材40が、両板面を前後方向に向けた姿勢でネジ止めされて取り付けられている。有孔部材40は、射出成形により形成された樹脂製とされ、板厚方向に貫通する複数の孔が設けられている。また、有孔部材40は、操作板18との間に前後方向にわずかに間隔を空けた形で、操作板18の後方側で第2板金部材16に設けられている。図5に示すように、有孔部材40の下側部分は、前後方向において操作板18と重なり合っている。
図2及び図3に示すように、電子鍵盤楽器1は、後方側空間BSにおいて、下面板37の上面の後方側に2つのスピーカ(放音部材)50R、50Lを備えている。両スピーカ50R、50Lは、略円錐台状の放音部50R1、50L1が下面板37の上方に配置された形で、鍵盤20の下方側かつ後方側に設けられている。各放音部50R1、50L1からの音は、後方側空間BSに放音される。一方のスピーカ50R(以下、「右側スピーカ(高音側放音部材)50R」ともいう。)は、下面板37の上面の右側寄りの位置に設けられており、高音域の放音に対応している。他方のスピーカ50L(以下、「左側スピーカ(低音側放音部材)50L」ともいう。)は、右側スピーカ50Rと左右方向に並列した形で、下面板37の上面の左側寄りの位置に設けられており、低音域の放音に対応している。
また、両スピーカ50R、50Lの間であって下面板37の上面の後方側のうち左右方向中央部寄りの位置には、両スピーカ50R、50Lから放音された音を反射する2つの反射部材60が左右方向に並列して設けられている。各反射部材60は、下面板37の上面にネジ止めされて取り付けられた厚板状のネジ止め部62と、ネジ止め部62の一端部から略垂直に立ち上がる厚板状の立ち上がり部64と、を有している。各反射部材60における立ち上がり部64のうち前方側に向けられた面は、夫々音を反射する反射面64aとなっている。各反射部材60は、各反射面64aが左右方向に対して右側スピーカ50R側にやや傾いた姿勢で配置されている。このため、右側スピーカ50Rから放たれた音の少なくとも一部は、各反射面64aにより前方側かつ左右方向略中央側へと反射される。
図5に示すように、後方側空間BSにおける左側スピーカ50Lの前方側斜め上方の位置であって有孔部材40の後方側には、ツイータ70Lが設けられている。また、図示はしないが、後方側空間BSにおける右側スピーカ50Rの前方側斜め上方の位置にも、同様に有孔部材40の後方側にツイータが設けられている。各ツイータ70Lは、略円柱状とされ、その柱軸方向及び放音方向を前方側斜め上方(有孔部材40側の方向)に向けた形で、第2板金部材16の内面側に取り付けられたサブ板金17を介して第2板金部材16に取り付けられている。
また、図3に示すように、下面板37のうち、左右方向において各スピーカ50R、50Lよりやや内側(下面板37の左右方向略中央側)の位置であって前後方向において各スピーカ50R、50Lよりやや前側の位置には、上方に開放された凹状の2つの凹部39R、39Lが夫々設けられている。各凹部39R、39Lは、本体ケース30内においてキーカバー38側に露出する(換言すれば、キーカバー38と対向する)とともにキーカバー38と近接する下面板37の板面上に夫々設けられている。各凹部39R、39Lの開口部分は、上方から見て四隅が角丸状とされた略矩形状となっている。以下では、右側スピーカ50R寄りに設けられた凹部39Rを右側凹部(高音側凹部)39Rともいい、左側スピーカ50L寄りに設けられた凹部39Lを左側凹部(低音側凹部)39Lともいう。右側凹部39Rは、開口部分の左右方向寸法が左側凹部39Lの開口部分の左右方向寸法よりも大きくされており、左側凹部39Lよりも一回り大きいサイズで設けられている。
図3に示すように、各凹部39R、39Lは、鍵盤20の前側の左右方向略中央部に演奏者Mを配置して、本体ケース30を上側から平面に見た場合に、各取り付け開口部14aを通って各スピーカ50R、50Lと演奏者Mとを結ぶ仮想直線VL、VL上とその近傍に配置されている。ここで、図4は、図3における各凹部39R、39L及び各取り付け開口部14aの近傍部分(破線で囲まれた部分)を拡大した図である。図4に示すように、右側凹部39Rの外側端部39ERと右側の取り付け開口部14aの外側端部14ERとは左右方向における位置が略等しくされており、左側凹部39Lの外側端部39ELと左側の取り付け開口部14aの外側端部14ELとは左右方向における位置が略等しくされている。
図5及び図6に示すように、各凹部39R、39Lの内側面は、下面板37に対して略垂直な面となっている。各凹部39R、39Lは、キーカバー38が本体ケース30内に収納された状態で、下面板37のうちキーカバー38の後方カバー部38bと対向する位置に設けられており、前方側空間FSと後方側空間BSとに跨るように設けられている。換言すれば、各凹部39R、39Lは、キーカバー38が本体ケース30内に収納された状態で、前方側空間FSと後方側空間BSとの間を連通している。具体的には、各凹部39R、39Lの前後方向における中心位置CLは、下面板37に対して略垂直な姿勢とされたキーカバー38の後方カバー部38b及び後方取り付け部材15の中心位置と略一致している。また、各凹部39R、39Lの深さ寸法D1は、下面板37の厚み寸法W1の略半分程度とされている。
本実施形態では、右側スピーカ50Rから放たれた音の少なくとも一部が右側凹部39R内を通って前方側空間FSへと届くようになっており、左側スピーカ50Lから放たれた音の少なくとも一部が左側凹部39L内を通って前方側空間FSへと届くようになっている。ここで、高音域の音は本体ケース30の手前側に届き難く、低音域の音は本体ケース30の手前側に届き易い特性を有している。本実施形態では右側凹部39Rは左側凹部39Lよりも一回り大きいサイズで設けられていることから、右側スピーカ50Rから放たれて右側凹部39R内を通って前方側空間FSへと届く高音域の音は、左側スピーカ50Lから放たれて左側凹部39L内を通って前方側空間FSへと届く低音域の音と比べて、前方側空間FSへと届き易くなっている。
なお、各凹部39R、39Lは、各スピーカ50R、50Lと重ならない位置まで設けられている。各凹部39R、39Lは、各スピーカ50R、50Lの近傍まで設けられていることが好ましいが、各スピーカ50R、50Lの周りには各スピーカ50R、50Lを下面板37に取り付けるための孔が設けられていることから、下面板37の強度を確保できる距離で設けられていればよい。各凹部39R、39Lが各スピーカ50R、50Lの近傍まで設けられることにより、各スピーカ50R、50Lから放たれた音が右側凹部39R及び左側凹部39Lに届き易くなり、右側凹部39R及び左側凹部39Lを経由する放音経路による放音効果を高めることができる。
次に、前方側空間FSに設けられた各部材の構成について説明する。図5及び図6に示すように、前方側空間FSにおける第1板金部材13の前方側には、第1支持部材(支持部材)80が設けられている。第1支持部材80は、鍵盤20の下側の略全域に亘って設けられており、鍵盤20と同様に横長の形状とされている。第1支持部材80は、下方に開放された中空の部材である。鍵盤20は、第1支持部材80及び後述する第2支持部材88により本体ケース30に支持されている。また、上述した第2板金部材16は、第1支持部材80の後方側に設けられている。なお、上述した各凹部39R、39Lは、前後方向において第1支持部材80と重ならないような位置まで設けられている。
第1支持部材80の前端部は、上方側に向けて凸状に突出する凸状部80aとなっている。第1支持部材80のうち各鍵22の黒鍵22Bの下側に位置する部分は、上方側に向けて台状に隆起する台状部80bとなっている。凸状部80aと台状部80bの間は、下方側に凹状に凹んでなる凹状部80cとなっている。台状部80bの上面の後側部分には、鍵盤20の各鍵22の後端部分を回動自在に支持する回動支点部80b1が設けられている。また、台状部80bの上面には、制御基板85が設けられている。制御基板85にはスイッチが設けられており、打鍵した鍵22に対応する音が発音されるようになっている。凹状部80cには、前後方向及び上下方向に開口する複数の凹状部開口部80dが左右方向に並んで設けられている(図3及び図6参照)。
第1支持部材80の内側の空間のうち台状部80bの下方側には、各鍵22と接続される複数のハンマー部材84が設けられている。ハンマー部材84は、略三角形状のウェイト部84aと、ウェイト部84aから前側に直線状に延びるアーム部84bとを備えている。アーム部84bは、台状部80bの内側の前側部分に設けられた軸支部材86に回動自在に支持されている。各鍵22を打鍵すると、ハンマー部材84のウェイト部84aが上昇し、各鍵22の打鍵時に重みを付与することができる。これにより、本物のピアノに近い打鍵感覚を得ることができる。
第1支持部材80の内側の空間のうちハンマー部材84が配置された部分よりも前方側の部分には、下面板37上に配置された第2支持部材88が設けられている。第2支持部材88は、下方に開放された中空の部材であり、下面板37にネジ止めされることにより本体ケース30に取り付けられている。第2支持部材88により、木製とされた本体ケース30に対して、第1支持部材80を介して鍵盤20が間接的に支持される。ハンマー部材84のアーム部84bを支持する軸支部材86は、第2支持部材88上に設けられている。
次に、本体ケース30の内部に設けられ、各スピーカ50R、50Lから放たれた音の放音経路となる各連通路P1~P4について説明する。図5に示すように、本実施形態の電子鍵盤楽器1では、本体ケース30内に、各スピーカ50R、50Lから放たれた音が本体ケース30の外側に至る放音経路である4つの連通路P1~P4が設けられている。1つ目の連通路である第1連通路P1は、各スピーカ50R、50Lから各凹部39R、39L内を通って前方側空間FSに至り、各ハンマー部材84の下方側を通って凹状部開口部80dから第1支持部材80の上方側へ抜け、各鍵22の間から本体ケース30の外側に至る連通路である。
2つ目の連通路である第2連通路P2は、各スピーカ50R、50Lから各凹部39R、39L内を通って第1板金部材13の後方側に至り、第1板金部材13の後方側を通って上方へ抜け、各取り付け開口部14aから本体ケース30の外側に至る連通路である。本実施形態では、第1連通路P1及び第2連通路P2を経由して本体ケース30の外側に放たれる音は、その大部分が各凹部39R、39L内を通って前方側空間FSへと至る。このため、後方カバー部38bの下面板37との間の隙間が小さい場合であっても、各スピーカ50R、50Lから放たれて第1連通路P1及び第2連通路P2を経由する音が後方側空間BSから前方側空間FSへと効率的に届くようになっている。
なお、右側スピーカ50Rから放たれて第1連通路P1及び第2連通路P2を経由する音の少なくとも一部は、右側スピーカ50R側に傾いて配置された各反射部材60の反射面64aにより右側凹部39R側に反射されて右側凹部39R内を通り、第1板金部材13の後方側へ到達する。このため、右側スピーカ50Rから放たれた高音域の音が、効率的に第1板金部材13の後方側へと到達するようになっている。
3つ目の連通路である第3連通路P3は、各スピーカ50R、50Lから後方側空間BSを上方へ抜け、有孔部材40に設けられた孔を抜けて、操作板18と前方側天板36Fの間の隙間から本体ケース30の外側に至る連通路である。なお、各ツイータ70Lから放たれた音は、有孔部材40に設けられた孔を抜けて本体ケース30の外側に至るため、第3連通路P3の一部を経由する。4つ目の連通路である第4連通路P4は、各スピーカ50R、50Lから後方側空間BSを上方へ抜け、覆い板11の上方開口部11aから本体ケース30の外側に至る連通路である。このように電子鍵盤楽器1では、放音のための4つの連通路P1~P4を有することにより、良好な音像を得ることができる。
以上説明したように本実施形態に係る電子鍵盤楽器1は、本体ケース30と、本体ケース30に設けられ、複数の鍵22を有する鍵盤20と、本体ケース30内に設けられた各スピーカ50R、50Lと、本体ケース30内の鍵盤20と各スピーカ50R、50Lとの間に出し入れ自在に収納され、本体ケース30内から出された状態で鍵盤20を覆うキーカバー38と、を備え、本体ケース30内は、キーカバー38が本体ケース30内に収納された状態で、キーカバー38により鍵盤20側の前方側空間FSと各スピーカ50R、50L側の後方側空間BSとに分けられ、本体ケース30内においてキーカバー38側に露出するとともにキーカバー38と近接する板面上に前方側空間FSと後方側空間BSとに跨るように設けられた凹部39R、39Lを有する。
上記のような構成とされた本実施形態の電子鍵盤楽器1では、キーカバー38が本体ケース30内に収納された状態においてキーカバー38と下面板37との間の隙間が小さい場合であっても、本体ケース30のサイズを大きくすることなく、下面板37に設けられた各凹部39R、39Lにより、スピーカ50R、50Lが設けられた後方側空間BSから鍵盤20が設けられた前方側空間FSに至る十分な放音経路を確保することができる。このため、電子鍵盤楽器1では、本体ケース30内にキーカバー38が収納される構成を実現しながら、省スペース化を図りつつ良好な音像を得ることができる。
また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器1では、キーカバー38は、持ち手部分にキーカバー38が本体ケース30内に収納された状態で本体ケース30の外側と前方側空間FSとを連通する取り付け開口部14aを有する。この構成によれば、本体ケース30内に、各スピーカ50R、50Lが設けられた後方側空間BSから各凹部39R、39Lを通って前方側空間FSに至り、取り付け開口部14aから本体ケースの外側に到達する放音経路が形成される。これにより、後方側空間BSから各凹部39R、39Lを経由する放音経路の具体的な構成を提供することができる。
また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器1では、各取り付け開口部14aは、鍵盤20の鍵22の長手方向(前後方向)の前側かつ鍵盤20の鍵22の配列方向(左右方向)の略中央部に演奏者Mを配置して電子鍵盤楽器1を上側から平面に見た場合に、各スピーカ50R、50Lと演奏者Mとを結ぶ仮想直線VL上及びその近傍にのみ設けられている。これにより、仮に前方取り付け部材14の略全域に亘って取り付け開口部14aが設けられた構成と比較して、前方取り付け部材14の強度、目隠し機能、及びデザイン性等を確保しつつ、各スピーカ50R、50Lからの音を各凹部39R、39Lを経由して各取り付け開口部14aから演奏者Mに向けて効果的に放音させることができる。
また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器1では、左右方向において各凹部39R、39Lの外側端部39ER、39ELと各取り付け開口部14aの外側端部14ER、14ELとが略等しくされている。これにより、各スピーカ50R、50Lから放たれて後方側空間BSから各凹部39R、39Lを通って第1板金部材13の後方側に到達した音が、各取り付け開口部14aに届き易い構成を実現することができ、各取り付け開口部14aから本体ケース30の外側に放たれる音の放音効果を高めることができる。
また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器1は、本体ケース30に対して鍵盤20を支持する第1支持部材80を備え、各凹部39R、39Lは、第1支持部材80と重ならない位置まで設けられている。このように本体ケース30の内部の限られたスペースにおいてなるべく大きいサイズで各凹部39R、39Lを設けることにより、本体ケース30の省スペース化を図りながら、各凹部39R、39Lを通って本体ケース30の外側に放たれる音の放音効果を高めることができる。さらに、第1支持部材80を安定して下面板37に固定することができる。
また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器1では、各スピーカ50R、50Lは、本体ケース30内において左右方向の一方側に設けられて低音側の音を放音する左側スピーカ50Lと、本体ケース30内において左右方向の他方側に設けられて高音側の音を放音する右側スピーカ50Rと、を含み、凹部39R、39Lは、左側スピーカ50L寄りに設けられた左側凹部39Lと、右側スピーカ50R寄りに設けられた右側凹部39Rと、を含み、右側凹部39Rの開口は左側凹部39Lの開口よりも大きくされている。この構成によれば、右側スピーカ50Rから放たれる高音域の音を、開口が大きくされた右側凹部39Rを経由させることで、より手前側に届き易くすることができる。このため、手前側、即ち演奏者側に届く音の音量の大小(高音域の音と低音域の音のばらつき)が左右方向に亘って局所的に散在することが抑制され、演奏者に届く音の均一感を高めることができる。
また、本実施形態に係る電子鍵盤楽器1では、各凹部39R、39Lの開口は、電子鍵盤楽器1を上側から平面に見た場合に、略矩形状とされている。この構成によれば、例えば各凹部39R、39Lの開口が略円形状とされている場合と比べて、開口のサイズを大きくすることができる。このため、後方側空間BSから各凹部39R、39Lと通って前方側空間へと届く音を届き易くすることができ、本体ケース30の外側に放たれる音の放音効果を高めることができる。
また、実施形態に係る電子鍵盤楽器1では、キーカバー38は、鍵盤20の鍵22の長手方向(前後方向)に連結された前方カバー部38aと後方カバー部38bとを有し、前方カバー部38aが下面板37に対して略水平となるような姿勢で本体ケース30内に収納されるとともに後方カバー部38bが下面板37に対して略垂直となるような姿勢で本体ケース30内に収納され、各凹部39R、39Lは、前後方向における中央位置が、後方カバー部38bの前後方向における中央位置と略一致する。この構成によれば、各凹部39R、39Lにおいて、前方側空間FSに跨る部分の開口の大きさと後方側空間BSに跨る部分の開口の大きさが略等しくなるため、後方側空間BSから各凹部39R、39Lを通って前方側空間FSへと効率的に音が届くようにすることができ、本体ケース30の外側に放たれる音の放音効果を高めることができる。
また、実施形態に係る電子鍵盤楽器1では、各凹部39R、39Lは、深さ寸法D1が下面板37の厚み寸法W1の略半分とされている。この構成によれば、各凹部39R、39Lを通る音の放音経路を確保しながら、下面板37の強度を確保することができる。
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば上記の実施形態では、下面板の上面の左右両側に夫々1つずつ、計2つのスピーカが設けられた構成を例示したが、例えば下面板の上面の左右両側に夫々2つずつ、計4つのスピーカが設けられた構成であってもよい。このような構成であっても、片側2つのスピーカに対応する形で夫々凹部を設けることにより、良好な音像を得ることが可能な電子鍵盤楽器を実現することができる。また、例えば上記の実施形態では、下面板に凹部が設けられた構成を例示したが、これに限定されず、例えば下面板の上側に補強板等の他の板状部材が重なって設けられている場合には、当該板状部材に凹部が設けられてもよい。また、下面板の上側に複数の板状部材が設けられている場合には、最も上方に位置する板状部材、即ちキーカバー側に露出する板状部材に凹部が設けられてもよい。
1 電子鍵盤楽器 10 本体部
11 覆い板 11a 上方開口部
12 コンソール部材 13 第1板金部材
14 前方取り付け部材 14EL 外側端部
14ER 外側端部 14a 取り付け開口部
15 後方取り付け部材 16 第2板金部材
17 サブ板金 18 操作板
20 鍵盤 22 鍵
22B 黒鍵 22W 白鍵
24 ボリュームパネル部 24a ボリューム摘み
26 設定パネル部 26a 設定ボタン
30 本体ケース 32 前面板
32a 電源ボタン 33 後面板
34 左側面板 35 右側面板
36B 後方側天板 36F 前方側天板
36F1 譜面立て 37 下面板
38 キーカバー 38a 前方カバー部
38b 後方カバー部 39EL 外側端部
39ER 外側端部 39L 左側凹部
39R 右側凹部 40 有孔部材
50L 左側スピーカ 50L1 放音部
50R 右側スピーカ 50R1 放音部
60 反射部材 62 ネジ止め部
64 立ち上がり部 64a 反射面
70L ツイータ 80 第1支持部材
80a 凸状部 80b 台状部
80b1 回動支点部 80c 凹状部
80d 凹状部開口部 84 ハンマー部材
84a ウェイト部 84b アーム部
85 制御基板 86 軸支部材
88 第2支持部材 100 脚部
110 側板部材 120 ペダルフレーム
130 ペダル装置 BL 後方リンク部材
BS 後方側空間 CL 中心位置
D1 深さ寸法 FL 前方リンク部材
FS 前方側空間 M 演奏者
P1 第1連通路 P2 第2連通路
P3 第3連通路 P4 第4連通路
VL 仮想直線 W1 厚み寸法

Claims (12)

  1. 筐体と、
    前記筐体に設けられた操作子と、
    前記筐体内に設けられた放音部材と、
    前記筐体内の前記操作子と前記放音部材との間に出し入れ自在に収納され、前記筐体内から出された状態で前記操作子を覆うカバー部材と、を備え、
    前記筐体内は、前記カバー部材が前記筐体内に収納された状態で、前記カバー部材により前記操作子側の第1空間と前記放音部材側の第2空間とに分けられ、前記筐体内において前記カバー部材側に露出するとともに前記カバー部材と近接する板面上に前記第1空間と前記第2空間とに跨るように設けられた凹部を有し、
    前記凹部は、前記筐体を上側から平面に見た場合に、前記放音部材と前記操作子を操作する演奏者とを結ぶ仮想直線上及びその近傍に配置され、
    前記筐体内に、前記放音部材から放たれる音が、前記第2空間から前記凹部内を通って前記第1空間に至り、前記筐体の外側に到達する放音経路を有する、
    電子楽器。
  2. 前記操作子は、前記筐体の左右方向に配列するとともに前記筐体の前後方向に延びて設けられ、
    前記筐体は、前記操作子の下方に設けられた底板を有し、
    前記凹部は、前記底板の板面上に設けられている、
    請求項1に記載の電子楽器。
  3. 前記カバー部材は、持ち手部分に前記カバー部材が前記筐体内に収納された状態で前記筐体の外側と前記第1空間とを連通する連通孔を有する、
    請求項2に記載の電子楽器。
  4. 前記凹部は、前記操作子の前側かつ前記左右方向の略中央部に演奏者を配置して前記筐体を上側から平面に見た場合に、前記放音部材と前記演奏者とを結ぶ仮想直線上及びその近傍に設けられている、
    請求項3に記載の電子楽器。
  5. 前記配列方向において前記凹部の外側端部と前記連通孔の外側端部との位置が略等しくされている、
    請求項4に記載の電子楽器。
  6. 前記連通孔は、前記操作子の前側かつ前記左右方向の略中央部に演奏者を配置して前記筐体を上側から平面に見た場合に、前記放音部材と前記演奏者とを結ぶ仮想直線上及びその近傍に設けられている、
    請求項3に記載の電子楽器。
  7. 前記筐体に対して前記操作子を支持する支持部材を備え、
    前記凹部は、前記支持部材と重ならない位置まで設けられている、
    請求項1に記載の電子楽器。
  8. 前記放音部材は、前記筐体内において前記左右方向の一方側に設けられて低音側の音を放音する低音側放音部材と、前記筐体内において前記左右方向の他方側に設けられて高音側の音を放音する高音側放音部材と、を含み、
    前記凹部は、前記低音側放音部材寄りに設けられた低音側凹部と、前記高音側放音部材寄りに設けられた高音側凹部と、を含み、
    前記高音側凹部の開口は前記低音側凹部の開口よりも大きくされている、
    請求項2に記載の電子楽器。
  9. 前記凹部の開口は、前記筐体を上側から平面に見た場合に、略矩形状とされている、
    請求項1に記載の電子楽器。
  10. 前記カバー部材は、前記前後方向に連結された第1カバーと第2カバーとを有し、前記第1カバーが前記底板に対して略水平となるような姿勢で前記筐体内に収納されるとともに前記第2カバーが前記底板に対して略垂直となるような姿勢で前記筐体内に収納され、
    前記凹部は、長手方向における中央位置が、前記第2カバーの前記前後方向における中央位置と略一致する、
    請求項2に記載の電子楽器。
  11. 前記凹部は、深さ寸法が前記底板の厚み寸法の略半分とされている、
    請求項2に記載の電子楽器。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の電子楽器を備え、
    前記操作子は複数の鍵を有する鍵盤である、
    電子鍵盤楽器。
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